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特開2024-165159作業管理システム、作業管理方法、プログラム及び製造システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165159
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】作業管理システム、作業管理方法、プログラム及び製造システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20241121BHJP
   G05B 19/418 20060101ALN20241121BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081073
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】生田 直史
(72)【発明者】
【氏名】横井 敬明
(72)【発明者】
【氏名】譚 隕林
(72)【発明者】
【氏名】岩田 維里
(72)【発明者】
【氏名】田中 淳樹
(72)【発明者】
【氏名】山口 達也
【テーマコード(参考)】
3C100
5E353
【Fターム(参考)】
3C100AA22
3C100AA38
3C100AA48
3C100BB14
3C100BB17
3C100BB21
3C100EE07
5E353AA02
5E353CC01
5E353CC03
5E353CC04
5E353CC05
5E353CC22
5E353CC23
5E353CC25
5E353DD02
5E353DD05
5E353EE31
5E353EE89
5E353HH01
5E353HH22
5E353HH71
5E353LL04
5E353NN18
5E353QQ01
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、効率の良い作業を実行することである。
【解決手段】作業管理システム1は、取得部311と、設定部312と、生成部313と、を備える。取得部311は、実装ライン10において生産対象(例えば、基板)に実装される部品に関する部品データ、及び実装ライン10において部品を収容可能な収容数を取得する。設定部312は、部品データと部品の収容数とから実装ライン10への部品の供給作業を行う対象として作業者u1と搬送ロボット20の少なくとも一方を設定する。生成部313は、供給作業を行う対象に対して部品の供給を指示する作業指示情報を生成する。生成部313は、部品データと部品の収容数とから部品の供給タイミングを算出し、供給タイミングを基に部品の供給時刻を含む、供給作業を行う対象に対する作業指示情報を作成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装ラインにおいて生産対象に実装される部品に関する部品データ、及び前記実装ラインにおいて前記部品を収容可能な収容数を取得する取得部と、
前記部品データと前記部品の前記収容数とから前記実装ラインへの前記部品の供給作業を行う対象として作業者と搬送ロボットの少なくとも一方を設定する設定部と、
前記供給作業を行う対象に対して前記部品の供給を指示する作業指示情報を生成する生成部と、を備え、
前記生成部は、
前記部品データと前記部品の前記収容数とから前記部品の供給タイミングを算出し、
前記供給タイミングを基に前記部品の供給時刻を含む、前記供給作業を行う対象に対する前記作業指示情報を作成する、
作業管理システム。
【請求項2】
前記設定部は、前記作業者及び前記搬送ロボットの双方を前記供給作業を行う対象として、前記作業者の数及び前記搬送ロボットの数を設定する、
請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項3】
前記設定部は、
前記搬送ロボットについて、前記供給作業を行う対象として設定可能な設定可能数を管理しており、
前記供給作業を行う対象を設定する際に、前記設定可能数及び既に前記供給作業を行う対象として設定された前記搬送ロボットの数を基に未設定の前記搬送ロボットが存在する場合には、前記未設定の前記搬送ロボットを前記供給作業を行う対象として優先的に設定する、
請求項2に記載の作業管理システム。
【請求項4】
前記作業者及び前記搬送ロボットのそれぞれに対して、前記供給作業が不可である時間帯として互いに異なる作業不可時間帯が設定されており、
前記設定部は、前記供給作業を行う対象を設定する際に、前記作業者及び前記搬送ロボットの一方に設定された前記作業不可時間帯では、他方を前記供給作業を行う対象として優先的に設定する、
請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項5】
前記設定部は、前記作業者及び前記搬送ロボットの双方を、前記供給作業を行う対象として設定し、
前記生成部は、前記作業者及び前記搬送ロボットの双方が前記供給作業を行う対象として設定された時間帯において前記供給作業が非重複となるように、前記作業者及び前記搬送ロボットのそれぞれに対して前記作業指示情報を生成する、
請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項6】
前記設定部は、前記作業者及び前記搬送ロボットの双方を、前記供給作業を行う対象として設定し、
前記生成部は、前記作業者及び前記搬送ロボットの双方が前記供給作業を行う対象として設定された時間帯において前記供給作業が重複する場合には、前記作業者及び前記搬送ロボットのそれぞれが前記実装ラインにおいて前記供給作業を行うエリアが非重複となるように、前記作業者及び前記搬送ロボットのそれぞれに対して前記作業指示情報を生成する、
請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項7】
前記設定部は、前記作業者及び前記搬送ロボットの双方を、前記供給作業を行う対象として設定し、
前記生成部は、前記作業者及び前記搬送ロボットの双方が前記供給作業を行う対象として設定された時間帯において前供給作業を行う前記実装ラインにおけるエリアが重複する場合には、前記エリアでの前記作業者及び前記搬送ロボットの互いの前記供給作業が非重複となるように、前記作業者及び前記搬送ロボットのそれぞれに対して前記作業指示情報を生成する、
請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項8】
1以上のプロセッサによって実行され、作業管理システムで用いられる作業管理方法であって、
実装ラインにおいて生産対象に実装される部品に関する部品データ、及び前記実装ラインにおいて前記部品を収容可能な収容数を取得し、
前記部品データと前記部品の前記収容数とから前記実装ラインへの前記部品の供給作業を行う対象として作業者と搬送ロボットの少なくとも一方を設定し、
前記部品データと前記部品の前記収容数とから前記部品の供給タイミングを算出し、
前記供給タイミングを基に、前記供給作業を行う対象に対して前記部品の供給を指示する供給指示情報であって前記部品の供給時刻を含む、前記供給作業を行う対象に対する供給指示情報を作成する、
作業管理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の作業管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるための、
プログラム。
【請求項10】
請求項1に記載の作業管理システムと、
前記部品の前記供給作業を行う搬送ロボットと、備える、
製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に作業管理システム、作業管理方法、プログラム及び製造システムに関し、より詳細には実装ラインに部品を供給する作業管理システム、作業管理方法、プログラム及び製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の生産装置(例えば、マウント装置)で構成された生産ライン(実装ライン)に対して供給作業を行うにあたって、搬送ロボットを用いるシステムが知られている。搬送ロボットには障害物との衝突防止のためにセンサ等を用いて停止や移動の規制がされる。
【0003】
特許文献1では、複数の搬送ロボットの移動制限範囲を段階的に変更することで干渉領域を低減することができる生産システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公報第2022/118380号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、搬送ロボットの作業効率を上げるために、障害物による停止や移動の規制を少なくすることが望まれている。
【0006】
本開示は上記課題に鑑みてなされ、効率の良い作業を実行することができる作業管理システム、作業管理方法、プログラム及び製造システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る作業管理システムは、取得部と、設定部と、生成部と、を備える。前記取得部は、実装ラインにおいて生産対象に実装される部品に関する部品データ、及び前記実装ラインにおいて前記部品を収容可能な収容数を取得する。前記設定部は、前記部品データと前記部品の前記収容数とから前記実装ラインへの前記部品の供給作業を行う対象として作業者と搬送ロボットの少なくとも一方を設定する。前記生成部は、前記供給作業を行う対象に対して前記部品の供給を指示する作業指示情報を生成する。前記生成部は、前記部品データと前記部品の前記収容数とから前記部品の供給タイミングを算出し、前記供給タイミングを基に前記部品の供給時刻を含む、前記供給作業を行う対象に対する前記作業指示情報を作成する。
【0008】
本開示の一態様に係る作業管理方法は、1以上のプロセッサによって実行され、作業管理システムで用いられる。前記作業管理方法は、実装ラインにおいて生産対象に実装される部品に関する部品データ、及び前記実装ラインにおいて前記部品を収容可能な収容数を取得する。前記作業管理方法は、前記部品データと前記部品の前記収容数とから前記実装ラインへの前記部品の供給作業を行う対象として作業者と搬送ロボットの少なくとも一方を設定する。前記作業管理方法は、前記部品データと前記部品の前記収容数とから前記部品の供給タイミングを算出する。前記作業管理方法は、前記供給タイミングを基に、前記供給作業を行う対象に対して前記部品の供給を指示する供給指示情報であって前記部品の供給時刻を含む、前記供給作業を行う対象に対する供給指示情報を作成する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記作業管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0010】
本開示の一態様に係る製造システムは、前記作業管理システムと、前記部品の前記供給作業を行う搬送ロボットと、備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によると、効率の良い作業を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態に係る作業管理システムとしての管理装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、同上の作業管理システムを備える製造システムの構成を示すシステム図である。
図3図3は、所定期間における作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれの作業スケジュールを表す図である。
図4図4は、同上の作業管理システムが生成する作業指示情報の一例を示す図である。
図5図5は、同上の作業管理システムが生成する作業指示情報の別の一例を示す図である。
図6図6は、同上の作業管理システムの動作を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。以下の実施形態及び変形例以外であっても、本開示に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0014】
(実施形態)
以下、本実施形態に係る作業管理システム1について、図1図6を用いて説明する。
【0015】
(1)概要
本実施形態の作業管理システム1としての管理装置30は、基板に部品を実装する実装ライン10を含む製造システム2において使用される(図2参照)。
【0016】
製造システム2は、実装ライン10(図2参照)で使用される1以上の製造装置11と、搬送ロボット20と、管理装置30(作業管理システム1)と、を備える。ここで、製造システム2は、基板に対して所定の作業を行う1以上の製造装置11と、製造装置11に対して所定の機能を提供する1以上の機能モジュールとを含む。そして、1以上の機能モジュールが、搬送ロボット20及び作業者u1のうち少なくとも一方によって1以上の製造装置11まで搬送される被搬送物である。搬送ロボット20及び作業者u1は、管理装置30で管理するスケジュールに基づいて、被搬送物を搬送先である製造装置11まで搬送する。
【0017】
1以上の製造装置11が行う「所定の作業」は、基板に対して行われる作業である。以下の実施形態では、所定の作業が、基板に部品を実装する実装ライン10において、基板に行われる作業である場合を例に説明を行うが、所定の作業は実装ライン10において基板に行われる作業に限定されず、基板自体を製造する工程、基板に部品を実装する工程、基板の検査を行う工程などの各種工程のうち少なくとも1つの工程において基板に対して行われる作業を含み得る。つまり、製造システム2は基板の実装ライン10に適用されるものに限定されず、基板の製造の各工程の少なくとも1つに適用されればよい。所定の作業は、例えば、基板に対して半田を印刷する印刷作業、配線が印刷された基板(プリント配線板)に対して部品を載せるマウント作業、及び、基板に載せられた半田を溶融することで部品を基板に接合する接合作業のうちの少なくとも一つを含む。図2に示す実装ライン10では、1以上の製造装置11が、印刷作業を行う印刷装置11Aと、それぞれマウント作業を行う複数台のマウント装置11B,11Cと、接合作業を行うリフロー半田装置11Dとを含んでいる。
【0018】
1以上の機能モジュールは、製造装置11に対して所定の機能をそれぞれ提供する。「所定の機能」は、例えば、マウント装置11B,11Cに対して部品を提供する機能を含む。また、所定の機能は、半田印刷作業を行う印刷装置11Aに対して半田やマスクを供給する機能、及び、印刷装置11Aから廃棄物を回収する機能の少なくとも一方を含んでもよい。マウント装置11B,11Cに対して部品がテープに取り付けられたリールを供給する場合、所定の機能は、部品が取り外された後のテープをマウント装置11B,11Cから回収する機能を含んでもよい。また、マウント装置11B,11Cに対して部品が載せられたトレイを供給する場合、所定の機能は、部品が取り出された後のトレイをマウント装置11B,11Cから回収する機能を含んでもよい。また、所定の機能は、製造装置11に対して基板を供給する機能、製造装置11から基板を回収する機能、リール部品のカット屑などを回収する機能、製造装置11からメンテナンス対象部品を回収する機能、及び製造装置11にメンテナンス対象部品を戻す機能、の少なくとも1つを含んでもよい。
【0019】
ここで、複数の機能モジュールは、所定の機能を製造装置11に提供するモジュールであり、例えば、部品供給モジュール、トレイ供給モジュール、廃棄物回収モジュール、基板供給モジュール、基板回収モジュール、メンテナンスモジュール、フィーダ補充モジュール等がある。部品供給モジュールは、製造装置11に対して基板に実装される複数の部品を供給するためのモジュールである。部品供給モジュールが製造装置11に供給する複数の部品は、バルクの状態でもよいし、リールに巻かれたテープに取り付けられた状態でもよいし、リールレス型のテープロール体に取り付けられた状態でもよいし、それ以外の形態(例えば、複数の部品がケースに収容された状態等)でもよい。トレイ供給モジュールは、複数の部品等を載せた複数のトレイを製造装置11に供給するためのモジュールである。廃棄物回収モジュールは、製造装置11から排出される廃棄物を回収するためのモジュールである。基板供給モジュールは、製造装置11に対して作業対象である複数の基板を供給するためのモジュールである。基板回収モジュールは、製造装置11から作業が行われた後の複数の基板を回収するためのモジュールである。メンテナンスモジュールは、基板の製造に用いる資材を製造装置11に提供する機能と、製造装置11からメンテナンス対象部品を回収する機能と、製造装置11にメンテナンス対象部品を戻す機能との少なくとも1つを提供する。フィーダ補充モジュールは、製造装置11に対してフィーダを補充するためのモジュールである。
【0020】
本実施形態では、所定の機能としてマウント装置11B,11Cに対して部品を提供する場合について、説明する。
【0021】
本実施形態の作業管理システム1としての管理装置30は、図1に示すように、取得部311と、設定部312と、生成部313と、を備える。取得部311は、実装ライン10(図2参照)において生産対象に実装される部品に関する部品データ、及び実装ライン10において部品を収容可能な収容数を取得する。設定部312は、部品データと部品の収容数とから実装ライン10への部品の供給作業を行う対象として作業者u1(図2参照)と搬送ロボット20(図2参照)の少なくとも一方を設定する。生成部313は、供給作業を行う対象に対して部品の供給を指示する作業指示情報を生成する。生成部313は、部品データと部品の収容数とから部品の供給タイミングを算出する。生成部313は、供給タイミングを基に部品の供給時刻を含む、供給作業を行う対象に対する作業指示情報を作成する。
【0022】
この構成によると、供給作業を行う対象に対する作業指示情報を作成する。例えば、作業管理システム1は、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれに作業指示情報を作成するので、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれの供給時刻を異ならせることができる。その結果、搬送ロボット20の走行ルート上に作業者u1が存在する可能性が低くなる。これにより、搬送ロボット20が作業者u1を障害物として検知する可能性が低くなるので、障害物による停止や移動の規制を少なくすることがきる。
【0023】
製造システム2は、図2に示すように、第1制御装置31と、第2制御装置32と、を更に備える。
【0024】
第1制御装置31は、実装ライン10が備える複数の製造装置11及び複数の検査装置12の動作を監視する。
【0025】
第2制御装置32は、1以上の中継器34を介して、複数台の搬送ロボット20と互いに通信可能に構成されている。第2制御装置32は、複数台の搬送ロボット20のそれぞれの搬送作業を制御する。
【0026】
第1制御装置31と第2制御装置32と管理装置30とは互いに通信可能に構成されている。本開示における「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワークNT1若しくは中継器等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。
【0027】
(2)構成
以下、製造システム2の構成について説明する。
【0028】
(2.1)実装ライン
実装ライン10は、実装エリアA2に設けられている。
【0029】
実装エリアA2には、製造装置11に供給する物品を準備するための準備エリアA3が設けられている。準備エリアA3には、基板に実装する部品が取り付けられた複数のリールが保管されている。搬送ロボット20及び作業者u1のうち少なくとも一方は、準備エリアA3に補完されている複数のリールのうち少なくとも1つのリールを、準備エリアA3から搬送先のマウント装置11B,11Cの配置場所へと搬送する。例えば、搬送ロボット20及び作業者u1のうち少なくとも一方は、リールが搭載された部品供給モジュール40を、準備エリアA3から搬送先のマウント装置11B,11Cの配置場所へと搬送する。
【0030】
実装ライン10は、基板に部品を実装する製造ラインである。実装ライン10は、基板の搬送方向に沿ってそれぞれ配置された複数(例えば4台)の製造装置11と複数(例えば2台)の検査装置12とを備えている。複数台の製造装置11は、基板に半田を印刷する印刷装置11Aと、半田が印刷された基板に部品を載せるマウント作業を行う複数台のマウント装置11B,11Cと、部品を基板に接合する接合作業を行うリフロー半田装置11Dと、を含む。2台の検査装置12は、基板に印刷された半田の位置等を検査する検査装置12Aと、基板に配置された部品の位置等を検査する検査装置12Bと、を含む。
【0031】
実装ライン10において基板は図2の左側から右側へと搬送されており、実装ライン10には基板の配列方向に沿って印刷装置11A、検査装置12A、マウント装置11B,11C、検査装置12、リフロー半田装置11Dがこの順番で並んでいる。
【0032】
マウント装置11B,11Cは、供給された部品を基板に実装する実装ノズルを備える。マウント装置11B,11Cは、部品が取り付けられたテープが巻かれた1以上のリールを供給するための部品供給モジュール40から供給される部品を実装ノズルで基板上の所定位置にマウントする。
【0033】
リフロー半田装置11Dは、基板に載せられた半田を溶融させることによって基板にマウントされた部品と配線とを接合する作業を行う。
【0034】
部品供給モジュール40は、マウント装置11B,11Cに対して1又は複数個のリールを供給するリール供給機能部を有している。部品供給モジュール40は、マウント装置11B,11Cに装着されている複数のリールを1つずつ交換することによって、マウント装置11B,11Cにリールを供給する。なお、部品供給モジュール40は、マウント装置11B,11Cに装着されている複数のリールを一括して交換してもよい。
【0035】
(2.2)搬送ロボット
次に、本実施形態の製造システム2において使用される1以上の搬送ロボット20について説明する。
【0036】
搬送ロボット20は、図2に示すように、被搬送物である部品供給モジュール40を搬送するために無人で走行する、いわゆる無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)である。
【0037】
搬送ロボット20の車体の下面には、一対の駆動輪と一対の補助輪とを含む複数の車輪が設けられており、搬送ロボット20は複数の車輪で走行可能に構成されている。
【0038】
搬送ロボット20には、被搬送物(部品供給モジュール40)を連結するための連結部が設けられている。搬送ロボット20は、連結部によって当該搬送ロボット20に連結された被搬送物と共に移動する。例えば、搬送ロボット20は、当該搬送ロボット20が先頭になって被搬送物をけん引して走行する。
【0039】
ここで、被搬送物の下面には複数の車輪が設けられており、被搬送物は車輪で走行可能に構成されている。
【0040】
搬送ロボット20は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが搬送ロボット20としての機能を実現する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0041】
搬送ロボット20は、第2制御装置32と通信可能に構成されている。搬送ロボット20は、実装エリアA2を含む所定エリアに設置された複数の中継器34のいずれかと、電波を媒体とする無線通信によって通信を行う。中継器34は、搬送ロボット20と第2制御装置32との間の通信を中継する機器(アクセスポイント)である。中継器34は、第2制御装置32と通信する。したがって、搬送ロボット20と第2制御装置32とは、少なくとも中継器34を介して、間接的に通信を行うことになる。なお、本実施形態では一例として、中継器34と搬送ロボット20との間の通信には、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した、無線通信を採用する。
【0042】
搬送ロボット20は、検知部を有している。検知部は、車体の挙動、及び車体の周辺状況等を検知する。本開示でいう「挙動」は、動作及び様子等を意味する。つまり、車体の挙動は、車体が走行中又は停止中を表す車体の動作状態、車体の移動距離及び走行時間、車体の速度(及び速度変化)、車体に作用する加速度、及び車体の姿勢等を含む。
【0043】
搬送ロボット20は、検知部が検知した周囲の物体の情報と、当該搬送ロボット20が移動するエリアの地図データとに基づいて当該搬送ロボット20の現在位置を推定したり、停止位置の位置合わせをしたりする。
【0044】
なお、搬送ロボット20の検知部は、所定エリアに設置された複数の発信器から電波で送信されるビーコン信号を受信する受信機を含み、複数の発信器から送信されるビーコン信号に基づいて現在位置を検知してもよい。または、検知部は、GPS(Global Positioning System)等の全地球測位システムを用いて搬送ロボット20の現在位置を検知してもよい。
【0045】
搬送ロボット20は、管理装置30からの作業指示情報と検知部の検知結果に基づいて、所望の方向へ所望の速度で移動する。搬送ロボット20は、例えば、被搬送物(部品供給モジュール40)を搬送する場合には、管理装置30からの作業指示情報と検知部の検知結果に基づいて、被搬送物(部品供給モジュール40)を把持して、搬送先である製造装置11へ所望の速度で移動する。
【0046】
また、搬送ロボット20は、例えば、二次電池で駆動するよう構成されている。
【0047】
(2.3)第1制御装置及び第2制御装置
第1制御装置31は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが第1制御装置31としての機能を実現する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0048】
第1制御装置31は、実装ライン10が備える複数の製造装置11及び複数の検査装置12の動作を監視する。第1制御装置31は、ネットワークを介して複数の製造装置11及び複数の検査装置12と互いに通信可能に構成されている。また、第1制御装置31は、複数の製造装置11及び複数の検査装置12から稼働状態を示す状態情報(つまり、実装ライン10の稼働状態を示す状態情報)を収集し、収集した状態情報を管理装置30に出力する。
【0049】
第2制御装置32は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが第2制御装置32としての機能を実現する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0050】
第2制御装置32は、1以上の中継器34を介して、複数台の搬送ロボット20と互いに通信可能に構成されている。第2制御装置32は、複数台の搬送ロボット20にそれぞれとの通信により、各搬送ロボット20の搬送作業を制御する。
【0051】
(2.4)管理装置
管理装置30は、1人以上の作業者u1のそれぞれ及び1つ以上の搬送ロボット20のそれぞれに対して、部品の供給作業の割り当てを行う。
【0052】
管理装置30(作業管理システム1)は、図1に示すように、第1通信部301と、第2通信部302と、記憶部303と、制御部304と、を備える。
【0053】
管理装置30は、例えばプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを有している。そして、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部304として機能する。プロセッサが実行するプログラムは、ここではコンピュータシステムのメモリに予め記録されているが、メモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて提供されてもよい。
【0054】
第1通信部301は、第1制御装置31及び第2制御装置32と通信するための通信インタフェースを有している。すなわち、第1通信部301は、ネットワークNT1を介して第1制御装置31及び第2制御装置32と通信可能に構成されている。
【0055】
第2通信部302は、作業者u1が所持する情報端末50(図2参照)と通信するための通信インタフェースを有している。例えば、第2通信部302は、無線通信により情報端末50と通信を行う。
【0056】
記憶部303は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。
【0057】
記憶部303は、所定期間(例えば、1日)で製造する基板に実装する部品ごとの必要数を記憶する。例えば、記憶部303は、表1に示すように、所定期間で50枚の基板“A”を製造するために必要な複数の部品の数を、部品ごとに記憶する。
【0058】
【表1】
【0059】
表1によると、基板“A”を50枚製造するためには、部品“P01”を100個、部品“P02”を200個、部品“P03”を250個、それぞれ必要であることが分かる。
【0060】
記憶部303は、部品を含むリールの搭載位置及び1つのリールで搭載される部品の数を記憶する。例えば、記憶部303は、表2に示すように、部品“P01”、部品“P02”及び部品“P03”のそれぞれに対するリールの搭載位置及び1つのリールで収容される部品の数(収容数)を記憶する。
【0061】
【表2】
【0062】
表2によると、装置“a1”(例えば、マウント装置11B)のスロット1には、部品“P01”が搭載され、1つのリールで搭載される部品“P01”の数は50個であることが分かる。装置“a1”のスロット2には、部品“P02”が搭載され、1つのリールで搭載される部品“P02”の数は150個であることが分かる。装置“a1”のスロット3には、部品“P03”が搭載され、1つのリールで搭載される部品“P03”の数は1000個であることが分かる。
【0063】
さらに、記憶部303は、基板ごとに、基板にすべての部品(例えば部品“P01”、部品“P02”及び部品“P03”)を実装するために必要とする時間(実装時間)を記憶している。
【0064】
記憶部303は、1人以上の作業者u1のそれぞれ及び1つ以上の搬送ロボット20のそれぞれの所定期間における作業スケジュールを記憶している。ここでは、1人以上の作業者u1のそれぞれの作業スケジュールは同一であり、1つ以上の搬送ロボット20のそれぞれの作業スケジュールは同一である。記憶部303は、例えば、図3に示すように、所定期間(時刻t0~時刻t5)における作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれの作業スケジュールを記憶している。図3によると、作業者u1は、所定期間(時刻t0~時刻t5)のうち時刻t0~時刻t3及び時刻t4~時刻t5の各時間帯T1,T3,T5で供給作業が可能である。また、搬送ロボット20は、所定期間(時刻t0~時刻t5)のうち時刻t0~時刻t1及び時刻t2~時刻t5の各時間帯T2,T4で供給作業が可能である。また、本実施形態では、時刻t3~時刻t4の時間帯T4は、作業者u1に対する作業不可時間帯として設定されている。時刻t1~時刻t2の時間帯T2は、搬送ロボット20に対する作業不可時間帯として設定されている。すなわち、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれに対して、部品の供給作業が不可である時間帯として互いに異なる作業不可時間帯が設定されている。
【0065】
記憶部303は、部品ごとに、作業者u1によるリールのスプライシングに要する時間、及び搬送ロボット20によるリールのスプライシングに要する時間を、それぞれスプライシング効率として記憶している。すなわち、記憶部303は、部品ごとに、作業者u1による部品の供給に要する時間、及び搬送ロボット20による部品の供給に要する時間を、それぞれスプライシング効率として記憶している。作業者u1のスプライシング効率は、1人以上の作業者u1のそれぞれのスプライシングに要する時間の平均時間である。搬送ロボット20のスプライシング効率は、1つ以上の搬送ロボット20のそれぞれのスプライシングに要する時間の平均時間である。なお、スプライシングに要する時間、スプライシング効率は供給する形態によって異なる。リールの場合におけるスプライシングとは、例えばマウント装置11B,11Cで使用される部品のテープに新しい部品のテープを取り付ける、もしくはオートローディング式のフィーダに新しい部品のテープを取り付けることである。また、リールレス型のテープロール体やトレイの場合におけるスプライシングとは、例えばマウント装置11B,11Cで使用されるテープロール体やトレイを新しいテープロール体やトレイに交換することである。
【0066】
制御部304は、図1に示すように、取得部311、設定部312、生成部313及び通知部314を有する。
【0067】
取得部311は、作業者u1のスプライシング効率及び搬送ロボット20のスプライシング効率を部品ごとに記憶部303から取得する。
【0068】
取得部311は、実装ライン10において生産対象(例えば、基板)に実装される部品に関する部品データ、及び実装ライン10において部品を収容可能な収容数を取得する。ここで、部品データは、部品が実装される基板が所定期間で製造される数、所定期間で製造する基板に必要な部品数(総数)を含む。例えば、取得部311は、記憶部303に記憶されている表1から部品データを取得し、記憶部303に記憶されている表2から収容数を取得する。
【0069】
設定部312は、部品データと部品の収容数とから実装ライン10への部品の供給作業を行う対象として作業者u1と搬送ロボット20の少なくとも一方を設定する。ここで、作業者u1の設定とは、供給作業を行う作業者u1の人数を設定することである。また、搬送ロボット20の設定とは、供給作業を行う搬送ロボット20の数を設定することである。設定部312は、作業者u1及び搬送ロボット20の双方を供給作業を行う対象として、作業者u1の数及び搬送ロボット20の数を設定する。具体的には、設定部312は、記憶部303に記憶する作業スケジュールを基に、作業者u1及び搬送ロボット20の双方において供給作業が可能な時間帯では、部品データと部品の収容数とを基に得られるリールの供給数が所定値より大きい場合には、作業者u1及び搬送ロボット20の双方を供給作業を行う対象とする。
【0070】
設定部312は、搬送ロボット20について、供給作業を行う対象として設定可能な設定可能数を管理している。例えば、設定部312は、供給作業を行う時間帯に応じて、供給作業を行う対象として設定する作業者u1の数、及び搬送ロボット20の数を管理している。設定部312は、供給作業を行う対象を設定する際に、設定可能数及び既に供給作業を行う対象として設定された搬送ロボット20の数を基に未設定の搬送ロボット20が存在する場合には、未設定の搬送ロボット20を、供給作業を行う対象として優先的に設定する。すなわち、設定部312は、供給作業を行う対象として設定されていない、すなわち未設定の搬送ロボット20を、供給作業を行う対象として優先的に設定する。同様に、設定部312は、供給作業を行う対象を設定する際に、管理している作業者u1の数及び既に供給作業を行う対象として設定された作業者u1の数を基に未設定の作業者u1が存在する場合には、未設定の作業者u1を、供給作業を行う対象として優先的に設定する。このとき、設定部312は、供給作業を行う対象の数の設定に加えて、優先的に設定した作業者u1又は搬送ロボット20の識別子を設定する。
【0071】
作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれに対して、作業不可時間帯が設定されている場合には、設定部312は、供給作業を行う対象を設定する際に、作業者u1及び搬送ロボット20の一方に設定された作業不可時間帯では、他方を供給作業を行う対象として優先的に設定する。例えば、作業者u1に対する作業不可時間帯として設定された時刻t3~時刻t4の時間帯T4では、設定部312は、搬送ロボット20を優先的に設定する。このとき、設定部312は、時間帯T4における供給作業を行う対象の数の設定に加えて、優先的に設定した搬送ロボット20の識別子を設定する。また、搬送ロボット20に対する作業不可時間帯として設定された時刻t1~時刻t2の時間帯T2では、設定部312は、作業者u1を優先的に設定する。このとき、設定部312は、時間帯T2における供給作業を行う対象の数の設定に加えて、優先的に設定した作業者u1の識別子を設定する。
【0072】
設定部312は、作業者u1及び搬送ロボット20の双方を、供給作業を行う対象として設定する。例えば、設定部312は、時刻t0~t1、時刻t2~時刻t3及び時刻t4~時刻t5のそれぞれにおいて、作業者u1及び搬送ロボット20の双方を、供給作業を行う対象として設定する。このとき、設定部312は、時刻t0~t1、時刻t2~時刻t3及び時刻t4~時刻t5のそれぞれにおける供給作業を行う対象の数の設定に加えて、作業者u1の識別子及び搬送ロボット20の識別子を設定する。
【0073】
表3は、設定部312による各時間帯T1~T4での供給作業を行う対象が設定された結果を示す。表3に示す作業者数及び搬送ロボット数は、対応する時間帯での設定可能数を表す。供給指示対象は、供給作業を行う対象として設定された内容を表す。カッコ内の値は供給作業を行う対象の数を表す。例えば、“作業者(2)”は、供給作業を行う対象として2人の作業者u1が設定されていることを表す。“搬送ロボット(2)”は、供給作業を行う対象として2つの搬送ロボット20が設定されていることを表す。設定部312は、作業者u1を供給指示対象として設定する場合には、作業者数で示される数以下となるよう供給指示対象を設定する。設定部312は、搬送ロボット20を供給指示対象として設定する場合には、搬送ロボット数で示される数以下となるよう供給指示対象を設定する。
【0074】
【表3】
【0075】
設定部312は、交換するリール数(供給数)と、取得部311が取得した作業者u1のスプライシング効率及び搬送ロボット20のスプライシング効率とを基に、作業者u1及び搬送ロボット20のうち少なくとも一方を供給作業の対象として、すなわち供給指示対象として設定する。表3に示す時間帯T3では、供給数が“5”であり、作業者u1のスプライシング効率及び搬送ロボット20のスプライシング効率に基づくと、作業者u1及び搬送ロボット20の双方で作業を行うよりも搬送ロボット20で作業を行う方が効率的である。そこで、設定部312は、時間帯T3では供給指示対象として搬送ロボット20を優先的に設定する。また、表3では明示していないが、時間帯ごとに、設定された供給作業対象の識別子が対応付けられている。
【0076】
なお、設定部312は、交換するリール数(供給数)を基に供給指示対象(供給作業を行う対象)を設定してもよい。例えば、設定部312は、供給数が所定値以下である場合には、供給指示対象として搬送ロボット20を優先的に設定する。
【0077】
設定部312は、供給数と作業者u1のスプライシング効率及び搬送ロボット20のスプライシング効率とを基に、又は供給数を基に、搬送ロボット20を優先的に割り当てる構成としているが、この構成に限定されない。生成部313は、作業者u1を優先的に割り当ててもよい。
【0078】
生成部313は、供給作業を行う対象に対して部品の供給を指示する作業指示情報を生成する。より詳細には、生成部313は、部品データと部品の収容数とから部品の供給タイミングを算出する。生成部313は、供給タイミングを基に部品の供給時刻を含む、供給作業を行う対象に対する作業指示情報を作成する。
【0079】
生成部313は、以下の数式を用いて、部品ごとに供給タイミングを算出する。
【0080】
(数式)供給タイミング=実装時間×部品の収容数/1枚の基板に実装する数
【0081】
例えば実装時間を30秒とする。表1によると、基板“A”を50枚製造するために必要な部品“P01”の総数は100個であるので、1枚の基板“A”に実装する部品“P01”の数は2個である。また、部品“P01”の収容数は50個である。このとき、部品“P01”に部品が品切れとなるタイミングを供給タイミングとすると、上記数式から750秒が算出される。すなわち、生成部313は、部品“P01”の供給タイミングを作業開始から12分30秒後(750秒後)と決定する。また、表1によると、基板“A”を50枚製造するために必要な部品“P02”の総数は200個であるので、1枚の基板“A”に実装する部品“P02”の数は4個である。また、部品“P02”の収容数は50個である。このとき、“部品の収容数/1枚の基板に実装する数”は、37.5となり、基板“A”に対して38枚目を製造中に部品“P02”が品切れとなる。そこで、小数点以下を切り捨てて、生成部313は、37枚目で部品が品切れとなると判断して、“実装時間(30秒)×37”を演算して供給タイミングを算出する。この場合、1110秒となり、生成部313は、部品“P02”の供給タイミングを作業開始から18分30秒後(1110秒後)と決定する。
【0082】
生成部313は、所定期間において基板が所定数製造できるように、各部品について1つ以上の供給タイミングを算出する。例えば生成部313は、所定期間において基板“A”が50枚製造できるように、部品“P01”、部品“P02”及び部品“P03”のそれぞれに対して、1つ以上の供給タイミングを算出する。
【0083】
生成部313は、各部品に対する1つ以上の供給タイミングのそれぞれを、所定期間の開始時刻である時刻t0を基に時刻に換算する。生成部313は、部品のそれぞれにおいて時刻に換算された1つ以上の供給タイミングと、設定部312での設定内容とに基づいて、供給作業を行う対象に対して作業指示情報を生成する。
【0084】
以下、作業指示情報の生成について詳細に説明する。
【0085】
供給指示対象が作業者u1及び搬送ロボット20の双方を含む場合、生成部313は、部品の供給作業が時間的に非重複となるように1人以上の作業者u1のそれぞれ及び1つ以上の搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。より詳細には、生成部313は、各部品に対する1つ以上の供給タイミングと部品ごとの作業者u1のスプライシング効率及び搬送ロボット20のスプライシング効率とを基に、部品の供給作業が時間的に非重複となるように1人以上の作業者u1のそれぞれ及び1つ以上の搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。生成部313は、部品の供給作業の時間が重複する場合には、異なるエリア(異なるマウント装置)での供給作業となるよう、1人以上の作業者u1のそれぞれ及び搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。
【0086】
生成部313は、各部品に対する1つ以上の供給タイミングと部品ごとの作業者u1のスプライシング効率及び搬送ロボット20のスプライシング効率とを基に、供給作業が時間的に重なる作業を異なるテーブルに含むようにタグ付けを行う。時刻t0~時刻t1の時間帯T1におけるタグ付けの結果の一例を表4に示す。表4では、供給時刻“9:55”での供給作業と供給時刻“9:56”での供給作業とが時間的に重なる。すなわち、供給時刻“9:55”での供給作業と供給時刻“9:56”とで、異なる供給作業の対象を割り当てると、作業者u1のスプライシング効率及び搬送ロボット20のスプライシング効率を考慮すると、供給作業が時間的に重なる。そこで、生成部313は、供給時刻“9:55”での供給作業と供給時刻“9:56”での供給作業とが異なるテーブルに含まれるように、異なるタグを対応付ける。ここで、装置“a1”は、マウント装置11Bである。装置“a2”は、マウント装置11Cである。
【0087】
【表4】
【0088】
生成部313は、表4で示すテーブル(統合テーブル)に含まれるタグを基に、統合テーブルを分割する。すなわち、生成部313は、同一のタグが同一のテーブルとなるように、統合テーブルを分割する。生成部313は、分割された各テーブルに作業者u1及び搬送ロボット20のいずれかを割り当てる。例えば、生成部313は、タグの値が“1”である分割後のテーブルには搬送ロボット20を割り当て、タグの値が“2”である分割後のテーブルには作業者u1を割り当てる。生成部313は、搬送ロボット20を割り当てた分割後のテーブルに含まれる1つ以上のレコードのそれぞれに対して、供給指示対象として決定された1つ以上の搬送ロボット20のうちいずれかを対応付ける。生成部313は、作業者u1を割り当てた分割後のテーブルに含まれる1つ以上のレコードのそれぞれに対して、供給指示対象として決定された1人以上の作業者u1のうちいずれかを対応付ける。ここで、各分割後のテーブルに含まれるレコードは、供給時刻を含む。すなわち、各分割後のテーブルに含まれるレコードが、作業指示情報に相当する。生成部313は、統合テーブルに含まれるタグを基に、統合テーブルを分割して、分割後のテーブルを生成することで、作業者u1及びのそれぞれに対して作業指示情報を生成する。
【0089】
以下の表5は、搬送ロボット20を対応付けた作業指示情報を含む分割後のテーブルである。表6は、作業者u1を対応付けた作業指示情報を含む分割後のテーブルである。ここで、“R001”、“R002”は、搬送ロボット20を識別する識別子である。“U001”、“U002”は作業者u1を識別する識別子である。
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【0092】
すなわち、生成部313は、作業者u1及び搬送ロボット20の双方が供給作業を行う対象として設定された時間帯(例えば、時間帯T1、T3,T4)において供給作業が非重複となるように、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。例えば、図3に示す時刻t0~時刻t1において、生成部313は、供給作業が非重複となるように、1人以上の作業者u1のそれぞれ及び1つ以上の搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。
【0093】
生成部313は、作業者u1及び搬送ロボット20の双方が供給作業を行う対象として設定された時間帯において供給作業が重複する場合には、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれが実装ライン10において供給作業を行うエリアが非重複となるように、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。図3に示す時刻t0~時刻t1(時間帯T1)の一部の期間において供給作業が重複することが考えられる。この場合には、生成部313は、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれが実装ライン10において供給対象の装置が非重複となるように、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。すなわち、生成部313は、1人以上の作業者u1のそれぞれ及び1つ以上の搬送ロボット20のそれぞれが実装ライン10において供給対象の装置が非重複となるように、1人以上の作業者u1のそれぞれ及び1つ以上の搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。例えば、1人の作業者u1及び1つの搬送ロボット20に対して作業指示情報を生成する場合、生成部313は、1人の作業者u1及び1つの搬送ロボット20のそれぞれに対して、供給対象の装置が非重複となるように作業指示情報を生成する。すなわち、生成部313は、マウント装置11B,11Cのそれぞれに対して、異なるタグを対応付ける。これにより、生成部313は、作業者u1がマウント装置11Bで供給作業を行うように作業者u1に対して作業指示情報を生成し、搬送ロボット20がマウント装置11Cで供給作業を行うように搬送ロボット20に対して作業指示情報を生成することができる。
【0094】
実装ライン10に4台のマウント装置11B,11C,11E,11Fが設けられている場合を一例として、図4を用いて説明する。1人の作業者u1及び1つの搬送ロボット20の双方が供給作業を行う必要があり、供給作業が重複する場合を想定する。この場合、生成部313は、供給対象のマウント装置が非重複となるように、双方に作業指示情報を生成する。例えば、生成部313は、作業者u1に対して、マウント装置11E,11F,11Cで供給作業を行うように作業指示情報を生成する。生成部313は、搬送ロボット20に対して、マウント装置11Bで供給作業を行うように作業指示情報を生成する。これにより、生成部313は、作業者u1及び搬送ロボット20に対して、供給対象のマウント装置を異ならせることができる。
【0095】
生成部313は、作業者u1及び搬送ロボット20の双方が供給作業を行う対象として設定された時間帯において供給作業を行う実装ライン10におけるエリアが重複する場合には、当該エリアでの作業者u1及び搬送ロボット20の互いの供給作業が非重複となるように、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。図3に示す時刻t0~時刻t1(時間帯T1)において作業者u1の供給作業のエリア(供給対象の装置)と搬送ロボット20の供給作業のエリアとが重複することが考えられる。この場合、生成部313は、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれが実装ライン10における同一の供給作業のエリアで供給作業が非重複となるように、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。すなわち、生成部313は、1人以上の作業者u1のそれぞれ及び1つ以上の搬送ロボット20のそれぞれが同一の供給作業のエリアで供給作業が非重複となるように、1人以上の作業者u1のそれぞれ及び1つ以上の搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。例えば、1人の作業者u1及び1つの搬送ロボット20に対して作業指示情報を生成する場合、生成部313は、1人の作業者u1及び1つの搬送ロボット20のそれぞれに対して、同一の供給作業のエリアで供給作業が非重複となるように作業指示情報を生成する。すなわち、生成部313は、同一のマウント装置での異なる供給時刻に対して、異なるタグを対応付ける。これにより、生成部313は、同一のマウンド装置で作業者u1及び搬送ロボット20の双方が供給作業を行う場合、異なる時刻で供給作業を行うように作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成することができる。
【0096】
実装ライン10に4台のマウント装置11B,11C,11E,11Fが設けられている場合を一例として図5を用いて説明する。1人の作業者u1及び1つの搬送ロボット20の双方がマウント装置11Eに対して供給作業を行う場合を想定する。この場合、生成部313は、マウント装置11Eに対する供給作業の時間帯が作業者u1と搬送ロボット20とで異なるように、双方に対して作業指示情報を生成する。例えば、生成部313は、作業者u1に対して、マウント装置11Eでの供給作業を最初に行い、その後、マウント装置11F,11Cでの供給作業を行うように、作業指示情報を生成する。生成部313は、搬送ロボット20に対して、マウント装置11Bでの供給作業を最初に行い、その後、マウント装置11Eでの供給作業を行うように、作業指示情報を生成する。これにより、生成部313は、マウント装置11Eに対する供給作業の時間帯を異ならせることができる。
【0097】
また、作業者u1及び搬送ロボット20のうち一方のみが作業指示対象として決定されている場合には、統合テーブルを分割する必要はない。すなわち、作業者u1及び搬送ロボット20のうち一方のみが作業指示対象として決定されている場合には、生成部313は、統合テーブルを生成することで、作業指示対象に対する作業指示情報を生成する。このとき、各作業指示情報には、同一のタグが対応付けられている。
【0098】
通知部314は、生成部313が決定した作業指示対象に、作業指示情報を通知する。すなわち、通知部314は、作業指示情報を、作業者u1及び搬送ロボット20に通知する。より詳細には、通知部314は、作業指示情報を、1人以上の作業者u1及び1つ以上の搬送ロボット20のうち少なくともいずれかに通知する。
【0099】
通知部314は、生成部313が作業者u1に対して生成した作業指示情報を作業者u1が所持する情報端末50に送信する。通知部314は、生成部313が搬送ロボット20に対して生成した作業指示情報を搬送ロボット20に第2制御装置32を介して送信する。
【0100】
通知部314は、作業者u1及び搬送ロボット20の双方が作業指示対象として決定されている場合には、分割後のテーブルのそれぞれに含まれる作業対象を通知先として、対応する分割後のテーブルに含まれ、かつ当該通知先に対応する1つ以上の作業指示情報のすべてを送信する。通知部314は、作業者u1及び搬送ロボット20のうち一方のみが作業指示対象として決定されている場合には、統合テーブルに含まれる作業対象を通知先として、統合テーブルに含まれ、かつ当該通知先に対応する1つ以上の作業指示情報のすべてを送信する。
【0101】
(3)動作
以下、作業管理システム1としての管理装置30の動作について、図6を用いて説明する。
【0102】
取得部311は、作業者u1のスプライシング効率及び搬送ロボット20のスプライシング効率を部品ごとに記憶部303から取得する(ステップS1)。
【0103】
取得部311は、実装ライン10において生産対象(ここでは、基板)に実装される部品に関する部品データ、及び実装ライン10において部品を収容可能な収容数を取得する(ステップS2)。
【0104】
設定部312は、設定処理を行う(ステップS3)。設定部312は、部品データと部品の収容数とから実装ライン10への部品の供給作業を行う対象として作業者u1と搬送ロボット20の少なくとも一方を設定する。より詳細には、設定部312は、作業者u1の数及び搬送ロボット20の数を設定する。具体的には、設定部312は、表3に示すように、時間帯T1~T5ごとに、供給指示対象を設定する。
【0105】
生成部313は、部品データと部品の収容数とから部品の供給タイミングを算出する(ステップS4)。
【0106】
生成部313は、供給タイミングを基に部品の供給時刻を含む作業指示情報を作成する(ステップS5)。生成部313は、交換するリール数(供給数)と、作業者u1のスプライシング効率及び搬送ロボット20のスプライシング効率とを基に、作業者u1及び搬送ロボット20のうち少なくとも一方を供給指示対象として割り当てる。作業者u1及び搬送ロボット20の双方が供給指示対象として割り当てられている場合には、生成部313は、供給作業が時間的に重なる作業を異なるテーブルに含むようにタグ付けを行う。より詳細には、生成部313は、各部品に対する1つ以上の供給タイミングと部品ごとの作業者u1のスプライシング効率及び搬送ロボット20のスプライシング効率とを基に、供給作業が時間的に重なる作業を異なるテーブルに含むようにタグ付けを行い、統合テーブルを生成する。生成部313は、統合テーブルに含まれるタグを基に、統合テーブルを分割することで、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。なお、作業者u1及び搬送ロボット20のうち一方のみが作業指示対象として決定されている場合には、生成部313は、統合テーブルを生成することで、作業指示対象に対する作業指示情報を生成する。
【0107】
通知部314は、通知処理を行う(ステップS6)。通知部314は、生成部313が作業者u1に対して生成した作業指示情報を作業者u1が所持する情報端末50に送信する。通知部314は、生成部313が搬送ロボット20に対して生成した作業指示情報を搬送ロボット20に第2制御装置32を介して送信する。通知部314は、作業者u1及び搬送ロボット20の双方が作業指示対象として決定されている場合には、分割後のテーブルのそれぞれに含まれる作業対象を通知先として、対応する分割後のテーブルに含まれ、かつ当該通知先に対応する1つ以上の作業指示情報のすべてを送信する。通知部314は、作業者u1及び搬送ロボット20のうち一方のみが作業指示対象として決定されている場合には、統合テーブルに含まれる作業対象を通知先として、統合テーブルに含まれ、かつ当該通知先に対応する1つ以上の作業指示情報のすべてを送信する。
【0108】
(4)利点
以上説明したように、本実施形態の作業管理システム1は、取得部311と、設定部312と、生成部313と、を備える。取得部311は、実装ライン10において生産対象(例えば、基板)に実装される部品に関する部品データ、及び実装ライン10において部品を収容可能な収容数を取得する。設定部312は、部品データと部品の収容数とから実装ライン10への部品の供給作業を行う対象として作業者u1と搬送ロボット20の少なくとも一方を設定する。生成部313は、供給作業を行う対象に対して部品の供給を指示する作業指示情報を生成する。生成部313は、部品データと部品の収容数とから部品の供給タイミングを算出し、供給タイミングを基に部品の供給時刻を含む、供給作業を行う対象に対する作業指示情報を作成する。
【0109】
この構成によると、供給作業を行う対象に対する作業指示情報を作成する。例えば、作業管理システム1は、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれに作業指示情報を作成するので、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれの供給時刻を異ならせることができる。その結果、搬送ロボット20の走行ルート上に作業者u1が存在する可能性が低くなる。これにより、搬送ロボット20が作業者u1を障害物として検知する可能性が低くなるので、障害物による停止や移動の規制を少なくすることがきる。
【0110】
(5)変形例
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0111】
(5.1)変形例1
上記実施形態では、搬送ロボット20は、一例としてAGVである構成としているが、この構成に限定さない。
【0112】
搬送ロボット20は、自律走行搬送ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)であってもよい。
【0113】
または、搬送ロボット20は、実装ライン10に併設される供給ロボットであってもよい。
【0114】
(5.2)変形例2
上記実施形態では、管理装置30は、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれのスプライシング効率を、記憶部303に記憶する構成としているが、この構成に限定されない。
【0115】
管理装置30は、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれのスプライシングに関する作業実績(作業時間)を管理し、管理する作業実績を基に、作業者u1及び搬送ロボット20のそれぞれのスプライシング効率を算出してもよい。
【0116】
(5.3)変形例3
統合テーブルを分割した後の各テーブルにおいて、供給順序(作業順序)を含めてもよい。
【0117】
(5.4)変形例4
管理装置30は、部品供給時の作業での作業指示情報を作業者u1及び搬送ロボット20のうち少なくとも一方に対して生成する構成としているが、この構成に限定されない。
【0118】
管理装置30は、トレイ供給、廃棄物回収、基板供給、基板回収、メンテナンス及びフィーダ補充のいずれかにおいて、作業タイミングを算出し、作業者u1及び搬送ロボット20のうち少なくとも一方に対して作業時刻を含む作業指示情報を生成してもよい。
【0119】
(その他の変形例)
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、作業管理システム1と同様の機能は、作業管理方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る作業管理システム1の作業管理方法は、1以上のプロセッサによって実行され、作業管理システム1で用いられる。作業管理方法は、実装ライン10において生産対象に実装される部品に関する部品データ、及び実装ライン10において部品を収容可能な収容数を取得する。作業管理方法は、部品データと部品の収容数とから実装ライン10への部品の供給作業を行う対象として作業者u1と搬送ロボット20の少なくとも一方を設定する。作業管理方法は、部品データと部品の収容数とから部品の供給タイミングを算出する。作業管理方法は、供給タイミングを基に、供給作業を行う対象に対して部品の供給を指示する供給指示情報であって部品の供給時刻を含む、供給作業を行う対象に対する供給指示情報を作成する。一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムを、上述した作業管理システム1又は作業管理システム1の作業管理方法として機能させるためのプログラムである。
【0120】
本開示における作業管理システム1又は作業管理システム1の作業管理方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における作業管理システム1又は作業管理システム1の作業管理方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0121】
また、作業管理システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは作業管理システム1に必須の構成ではなく、作業管理システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、作業管理システム1の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0122】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の作業管理システム(1)は、取得部(311)と、設定部(312)と、生成部(313)と、を備える。取得部(311)は、実装ライン(10)において生産対象(例えば、基板)に実装される部品に関する部品データ、及び実装ライン(10)において部品を収容可能な収容数を取得する。設定部(312)は、部品データと部品の収容数とから実装ライン(10)への部品の供給作業を行う対象として作業者(u1)と搬送ロボット(20)の少なくとも一方を設定する。生成部(313)は、供給作業を行う対象に対して部品の供給を指示する作業指示情報を生成する。生成部(313)は、部品データと部品の収容数とから部品の供給タイミングを算出し、供給タイミングを基に部品の供給時刻を含む、供給作業を行う対象に対する作業指示情報を作成する。
【0123】
この態様によると、供給作業を行う対象に対する作業指示情報を作成する。例えば、作業管理システム(1)は、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれに作業指示情報を作成するので、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれの供給時刻を異ならせることができる。その結果、搬送ロボット(20)の走行ルート上に作業者(u1)が存在する可能性が低くなる。これにより、搬送ロボット(20)が作業者(u1)を障害物として検知する可能性が低くなるので、障害物による停止や移動の規制を少なくすることがきる。
【0124】
第2の態様の作業管理システム(1)では、第1の態様において、設定部(312)は、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)の双方を供給作業を行う対象として、作業者(u1)の数及び搬送ロボット(20)の数を設定する。
【0125】
この態様によると、作業者(u1)の数及び搬送ロボット(20)の数に応じた作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれに対して作業指示情報を作成することができる。
【0126】
第3の態様の作業管理システム(1)では、第2の態様において、設定部(312)は、搬送ロボット(20)について、供給作業を行う対象として設定可能な設定可能数を管理している。設定部(312)は、供給作業を行う対象を設定する際に、設定可能数及び既に供給作業を行う対象として設定された搬送ロボット(20)の数を基に未設定の搬送ロボット(20)が存在する場合には、未設定の搬送ロボット(20)を供給作業を行う対象として優先的に設定する。
【0127】
この態様によると、未設定の搬送ロボット(20)を供給作業を行う対象として優先的に設定するので、供給作業を行う対象として設定する搬送ロボット(20)の偏りを小さくすることができる。
【0128】
第4の態様の作業管理システム(1)では、第1~第3のいずれかの態様において、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれに対して、供給作業が不可である時間帯として互いに異なる作業不可時間帯(例えば、時間帯T2,T4)が設定されている。設定部(312)は、供給作業を行う対象を設定する際に、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)の一方に設定された作業不可時間帯では、他方を供給作業を行う対象として優先的に設定する。
【0129】
この態様によると、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)の一方(作業不可対象)に設定された作業不可時間帯では、他方を供給作業を行う対象として優先的に設定する。そのため、作業不可時間帯では、作業不可対象は確実に供給作業を休止することができる。
【0130】
第5の態様の作業管理システム(1)では、第1~第4のいずれかの態様において、設定部(312)は、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)の双方を、供給作業を行う対象として設定する。生成部(313)は、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)の双方が供給作業を行う対象として設定された時間帯(例えば、時間帯T1,T3,T5)において供給作業が非重複となるように、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。
【0131】
この態様によると、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)の双方が供給作業を行う対象として設定された時間帯において供給作業が非重複となるので、搬送ロボット(20)の走行ルート上に作業者(u1)が存在する可能性が低くなる。これにより、搬送ロボット(20)が作業者(u1)を障害物として検知する可能性が低くなるので、障害物による停止や移動の規制を少なくすることがきる。
【0132】
第6の態様の作業管理システム(1)では、第1~第5のいずれかの態様において、設定部(312)は、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)の双方を、供給作業を行う対象として設定する。生成部(313)は、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)の双方が供給作業を行う対象として設定された時間帯(例えば、時間帯T1,T3,T5)において供給作業が重複する場合には、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれが実装ライン(10)において供給作業を行うエリア(例えば、マウント装置11B,11C,11E,11F)が非重複となるように、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。
【0133】
この態様によると、同一時間帯において供給作業を行うエリアが非重複となるので、搬送ロボット(20)の走行ルート上に作業者(u1)が存在する可能性が低くなる。これにより、搬送ロボット(20)が作業者(u1)を障害物として検知する可能性が低くなるので、障害物による停止や移動の規制を少なくすることがきる。
【0134】
第7の態様の作業管理システム(1)では、第1~第6のいずれかの態様において、設定部(312)は、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)の双方を、供給作業を行う対象として設定する。生成部(313)は、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)の双方が供給作業を行う対象として設定された時間帯において供給作業を行う実装ライン(10)におけるエリア(例えばマウント装置11B,11C,11E,11F)が重複する場合には、当該エリアでの作業者(u1)及び搬送ロボット(20)の互いの供給作業が非重複となるように、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれに対して作業指示情報を生成する。
【0135】
この態様によると、供給作業を行うエリアが重複する場合には、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)の互いの供給作業を行う時間帯を非重複とするので、搬送ロボット(20)の走行ルート上に作業者(u1)が存在する可能性が低くなる。これにより、搬送ロボット(20)が作業者(u1)を障害物として検知する可能性が低くなるので、障害物による停止や移動の規制を少なくすることがきる。
【0136】
第8の態様の作業管理方法は、1以上のプロセッサによって実行され、作業管理システム(1)で用いられる。作業管理方法は、実装ライン(10)において生産対象(例えば、基板)に実装される部品に関する部品データ、及び実装ライン(10)において部品を収容可能な収容数を取得する。作業管理方法は、部品データと部品の収容数とから実装ライン(10)への部品の供給作業を行う対象として作業者(u1)と搬送ロボット(20)の少なくとも一方を設定する。作業管理方法は、部品データと部品の収容数とから部品の供給タイミングを算出する。作業管理方法は、供給タイミングを基に、供給作業を行う対象に対して部品の供給を指示する供給指示情報であって部品の供給時刻を含む、供給作業を行う対象に対する供給指示情報を作成する。
【0137】
この態様によると、供給作業を行う対象に対する作業指示情報を作成する。例えば、作業管理システム(1)は、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれに作業指示情報を作成するので、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれの供給時刻を異ならせることができる。その結果、搬送ロボット(20)の走行ルート上に作業者(u1)が存在する可能性が低くなる。これにより、搬送ロボット(20)が作業者(u1)を障害物として検知する可能性が低くなるので、障害物による停止や移動の規制を少なくすることがきる。
【0138】
第9の態様のプログラムは、第8の態様の作業管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0139】
この態様によると、供給作業を行う対象に対する作業指示情報を作成する。例えば、作業管理システム(1)は、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれに作業指示情報を作成するので、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれの供給時刻を異ならせることができる。その結果、搬送ロボット(20)の走行ルート上に作業者(u1)が存在する可能性が低くなる。これにより、搬送ロボット(20)が作業者(u1)を障害物として検知する可能性が低くなるので、障害物による停止や移動の規制を少なくすることがきる。
【0140】
第10の態様の製造システム(2)は、第1~第7のいずれかの態様の作業管理システム(1)と、部品の供給作業を行う搬送ロボット(20)と、備える。
【0141】
この態様によると、供給作業を行う対象に対する作業指示情報を作成する。例えば、作業管理システム(1)は、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれに作業指示情報を作成するので、作業者(u1)及び搬送ロボット(20)のそれぞれの供給時刻を異ならせることができる。その結果、搬送ロボット(20)の走行ルート上に作業者(u1)が存在する可能性が低くなる。これにより、搬送ロボット(20)が作業者(u1)を障害物として検知する可能性が低くなるので、障害物による停止や移動の規制を少なくすることがきる。
【符号の説明】
【0142】
1 作業管理システム
2 製造システム
10 実装ライン
11B,11C,11E,11F マウント装置
20 搬送ロボット
30 管理装置
311 取得部
312 設定部
313 生成部
u1 作業者
T1,T2,T3,T4,T5 時間帯
図1
図2
図3
図4
図5
図6