(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165103
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】画像処理装置および画面の制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0482 20130101AFI20241121BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241121BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241121BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G06F3/0482
H04N1/00 350
B41J29/42 F
G03G21/00 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080977
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】大西 敬尚
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2H270QA56
2H270QA63
2H270QB21
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB20
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5C062AB40
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AE15
5E555AA02
5E555AA31
5E555BA02
5E555BA27
5E555BB02
5E555BB27
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB34
5E555CC03
5E555DB03
5E555DB13
5E555DB18
5E555DC07
5E555DC21
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】階層化され関連付けられた操作画面に、上位階層へ戻す操作キーを配置し、その操作キーを操作して階層を切り替える場合の操作性を向上する。
【解決手段】階層化された設定メニューの階層に応じた画面を表示する表示部と、画面に対する操作を検出する操作検出部と、操作に応じた処理を行いその処理が他の階層への切り替えを含む場合は他の階層に応じた画面を表示部に表示させるようにする制御部と、を備え、制御部は、異なる階層間に共通の領域に、現在よりも上位の階層の画面を表示させるナビゲーションキーを表示させ、そのナビゲーションキーが操作されたことに応答して次に表示させる画面の階層が、操作された画面の階層に応じて異なることを特徴とする画像処理装置。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層化された設定メニューの階層に応じた画面を表示する表示部と、
前記画面に対する操作を検出する操作検出部と、
前記操作に応じた処理を行いその処理が他の階層への切り替えを含む場合は前記他の階層に応じた画面を前記表示部に表示させるようにする制御部と、を備え、
前記制御部は、異なる階層間に共通の領域に、現在よりも上位の階層の画面を表示させるナビゲーションキーを表示させ、前記ナビゲーションキーが操作されたことに応答して次に表示させる画面の階層が、前記ナビゲーションキーが操作された画面の階層に応じて異なることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記階層化された設定メニューの少なくとも一部は、上位の階層から下位の階層へ向って分岐し各設定の項目に至るツリー状の構造を有し、
前記ナビゲーションキーが操作されたことに応答して前記制御部が次に表示させる画面の階層は、前記ナビゲーションキーが操作された画面よりも上位の階層である請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記階層化された設定メニューは、コピーを含む画像処理の機能選択に係る画面を何れかの階層に含み、上層から下層へ向って分岐し各設定の項目に至るツリー状の構造を有し、
前記制御部は、前記画面で何れかの画像処理の機能が選択されると、選択された画像処理の下層の画面を前記表示部に表示させ、前記下層の画面において前記ナビゲーションキーが操作された場合、次に表示させる画面は、前記画像処理の機能に係る下層または最上層の画面である請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ナビゲーションキーを、前記次に表示させる画面の種類に応じてそれぞれ異なる態様で表示させる請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ナビゲーションキーに加えて前記設定メニューの所定の画面に表示を切り替えるプリセット画面キーを前記共通の領域に表示させる請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像処理装置の制御部が、
表示部を用いて、階層化された設定メニューの階層に応じた画面を表示させるステップと、
前記画面に対する操作を検出するステップと、
前記操作に応じた処理を行いその処理が他の階層への切り替えを含む場合は前記他の階層に応じた画面を前記表示部に表示させるステップと、
異なる階層間に共通の領域に、上位の階層の画面を表示させるナビゲーションキーを表示させるステップとを備え、
前記ナビゲーションキーが操作されたことに応答して次に表示させる画面の階層が、前記ナビゲーションキーが操作された画面の階層に応じて異なることを特徴とする画面の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、階層化された設定メニューを提供する操作画面に対する操作を検出し、設定を受け付ける画像処理装置および画面の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置に操作キーのイラストを含む操作画面を表示させ、その操作キーのイラストに対する操作をタッチパネルで検出する操作ユニットを有し、操作キーに応じた処理を行う画像処理装置が知られている。操作ユニットは、複数の操作画面を切り替えて表示し、それぞれの操作画面はツリー状に階層化され関連付けられている。例えば、最上位の階層は、画像処理装置が実行可能な機能(例えば、スキャナ、コピー等)を大別し選択可能に表示する画面(ホーム画面)である。そのホーム画面で例えばコピーの機能をユーザが選択すると、それに応答して、コピー機能に係る基本的な設定を行う画面(コピー基本画面)に切り替わる。コピー機能に係る設定項目は多数あり、そのすべてをコピー基本画面に詰め込むと画面が煩雑になりわかりにくい。また操作キーが密集して操作性が低下する。そこで、コピー基本画面にはコピー機能に係る基本的な設定項目、例えば原稿サイズ、印刷用紙を給紙するトレイの選択、コピー倍率等の限られた設定項目が配置される。加えて、コピージョブを開始させる操作キーが配置される。
【0003】
コピー基本画面でユーザが所定の操作を行うと、他の設定項目を設定する別の操作画面に切り替わる。即ち、コピー基本画面にない項目について設定を行う際ユーザは、操作画面を1回以上切り替える操作を経て目的の項目を設定する操作画面を表示させる。操作画面を切り替える操作が、階層を跨ぐ移動に相当する。そして、最上位のホーム画面から、目的とする項目の設定画面に至るまで操作画面を切り替える操作は、上位の階層から下位の階層への移動に相当する。例示した最上位のホーム画面には、スキャナ、コピー等複数の選択肢があり何れを選択するかに応じて異なる下位の操作画面へ分岐する。ホーム画面より1つ下位の操作画面として例示したコピー基本画面も同様に、複数の選択肢が用意されている。例えば、原稿サイズ、トレイ選択、コピー倍率、出力先、両面コピー、コピーモード等の選択肢である。それらのうちコピー基本画面に表示されない設定項目については、例えばスクロールの操作を行ったり特定の操作キーを操作したりすることでコピー基本画面の一部または全部が別の画面に切り替わって表示される。さらに下位の階層についても同様であって、上位の階層から下位の階層へ行くにつれて分岐するツリー状にそれぞれの操作画面が関連付けられている。ツリーのノードは、他の操作画面へ切り替え可能な操作画面に対応し、ノード間の移動は操作画面を他の操作画面に切り替えるユーザの操作に対応する。
【0004】
このような、階層化された操作画面を用いて画像処理に係る設定メニューが提供される画像処理装置において、複数の項目を設定するには複数の操作画面をツリー状に従って行き来する操作が必要になる。それに関して、次のものが知られている。コンテンツデータに従って印刷出力を行う画像形成部を備え、ディスプレイの画面表示を、ホーム画面からコンテンツデータを選択するためのコンテンツ選択画面へ遷移させる。コンテンツ選択画面において戻るボタンが操作されたとき、画面遷移制御部は、コンテンツ選択画面から前の画面に遷移させる。ただし、ホーム画面から第1手順に従ってコンテンツ選択画面に遷移したのか、第2手順に従ってコンテンツ選択画面に遷移したのかによって、異なる前画面に遷移させる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、小さな表示画面の操作ユニットを有する小型の画像形成装置は、大きな表示画面の操作ユニットを有する大型あるいは中型の画像形成装置に比べると1つの操作画面に多くの項目を表示させることが難しい。限られた大きさの各操作画面に共通の領域に固定的にボタンを配置することは難しい。一方で、1つの操作画面に表示可能な項目が限られ、大きな表示画面の操作ユニットを有する画像形成装置に比べるとツリーの階層が深くなる。ある設定項目に係る設定を行い、その操作画面から移動したい先は、上位の何れかの階層のノード(操作画面)である。即ち、各操作画面には、下位の階層へ進む選択肢だけでなく、上位の階層へ戻す選択肢を用意する必要がある。しかし、上位階層への移動先は、直上の階層、複数の階層を跨いだ上位階層のノード、スキャナやコピー等各機能の基本画面、ホーム画面などさまざまである。直上の階層、複数の階層を跨いだ上位階層あるいは基本画面へ戻るのは、そのノードから分岐する他の設定項目へ進むためである。それぞれの操作画面へ切り替えるための複数の操作キーを共通の領域に配置すると、各操作画面に固有の項目を表示する領域を圧迫し操作画面が煩雑になったり階層を深くせざるを得なくなったりして操作性の低下を招く。特許文献1のように、所定の項目を設定する操作画面(コンテンツ選択画面)の表示に至った経路に応じて戻るボタンの遷移先を変える手法も考えられるが、深い階層の各操作画面にそれぞれ適用した場合、遷移先を決めるルールをユーザが理解できないおそれもある。また、固定的に直上の階層へ戻すようにする手法も考えられるが、深い階層の先にある操作画面から戻る場合に必要な操作の回数が多くなり操作性がよくない。
本開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、階層化され関連付けられた操作画面に、上位階層へ戻す操作キーを配置し、その操作キーを操作して階層を切り替える場合の操作性を向上する手法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、階層化された設定メニューの階層に応じた画面を表示する表示部と、前記画面に対する操作を検出する操作検出部と、前記操作に応じた処理を行いその処理が他の階層への切り替えを含む場合は前記他の階層に応じた画面を前記表示部に表示させるようにする制御部と、を備え、前記制御部は、異なる階層間に共通の領域に、現在よりも上位の階層の画面を表示させるナビゲーションキーを表示させ、前記ナビゲーションキーが操作されたこと応答して次に表示させる画面の階層が、前記ナビゲーションキーが操作された画面の階層に応じて異なることを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0008】
また、異なる観点から本開示は、画像処理装置の制御部が、表示部を用いて、階層化された設定メニューの階層に応じた画面を表示させるステップと、前記画面に対する操作を検出するステップと、前記操作に応じた処理を行いその処理が他の階層への切り替えを含む場合は前記他の階層に応じた画面を前記表示部に表示させるステップと、異なる階層間に共通の領域に、上位の階層の画面を表示させるナビゲーションキーを表示させるステップとを備え、前記ナビゲーションキーが操作されたことに応答して次に表示させる画面の階層が、前記ナビゲーションキーが操作された画面の階層に応じて異なることを特徴とする画面の制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本開示による画像処理装置において、階層化され関連付けられた操作画面に、上位階層へ戻す操作キーを配置し、その操作キーを操作して階層を切り替える場合の操作性を向上する手法を提供することができる。
本開示による画面の制御方法も同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示における画像形成装置の一態様である複合機の外観を示す説明図である。
【
図2】
図1に示す複合機の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す複合機の操作部に表示される操作画面の一例であるホーム画面の説明図である。
【
図4】
図1に示す複合機の操作部に表示される操作画面の一例であるコピー基本画面の説明図である。
【
図5】
図1に示す複合機の操作部に表示される操作画面の一例であるコピー機能一覧画面の説明図である。
【
図6】
図1に示す複合機の操作部に表示される操作画面の一例である特別機能画面の説明図である。
【
図7】
図1に示す複合機の操作部に表示される操作画面の一例である地色調整画面の説明図である。
【
図8】
図3~
図7に示す操作画面の関連を設定メニューのツリーとして示す説明図である。
【
図9】
図3~
図7に示す操作画面において、ナビゲーションキーにより切り替わる先の操作画面およびナビゲーションキーの表示態様の例を示す説明図である。
【
図10】
図8と同様の設定メニューのツリーを一般化して示す説明図である。
【
図11】
図10に示すツリーの各操作画面において、ナビゲーションキーにより切り替わる先の操作画面およびナビゲーションキーの表示態様の例を示す説明図である。
【
図12】
図2の制御部が実行する、操作画面の制御に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、本開示を限定するものと解されるべきではない。
(実施の形態1)
≪画像形成装置の構成例≫
図1は、本開示における画像形成装置の一態様である複合機の外観を示す説明図である。
図2は、
図1に示す複合機の内部構成を示すブロック図である。
図1に示すように、複合機100は、大別すると操作部10、画像読取部12および印字部14を備えている。操作部10は、複合機100に関する各種の情報をユーザに提示すると共に複合機100に対するユーザの操作を受け付ける。
図2に示すように、操作部10は、表示部10Dおよび操作検出部10Sを含む。表示部10Dは、例えば液晶表示デバイスが適用されて、操作画面をはじめとして各種の情報を表示するものである。操作検出部10Sは、例えばタッチパネルデバイスが適用されて、表示部10Dに表示される操作画面に対するユーザの操作を検出するものである。画像読取部12は、例えばイメージセンサおよび走査機構が適用されて原稿の画像を読み取るものである。画像読取部12は、原稿を1枚ずつ所定の読取位置へ搬送する原稿送り装置12Fを含む。印字部14は、例えば電子写真方式によりトナー画像を形成する画像形成機構14Pと形成されたトナー像を用紙に転写して定着させる転写定着機構14Tを含む。
【0012】
図2に示すように、複合機100は用紙搬送部13、制御部15、記憶部16および送受信部17をさらに含む。用紙搬送部13は、給紙トレイ13F、排紙トレイ13Xおよび給紙トレイ13Fから印字部を経て排紙トレイ13Xへ用紙を搬送する用紙搬送機構13Tを含む。制御部15は、操作部10、画像読取部12および印字部14を含めた複合機100の動作を制御するもので、ハードウェアとしてプロセッサを中心とする回路で構成され、プロセッサがプログラムを実行することによりその機能が実現される。記憶部16は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ16NおよびDRAM等の揮発性メモリ16Vを含む。不揮発性メモリ16Nは、例えば制御部15のプロセッサが実行するプログラムを格納する。揮発性メモリ16Vは、例えば画像読取部12が読み取った原稿の画像や送受信部17を介して外部の機器から受信する印刷データを格納する。送受信部17は、通信を介して外部の機器とやり取りするためのインターフェース回路である。
【0013】
≪設定メニューおよび操作画面の例≫
続いて、操作部10に表示されるいくつかの操作画面とそれらを関連付ける設定メニューの構成について述べる。
図3~
図7は、
図1および
図2に示す複合機100の操作部10に表示される操作画面の例を示す説明図である。
図3は、ツリー状に階層化された設定メニューの最上位階層に位置するホーム画面の一例である。
図3に示すように、制御部15は、最上位階層のホーム画面30であっても、ナビゲーションキー31を表示させるようにしてもよい。例えば、
図4~
図7に示す最上位階層以外の操作画面において、制御部15は、各操作画面の左上隅の位置(異なる階層間に共通の領域であるナビゲーション領域)に、1つのナビゲーションキー31、41、51、61、71を表示させる。ナビゲーションキー31、41、51、61、71は、表示されている操作画面を上位の階層の操作画面に切り替える機能を有するキーである点において各操作画面に共通する。しかし、その切り替え先は各操作画面によって異なる。ただし、最上位階層のホーム画面30については、それよりも上位の階層の操作画面がないので、切り替え先とすれば最上位のホーム画面30、即ち自身の操作画面しかなく、従って操作上なくてはならないものとはいえない。しかし、他の操作画面との一貫性を保つために
図3に示す例ではナビゲーション領域に1つのナビゲーションキー31を表示させている。また、制御部15は、ホーム画面30の右上隅に、機能キー33を表示させる。機能キー33は、後述する機能選択領域34に選択肢として表示されない機能の設定を受け付ける操作画面に切り替えるための操作キーである。また、所定の操作画面(例えば最上位のホーム画面30)に切り替える選択肢が切り替え先の操作画面に表示されてもよい。ただし、最上位のホーム画面30については、ホーム画面30へ切り替える選択肢は不要である。ナビゲーションキー31と機能キー33の下側に、機能選択領域34としてコピー、スキャン、ファクス等、複合機100の基本的な機能の選択肢を表示させる。機能選択領域34の下側はスクロール領域35であって、制御部15は、スクロール領域35において、機能選択領域34が狭いために一度に表示できない選択肢を横スクロールして表示させる操作を受け付ける。また、制御部15はホーム画面30の最下の領域をトナー残量表示領域36として、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色トナーの残量をバーグラフ表示させる。
【0014】
設定メニューの階層を説明するための一例として、機能選択領域34に表示された選択肢の「コピー」キーをユーザがタッチした場合の操作画面の切り替えについて述べる。ユーザが機能選択領域34の[コピー]キー34Cをタッチすると、操作検出部10Sはタッチ操作がなされたことおよびタッチ操作の位置を検出する。その検出に応答して制御部15は、現在表示されているホーム画面30の下位の階層に位置するコピー基本画面に切り替える処理を行う。
図4に、コピー基本画面の例を示す。
図4に示すように制御部15は、コピー基本画面40において、ホーム画面30と同様、ナビゲーション領域の位置にナビゲーションキー41を表示させる。また、右上隅の位置に機能キー43を表示させる。機能キー43は、後述する機能選択領域44に選択肢として表示されない機能の設定に係る操作画面や所定の操作画面に切り替える操作キーである。ナビゲーションキー41と機能キー43の間にコピーの設定部数を表示し、部数の設定を受け付ける部数設定領域42を表示させる。また、制御部15は、部数設定領域42の下側に、機能選択領域44として原稿、用紙、倍率等、コピーの基本的な機能の選択肢を表示させる。機能選択領域44の下側はスクロール領域45であって、機能選択領域44が狭いために一度に表示できない選択肢を横スクロールして表示させる操作を受け付ける。また、制御部15は、コピー基本画面40の最下の領域に[モノクロスタート]キー46Mおよび[カラースタート]キー46Cを表示させて操作を受け付ける。それぞれ、モノクロコピー、カラーコピーのコピージョブをスタートさせるものである。さらに、最下の領域の左側に、[リセット]キー47を表示させる。コピー機能に係る設定をリセットして初期状態へ戻す操作キーである。
【0015】
コピー基本画面40でユーザが機能キー43をタッチすると、その操作に応答して制御部15は、さらに下位層のコピー機能一覧画面に操作画面を切り替える処理を行う。
図5は、コピー機能一覧画面50の例である。
図5に示すように制御部15は、コピー機能一覧画面50において、ホーム画面と同様の位置にあるナビゲーション領域にナビゲーションキー51を表示させる。また、右上隅の位置に機能キー53を表示させる。機能キー53は、所定の操作画面に切り替える操作キーである。また、制御部15は、ナビゲーションキー51と機能キー53の下側に、機能選択領域54としてコピー機能の選択肢を一覧表示させる。機能選択領域54の右側はスクロール領域55であって、機能選択領域54が狭いために一度に表示できない選択肢を縦スクロールして表示させる操作を受け付ける。
【0016】
コピー機能一覧画面50でユーザが機能選択領域54の[特別機能]キー54Sをタッチすると、その操作に応答して制御部15は、さらに下位層の特別機能画面に操作画面を切り替える処理を行う。
図6は、特別機能画面60の例である。
図6に示すように制御部15は、特別機能画面60において、ホーム画面と同様の位置にあるナビゲーション領域にナビゲーションキー61を表示させる。また、右上隅の位置に機能キー63を表示させる。機能キー63は、所定の操作画面に切り替える操作キーである。また、制御部15は、ナビゲーションキー61と機能キー63の下側に、機能選択領域64として特別機能の選択肢を一覧表示させる。機能選択領域64の右側はスクロール領域65であって、機能選択領域64が狭いために一度に表示できない選択肢を縦スクロールして表示させる操作を受け付ける。
【0017】
特別機能画面60でユーザが機能選択領域64の[地色調整]キー64Bをタッチすると、その操作に応答して制御部15は、さらに下位層の地色調整画面に操作画面を切り替える処理を行う。
図7は、地色調整画面70の例である。
図7に示すように制御部15は、地色調整画面70において、ホーム画面と同様の位置にあるナビゲーション領域にナビゲーションキー71を表示させる。また、右上隅の位置に機能キー73を表示させる。機能キー73は、所定の操作画面に切り替える操作キーである。また、制御部15は、ナビゲーションキー71と機能キー73の下側に、設定領域74として地色調整の設定画面を表示させる。地色調整の設定画面は水平スライドバーとして表示される。水平スライドバーの下側には、地色調整を解除する[解除]キー77が配置されている。
【0018】
以上に述べた操作画面の関連と切り替えのトリガを設定メニューのツリーで示したものが
図8である。
図8において、上位の階層を左側に、下位の階層を右側に示している。ツリーのノードとして操作画面を例示しており、
図3~
図7に示す操作画面で下位の階層へ移動するトリガを矩形枠で示している。最上位の階層はホーム画面30である。その下位層には、機能選択領域34に示された不図示の選択肢に対応する複数の操作画面(例えば
図4に示すコピー基本画面40、不図示のスキャナ基本画面、ファクス送信基本画面等)がある。ホーム画面30から下位のコピー基本画面40へ操作画面を切り替えるトリガは[コピー]キー34Cが操作される事象である。コピー基本画面40の下位層には、機能選択領域44に示された選択肢に対応する不図示の原稿設定画面、不図示の用紙トレイ設定画面、不図示の倍率設定画面、不図示の両面設定画面、
図5に示すコピー機能一覧画面50等がある。コピー基本画面40から下位のコピー機能一覧画面50へ操作画面を切り替えるトリガは機能キー43の操作である。コピー機能一覧画面50の下位層には、特別機能画面60等がある。コピー機能一覧画面50から特別機能画面60へ操作画面を切り替えるトリガは[特別機能]キー54Sの操作である。特別機能画面60の下位層には、地色調整画面70等がある。特別機能画面60から地色調整画面70へ操作画面を切り替えるトリガは[地色調整]キー64Bの操作である。以上が、階層化された設定メニューを下位の階層へ移動する一例の説明である。
【0019】
続いて、設定メニューを上位の階層へ移動する例とそのトリガについて述べる。
図9は、
図3~
図7に示すそれぞれの操作画面において、ナビゲーション領域に表示されるナビゲーションキーの表示態様と、操作に応答して切り替わる次の操作画面の例を表形式で示した説明図である。左端の列は
図3~
図7に示すそれぞれの操作画面であってナビゲーションキーが表示されている画面に対応する。中央の列はナビゲーションキーが操作された場合の切り替え先の操作画面を示す。右端の列はそれぞれの操作画面におけるナビゲーションキーの表示態様を示す。
【0020】
例えば、
図9の最下行(第5行)は、地色調整画面70のナビゲーションキー71が操作された場合、制御部15が操作画面を3つ上位の階層のコピー基本画面40に切り替えることを示している。第4行は、特別機能画面60のナビゲーションキー61が操作された場合、1つ上位の階層のコピー機能一覧画面50に切り替えることを示している。第3行は、コピー機能一覧画面50のナビゲーションキー51が操作された場合、1つ上位の階層のコピー基本画面40に切り替えることを示している。第2行は、コピー基本画面40のナビゲーションキー41が操作された場合、1つ上位の階層のホーム画面30に切り替えることを示している。この態様によれば、どの操作画面でナビゲーションキーが操作されたかに応じて、いくつ上位の階層の画面に切り替えるかを制御するため、1つずつ直上の階層へ戻すような場合と比較して、各画面から戻りたい画面へ快適に戻ることができる。なお、最上位のホーム画面30については、ナビゲーションキーは必須でない。ホーム画面30よりも上位の階層がないのでナビゲーションキーの必要性がないからである。ただし、各操作画面の共通性を重視して
図3および
図9の第1行に示すようにナビゲーションキーを表示させてもよい。その場合、ホーム画面30のナビゲーションキー31が操作された場合、同じ階層のホーム画面30を行先の操作画面とすればよい。機能選択領域34がスクロールされている場合は初期の選択肢に表示を戻すようにしてもよい。
【0021】
なお、
図8および
図9は、最上位のホーム画面30から地色調整の設定に至る一つの枝について述べたが、他の枝も同様である。しかし、各ノードの操作画面に表示される設定項目はそれぞれ異なるので、同じ階層、即ちホーム画面30からの操作画面の切り替え回数が同じであっても枝が異なれば操作画面でナビゲーションキーが操作された場合の切り替え先は異なることが起こり得る。
【0022】
(実施の形態2)
実施の形態1では、
図3~
図7に示す特定の枝を上位から下位の階層へ移動し、また下位から上位の階層へ移動する態様について述べた。この実施形態では、一般化された設定メニューのツリーにおいて上位から下位へ、また下位から上位へノードを移動する例について述べる。
図10は、一般化した設定メニューのツリーを示す説明図であり、
図8に類似するものである。
図10に示す設定メニューのツリーは、5つの階層からなる。第1階層の機能ツリートップの下に第2階層の3つのノード(2-1、2-2および2-3)がある。そのうちのノード2-1の下に、第3階層のノード(3-1、3-2、…3-5)がある。ノード3-1の下に、第4階層のノード4-1があり、そのノード4-1の下に第5階層のノード5-1がある。また、第3階層のノード3-5の下に、第4階層のノード4-2があり、ノード4-2の下に、第5階層のノード5-2がある。第3階層の分岐の数は
図10に示すだけで5つあって他の階層に比べて分岐の数が多い。このような場合、第3階層の機能を複数設定したいようなケースも考えられるため、その枝の第3階層よりも下位の操作画面のナビゲーションキーによる切り替え先を第2階層としてもよい。
【0023】
図11は、
図10に示すツリーの各操作画面において、ナビゲーションキーにより切り替わる先の操作画面およびナビゲーションキーの表示態様の例を示す説明図である。例えば、
図11の最下行(第4行)は、機能ツリーノード5-1のナビゲーションキーが操作された場合、制御部15が操作画面を3つ上位の階層の機能ツリーノード2-1に切り替えることを示している。第3行は、機能ツリーノード4-1のナビゲーションキーが操作された場合、2つ上位の階層の機能ツリーノード2-1に切り替えることを示している。第2行は、機能ツリーノード3-1のナビゲーションキーが操作された場合、1つ上位の階層の機能ツリーノード2-1に切り替えることを示している。第1行は、機能ツリーノード2-1のナビゲーションキーが操作された場合、最上位の階層である機能ツリートップに切り替えることを示している。機能ツリーノード5-1から機能ツリートップへ移動するには、各操作画面に共通する領域であるナビゲーション領域にあるナビゲーションキーを2回操作することになる。1回目の操作は機能ツリーノード5-1のナビゲーションキーに対して、2回目は切り替え先の機能ツリーノード2-1のナビゲーションキーに対してである。この態様によれば、ツリー状の構造を有する設定メニューの枝の先にある項目の設定を行ってから他の枝の先にある他の項目の設定に係る画面へ切り替える際に、上層にある分岐ノードへの切り替えを経て素早く切り替えることができる。
【0024】
図11に示す例において、機能ツリーノード3-1、4-1および5-1からの切り替え先はいずれも最上位から2つ目の階層にある機能ツリーノード2-1である。この態様によれば、ある機能(例えばコピー機能)に係る設定の画面においてナビゲーションキーが操作された場合、次に表示される画面は選択された画像処理の機能(コピー機能)に係る下層または最上層の画面に限られるので、関連のない画像処理の機能に係る画面が表示されてユーザを混乱させることがない。一方、機能ツリーノード2-1からの切り替え先はそれらと異なり、最上位の階層(機能ツリートップ)である。即ち、操作画面の階層に応じて次に表示させる画面の階層が異なっている。また、ナビゲーションキーが操作されたノードを基準にいくつ上位の階層へ移動したかを数えると、機能ツリーノード2-1および3-1からは、1つ上位の階層へ移動している。しかし、機能ツリーノード4-1からは2つ上位の階層へ移動し、機能ツリーノード5-1からは3つ上位の階層へ移動している。即ち、操作画面の階層に応じていくつ上位の階層へ移動するかが異なっている。
【0025】
なお、ナビゲーションキーとして、上位の階層へ移動することを示す矢印アイコンを表示するが、直上の階層でなく2つ以上、上位の階層へ移動する場合は矢印アイコンの右肩にいくつ上位の階層へ移動するかを数字で示し、移動先がどれだけ上位かをユーザが理解し易いように示している。この態様によれば、ナビゲーション領域に表示され、操作される画面の階層に応じて次に表示させる画面の階層が決まる前記操作キーを、次に表示させる画面の種類に応じた表示態様とすることで、その操作キーの機能をユーザにわかりやすく示すことができる。また、このような構成にすることにより、ナビゲーションキーによる操作画面の占有領域を抑えつつ、各操作画面から移動先の目標となる可能性の高い上位の操作画面へ1つずつ階層を移動するよりも少ない操作で移動できる。各操作画面に共通の位置にナビゲーションキーを配置することで、操作の一貫性が保たれる。また、ナビゲーションキーによる占有領域が抑えられるので、設定や情報表示に使用できる操作画面の領域が確保できて操作性が向上する。
【0026】
≪フローチャート≫
図12は、制御部15が実行する操作画面の制御に係る処理の一例を示すフローチャートである。特に、設定メニューのツリーに従って操作画面を切り替える処理を示している。制御部15は、複合機100の電源がオンになると表示部10Dに、設定メニューのツリーの最上位の操作画面を表示させる(ステップS11)。
図8におけるホーム画面30であって、
図10では機能ツリートップの操作画面である。以降、表示された各操作画面において、制御部15は、ナビゲーションキー以外の操作キーが操作されたかを判定する(ステップS13)。ナビゲーションキー以外の操作キーが操作されていない場合(ステップS13のNo)、続いて制御部15は、ナビゲーションキーが操作されたかを判定する(ステップS15)。ナビゲーションキーが操作されていなければ(ステップS15のNo)、制御部15は、処理を前述のステップS13の判定に戻して表示されている操作画面で何れかの操作キーが操作されるのを待つ。
【0027】
前述のステップS13で、ナビゲーションキー以外の操作キーが操作された場合(ステップS13のYes)、制御部15は、その操作キーに応じて定められた処理を実行する(ステップS17)。その処理が操作画面の切り替えを含む場合(ステップS19のYes)、続いて制御部は操作画面の切り替えに係る後述する処理を実行するが、操作画面の切り替えがない場合は(ステップS19のNo)処理を前述のステップS13へ戻す。操作画面の切り替えに係る処理は以下のとおりである。制御部15は、
図8あるいは
図10に示すような設定メニューのツリーに従って、次に表示すべき操作画面を決定する(ステップS21)。次に表示すべき操作画面は通常、現在のノード(操作画面)から分岐する下位の階層のノード(操作画面)であって操作されたキーに応じて決まる枝の下位ノード(操作画面)である。さらに制御部15は、次に表示する操作画面に対応するナビゲーションキーの表示態様を決定する(ステップS23)。設定メニューのツリーや各操作画面におけるナビゲーションキーの表示態様は、不揮発性メモリ16Nに予め格納されており、制御部15はそれを参照してステップS21およびS23の決定を行うようにしてもよい。制御部15は、決定に従ってナビゲーションキーを含む次の操作画面を表示部10Dに表示させる(ステップS25)。そして、処理を前述のステップS13へ戻す。
【0028】
また、前述のステップS15の判定で、ナビゲーションキーが操作された場合(ステップS15のYes)、制御部15は、次に表示すべき上位の階層の操作画面を決定する(ステップS27)。次に表示すべき操作画面は、操作がなされたナビゲーションキーが表示されている操作画面の階層に応じて定まる。さらに制御部15は、次に表示する操作画面に対応するナビゲーションキーの表示態様を決定する(ステップS23)。例えば、
図9あるいは
図11に示すような表が、不揮発性メモリ16Nに予め格納されており、制御部15はそれを参照してステップS27およびS23の決定を行うようにしてもよい。制御部15は、決定に従って次に表示すべき上位の階層の操作画面を表示部10Dに表示させる(ステップS25)。そして、処理を前述のステップS13へ戻す。以上が、操作画面の制御に関して制御部15が実行する処理の流れである。
【0029】
(実施の形態3)
実施の形態1および2において、各操作画面には唯一のナビゲーションキーが表示されるものとしている。しかし、ナビゲーション領域に上述のナビゲーションキーに加えて、最上位の操作画面に切り替える操作キーを配置する態様も考えられる。あるいは、ナビゲーションキーに加えて、現在の階層の直上の階層の操作画面に切り替える操作キーを配置する態様も考えられる。この態様によれば、ナビゲーションキーに加えて所定の画面へ表示を切り替えるプリセット画面キーをナビゲーション領域に表示させて操作を受け付けることで、ユーザの意図に応じた適切なキーをユーザが選択できるようになる。また、最上位の操作画面に切り替える操作キーや、直上の階層の操作画面に切り替える操作キーを、ナビゲーション領域に配置するのでなく機能キーを操作すると次に表示される操作画面の1つの選択肢として表示させるようにしてもよい。最上位の操作画面に切り替える操作キーについては、単に操作画面を切り替えるだけでなく、その際に設定を初期状態に戻す処理を行うようにしてもよい。最上位の操作画面に移動する際は、新たなジョブの設定を行う可能性が高いからである。
【0030】
以上の本開示には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれると解されるべきである。
前述した実施の形態の他にも、本開示についての種々の変形例があり得る。それらの変形例は、本開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。本開示に係る発明には、請求の範囲と均等の意味および本開示の範囲に属するすべての変形が含まれるべきである。
【符号の説明】
【0031】
10:操作部、 10D:表示部、 10S:操作検出部、 12:画像読取部、 12F:原稿送り装置、 13:用紙搬送部、 13F:給紙トレイ、 13T:用紙搬送機構、 13X:排紙トレイ、 14:印字部、 14P:画像形成機構、 14T:転写定着機構、 15:制御部、 16:記憶部、 16N:不揮発性メモリ、 16V:揮発性メモリ、 17:送受信部
30:ホーム画面、 31,41,51,61,71:ナビゲーションキー、 33,43,53,63,73:機能キー、 34,44,54,64:機能選択領域、 34C:[コピー]キー、 35,45,55,65:スクロール領域、 36:トナー残量表示領域、 40:コピー基本画面、 42:部数設定領域、 46C:[カラースタート]キー、 46M:[モノクロスタート]キー、 47:[リセット]キー、 50:コピー機能一覧画面、 54S:[特別機能]キー、 60:特別機能画面、 64B:[地色調整]キー、 70:地色調整画面、 74:設定領域、 77:[解除]キー
100:複合機