(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165149
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ロボット制御システム、制御装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/005 20060101AFI20241121BHJP
G08B 27/00 20060101ALI20241121BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20241121BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20241121BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20241121BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G08G1/005
G08B27/00 A
G08B21/02
B25J5/00 E
G05D1/02 P
G08G1/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081055
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 翔也
(72)【発明者】
【氏名】大澤 弘幸
【テーマコード(参考)】
3C707
5C086
5C087
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
3C707AS32
3C707AS34
3C707CS08
3C707JS03
3C707JU03
3C707KS10
3C707KS11
3C707KT01
3C707LV02
3C707LV14
3C707WA16
5C086AA01
5C086AA13
5C086AA15
5C086BA17
5C086BA22
5C086CA28
5C086CB36
5C086FA07
5C086FA12
5C087AA12
5C087AA37
5C087DD02
5C087DD04
5C087DD13
5C087EE16
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG68
5C087GG82
5H181AA21
5H181AA27
5H181BB04
5H181BB12
5H181BB13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB14
5H301DD07
5H301DD17
5H301GG07
5H301GG09
5H301KK02
5H301KK04
5H301KK08
5H301KK18
(57)【要約】
【課題】災害の発生時に複数のロボットの各々に適切な災害時タスクを実行させることができるロボット制御システム、制御装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】所定のエリア内の移動が可能であり、かつ通常時には通常時タスクを実行し、また災害時には災害時タスクの実行が可能な複数のロボット40と、少なくとも一つのプロセッサを有し、プロセッサは、災害の発生を検知した場合、所定のエリアに存在する複数のロボット40各々の現在位置を特定し、特定した複数のロボット40各々の現在位置と、所定のエリアの地図情報と、複数のロボット40各々の災害時タスクを表す情報と、に基づいて、複数のロボット40各々に、災害時タスクの実行、及び所定のエリア内における災害時タスクの実行場所への移動を指示する制御装置10と、を備えたロボット制御システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリア(70)内の移動が可能であり、かつ通常時には通常時タスクを実行し、また災害時には災害時タスクの実行が可能な複数のロボット(40)と、
少なくとも一つのプロセッサ(20)を有し、
前記プロセッサは、
災害の発生を検知した場合、前記所定のエリアに存在する前記複数のロボット各々の現在位置を特定し、
特定した前記複数のロボット各々の現在位置と、前記所定のエリアの地図情報(26A)と、前記複数のロボット各々の前記災害時タスクを表す情報(26B)と、に基づいて、前記複数のロボット各々に、前記災害時タスクの実行、及び前記所定のエリア内における前記災害時タスクの実行場所への移動を含む災害時動作を指示する制御装置(10)と、
を備えたロボット制御システム(1)。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記所定のエリア内の災害状況を検知するセンサ(72)から前記災害状況に関する災害状況情報を取得し、
前記災害状況情報にさらに基づいて、前記複数のロボット各々に、前記災害時動作を指示する
請求項1に記載のロボット制御システム。
【請求項3】
前記複数のロボットは、前記災害時タスクが避難経路(80)の案内である案内ロボット(40-1~40-9)を含み、
前記プロセッサは、前記案内ロボットに、前記災害時タスクの実行として前記地図情報から特定される前記避難経路の案内の実行を指示し、前記災害時タスクの実行場所として前記避難経路の案内場所を指示する
請求項2に記載のロボット制御システム。
【請求項4】
前記案内ロボットは表示部(57B)を備え、
前記プロセッサは、前記避難経路の案内の実行として、前記表示部に避難経路を示す情報、及び避難方向を表す情報の少なくとも一方の表示を行わせる
請求項3に記載のロボット制御システム。
【請求項5】
前記案内ロボットは発光部(57C)を備え、
前記プロセッサは、前記避難経路の案内の実行として、前記発光部の発光状態により、避難経路、及び避難方向の少なくとも一方を提示させる
請求項3に記載のロボット制御システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記災害状況情報として、避難する人物による人流を表す情報を取得し、
前記避難経路として、前記地図情報から前記人流が多い方向を避難方向とした避難経路を特定する
請求項3に記載のロボット制御システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記避難経路の案内の実行として、避難経路を移動する人物の先導を行わせる
請求項3に記載のロボット制御システム。
【請求項8】
前記複数のロボットは、投光器(53)を有し、前記災害時タスクが投光である投光ロボット(40-10)を含み、
前記プロセッサは、前記投光ロボットに、前記災害時タスクの実行として投光の実行を指示する
請求項2に記載のロボット制御システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記投光の実行として、天井に向けた投光の実行を指示する
請求項8に記載のロボット制御システム。
【請求項10】
前記複数のロボットは、空気清浄機を有し、前記災害時タスクが空気の清浄である空気清浄ロボットを含み、
前記プロセッサは、前記空気清浄ロボットに、前記災害時タスクの実行として煙を含む空気の清浄の実行を指示し、災害時タスクの実行場所として、前記地図情報から特定される避難経路を指示する
請求項2に記載のロボット制御システム。
【請求項11】
前記複数のロボットは、避難及び救助の少なくとも一方を支援する支援物資を有し、前記災害時タスクが前記支援物資の提供である物資提供ロボットを含み、
前記プロセッサは、前記災害時タスクの実行として、前記支援物資の提供が可能であることを表す情報の提示を指示する
請求項2に記載のロボット制御システム。
【請求項12】
前記複数のロボットは、前記センサを有し、前記災害時タスクが前記センサを用いた周囲の探索である探索ロボットを含み、
前記プロセッサは、前記探索ロボットに、前記災害時タスクの実行として、逃げ遅れた人物の探索を指示する
請求項2に記載のロボット制御システム。
【請求項13】
所定のエリア内の移動が可能な複数のロボットであり、かつ通常時には通常時タスクを実行し、また災害時には災害時タスクの実行が可能な複数のロボットの各々が実行するタスクの制御が可能な制御装置であって、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
災害の発生を検知した場合、前記所定のエリアに存在する前記複数のロボット各々の現在位置を特定し、
特定した前記複数のロボット各々の現在位置と、前記所定のエリアの地図情報と、前記複数のロボット各々の前記災害時タスクを表す情報と、に基づいて、前記複数のロボット各々に、前記災害時タスクの実行、及び前記所定のエリア内における前記災害時タスクの実行場所への移動を含む災害時動作を指示する
制御装置。
【請求項14】
所定のエリア内の走行が可能な複数のロボットであり、かつ通常時には通常時タスクを実行し、また災害時には災害時タスクを実行する前記複数のロボットの各々が実行するタスクの制御が可能な制御装置が備える少なくとも一つのプロセッサに、
災害の発生を検知した場合、前記所定のエリアに存在する前記複数のロボット各々の現在位置を特定し、
特定した前記複数のロボット各々の現在位置と、前記所定のエリアの地図情報と、前記複数のロボット各々の前記災害時タスクを表す情報と、に基づいて、前記複数のロボット各々に、前記災害時タスクの実行、及び前記所定のエリア内における前記災害時タスクの実行場所への移動を含む災害時動作を指示する
ことを含む処理を実行させるためのプログラム(25)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット制御システム、制御装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、日常的に使用するロボットに災害現場でも活動できる機能を持たせる技術が知られている。例えば、特許文献1には、複数のロボットを強調して行動させる制御手段が、災害時以外の平常時の活動に対応した行動を制御する平常時行動制御機能と、災害発生時の救済支援活動に対応した行動を制御する災害行動制御機能と、を有する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、日常的に、異なるタスクを実行する様々なロボットが所定のエリア内で使用されている。このような様々なロボットは、災害時に実行することが可能な災害時タスクが異なる場合がある。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、複数のロボットの各々が災害時に実行することが可能な災害時タスクが異なる場合については考慮されていなかった。そのため、特許文献1に記載の技術では、災害の発生時に複数のロボットの各々に適切な災害時タスクを実行させるには十分ではないという問題があった。
【0005】
本開示は、上記事情を考慮して成されたもので、災害の発生時に複数のロボットの各々に適切な災害時タスクを実行させることができるロボット制御システム、制御装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本開示のロボット制御システムは、所定のエリア(70)内の移動が可能であり、かつ通常時には通常時タスクを実行し、また災害時には災害時タスクの実行が可能な複数のロボット(40)と、少なくとも一つのプロセッサ(20)を有し、前記プロセッサは、災害の発生を検知した場合、前記所定のエリアに存在する前記複数のロボット各々の現在位置を特定し、特定した前記複数のロボット各々の現在位置と、前記所定のエリアの地図情報と、前記複数のロボット各々の前記災害時タスクを表す情報と、に基づいて、前記複数のロボット各々に、前記災害時タスクの実行、及び前記所定のエリア内における前記災害時タスクの実行場所への移動を含む災害時動作を指示する制御装置(10)と、を備えたロボット制御システム(1)。
【0007】
また、本開示の制御装置は、所定のエリア内の移動が可能な複数のロボットであり、かつ通常時には通常時タスクを実行し、また災害時には災害時タスクの実行が可能な複数のロボットの各々が実行するタスクの制御が可能な制御装置であって、少なくとも一つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、災害の発生を検知した場合、前記所定のエリアに存在する前記複数のロボット各々の現在位置を特定し、特定した前記複数のロボット各々の現在位置と、前記所定のエリアの地図情報と、前記複数のロボット各々の前記災害時タスクを表す情報と、に基づいて、前記複数のロボット各々に、前記災害時タスクの実行、及び前記所定のエリア内における前記災害時タスクの実行場所への移動を含む災害時動作を指示する。
【0008】
また、本開示のプログラムは、所定のエリア内の走行が可能な複数のロボットであり、かつ通常時には通常時タスクを実行し、また災害時には災害時タスクを実行する前記複数のロボットの各々が実行するタスクの制御が可能な制御装置が備える少なくとも一つのプロセッサに、災害の発生を検知した場合、前記所定のエリアに存在する前記複数のロボット各々の現在位置を特定し、特定した前記複数のロボット各々の現在位置と、前記所定のエリアの地図情報と、前記複数のロボット各々の前記災害時タスクを表す情報と、に基づいて、前記複数のロボット各々に、前記災害時タスクの実行、及び前記所定のエリア内における前記災害時タスクの実行場所への移動を含む災害時動作を指示することを含む処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、災災害の発生時に複数のロボットの各々に適切な災害時タスクを実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態のロボット制御システムの構成の一例を表す構成図である。
【
図2】ロボットが実行する災害時タスクの例について説明するための図である。
【
図3】災害時タスクの実行例を説明するために、エリアの通路を上から見た模式図である。
【
図4】災害時タスクの実行例を説明するために、エリアの通路を上から見た模式図である。
【
図5】災害時タスクの実行例を説明するために、エリアの通路を横から見た模式図である。
【
図6】災害時タスクの実行例を説明するために、エリアの通路を横から見た模式図である。
【
図7】実施形態のロボットのハードウエア構成の一例を表した構成図である。
【
図8】実施形態の制御装置のハードウエア構成の一例を表した構成図である。
【
図10】実施形態の制御装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図11】実施形態の避難経路特定部による避難経路の特定方法を説明するための図である。
【
図12】実施形態の制御装置において実行される災害時動作割振処理の流れの一例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は本開示の技術を限定するものではない。
【0012】
本実施形態のロボット制御システム1の構成について
図1を参照して説明する。
図1に示すように、本開示のロボット制御システム1は、制御装置10と、エリア70内に配置されたロボット40-1~40-n(nは2以上の整数)、及びセンサ72-1~72-m(mは2以上の整数)と、を備える。なお、本実施形態のエリア70が、本開示の所定のエリアの一例である。
【0013】
センサ72-1~72-mは、エリア70に配置されており、エリア70内の災害状況を検知するセンサである。なお、本実施形態では、センサ72-1~72-mは、複数種類のセンサを含む。センサ72-1~72-mとしては、例えば、煙を検知する煙探知機、周辺の状況や人流を検知するために周辺の状況を撮像するカメラ等が挙げられる。なお、以下では、センサ72-1~72-mについて、個々を示す場合は個々を表す1~mの符号を付し、総称する場合は、個々を表す符号1~mの記載を省略して記載する。
【0014】
なお、センサ72は、単独で災害状況を検知した検知結果を出力するものであってもよいし、センサ72の検知結果を制御装置10で解析することにより、最終的に災害状況の検知結果が得られるものであってもよい。例えば、前者のセンサ72としては、煙を検知して煙の有無を表す検知結果を出力するセンサ等が挙げられる。また、後者のセンサ72としては、周辺の状況を撮像した撮像画像を出力するカメラ等が挙げられる。後者のセンサ72の場合、センサ72から出力された撮像画像に対して制御装置10が画像解析を行い、撮像画像に写る避難者の数をカウントすることにより、人流の方向や、避難者の数に応じた人流の程度を、最終的な災害状況の検知結果として得られる。
【0015】
ロボット40-1~40-nは、エリア70内に配置されているロボットである。なお、本実施形態において「ロボット」とは、自律して移動が可能であり、指示されたタスクの実行が可能な自律装置のことをいう。なお、以下では、ロボット40-1~40-nについて、個々を示す場合は個々を表す1~nの符号を付し、総称する場合は、個々を表す符号1~nの記載を省略して記載する。
【0016】
本実施形態のロボット40-1~40-nは、エリア70内の移動が可能であり、かつ災害時以外の通常時には通常時タスクを実行し、また災害時には災害時タスクの実行が可能である。災害時タスクとは、災害の発生時に避難活動及び救助活動のために実行するタスクのことをいう。なお、災害時タスクは、通常時タスクと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図2に、災害時タスクの一例を示す。
【0017】
図2に示すように、避難経路の案内のための災害時タスクとしては、避難経路を示す情報を表示部に表示すること、及び避難方向を示す情報を表示部に表示することが挙げられる。このような災害時タスクの実行が可能なロボット40としては、例えば、モニタやディスプレイ等の表示部を有する案内ロボットが挙げられる。具体例としては、デジタルサイネージ機能を搭載したサイネージロボ、及びプロジェクション機能を搭載したプロジェクタロボ等が挙げられる。このような災害時タスクの実施例として、エリア70内の避難経路80である通路74上にモニタ57Bを有するロボット40-1~40-3が配置された状態が
図3に示されている。なお、本実施形態では、避難経路80を表す矢印が示す方向が避難方向である。
図3に示すように、ロボット40-1~40-3は、災害時タスクとして、避難経路80に沿った方向を示す矢印をモニタ57Bに表示することで、避難経路を案内している。なお、本実施形態のロボット40-1~40-3が、本開示の案内ロボットの例であり、本実施形態のモニタ57Bが、本開示の表示部の一例である。
【0018】
また、避難経路の案内のための災害時タスクとしては、発光状態による避難経路の提示、発光状態による避難方向の提示が挙げられる。このような災害時タスクの実行が可能なロボット40としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)や安全灯等の発光部を有する案内ロボットが挙げられ、避難経路または避難方向に光が流れて見えるように、発光部を順次発光させる。具体例としては、単独または複数台が連動してシーケンシャルウインカのような動作が可能なロボット等が挙げられる。このような災害時タスクの実施例として、エリア70内の避難経路80である通路74上に発光部57Cを有するロボット40-4~40-8が配置された状態が
図4に示されている。
図4に示すように、ロボット40-4~40-8は、災害時タスクとして、避難経路80に沿って手前側から順にロボット40-4~40-8の発光部57Cを点滅させることで、避難経路を案内している。具体的には、まず、タイミングt0でロボット40-4の発光部57Cが点灯する。次に、タイミングt1でロボット40-4の発光部57Cが消灯し、ロボット40-5の発光部57Cが点灯し、次のタイミングt2でロボット40-5の発光部57Cが消灯し、ロボット40-6の発光部57Cが点灯する。さらに、タイミングt3でロボット40-6の発光部57Cが消灯し、ロボット40-7の発光部57Cが点灯し、次のタイミングt4でロボット40-7の発光部57Cが消灯し、ロボット40-8の発光部57Cが点灯する。このタイミングt0~t4を繰り返すことにより、避難経路80が示される。なお、本実施形態のロボット40-4~40-8が、本開示の案内ロボットの例であり、本実施形態の発光部57Cが、本開示の発光部の一例である。
【0019】
また、避難経路の案内のための災害時タスクとしては、避難経路の先導が挙げられる。このような災害時タスクの実行が可能なロボット40としては、例えば、自律走行が可能な先導ロボットが挙げられる。例えば、
図5に示すように、エリア70内の避難経路80に沿ってロボット40-9が自律走行することにより、避難者Pを先導して避難経路を案内することができる。なお、この場合のロボット40-9としては、避難経路80である通路74の先の安全確認を可能とするために、通路74の状態を検出するためのセンサ57Aを有していることが好ましい。また、ロボット40-9は、避難経路80の先導を行っていることを表す情報を避難Pに対して音声等で報知するための報知部を有していることが好ましい。なお、本実施形態のロボット40-9が、本開示の案内ロボットの例である。
【0020】
また、
図2に示すように、視界の確保のための災害時タスクとしては、投光して周囲を照らすことが挙げられる。このような災害時タスクの実行が可能なロボット40としては、例えば、プロジェクタ等の投光器を有する投光ロボットが挙げられる。具体例としては、サイネージロボ、及びプロジェクタロボ等が挙げられる。このような災害時タスクの実施例として、
図6に示すように、ロボット40-10が投光器53によりエリア70内の通路74の天井76に向けて投光する例が挙げられる。このように、天井76に向けて投光することにより、間接照明的に広範囲を照らすことができる。なお、本実施形態のロボット40-10が、本開示の投光ロボットの一例であり、本実施形態の投光器53が、本開示の投光器の一例である。
【0021】
また、
図2に示すように、視界の確保のための災害時タスクとしては、煙の除去を行うことが挙げられる。このような災害時タスクの実行が可能なロボット40としては、例えば、空気清浄機を有する空気清浄ロボットが挙げられる。この場合、避難経路80等の視界を確保しておきたい場所や、エリア70内に配置されたセンサ72により煙が検知された場所にロボット40を配置し、空気の清浄を実行することにより、煙を除去して視界を確保することができる。
【0022】
また、
図2に示すように支援物資の提供のための災害時タスクとしては、支援物資の提供が可能であることを表す情報の提示の実行が挙げられる。このような災害時タスクの実行が可能なロボット40としては、外部との通話等が可能な通信機器、携帯可能な照明器具、及びAED(Automated External Defibrillator)等の支援物資を有する物資提供ロボットが挙げられる。なお、支援物資の提供が可能であることを表す情報の提示の実行の例としては、提示部により、支援物資を有していることを音声等により提示すること等が挙げられる
【0023】
また、
図2に示すように、周囲の探索のための災害時タスクとしては、逃げ遅れた人物の探索が挙げられる。このような災害時タスクの提供が可能なロボット40としては、自律走行等によって移動しながら、逃げ遅れた人物の音声を認識するための音声認識センサ等、逃げ遅れた人物を識別するためのセンサ57Aを有する探索ロボットが挙げられる。
【0024】
このようなロボット40のハードウエアの構成の一例を
図7に示す。
図7に示されるように、ロボット40は、CPU(Central Processing Unit)50、ROM(Read Only Memory)51、RAM(Random Access Memory)52、記憶部54、移動機構56、タスク動作機構57、及び通信I/F(Interface)58を含む。CPU50、ROM51,RAM52、記憶部54、移動機構56、タスク動作機構57、通信I/F58は、システムバスやコントロールバス等のバス59を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0025】
記憶部54は、通常時タスクプログラム55A及び災害時タスクプログラム55B等が記憶される。このような記憶部54としては、例えば、HDD(Hard Disk Deive)、SSD(SOlid State Drive)、及びSD(Secure Digital)カード等が挙げられる。CPU50が通常時タスクプログラム55Aを実行することにより、通常時タスクが実行される。また、CPU50が災害時タスクプログラム55Bを実行することにより災害時タスクが実行される。
【0026】
移動機構56は、ロボット40が自律移動するために必要な機構であり、例えば、車輪や車輪を駆動する駆動部等を含む。また、タスク動作機構57は、通常時タスク、及び災害時タスクを実行する際の動作に必要な機構である。例えば、ロボット40がロボット40-1等の案内ロボットである場合、モニタ57Bが含まれる。またタスク動作機構57は、センサ57Aを含んでいる場合がある。センサ57Aとしては、例えば、センサ72と同様の機能を有するセンサ等が挙げられる。
【0027】
通信I/F58は、
図1に示したネットワーク19を介して制御装置10や、災害情報提供装置14と通信を行うための機能を有する。なお、制御装置10や、災害情報提供装置14との通信は、WiFi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の無線通信であってもよいし、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0028】
一方、制御装置10は、災害の発生を検知した場合、エリア70の地図情報とロボット40の災害時タスクに基づいて、各ロボット40に、災害時タスクの実行、及び災害時タスクの実行場所への移動を含む災害時動作を指示する。すなわち、本実施形態の制御装置10は、災害の発生時に、エリア70の状況に応じて災害時タスクをロボット40の各々に割り振る機能を有する。制御装置10は、例えば、エリア70とは別の、ロボット制御センタ等に配置される。
【0029】
このような制御装置10は、例えば、サーバコンピュータとして構成される。制御装置10のハードウエアの構成の一例を
図8に示す。
図8に示されるように、制御装置10は、CPU20、ROM21、RAM22、記憶部24、及び通信I/F28を含む。CPU20、ROM21、RAM22、記憶部24及び、通信I/F28は、システムバスやコントロールバス等のバス29を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0030】
本実施形態のCPU20が、本開示のプロセッサの一例である。ここでいうプロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU)、又は、専用のプロセッサ(例えば、GPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0031】
記憶部24は、災害時動作割振プログラム25、地図情報26A、災害時タスク情報26B、及び優先タスク情報26C等が記憶される。このような記憶部24としては、例えば、HDD、SSD、及びSDカード等が挙げられる。
【0032】
本実施形態の災害時動作割振プログラム25が、本開示のプログラムの一例である。災害時動作割振プログラム25は、不揮発性の非遷移的(non-transitory)記録媒体等の記録媒体に記録して、又はネットワークを介して配布して、制御装置10に適宜インストールすることにより記憶部24に記憶されてもよい。不揮発性の非遷移的記録媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が挙げられる。
【0033】
地図情報26Aは、エリア70内の通路74等を表す地図情報である。経過時間確率分布データ28Bは、
図9に示すように、ロボット40の個々を識別するためのロボット識別情報と、当該ロボット40が実行可能な災害時タスクとを表すリストである。また、優先タスク情報26Cは、優先タスク情報である。優先タスク情報26Cは、災害時に、いずれの災害時タスクを優先すべきかを表す情報である。なお、優先タスク情報26Cは、例えば、地震、火災、及び水害等、災害の種類に応じて複数種類、存在していてもよい。
【0034】
通信I/F28は、
図1に示したネットワーク19を介してセンサ72、ロボット40、及び災害情報提供装置14と通信を行うための機能を有する。なお、センサ72、ロボット40、及び災害情報提供装置14との通信は、WiFi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の無線通信であってもよいし、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0035】
さらに、
図10を参照して、制御装置10の機能について説明する。
図10に示すように制御装置10は、災害検知部30、災害状況情報取得部32、避難経路特定部34、現在位置特定部35、災害時動作割振部36、及び指示部38を備える。
【0036】
災害検知部30は、災害の発生を検知する機能を有する。一例として、本実施形態の災害検知部30は、災害情報提供装置14から提供される災害情報、及び煙検知器等のセンサ72の検知結果に基づいて災害の発生を検知する。災害情報提供装置14としては、例えば、気象庁等の災害情報提供機関の装置であってもよいし、民間が運営する災害情報提供サービスを提供する装置であってもよい。災害の発生を検知した場合、災害検知部30は、その旨を避難経路特定部34に出力する。
【0037】
災害状況情報取得部32は、エリア70における災害状況に関する災害状況情報を取得する機能を有する。一例として本実施形態の災害検知部30は、煙検知器やカメラ等のセンサ72により得られる災害状況情報を取得する。災害状況情報取得部32は、災害状況情報を避難経路特定部34に出力する。
【0038】
避難経路特定部34は、災害が発生した場合、災害状況情報と、地図情報26Aとに基づいて避難経路80を特定する。なお、避難経路特定部34が避難経路80を特定する具体的な方法は限定されない。例えば、複数の避難経路80の候補を予め記憶しておき、避難経路特定部34は、その中から、災害状況情報に基づいて、被害に遭いにくく、かつ最短のルートや、人流が多い方向へ向かうルートを避難経路80として特定してもよい。
【0039】
また、例えば、
図11に示すように、避難経路特定部34は、複数の避難経路80の候補の中から、人流が多い方向へ向かうルートを避難経路80として特定してもよい。
図11には、エリア70の通路74Aから通路74Dに至る避難経路80が示されている。通路74Aから通路74Dに向かう経路としては、通路74Bを経由する経路と、通路74Cを経由する経路とが存在する。
図11に示した例では、通路74Bに設けられているセンサ72-1、及び通路74Cに設けられたセンサ72-2により、それぞれの通路を通過する人流を検知した結果、通路74Bよりも通路74Cの方が人流が大きいことを示している。換言すると、
図2に示した例では、通路74Cを通過する避難者の方が、通路74Bを通過する避難者よりも多い。この場合、避難経路特定部34は、通路74Cを経由して、通路74Aから通路74Dに至る経路を避難経路80として特定する。避難経路特定部34は、このようにして特定した避難経路80を表す情報を災害時動作割振部36に出力する。
【0040】
一方、現在位置特定部35は、ロボット40のエリア70内における現在位置を特定する機能を有する。一例として、本実施形態の現在位置特定部35は、GPS(Global Positioning System)機能を用い、各ロボット40の現在位置を特定する。現在位置特定部35は、特定した各ロボット40の現在位置を、災害時動作割振部36に出力する。
【0041】
災害時動作割振部36は、避難経路80を表す情報、各ロボット40の現在位置、災害時タスク情報26B、及び優先タスク情報26Cに基づいて、各ロボット40に実行させる災害時動作を割り振る。なお、本実施形態において「災害時動作」とは、災害時タスクの実行、及び災害時タスクを実行する場所までの移動を含む。
【0042】
なお、災害時動作割振部36が、災害時動作を割り振る具体的な方法は、限定されない。例えば、災害時動作割振部36は、優先タスク情報26Cに基づいて、優先される災害時タスクを実行するのにより適しており、かつ災害時タスクの実行場所までの移動距離が短いロボット40を、各ロボット40の位置及び災害時タスク情報26Bに基づいて選択すればよい。なお、災害時タスクの実行場所としては、
図3に示したように、避難経路80を案内する場合、通路74の交差路75A,75Bを災害時タスクの実行場所とすることが好ましい。また、交差路75Aと交差路75Bとの距離Dが予め定められた距離以上の場合、その中間地点等を災害時タスクの実行場所とすることが好ましい。このような災害時タスクの実行場所は、例えば、優先タスク情報26Cに含められていてもよいし、災害時タスクに対応付けて、災害時タスク情報26Bに含められていてもよい。
【0043】
また、災害時動作割振部36は、ロボット40が有する能力によって、実行する災害時タスク、及び実行場所を割り振ってもよい。例えば、避難経路80を案内するロボット40-1~40-3(
図3参照)が有するモニタ57Bの大きさや光量が異なる場合がある。このような場合、災害時動作割振部36は、煙が発生している等により、比較的視界が不良な場所に、ロボット40-1~40-3のうち、光量が多い等、他に比して表示が見やすいモニタ57Bを有するロボットの災害時タスクの実行場所として決定するようにしてもよい。災害時動作割振部36は、災害時動作を割り振った結果を指示部38に出力する。
【0044】
指示部38は、各ロボット40に、割り振られた災害時動作を出力する。
【0045】
次に、
図12を参照して、制御装置10で実行される災害時動作の割り振り処理について説明する。制御装置10のCPU20が災害時動作割振プログラム25を実行することにより、CPU20が災害検知部30、災害状況情報取得部32、避難経路特定部34、現在位置特定部35、災害時動作割振部36、及び指示部38として機能し、
図12に示した災害時動作割振処理が実行される。
【0046】
図12のステップS100で災害検知部30は、上述したように、災害が発生したか否か判定する。災害が発生するまでステップS100の処理が否定判定となる。一方、災害が発生するとステップS100の判定が肯定判定となり、ステップS102へ移行する。
【0047】
ステップS102で災害状況情報取得部32は、上述したように、センサ72から災害状況情報の取得を開始する。
【0048】
次のステップS104で避難経路特定部34は、上述したように、避難経路80を特定する。
【0049】
次のステップS106で現在位置特定部35は、上述したように、各ロボット40の現在位置を特定する。
【0050】
次のステップS108で災害時動作割振部36は、上述したように、各ロボット40の災害時動作を決定する。
【0051】
次のステップS110で指示部38は、上述したように、上記ステップS108で特定した災害時動作を各ロボット40に指示する。当該指示を受信したロボット40の各々は、指示された災害時動作を行い、災害時タスクの実行場所に移動し、指示された災害時タスクを実行する。なお、災害時タスクの実行場所が現在位置である場合、移動距離は0(ゼロ)であり、移動は行わなくてよい。
【0052】
次のステップS112で災害時動作割振部36は、
図12に示した災害時動作割振処理を終了するか否かを判定する。本実施形態では、予め定められた終了条件を満たすまで、ステップS112の判定が否定判定となる。予め定められた終了条件としては、避難が完了した場合や、災害が収束した場合等が挙げられる。ステップS112の判定が否定判定となると、ステップS114へ移行する。
【0053】
ステップS114で災害状況情報取得部32は、取得した災害状況に変化が有ったか否かを判定する。災害状況に変化がない場合、ステップS114の判定が否定判定となり、ステップS112に戻る。一方、災害状況に変化が有った場合、ステップS114の判定が肯定判定となり、ステップS116へ移行する。
【0054】
ステップS116で災害時動作割振部36は、変化した災害状況に基づいて、再び各ロボット40の災害時動作を決定する。例えば、災害時動作割振部36は、停電が生じた場合、視界の確保のために災害時タスクとして投光を行わせるようにロボット40に災害時動作を割り振る。そこで、次のステップS118で指示部38は、変更後の災害時動作をロボット40に指示する。なお、指示部38は、災害時動作に変更がないロボット40に対しては、災害時動作の指示を行わなくてもよい。ステップS118の処理が終了すると、ステップS112に戻る。
【0055】
一方、ステップS112において、予め定められた終了条件を満たす場合、判定が肯定判定となり、ステップS120へ移行する。ステップS120で災害状況情報取得部32は、災害助教情報の取得を終了する。ステップS120の処理が終了すると
図12に示した災害動作割振処理を終了する。
【0056】
以上説明したように、本実施形態のロボット制御システム1によれば、災害の発生時に複数のロボット40の各々に適切な災害時タスクを実行させることができる。そのため、本実施形態のロボット制御システム1によれば、効果的に避難や救助の支援を行うことができる。
【0057】
なお上述した災害時タスクは、一例であり、上述した例に限定されない。上述した例の他、災害時タスクとしては、例えば、避難者の歩行の支援として、歩行者の杖としての機能や、歩行者を運搬する機能を実行するタスクであってもよい。
【0058】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウエア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0059】
<付記>
本開示の技術に関して、以下の下記を開示する。
【0060】
(付記1)
所定のエリア(70)内の移動が可能であり、かつ通常時には通常時タスクを実行し、また災害時には災害時タスクの実行が可能な複数のロボット(70)と、
少なくとも一つのプロセッサ(20)を有し、
前記プロセッサは、
災害の発生を検知した場合、前記所定のエリアに存在する前記複数のロボット各々の現在位置を特定し、
特定した前記複数のロボット各々の現在位置と、前記所定のエリアの地図情報(26A)と、前記複数のロボット各々の前記災害時タスクを表す情報(26B)と、に基づいて、前記複数のロボット各々に、前記災害時タスクの実行、及び前記所定のエリア内における前記災害時タスクの実行場所への移動を含む災害時動作を指示する制御装置(10)と、
を備えたロボット制御システム(1)。
【0061】
(付記2)
前記プロセッサは、
前記所定のエリア内の災害状況を検知するセンサ(72)から前記災害状況に関する災害状況情報を取得し、
前記災害状況情報にさらに基づいて、前記複数のロボット各々に、前記災害時動作を指示する
付記1に記載のロボット制御システム。
【0062】
(付記3)
前記複数のロボットは、前記災害時タスクが避難経路(80)の案内である案内ロボット(40-1~40-9)を含み、
前記プロセッサは、前記案内ロボットに、前記災害時タスクの実行として前記地図情報から特定される前記避難経路の案内の実行を指示し、前記災害時タスクの実行場所として前記避難経路の案内場所を指示する
付記1または付記2に記載のロボット制御システム。
【0063】
(付記4)
前記案内ロボットは表示部(57B)を備え、
前記プロセッサは、前記避難経路の案内の実行として、前記表示部に避難経路を示す情報、及び避難方向を表す情報の少なくとも一方の表示を行わせる
付記3に記載のロボット制御システム。
【0064】
(付記5)
前記案内ロボットは発光部(57C)を備え、
前記プロセッサは、前記避難経路の案内の実行として、前記発光部の発光状態により、避難経路、及び避難方向の少なくとも一方を提示させる
付記3または付記4に記載のロボット制御システム。
【0065】
(付記6)
前記プロセッサは、
前記災害状況情報として、避難する人物による人流を表す情報を取得し、
前記避難経路として、前記地図情報から前記人流が多い方向を避難方向とした避難経路を特定する
付記3から付記5のいずれか1つに記載のロボット制御システム。
【0066】
(付記7)
前記プロセッサは、前記避難経路の案内の実行として、避難経路を移動する人物の先導を行わせる
請求項3から付記6のいずれか1つに記載のロボット制御システム。
【0067】
(付記8)
前記複数のロボットは、投光器(53)を有し、前記災害時タスクが投光である投光ロボット(40-10)を含み、
前記プロセッサは、前記投光ロボットに、前記災害時タスクの実行として投光の実行を指示する
請求項2から付記7のいずれか1つに記載のロボット制御システム。
【0068】
(付記9)
前記プロセッサは、前記投光の実行として、天井に向けた投光の実行を指示する
付記8に記載のロボット制御システム。
【0069】
(付記10)
前記複数のロボットは、空気清浄機を有し、前記災害時タスクが空気の清浄である空気清浄ロボットを含み、
前記プロセッサは、前記空気清浄ロボットに、前記災害時タスクの実行として煙を含む空気の清浄の実行を指示し、災害時タスクの実行場所として、前記地図情報から特定される避難経路を指示する
付記2から付記9のいずれか1つに記載のロボット制御システム。
【0070】
(付記11)
前記複数のロボットは、避難及び救助の少なくとも一方を支援する支援物資を有し、前記災害時タスクが前記支援物資の提供である物資提供ロボットを含み、
前記プロセッサは、前記災害時タスクの実行として、前記支援物資の提供が可能であることを表す情報の提示を指示する
付記2から付記10のいずれか1つに記載のロボット制御システム。
【0071】
(付記12)
前記複数のロボットは、前記センサを有し、前記災害時タスクが前記センサを用いた周囲の探索である探索ロボットを含み、
前記プロセッサは、前記探索ロボットに、前記災害時タスクの実行として、逃げ遅れた人物の探索を指示する
付記2から付記11のいずれか1つに記載のロボット制御システム。
【0072】
(付記13)
所定のエリア内の移動が可能な複数のロボットであり、かつ通常時には通常時タスクを実行し、また災害時には災害時タスクの実行が可能な複数のロボットの各々が実行するタスクの制御が可能な制御装置であって、
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
災害の発生を検知した場合、前記所定のエリアに存在する前記複数のロボット各々の現在位置を特定し、
特定した前記複数のロボット各々の現在位置と、前記所定のエリアの地図情報と、前記複数のロボット各々の前記災害時タスクを表す情報と、に基づいて、前記複数のロボット各々に、前記災害時タスクの実行、及び前記所定のエリア内における前記災害時タスクの実行場所への移動を含む災害時動作を指示する
制御装置。
【0073】
(付記14)
所定のエリア内の走行が可能な複数のロボットであり、かつ通常時には通常時タスクを実行し、また災害時には災害時タスクを実行する前記複数のロボットの各々が実行するタスクの制御が可能な制御装置が備える少なくとも一つのプロセッサに、
災害の発生を検知した場合、前記所定のエリアに存在する前記複数のロボット各々の現在位置を特定し、
特定した前記複数のロボット各々の現在位置と、前記所定のエリアの地図情報と、前記複数のロボット各々の前記災害時タスクを表す情報と、に基づいて、前記複数のロボット各々に、前記災害時タスクの実行、及び前記所定のエリア内における前記災害時タスクの実行場所への移動を含む災害時動作を指示する
ことを含む処理を実行させるためのプログラム。
【0074】
(付記15)
所定のエリア内の走行が可能な複数のロボットであり、かつ通常時には通常時タスクを実行し、また災害時には災害時タスクを実行する前記複数のロボットの各々が実行するタスクの制御が可能な制御装置が備える少なくとも一つのプロセッサによって実行可能なプログラムを記憶した記録媒体であって、
前記プログラムは、
災害の発生を検知した場合、前記所定のエリアに存在する前記複数のロボット各々の現在位置を特定し、
特定した前記複数のロボット各々の現在位置と、前記所定のエリアの地図情報と、前記複数のロボット各々の前記災害時タスクを表す情報と、に基づいて、前記複数のロボット各々に、前記災害時タスクの実行、及び前記所定のエリア内における前記災害時タスクの実行場所への移動を含む災害時動作を指示する
ことを含む処理を実行させるためのものである
記録媒体。
【符号の説明】
【0075】
1 ロボット制御システム、10 制御装置、20 CPU、25 タスク割振プログラム、26A 地図情報、26B 災害時タスク情報、30 災害検知部、32 災害状況情報取得部、34 避難経路特定部、35 現在位置特定部、36 災害時動作割振部、38 指示部、40-1~40-n ロボット、53 投光器、57B モニタ、57C 発光部、70 エリア、72-1~72-m センサ、76 天井、80 避難経路