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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165113
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】基板接合装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20241121BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H01L21/02 B
H01L21/68 F
H01L21/68 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080991
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 光治
(72)【発明者】
【氏名】清水 英樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 祐介
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA10
5F131AA32
5F131AA33
5F131AA34
5F131BA37
5F131BA60
5F131CA01
5F131CA15
5F131DA02
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA36
5F131DA42
5F131DA43
5F131DA54
5F131DA67
5F131EA07
5F131EA14
5F131EA15
5F131EA22
5F131EA23
5F131EA24
5F131EA25
5F131EA27
5F131EB11
5F131EB17
5F131EB52
5F131EB63
5F131EB81
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC64
5F131FA12
5F131FA17
5F131FA23
5F131FA32
5F131FA33
5F131FA37
5F131FA39
5F131GA14
5F131HA28
5F131HA42
5F131HA44
5F131KA11
5F131KA14
5F131KA27
5F131KA28
5F131KA40
5F131KA72
5F131KB12
5F131KB32
5F131KB53
5F131KB54
5F131KB55
(57)【要約】
【課題】接合された2枚の基板の間に残る気泡を従来とは異なる手法で無くすまたは減らすことができる基板接合装置を提供する。
【解決手段】基板接合装置は、第1チャック11と、第1チャック11に保持されている第1基板W1に第2基板が鉛直に向かい合う位置で第2基板を保持する第2チャック21と、鉛直方向への第1チャック11および第2チャック21の間隔を変更するZアクチュエーター18と、第1基板W1の全体が平坦な状態で第1チャック11が第1基板W1を保持する平坦形状と、第1基板W1の一端が第1基板W1の他端に対して第2基板から遠ざかるように第1基板W1が湾曲した状態で第1チャック11が第1基板W1を保持する凸湾曲形状と、の間で第1チャック11を変形させる第1変形アクチュエーター71Aとを備える。
【選択図】図30
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板を保持する第1チャックと、
前記第1チャックに保持されている前記第1基板に第2基板が鉛直に向かい合う位置で前記第2基板を保持する第2チャックと、
鉛直方向への前記第1チャックおよび第2チャックの間隔を変更することにより、前記第1チャックに保持されている前記第1基板と前記第2チャックに保持されている前記第2基板との鉛直方向の間隔を変更するZアクチュエーターと、
前記第1基板の全体が平坦な状態で前記第1チャックが前記第1基板を保持する平坦形状と、前記第1基板の一端が前記第1基板の他端に対して前記第2基板から遠ざかるように前記第1基板が湾曲した状態で前記第1チャックが前記第1基板を保持する凸湾曲形状と、の間で前記第1チャックを変形させる第1変形アクチュエーターと、を備える、基板接合装置。
【請求項2】
前記基板接合装置は、前記第1チャックを支持する第1サポートフレームをさらに備え、
前記第1チャックは、前記第1サポートフレームに対して移動可能な第1可動部と、前記第1サポートフレームに接した状態で前記第1サポートフレームに固定された第1固定部と、を含み、
前記第1可動部および第1固定部は、前記第1チャックに垂直な方向に見たときに前記第1チャックの外縁上の2点を結ぶ境界線によって仕切られている、請求項1に記載の基板接合装置。
【請求項3】
前記第1固定部は、前記第1変形アクチュエーターが前記第1チャックを前記凸湾曲形状に変形させたときに前記第1固定部の全体が平坦に維持されるように前記第1サポートフレームに固定されている、請求項2に記載の基板接合装置。
【請求項4】
前記基板接合装置は、前記第1チャックが前記凸湾曲形状から前記平坦形状に戻ったときに、前記第1チャックの変形を停止させる平坦用ストッパーをさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板接合装置。
【請求項5】
前記基板接合装置は、前記Zアクチュエーターおよび第1変形アクチュエーターを制御する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記第1チャックを前記第1変形アクチュエーターによって前記凸湾曲形状に変形させた状態で、前記Zアクチュエーターに前記鉛直方向への前記第1チャックおよび第2チャックの間隔を減少させることにより、前記第1基板の前記一端が前記第2基板から離れた状態で、前記第1基板の前記他端と前記第2基板とを互いに接触させ、
前記第1基板の前記他端が前記第2基板に接触した状態で、前記第1チャックを前記第1変形アクチュエーターによって前記平坦形状に変形させることにより、前記第1基板の前記一端と前記第2基板とを互いに接触させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板接合装置。
【請求項6】
前記制御装置は、前記第1基板の前記他端が前記第2基板に接触した状態で、前記Zアクチュエーターに前記鉛直方向への前記第1チャックおよび第2チャックの間隔を変更させずに、前記第1チャックを前記第1変形アクチュエーターによって前記平坦形状に変形させることにより、前記第1基板の前記一端と前記第2基板とを互いに接触させる、請求項5に記載の基板接合装置。
【請求項7】
前記基板接合装置は、前記第1チャックの中心線まわりに前記第1チャックを回転させる第1自転モーターをさらに備え、
前記第1変形アクチュエーターの少なくとも一部は、前記第1自転モーターと等しい高さに配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板接合装置。
【請求項8】
前記第1自転モーターは、前記第1チャックと共に前記第1変形アクチュエーターを前記第1チャックの前記中心線まわりに回転させる、請求項7に記載の基板接合装置。
【請求項9】
前記基板接合装置は、前記第2基板の全体が平坦な状態で前記第2チャックが前記第2基板を保持する平坦形状と、前記第2基板の一端が前記第2基板の他端に対して前記第1基板から遠ざかるように前記第2基板が湾曲した状態で前記第2チャックが前記第2基板を保持する凸湾曲形状と、の間で前記第2チャックを変形させる第2変形アクチュエーターをさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板接合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の基板を接合する基板接合装置に関する。基板には、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置や有機EL(electroluminescence)表示装置などのFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1基板および前記第2基板を接合する接合装置が開示されている。この接合装置は、第1基板および第2基板をそれぞれ保持した状態で凸変形が可能に設けられた変形ステージを備えている。
【0003】
特許文献1の段落0054には「変形ステージ231aの周縁部は、略環状に形成された固定リング231bによって、ベース部231cに対し固定される。」との記載がある。特許文献1の段落0055には「「凸変形」とは、変形ステージ231aの中央部が周縁部よりも高い位置へ変位するように変形することを指し」との記載がある。特許文献1の図14D図15A、および図15Bには、エア圧を利用した構造が示されている。特許文献1の図16Aおよび図16Bには、ピエゾアクチュエータを利用した構造が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-53685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一つは、接合された2枚の基板の間に残る気泡を従来とは異なる手法で無くすまたは減らすことができる基板接合装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、第1基板を保持する第1チャックと、前記第1チャックに保持されている前記第1基板に第2基板が鉛直に向かい合う位置で前記第2基板を保持する第2チャックと、鉛直方向への前記第1チャックおよび第2チャックの間隔を変更することにより、前記第1チャックに保持されている前記第1基板と前記第2チャックに保持されている前記第2基板との鉛直方向の間隔を変更するZアクチュエーターと、前記第1基板の全体が平坦な状態で前記第1チャックが前記第1基板を保持する平坦形状と、前記第1基板の一端が前記第1基板の他端に対して前記第2基板から遠ざかるように前記第1基板が湾曲した状態で前記第1チャックが前記第1基板を保持する凸湾曲形状と、の間で前記第1チャックを変形させる第1変形アクチュエーターと、を備える、基板接合装置を提供する。
【0007】
前記実施形態において、以下の特徴の少なくとも1つを前記基板接合装置に加えてもよい。
【0008】
前記基板接合装置は、前記第1チャックを支持する第1サポートフレームをさらに備え、前記第1チャックは、前記第1サポートフレームに対して移動可能な第1可動部と、前記第1サポートフレームに接した状態で前記第1サポートフレームに固定された第1固定部と、を含み、前記第1可動部および第1固定部は、前記第1チャックに垂直な方向に見たときに前記第1チャックの外縁上の2点を結ぶ境界線によって仕切られている。
【0009】
前記第1固定部は、前記第1変形アクチュエーターが前記第1チャックを前記凸湾曲形状に変形させたときに前記第1固定部の全体が平坦に維持されるように前記第1サポートフレームに固定されている。
【0010】
前記基板接合装置は、前記第1チャックが前記凸湾曲形状から前記平坦形状に戻ったときに、前記第1チャックの変形を停止させる平坦用ストッパーをさらに備える。
【0011】
前記基板接合装置は、前記Zアクチュエーターおよび第1変形アクチュエーターを制御する制御装置をさらに備え、前記制御装置は、前記第1チャックを前記第1変形アクチュエーターによって前記凸湾曲形状に変形させた状態で、前記Zアクチュエーターに前記鉛直方向への前記第1チャックおよび第2チャックの間隔を減少させることにより、前記第1基板の前記一端が前記第2基板から離れた状態で、前記第1基板の前記他端と前記第2基板とを互いに接触させ、前記第1基板の前記他端が前記第2基板に接触した状態で、前記第1チャックを前記第1変形アクチュエーターによって前記平坦形状に変形させることにより、前記第1基板の前記一端と前記第2基板とを互いに接触させる。
【0012】
前記制御装置は、前記第1基板の前記他端が前記第2基板に接触した状態で、前記Zアクチュエーターに前記鉛直方向への前記第1チャックおよび第2チャックの間隔を変更させずに、前記第1チャックを前記第1変形アクチュエーターによって前記平坦形状に変形させることにより、前記第1基板の前記一端と前記第2基板とを互いに接触させる。
【0013】
前記基板接合装置は、前記第1チャックの中心線まわりに前記第1チャックを回転させる第1自転モーターをさらに備え、前記第1変形アクチュエーターの少なくとも一部は、前記第1自転モーターと等しい高さに配置されている。
【0014】
前記第1自転モーターは、前記第1チャックと共に前記第1変形アクチュエーターを前記第1チャックの前記中心線まわりに回転させる。
【0015】
前記基板接合装置は、前記第2基板の全体が平坦な状態で前記第2チャックが前記第2基板を保持する平坦形状と、前記第2基板の一端が前記第2基板の他端に対して前記第1基板から遠ざかるように前記第2基板が湾曲した状態で前記第2チャックが前記第2基板を保持する凸湾曲形状と、の間で前記第2チャックを変形させる第2変形アクチュエーターをさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係る基板接合装置の概略平面図である。
図2】基板接合装置によって行われる基板接合方法の一例について説明するための工程図である。
図3】接合される前後の第1基板および第2基板の断面の一例を示す概略図である。
図4】第1基板の第1アライメントマークについて説明するための第1基板の概略平面図である。
図5】第2基板の第2アライメントマークについて説明するための第2基板の概略平面図である。
図6】第1基板および第2基板のアライメント調整を行う前後の第1アライメントマークおよび第2アライメントマークを示す概略図である。
図7】接合ユニットの斜視図である。
図8】接合ユニットの平面図である。
図9】接合ユニットをY方向に水平に見た図である。
図10A】第1チャックの概略平面図である。
図10B】第1チャックの概略平面図である。
図11】第1接合モジュールをX方向に水平に見た図である。
図12】第1接合モジュールの平面図である。
図13】第1ステージの平面図である。
図14図13に示す矢印XIVの方向に第1ステージを水平に見た図である。
図15】第2接合モジュールをX方向に水平に見た図である。
図16図15の一部を拡大した図である。
図17】第2接合モジュールの平面図である。
図18】第2接合モジュールをY方向に水平に見た図である。
図19】第2ステージの平面図である。
図20図19に示す矢印XXの方向に第2ステージを水平に見た図である。
図21】接合ユニットの平面図である。
図22】第2基板を撮影している第2カメラをY方向に水平に見た図である。
図23】第1基板を撮影している第1カメラをY方向に水平に見た図である。
図24】第1固定基準および第2固定基準を撮影しているアライメントカメラをY方向に水平に見た図である。
図25図24に示す矢印XXVの方向にアライメントカメラを水平に見た図である。
図26】第1カメラによって生成された十字状の第1アライメントマークの画像の一例を示す概略図である。
図27】変位検出器のブロック図である。
図28】変位検出器の鉛直な断面を示す図である。
図29図28に示す矢印XXIXの方向に変位検出器を鉛直に見た図である。
図30】第1チャックおよび第2チャックを水平に見た概略図である。
図31】第1チャックの断面図である。
図32】第1チャックの断面図である。
図33】第1チャックの概略平面図である。
図34】第1サポートフレームの概略平面図である。
図35】第1チャックの第1可動部および第1固定部について説明するための概略図である。
図36】第1変形アクチュエーターを水平に見た図である。
図37図36の一部を拡大した図である。
図38】基板接合装置の電気的構成を示すブロック図である。
図39A】接合ユニットによって行われる第1基板および第2基板の接合の第1の例について説明するための概略図である。
図39B】接合ユニットによって行われる第1基板および第2基板の接合の第1の例について説明するための概略図である。
図39C】接合ユニットによって行われる第1基板および第2基板の接合の第1の例について説明するための概略図である。
図39D】接合ユニットによって行われる第1基板および第2基板の接合の第1の例について説明するための概略図である。
図39E】接合ユニットによって行われる第1基板および第2基板の接合の第1の例について説明するための概略図である。
図39F】接合ユニットによって行われる第1基板および第2基板の接合の第1の例について説明するための概略図である。
図39G】接合ユニットによって行われる第1基板および第2基板の接合の第1の例について説明するための概略図である。
図39H】接合ユニットによって行われる第1基板および第2基板の接合の第1の例について説明するための概略図である。
図40A】第1基板および第2基板の接合の第1の例における第1基板および第2基板の形状について説明するための概略図である。
図40B】第1基板および第2基板の接合の第1の例における第1基板および第2基板の形状について説明するための概略図である。
図40C】第1基板および第2基板の接合の第1の例における第1基板および第2基板の形状について説明するための概略図である。
図40D】第1基板および第2基板の接合の第1の例における第1基板および第2基板の形状について説明するための概略図である。
図40E】第1基板および第2基板の接合の第1の例における第1基板および第2基板の形状について説明するための概略図である。
図40F】第1基板および第2基板の接合の第1の例における第1基板および第2基板の形状について説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板接合装置1の概略平面図である。図2は、基板接合装置1によって行われる基板接合方法の一例について説明するための工程図である。図3は、接合される前後の第1基板W1および第2基板W2の断面の一例を示す概略図である。
【0019】
基板接合装置1は、円板状の2枚の基板Wを接合する装置である。図1に示すように、基板接合装置1は、FOUP(Front-Opening Unified Pod)などの複数枚の基板Wを収容する複数のキャリアCAが1つずつ置かれる複数のロードポートLPと、複数のロードポートLPから搬送された基板Wを処理する複数の処理ユニット2と、ロードポートLPと処理ユニット2との間、または、2つの処理ユニット2の間で基板Wを搬送する搬送システムTSとを備えている。基板接合装置1は、さらに、複数の処理ユニット2および搬送システムTSを収容した密閉空間を形成する外壁1aと、基板接合装置1を制御する制御装置3とを備えている。
【0020】
図1は、3つのロードポートLPが設けられた例を示している。3つのロードポートLPは、第1基板W1を収容したキャリアCAが置かれる第1ロードポートLP1と、第2基板W2を収容したキャリアCAが置かれる第2ロードポートLP2と、接合された第1基板W1および第2基板W2を収容するキャリアCAが置かれる第3ロードポートLP3とを含む。第1ロードポートLP1および第2ロードポートLP2は、基板接合装置1で接合すべき基板Wを収容したキャリアCAが置かれる搬入ポートである。第3ロードポートLP3は、基板接合装置1で接合された2枚の基板Wを収容したキャリアCAが置かれる搬出ポートである。
【0021】
搬送システムTSは、接合すべき第1基板W1および第2基板W2を第1ロードポートLP1および第2ロードポートLP2から複数の処理ユニット2に搬送し、接合された第1基板W1および第2基板W2を複数の処理ユニット2から第3ロードポートLP3に搬送する。搬送システムTSは、搬送路TP上で1枚以上の基板Wを水平な姿勢で搬送する少なくとも1つの搬送ロボットTRを備えていてもよい。
【0022】
搬送ロボットTRは、1枚の基板Wを水平な姿勢で保持する少なくとも1つのハンドTHを含む。搬送ロボットTRは、ハンドTHで基板Wを水平に保持しながら搬送路TPに沿って移動する。図1中の太線は、搬送路TPを表している。図1は、搬送路TPが、第1ロードポートLP1および第2ロードポートLP2のそれぞれから複数の処理ユニット2に延び、複数の処理ユニット2から第3ロードポートLP3に戻る例を示している。
【0023】
複数の処理ユニット2は、接合すべき基板Wを洗浄する少なくとも1つの洗浄ユニット2cと、接合すべき基板Wの接合面WA1、WA2(図3参照)を親水化させる少なくとも1つの親水化ユニット2hとを含む。複数の処理ユニット2は、さらに、接合すべき2枚の基板Wの一方を反転させる反転ユニットと、2枚の基板Wの接合面WA1、WA2同士を接触させる接合ユニット2bと、2枚の基板Wの接合精度を検査する検査ユニットとを含む。図1は、反転ユニットおよび検査ユニットが接合ユニット2bの一部である例を示している。反転ユニットは、接合ユニット2bから独立したユニットであってもよい。検査ユニットについても同様である。
【0024】
複数の処理ユニット2は、接合ユニット2bで接合された2枚の基板Wを加熱することにより、2枚の基板Wの接合強度を高める加熱ユニットをさらに含んでいてもよい。複数の処理ユニット2は、接合ユニット2bに搬入される前の基板Wの位置および角度を調整することにより、基板Wの実際の位置および角度と基板Wの理想的な位置および角度との差を減少させる少なくとも1つのプリアライナーをさらに含んでいてもよい。プリアライナーは、基板Wの外周を基準に基板Wの位置および角度を調整してもよいし、後述するアライメントマークを基準に基板Wの位置および角度を調整してもよい。プリアライナーまたはこれ以外の処理ユニット2で、接合すべき基板Wの厚みを測定してもよい。
【0025】
基板接合装置1によって2枚の基板Wを接合する手順の一例は以下の通りである。具体的には、第1ロードポートLP1上のキャリアCAから取り出した第1基板W1と第2ロードポートLP2上のキャリアCAから取り出した第2基板W2とを洗浄し乾燥させる前洗浄工程(図2のステップS1)を行う。その後、2枚の基板Wの接合面WA1、WA2を親水化させる親水化工程(図2のステップS2)を行い、親水化した2枚の基板Wを洗浄し乾燥させる後洗浄工程(図2のステップS3)を行う。
【0026】
親水化した2枚の基板Wを洗浄した後は、2枚の基板Wの一方を反転させる反転工程(図2のステップS4)を行う。その後、接合すべき2枚の基板Wのアライメントを確認するアライメント確認工程(図2のステップS5)と、確認されたアライメントに基づいて2枚の基板Wのアライメントを調整するアライメント調整工程(図2のステップS6)と、アライメントが調整された2枚の基板Wを接触させる基板接触工程(図2のステップS7)と、を行う。その後、2枚の基板Wの接合精度、すなわち、接合された2枚の基板Wの位置のずれ量と、接合された2枚の基板Wの角度(基板Wの中心まわりの角度)のずれ量など、を検査する検査工程(図2のステップS8)を行う。その後、接合された2枚の基板Wを第3ロードポートLP3上のキャリアCAに収容する。
【0027】
前洗浄工程は、洗浄液などの処理液を複数枚の基板Wに1枚ずつ供給する枚葉式の洗浄であってもよいし、間隔を空けて互いに平行に配置された複数枚の基板Wに洗浄液などの処理液を同時に供給するバッチ式の洗浄であってもよい。後洗浄工程についても同様である。前洗浄工程および後洗浄工程の一方が枚葉式の洗浄であり、前洗浄工程および後洗浄工程の他方がバッチ式の洗浄であってもよい。
【0028】
前洗浄工程および後洗浄工程は、同じ洗浄ユニット2cで行ってもよいし、別々の洗浄ユニット2cで行ってもよい。第1基板W1の前洗浄工程を行う洗浄ユニット2cは、第2基板W2の前洗浄工程を行う洗浄ユニット2cと同じであってもよいし、異なっていてもよい。後洗浄工程についても同様である。図1は、第1基板W1の前洗浄工程および後洗浄工程と第2基板W2の前洗浄工程および後洗浄工程とが別々の洗浄ユニット2cで行われる例を示している。
【0029】
親水化工程は、酸素プラズマなどのプラズマを基板Wの接合面WA1、WA2に照射するプラズマ処理であってもよい。この場合、空気中の水分や後洗浄工程で基板Wに供給される水分が、プラズマが照射された基板Wの接合面WA1、WA2に接触し、水酸基(OH基)などの親水基が基板Wの接合面WA1、WA2に形成される。親水化工程は、親水基を基板Wの接合面WA1、WA2に形成する親水化液を基板Wの接合面WA1、WA2に供給するウェット処理であってもよい。この場合、親水化ユニット2hは、親水化工程に加えて、前洗浄工程および後洗浄工程の少なくとも1つを行ってもよい。前洗浄工程および後洗浄工程の両方を親水化ユニット2hが行う場合、洗浄ユニット2cを省略してもよい。
【0030】
親水化工程は、複数枚の基板Wを1枚ずつ親水化させる枚葉式の親水化工程であってもよいし、間隔を空けて互いに平行に配置された複数枚の基板Wを同時に親水化させるバッチ式の親水化工程であってもよい。第1基板W1の親水化工程を行う親水化ユニット2hは、第2基板W2の親水化工程を行う親水化ユニット2hと同じであってもよいし、異なっていてもよい。図1は、後者の例を示している。
【0031】
図1に示す例では、アライメント確認工程とアライメント調整工程と基板接触工程とが、接合ユニット2bによって実施される。この例では、反転工程および検査工程も、接合ユニット2bによって実施される。アライメント確認工程は、2枚の基板Wのアライメントマーク(図4参照)の画像に基づいて、接合すべき2枚の基板Wのアライメントを確認する工程である。基板接触工程は、アライメントが調整された2枚の基板Wを接触させることにより2枚の基板Wを貼り合わせる工程である。許容される接合精度(貼り合わされた2枚の基板Wの公差)は、例えば±100nm、場合によっては±10nmである。
【0032】
基板接触工程は、室温の大気中で2枚の基板Wを直接接合する工程であってもよい。基板接触工程は、2枚の基板Wの表面同士が向かい合うようにこれらの基板Wを接合するフェイス・トゥ・フェイス接合を行う工程であってもよい。この場合、2枚の基板Wの表面が2枚の基板Wの接合面WA1、WA2に相当する。基板接触工程は、2枚の基板Wの一方を2枚の基板Wの他方に押し付けずに、もしくは、2枚の基板Wに形成されたデバイスが損傷しない圧力で2枚の基板Wの一方を2枚の基板Wの他方に押し付けることにより2枚の基板Wを接合する工程であってもよい。
【0033】
図3は、第1基板W1および第2基板W2に直交する平面で第1基板W1および第2基板W2を切断した断面を示している。図3に示すデバイス層WC1、WC2の厚みと接合層WB1、WB2との厚みとの比率は、実際の比率と同一とは限らない。図3の左側は、親水基の一例である水酸基が、接合される前の第1基板W1の接合面WA1および第2基板W2の接合面WA2に形成された例を示している。この例では、水酸基中の酸素原子(O)が接合層WB1、WB2中のケイ素原子(Si)に結合されている。
【0034】
接合される前の第1基板W1の接合面WA1および第2基板W2の接合面WA2は、複数の水酸基で終端化されている。第1基板W1の接合面WA1および第2基板W2の接合面WA2を接触させると、2つの水酸基間に働く分子間力により、第1基板W1および第2基板W2が接合される。場合によって、2つの水酸基から水分子が離脱し、第1基板W1の接合層WB1中のケイ素原子と第2基板W2の接合層WB2中のケイ素原子とが酸素原子を介して結合される。このようにして、第1基板W1および第2基板W2が接合される。
【0035】
次に、基板Wおよびアライメントマークについて説明する。
【0036】
図4は、第1基板W1の第1アライメントマークAM1について説明するための第1基板W1の概略平面図である。図5は、第2基板W2の第2アライメントマークAM2について説明するための第2基板W2の概略平面図である。
【0037】
図4および図5では、理解を容易にするために、第1アライメントマークAM1および第2アライメントマークAM2を誇張して描いている。基板Wに対するアライメントマークの大きさは、図4および図5に示す例に限られない。基板Wに対するアライメントマークの配置や、1枚の基板Wに設けられたアライメントマークの数も、図4および図5に示す例に限られない。
【0038】
図4および図5に示すように、第1基板W1および第2基板W2は、直径が互いに等しい平らな円板である。第1基板W1および第2基板W2の直径は、300mmであってもよいし、これ以外であってもよい。第1基板W1の熱膨張率は、第2基板W2の熱膨張率と等しくてもよいし、異なっていてもよい。第1基板W1は円板状の基材WD1を含み、第2基板W2は円板状の基材WD2を含む(図3参照)。基材WD1および基材WD2は、シリコンの単結晶などの半導体で作製されている。基材WD1および基材WD2は、半導体以外の物質で作製されていてもよい。
【0039】
基材WD1、基材WD2は各々、互いに平行な円形の表面および裏面と、表面および裏面の外縁同士を接続する環状の端面とを含む。基材WD1および基材WD2の表面および裏面は、互いに平行な平坦面である。基材WD1および基材WD2の表面は、デバイスが形成されるデバイス形成面である。基材WD1および基材WD2の裏面は、デバイスが形成されない非デバイス形成面である。基材WD1または基材WD2の表面および裏面の両方がデバイス形成面であってもよい。
【0040】
基材WD1の外周部は、基材WD1の表面に対して垂直な方向に基材WD1を見たときに基材WD1の端面で開口したV字状のノッチを形成している。基材WD1の外周部は、ノッチではなく、オリエンテーション・フラット(いわゆるオリフラ)を形成していてもよい。ノッチおよびオリフラは、基材WD1の結晶方位を示すものである。第1基板W1は、第1基板W1のノッチまたはオリフラを基準にして第1基板W1の周方向に位置決めされる。第2基板W2についても同様である。
【0041】
第1基板W1は、第1基板W1をアライメントする際の基準となる少なくとも1つの第1アライメントマークAM1を含む。第1基板W1は、さらに、トランジスタやキャパシタなどの基材WD1の表面に形成された少なくとも1つのデバイスを含む。第1アライメントマークAM1は、デバイスの一部であってもよいし、同デバイスとは無関係の構造物であってもよい。第1基板W1の表面に平行な方向への第1基板W1の位置と、第1基板W1の表面の中央部に直交する垂線まわりの第1基板W1の角度とは、同第1基板W1に設けられた少なくとも1つの第1アライメントマークAM1に基づいて特定される。第1基板W1の位置と第1基板W1の角度とを特定できるのであれば、第1アライメントマークAM1の形状および数は任意である。第2アライメントマークAM2についても同様である。
【0042】
第1基板W1は、基材WD1の表面を覆うデバイス層WC1(図3参照)と、デバイス層WC1の表面を覆う接合層WB1(図3参照)とを含む。第1アライメントマークAM1は、デバイス層WC1に配置されている。トランジスタなどのデバイスも、デバイス層WC1に配置されている。第1アライメントマークAM1およびデバイスは、接合層WB1に覆われている。接合層WB1は、透明または半透明な絶縁層である。接合層WB1は、酸化シリコン膜であってもよいし、酸化シリコン以外の物質の薄膜であってもよい。前者の場合、接合層WB1は、TEOS(tetraethoxysilane)を用いて作製された酸化シリコン膜であってもよい。第2基板W2についても同様である。
【0043】
第1基板W1の表面および裏面は、互いに平行な2つの平面である。第1基板W1の裏面は、第1基板W1の表面とは反対側の平面である。接合面WA1は、第1基板W1が配置された空間内の雰囲気に接する第1基板W1の表面である。第1基板W1の接合面WA1が上に向けられているとき、第1基板W1の接合面WA1が第1基板W1の上面に、第1基板W1の裏面が第1基板W1の下面に相当する。接合層WB1の表面は、第1基板W1の接合面WA1に相当する。接合面WA1は、基材WD1の表面の全域を覆う、基材WD1の表面と平行な円形の平面であってもよいし、基材WD1の表面の一部だけを覆う、基材WD1の表面と平行な平面であってもよい。第2基板W2についても同様である。
【0044】
図4および図5は、形状および大きさが等しい4つの第1アライメントマークAM1が第1基板W1に設けられ、形状および大きさが等しい4つの第2アライメントマークAM2が第2基板W2に設けられた例を示している。図4は、第1アライメントマークAM1が十字状である例を示している。図5は、長方形の4つの辺のいずれか2つに沿うように同長方形の4つの角に1つずつ配置された4つのL字状の図形を第2アライメントマークAM2が含む例を示している。
【0045】
アライメントマークは、図4に示すように、連続した1つの図形で構成されていてもよいし、図5に示すように、互いに離れた複数の図形によって構成されていてもよい。複数のアライメントマークが1枚の基板Wに形成される場合、アライメントマークは、円またはリングであってもよい。
【0046】
アライメントマークは、互いに直交する高さ方向および幅方向を特定できる形状であることが好ましい。アライメントマークの高さ方向および幅方向は、基板Wの表面と平行であり、互いに直交する方向である。アライメントマークが十字状である場合、アライメントマークの縦線と平行な方向がアライメントマークの高さ方向であり、アライメントマークの横線と平行な方向がアライメントマークの幅方向である。図4では、紙面の上下方向がアライメントマークの高さ方向であり、紙面の左右方向がアライメントマークの幅方向である。図5に示すようにアライメントマークが横に長い長方形の4つの角に配置された4つのL字状の図形を含む場合、同長方形の短辺と平行な方向がアライメントマークの高さ方向であり、同長方形の長辺と平行な方向がアライメントマークの幅方向である。
【0047】
図4に示す4つの第1アライメントマークAM1の重心AG1は、第1基板W1と同心の円上で90度間隔で配置されている。同様に、図5に示す4つの第2アライメントマークAM2の重心AG2は、第2基板W2と同心の円上で90度間隔で配置されている。第1基板W1の縦軸AV1、横軸AH1、および基準点AP1は、図4に示す4つの第1アライメントマークAM1に基づいて特定される。第2基板W2の縦軸AV2、横軸AH2、および基準点AP2は、図5に示す4つの第2アライメントマークAM2に基づいて特定される。
【0048】
第1基板W1の縦軸AV1、横軸AH1、および基準点AP1は、いずれも、第1基板W1の表面上に設定された仮想の直線または点である。縦軸AV1および横軸AH1は、第1基板W1の角度を示す基準線である。縦軸AV1は、第1基板W1の中心まわりの角度が180度異なる2つの第1アライメントマークAM1の重心AG1を通る直線である。横軸AH1は、残り2つの第1アライメントマークAM1の重心AG1を通る直線である。縦軸AV1および横軸AH1は、互いに直交する直線である。基準点AP1は、縦軸AV1および横軸AH1の交点である。第1基板W1の中心は、第1基板W1の輪郭に基づいて特定される。基準点AP1は、第1基板W1の中心と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
【0049】
第2基板W2の縦軸AV2、横軸AH2、および基準点AP2は、いずれも、第2基板W2の表面上に設定された仮想の直線または点である。縦軸AV2および横軸AH2は、第2基板W2の角度を示す基準線である。縦軸AV2は、第2基板W2の中心まわりの角度が180度異なる2つの第2アライメントマークAM2の重心AG2を通る直線である。横軸AH2は、残り2つの第2アライメントマークAM2の重心AG2を通る直線である。縦軸AV2および横軸AH2は、互いに直交する直線である。基準点AP2は、縦軸AV2および横軸AH2の交点である。第2基板W2の中心は、第2基板W2の輪郭に基づいて特定される。基準点AP2は、第2基板W2の中心と一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
【0050】
2枚の基板W、つまり、第1基板W1および第2基板W2を接合するときは、第1基板W1の接合面WA1と第2基板W2の接合面WA2とが上下に向かい合った状態で、第1基板W1および第2基板W2の位置ずれを最小化させるアライメント調整を行う。図4および図5に示す例の場合、第1基板W1の基準点AP1と第2基板W2の基準点AP2との間の距離が減少し、第1基板W1の横軸AH1と第2基板W2の横軸AH2とがなす角が減少し、第1基板W1の縦軸AV1と第2基板W2の縦軸AV2とがなす角が減少するように、第1基板W1と第2基板W2との相対的な位置を調整する。
【0051】
なお、第1基板W1および第2基板W2の位置ずれが最小化したことは、2つの基準点である基準点AP1と基準点AP2との間の距離、2つの縦軸である縦軸AV1と縦軸AV2とがなす角、および2つの横軸である横軸AH1と横軸AH2とがなす角を総合的に勘案して判断してよい。すなわち、第1基板W1および第2基板W2の位置ずれが最小化した際に、2つの基準点である基準点AP1と基準点AP2との間の距離、2つの縦軸である縦軸AV1と縦軸AV2とがなす角、および2つの横軸である横軸AH1と横軸AH2のうちの少なくとも1つが必ずしも最小化されている必要はない。
【0052】
第1基板W1および第2基板W2のアライメント調整を行う方法は前記に限られない。例えば、第1基板W1および第2基板W2のそれぞれに3つ以上の同数のアライメントマークが設けられている場合、縦軸AV1および縦軸AV2ならびに横軸AH1および横軸AH2などの基準線を用いずに、第1基板W1の第1アライメントマークAM1の重心AG1と第2基板W2の第2アライメントマークAM2の重心AG2との間隔の合計または平均値が最小化するように、第1基板W1と第2基板W2との相対的な位置を調整してもよい。もしくは、最小二乗法などの計算方法を用いて第1基板W1の複数の第1アライメントマークAM1の重心AG1から求めた近似曲線または直線と、同計算方法を用いて第2基板W2の複数の第2アライメントマークAM2の重心AG2から求めた近似曲線または直線と、の間隔が最小化するように、第1基板W1と第2基板W2との相対的な位置を調整してもよい。
【0053】
図6は、第1基板W1および第2基板W2のアライメント調整を行う前後の第1アライメントマークAM1および第2アライメントマークAM2を示す概略図である。図6の左側は、第1基板W1および第2基板W2のアライメント調整を行う前の第1アライメントマークAM1および第2アライメントマークAM2を示している。この例では、第1アライメントマークAM1の重心AG1が第2アライメントマークAM2の重心AG2に対してずれており、第1アライメントマークAM1が第2アライメントマークAM2に対して傾いている。図6の右側に示すように、アライメント調整が行われると、第1アライメントマークAM1の重心AG1が第2アライメントマークAM2の重心AG2に一致し、第1アライメントマークAM1の方向が第2アライメントマークAM2の方向に一致する。
【0054】
次に、接合ユニット2bについて説明する。
【0055】
図7は、接合ユニット2bの斜視図である。図8は、接合ユニット2bの平面図である。図9は、接合ユニット2bをY方向に水平に見た図である。
【0056】
以下の例では、第1チャック11は、水平な直線まわりに回転可能である。以下では、特に断りがない限り、搬入搬出状態の第1チャック11について説明する。第1チャック11の搬入搬出状態は、第1チャック11の中心線11c(図9参照)が鉛直であり、第1チャック11の第1吸着面11s(図9参照)が上に向けられた状態である。
【0057】
X方向およびY方向は、互いに直交する水平な方向である。Z方向は、X方向およびY方向に直交する鉛直な方向である。X方向、Y方向、およびZ方向は、接合ユニット2bの左右方向、前後方向、および上下方向にそれぞれ相当する。X方向、Y方向、およびZ方向のプラス側は、接合ユニット2bの右方向、前方向、および上方向にそれぞれ相当する。
【0058】
図7図9に示すように、接合ユニット2bは、第1基板W1を保持する第1チャック11を含む第1接合モジュール2b1と、第2基板W2を保持する第2チャック21を含む第2接合モジュール2b2と、第1チャック11および第2チャック21の少なくとも一方を動かすアクチュエーター機構ACと、第1接合モジュール2b1および第2接合モジュール2b2を支持する台座20とを含む。
【0059】
第1チャック11および第2チャック21は、台座20の上方に配置されている。台座20は、基板接合装置1が設置されるクリーンルームの床面と第1チャック11および第2チャック21との間に配置される。台座20は、第1接合モジュール2b1および第2接合モジュール2b2に共通の部品である。台座20は、一体の1つの部材であってもよいし、互いに固定された複数の部材を含んでいてもよい。
【0060】
図9に示すように、接合ユニット2bは、台座20の振動を減少させる除振台10を備えていてもよい。除振台10は、クリーンルームの床面および台座20の少なくとも一方の振動を検出する振動センサーと、振動センサーの検出値に基づいて台座20を移動させることにより台座20の振動を減少させる除振アクチュエーターとを含んでいてもよい。除振台10は、クリーンルームの床面と台座20との間に配置される。台座20は、除振台10に支持される。
【0061】
接合ユニット2bは、第1チャック11および第2チャック21を収容するチャンバー9を備えていてもよい。チャンバー9は、基板Wが通過する搬入搬出口が設けられた箱型の隔壁9pと、搬入搬出口を開閉するシャッター9sとを含む。隔壁9pは、第1基板W1および第2基板W2の両方が通過する1つの搬入搬出口を備えていてもよいし、第1基板W1が通過する搬入搬出口と第2基板W2が通過する搬入搬出口とを備えていてもよい。後者の場合、1つの搬入搬出口ごとにシャッター9sを設ければよい。第1チャック11などのチャンバー9内の機器は、チャンバー9によって洗浄ユニット2c(図1参照)などの接合ユニット2b以外の処理ユニット2から隔てられる。
【0062】
第1チャック11および第2チャック21の少なくとも一方は、台座20に対してY方向に移動可能である。同様に、第1チャック11および第2チャック21の少なくとも一方は、台座20に対してX方向に移動可能である。第1チャック11および第2チャック21の少なくとも一方は、台座20に対してZ方向に移動可能である。図7図9は、第1チャック11が台座20に対してZ方向に移動可能であり、第2チャック21が台座20に対してX方向およびY方向に移動可能な例を示している。
【0063】
第1チャック11と第2チャック21とがX方向、Y方向、およびZ方向に向けて相対的に移動可能であれば、第1チャック11および第2チャック21が台座20に対して移動できる方向は、前記に限られない。例えば、第1チャック11および第2チャック21の一方が、台座20に対してX方向、Y方向、およびZ方向に移動可能であれば、第1チャック11および第2チャック21の他方は、台座20に対してX方向、Y方向、およびZ方向に移動できなくてもよい。
【0064】
第1チャック11および第2チャック21は、気体の吸引により発生した吸引力で第1基板W1を保持するバキュームチャックまたは電気的な吸引力で第1基板W1を保持する静電チャックである。第1基板W1および第2基板W2を第1チャック11および第2チャック21に固定できるのであれば、第1チャック11および第2チャック21は、これら以外のチャックであってもよい。
【0065】
図8に示すように、第1チャック11は、第1基板W1の下面に接する第1吸着面11sを含む。同様に、第2チャック21は、第2基板W2の下面に接する第2吸着面21sを含む。第1チャック11の中心線11cは、第1吸着面11sの中心を通る第1吸着面11sに垂直な直線である。第2チャック21の中心線21cは、第2吸着面21sの中心を通る第2吸着面21sに垂直な直線である。
【0066】
図7図9は、第1吸着面11sおよび第2吸着面21sのそれぞれが、第1基板W1および第2基板W2の直径以上の直径を有する円形で水平な平面である例を示している。この例では、第1基板W1は、第1基板W1の中心が第1吸着面11sの中心に一致するように第1吸着面11s上に置かれる。同様に、第2基板W2は、第2基板W2の中心が第2吸着面21sの中心に一致するように第2吸着面21s上に置かれる。これにより、第1基板W1の下面が第1吸着面11sに接触し、第2基板W2の下面が第2吸着面21sに接触する。
【0067】
第1吸着面11sは、円形以外の形状であってもよいし、水平な平面以外の形状であってもよい。第2吸着面21sについても同様である。例えば、第1チャック11が搬入搬出状態のとき、第1吸着面11sは、上方に凸の球冠状の湾曲面または円弧状に湾曲した円形の湾曲面であってもよいし、水平部と非水平部とを含んでいてもよい。第2吸着面21sについても同様である。非水平部は、水平面に対して一定の角度で傾斜した平面、または、水平面に対する傾斜角が連続的に変化する湾曲面であってもよいし、これら以外であってもよい。第1吸着面11sおよび第2吸着面21sの一方が、水平な平面であり、第1吸着面11sおよび第2吸着面21sの他方が、水平な平面以外の形状であってもよい。
【0068】
接合ユニット2bに搬入されたときの第1基板W1および第2基板W2は平坦である。第1基板W1および第2基板W2に反りがあったとしても、反りの量は、第1基板W1および第2基板W2が実質的に平坦とみなせるほど小さい。第1吸着面11sが水平な平面以外の形状である場合、第1基板W1が第1チャック11上に置かれると、第1吸着面11sが第1基板W1の下面に部分的に接触し、第1基板W1の下面と第1チャック11の第1吸着面11sとの間に隙間が形成される。第1チャック11が第1基板W1を吸着すると、第1基板W1の上面および下面が第1吸着面11sと同一またはほぼ同一の形状に弾性変形し、第1基板W1の下面と第1チャック11の第1吸着面11sとの接触面積が増加する。第2吸着面21sが水平な平面以外の形状である場合も同様である。
【0069】
第1吸着面11sは、第1基板W1を第1吸着面11s上に保持する吸着力を互いに独立して発生および停止する複数の吸着領域を含んでいてもよい。第2吸着面21sについても同様である。吸着領域は、他の吸着領域が吸着力を発生しているか否かにかかわらず吸引力を発生する領域である。第1吸着面11sの複数の吸着領域は、図10Aに示すように第1吸着面11sの中心から放射状に延びていてもよいし、図10Bに示すように第1吸着面11sを横切る互いに平行な複数の直線に沿って延びていてもよい。第1吸着面11sの複数の吸着領域の配置および形状は、これら以外であってもよい。第2吸着面21sの複数の吸着領域についても同様である。
【0070】
図10Aおよび図10Bは、第1チャック11の概略平面図である。図10Aおよび図10Bは、第1チャック11がバキュームチャックであり、第1吸着面11sが複数の吸着領域を含む例を示している。気体を吸引する複数の吸引口11pは、第1吸着面11sで開口している。図10Aに示す例では、複数の吸引口11pは、第1吸着面11sの中心から放射状に延びる複数の直線上に配置されている。図10Bに示す例では、複数の吸引口11pは、第1吸着面11sを横切る互いに平行な複数の直線上に配置されている。図10Bは、複数の吸引口11pが縦方向および横方向に等間隔で配置された例を示している。
【0071】
第1チャック11または第2チャック21がバキュームチャックである場合、1つの吸着領域ごとに1つ以上の吸引口11pとバルブ11vとを設ければよい。第1チャック11または第2チャック21が静電チャックである場合、複数の吸着領域に1対1で対応する複数の電極を設ければよい。バルブ11vを開くと、このバルブ11vに対応する吸着領域で開口した1つ以上の吸引口11pが気体の吸引を開始する。バルブ11vを閉じると、このバルブ11vに対応する吸着領域で開口した1つ以上の吸引口11pが気体の吸引を停止する。電極への電圧の印加が開始されると、この電極に対応する吸着領域が電気的な吸引力の発生を開始する。電極への電圧の印加が停止されると、この電極に対応する吸着領域が電気的な吸引力の発生を停止する。これにより、複数の吸着領域が互いに独立して吸着力を発生および停止する。
【0072】
次に、第1接合モジュール2b1について説明する。
【0073】
図11は、第1接合モジュール2b1をX方向に水平に見た図である。図12は、第1接合モジュール2b1の平面図である。図11および図12に示すように、第1接合モジュール2b1は、第1チャック11と共に台座20に対してZ方向に平行移動可能な第1ステージ13を含む。第1接合モジュール2b1は、さらに、第1ステージ13を介して第1チャック11を支持する一対のサポートシャフト14、一対のサポートベース15、および第1フレーム19を含む。第1ステージ13は、水平な平板であってもよい。
【0074】
第1フレーム19は、台座20の上面から上方に延びる一対の第1サイドフレーム19sと、台座20から上方に離れた状態で一方の第1サイドフレーム19sから他方の第1サイドフレーム19sに延びる第1アッパーフレーム19uとを含む。図11は、第1フレーム19が門型である例を示している。この例では、第1アッパーフレーム19uが一対の第1サイドフレーム19sの上端同士を連結している。
【0075】
一対の第1サイドフレーム19sは、台座20に固定されている。第1アッパーフレーム19uは、一対の第1サイドフレーム19sに固定されている。一対の第1サイドフレーム19sは、間隔を空けてY方向に向かい合っている。第1アッパーフレーム19uは、間隔を空けて台座20の上面とZ方向に向かい合っている。一対の第1サイドフレーム19sは、Y方向における第1チャック11、第1ステージ13、一対のサポートシャフト14、および一対のサポートベース15の両側に配置されている。第1アッパーフレーム19uは、平面視で第1チャック11、第1ステージ13、一対のサポートシャフト14、および一対のサポートベース15に重なるように、第1チャック11、第1ステージ13、一対のサポートシャフト14、および一対のサポートベース15の上方に配置されている。
【0076】
第1チャック11、第1ステージ13、一対のサポートシャフト14、および一対のサポートベース15は、台座20から上方に離れた状態で第1フレーム19に支持されている。一対のサポートベース15は、Y方向における一対の第1サイドフレーム19sの間に配置されている。一対のサポートシャフト14は、Y方向における一対のサポートベース15の間に配置されている。第1ステージ13は、Y方向における一対のサポートシャフト14の間に配置されている。一対のサポートベース15は、一対の第1サイドフレーム19sに支持されている。一対のサポートシャフト14は、一対のサポートシャフト14の中心線がY方向と平行な水平な姿勢で一対のサポートベース15に支持されている。第1ステージ13は、第1チャック11の中心線11cが鉛直な姿勢で一対のサポートシャフト14に支持されている。
【0077】
第1接合モジュール2b1は、一対のサポートベース15を第1フレーム19に対してZ方向に直線的に案内する複数のリニアガイド17を含む。リニアガイド17は、1つのサポートベース15ごとに少なくとも1つ配置されている。図12は、リニアガイド17が1つのサポートベース15ごとに2つ配置された例を示している。リニアガイド17は、長さ方向に直線状に延びるレール17Lと、レール17Lに沿ってレール17Lの長さ方向に移動するスライドブロック17bと、レール17Lとスライドブロック17bとの間に介在する複数のボールとを含む。レール17Lは、Z方向と平行な姿勢で第1サイドフレーム19sに固定されている。スライドブロック17bは、サポートベース15に固定されている。
【0078】
アクチュエーター機構ACは、第1チャック11と第2チャック21とをZ方向に向けて相対的に移動させる少なくとも1つのZアクチュエーター18を含む。図11は、少なくとも1つのZアクチュエーター18が一対のサポートベース15をZ方向に移動させることにより、第1チャック11に保持されている第1基板W1をZ方向に移動させる例を示している。Zアクチュエーター18は、一方のサポートベース15だけに少なくとも1つ設けられていてもよいし、1つのサポートベース15ごとに少なくとも1つ設けられていてもよい。図11は、Zアクチュエーター18が1つのサポートベース15ごとに1つ設けられた例を示している。
【0079】
アクチュエーターは、電気、流体、磁気、熱、または化学的エネルギーを機械的な仕事に変換する装置である。アクチュエーターには、電動モーター(ロータリーモーター)、リニアモーター、エアシリンダー、およびその他の装置が含まれる。Zアクチュエーター18は、電動モーターまたはリニアモーターであってもよいし、これ以外であってもよい。図11および図12は、Zアクチュエーター18が電動モーターである例を示している。
【0080】
Zアクチュエーター18の動力は、駆動体および従動体を含む伝達機構を介して第1チャック11の方に伝達される。図11および図12は、駆動体がボールねじ18sであり、従動体がボールナット18nである例を示している。駆動体および従動体は、ラックおよびピニオンなどのボールねじ18sおよびボールナット18n以外の部材であってもよい。
【0081】
図12に示すように、ボールねじ18sおよびボールナット18nは、第1サイドフレーム19sとサポートベース15との間に配置されている。ボールナット18nは、サポートベース15に固定されている。ボールナット18nは、複数のボールを介してボールねじ18sに連結されている。2つのボールねじ18sは、第1チャック11の中心線11cまわりの角度が180度異なる2つの位置にそれぞれ配置されている。2つのボールねじ18sの中心線18cは、Y方向およびZ方向に広がる1つの平面内で鉛直に延びている。
【0082】
Zアクチュエーター18の一例である電動モーターがボールねじ18sを回転させると、ボールナット18nは、ボールねじ18sに沿ってZ方向に移動する。ボールナット18nおよびサポートベース15は、Zアクチュエーター18の回転角に応じた移動量でZ方向に移動する。2つのZアクチュエーター18が同じ方向に同じ角度で回転すると、2つのボールナット18nは、同じ量だけZ方向に移動する。これにより、第1チャック11に保持されている第1基板W1がZ方向に上昇または下降する。
【0083】
アクチュエーター機構ACは、自転軸に相当する第1チャック11の中心線11cまわりに第1ステージ13に対して第1チャック11を回転させる第1自転モーター12を含む。第1自転モーター12は、電動モーターである。第1自転モーター12は、第1チャック11と第1ステージ13との間に配置されている。第1自転モーター12は、第1チャック11および第1ステージ13に連結されている。第1基板W1は、第1基板W1の中心が第1チャック11の中心線11c上に位置するように第1チャック11に保持される。この状態で第1自転モーター12が回転すると、第1基板W1および第1チャック11は、第1自転モーター12と同じ方向に同じ角度で第1ステージ13に対して回転する。
【0084】
アクチュエーター機構ACは、第1チャック11を水平な反転中心16cまわりに回転させる少なくとも1つの反転アクチュエーター16を含む。図11および図12は、反転アクチュエーター16がサポートシャフト14内に配置された例を示している。この例では、反転アクチュエーター16は、平面視で台座20に重なるように台座20の上方に配置されている。反転アクチュエーター16は、サポートシャフト14の外に配置されていてもよい。反転アクチュエーター16は、一方のサポートシャフト14だけに1つ設けられていてもよいし、1つのサポートシャフト14ごとに1つ設けられていてもよい。図11および図12は、後者の例を示している。
【0085】
反転アクチュエーター16は、電動モーターである。反転アクチュエーター16は、電動モーター以外のアクチュエーターであってもよい。図11および図12に示す例では、反転アクチュエーター16は、一対のサポートシャフト14の中心線まわりに第1ステージ13を回転させることにより、第1チャック11を回転させる。一対のサポートシャフト14の中心線は、反転中心16cに相当する。したがって、第1チャック11および第1ステージ13は、Y方向に延びる水平な反転中心16cまわりに回転する。反転中心16cは、2つのボールねじ18sの中心線18c(図12参照)を通る水平な直線である。反転アクチュエーター16が180度回転すると、第1チャック11および第1ステージ13が180度回転し下向きになる。これにより、第1チャック11に保持されている第1基板W1が反転する。
【0086】
第1ステージ13は、一対のサポートシャフト14に固定されていてもよいし、反転中心16cまわりに一対のサポートシャフト14に対して回転可能であってもよい。前者の場合、反転アクチュエーター16は、一対のサポートベース15に対して一対のサポートシャフト14を回転させることにより、第1ステージ13および第1チャック11を反転中心16cまわりに回転させる。後者の場合、反転アクチュエーター16は、一対のサポートシャフト14に対して第1ステージ13を回転させることにより、第1チャック11を反転中心16cまわりに回転させる。
【0087】
第1チャック11および第1ステージ13は、台座20および第1フレーム19に対してZ方向に移動可能である。第1チャック11および第1ステージ13がZ方向に移動可能な範囲には、第1チャック11および第1ステージ13が反転中心16cまわりに180度回転しても、第1ステージ13などの回転する物体が台座20および第1フレーム19に衝突しない位置が含まれる。第1ステージ13および第1フレーム19の大きさは、第1チャック11および第1ステージ13がZ方向におけるいずれの位置で回転しても、回転する物体が台座20および第1フレーム19に衝突しないように設定されていてもよい。
【0088】
反転アクチュエーター16は、反転ユニットの一部である。反転アクチュエーター16は、第1基板W1が第1チャック11に保持されている状態で第1チャック11を反転中心16cまわりに180度回転させることにより第1基板W1を反転させる。後述するように、第1チャック11は、第1基板W1が第2基板W2と接合されたときに第1基板W1を保持している。したがって、第1基板W1は、反転する前から第1チャック11に保持されており、第2基板W2と接合されたときも第1チャック11に保持されている。
【0089】
反転アクチュエーター16は、基板Wの姿勢を変更する姿勢変更アクチュエーターの一例である。前述の2つのZアクチュエーター18も、姿勢変更アクチュエーターの一例である。2つのZアクチュエーター18が、第1チャック11を支持する機構の機械的な遊びの範囲内で2つのボールナット18nを互いに異なる高さに配置すると、第1チャック11の中心線11cがY方向に傾く。これにより、第1チャック11に保持されている第1基板W1の姿勢が変化する。
【0090】
次に、第1固定基準31rについて説明する。
【0091】
図13は、第1ステージ13の平面図である。図14は、図13に示す矢印XIVの方向に第1ステージ13を水平に見た図である。図13および図14に示すように、第1接合モジュール2b1は、第1基板W1をアライメントする際の間接的な基準となる第1固定基準31rを含む。第1固定基準31rは、第1基板W1をアライメントする際の間接的な基準となる少なくとも1つの第1基準マーク31mと、少なくとも1つの第1基準マーク31mがマーキングされた第1表示板31dとを含む。
【0092】
図13は、形状および大きさが等しい2つの第1基準マーク31mが設けられた例を示している。この例では、第1基準マーク31mは十字状である。第1基準マーク31mは、十字以外の形状であってもよい。第1基準マーク31mは、フォトリソグラフィーによって第1表示板31dに形成されてもよいし、レーザーマーキングなどのこれ以外の方法によって第1表示板31dに形成されてもよい。
【0093】
図13に示す例では、第1表示板31dがY方向に延びる水平な長方形の平板であり、2つの第1基準マーク31mがY方向における第1表示板31dの両端に1つずつマーキングされている。第1表示板31dの2つの長辺は、Y方向に延びており、第1表示板31dの2つの短辺は、X方向に延びている。図14に示すように、この例では、第1表示板31dは、2つの第1サポートブロック31bを介して第1ステージ13に支持されている。第1表示板31dの上面および下面は、互いに平行な水平な2つの平面である。第1表示板31dの下面は、第1ステージ13の水平で平坦な上面と間隔を空けてZ方向に向かい合っている。第1表示板31dの下面は、第1ステージ13の上面に接していてもよい。
【0094】
第1表示板31dの形状および配置や第1基準マーク31mの数および配置などは、図13および図14に示す例に限られない。例えば、第1表示板31dの長辺がX方向に延びるように第1表示板31dを水平面内で90度回転させてもよい。第1表示板31dは、Y方向に延びる水平な長方形の縦板と、X方向に延びる水平な長方形の横板とを含んでいてもよい。縦板および横板は、互いに接していてもよいし、互いに離れていてもよい。第1表示板31dが縦板および横板を含む場合、3つ以上の第1基準マーク31mがX方向およびY方向に並ぶようにこれらの第1基準マーク31mを配置してもよい。例えば、1個目の第1基準マーク31mを通りX方向と平行な水平な直線上に2個目の第1基準マーク31mを配置し、1個目の第1基準マーク31mを通りY方向と平行な水平な直線上に3個目の第1基準マーク31mを配置してもよい。
【0095】
少なくとも1つの第1基準マーク31mは、第1基板W1をアライメントする際の間接的な基準となる第1固定点31pおよび第1固定線31Lを設定する際に用いられる。第1固定点31pおよび第1固定線31Lは、仮想の点および線である。図13に示す例では、十字状の2つの第1基準マーク31mの重心を通る水平な直線が、第1ステージ13の第1固定線31Lに設定される。第1ステージ13の第1固定点31pは、一方の第1基準マーク31mの重心または第1固定線31L上の任意の点であってもよいし、これら以外であってもよい。
【0096】
図13に示すように、第1固定基準31rは、平面視で第1固定基準31rが第1ステージ13に重なるように第1ステージ13の上方に配置されている。第1固定基準31rは、第1ステージ13に固定されている。第1固定基準31rの上端は、第1チャック11上の第1基板W1よりも下方に配置される。第1基板W1が第1チャック11に保持されている状態では、第1固定基準31rは、第1チャック11の中心線11cの方向に見たときに第1チャック11に保持されている第1基板W1に重ならない。したがって、この状態で第1チャック11の中心線11cの方向に第1ステージ13を見ると、第1基準マーク31mだけでなく、第1基板W1の第1アライメントマークAM1もカメラで撮影できる。
【0097】
後述するように、第1チャック11に保持されている第1基板W1の少なくとも1つの第1アライメントマークAM1は、カメラによって撮影される。このカメラは、第1固定基準31rの少なくとも1つの第1基準マーク31mも撮影する。水平面内での第1基板W1の位置および角度は、カメラによって撮影された少なくとも1つの第1アライメントマークAM1の画像に基づいて特定される。水平面内での第1固定基準31rの位置および角度も、カメラによって撮影された少なくとも1つの第1基準マーク31mの画像に基づいて特定される。さらに、第1基板W1と第1固定基準31rとの相対的な位置および角度も、第1アライメントマークAM1および第1基準マーク31mの画像に基づいて特定される。したがって、第1固定基準31rの位置および角度が分かれば、第1チャック11に保持されている第1基板W1の位置および角度も分かる。これらの情報は、制御装置3(図1参照)に記憶される。
【0098】
次に、第2接合モジュール2b2について説明する。
【0099】
図15は、第2接合モジュール2b2をX方向に向けて水平に見た図である。図16は、図15の一部を拡大した図である。図17は、第2接合モジュール2b2の平面図である。図18は、第2接合モジュール2b2をY方向に水平に見た図である。
【0100】
図15図17に示すように、第2接合モジュール2b2は、第2チャック21と共に台座20に対してX方向およびY方向に平行移動可能な第2ステージ23を含む。第2ステージ23は、第2チャック21と台座20との間に配置された上ステージ23uと、上ステージ23uと台座20との間に配置された下ステージ23Lとを含む。図15図17は、上ステージ23uが台座20に対してY方向に平行移動可能なYステージであり、下ステージ23Lが台座20に対してX方向に平行移動可能なXステージである例を示している。下ステージ23Lは、上ステージ23uよりも大きい。上ステージ23uおよび下ステージ23Lの一方または両方は、水平な平板であってもよい。
【0101】
第2接合モジュール2b2は、下ステージ23Lを台座20に対してX方向に向けて直線的に案内する少なくとも1つのリニアガイド26を含む。図15は、2つのリニアガイド26が設けられた例を示している。2つのリニアガイド26は、台座20上に配置されている。下ステージ23Lは、2つのリニアガイド26上に配置されている。図16に示すように、リニアガイド26は、長さ方向に直線状に延びるレール26Lと、レール26Lに沿ってレール26Lの長さ方向に移動するスライドブロック26bと、レール26Lとスライドブロック26bとの間に介在する複数のボールとを含む。レール26Lは、X方向と平行な姿勢で台座20に固定されている。スライドブロック26bは、下ステージ23Lに固定されている。
【0102】
アクチュエーター機構ACは、は、第1チャック11と第2チャック21とをX方向に向けて相対的に移動させる少なくとも1つのXアクチュエーター27を含む。図15は、少なくとも1つのXアクチュエーター27が下ステージ23LをX方向に移動させることにより、第2チャック21に保持されている第2基板W2をX方向に移動させる例を示している。この例では、2つのXアクチュエーター27が設けられており、各Xアクチュエーター27がリニアモーターである。図16に示すように、リニアモーターは、長さ方向に直線状に延びる固定磁石27fと、固定磁石27fに沿って固定磁石27fの長さ方向に移動する可動磁石27mとを含む。固定磁石27fは、X方向と平行な姿勢で台座20に固定されている。可動磁石27mは、下ステージ23Lに固定されている。
【0103】
図17および図18に示すように、第2接合モジュール2b2は、上ステージ23uを下ステージ23Lに対してY方向に直線的に案内する少なくとも1つのリニアガイド24を含む。図17は、2つのリニアガイド24が設けられた例を示している。2つのリニアガイド24は、下ステージ23L上に配置されている。上ステージ23uは、2つのリニアガイド24上に配置されている。リニアガイド24は、長さ方向に直線状に延びるレール24Lと、レール24Lに沿ってレール24Lの長さ方向に移動するスライドブロック24bと、レール24Lとスライドブロック24bとの間に介在する複数のボールとを含む。レール24Lは、Y方向と平行な姿勢で下ステージ23Lに固定されている。スライドブロック24bは、上ステージ23uに固定されている。
【0104】
アクチュエーター機構ACは、第1チャック11と第2チャック21とをY方向に向けて相対的に移動させる少なくとも1つのYアクチュエーター25を含む。図18は、少なくとも1つのYアクチュエーター25が上ステージ23uをY方向に移動させることにより、第2チャック21に保持されている第2基板W2をY方向に移動させる例を示している。この例では、2つのYアクチュエーター25が設けられており、各Yアクチュエーター25がリニアモーターである。リニアモーターは、長さ方向に直線状に延びる固定磁石25fと、固定磁石25fに沿って固定磁石25fの長さ方向に移動する可動磁石25mとを含む。固定磁石25fは、Y方向と平行な姿勢で下ステージ23Lに固定されている。可動磁石25mは、上ステージ23uに固定されている。
【0105】
Xアクチュエーター27、Yアクチュエーター25、およびZアクチュエーター18は、第1チャック11および第2チャック21の少なくとも一方を平行移動させる平行移動アクチュエーターの一例である。Yアクチュエーター25は、第1チャック11および第2チャック21の少なくとも一方を水平に移動させる水平アクチュエーターの一例である。Xアクチュエーター27も、水平アクチュエーターの一例である。Zアクチュエーター18は、第1チャック11および第2チャック21の少なくとも一方を鉛直に移動させる鉛直移動アクチュエーターの一例である。
【0106】
Xアクチュエーター27は、接合位置(図39Eに示す位置)と撮影位置(図39Gに示す位置)との間で第2チャック21を第1チャック11に対してX方向に移動させる。接合位置は、第1チャック11に保持されている第1基板W1と第2チャック21に保持されている第2基板W2とが接合される位置である。撮影位置は、第2チャック21に保持されている第1基板W1および第2基板W2をカメラが撮影する位置である。
【0107】
撮影位置は、X方向およびY方向の少なくとも一方に広がる範囲であってもよい。例えば、撮影位置は、後述する第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wが第2チャック21に保持されている第2基板W2等を撮影する接合前撮影位置と、第1基板W1および第2基板W2が接合された後に後述する検査カメラ43が第2チャック21に保持されている第1基板W1および第2基板W2を撮影する接合後撮影位置と、を含んでいてもよい。
【0108】
アクチュエーター機構ACは、自転軸に相当する第2チャック21の中心線21cまわりに上ステージ23uに対して第2チャック21を回転させる第2自転モーター22を含む。第2自転モーター22は、電動モーターである。第2自転モーター22は、第2チャック21と上ステージ23uとの間に配置されている。第2自転モーター22は、第2チャック21および上ステージ23uに連結されている。第2基板W2は、第2基板W2の中心が第2チャック21の中心線21c上に位置するように第2チャック21に保持される。この状態で第2自転モーター22が回転すると、第2基板W2および第2チャック21は、第2自転モーター22と同じ方向に同じ角度で上ステージ23uに対して回転する。
【0109】
図15に示すように、第2接合モジュール2b2は、第2チャック21および第2ステージ23がX方向に出入り可能な空間を形成した第2フレーム28を含む。第2フレーム28は、台座20の上面から上方に延びる一対の第2サイドフレーム28sと、台座20から上方に離れた状態で一方の第2サイドフレーム28sから他方の第2サイドフレーム28sに延びる第2アッパーフレーム28uとを含む。図15は、第2フレーム28が門型である例を示している。この例では、第2アッパーフレーム28uが一対の第2サイドフレーム28sの上端同士を連結している。
【0110】
一対の第2サイドフレーム28sは、台座20に固定されている。第2アッパーフレーム28uは、一対の第2サイドフレーム28sに固定されている。一対の第2サイドフレーム28sは、間隔を空けてY方向に向かい合っている。第2アッパーフレーム28uは、間隔を空けて台座20の上面とZ方向に向かい合っている。一対の第2サイドフレーム28sは、Y方向における第2チャック21および第2ステージ23の両側に配置されている。第2アッパーフレーム28uは、平面視で第2チャック21および第2ステージ23に重なるように、第2チャック21および第2ステージ23の上方に配置されている。
【0111】
第2フレーム28は、第1フレーム19に対してX方向に離れている(図7参照)。Xアクチュエーター27が下ステージ23LをX方向に移動させると、第2チャック21および第2ステージ23は、第2フレーム28の内側の空間にX方向に出入りする。同様に、第2チャック21および第2ステージ23は、第1フレーム19の内側の空間にX方向に出入りする。第2チャック21および第2ステージ23は、第1ステージ13と台座20との間に進入可能である。第1チャック11が下向きのとき、第2チャック21および第2ステージ23は、第1チャック11と台座20との間に進入可能である。
【0112】
第2チャック21および第2ステージ23が一対の第2サイドフレーム28sの間に位置している状態で、Yアクチュエーター25が上ステージ23uを下ステージ23Lに対してY方向に移動させても、第2チャック21および上ステージ23uは、第2フレーム28に衝突しない。同様に、第2チャック21および第2ステージ23が一対の第1サイドフレーム19sの間に位置している状態で、Yアクチュエーター25が上ステージ23uを下ステージ23Lに対してY方向に移動させても、第2チャック21および上ステージ23uは、第1フレーム19に衝突しない。
【0113】
接合ユニット2bは、第1チャック11に保持されている下向きの第1基板W1の接合面WA1までの鉛直方向の距離を測定する複数の距離計を備えていてもよい。距離計は、第1基板W1などの対象物に非接触で距離を測定する非接触式の距離計である。距離計は、レーザー距離計などの光学式の距離計であってもよいし、これ以外の距離計であってもよい。
【0114】
複数の距離計は、第1チャック11に保持されている下向きの第1基板W1よりも下方に配置される。複数の距離計は、上ステージ23uに固定されていてもよい。この場合、複数の距離計は、上ステージ23uと同じ方向、速度、および移動量で水平に移動する。複数の距離計は、下向きの第1基板W1の接合面WA1内の複数の位置までの鉛直方向への距離を測定する。これにより、第1基板W1の接合面WA1の平面度を測定することができる。
【0115】
反転する前の第1基板W1の接合面WA1が水平である場合、反転アクチュエーター16が厳密に180度回転すると、下向きの第1基板W1の接合面WA1は水平に配置される。複数の距離計から下向きの第1基板W1の接合面WA1までの距離を測定すれば、これを確認できる。第1基板W1の接合面WA1が水平でなければ、第1基板W1の接合面WA1が水平に配置されるまで反転アクチュエーター16を回転させればよい。このようにすれば、第1基板W1および第2基板W2の平行度を高めることができる。
【0116】
次に、第2基準マーク32mについて説明する。
【0117】
図19は、第2ステージ23の平面図である。図20は、図19に示す矢印XXの方向に第2ステージ23を水平に見た図である。図19および図20に示すように、第2接合モジュール2b2は、第2基板W2をアライメントする際の間接的な基準となる第2固定基準32rを含む。第2固定基準32rは、第2基板W2をアライメントする際の間接的な基準となる少なくとも1つの第2基準マーク32mと、少なくとも1つの第2基準マーク32mがマーキングされた第2表示板32dとを含む。
【0118】
図19は、形状および大きさが等しい2つの第2基準マーク32mが設けられた例を示している。この例では、第2基準マーク32mは長方形状である(4つのL字状の図形を含む)。第2基準マーク32mは、長方形以外の形状であってもよい。第2基準マーク32mは、フォトリソグラフィーによって第2表示板32dに形成されてもよいし、レーザーマーキングなどのこれ以外の方法によって第2表示板32dに形成されてもよい。
【0119】
図19に示す例では、第2表示板32dがY方向に延びる水平な長方形の平板であり、形状および大きさが等しい2つの第2基準マーク32mがY方向における第2表示板32dの両端に1つずつマーキングされている。第2表示板32dの2つの長辺は、Y方向に延びており、第2表示板32dの2つの短辺は、X方向に延びている。図20に示すように、この例では、第2表示板32dは、2つの第2サポートブロック32bを介して上ステージ23uに支持されている。第2表示板32dの上面および下面は、互いに平行な水平な2つの平面である。第2表示板32dの下面は、上ステージ23uの水平で平坦な上面と間隔を空けてZ方向に向かい合っている。第2表示板32dの下面は、上ステージ23uの上面に接していてもよい。
【0120】
少なくとも1つの第2基準マーク32mは、第2基板W2をアライメントする際の間接的な基準となる第2固定点32pおよび第2固定線32Lを設定する際に用いられる。第2固定点32pおよび第2固定線32Lは、仮想の点および線である。図19に示す例では、長方形状の2つの第2基準マーク32mの重心を通る水平な直線が、上ステージ23uの第2固定線32Lに設定される。上ステージ23uの第2固定点32pは、一方の第2基準マーク32mの重心または第2固定線32L上の任意の点であってもよいし、これら以外であってもよい。
【0121】
図19に示すように、第2固定基準32rは、平面視で第2固定基準32rが上ステージ23uに重なるように上ステージ23uの上方に配置されている。第2固定基準32rは、上ステージ23uに固定されている。第2固定基準32rの上端は、第2チャック21上の第2基板W2よりも下方に配置される。第2基板W2が第2チャック21に保持されている状態では、第2固定基準32rは、第2チャック21の中心線21cの方向に見たときに第2チャック21に保持されている第2基板W2に重ならない。したがって、この状態で第2チャック21の中心線21cの方向に上ステージ23uを見ると、第2基準マーク32mだけでなく、第2基板W2の第2アライメントマークAM2もカメラで撮影できる。
【0122】
後述するように、第2チャック21に保持されている第2基板W2の少なくとも1つの第2アライメントマークAM2は、カメラによって撮影される。このカメラは、第2固定基準32rの少なくとも1つの第2基準マーク32mも撮影する。水平面内での第2基板W2の位置および角度は、カメラによって撮影された少なくとも1つの第2アライメントマークAM2の画像に基づいて特定される。水平面内での第2固定基準32rの位置および角度も、カメラによって撮影された少なくとも1つの第2基準マーク32mの画像に基づいて特定される。さらに、第2基板W2と第2固定基準32rとの相対的な位置および角度も、第2アライメントマークAM2および第2基準マーク32mの画像に基づいて特定される。したがって、第2固定基準32rの位置および角度が分かれば、第2チャック21に保持されている第2基板W2の位置および角度も分かる。これらの情報は、制御装置3(図1参照)に記憶される。
【0123】
次に、接合ユニット2bに備えられたカメラについて説明する。
【0124】
図21は、接合ユニット2bの平面図である。図22は、第2基板W2を撮影している第2カメラ42をY方向に水平に見た図である。図23は、第1基板W1を撮影している第1カメラ41をY方向に水平に見た図である。図24は、第1固定基準31rおよび第2固定基準32rを撮影しているアライメントカメラ45をY方向に水平に見た図である。図25は、図24に示す矢印XXVの方向にアライメントカメラ45を水平に見た図である。
【0125】
図21および図22に示すように、接合ユニット2bは、第1チャック11に保持されている第1基板W1と第1固定基準31rとを撮影する少なくとも1つの第1カメラ41と、第2チャック21に保持されている第2基板W2と第2固定基準32rとを撮影する少なくとも1つの第2カメラ42とを含む。接合ユニット2bは、さらに、接合された後に第2チャック21に保持されている第1基板W1および第2基板W2を撮影する検査カメラ43を含む。図21および図22は、第1カメラ41および第2カメラ42が2つずつ設けられた例を示している。2つの第1カメラ41は、第1狭視野カメラ41nと第1広視野カメラ41wである。2つの第2カメラ42は、第2狭視野カメラ42nと第2広視野カメラ42wである。
【0126】
第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wは、第2ステージ23の上ステージ23uに固定されている。第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wは、上ステージ23uと共に同じ速度および移動量でX方向およびY方向に移動する。第1ステージ13に対するX方向およびY方向への第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wの位置は、Xアクチュエーター27およびYアクチュエーター25の少なくとも一方が第2ステージ23を移動させることにより調整される。
【0127】
第2狭視野カメラ42n、第2広視野カメラ42w、および検査カメラ43は、ブラケット44を介して第2フレーム28に固定されている。第2狭視野カメラ42n、第2広視野カメラ42w、および検査カメラ43は、平面視で台座20に重なるように台座20の上方に配置されている。検査カメラ43は、検査ユニットの一部である。第2基板W2は、第1基板W1と接合される前から第2チャック21に保持されており、接合された第1基板W1および第2基板W2が検査カメラ43によって撮影されるときも第2チャック21に保持されている。
【0128】
図21は、第2狭視野カメラ42n、第2広視野カメラ42w、および検査カメラ43が、ブラケット44をZ方向に貫通する3つの貫通穴44hに挿入されており、第2フレーム28に対して第1チャック11側(図21の右側)に配置された例を示している。第2ステージ23に対するX方向およびY方向への第2狭視野カメラ42n、第2広視野カメラ42w、および検査カメラ43の位置は、Xアクチュエーター27およびYアクチュエーター25の少なくとも一方が第2ステージ23を移動させることにより調整される。
【0129】
狭視野カメラは、広視野カメラよりも視野(field of view)が狭いカメラである。第1狭視野カメラ41nの撮影範囲は、第1広視野カメラ41wの撮影範囲の一部であってもよいし、同撮影範囲の外であってもよい。第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wについても同様である。狭視野カメラの解像度は、広視野カメラの解像度と等しくてもよいし、異なっていてもよい。狭視野カメラおよび広視野カメラは、異なる倍率のレンズを備えており、解像度などの撮影倍率以外の仕様が同じ2つのカメラであってもよい。
【0130】
制御装置3(図1参照)は、第1広視野カメラ41wが生成した静止画または動画の画像の電子データを受信する。制御装置3は、メモリー3cに収納されたプログラムに基づいて当該画像の解析および判断を行う。制御装置3は、当該解析の結果、当該画像の中に第1アライメントマークAM1が含まれると判断した場合に、第1アライメントマークAM1の位置を記憶してもよい。このようにすれば、第1狭視野カメラ41nの撮影範囲を第1アライメントマークAM1がある範囲に速やかに移動させることができる。第1狭視野カメラ41nが第1アライメントマークAM1を見失っても、つまり、第1狭視野カメラ41nの撮影範囲が第1アライメントマークAM1がない範囲に移動しても、第1狭視野カメラ41nの撮影範囲を第1アライメントマークAM1がある範囲に速やかに戻すことができる。
【0131】
同様に、制御装置3は、第1広視野カメラ41wが生成した画像の中で第1基準マーク31mが含まれると判断した場合に、第1基準マーク31mの位置を記憶してもよい。同様に、制御装置3は、第2広視野カメラ42wが生成した画像の中で第2アライメントマークAM2および第2基準マーク32mの少なくとも一方が含まれると判断した場合に、第2アライメントマークAM2および第2基準マーク32mの少なくとも一方の位置を記憶してもよい。このようにすれば、第1狭視野カメラ41nおよび第2狭視野カメラ42nの撮影時間を短縮することができる。
【0132】
第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wのレンズは、上に向けられている。第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wが撮影するときは、図23に示すように、第1基板W1が第1チャック11に保持されている状態で、第1ステージ13が反転中心16cまわりに180度回転する。第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wは、下向きの第1基板W1と下向きの第1固定基準31rとを撮影する。Xアクチュエーター27およびYアクチュエーター25の少なくとも一方は、第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wが撮影しているときに、第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wをX方向およびY方向の少なくとも一方に移動させることにより、撮影すべき全範囲を第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wに撮影させる。これにより、第1基板W1の第1アライメントマークAM1と第1固定基準31rの第1基準マーク31mとが撮影される。
【0133】
第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wのレンズは、下に向けられている。第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wが撮影するときは、図22に示すように、第2基板W2が第2チャック21に保持されている状態で、第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wが撮影可能な範囲内に第2基板W2および第2固定基準32rの少なくとも一方が配置される。この状態で、第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wは、上向きの第2基板W2と上向きの第2固定基準32rとを撮影する。第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wが撮影しているとき、Xアクチュエーター27およびYアクチュエーター25の少なくとも一方は、第2基板W2および第2固定基準32rをX方向およびY方向の少なくとも一方に移動させる。これにより、撮影すべき全範囲を第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wが撮影可能となり、第2基板W2の第2アライメントマークAM2と第2固定基準32rの第2基準マーク32mとが撮影される。
【0134】
第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wと同様に、検査カメラ43のレンズは、下に向けられている。検査カメラ43が撮影するときは、第1基板W1および第2基板W2が第2チャック21に保持されている状態で、検査カメラ43が撮影可能な範囲内に第1基板W1および第2基板W2が配置される。この状態で、検査カメラ43は、下向きの第1基板W1と上向きの第2基板W2とを撮影する。Xアクチュエーター27およびYアクチュエーター25の少なくとも一方は、検査カメラ43が撮影しているときに、第1基板W1および第2基板W2をX方向およびY方向の少なくとも一方に移動させる。これにより、撮影すべき全範囲が検査カメラ43に撮影される。
【0135】
第1狭視野カメラ41n、第1広視野カメラ41w、第2狭視野カメラ42n、および第2広視野カメラ42wは、可視光線を電気信号に変換することにより、静止画または動画の電子データを生成する可視光カメラである。検査カメラ43は、赤外線を電気信号に変換することにより、静止画または動画の電子データを生成する赤外線カメラである。可視光カメラは、赤外線カメラよりも鮮明な画像を生成できる一方で、可視光カメラと被写体との間に可視光を透過しない物体があるときは、被写体を撮影することができない。赤外線カメラと被写体との間に可視光を透過しない物体があっても、この物体がシリコンなどの赤外線を透過する物質で作られていれば、赤外線カメラは、同物体を介して被写体を撮影することができる。
【0136】
検査カメラ43が第1基板W1および第2基板W2を撮影するとき、第1基板W1および第2基板W2は、第1基板W1が下に、第2基板W2が上に向けられた状態で上下に重なり合っている。この状態の第1基板W1および第2基板W2を可視光カメラで上から撮影しても、第1基板W1の第1アライメントマークAM1と第2基板W2の第2アライメントマークAM2とは、撮影された画像に写らない。検査カメラ43は、赤外線カメラである。第1基板W1の少なくとも1つの第1アライメントマークAM1は、第1基板W1の基材WD1(図3参照)を介して検査カメラ43に撮影される。第2基板W2の少なくとも1つの第2アライメントマークAM2は、第1基板W1を介して検査カメラ43に撮影される。これにより、第1基板W1および第2基板W2が接合された状態で、第1アライメントマークAM1および第2アライメントマークAM2が検査カメラ43によって撮影される。
【0137】
図24および図25に示すように、接合ユニット2bは、第1カメラ41等に加えて、第1固定基準31rおよび第2固定基準32rが間隔を空けてZ方向に向かい合った状態で、第1固定基準31rおよび第2固定基準32rを撮影する少なくとも1つのアライメントカメラ45を含む。図24および図25は、2つのアライメントカメラ45が設けられた例を示している。図24および図25では、第1ステージ13の下面が上に向けられている。アライメントカメラ45は、第1ステージ13の下面から突出している。アライメントカメラ45は、第1ステージ13に固定されている。アライメントカメラ45は、第1ステージ13と共にZ方向に移動し、第1ステージ13と共に反転中心16cまわりに回転する。
【0138】
アライメントカメラ45の少なくとも一部は、第1固定基準31rの真下に配置されている(図24および図25に示す状態では第1固定基準31rの真上に配置されている)。アライメントカメラ45のレンズは、Z方向に第1固定基準31rと直接向かい合っている。図25は、アライメントカメラ45が、第1ステージ13をZ方向に貫通する貫通穴13hに挿入された例を示している。アライメントカメラ45および第1固定基準31rがZ方向に直接向かい合うのであれば、アライメントカメラ45の配置等はこれに限られない。いずれの場合でも、第1基準マーク31mは、アライメントカメラ45が撮影可能な範囲内に配置される。1つのアライメントカメラ45によって撮影される第1基準マーク31mの数は、2つ以上であってもよい。
【0139】
第1基板W1および第2基板W2の位置ずれを最小化させるアライメント調整を行うときは、図24および図25に示すように、第1ステージ13を反転中心16cまわりに180度回転させて、第1チャック11に保持されている第1基板W1を下に向ける。このとき、第1固定基準31rも下に向けられる。第1チャック11に保持されている下向きの第1基板W1と第2チャック21に保持されている上向きの第2基板W2とがZ方向に直接向かい合うように、第2チャック21を第1チャック11の下方に配置すると、第1固定基準31rと第2固定基準32rとが間隔を空けてZ方向に直接向かい合う。アライメントカメラ45は、この状態で第1固定基準31rおよび第2固定基準32rを撮影する。
【0140】
アライメントカメラ45は、可視光カメラである。アライメントカメラ45が第1固定基準31rおよび第2固定基準32rを撮影しているとき、マスクに相当する第1固定基準31rは、アライメントカメラ45と第2固定基準32rとの間に配置されている。第1固定基準31rの第1表示板31dは、可視光線を透過する透明な板である。第2固定基準32rの第2表示板32dも、透明な板である。アライメントカメラ45は、第1固定基準31rと第2固定基準32rとが間隔を空けてZ方向に直接向かい合った状態で、第1基準マーク31mおよび第2基準マーク32mの両方を同時に撮影する。この状態でアライメントカメラ45が第2基準マーク32mを撮影できるのであれば、第2固定基準32rの第2表示板32dは、可視光線を透過しない非透明な板であってもよい。
【0141】
第1カメラ41が第1アライメントマークAM1および第1基準マーク31mを撮影した後は、水平面内での第1基板W1の位置および角度だけでなく、第1基板W1と第1固定基準31rとの相対的な位置および角度も分かる。同様に、第2カメラ42が第2アライメントマークAM2および第2基準マーク32mを撮影した後は、水平面内での第2基板W2の位置および角度だけでなく、第2基板W2と第2固定基準32rとの相対的な位置および角度も分かる。アライメントカメラ45が第1基準マーク31mおよび第2基準マーク32mを撮影すると、第1固定基準31rと第2固定基準32rとの相対的な位置および角度が分かる。これが分かると、第1基板W1と第2基板W2との相対的な位置および角度も間接的に分かる。
【0142】
制御装置3は、アライメントカメラ45に第1基準マーク31mおよび第2基準マーク32mを撮影させながら、第1基板W1および第2基板W2の位置ずれが最小化するように、第1固定基準31rと第2固定基準32rとの相対的な位置および角度を調整する。
【0143】
具体的には、制御装置3は、第1自転モーター12、第2自転モーター22、Yアクチュエーター25、およびXアクチュエーター27の少なくとも1つによって第1基板W1および第2基板W2の一方または両方を水平面内で動作させる。これにより、第1基板W1および第2基板W2の位置ずれが最小化する。制御装置3は、位置ずれの値の変化をモニタし、位置ずれの値が一定の値以下に収束した場合にアライメント調整が完了しアライメント完了状態となったと判断し、アライメント調整についての処理指令を停止し、次の処理である基板接触工程についての処理指令を開始する。
【0144】
基板接触工程において、制御装置3は、Zアクチュエーター18によって第1基板W1を下降させることにより、下向きの第1基板W1の接合面WA1を上向きの第2基板W2の接合面WA2に接触させる。これにより第1基板W1および第2基板W2が接合される。下降動作における移動距離等の動作パラメータは、メモリー3cに格納されたレシピに基づく。制御装置3は、基板接触工程で規定された動作の完了をもって接合完了状態になったと判断する。
【0145】
第1基板W1および第2基板W2が接合完了状態となった後に、接合された第1基板W1および第2基板W2が第2チャック21に保持されている状態で、検査カメラ43が第1基板W1および第2基板W2を撮影する。これにより、第1基板W1および第2基板W2が接合された状態で、第1アライメントマークAM1および第2アライメントマークAM2が検査カメラ43によって撮影される。接合された2枚の基板Wの位置のずれ量と接合された2枚の基板Wの角度のずれ量などは、検査カメラ43によって生成された第1アライメントマークAM1および第2アライメントマークAM2の画像に基づいて測定される。
【0146】
第1カメラ41によって撮影される位置は、Xアクチュエーター27およびYアクチュエーター25が第1カメラ41を移動させることにより変更される。第2カメラ42によって撮影される位置は、Xアクチュエーター27およびYアクチュエーター25が上ステージ23uを移動させることにより変更される。アライメントカメラ45および検査カメラ43についても第2カメラ42と同様である。Xアクチュエーター27およびYアクチュエーター25は、第1カメラ41等のカメラによって撮影される位置を変更する撮影位置調整アクチュエーターを兼ねる。接合ユニット2bは、台座20に対して第2カメラ42および検査カメラ43を移動させる撮影位置調整アクチュエーターを備えていてもよい。
【0147】
図26は、第1カメラ41によって生成された十字状の第1アライメントマークAM1の画像の一例を示す概略図である。
【0148】
第1カメラ41は、互いに直交する縦方向および横方向に整列した複数の画素により構成される長方形または正方形の二次元画像を生成する。制御装置3は、第1カメラ41が生成した静止画または動画の画像の電子データを受信する。制御装置3は、メモリー3cに収納されたプログラムに基づいて当該画像の解析および判断を行う。第2カメラ42などの他のカメラも同様である。
【0149】
第1基準マーク31mが互いに直交する高さ方向および幅方向を特定できる形状である場合、第1カメラ41が第1基準マーク31mを撮影すると、第1基準マーク31mの画像に基づいて第1基準マーク31mの高さ方向および幅方向が特定される。これにより、第1カメラ41によって生成された画像に対する第1基準マーク31mの傾き角(例えば、画像の横方向に対する第1基準マーク31mの幅方向の傾き角)が分かる。
【0150】
第1基準マーク31mの高さ方向および幅方向は、使用される第1基準マーク31mの形状に対応づけてメモリー3cに記録されている。制御装置3は、メモリー3cに記録された第1基準マーク31mの形状を第1カメラ41によって生成された画像中の第1基準マーク31mにマッチングさせることで、撮像画像中の第1基準マーク31mの高さ方向および幅方向を特定する。
【0151】
第1基準マーク31mが互いに直交する高さ方向および幅方向を特定できる形状である場合、第1カメラ41によって生成された画像の縦方向または横方向に対する第1基準マーク31mの傾き角が上限値以下となるように第1固定基準31rを配置してもよい。例えば、幅方向と平行な横線が第1基準マーク31mの輪郭線に含まれる場合、第1カメラ41によって生成された画像の横方向に対する横線の傾き角が上限値以下になるように第1固定基準31rを配置してもよい。第2基準マーク32mに関する第2固定基準32rの配置についても同様である。
【0152】
第1基準マーク31mと同様に、第1アライメントマークAM1が互いに直交する高さ方向および幅方向を特定できる形状である場合、第1カメラ41が第1アライメントマークAM1を撮影すると、第1アライメントマークAM1の画像に基づいて第1アライメントマークAM1の高さ方向および幅方向が特定される。これにより、第1カメラ41によって生成された画像に対する第1アライメントマークAM1の傾き角(例えば、画像の横方向に対する第1アライメントマークAM1の幅方向の傾き角)が分かる。
【0153】
第1アライメントマークAM1が互いに直交する高さ方向および幅方向を特定できる形状である場合、制御装置3は、第1カメラ41によって生成された画像の縦方向または横方向に対する第1アライメントマークAM1の傾き角が上限値を超えるか否かを判定してもよい。制御装置3は、第1アライメントマークAM1の傾き角が上限値を超えると判定したとき、同傾き角が上限値以下まで減少するように第1自転モーター12に第1チャック11を回転させた後、第1カメラ41に第1アライメントマークAM1を撮影させてもよい。
【0154】
図26の左側は、第1カメラ41によって生成された画像の一例を示している。図26の右側の2つの格子は、図26の左側の画像の一部を拡大したものである。各格子中の正方形のブロックの1つ1つが画素に相当する。黒のブロックと白のブロックとの境界は、第1アライメントマークAM1の輪郭線に相当する。図26の右上の格子では、第1アライメントマークAM1の輪郭線が画像の横方向(紙面の左右方向)に対して傾いている。これに対して、図26の右下の格子では、第1アライメントマークAM1の輪郭線が画像の横方向と平行である。
【0155】
制御装置3は、例えば、第1カメラ41によって生成された画像が、図26の右上の格子の状態から図26の右下の格子の状態に変化するように、第1自転モーター12に第1チャック11を回転させてもよい。このようにすれば、第1カメラ41により生成された画像から第1アライメントマークAM1の形状をより高い精度で特定することができ、第1基板W1の位置および角度をより高い精度で特定することができる。第2カメラ42で第2アライメントマークAM2を撮影するときや、検査カメラ43で第1アライメントマークAM1および第2アライメントマークAM2を撮影するときも同様である。
【0156】
次に、変位検出器46について説明する。
【0157】
図27は、変位検出器46のブロック図である。図28は、変位検出器46の鉛直な断面を示す図である。図29は、図28に示す矢印XXIXの方向に変位検出器46を鉛直に見た図である。
【0158】
図27に示すように、接合ユニット2bは、台座20と第2チャック21との水平方向への相対的な変位を検出する変位検出器46を含む。図28および図29は、変位検出器46が、第2チャック21の台座20に対するX方向およびY方向への変位を検出することにより、水平方向への台座20と第2チャック21との相対的な変位を検出する例を示している。
【0159】
変位検出器46は、X方向への台座20と第2チャック21との相対的な変位を検出するX変位検出器と、Y方向への台座20と第2チャック21との相対的な変位を検出するY変位検出器とを含む。Y変位検出器は、X変位検出器と一体であってもよいし、X変位検出器とは独立した変位検出器であってもよい。図27は、前者の例を示している。
【0160】
X変位検出器は、光学式の変位検出器であってもよいし、磁気式などの他の形式の変位検出器であってもよい。前者の場合、X変位検出器は、格子干渉式のリニアエンコーダーであってもよいし、干渉計などの他の形式の変位検出器であってもよい。格子干渉式のリニアエンコーダーは、レーザー干渉計などの干渉計に比べて、温度の変化や湿度の変化などの環境の変化に影響され難く、安定して変位を検出できる。X変位検出器は、第2基板W2などの対象物の絶対位置を検出する絶対位置検出器であってもよいし、対象物の相対位置を検出する相対位置検出器であってもよい。本段落の内容は、Y変位検出器についても同様である。Y変位検出器がX変位検出器とは独立している場合、Y変位検出器は、X変位検出器とは異なる形式の変位検出器であってもよい。
【0161】
図27は、変位検出器46がX方向およびY方向への第2基板W2の変位を検出する格子干渉式のリニアエンコーダーを含む例を示している。格子干渉式の変位検出器46は、第2チャック21などの対象物と共にX方向およびY方向に移動するスケール47と、X方向およびY方向へのスケール47の変位を検出する検出ヘッド48とを含む。検出ヘッド48は、スケール47に接触せずにX方向およびY方向へのスケール47の変位を検出する非接触式の変位計である。
【0162】
検出ヘッド48は、Y方向へのスケール47の変位を検出するX検出ヘッド48xと、Y方向へのスケール47の変位を検出するY検出ヘッド48yとを含む。X検出ヘッド48xおよびY検出ヘッド48yは、いずれも、スケール47で反射される光を発する光源48sと、スケール47で反射した光を電気信号に変換する受光素子48rと、受光素子48rから入力された電気信号に基づいて水平方向へのスケール47の移動量および移動方向を演算するインタポレーター48iとを含む。変位検出器46によって検出された第2基板W2の変位は、インタポレーター48iを通じて制御装置3に入力される。
【0163】
スケール47は、半導体レーザーなどの光源48sが発した光を反射する反射型の回折格子である。スケール47は、ホログラフィック回折格子であってもよいし、ブレーズド回折格子などの他の形式の回折格子であってもよい。スケール47は、平面型の回折格子であってもよいし、体積型の回折格子であってもよい。図29は、スケール47が、X検出ヘッド48xが発した光とY検出ヘッド48yが発した光を反射する2Dスケール(二次元スケール)である例を示している。この例では、スケール47は、光源48sが発した光を反射する正方形の反射面47sを含む。
【0164】
2Dスケールは、Z方向に突出した凸部とZ方向に凹んだ凹部とがX方向に規則的に交互に並んだ凹凸面を含むX回折格子と、Z方向に突出した凸部とZ方向に凹んだ凹部とがY方向に規則的に交互に並んだ凹凸面を含むY回折格子とを含む。Y回折格子は、X回折格子と同じ方向、速度、および移動量で水平に移動する。X回折格子の凸部の先端とY回折格子の凸部の先端とは、1つの水平な平面上に配置されている。X回折格子の凹凸面およびY回折格子の凹凸面は、スケール47の反射面47sの一部である。光源48sが発した光は、X回折格子の凹凸面またはY回折格子の凹凸面で反射される。
【0165】
X回折格子の凹部は、幅よりも長さの方が長いY方向に延びる連続した溝またはY方向に配列された複数の穴であってもよいし、溝および複数の穴を含んでいてもよい。Y回折格子の凹部は、幅よりも長さの方が長いX方向に延びる連続した溝またはX方向に配列された複数の穴であってもよいし、溝および複数の穴を含んでいてもよい。X回折格子の凸部および凹部の鉛直断面は、円弧、正方形、および長方形のいずれかであってもよいし、これら以外であってもよい。Y回折格子の凸部および凹部の鉛直断面についても同様である。
【0166】
スケール47は、光を反射する反射面47sが下に向けられた状態で、上ステージ23uの下面に固定されている。上ステージ23uが台座20に対してY方向に移動すると、スケール47は、上ステージ23uと同じ方向、速度、および移動量で水平に移動する。下ステージ23Lが台座20に対してX方向に移動すると、スケール47は、下ステージ23Lと同じ方向、速度、および移動量で水平に移動する。第2チャック21に保持されている第2基板W2が台座20に対してX方向およびY方向の少なくとも一方に水平に移動すると、スケール47は、第2基板W2と同じ方向、速度、および移動量で水平に移動する。上ステージ23uが下ステージ23Lに対してY方向に移動しても、スケール47は、下ステージ23Lに衝突しない。
【0167】
検出ヘッド48は、スケール47および上ステージ23uよりも下方に配置されている。検出ヘッド48は、スケール47とZ方向に直接向かい合っている。検出ヘッド48は、下ステージ23Lを上下に貫通する貫通窓23wに挿入されている。検出ヘッド48は、台座20に固定されている。検出ヘッド48は、スケール47とZ方向に直接向かい合う発光部48eと、発光部48eを支持する本体48mと含む。本体48mは、下ステージ23Lの貫通窓23wに挿入されている。発光部48eは、下ステージ23Lの上面よりも上方に配置されている。第2チャック21がいずれの位置に位置しているときでも、検出ヘッド48は、下ステージ23Lに接触しない。
【0168】
第2チャック21がいずれの位置に位置しているときでも、発光部48eは、スケール47とZ方向に直接向かい合っている。光源48s(図27参照)の光は、発光部48eからスケール47に進み、スケール47で反射した後に発光部48eから検出ヘッド48の中に入る。検出ヘッド48は、台座20に対するX方向およびY方向へのスケール47の変位を検出する。これにより、第2チャック21の、台座20に対するX方向およびY方向の変位が検出される。X方向およびY方向の変位についての検出結果は、制御装置3に送信される。
【0169】
次に、第1変形アクチュエーター71Aおよび第2変形アクチュエーター71Bについて説明する。
【0170】
図30は、第1チャック11および第2チャック21を水平に見た概略図である。図31および図32は、第1チャック11の断面図である。図33は、第1チャック11の概略平面図である。図34は、第1サポートフレーム61の概略平面図である。図35は、第1チャック11の第1可動部57Aおよび第1固定部58Aについて説明するための概略図である。図31は、図33に示すXXXI-XXXI線に沿う第1チャック11の鉛直な断面を示している。図32は、図33に示すXXXII-XXXII線に沿う第1チャック11の鉛直な断面を示している。
【0171】
第1接合モジュール2b1は、第1チャック11を変形させることにより第1チャック11に保持されている第1基板W1を変形させる第1変形アクチュエーター71Aを含む。同様に、第2接合モジュール2b2は、第2チャック21を変形させることにより第2チャック21に保持されている第2基板W2を変形させる第2変形アクチュエーター71Bを含む。図30は、第1基板W1および第1チャック11が下に向けられた状態を示している。
【0172】
第1変形アクチュエーター71Aは、第1ステージ13に支持されている。反転アクチュエーター16が第1ステージ13を反転中心16cまわりに回転させると、第1変形アクチュエーター71Aは、第1チャック11と共に反転中心16cまわりに回転する。Zアクチュエーター18が第1ステージ13をZ方向に鉛直に移動させると、第1変形アクチュエーター71Aは、第1チャック11と共にZ方向に鉛直に移動する。
【0173】
第2変形アクチュエーター71Bは、第2ステージ23の上ステージ23uに支持されている。Yアクチュエーター25が上ステージ23uをY方向に水平に移動させると、第2変形アクチュエーター71Bは、第2チャック21と共にY方向に水平に移動する。Xアクチュエーター27が下ステージ23LをX方向に水平に移動させると、第2変形アクチュエーター71Bは、第2チャック21と共にX方向に水平に移動する。
【0174】
第2チャック21および第2変形アクチュエーター71Bに関する構造は、第1チャック11および第1変形アクチュエーター71Aに関する構造と同様または実質的に同様である。例えば、第1チャック11用の構成に第1サポートフレーム61が含まれる場合、第2チャック21用の構成にも第1サポートフレーム61が含まれる。したがって、以下では、第1チャック11および第1変形アクチュエーター71Aに関する構造について説明し、第2チャック21および第2変形アクチュエーター71Bに関する構造の説明を省略する。第2チャック21用の構成を第1チャック11用の構成と区別する場合、先頭の「第1」を「第2」に変更する、もしくは、符号中の「A」を「B」に変更する場合がある。
【0175】
図31および図32に示すように、第1チャック11は、同一またはほぼ同一の輪郭形状を有する表面および裏面と、表面および裏面の外縁同士を接続する環状の外周面とを含む。第1チャック11の表面は、第1基板W1に接する第1吸着面11sである。第1チャック11の裏面は、第1吸着面11sとは反対側の第1非吸着面11nである。
【0176】
第1吸着面11sの外縁は、第1基板W1の外縁と相似である。第1非吸着面11nの外縁も同様である。第1基板W1が円板状である場合、第1吸着面11sの外縁と第1非吸着面11nの外縁とは、第1基板W1の直径以上の直径を有する円である。この場合、第1チャック11の中心線11cの方向に見ると、第1非吸着面11nの外縁は、第1吸着面11sの外縁と同心で、第1吸着面11sの外縁と直径が等しい円である。
【0177】
第1チャック11がバキュームチャックである場合、複数の吸引口11p(図33参照)は、第1吸着面11sで開口している。図31および図32に示すように、全ての吸引口11pに気体を吸引させる吸引力を伝達する1つ以上の吸引配管11piは、第1非吸着面11nから突出した1つ以上のコネクターCNを介して第1チャック11に取り付けられている。1つ以上のバルブ11v(図33参照)は、1つ以上の吸引配管11piに取り付けられている。第1基板W1が第1吸着面11sに接している状態で全てのバルブ11vが開かれると、第1基板W1が第1吸着面11sに吸着される。これにより、第1基板W1が第1吸着面11sに接した状態で第1チャック11に保持される。
【0178】
第1基板W1の全体が平坦な状態で第1基板W1を保持できるのであれば、第1吸着面11sは、水平な平面であってもよいし、水平な凹凸面であってもよい。第1非吸着面11nは、第1吸着面11sと平行な領域を含む。第1非吸着面11nの全体が第1吸着面11sと平行であってもよいし、第1吸着面11sとは平行でない領域が第1非吸着面11nに含まれてもよい。第1チャック11の厚み、つまり、第1吸着面11sから第1非吸着面11nまでの鉛直方向の長さは、均一であってもよいし、不均一であってもよい。図31は、後者の例を示している。この例では、第1固定部58Aおよび第1可動接触部59cの厚みが、第1可動非接触部59nの厚みよりも大きい。第1可動非接触部59nの裏面(第1非吸着面11nの一部)は、第1固定部58Aおよび第1可動接触部59cの裏面(第1非吸着面11nの一部)から凹んでいる。
【0179】
第1チャック11は、第1基板W1の全体が平坦な状態で第1チャック11が第1基板W1を保持する平坦形状(図31および図32に示す形状)と、第1基板W1の一端51Aが第1基板W1の他端52Aに対して第2基板W2から遠ざかるように第1基板W1が湾曲した状態で第1チャック11が第1基板W1を保持する凸湾曲形状(図40Bに示す形状)と、の間で弾性変形可能である。
【0180】
第1チャック11の凸湾曲形状は、第1吸着面11sの曲率中心が第1チャック11に対して第1吸着面11sとは反対側に配置されるように第1チャック11が変形した形状である。第1チャック11の材質、寸法、および形状等は、第1チャック11が平坦形状と凸湾曲形状との間で弾性変形できるように設定されている。第1チャック11がこのように弾性変形できるのであれば、第1チャック11の材質は、セラミックであってもよいし、これ以外であってもよい。
【0181】
図31および図32に示すように、第1接合モジュール2b1は、第1チャック11の第1吸着面11sとは反対側から第1チャック11を支持する第1サポートフレーム61を含む。図31および図32は、第1サポートフレーム61が第1チャック11側に開いたカップ状であり、第1サポートフレーム61の底面と第1チャック11の第1非吸着面11nとが間隔を空けて鉛直に向かい合った例を示している。
【0182】
第1サポートフレーム61は、第1チャック11と第1ステージ13との間に配置されている。第1自転モーター12は、第1サポートフレーム61と第1ステージ13との間に配置されている。第1自転モーター12のロータ―12rは、直接または間接的に第1サポートフレーム61に固定されている。図31および図32は、第1自転モーター12の回転角を検出するエンコーダー66を介して第1自転モーター12のロータ―12rが第1サポートフレーム61に固定された例を示している。第1自転モーター12が第1ステージ13に対して第1サポートフレーム61を回転させると、第1チャック11も第1ステージ13に対して回転する。
【0183】
第1サポートフレーム61は、第1チャック11の第1非吸着面11nと鉛直方向に直接向かい合う水平な第1サポート面62を含む。第1チャック11は、第1サポート面62の少なくとも一部に接した状態で第1サポートフレーム61に固定されている。図31は、第1チャック11の第1非吸着面11nが、第1サポート面62の一部の領域である第1接触領域62cに接しており、第1サポート面62の残りの領域である第1非接触領域62nから離れた例を示している。第1非接触領域62nは、間隔を空けて第1チャック11の第1非吸着面11nと鉛直に向かい合っている。
【0184】
第1サポートフレーム61がカップ状である場合、第1サポートフレーム61は、間隔を空けて第1チャック11の第1非吸着面11nと鉛直に向かい合う底板65と、底板65の全周にわたって底板65の外周から第1チャック11に向かって延びる筒状の縦壁64と、縦壁64の先端から縦壁64の外側に延びる円環状のフランジ63とを含む。第1サポート面62は、縦壁64およびフランジ63の端面に相当する。図34は、第1サポート面62が、第1チャック11の中心線11cと同心で、全周にわたって連続した円環状である例を示している。第1接触領域62cと第1非接触領域62nとは、第1チャック11の周方向に連続している。
【0185】
図35に示すように、第1チャック11は、第1サポートフレーム61に対して移動可能な第1可動部57Aと、第1サポートフレーム61に固定された第1固定部58Aとを含む。第1可動部57Aは、第1変形アクチュエーター71Aが第1チャック11を変形させたときに第1サポートフレーム61に対して移動する部分である。第1固定部58Aは、第1変形アクチュエーター71Aが第1チャック11を変形させたときに第1サポートフレーム61に対して移動しない部分である。
【0186】
第1可動部57Aおよび第1固定部58Aは、第1チャック11の中心線11cの方向に見たときに第1チャック11の外縁上の2点を結ぶ境界線B1によって仕切られている。図35は、第1吸着面11sの円形の外縁が第1チャック11の外縁に相当し、境界線B1が第1吸着面11sの外縁上の1点から第1吸着面11sの外縁上の別の1点まで延びる例を示している。境界線B1は、仮想線であり、実際の第1チャック11には存在しない。境界線B1は、1つ以上の直線または曲線であってもよいし、1つ以上の直線と1つ以上の曲線とを含んでいてもよい。第1可動部57Aおよび第1固定部58Aは、境界線B1を介して隣接している。境界線B1は、第1固定部58Aの輪郭線の一部であり、第1可動部57Aの輪郭線の一部でもある。第1チャック11の各部は、第1可動部57Aおよび第1固定部58Aのいずれかに属する。
【0187】
第1固定部58Aは、第1固定部58Aの裏面(第1非吸着面11nの一部)の全体が第1サポート面62の第1接触領域62cに接した状態で、1つ以上のボルトBL(図31参照)によって第1サポートフレーム61に固定されている。第1サポートフレーム61に対する第1チャック11の固定方法は、溶接または溶着などの締結以外の方法であってもよい。第1固定部58Aが第1サポートフレーム61に対して移動できないのであれば、第1固定部58Aの裏面の一部は、第1サポートフレーム61に非接触であってもよい。
【0188】
第1可動部57Aは、第1チャック11の第1固定部58Aが第1サポートフレーム61に固定された状態で、第1サポートフレーム61のいずれの部分からも離れている。第1可動部57Aが第1サポートフレーム61に対して移動できるのであれば、第1変形アクチュエーター71Aの動力を第1チャック11に伝達する部材および第1変形アクチュエーター71A以外の部材が第1可動部57Aに接していてもよい。図31および図32は、吸引配管11piを第1チャック11に取り付けるコネクターCNが第1可動部57Aに接している例を示している。
【0189】
図35に示すように、第1可動部57Aは、第1変形アクチュエーター71Aの動力が第1チャック11に最初に加わる第1可動接触部59cと、第1可動接触部59cを介して第1変形アクチュエーター71Aの動力が伝達される第1可動非接触部59nとを含む。第1可動接触部59cは、直接または間接的に第1変形アクチュエーター71Aに連結されている。図35は、第1可動接触部59cに固定された従動フレーム75等を介して第1可動接触部59cが第1変形アクチュエーター71Aに間接的に連結された例を示している。第1変形アクチュエーター71Aの動力は、従動フレーム75等を介して第1可動接触部59cに加わり、第1可動接触部59cから第1可動非接触部59nに伝達される。
【0190】
第1可動接触部59cは、第1チャック11の外周面の一部を含む部分であってもよいし、当該一部を含まない部分であってもよい。図35は、前者の例を示している。第1可動接触部59cのいずれの部分も、第1固定部58Aから離れている。第1チャック11の中心線11cの方向に見ると、第1可動接触部59cは、第1固定部58Aよりも小さい。第1チャック11の中心線11cの方向に見ると、第1可動接触部59cは、第1可動非接触部59nよりも小さい。第1チャック11の中心線11cの方向に見ると、第1固定部58Aは、第1可動非接触部59nよりも小さい。ただし、第1可動接触部59c、第1可動非接触部59n、および第1固定部58Aの大きさの関係は、これに限られない。
【0191】
第1変形アクチュエーター71Aは、第1吸着面11sの全体が平坦な平坦形状から、第1吸着面11sが湾曲した凸湾曲形状に、第1チャック11を連続的に変形させる。その後、第1変形アクチュエーター71Aは、第1チャック11を凸湾曲形状から平坦形状に連続的に変形させる。第1チャック11が平坦形状から凸湾曲形状に連続的に変形すると、第1固定部58Aの表面(第1吸着面11sの一部)の全体が平坦またはほぼ平坦なまま、第1可動部57Aの表面(第1吸着面11sの一部)の全体が撓む。その後、第1チャック11が凸湾曲形状から平坦形状に連続的に変形すると、第1可動部57Aの撓み量が連続的に減少し、第1可動部57Aの表面の全体が平坦に戻る。
【0192】
第1チャック11が第1基板W1を保持している状態で第1基板W1および第1チャック11を第1チャック11の中心線11cの方向に見たときに第1可動部57Aに重なる第1基板W1の一部の全体を、第1基板W1の第1可動部53Aと定義する。第1チャック11が第1基板W1を保持している状態で第1基板W1および第1チャック11を第1チャック11の中心線11cの方向に見たときに第1固定部58Aに重なる第1基板W1の一部の全体を、第1基板W1の第1固定部54Aと定義する。
【0193】
第1チャック11が第1基板W1を保持している状態で第1チャック11が平坦形状と凸湾曲形状との間で連続的に変形すると、第1基板W1は、第1チャック11と同様の形状に変形する。つまり、第1チャック11が第1基板W1を保持している状態で第1チャック11が平坦形状から凸湾曲形状に連続的に変形すると、第1基板W1の第1固定部54Aの全体が平坦またはほぼ平坦に維持されたまま、第1基板W1の第1可動部53Aの全体が撓む。その後、第1チャック11が第1基板W1を保持している状態で第1チャック11が凸湾曲形状から平坦形状に連続的に変形すると、第1基板W1の第1可動部53Aの撓み量が連続的に減少し、第1基板W1の第1可動部53Aの表面の全体が平坦に戻る。
【0194】
第1チャック11が第1基板W1を保持している状態で第1チャック11が平坦形状から凸湾曲形状に変形すると、第1基板W1も平坦形状から凸湾曲形状に変形する。第1チャック11が第1基板W1を保持している状態で第1チャック11が凸湾曲形状から平坦形状に変形すると、第1基板W1も凸湾曲形状から平坦形状に変形する。第1基板W1の凸湾曲形状は、第1基板W1の一端51Aが第1基板W1の他端52Aに対して第2基板W2から遠ざかるように第1基板W1が湾曲した形状である。第1基板W1の平坦形状は、第1基板W1の全体が平坦な形状である。
【0195】
第1基板W1の一端51Aおよび他端52Aは、第1チャック11の第1吸着面11sと平行な方向における第1基板W1の両端である。同様に、第1チャック11の一端55Aおよび他端56Aは、第1チャック11の第1吸着面11sと平行な方向における第1チャック11の両端である。図35では、紙面の左右方向が第1チャック11の第1吸着面11sと平行な方向に相当する。
【0196】
第1チャック11の一端55Aは、第1可動部57Aの一部であり、第1チャック11の他端56Aは、第1固定部58Aの一部である。第1基板W1の一端51Aは、第1基板W1の第1可動部53Aの一部であり、第1基板W1の他端52Aは、第1基板W1の第1固定部54Aの一部である。第1チャック11が第1基板W1を保持している状態で第1チャック11が平坦形状と凸湾曲形状との間で連続的に変形すると、第1チャック11の一端55Aは、第1チャック11の他端56Aに対して上下に移動し、第1基板W1の一端51Aは、第1基板W1の他端52Aに対して上下に移動する。
【0197】
図35に示すように、第1チャック11の一端55Aおよび他端56Aは、第1チャック11の中心線11cに対して互いに反対側の2つの位置に配置された第1チャック11の2つの部分である。第1チャック11の中心線11cから第1チャック11の一端55Aまでの距離は、第1チャック11の中心線11cから第1チャック11の他端56Aまでの距離と等しいまたは概ね等しい。第1チャック11の中心線11cの方向に見たとき、第1チャック11の一端55Aは、1つ以上の点または1つ以上の線であってもよいし、1つ以上の点および1つ以上の線を含んでいてもよい。第1チャック11の他端56Aについても同様である。
【0198】
第1基板W1の一端51Aおよび他端52Aは、第1チャック11の中心線11cに対して互いに反対側の2つの位置に配置された第1基板W1の2つの部分である。第1基板W1の中心線から第1基板W1の一端51Aまでの距離は、第1基板W1の中心線から第1基板W1の他端52Aまでの距離と等しいまたは概ね等しい。第1チャック11の中心線11cの方向に見たとき、第1基板W1の一端51Aは、1つ以上の点または1つ以上の線であってもよいし、1つ以上の点および1つ以上の線を含んでいてもよい。第1基板W1の他端52Aについても同様である。
【0199】
次に、第1変形アクチュエーター71Aについて説明する。
【0200】
図36は、第1変形アクチュエーター71Aを水平に見た図である。図37は、図36の一部を拡大した図である。前述のように、第1接合モジュール2b1は、第1吸着面11sの全体が平坦な平坦形状と、第1吸着面11sが湾曲した凸湾曲形状と、の間で第1チャック11を変形させる第1変形アクチュエーター71Aを含む。第1変形アクチュエーター71Aの動力は、一対の第1駆動ローラー74および第1従動フレーム75等を介して第1チャック11に間接的に伝達される。第1変形アクチュエーター71Aの動力は、第1チャック11に直接伝達されてもよい。
【0201】
第1変形アクチュエーター71Aは、電気、流体、磁気、熱、または化学的エネルギーを表す駆動エネルギーが供給される支持物体と、駆動エネルギーが支持物体に供給されたときに支持物体に対して移動する可動物体とを含む。支持物体および可動物体は、相対的に運動する2つの有体物である。図36および図37に示す例では、シリンダーチューブ71tが支持物体に、ピストン71p、ロッド71L、およびコネクティングプレート71cが可動物体に相当する。支持物体に対する可動物体の運動は、直線運動または回転であってもよいし、これら以外であってもよい。
【0202】
第1変形アクチュエーター71Aは、駆動エネルギーを可動物体の直線運動に変換するリニアアクチュエーターであってもよいし、駆動エネルギーを可動物体の回転に変換するロータリーアクチュエーターであってもよい。図36および図37は、第1変形アクチュエーター71Aがリニアアクチュエーターである例を示している。第1変形アクチュエーター71Aがロータリーアクチュエーターである場合、ボールねじおよびボールナットなどの第1モーションコンバーターによって可動物体の回転を支持物体および可動物体とは別の有体物の直線運動に変換すればよい。
【0203】
図36および図37は、第1変形アクチュエーター71Aがエアシリンダーである例を示している。この例では、第1変形アクチュエーター71Aは、圧縮空気が供給されるシリンダーチューブ71tと、圧縮空気がシリンダーチューブ71tに供給されたときにシリンダーチューブ71t内でシリンダーチューブ71tの軸方向に移動するピストン71pと、ピストン71pと共にシリンダーチューブ71tに対してシリンダーチューブ71tの軸方向に移動するロッド71Lとを含む。第1変形アクチュエーター71Aは、さらに、シリンダーチューブ71tの外でロッド71Lに連結されたコネクティングプレート71cを含む。図37に示すように、コネクティングプレート71cは、一対のロッド71Lに連結されている。
【0204】
第1変形アクチュエーター71Aは、シリンダーチューブ71tの軸方向が鉛直方向に一致するように配置されている。シリンダーチューブ71tからのロッド71Lの突出量が増加すると、コネクティングプレート71cは、シリンダーチューブ71tの軸方向にシリンダーチューブ71tから離れる。シリンダーチューブ71tからのロッド71Lの突出量が減少すると、コネクティングプレート71cは、シリンダーチューブ71tの軸方向にシリンダーチューブ71tに近づく。したがって、コネクティングプレート71cは、ロッド71Lの突出量が増加および減少するのに伴って、シリンダーチューブ71tの軸方向に往復する。
【0205】
第1変形アクチュエーター71Aは、第1チャック11に対して第1チャック11の第1吸着面11sとは反対側に配置されている。第1チャック11の中心線11cの方向に見ると、第1変形アクチュエーター71Aの少なくとも一部は、第1チャック11に重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。図36および図37は、前者の例を示している。この例では、第1変形アクチュエーター71Aは、第1チャック11と第1ステージ13との間に配置されている。
【0206】
第1変形アクチュエーター71Aの少なくとも一部は、第1自転モーター12と等しい高さに配置されている(図31および図32参照)。第1変形アクチュエーター71Aの全体を第1自転モーター12とは異なる高さに配置してもよい。第1変形アクチュエーター71Aは、第1サポートフレーム61に固定された第1ブラケット70を介して第1サポートフレーム61に支持されている(図31および図32も参照)。第1変形アクチュエーター71Aは、第1ステージ13から離れている。第1自転モーター12が第1ステージ13に対して第1サポートフレーム61を回転させると、第1変形アクチュエーター71Aも第1ステージ13に対して回転する。
【0207】
第1接合モジュール2b1は、第1変形アクチュエーター71Aの動力を受けて鉛直に往復する第1駆動体を含む。図36および図37は、一対の第1駆動ローラー74が第1駆動体である例を示している。一対の第1駆動ローラー74は、平坦位置と湾曲位置との間で鉛直に往復する。図36は、一対の第1駆動ローラー74が平坦位置に配置された状態を示している。図37は、一対の第1駆動ローラー74が湾曲位置に配置された状態を示している。一対の第1駆動ローラー74が平坦位置に配置されているとき、第1チャック11は平坦形状である。一対の第1駆動ローラー74が湾曲位置に配置されているとき、第1チャック11は凸湾曲形状である。
【0208】
図37に示すように、第1接合モジュール2b1は、一対の第1駆動ローラー74を保持する第1センターシャフト73と、第1センターシャフト73を保持する第1シャフトホルダー72とを含む。一対の第1駆動ローラー74は、第1センターシャフト73および第1シャフトホルダー72を介してコネクティングプレート71cに連結されている。コネクティングプレート71cが鉛直に移動すると、一対の第1駆動ローラー74も鉛直に移動する。第1センターシャフト73は、各第1駆動ローラー74の中心線に沿って水平に延びている。図37は、一対の第1駆動ローラー74が第1シャフトホルダー72に対して互いに反対側に配置された例を示している。一対の第1駆動ローラー74は、第1シャフトホルダー72に対して第1センターシャフト73まわりに回転可能である。
【0209】
第1接合モジュール2b1は、第1変形アクチュエーター71Aの動力を第1チャック11に伝達する従動体を含む。図37は、一対の第1駆動ローラー74を収容する従動フレーム75が従動体である例を示している。従動フレーム75は、第1チャック11の第1可動部57Aに接した状態で、1つ以上のボルトBLによって第1チャック11に固定されている(図31参照)。従動フレーム75は、第1チャック11の形状が変化するのに伴って第1チャック11の第1可動部57Aと共に上下に移動する。第1チャック11に対する従動フレーム75の固定方法は、溶接または溶着などの締結以外の方法であってもよい。
【0210】
従動フレーム75は、第1チャック11に対して第1チャック11の第1吸着面11sとは反対側に配置されている。第1チャック11の中心線11cの方向に見ると、従動フレーム75の少なくとも一部は、第1チャック11に重なっている。従動フレーム75は、第1チャック11と第1変形アクチュエーター71Aとの間に配置されている。従動フレーム75は、第1サポートフレーム61の縦壁64の外側に配置されている(図31参照)。従動フレーム75は、間隔を空けて縦壁64の外周面と第1チャック11の径方向に水平に向かい合っている。
【0211】
第1チャック11が平坦形状と凸湾曲形状との間で変形するのに伴って従動フレーム75が第1サポートフレーム61に対して鉛直および水平に移動しても、従動フレーム75は、第1サポートフレーム61に接触しない。図37は、従動フレーム75と第1サポートフレーム61との接触を防止するために、切欠き63nが第1サポートフレーム61のフランジ63に設けられた例を示している(図34も参照)。フランジ63の切欠き63nは、フランジ63の外周から内側に凹んでおり、フランジ63を上下に貫通している。従動フレーム75は、従動フレーム75の一部が切欠き63n内に配置された状態で第1サポートフレーム61に対して鉛直および水平に移動可能である。
【0212】
図37に示すように、従動フレーム75は、鉛直方向における第1チャック11と一対の第1駆動ローラー74との間に配置されたベースプレート78と、一対の第1駆動ローラー74に対して第1チャック11とは反対側に配置されたプルプレート76と、ベースプレート78からプルプレート76に延びる一対のサイドプレート77とを含む。図37は、サイドプレート77がベースプレート78と一体である例を示している。
【0213】
ベースプレート78とプルプレート76とは、間隔を空けて鉛直に向かい合っている。一対のサイドプレート77は、間隔を空けて水平に向かい合っている。一対の第1駆動ローラー74は、鉛直方向におけるベースプレート78とプルプレート76との間に配置されている。一対の第1駆動ローラー74は、水平方向における一対のサイドプレート77の間に配置されている。プルプレート76は、一対の第1駆動ローラー74とコネクティングプレート71cとの間に配置されている。第1シャフトホルダー72は、プルプレート76を上下に貫通する貫通穴76hに挿入されている。
【0214】
第1駆動ローラー74の外周面は、プルプレート76およびベースプレート78のそれぞれと鉛直方向に直接向かい合っている。第1駆動ローラー74の外周面は、プルプレート76およびベースプレート78の両方に接していてもよいし、離れていてもよい。プルプレート76およびベースプレート78の一方が第1駆動ローラー74の外周面に接しており、プルプレート76およびベースプレート78の他方が第1駆動ローラー74の外周面から離れていてもよい。
【0215】
第1変形アクチュエーター71Aが一対の第1駆動ローラー74を湾曲位置側に移動させると、プルプレート76は、一対の第1駆動ローラー74によって第1変形アクチュエーター71Aに近づく方向に引っ張られる。これにより、プルプレート76が一対の第1駆動ローラー74と共に移動し、第1チャック11の形状が凸湾曲形状に近づく。第1変形アクチュエーター71Aが一対の第1駆動ローラー74を平坦位置側に移動させると、プルプレート76は、第1チャック11の弾性によって一対の第1駆動ローラー74に押し付けられながら、一対の第1駆動ローラー74と共に移動する。したがって、一対の第1駆動ローラー74が平坦位置に戻る速度を制御することにより、第1チャック11が平坦形状に戻る速度を制御しながら、第1チャック11を平坦形状に戻すことができる。
【0216】
第1変形アクチュエーター71Aが一対の第1駆動ローラー74を湾曲位置側に移動させると、第1チャック11の一端55A(図35参照)は、第1チャック11の他端56A(図35参照)に対して鉛直に移動する。このとき、第1チャック11の一端55Aは、僅かであるが、第1チャック11の他端56Aに対して第1チャック11の径方向に水平に移動する。そのため、一対の第1駆動ローラー74は、プルプレート76上で転がりながら、プルプレート76を引っ張る。第1変形アクチュエーター71Aが一対の第1駆動ローラー74を平坦位置側に移動させたときも、第1チャック11の一端55Aは、第1チャック11の他端56Aに対して第1チャック11の径方向に水平に移動しながら、第1チャック11の他端56Aに対して鉛直に移動する。そのため、一対の第1駆動ローラー74は、プルプレート76上で転がりながら、プルプレート76と共に移動する。これにより、第1駆動ローラー74とプルプレート76との摩擦を軽減できる。
【0217】
第1接合モジュール2b1は、第1チャック11の変形を制限するストッパーを備えていてもよいし、備えていなくてもよい。前者の場合、第1接合モジュール2b1は、平坦用ストッパー80および湾曲用ストッパーの両方を備えていてもよいし、平坦用ストッパー80および湾曲用ストッパーの一方だけを備えていてもよい。
【0218】
平坦用ストッパー80は、第1チャック11が凸湾曲形状から平坦形状に戻ると、第1チャック11の変形を停止させるストッパーである。湾曲用ストッパーは、第1チャック11が平坦形状から凸湾曲形状に変形すると、第1チャック11の変形を停止させるストッパーである。図36および図37は、平坦用ストッパー80だけが設けられた例を示している。
【0219】
図36は、一対の従動ピン79が一対の平坦用ストッパー80に接触しており、一対の第1駆動ローラー74が平坦位置で静止した状態を示している。図37は、一対の従動ピン79が一対の平坦用ストッパー80から離れており、一対の第1駆動ローラー74が湾曲位置で静止した状態を示している。一対の従動ピン79は、第1チャック11の形状が変化するのに伴って第1チャック11の一端55Aと共に上下に移動する。第1チャック11の形状が変化するのに伴って第1チャック11の一端55Aと共に上下に移動する部材または部分であれば、平坦用ストッパー80は、従動ピン79以外の部材または部分に接触してもよい。
【0220】
図36および図37に示す例では、一対の従動ピン79は、第1従動フレーム75に固定されている。一対の平坦用ストッパー80は、一対の従動ピン79と鉛直方向に直接向かい合っている。一対の平坦用ストッパー80は、第1サポートフレーム61のフランジ63と一対の従動ピン79との鉛直方向における間に配置されている。一対の平坦用ストッパー80は、平面視でフランジ63に重なっている。一対の平坦用ストッパー80は、第1サポートフレーム61に固定されている。一対の従動ピン79が一対の平坦用ストッパー80に接触すると、第1サポートフレーム61に対する第1チャック11の一端55Aの移動が停止する。
【0221】
次に、基板接合装置1の電気的構成について説明する。
【0222】
図38は、基板接合装置1の電気的構成を示すブロック図である。制御装置3は、制御信号を送信することにより、基板接合装置1に備えられた電気機器および電子機器を制御する。また、制御装置3は、基板接合装置1に備えられた各種カメラ、検出器などからの信号を受信し信号の記憶や信号処理を行う。制御装置3は、後述する各工程を実行するようにプログラムされている。
【0223】
制御装置3は、少なくとも1つのコンピューターを含む。コンピューターは、コンピューター本体3aと、コンピューター本体3aに接続された周辺装置3dとを含む。コンピューター本体3aは、各種の命令を実行するCPU3b(central processing unit:中央処理装置)と、情報を記憶するメモリー3cとを含む。周辺装置3dは、プログラムP等の情報を記憶するストレージ3eと、リムーバブルメディアRMから情報を読み取るリーダー3fと、ホストコンピューター等の他の装置と通信する通信装置3gとを含む。
【0224】
制御装置3は、入力装置および表示装置に接続されている。入力装置は、ユーザーやメンテナンス担当者などの操作者が基板接合装置1に情報を入力するときに操作される。情報は、表示装置の画面に表示される。入力装置は、キーボード、ポインティングデバイス、およびタッチパネルのいずれかであってもよいし、これら以外の装置であってもよい。入力装置および表示装置を兼ねるタッチパネルディスプレイが基板接合装置1に設けられてもよい。
【0225】
CPU3bは、ストレージ3eに記憶されたプログラムPを実行する。ストレージ3e内のプログラムPは、制御装置3に予めインストールされたものであってもよいし、リーダー3fを通じてリムーバブルメディアRMからストレージ3eに送られたものであってもよいし、ホストコンピューターなどの外部装置から通信装置3gを通じてストレージ3eに送られたものであってもよい。
【0226】
ストレージ3eおよびリムーバブルメディアRMは、電力が供給されていなくても記憶を保持する不揮発性メモリーである。ストレージ3eは、例えば、ハードディスクドライブ等の磁気記憶装置である。リムーバブルメディアRMは、例えば、コンパクトディスクなどの光ディスクまたはメモリーカードなどの半導体メモリーである。リムーバブルメディアRMは、プログラムPが記録されたコンピューター読取可能な記録媒体の一例である。リムーバブルメディアRMは、一時的ではない有形の記録媒体(non-transitory tangible media)である。
【0227】
次に、第1基板W1および第2基板W2の接合の第1の例について説明する。
【0228】
図39A図39B図39C図39D図39E図39F図39G、および図39Hは、接合ユニット2bによって行われる第1基板W1および第2基板W2の接合の第1の例について説明するための概略図である。図39A図39Hは、Y方向に水平に見た第1チャック11および第2チャック21等を示している。
【0229】
接合ユニット2bによって第1基板W1および第2基板W2を接合するときは、図39Aに示すように、搬送ロボットTRが、接合面WA1が上に向けられた第1基板W1をハンドTHで水平に保持しながら、搬入搬出状態の第1チャック11の上方の空間に第1基板W1を配置する。同様に、搬送ロボットTRが、接合面WA2が上に向けられた第2基板W2をハンドTHで水平に保持しながら、搬入搬出状態の第2チャック21の上方の空間に第2基板W2を配置する。
【0230】
第1チャック11の搬入搬出状態は、第1基板W1を搬送ロボットTRと第1チャック11との間で移動させることができる位置および姿勢に第1チャック11が維持され、第1チャック11の回転角が零であり、第1チャック11の中心線11cが鉛直である状態である。第2チャック21の搬入搬出状態は、第2基板W2を搬送ロボットTRと第2チャック21との間で移動させることができる位置および姿勢に第2チャック21が維持され、第2チャック21の回転角が零である状態である。
【0231】
搬送ロボットTRは、搬入搬出状態の第1チャック11の上に第1基板W1を置いてもよいし、第1基板W1が第1チャック11の上に置かれる下位置と第1基板W1が第1チャック11から上方に離れた上位置との間で第1基板W1を水平に支持しながら上下に移動する複数の昇降ピンの上に第1基板W1を置いてもよい。第2基板W2についても同様である。いずれの場合でも、第1基板W1は、接合面WA1を上に向けた状態で搬入搬出状態の第1チャック11の上に置かれ、第1チャック11に吸着される。同様に、第2基板W2は、接合面WA2を上に向けた状態で搬入搬出状態の第2チャック21の上に置かれ、第2チャック21に吸着される。
【0232】
搬入搬出状態の第1チャック11の第1吸着面11sが水平な平面である場合、第1基板W1の上面(接合面WA1)および下面は、第1基板W1が第1チャック11に吸着された後も水平な平面に維持される。搬入搬出状態の第1チャック11の第1吸着面11sが水平な平面以外の形状である場合、第1基板W1が第1チャック11に吸着されると、第1基板W1の上面および下面は、水平な平面から第1チャック11の第1吸着面11sと同一またはほぼ同一の形状に弾性変形し、その形状に維持される。第2基板W2の上面および下面の形状についても同様である。
【0233】
図39Aは、搬入搬出状態の第1チャック11の第1吸着面11sが水平な平面であり、搬入搬出状態の第2チャック21の第2吸着面21sが水平な平面である例を示している。したがって、この例では、第1基板W1が第1チャック11に吸着された後も、第1基板W1の上面および下面が水平な平面に維持される。同様に、第2基板W2が第2チャック21に吸着された後も、第2基板W2の上面および下面が水平な平面に維持される。
【0234】
第1基板W1は、第2基板W2が第2チャック21の上に置かれる前または置かれた後に、第1チャック11の上に置かれてもよいし、第2基板W2が第2チャック21の上に置かれるのと同時に第1チャック11の上に置かれてもよい。第1基板W1を搬送するハンドTHは、第2基板W2を搬送するハンドTHと同じであってもよいし、異なっていてもよい。後者の場合、1つの搬送ロボットTRの2つのハンドTHが第1基板W1および第2基板W2を搬送してもよいし、2つの搬送ロボットTRが第1基板W1および第2基板W2を搬送してもよい。
【0235】
第1基板W1が第1チャック11の上に置かれると、図39Bに示すように、反転アクチュエーター16が、第1チャック11を180度回転させ、第1基板W1の接合面WA1を下に向ける。その前または後に、上ステージ23uに取り付けられた第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wが第1基板W1および第1固定基準31rの少なくとも一方を撮影できる撮影領域に、上ステージ23uが配置される。この状態で、第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wが撮影を開始する。必要であれば、撮影中に、第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wを第1基板W1に対して水平に移動させてもよい。
【0236】
第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wは、第1基板W1の少なくとも1つの第1アライメントマークAM1と、第1固定基準31rの少なくとも1つの第1基準マーク31mとを撮影する。その後、第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wは、撮影を終了する。撮影された少なくとも1つの第1アライメントマークAM1の画像を解析することにより、第1基板W1の位置および角度が把握される。同様に、撮影された少なくとも1つの第1基準マーク31mの画像を解析することにより、第1固定基準31rの位置および角度が把握される。これにより、第1固定基準31rに対する第1基板W1の位置および角度が把握される。
【0237】
例えば、第1アライメントマークAM1が撮像されたときの第1狭視野カメラ41nの座標位置を、装置の設計情報および後述する変位検出器46の出力に基づき算出し、算出された第1狭視野カメラ41nの座標位置および撮像画像中の第1アライメントマークAM1の位置に基づいて、第1アライメントマークAM1の座標位置を特定してもよい。同様の手法により第1基準マーク31mの座標位置も特定することで、第1アライメントマークAM1および第1基準マーク31mの相対位置を計算し、第1固定基準31rに対する第1基板W1の位置を把握してもよい。
【0238】
第2基板W2が第2チャック21の上に置かれると、図39Cに示すように、第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wが、第2基板W2および第2固定基準32rの少なくとも一方を撮影できる撮影領域に、上ステージ23uが配置される。この状態で、第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wが撮影を開始する。必要であれば、撮影中に、上ステージ23uを第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wに対して水平に移動させてもよい。
【0239】
第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wは、第2基板W2の少なくとも1つの第2アライメントマークAM2と、第2固定基準32rの少なくとも1つの第2基準マーク32mとを撮影する。その後、第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wは、撮影を終了する。撮影された少なくとも1つの第2アライメントマークAM2の画像を解析することにより、第2基板W2の位置および角度が把握される。同様に、撮影された少なくとも1つの第2基準マーク32mの画像を解析することにより、第2固定基準32rの位置および角度が把握される。これにより、第2固定基準32rに対する第2基板W2の位置および角度が把握される。
【0240】
例えば、第2アライメントマークAM2が撮像されたときの第2チャック21の位置を後述する変位検出器46の出力に基づき取得すると共に、撮像画像中の第2アライメントマークAM2の位置に基づいて、第2チャック21の位置に紐づいた第2アライメントマークAM2の座標位置を特定してもよい。同様の手法により第2基準マーク32mに関しても、第2チャック21の位置に紐づけて位置を特定する。第2基準マーク32mが撮像されたときの第2チャック21の位置と、第2アライメントマークAM2が撮像されたときの第2チャック21の位置にもとづいて、第2基準マーク32mが撮像されたときの第2アライメントマークAM2の座標位置を計算することで、第2アライメントマークAM2と第2基準マーク32mとの相対位置を計算できる。これにより、第2固定基準32rに対する第2基板W2の位置を把握してもよい。
【0241】
第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wが第2基板W2および第2固定基準32rを撮影する期間の少なくとも一部は、第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wが第1基板W1および第1固定基準31rを撮影する期間と同時期であってもよいし、同時期でなくてもよい。第2チャック21に保持されている第2基板W2の第2アライメントマークAM2が撮影される期間の少なくとも一部は、第2基準マーク32mが撮影される期間と同時期であってもよいし、同時期でなくてもよい。第1アライメントマークAM1および第1基準マーク31mが撮影される期間についても同様である。
【0242】
制御装置3は、第1固定基準31rに対する第1基板W1の位置および角度と、第2固定基準32rに対する第2基板W2の位置および角度と、を把握した後にアクチュエーター機構ACを動作させ、第1基板W1および第2基板W2を、非対向状態から対向状態に変化させる。制御装置3は、その後、アクチュエーター機構ACを動作させ、第1基板W1および第2基板W2を対向状態からアライメント完了状態に変化させる。制御装置3は、その後、アクチュエーター機構ACを動作させ、第1基板W1および第2基板W2を、アライメント完了状態から接合完了状態に変化させる。
【0243】
非対向状態は、第1基板W1および第2基板W2を鉛直に見たときに第1基板W1および第2基板W2が重ならない状態である。対向状態およびアライメント完了状態は、第1基板W1の接合面WA1の全域と第2基板W2の接合面WA2の全域とが互いに離れた状態で、第1基板W1および第2基板W2が上下に向かい合う状態である。対向状態は、第1基板W1および第2基板W2のアライメントを行う前の状態であり、アライメント完了状態は、第1基板W1および第2基板W2のアライメントを行った後の状態である。対向状態は、非アライメント状態である。接合完了状態は、第1基板W1の接合面WA1の全域と第2基板W2の接合面WA2の全域とが接触した状態である。
【0244】
第1基板W1および第2基板W2を非対向状態から対向状態に変化させるときは、第1チャック11に保持されている第1基板W1の接合面WA1が下に向けられた状態で、上ステージ23uおよび下ステージ23LをX方向に移動させることにより、第2チャック21に保持されている第2基板W2を第1チャック11に保持されている第1基板W1に対してX方向に移動させる。これにより、図39Dに示すように、第1基板W1の接合面WA1の全域と第2基板W2の接合面WA2の全域とが互いに離れた状態で、第1基板W1および第2基板W2が上下に向かい合う。
【0245】
第1基板W1および第2基板W2が対向状態に変化した後は、第1チャック11に保持されている第1基板W1の接合面WA1が下に向けられた状態で、X方向、Y方向、第1θ方向(第1基板W1の周方向)、および第2θ方向(第2基板W2の周方向)の少なくとも1つに第1基板W1と第2基板W2とを相対的に動かす。これにより、第1基板W1および第2基板W2が対向状態からアライメント完了状態に変化する。その後、第1ステージ13をZ方向に移動させることにより、第1チャック11に保持されている第1基板W1を第2チャック21に保持されている第2基板W2に対して下降させる。これにより、図39Eに示すように、第1基板W1の接合面WA1の全域が第2基板W2の接合面WA2の全域に接触し、第1基板W1および第2基板W2がアライメント完了状態から接合完了状態に変化する。
【0246】
接合完了状態は、少なくとも1つの第1アライメントマークAM1と少なくとも1つの第2アライメントマークAM2とを基準にして、第1基板W1および第2基板W2がアライメントされた状態である。アライメント完了状態は、第1基板W1および第2基板W2が互いに離れているか否かだけが接合完了状態と異なっていてもよい。つまり、アライメント完了状態は、第1基板W1および第2基板W2が互いに離れた状態で、第1基板W1および第2基板W2の位置ずれが最小化された状態であってもよい。
【0247】
図39Dに示すように、第1基板W1および第2基板W2の対向状態は、第1固定基準31rおよび第2固定基準32rを鉛直に見たときに第1固定基準31rおよび第2固定基準32rが重なり合う状態である。第1基板W1および第2基板W2が対向状態になる前または後に、第1ステージ13に取り付けられたアライメントカメラ45が撮影を開始する。これにより、第1固定基準31rおよび第2固定基準32rが平面視で重なり合った状態でアライメントカメラ45によって撮影される。
【0248】
制御装置3は、アライメントカメラ45によって撮影された第1固定基準31rの画像を解析することにより、第1固定基準31rの位置および角度を把握する。同様に、制御装置3は、アライメントカメラ45によって撮影された第2固定基準32rの画像を解析することにより、第2固定基準32rの位置および角度を把握する。第1狭視野カメラ41nおよび第1広視野カメラ41wが第1基板W1および第1固定基準31rを既に撮影しているので、第1基板W1の位置および角度は、第1固定基準31rの位置および角度から間接的に把握可能である。同様に、第2狭視野カメラ42nおよび第2広視野カメラ42wが第2基板W2および第2固定基準32rを既に撮影しているので、第2基板W2の位置および角度は、第2固定基準32rの位置および角度から間接的に把握可能である。したがって、第1固定基準31rと第2固定基準32rとの相対的な位置および角度を調整することにより、第1基板W1および第2基板W2を間接的にアライメントすることができる。
【0249】
制御装置3は、アライメントカメラ45に第1固定基準31rおよび第2固定基準32rを撮影させながら、X方向、Y方向、第1θ方向、および第2θ方向の少なくとも1つに第1基板W1と第2基板W2とを相対的に動かす。これにより、第1基板W1および第2基板W2が互いに離れた状態でアライメントされ、アライメント完了状態に変化する。第1基板W1および第2基板W2がアライメント完了状態に変化したと制御装置3が判断した後、アライメントカメラ45は撮影を終了する。
【0250】
制御装置3は、第1基板W1および第2基板W2がアライメント完了状態に変化した後、第1基板W1と第2基板W2とを少なくともZ方向に向けて相対的に移動させることにより、第1基板W1の接合面WA1の全域を第2基板W2の接合面WA2の全域に接触させる。これにより、第1基板W1および第2基板W2がアライメント完了状態から接合完了状態に変化する。第1基板W1および第2基板W2が接合完了状態に変化したとき、第1チャック11は、第1基板W1の保持を解除しており、第2チャック21は、第2基板W2の保持を継続している。したがって、接合された第1基板W1および第2基板W2は、第2チャック21に保持される。
【0251】
第1基板W1および第2基板W2が接合完了状態に変化した後、制御装置3は、図39Fに示すように、第1チャック11を上昇させ、第2チャック21を後退させる(X方向のマイナス側に移動させる)。第1チャック11が上昇した後、図39Gに示すように、反転アクチュエーター16は、第1チャック11の中心線11cが鉛直になるように第1チャック11を回転させ、第1チャック11を上に向ける。必要に応じて、第1自転モーター12が第1チャック11を回転させ、第1チャック11の回転角を零に戻す。これにより、第1チャック11が搬入搬出状態に戻る。反転アクチュエーター16は、第2チャック21が後退する前または後に第1チャック11の回転を開始してもよいし、第2チャック21が後退するのと同時に第1チャック11の回転を開始してもよい。第1自転モーター12についても同様である。
【0252】
第1基板W1および第2基板W2が接合完了状態に変化した後、図39Gに示すように、上ステージ23uは、検査カメラ43が第2チャック21上の第1基板W1および第2基板W2を撮影できる撮影領域に配置される。その前または後に検査カメラ43が撮影を開始する。これにより、第1基板W1および第2基板W2が接合された状態で、少なくとも1つの第1アライメントマークAM1と少なくとも1つの第2アライメントマークAM2とが撮影される。必要であれば、当該撮影中に、上ステージ23uを検査カメラ43に対して水平に移動させてもよい。
【0253】
検査カメラ43によって撮影された第1アライメントマークAM1および第2アライメントマークAM2の画像は制御装置3に送信され解析される。当該解析により、第1基板W1および第2基板W2の接合精度が検出される。さらに、検出された第1基板W1および第2基板W2の接合精度に基づいて、アライメント完了状態と接合完了状態との間での第1基板W1および第2基板W2のアライメントの変化が検出される。別の第1基板W1および第2基板W2を接合するときは、検出されたアライメントの変化に基づいて、アライメント完了状態の第1基板W1および第2基板W2のアライメントが補正される。これにより、後続の第1基板W1および第2基板W2がより高い精度で接合される。
【0254】
第2チャック21上の第1基板W1および第2基板W2を検査カメラ43で撮影した後は、接合された第1基板W1および第2基板W2を第2チャック21で保持したまま、第2チャック21が搬入搬出状態に戻るまで第2チャック21をX方向に移動させる。必要に応じて、第2自転モーター22が第2チャック21を回転させ、第2チャック21の回転角を零に戻す。その後、図39Hに示すように、第2チャック21が第2基板W2の保持を解除し、搬送ロボットTRのハンドTHが第1基板W1および第2基板W2を第2チャック21から直接または間接的に受け取る。これにより、接合された第1基板W1および第2基板W2が、搬送ロボットTRのハンドTHによって水平に保持され、次の目的地まで搬送される。
【0255】
次の第1基板W1および第2基板W2を接合するときは、前述の一連の工程を再び行う。次の第1基板W1は、直前の第1基板W1および第2基板W2を第2チャック21から搬出する前または後に第1チャック11に置いてもよいし、直前の第1基板W1および第2基板W2を第2チャック21から搬出するのと同時に第1チャック11に置いてもよい。例えば、図39Gに示すように、接合された第1基板W1および第2基板W2を検査カメラ43が撮影しているときに、次の第1基板W1を第1チャック11に置いてもよい。この場合、図39Hに示すように、直前の第1基板W1および第2基板W2を第2チャック21から搬出する前に、反転アクチュエーター16が次の第1基板W1を反転させてもよい。
【0256】
次に、前述の第1の例における第1基板W1および第2基板W2の形状について説明する。
【0257】
図40A図40B図40C図40D図40E、および図40Fは、第1基板W1および第2基板W2の接合の第1の例における第1基板W1および第2基板W2の形状について説明するための概略図である。図40A図40Fでは、第1固定基準31rおよび第2固定基準32rなどの一部の構成の図示を省略している。
【0258】
図40Aは、アライメント完了状態の第1基板W1および第2基板W2を示している。アライメント完了状態は、第1基板W1および第2基板W2のアライメントが完了し、第1基板W1の接合面WA1の全域と第2基板W2の接合面WA2の全域とが互いに離れた状態で、第1基板W1および第2基板W2が上下に向かい合う状態である。
【0259】
第1基板W1および第2基板W2がアライメント完了状態のとき、第1チャック11および第2チャック21を第1チャック11の中心線11cの方向に見ると、第1チャック11の第1固定部58Aが第2チャック21の第2固定部58Bに重なっており、第1チャック11の第1可動部57Aが第2チャック21の第2可動部57Bに重なっている。このとき、第1チャック11の第1固定部58Aの全体が第2チャック21の第2固定部58Bに重なっていてもよいし、第1チャック11の第1固定部58Aの一部だけが第2チャック21の第2固定部58Bに重なっていてもよい。
【0260】
第1基板W1および第2基板W2がアライメント完了状態になると、図40Bに示すように、第1変形アクチュエーター71Aは、第1チャック11を変形させることにより、第1チャック11に保持されている第1基板W1を変形させる。これにより、第1基板W1の弾性変形により第1基板W1が撓み、第1基板W1の一端51Aが第1基板W1の他端52Aに対して第2基板W2から離れる方向に移動する。同様に、第1基板W1および第2基板W2がアライメント完了状態になると、図40Bに示すように、第2変形アクチュエーター71Bは、第2チャック21を変形させることにより、第2チャック21に保持されている第2基板W2を変形させる。これにより、第2基板W2の弾性変形により第2基板W2が撓み、第2基板W2の一端51Bが第2基板W2の他端52Bに対して第1基板W1から離れる方向に移動する。
【0261】
第2変形アクチュエーター71Bは、第1変形アクチュエーター71Aが第1基板W1および第1チャック11を変形させるのと同時に、第2チャック21および第2基板W2を変形させてもよいし、第1変形アクチュエーター71Aが第1基板W1および第1チャック11を変形させる前または後に、第2チャック21および第2基板W2を変形させてもよい。図40Aおよび図40Bに示すように、第1変形アクチュエーター71Aおよび第2変形アクチュエーター71Bが第1チャック11および第2チャック21を変形させると、第1基板W1および第2基板W2は、水平な状態から水平面に対して傾いた状態に変化する。ただし、第1基板W1の第1固定部54Aと第2基板W2の第2固定部54Bとは、第1基板W1および第2基板W2が変形した後も、水平または実質的に水平な状態に維持される。
【0262】
第1変形アクチュエーター71Aおよび第2変形アクチュエーター71Bが第1チャック11および第2チャック21を変形させる前の第1基板W1および第2基板W2の間隔は、例えば数μm~数十μm程度である。第1変形アクチュエーター71Aが第1チャック11を凸湾曲形状に変形させたときの第1基板W1の他端52Aに対する鉛直方向への第1基板W1の一端51Aの移動量は、例えば数μm~数十μm程度である。同様に、第2変形アクチュエーター71Bが第2チャック21を凸湾曲形状に変形させたときの第2基板W2の他端52Bに対する鉛直方向への第2基板W2の一端51Bの移動量は、例えば数μm~数十μm程度である。これらの数値は、例であり、これに限られるものではない。
【0263】
第1変形アクチュエーター71Aおよび第2変形アクチュエーター71Bが第1チャック11および第2チャック21を変形させた後は、図40Cに示すように、第1基板W1の第1固定部54Aが第2基板W2の第2固定部54Bに接触する位置まで、Zアクチュエーター18が第1ステージ13を下方向に平行移動させ、この位置で第1ステージ13を静止させる。その後、図40Dに示すように、第1変形アクチュエーター71Aが第1チャック11を凸湾曲形状から平坦形状に戻す。図40Dに示すように、第2変形アクチュエーター71Bは、第1変形アクチュエーター71Aが第1チャック11を平坦形状に戻しているときに、第2チャック21を凸湾曲形状から平坦形状に戻す。
【0264】
第2変形アクチュエーター71Bは、第1変形アクチュエーター71Aが第1チャック11を平坦形状に戻し始めるのと同時に、第2チャック21を平坦形状に戻し始める。第2変形アクチュエーター71Bは、さらに、第1チャック11が平坦形状に戻るのと同時に第2チャック21を平坦形状に戻す。第1基板W1および第2基板W2の接合に支障がなければ、第2変形アクチュエーター71Bは、第1変形アクチュエーター71Aが第1チャック11を平坦形状に戻し始める前または後に、第2チャック21を平坦形状に戻し始めてもよい。同様に、第2変形アクチュエーター71Bは、第1チャック11が平坦形状に戻る前または後に、第2チャック21を平坦形状に戻してもよい。
【0265】
第1変形アクチュエーター71Aが第1チャック11を平坦形状に戻し始めると、第1基板W1および第1チャック11の反り量が減少し始める。図40Eに示すように、第1チャック11が平坦形状に戻ると、第1基板W1および第1チャック11は、円弧状に撓んだ状態から平坦な状態に戻る。同様に、第2変形アクチュエーター71Bが第2チャック21を平坦形状に戻し始めると、第2チャック21および第2基板W2の反り量が減少し始める。図40Eに示すように、第2チャック21が平坦形状に戻ると、第2チャック21および第2基板W2は、円弧状に撓んだ状態から平坦な状態に戻る。
【0266】
第1変形アクチュエーター71Aおよび第2変形アクチュエーター71Bが第1チャック11および第2チャック21を平坦形状に戻し始めると、第1基板W1および第2基板W2が接触した領域の外縁が、第1基板W1の一端51Aおよび第2基板W2の一端51Bの方に広がり、当該領域の面積が連続的に増加する。第1チャック11および第2チャック21の両方が平坦形状に戻ると、第1基板W1の接合面WA1の全域と第2基板W2の接合面WA2の全域とが互いに接触する。これにより、図40Eに示すように、第1基板W1および第2基板W2がアライメント完了状態から接合完了状態に変化する。
【0267】
第1基板W1および第2基板W2が接合完了状態に変化した後は、前述のように、残りの工程が行われる。具体的には、第1チャック11が第1基板W1の保持を解除する。その後、図40Fに示すように、Zアクチュエーター18が第1チャック11を上昇させる。Xアクチュエーター27は、第1チャック11が第1基板W1の保持を解除した後、第2チャック21が第2基板W2を保持している状態で、第2チャック21をX方向に後退させる。これにより、検査カメラ43(図21および図22参照)が第2チャック21上の第1基板W1および第2基板W2を撮影できる撮影領域に上ステージ23uが配置され、接合完了状態の第1基板W1および第2基板W2が検査カメラ43によって撮影される。
【0268】
次に、本実施形態に係る効果について説明する。
【0269】
本実施形態では、第1基板W1および第2基板W2が鉛直に向かい合うように第1チャック11および第2チャック21に第1基板W1および第2基板W2を保持させる。第1変形アクチュエーター71Aは、平坦形状から凸湾曲形状に第1チャック11を変形させる。これにより、第1基板W1は、第1基板W1の全体が平坦な形状から、第1基板W1の一端51Aが第1基板W1の他端52Aに対して第2基板W2から遠ざかるように第1基板W1が湾曲した形状に変形する。
【0270】
第1変形アクチュエーター71Aによって第1基板W1および第1チャック11を変形させた状態で、Zアクチュエーター18に鉛直方向への第1チャック11および第2チャック21の間隔を減少させることにより、第1基板W1および第2基板W2を部分的に接触させることができる。その後、第1変形アクチュエーター71Aに第1基板W1および第1チャック11の変形を解除させることにより、第1基板W1および第2基板W2が互いに接触した領域の面積を連続的に増加させることができる。これにより、第1基板W1および第2基板W2の間から空気を排除しながら、第1基板W1および第2基板W2を接合することができる。
【0271】
本実施形態では、第1チャック11の第1可動部57Aが第1サポートフレーム61に対して移動可能であり、第1チャック11の第1固定部58Aが第1サポートフレーム61に接した状態で第1サポートフレーム61に固定されている。第1可動部57Aおよび第1固定部58Aは、第1チャック11に垂直な方向に見たときに第1チャック11の外縁上の2点を結ぶ境界線B1によって仕切られている。第1変形アクチュエーター71Aの動力が第1チャック11に加わると、境界線B1またはその付近で第1チャック11が曲がり、第1可動部57Aが第1サポートフレーム61に対して移動する。第1チャック11に保持されている第1基板W1も境界線B1またはその付近で曲がる。したがって、第1変形アクチュエーター71Aに第1チャック11の第1可動部57Aを第1サポートフレーム61に対して移動させることにより、第1基板W1の一端51Aが第1基板W1の他端52Aに対して第2基板W2から遠ざかるように第1チャック11に保持されている第1基板W1を変形させることができる。
【0272】
本実施形態では、第1変形アクチュエーター71Aが第1チャック11を変形させても、第1チャック11の第1固定部58Aは平坦に維持される。このとき、第1基板W1の他端52Aを含む第1基板W1の第1固定部54Aも平坦に維持される。第1基板W1の第1固定部54Aと第2基板W2とは、第1基板W1および第2基板W2を接触させるときに最初に接触する。したがって、第1基板W1の湾曲した部分と第2基板W2とを最初に接触させる場合に比べて高い位置精度で第1基板W1および第2基板W2を接触させることができる。その後は、第1基板W1の第1固定部54Aと第2基板W2とによって第1基板W1および第2基板W2のずれが防止される。これにより、接合された2枚の基板Wの間に残る気泡(ボイドともいわれる)を無くしながらまたは減らしながら、より高い接合精度で第1基板W1と第2基板W2とを接合することができる。
【0273】
本実施形態では、第1チャック11の弾性により第1チャック11が凸湾曲形状から平坦形状に戻ったときに、第1チャック11の変形を平坦用ストッパー80によって停止させる。第1基板W1の一端51Aが第1基板W1の他端52Aに対して第2基板W2に近づくように第1基板W1が湾曲した状態で第1チャック11が第1基板W1を保持する凹湾曲形状に変形させる力が、第1変形アクチュエーター71Aから第1チャック11に加わったとしても、第1チャック11は平坦形状に維持される。したがって、第1チャック11をより高い精度で平坦形状に戻すことができる。
【0274】
本実施形態では、第1チャック11の一端55Aが第1チャック11の他端56Aに対して第2チャック21から遠ざかるように第1チャック11を第1変形アクチュエーター71Aによって変形させた状態で、Zアクチュエーター18に鉛直方向への第1チャック11および第2チャック21の間隔を減少させる。これにより、第1基板W1の一端51Aが第2基板W2から離れた状態で、第1基板W1の他端52Aと第2基板W2とが互いに接触する。この状態で、第1変形アクチュエーター71Aに第1チャック11の変形量を減少させることにより、第1基板W1の一端51Aと第2基板W2とを互いに接触させる。これにより、第1基板W1の接合面WA1の全域と第2基板W2の接合面WA2の全域とを接触させることができる。空気は、第1チャック11の変形量が減少する過程で第1基板W1の接合面WAWA1と第2基板W2の接合面WAWA2との間から排出される。これにより、接合された2枚の基板Wの間に残る気泡を無くすまたは減らすことができる。
【0275】
本実施形態では、Zアクチュエーター18に鉛直方向への第1チャック11および第2チャック21の間隔を変更させずに、第1変形アクチュエーター71Aに第1チャック11の変形量を減少させる。つまり、第1変形アクチュエーター71Aが第1チャック11の変形量を減少させている期間の全部または一部において、Zアクチュエーター18の駆動が停止される。したがって、第1基板W1および第2基板W2が互いに接触した領域の面積を連続的に増加させるときに、第1チャック11の変形量の減少を鉛直方向への第1チャック11および第2チャック21の間隔の変更に連動させる必要がない。これにより、Zアクチュエーター18および第1変形アクチュエーター71Aの制御を簡素化できる。
【0276】
本実施形態では、第1チャック11を第1自転モーター12によって第1チャック11の中心線11cまわりに回転させる。これにより、第1チャック11に保持されている第1基板W1と第2チャック21に保持されている第2基板W2とのアライメントを調整することができる。第1変形アクチュエーター71Aの少なくとも一部は、第1自転モーター12の上端よりも下方で第1自転モーター12の下端よりも上方の位置に配置されている。したがって、第1変形アクチュエーター71Aの全体が第1自転モーター12とは異なる高さに配置されている場合に比べて、第1変形アクチュエーター71Aおよび第1自転モーター12が配置された領域の上下方向の長さを減少させることができる。
【0277】
本実施形態では、第1自転モーター12は、第1チャック11だけでなく、第1変形アクチュエーター71Aも回転させる。したがって、第1チャック11および第1変形アクチュエーター71Aが第1チャック11の中心線11cまわりに相対的に回転できるように第1チャック11および第1変形アクチュエーター71Aを連結する必要がなく、第1チャック11および第1変形アクチュエーター71Aを連結する構造を簡素化することができる。
【0278】
本実施形態では、第1基板W1および第1チャック11を第1変形アクチュエーター71Aによって変形させることに加えて、第2基板W2および第2チャック21を第2変形アクチュエーター71Bによって変形させる。第1基板W1および第2基板W2が部分的に接触した状態で第1基板W1の形状が平坦な形状に近づくと、第1基板W1の変形によって空気が第1基板W1および第2基板W2の間から押し出される。同様に、第1基板W1および第2基板W2が部分的に接触した状態で第2基板W2の形状が平坦な形状に近づくと、第2基板W2の変形によって空気が第1基板W1および第2基板W2の間から押し出される。したがって、接合された2枚の基板Wの間に残る気泡の数をさらに少なくすることができる。
【0279】
次に、他の実施形態について説明する。
【0280】
第1基板W1は、上側の基板Wではなく、下側の基板Wであってもよい。つまり、上側の基板Wが第2基板W2であり、下側の基板Wが第1基板W1であってもよい。同様に、上側のチャックが第2チャック21であり、下側のチャックが第1チャック11であってもよい。
【0281】
鉛直方向への第1チャック11および第2チャック21の間隔を増加または減少させることができるのであれば、Zアクチュエーター18は、第1チャック11および第2チャック21の両方を鉛直に平行移動させてもよいし、第2チャック21だけを鉛直に平行移動させてもよい。
【0282】
第1基板W1および第2基板W2を平坦形状に戻しながら、第1基板W1および第2基板W2が互いに接触した領域の面積を連続的に増加させるとき、第1チャック11および第2チャック21の少なくとも一方をZアクチュエーター18によって鉛直に平行移動させてもよい。
【0283】
第1変形アクチュエーター71Aおよび第2変形アクチュエーター71Bの一方を省略してもよい。つまり、凸湾曲形状の第1基板W1を平坦形状の第2基板W2に接触させた状態で、第1基板W1を凸湾曲形状から平坦形状に戻してもよい。もしくは、凸湾曲形状の第2基板W2を平坦形状の第1基板W1に接触させた状態で、第2基板W2を凸湾曲形状から平坦形状に戻してもよい。
【0284】
第1変形アクチュエーター71Aのシリンダーチューブ71tは、第1サポートフレーム61ではなく、第1ステージ13に固定されていてもよい。言い換えると、第1自転モーター12が第1ステージ13に対して第1チャック11を回転させても、第1変形アクチュエーター71Aが第1ステージ13に対して回転しないように、第1変形アクチュエーター71Aを第1ステージ13に固定してもよい。
【0285】
第1チャック11の第1非吸着面11nと第1サポート面62の第1非接触領域62nとの鉛直方向の間隔が、第1チャック11の第1非吸着面11nと第1サポート面62の第1接触領域62cとの鉛直方向の間隔よりも大きければ、第1非接触領域62nを第1接触領域62cよりも上方または下方に配置してもよい。この場合、第1チャック11の第1固定部58Aの裏面を第1チャック11の第1可動非接触部59nの裏面と等しい高さに配置してもよい。
【0286】
第1チャック11に対して第1吸着面11sとは反対側から第1チャック11を第2チャック21の方に押す第1変形補助アクチュエーターを設けてもよい。同様に、第2チャック21に対して第2吸着面21sとは反対側から第2チャック21を第1チャック11の方に押す第2変形補助アクチュエーターを設けてもよい。第1変形補助アクチュエーターおよび第2変形補助アクチュエーターは、第1変形アクチュエーター71Aおよび第2変形アクチュエーター71Bとは異なるアクチュエーターである。
【0287】
第1変形補助アクチュエーターを用いて第1チャック11の凸湾曲形状を変更してもよい。例えば、電気エネルギー等の駆動エネルギーを可動物体の直線運動に変換するリニアアクチュエーターの可動物体を第1チャック11と第1サポート面62の第1非接触領域62nとの間に配置してもよい。この場合、複数のリニアアクチュエーターの可動物体を第1チャック11の周方向に配置してもよい。リニアアクチュエーターは、ピエゾアクチュエーターであってもよいし、これ以外のアクチュエーターであってもよい。
【0288】
第1変形補助アクチュエーターの一例であるリニアアクチュエーターの可動物体を第1チャック11と第1サポート面62の第1非接触領域62nとの間に配置した場合、第1変形アクチュエーター71Aが第1チャック11の形状を凸湾曲形状に近づけると、第1チャック11の第1非吸着面11nがリニアアクチュエーターの可動物体に接触する。リニアアクチュエーターが可動物体の位置を変えると、第1チャック11の凸湾曲形状も変わる。したがって、リニアアクチュエーターを制御することにより、第1チャック11の凸湾曲形状を変化させることができる。
【0289】
基板接合装置1は、円板状の2枚の基板Wを接合する装置に限らず、多角形の2枚の基板Wを接合する装置であってもよい。
【0290】
前述の全ての構成の2つ以上を組み合わせてもよい。前述の全ての工程の2つ以上を組み合わせてもよい。
【0291】
本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の精神および範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0292】
1:基板接合装置、3:制御装置、11:第1チャック、11c:第1チャックの中心線、12:第1自転モーター、18:Zアクチュエーター、21:第2チャック、51A:第1基板の一端、51B:第2基板の一端、52A:第1基板の他端、52B:第2基板の他端、57A:第1チャックの第1可動部、58A:第1チャックの第1固定部、61:第1サポートフレーム、71A:第1変形アクチュエーター、71B:第2変形アクチュエーター、80:平坦用ストッパー、B1:境界線、W1:第1基板、W2:第2基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
図21
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図27
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図30
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図32
図33
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図37
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図39A
図39B
図39C
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図40A
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