(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165160
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】照明制御装置及び照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/17 20200101AFI20241121BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20241121BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20241121BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20241121BHJP
【FI】
H05B47/17
H05B47/18
H05B47/105
H05B45/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081074
(22)【出願日】2023-05-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年(2022年)6月 本件出願に係る製品を販売することにより公開
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 一茂
(72)【発明者】
【氏名】土井 勝之
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 諒
(72)【発明者】
【氏名】吉本 裕司
(72)【発明者】
【氏名】楠田 駿
(72)【発明者】
【氏名】重松 大輝
(72)【発明者】
【氏名】松田 勇介
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA08
3K273QA25
3K273QA29
3K273RA13
3K273SA08
3K273SA32
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA08
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA52
3K273TA62
3K273UA21
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA27
3K273UA29
(57)【要約】
【課題】本開示は、照明制御装置が備える端子の個数を抑制することを目的とする。
【解決手段】照明制御装置101は、少なくとも2つの入力端子2と、主回路M1と、制御回路80と、を備える。少なくとも2つの入力端子2には、電源PS1から入力電圧が印加される。主回路M1は、少なくとも2つの入力端子2に印加された入力電圧から、光源102に供給する電力を生成する。制御回路80は、主回路M1が光源102に供給する電力を制御する。入力電圧の大きさが主回路M1の動作電圧の範囲内のとき、制御回路80は少なくとも2つの入力端子2に印加される入力電圧の大きさに応じて、少なくとも2つの動作モードを切り替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から入力電圧が印加される少なくとも2つの入力端子と、
前記少なくとも2つの入力端子に印加された前記入力電圧から、光源に供給する電力を生成する主回路と、
前記主回路が前記光源に供給する前記電力を制御する制御回路と、を備え、
前記入力電圧の大きさが前記主回路の動作電圧の範囲内のとき、前記制御回路は前記少なくとも2つの入力端子に印加される前記入力電圧の大きさに応じて、少なくとも2つの動作モードを切り替える、
照明制御装置。
【請求項2】
少なくとも2つの制御端子を更に備え、
前記制御回路は、記憶部を有し、
前記少なくとも2つの動作モードは、
前記少なくとも2つの制御端子に入力された設定信号に基づいて前記主回路の制御パターンを決定し、決定した前記制御パターンを前記記憶部に記憶する通信モードと、
前記記憶部に記憶された前記制御パターンに基づいて、前記主回路から前記光源へ前記電力を供給させる制御を行う点灯モードと、を含む、
請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記少なくとも2つの入力端子に印加される前記入力電圧の大きさが所定範囲内の大きさのとき、前記通信モードの動作を行い、
前記所定範囲の下限値は、100Vよりも大きく、
前記所定範囲の上限値は、200Vよりも小さい、
請求項2に記載の照明制御装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記点灯モードにおいて、調光信号に基づいて、前記光源に供給する電流を上限電流値と下限電流値との間で変動させる調光制御を行い、
前記制御回路は、前記通信モードにおいて、前記少なくとも2つの制御端子に入力された前記設定信号に基づいて、前記上限電流値と前記下限電流値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を前記記憶部に記憶する、
請求項2に記載の照明制御装置。
【請求項5】
前記制御回路は、前記点灯モードにおいて、調光信号に基づいて、前記光源に供給する電圧を上限電圧値と下限電圧値との間で変動させる調光制御を行い、
前記制御回路は、前記通信モードにおいて、前記少なくとも2つの制御端子に入力された前記設定信号に基づいて、前記上限電圧値と前記下限電圧値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を前記記憶部に記憶する、
請求項2に記載の照明制御装置。
【請求項6】
前記少なくとも2つの制御端子は、調光信号が入力される少なくとも2つの調光端子を含む、
請求項2に記載の照明制御装置。
【請求項7】
調光信号及び設定信号が入力される少なくとも2つの調光端子と、
電源から入力電圧が印加される少なくとも2つの入力端子と、
前記少なくとも2つの入力端子に印加された前記入力電圧から、光源に供給する電力を生成する主回路と、
前記主回路が前記光源に供給する前記電力を制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、所定の電気的変量の設定上限値及び設定下限値を記憶する記憶部を有し、
前記所定の電気的変量は、電流又は電圧であり、
前記制御回路は、前記少なくとも2つの調光端子に入力された前記調光信号に基づいて、前記光源に供給する前記電力の前記所定の電気的変量の大きさを前記設定上限値と前記設定下限値との間で変動させる調光制御を行い、
前記制御回路は、前記少なくとも2つの調光端子に入力された前記設定信号に基づいて、前記設定上限値と前記設定下限値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を前記記憶部に記憶する、
照明制御装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の照明制御装置と、
前記光源と、を備える、
照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に照明制御装置及び照明装置に関し、より詳細には、光源に電力を供給する照明制御装置及びこの照明制御装置を備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の非常用照明装置は、放電灯と、二次電池と、非常用インバータと、常用電子バラストと、切替回路とから構成される。非常用インバータは、二次電池を電源として放電灯を点灯させる。常用電子バラストは、商用電源を電源として放電灯を点灯させる。切替回路は、商用電源電圧が所定の閾値以下になったことを検知して上記放電灯を常用電子バラスト出力側から非常用インバータ出力側へ切り替えるとともに非常用インバータを動作開始させる。所定の閾値は、常用電子バラストの複数の定格入力電圧のうち最も低い定格値の40%以上85%以下の範囲に設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、照明制御装置が備える端子の個数を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る照明制御装置は、少なくとも2つの入力端子と、主回路と、制御回路と、を備える。前記少なくとも2つの入力端子には、電源から入力電圧が印加される。前記主回路は、前記少なくとも2つの入力端子に印加された前記入力電圧から、光源に供給する電力を生成する。前記制御回路は、前記主回路が前記光源に供給する前記電力を制御する。前記入力電圧の大きさが前記主回路の動作電圧の範囲内のとき、前記制御回路は前記少なくとも2つの入力端子に印加される前記入力電圧の大きさに応じて、少なくとも2つの動作モードを切り替える。
【0006】
本開示の別の一態様に係る照明制御装置は、少なくとも2つの調光端子と、少なくとも2つの入力端子と、主回路と、制御回路と、を備える。前記少なくとも2つの調光端子には、調光信号及び設定信号が入力される。前記少なくとも2つの入力端子には、電源から入力電圧が印加される。前記主回路は、前記少なくとも2つの入力端子に印加された前記入力電圧から、光源に供給する電力を生成する。前記制御回路は、前記主回路が前記光源に供給する前記電力を制御する。前記制御回路は、所定の電気的変量の設定上限値及び設定下限値を記憶する記憶部を有する。前記所定の電気的変量は、電流又は電圧である。前記制御回路は、前記少なくとも2つの調光端子に入力された前記調光信号に基づいて、前記光源に供給する前記電力の前記所定の電気的変量の大きさを前記設定上限値と前記設定下限値との間で変動させる調光制御を行う。前記制御回路は、前記少なくとも2つの調光端子に入力された前記設定信号に基づいて、前記設定上限値と前記設定下限値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を前記記憶部に記憶する。
【0007】
本開示の一態様に係る照明装置は、上記のいずれかの態様に係る照明制御装置と、前記光源と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、照明制御装置が備える端子の個数を抑制できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る照明装置の回路ブロック図であり、照明装置が商用電源に接続された状態を表す。
【
図2】
図2は、同上の照明装置の回路ブロック図であり、照明装置が設定用電源に接続された状態を表す。
【
図3】
図3は、同上の照明装置の第1動作例を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
以下、実施形態に係る照明制御装置101及び照明装置100について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0011】
(概要)
図1に示すように、本実施形態の照明装置100は、照明制御装置101と、光源102と、を備える。
【0012】
本実施形態の照明制御装置101は、少なくとも2つの入力端子2と、主回路M1と、制御回路80と、を備える。少なくとも2つの入力端子2には、電源PS1から入力電圧が印加される。主回路M1は、少なくとも2つの入力端子2に印加された入力電圧から、光源102に供給する電力を生成する。制御回路80は、主回路M1が光源102に供給する電力を制御する。入力電圧の大きさが主回路M1の動作電圧の範囲内のとき、制御回路80は少なくとも2つの入力端子2に印加される入力電圧の大きさに応じて、少なくとも2つの動作モードを切り替える。
【0013】
上記の構成によれば、少なくとも2つの入力端子2を、少なくとも2つの動作モードを切り替える信号を入力するための端子として用いることができる。そのため、照明制御装置101が備える端子の個数を抑制できる。
【0014】
また、本実施形態の照明制御装置101は、少なくとも2つの調光端子3と、少なくとも2つの入力端子2と、主回路M1と、制御回路80と、を備える。少なくとも2つの調光端子3には、調光信号S1及び設定信号S2(
図2参照)が入力される。少なくとも2つの入力端子2には、電源PS1から入力電圧が印加される。主回路M1は、少なくとも2つの入力端子2に印加された入力電圧から、光源102に供給する電力を生成する。制御回路80は、主回路M1が光源102に供給する電力を制御する。制御回路80は、所定の電気的変量の設定上限値及び設定下限値を記憶する記憶部802を有する。所定の電気的変量は、電流又は電圧である。制御回路80は、少なくとも2つの調光端子3に入力された調光信号S1に基づいて、光源102に供給する電力の所定の電気的変量の大きさを設定上限値と設定下限値との間で変動させる調光制御を行う。制御回路80は、少なくとも2つの調光端子3に入力された設定信号S2に基づいて、設定上限値と設定下限値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を記憶部802に記憶する。
【0015】
上記の構成によれば、少なくとも2つの調光端子3を、調光信号S1が入力される端子としてだけではなく、設定信号S2が入力される端子としても使用できる。そのため、照明制御装置101が備える端子の個数を抑制できる。
【0016】
(詳細)
(1)全体構成
以下、本実施形態の照明制御装置101及び照明装置100について、より詳細に説明する。
【0017】
上述の通り、照明装置100は、照明制御装置101と、光源102と、を備える。また、照明装置100は、筐体を更に備え、筐体は、照明制御装置101を収容し、光源102を保持する。
【0018】
光源102は、例えば、1つ以上の発光ダイオード素子、1つ以上の有機エレクトロルミネッセンス素子、又は、1つ以上のレーザダイオード素子を含む。光源102は、照明制御装置101から電力の供給を受けて点灯する。
【0019】
照明装置100が所定の場所に設置されて、周囲を照らすために使用されるとき、
図1に示すように、照明制御装置101は、電源PS1と、調光器103と、に電気的に接続される。
【0020】
照明制御装置101は、電源PS1から供給される電力を変換することにより、光源102を点灯させるための電力を生成し、光源102に供給する。電源PS1は、例えば、商用電源である。ただし、電源PS1は、例えば、分散型電源であってもよい。また、電源PS1は、自家発電システムを含んでいてもよい。電源PS1は、蓄電システムを含んでいてもよい。
【0021】
調光器103は、光源102を調光するための調光信号S1を、照明制御装置101の2つの調光端子3に入力する。調光信号S1は、デジタル信号である。
【0022】
また、照明装置100の製造工程等において、
図2に示すように、照明装置100は、設定用電源104と、設定装置105と、に電気的に接続される。
【0023】
設定用電源104は、所定の電圧を、照明装置100の2つの入力端子2に印加する。所定の電圧は、電源PS1が2つの入力端子2に印加する入力電圧と異なる大きさの電圧である。所定の電圧は、例えば、150Vである。本実施形態の電源PS1は、単相2線式又は単相3線式の配電方式により電力を供給する電源であり、電源PS1が2つの入力端子2に印加する入力電圧の大きさは、例えば、100V又は200Vである。
【0024】
設定用電源104は、例えば、AC/ACコンバータを含み、電源PS1に電気的に接続される。設定用電源104は、電源PS1から設定用電源104に印加される電圧を上記所定の電圧に変換して、所定の電圧を、照明装置100の2つの入力端子2に印加する。
【0025】
設定装置105は、設定信号S2を、照明制御装置101の2つの調光端子3に入力する。設定装置105は、例えば、コンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、例えば、ユーザの操作を受け付ける操作部を備え、操作部に対するユーザの操作に応じて生成した設定信号S2を、2つの調光端子3に入力する。設定信号S2は、デジタル信号である。
【0026】
(2)照明制御装置
次に、照明制御装置101の回路構成について説明する。なお、
図1に示す回路構成は、一例に過ぎず、適宜変更が可能である。例えば、いくつかの電子部品が適宜追加又は省略されてもよい。
【0027】
図1に示すように、照明制御装置101は、2つの入力端子2と、2つの調光端子3と、2つの出力端子4と、を備える。また、照明制御装置101は、コンデンサ51と、コモンモードノイズフィルタ52と、整流回路53と、ダイオード54と、ダイオード55と、抵抗器56と、ダイオード57と、抵抗器58と、コンデンサ59と、を備える。さらに、照明制御装置101は、主回路M1と、第1制御回路81と、第2制御回路82と、制御電源供給回路9と、を備える。
【0028】
以下では、2つの入力端子2をそれぞれ、入力端子21、入力端子22と呼ぶ場合がある。また、2つの調光端子3をそれぞれ、調光端子31、調光端子32と呼ぶ場合がある。また、2つの出力端子4をそれぞれ、出力端子41、出力端子42と呼ぶ場合がある。
【0029】
コンデンサ51の第1端は、入力端子21に電気的に接続されている。コンデンサ51の第2端は、入力端子22に電気的に接続されている。コンデンサ51は、2つの入力端子2に印加された入力電圧のノイズを低減するために設けられている。
【0030】
コモンモードノイズフィルタ52は、コンデンサ51の後段(すなわち、コンデンサ51から見て2つの出力端子41、42側)に設けられている。コモンモードノイズフィルタ52は、2つの入力端子2に印加された入力電圧のコモンモードノイズを除去するために設けられている。
【0031】
整流回路53は、コモンモードノイズフィルタ52の後段に設けられている。整流回路53は、2つの入力端子2に印加された入力電圧を整流する。整流回路53は、全波整流回路であってもよいし、半波整流回路であってもよい。
【0032】
主回路M1は、第1主回路6と、第2主回路7と、を有する。
【0033】
第1主回路6は、降圧コンバータ回路である。第1主回路6は、コンデンサ61と、第1スイッチ62と、抵抗器63と、ダイオード64と、インダクタ65と、インダクタ66と、コンデンサ67と、を含む。
【0034】
コンデンサ61は、整流回路53の後段に設けられている。コンデンサ61は、整流回路53の2つの出力端子の間に電気的に接続されている。整流回路53の出力電流(脈流)は、第1主回路6のコンデンサ61で平滑化されることで、直流電流となる。
【0035】
ダイオード64は、コンデンサ61の後段に設けられている。ダイオード64の第1端(カソード側の端)は、コンデンサ61の第1端に電気的に接続されている。ダイオード64の第2端(アノード側の端)は、コンデンサ61の第2端に電気的に接続されている。
【0036】
抵抗器63は、第1スイッチ62と直列に接続されている。第1スイッチ62及び抵抗器63は、コンデンサ61の第1端と、ダイオード64の第1端と、の間に電気的に接続されている。第1スイッチ62は、例えば、半導体スイッチである。第1スイッチ62は、第1制御回路81の制御によりオンオフされる。
【0037】
コンデンサ67は、ダイオード64の後段に設けられている。コンデンサ67の第1端は、ダイオード64の第1端に電気的に接続されている。コンデンサ67の第2端は、ダイオード64の第2端に電気的に接続されている。
【0038】
インダクタ65は、ダイオード64の第1端と、コンデンサ67の第1端と、の間に電気的に接続されている。インダクタ66は、第1制御回路81に電気的に接続されている。インダクタ65とインダクタ66とは、磁気的に結合している。
【0039】
コンデンサ67の第1端は、出力端子41に電気的に接続されている。コンデンサ67の第2端は、出力端子42に電気的に接続されている。光源102は、出力端子41と出力端子42との間に電気的に接続されている。
【0040】
第2主回路7は、定電流回路である。第2主回路7は、光源102と直列に接続されている。第2主回路7は、抵抗器71と、第2スイッチ72と、を含む。抵抗器71は、第2スイッチ72と直列に接続されている。抵抗器71及び第2スイッチ72は、コンデンサ67の第2端と、出力端子42と、の間に電気的に接続されている。第2スイッチ72は、例えば、半導体スイッチである。第2スイッチ72は、第2制御回路82の制御によりオンオフされる。
【0041】
ダイオード54のアノードは、コモンモードノイズフィルタ52を介して入力端子21に電気的に接続されている。ダイオード55のアノードは、コモンモードノイズフィルタ52を介して入力端子22に電気的に接続されている。ダイオード54、55の各々のカソードは、抵抗器56を介して第2制御回路82に電気的に接続されている。これにより、第2制御回路82は、2つの入力端子2に入力された入力電圧(交流電圧)の大きさを検出する。
【0042】
インダクタ66の第1端は、ダイオード57と抵抗器58との直列回路を介して、第1制御回路81の第1端子に電気的に接続されている。インダクタ66の第2端は、第1制御回路81の第2端子に電気的に接続されている。第1制御回路81の第1端子と第2端子との間には、コンデンサ59が電気的に接続されている。第1制御回路81は、第1主回路6の出力電流を、インダクタ66により検出する。
【0043】
第1制御回路81は、整流回路53から出力される電圧を電源電圧として用いて動作する。第1制御回路81は、例えば、ICを含む。第1制御回路81は、第1処理部811と、第1記憶部812と、を有する。第1処理部811は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサである。第1記憶部812は、コンピュータプログラム等を記憶する不揮発性の記憶装置である。第1処理部811がコンピュータプログラムを実行することにより、第1制御回路81の機能が実現される。
【0044】
第1制御回路81は、第1主回路6の電圧をフィードバックすることで、第1主回路6を定電圧制御する。より詳細には、第1制御回路81は、第1主回路6の電圧の大きさに応じて第1スイッチ62のオンオフを制御することで、第1主回路6を定電圧制御する。これにより、第1主回路6は、2つの出力端子41、42の間に印加する電圧が電圧目標値となるように制御される。より詳細には、第1主回路6は、第1制御回路81によりPWM(Pulse Width Modulation)制御される。第1制御回路81は、第1主回路6の出力電圧の平均値が電圧目標値となるように、第1主回路6の出力電圧のデューティ比を制御する。
【0045】
制御電源供給回路9は、第1主回路6の出力電圧から、第2制御回路82の電源電圧を生成する。すなわち、第2制御回路82は、制御電源供給回路9から出力される電圧を電源電圧として用いて動作する。第2制御回路82は、例えば、ICを含む。第2制御回路82は、第2処理部821と、第2記憶部822と、を有する。第2処理部821は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサである。第2記憶部822は、コンピュータプログラム等を記憶する不揮発性の記憶装置である。第2処理部821がコンピュータプログラムを実行することにより、第2制御回路82の機能が実現される。
【0046】
第2制御回路82は、第2主回路7に流れる電流をフィードバックすることで、第2主回路7を定電流制御する。より詳細には、第2制御回路82は、第2主回路7に流れる電流の大きさに応じて第2スイッチ72のオンオフを制御することで、第2主回路7を定電流制御する。これにより、第2主回路7は、2つの出力端子41、42を介して光源102に供給する電流の大きさが電流目標値となるように制御される。
【0047】
2つの調光端子3の各々は、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)の規格に対応した通信を行う。2つの調光端子3の各々は、調光信号S1が入力される端子である。また、各調光端子3は、制御端子3Xを兼ねている。すなわち、照明制御装置101は、2つの制御端子3Xを備える。2つの制御端子3Xの各々は、設定信号S2(
図2参照)が入力される端子である。
【0048】
2つの調光端子3は、第2制御回路82に電気的に接続されている。第2制御回路82は、2つの調光端子3を介して、調光信号S1及び設定信号S2(
図2参照)を取得する。
【0049】
本開示では、第1制御回路81と第2制御回路82とをまとめて、制御回路80と呼ぶ。第1制御回路81と第2制御回路82とは、通信により、各々が持つ情報を共有することができる。
【0050】
制御回路80は、処理部801と、記憶部802を有する。すなわち、第1制御回路81が、処理部801として第1処理部811を有し、記憶部802として第1記憶部812を有する。また、第2制御回路82が、処理部801として第2処理部821を有し、記憶部802として第2記憶部822を有する。
【0051】
制御回路80は、互いに切替え可能な2つの動作モードを有する。2つの動作モードは、通信モードと、点灯モードと、である。通信モードは、2つの制御端子3Xに入力された設定信号S2に基づいて主回路M1の制御パターンを決定し、決定した制御パターンを記憶部802に記憶する動作モードである。点灯モードは、記憶部802に記憶された制御パターンに基づいて、主回路M1から光源102へ電力を供給させる制御を行う動作モードである。
【0052】
0Vは、主回路M1の動作電圧の範囲外である。主回路M1の動作電圧の範囲は、例えば、80V以上300V未満である。2つの入力端子2に印加される入力電圧の大きさが主回路M1の動作電圧の範囲内であれば、主回路M1が正常に動作し、光源102を点灯させることができる。主回路M1の動作電圧の範囲は、例えば、主回路M1及び光源102の耐電圧、及び、光源102が点灯するために必要な最小の電圧等によって決まる。
【0053】
2つの入力端子2に印加される入力電圧の大きさが主回路M1の動作電圧の範囲内のとき、制御回路80は2つの入力端子2に印加される入力電圧の大きさに応じて、通信モードと点灯モードとを切り替える。より詳細には、制御回路80は、入力電圧の大きさが所定範囲内の大きさのとき、通信モードの動作を行い、その他のとき、点灯モードの動作を行う。所定範囲の下限値は、100Vよりも大きいことが好ましい。所定範囲の上限値は、200Vよりも小さいことが好ましい。以下では、一例として、所定範囲の下限値が140Vであり、所定範囲の上限値が160Vであるとする。すなわち、入力電圧の大きさが140Vより大きく、160V未満のとき、制御回路80は通信モードの動作を行う。入力電圧の大きさが140V以下、又は、160V以上のとき、制御回路80は点灯モードの動作を行う。
【0054】
通信モードにおいて、制御回路80は、2つの制御端子3Xに入力された設定信号S2に基づいて主回路M1の制御パターンを決定する。制御パターンは、光源102の調光に関する。以下では、一例として、「制御回路80が制御パターンを決定する」とは、照明制御装置101から光源102に供給される電力に関する所定の電気的変量の最大値(設定上限値)と最小値(設定下限値)とのうち少なくとも一方を決定することである場合について説明する。所定の電気的変量は、電流又は電圧である。所定の電気的変量が電流の場合は、設定上限値を上限電流値と呼び、設定下限値を下限電流値と呼ぶ。所定の電気的変量が電圧の場合は、設定上限値を上限電圧値と呼び、設定下限値を下限電圧値と呼ぶ。
【0055】
所定の電気的変量が電流である場合は、制御回路80は、点灯モードにおいて、調光信号S1に基づいて、光源102に供給する電流を上限電流値と下限電流値との間で変動させる調光制御を行う。さらに、制御回路80は、通信モードにおいて、2つの制御端子3Xに入力された設定信号S2に基づいて、上限電流値と下限電流値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を記憶部802に記憶する。つまり、点灯モードでは、制御回路80の処理部801は、記憶部802に記憶された上限電流値及び下限電流値を読み出し、読み出した値に基づいて調光制御を行う。通信モードでは、記憶部802に記憶された上限電流値及び/又は下限電流値が更新される。
【0056】
所定の電気的変量が電圧である場合は、制御回路80は、点灯モードにおいて、調光信号S1に基づいて、光源102に供給する電圧を上限電圧値と下限電圧値との間で変動させる調光制御を行う。さらに、制御回路80は、通信モードにおいて、2つの制御端子3Xに入力された設定信号S2に基づいて、上限電圧値と下限電圧値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を記憶部802に記憶する。つまり、点灯モードでは、制御回路80の処理部801は、記憶部802に記憶された上限電圧値及び下限電圧値を読み出し、読み出した値に基づいて調光制御を行う。通信モードでは、記憶部802に記憶された上限電圧値及び/又は下限電圧値が更新される。
【0057】
このように、点灯モードでは制御回路80は、2つの調光端子3に入力された信号を調光信号S1として処理し、通信モードでは制御回路80は、2つの調光端子3に入力された信号を、主回路M1の制御パターンを決定するための設定信号S2として処理する。よって、2つの調光端子3に或る信号を入力した場合に、制御回路80の動作モードが点灯モードのときと通信モードのときとでは、制御回路80の応答が異なる。
【0058】
(3)第1動作例
次に、照明装置100の第1動作例について、
図3を参照して説明する。照明制御装置101は、設定信号S2に基づいて、所定の電気的変量の設定上限値及び設定下限値を設定する。所定の電気的変量は、電流又は電圧である。第1動作例では、所定の電気的変量が電圧である場合を想定して説明する。
【0059】
照明装置100は、定期的に、2つの入力端子2に印加されている電圧の大きさを評価する(ステップST1)。入力電圧の大きさが140Vより大きく、160V未満のとき、制御回路80は通信モードの動作を行う(ステップST2)。入力電圧の大きさが140V以下、又は、160V以上のとき、制御回路80は点灯モードの動作を行う(ステップST7)。
【0060】
通信モードにおいて、2つの制御端子3Xに設定信号S2が入力されると(ステップST3:Yes)、制御回路80は、設定信号S2に基づいて、上限電圧値と下限電圧値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を記憶部802に記憶する(ステップST4)。すなわち、設定信号S2には、上限電圧値と下限電圧値とのうち少なくとも一方を指定する情報が含まれており、この値を、制御回路80は、記憶部802に記憶する。
【0061】
調光信号S1には、光源102の調光率を指定する情報が含まれている。点灯モードにおいて、2つの調光端子3に調光信号S1が入力されると(ステップST8:Yes)、制御回路80は、調光信号S1により示された調光率を、記憶部802に記憶する(ステップST9)。
【0062】
通信モード及び点灯モードの各々において、制御回路80の処理部801は、記憶部802に記憶された調光率、上限電圧値及び下限電圧値を読み出し、読み出した値に基づいて電圧目標値を決定し、定電圧制御を行う(ステップST5、ST6)。例えば、記憶部802には、調光率、上限電圧値及び下限電圧値と電圧目標値との対応関係を示す数式又はデータテーブルが記憶されており、制御回路80は、数式又はデータテーブルに基づいて電圧目標値を求める。
【0063】
ここで、調光率が一定のとき、記憶部802に記憶された上限電圧値が大きいほど、電圧目標値は大きくなる。また、調光率が一定のとき、記憶部802に記憶された下限電圧値が大きいほど、電圧目標値は大きくなる。
【0064】
電圧目標値をVt、調光率をDim(0≦Dim≦1)、下限電圧値をVmin、上限電圧値をVmaxとすると、電圧目標値Vtは、例えば、次式で求められる。
[数1]
Vt=Vmin+(Vmax-Vmin)×Dim
【0065】
通信モードにおいて、2つの制御端子3Xに設定信号S2が入力されなかった場合は(ステップST3:No)、記憶部802に記憶された上限電圧値と下限電圧値とを更新することなく、制御回路80の処理部801は、記憶部802に記憶された調光率、上限電圧値及び下限電圧値を読み出し、読み出した値に基づいて電圧目標値を決定し、定電圧制御を行う(ステップST5、ST6)。なお、設定信号S2が1度も入力されていない場合は、処理部801は、記憶部802に記憶された上限電圧値及び下限電圧値の初期値を読み出す。
【0066】
点灯モードにおいて、2つの調光端子3に調光信号S1が入力されなかった場合は(ステップST8:No)、記憶部802に記憶された調光率を更新することなく、制御回路80の処理部801は、記憶部802に記憶された調光率、上限電圧値及び下限電圧値を読み出し、読み出した値に基づいて電圧目標値を決定し、定電圧制御を行う(ステップST5、ST6)。なお、調光信号S1が1度も入力されていない場合は、処理部801は、記憶部802に記憶された調光率の初期値を読み出す。
【0067】
(4)第2動作例
次に、照明装置100の第2動作例について説明する。照明制御装置101は、設定信号S2に基づいて、所定の電気的変量の設定上限値及び設定下限値を設定する。所定の電気的変量は、電流又は電圧である。第2動作例では、所定の電気的変量が電流である場合を想定して説明する。なお、以下では第1動作例との相違点のみを説明する。
【0068】
第1動作例における「上限電圧値」、「下限電圧値」、「電圧目標値」、「定電圧制御」はそれぞれ、第2動作例では「上限電流値」、「下限電流値」、「電流目標値」、「定電流制御」に置き換えられる。
【0069】
第2動作例においては、ステップST4では、設定信号S2に基づいて、上限電流値と下限電流値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を記憶部802に記憶する。すなわち、設定信号S2には、上限電流値と下限電流値とのうち少なくとも一方を指定する情報が含まれており、この値を、制御回路80は、記憶部802に記憶する。
【0070】
通信モード及び点灯モードの各々において、制御回路80の処理部801は、記憶部802に記憶された調光率、上限電流値及び下限電流値を読み出し、読み出した値に基づいて電流目標値を決定し、定電流制御を行う(ステップST5、ST6)。
【0071】
ここで、調光率が一定のとき、記憶部802に記憶された上限電流値が大きいほど、電流目標値は大きくなる。また、調光率が一定のとき、記憶部802に記憶された下限電流値が大きいほど、電流目標値は大きくなる。
【0072】
電流目標値をIt、調光率をDim(0≦Dim≦1)、下限電流値をImin、上限電流値をImaxとすると、電流目標値Itは、例えば、次式で求められる。
[数2]
It=Imin+(Imax-Imin)×Dim
【0073】
(5)利点
本実施形態の照明制御装置101では、2つの入力端子2に140V~160Vの電圧を印加することで、制御回路80の動作モードが通信モードに切り替わる。このように、2つの入力端子2を、動作モードの切り替えに使用することができる。よって、2つの入力端子2とは別に、動作モードの切替え用の信号を入力するための端子を照明制御装置101が備える場合と比較して、照明制御装置101が備える端子の個数を抑制できる。また、電源PS1として用いられる商用電源の電圧は、100V前後又は200V前後であって、通常は140V~160Vとはならない。そのため、誤って動作モードが切り替わる可能性は低い。
【0074】
例えば、照明制御装置101の製造工程において、照明制御装置101に設定用電源104が接続され、設定用電源104から2つの入力端子2に140V~160Vの電圧が印加される。これにより、制御回路80の動作モードが通信モードに切り替わる。ただし、設定用電源104は、照明制御装置101の製造工程に限らず、照明制御装置101がユーザに提供された後で使用されてもよい。
【0075】
通信モードでは、2つの調光端子3に設定信号S2を入力して照明制御装置101の記憶部802に記憶された情報を書き換えることで、主回路M1の制御パターンを変更することができる。したがって、複数の制御パターンと一対一で対応した複数の制御を、1台の照明制御装置101で実現できる。これにより、ユーザにとっての利便性が向上する。例えば、上記複数の制御パターンのうち1つの制御パターンに対応する制御は、光源102に印加する電圧が比較的大きい範囲で光源102を調光する制御であり、別の1つの制御パターンに対応する制御は、光源102に印加する電圧が比較的小さい範囲で光源102を調光する制御である。
【0076】
また、もし、1台の照明制御装置101が1つの制御パターンに対応した制御しか実現できない場合は、メーカーは、複数の制御パターンと一対一で対応した複数種類の照明制御装置101を揃える必要がある。これに対して、本実施形態では、1台の照明制御装置101が、複数の制御パターンと一対一で対応した複数の制御を実現できるので、メーカーが揃えるべき照明制御装置101の種類数を削減できる。
【0077】
また、点灯モードでは2つの調光端子3に調光信号S1を入力する一方で、通信モードでは2つの調光端子3に設定信号S2を入力することができる。すなわち、各調光端子3を、設定信号S2が入力される端子(制御端子3X)と兼用している。これにより、照明制御装置101が備える端子の個数を抑制できる。
【0078】
(変形例)
以下、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。以下では、上述した実施形態の構成を、基本例と呼ぶ。
【0079】
照明装置100は、色温度及び色偏差のうち少なくとも一方が異なる、複数の光源102を備えていてもよい。そして、通信モードにおいて、制御回路80は、1つ1つの光源102ごとの制御パターンを決定し、決定した制御パターンを記憶部802に記憶してもよい。よって、調光率が或る一定の値のときに、光源102ごとに異なる電圧目標値が設定されてもよい。具体的に説明すると、複数の光源のうち第1光源と第2光源とでは、上限電圧値や下限電圧値が異なるので、第1光源の調光率と第2光源の調光率とが同じであっても、第1光源の電圧目標値は第2光源の電圧目標値と異なる値となる([数1]参照)。また、調光率が或る一定の値のときに、光源102ごとに異なる電流目標値が設定されてもよい。
【0080】
調光信号S1は、複数の光源102に対応した複数の調光率を指定する情報を含んでいてもよい。つまり、光源102ごとに異なる調光率が設定されてもよい。
【0081】
基本例では、入力端子2、出力端子4及び調光端子3(制御端子3X)の個数は、それぞれ2つである。ただし、各端子の個数は、3つ以上であってもよい。
【0082】
基本例では、電源PS1は、単相2線式又は単相3線式の配電方式により電力を供給する。ただし、配電方式は、単相2線式又は単相3線式に限定されない。配電方式は、例えば、3相3線式又は3相4線式であってもよい。なお、3相4線式の配電方式を採用する場合に、電源PS1から供給される電圧は例えば242Vである。基本例で説明したように、制御回路80は、入力電圧の大きさが所定範囲内の大きさのとき、通信モードの動作を行い、所定範囲の上限値は200Vよりも小さい。そのため、入力端子2に242Vの電圧が印加されたときは、制御回路80の動作モードは通信モードにはならない。
【0083】
基本例では第1主回路6は、降圧コンバータ回路である。これに対して、第1主回路6は、昇圧コンバータ回路、又は、昇降圧コンバータ回路であってもよい。また、第1主回路6は、SEPIC(Single Ended Primary Inductor Converter)又はフライバックコンバータであってもよい。
【0084】
制御回路80の複数の動作モードは、通信モードと点灯モードとに限定されない。制御回路80の複数の動作モードは、例えば、待機モードを含んでいてもよい。待機モードでは、制御回路80は、第1スイッチ62をオフにする。これにより、制御回路80は、主回路M1の動作を停止させる。例えば、2つの入力端子2に印加される入力電圧の大きさが規定範囲外のときに、制御回路80の動作モードが待機モードとなる。規定範囲は、主回路M1の動作電圧の範囲と一致していてもよいし、異なっていてもよい。規定範囲は、例えば、80V以上300V未満である。あるいは、規定範囲は、例えば、100V以上280V未満である。
【0085】
基本例では、制御回路80の動作モードが点灯モードのときだけではなく、通信モードのときも、制御回路80の制御により光源102が点灯する。これにより、光源102の制御パターンが所望の制御パターンに設定されたか否かを、作業者が確認することができる。ただし、制御回路80の動作モードが通信モードのときに光源102を点灯させることは、必須ではない。
【0086】
調光端子3が制御端子3Xを兼ねていることは、必須ではない。少なくとも2つの調光端子3が、少なくとも2つの制御端子3Xと別に設けられていてもよい。
【0087】
照明制御装置101に接続される電源PS1は、交流電源に限定されず、直流電源であってもよい。電源PS1が直流電源である場合は、例えば、コンデンサ51、コモンモードノイズフィルタ52及び整流回路53が省略される。
【0088】
設定用電源104は、電源PS1の出力電力を変換する装置に限定されない。設定用電源104は、自ら発電する装置であってもよい。あるいは、設定用電源104は、電源PS1とは別の電源の出力電力を変換する装置であってもよい。
【0089】
本開示における照明制御装置101は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における照明制御装置101としての機能の少なくとも一部が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0090】
また、実施形態において、1つの装置に集約されている複数の機能が、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0091】
反対に、実施形態において、複数の装置に分散されている複数の機能が、1つの装置に集約されていてもよい。例えば、第1制御回路81と第2制御回路82とに分散されている複数の機能が、1つの回路に集約されていてもよい。
【0092】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0093】
第1の態様に係る照明制御装置(101)は、少なくとも2つの入力端子(2)と、主回路(M1)と、制御回路(80)と、を備える。少なくとも2つの入力端子(2)には、電源(PS1)から入力電圧が印加される。主回路(M1)は、少なくとも2つの入力端子(2)に印加された入力電圧から、光源(102)に供給する電力を生成する。制御回路(80)は、主回路(M1)が光源(102)に供給する電力を制御する。入力電圧の大きさが主回路(M1)の動作電圧の範囲内のとき、制御回路(80)は少なくとも2つの入力端子(2)に印加される入力電圧の大きさに応じて、少なくとも2つの動作モードを切り替える。
【0094】
上記の構成によれば、少なくとも2つの入力端子(2)を、少なくとも2つの動作モードを切り替える信号を入力するための端子として用いることができる。そのため、照明制御装置(101)が備える端子の個数を抑制できる。
【0095】
また、第2の態様に係る照明制御装置(101)は、第1の態様において、少なくとも2つの制御端子(3X)を更に備える。制御回路(80)は、記憶部(802)を有する。少なくとも2つの動作モードは、通信モードと、点灯モードと、を含む。通信モードでは、制御回路(80)は、少なくとも2つの制御端子(3X)に入力された設定信号(S2)に基づいて主回路(M1)の制御パターンを決定し、決定した制御パターンを記憶部(802)に記憶する。点灯モードでは、制御回路(80)は、記憶部(802)に記憶された制御パターンに基づいて、主回路(M1)から光源(102)へ電力を供給させる制御を行う。
【0096】
上記の構成によれば、1台の照明制御装置(101)が、複数の制御パターンと一対一で対応した複数の制御を実現できる。これにより、ユーザにとっての利便性が向上する。また、もし、照明制御装置(101)が1つの制御パターンに対応した制御しか実現できない場合は、メーカーは、複数の制御パターンと一対一で対応した複数種類の照明制御装置(101)を揃える必要がある。これに対して、上記の構成によれば、メーカーが揃えるべき照明制御装置(101)の種類数を削減できる。
【0097】
また、第3の態様に係る照明制御装置(101)では、第2の態様において、制御回路(80)は、少なくとも2つの入力端子(2)に印加される入力電圧の大きさが所定範囲内の大きさのとき、通信モードの動作を行う。所定範囲の下限値は、100Vよりも大きい。所定範囲の上限値は、200Vよりも小さい。
【0098】
上記の構成によれば、制御回路(80)は、電源(PS1)として用いる商用電源等の電圧と、所定範囲内の電圧とを区別できる。
【0099】
また、第4の態様に係る照明制御装置(101)では、第2又は3の態様において、制御回路(80)は、点灯モードにおいて、調光信号(S1)に基づいて、光源(102)に供給する電流を上限電流値と下限電流値との間で変動させる調光制御を行う。制御回路(80)は、通信モードにおいて、少なくとも2つの制御端子(3X)に入力された設定信号(S2)に基づいて、上限電流値と下限電流値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を記憶部(802)に記憶する。
【0100】
上記の構成によれば、照明制御装置(101)に設定信号(S2)を入力することで、照明制御装置(101)が調光可能な範囲を制御することができる。
【0101】
また、第5の態様に係る照明制御装置(101)では、第2又は3の態様において、制御回路(80)は、点灯モードにおいて、調光信号(S1)に基づいて、光源(102)に供給する電圧を上限電圧値と下限電圧値との間で変動させる調光制御を行う。制御回路(80)は、通信モードにおいて、少なくとも2つの制御端子(3X)に入力された設定信号(S2)に基づいて、上限電圧値と下限電圧値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を記憶部(802)に記憶する。
【0102】
上記の構成によれば、照明制御装置(101)に設定信号(S2)を入力することで、照明制御装置(101)が調光可能な範囲を制御することができる。
【0103】
また、第6の態様に係る照明制御装置(101)では、第2~5の態様のいずれか1つにおいて、少なくとも2つの制御端子(3X)は、調光信号(S1)が入力される少なくとも2つの調光端子(3)を含む。
【0104】
上記の構成によれば、少なくとも2つの調光端子(3)を、調光信号(S1)が入力される端子としてだけではなく、設定信号(S2)が入力される端子としても使用できる。そのため、照明制御装置(101)が備える端子の個数を抑制できる。
【0105】
また、第7の態様に係る照明制御装置(101)は、少なくとも2つの調光端子(3)と、少なくとも2つの入力端子(2)と、主回路(M1)と、制御回路(80)と、を備える。少なくとも2つの調光端子(3)には、調光信号(S1)及び設定信号(S2)が入力される。少なくとも2つの入力端子(2)には、電源(PS1)から入力電圧が印加される。主回路(M1)は、少なくとも2つの入力端子(2)に印加された入力電圧から、光源(102)に供給する電力を生成する。制御回路(80)は、主回路(M1)が光源(102)に供給する電力を制御する。制御回路(80)は、所定の電気的変量の設定上限値及び設定下限値を記憶する記憶部(802)を有する。所定の電気的変量は、電流又は電圧である。制御回路(80)は、少なくとも2つの調光端子(3)に入力された調光信号(S1)に基づいて、光源(102)に供給する電力の所定の電気的変量の大きさを設定上限値と設定下限値との間で変動させる調光制御を行う。制御回路(80)は、少なくとも2つの調光端子(3)に入力された設定信号(S2)に基づいて、設定上限値と設定下限値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を記憶部(802)に記憶する。
【0106】
上記の構成によれば、少なくとも2つの調光端子(3)を、調光信号(S1)が入力される端子としてだけではなく、設定信号(S2)が入力される端子としても使用できる。そのため、照明制御装置(101)が備える端子の個数を抑制できる。
【0107】
第7の態様においては、制御回路(80)が少なくとも2つの入力端子(2)に印加される入力電圧の大きさに応じて、少なくとも2つの動作モードを切り替えることは、必須ではない。そのため、例えば、制御回路(80)の動作モードが点灯モードのときに、少なくとも2つの調光端子(3)に設定信号(S2)が入力されると、制御回路(80)は、設定信号(S2)に基づいて、設定上限値と設定下限値とのうち少なくとも一方を決定し、決定した値を記憶部(802)に記憶してもよい。さらに、制御回路(80)の動作モードが点灯モードのときに、少なくとも2つの調光端子(3)に調光信号(S1)が入力されると、制御回路(80)は、調光信号(S1)に基づいて調光制御を行ってもよい。制御回路(80)は、調光信号(S1)又は設定信号(S2)に含まれる情報に基づいて、調光信号(S1)と設定信号(S2)とを識別する。制御回路(80)の動作モードは、常に点灯モードであってもよいし、制御回路(80)の動作モードが、例えば、点灯モードと、上述の待機モードと、の間で切り替わってもよい。制御回路(80)は、複数の動作モードを、少なくとも2つの入力端子(2)に印加される入力電圧の大きさに応じて切り替えてもよいし、例えば、ユーザの操作に応じて切り替えてもよい。
【0108】
第1又は7の態様以外の構成については、照明制御装置(101)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0109】
また、第8の態様に係る照明装置(100)は、第1~7の態様のいずれか1つに係る照明制御装置(101)と、光源(102)と、を備える。
【0110】
上記の構成によれば、少なくとも2つの入力端子(2)を、少なくとも2つの動作モードを切り替える信号を入力するための端子として用いることができる。そのため、照明制御装置(101)が備える端子の個数を抑制できる。
【符号の説明】
【0111】
2 入力端子
3 調光端子
3X 制御端子
80 制御回路
802 記憶部
100 照明装置
101 照明制御装置
102 光源
M1 主回路
PS1 電源
S1 調光信号
S2 設定信号