(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165162
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】点灯装置
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20241121BHJP
H05B 45/30 20200101ALI20241121BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20241121BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
F21V23/00 130
H05B45/30
H05K7/14 B
H05K1/02 N
H05K1/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081076
(22)【出願日】2023-05-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年(2022年)6月 本件出願に係る製品を販売することにより公開
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠田 駿
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 一茂
(72)【発明者】
【氏名】土井 勝之
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 諒
(72)【発明者】
【氏名】吉本 裕司
(72)【発明者】
【氏名】重松 大輝
(72)【発明者】
【氏名】松田 勇介
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
5E338
5E348
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K273AA10
3K273BA26
3K273BA30
3K273BA34
3K273CA02
3K273FA14
3K273FA33
3K273GA02
3K273GA12
3K273HA02
3K273HA12
3K273HA15
3K273HA17
5E338CC06
5E338CC07
5E338CD11
5E338EE13
5E348AA02
5E348AA16
5E348AA30
5E348AA32
(57)【要約】
【課題】放電ギャップのギャップ距離を小さくすることができる点灯装置を提供すること。
【解決手段】点灯装置100は、電源基板1と、金属ケース2と、入力部3と、出力部4と、を備える。電源基板1は、グランド配線W14と、アース接続部15と、放電ギャップ5と、を有する。グランド配線W14は、出力部4によって光源B1のマイナス側に接続される。アース接続部15は、グランド配線W14と金属ケース2と接続する。放電ギャップ5は、アース接続部15とグランド配線W14との間に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置の光源を点灯させる点灯装置であって、
前記光源に電力を供給する電源基板と、
前記電源基板を収容する金属ケースと、
外部電源が接続される入力部と、
前記光源が接続され、前記光源に前記電力を出力する出力部と、を備え、
前記電源基板は、
前記出力部によって前記光源のマイナス側に接続されるグランド配線と、
前記グランド配線と前記金属ケースと接続するアース接続部と、
前記アース接続部と前記グランド配線との間に設けられている放電ギャップと、を有する、
点灯装置。
【請求項2】
前記外部電源は、交流電源であり、
前記電源基板は、前記外部電源から入力された交流電力を前記電力に整流する整流部を有し、
前記グランド配線は、前記整流部が接続されている箇所と前記放電ギャップが設けられている箇所との間において、連続して形成されている、
請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記アース接続部における前記放電ギャップが設けられている端部と、前記グランド配線において前記放電ギャップが設けられている端部と、の各々は、前記電源基板の厚さ方向から見た場合、単一又は複数の三角形で形成されている、
請求項1に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記放電ギャップのギャップ距離は、2.5mm以上である、
請求項1に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記光源は、前記光源の基準電位に保持されるアース端子を有し、
前記アース接続部は、前記アース端子に接続される、
請求項1に記載の点灯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、点灯装置に関する。より詳細には、本開示は、光源を点灯させる点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の電子部品を搭載したプリント基板を金属ケースに収納する電気部品の取付構造が開示されている。プリント基板は、プリント基板を固定する係止部と接触する第1の導電部と、この第1の導電部に対向し電源の一端に接続されている第2の導電部と、第1の導電部と第2の導電部との間に形成された放電ギャップと、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなプリント基板(電源基板)を備える電気部品(点灯装置)では、放電ギャップのギャップ距離を小さくすることが求められている。
【0005】
本開示の目的とするところは、放電ギャップのギャップ距離を小さくすることができる点灯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る点灯装置は、照明装置の光源を点灯させる点灯装置である。前記点灯装置は、電源基板と、金属ケースと、入力部と、出力部と、を備える。前記電源基板は、前記光源に電力を供給する。前記金属ケースは、前記電源基板を収容する。前記入力部は、外部電源が接続される。前記出力部は、前記光源が接続され、前記光源に前記電力を出力する。前記電源基板は、グランド配線と、アース接続部と、放電ギャップと、を有する。前記グランド配線は、前記出力部によって前記光源のマイナス側に接続される。前記アース接続部は、前記グランド配線と前記金属ケースと接続する。前記放電ギャップは、前記アース接続部と前記グランド配線との間に設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、放電ギャップのギャップ距離を小さくすることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る点灯装置の回路図である。
【
図2】
図2は、同上の電源基板を側方から見た場合の概略断面図である。
【
図3】
図3は、同上の電源基板の概略後面図である。
【
図4】
図4は、同上の電源基板における要部を拡大した拡大後面図である。
【
図5】
図5は、同上の放電ギャップを説明する説明図である。
【
図6】
図6Aは、同上の変形例において、アース接続部及びグランド配線の端部が複数の三角形であることを説明する説明図である。
図6Bは、同上の変形例において、アース接続部及びグランド配線の端部が半円形であることを説明する説明図である。
図6Cは、同上の変形例において、アース接続部及びグランド配線の端部が四角形であることを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本実施形態)
(1)概要
以下、本実施形態に係る点灯装置100の概要について、
図1、
図2、及び
図5を参照して説明する。
【0010】
本実施形態に係る点灯装置100は、照明装置A1の光源B1(
図1参照)を点灯させる装置である。言い換えれば、点灯装置100は、照明装置A1の光源B1に電力を供給するための装置である。点灯装置100は、
図1及び
図2に示すように、電源基板1と、金属ケース2と、入力部3と、出力部4と、を備える。
【0011】
電源基板1は、照明装置A1の光源B1に電力を供給する基板である。金属ケース2は、電源基板1を収容する。入力部3は、外部電源B2が接続される。出力部4は、照明装置A1の光源B1が接続され、光源B1に電力を出力する。本開示でいう「接続する」とは、電気的に接続することであり、直接的に接続しているか間接的に接続しているかは限定されない。
【0012】
電源基板1は、
図1及び
図2に示すように、グランド配線W14と、アース接続部15と、放電ギャップ5と、を有する。グランド配線W14は、
図1に示すように、出力部4によって光源B1のマイナス側に接続される。アース接続部15は、グランド配線W14と金属ケース2と接続する。放電ギャップ5は、アース接続部15とグランド配線W14との間に設けられている。
【0013】
本実施形態の点灯装置100の電源基板1は、放電ギャップ5が出力部4側に設けられている。このため、放電ギャップが入力部側に設けられている一般的な点灯装置の電源基板と比較して、本実施形態の点灯装置100は、放電ギャップ5のギャップ距離Di1(
図5参照)を小さくすることができるという利点がある。
【0014】
(2)詳細な構成
(2-1)全体
以下に、本実施形態の照明装置A1の詳細な構成について、
図1を参照して説明する。
【0015】
照明装置A1は、
図1に示すように、光源B1と、点灯装置100と、外部電源B2と、を有する。
【0016】
照明装置A1は、光源B1が点灯する照明器具である。照明装置A1が設置される施設の例としては、商業施設、倉庫、オフィス、住宅施設、ホテル、学校、福祉施設、テーマパーク、病院、又は工場等が挙げられる。照明装置A1は、天井に直付けされてもよいし、天井に埋め込まれてもよいし、あるいは、壁に直付けされてもよいし、壁に埋め込まれてもよい。一例として、照明装置A1は、商業施設の天井に埋込配設されるダウンライトである。
【0017】
光源B1は、光を放出する。より詳細には、光源B1は、点灯装置100から出力される電力を光に変換し放出する。
図1に示すように、本実施形態の光源B1は、複数(図示例では、3つ)の発光素子B11を有する。本実施形態では、複数の発光素子B11の各々は、LED(Light-Emitting Diode)素子であることを想定する。
【0018】
点灯装置100は、外部電源B2から入力された電力を光源B1に出力し、光源B1を点灯させる装置である。より具体的には、点灯装置100は、外部装置から出力される制御信号に応じて、外部電源B2から入力された電力を光源B1に出力するか否かを切り替えることによって、照明装置A1の光源B1が点灯するか否かを制御する装置である。光源B1は、点灯装置100から電力が出力される場合には点灯し、点灯装置100から電力が出力されない場合には消灯する。本開示でいう「外部装置」は、例えば、調光装置又は制御装置である。すなわち、「外部装置から出力される制御信号」は、調光装置又は制御装置の回路から出力される信号である。また、本開示でいう「外部装置」は、照明装置A1が備える制御回路であってもよい。
【0019】
本実施形態では、外部電源B2は交流電源であることを想定する。すなわち、点灯装置100に外部電源B2から供給される電力は、交流電力である。このため、本実施形態では、点灯装置100は、外部電源B2から供給された交流電力を直流電力に整流し、当該直流電力を光源B1に出力する。
【0020】
(2-2)点灯装置
(2-2-1)全体
以下に、本実施形態の点灯装置100の詳細な構成について、
図1~
図6Cを参照して説明する。
【0021】
以下の説明では、
図2に示すように、電源基板1の厚さ方向を上下方向と規定し、電源基板1において入力部3及び出力部4が接続される側を上と規定し、電源基板1において入力部3及び出力部4が接続されていない側を下と規定する。また、
図2に示すように、入力部3と出力部4とが並んでいる方向を方向と左右規定し、入力部3から見て出力部4側を左と規定し、出力部4から見て入力部3側を右と規定する。また、上下方向及び左右方向と直交する方向を、前後方向と規定する。ただし、これらの規定は、点灯装置100の使用方向を規定する趣旨ではない。
【0022】
点灯装置100は、
図1及び
図2に示すように、電源基板1と、金属ケース2と、入力部3と、出力部4と、複数の電子部品6と、入力受け部7と、複数(図示例では、2つ)の絶縁シート8と、固定ネジ9と、を備える。
【0023】
(2-2-2)電源基板
電源基板1は、外部電源B2から供給された電力を光源B1に供給する。すなわち、電源基板1及び外部電源B2は、光源B1にとって電源として機能する。
【0024】
電源基板1は、入力部3を介して外部電源B2と接続され、出力部4を介し光源B1と接続される。このため、電源基板1は、入力部3を介して外部電源B2から入力された電力を、出力部4を介して光源B1に出力することによって、光源B1に電力を供給する。
【0025】
電源基板1は、
図2及び
図3に示すように、矩形板状の基板である。電源基板1は、絶縁材料で形成されている。本実施形態では、電源基板1の厚さ方向は、
図2に示すように、上下方向に沿っている。電源基板1は、第1面(上面)11と、第2面(下面)12と、を有する。第1面11及び第2面12には、外部電源B2から供給された電力を光源B1に供給するための複数の電子部品6が配置されている。
図3において破線で図示されている複数の電子部品6は第1面11に配置されており、
図3において実線で図示されている複数の電子部品6は第2面12に配置されている。
【0026】
図2は、左右方向及び上下方向に平行であり後述する挿通孔152の中心を通る断面を後方から見た場合の電源基板1の概略断面図である。
図3は、電源基板1を下方から見た場合における電源基板1の概略図である。
図2及び
図3は概略図であるため、実際の電源基板1、金属ケース2、入力部3、出力部4、複数の電子部品6、入力受け部7、又は複数の絶縁シート8における形状、位置、又は個数等とは異なる。また、
図2及び
図3は簡略化して図示しているため、
図2に示す電子部品6の個数と、
図3に示す電子部品6の個数と、は完全には一致しない。
図3では、複数の電子部品6を接続する配線(後述する一対の給電配線W11、W12、電源配線W13、グランド配線W14)は省略している。
【0027】
本実施形態の電源基板1は、
図1に示すように、ヒューズF1と、バリスタZ1と、整流部DB1と、スイッチング素子Q1と、ダイオードD1と、2つのコンデンサC1、C2と、一対の給電配線W11、W12と、電源配線W13と、グランド配線W14と、を有する。ヒューズF1、バリスタZ1、整流部DB1、スイッチング素子Q1、ダイオードD1、及び2つのコンデンサC1、C2は、
図3に示すように、上述した複数の電子部品6に含まれる。一対の給電配線W11、W12、電源配線W13、及びグランド配線W14は、電線、バスバー、又は電源基板1に形成された回路パターンなどの導体を有する。
【0028】
一対の給電配線W11、W12は、入力部3を介して、外部電源B2に接続される。より詳細には、給電配線W11は外部電源B2の第1端に接続され、給電配線W12は外部電源B2の第2端に接続される。一対の給電配線W11、W12は、外部電源B2の交流電力を供給する。すなわち、一対の給電配線W11、W12には外部電源B2の交流電圧が印加され、外部電源B2の交流電流が流れる。
【0029】
整流部DB1は、外部電源から入力された交流電力を光源B1に出力する電力(すなわち、直流電力)に整流する。例えば、整流部DB1は、複数のダイオードを含むダイオードブリッジ回路である。本実施形態では一例として、整流部DB1は、4つのダイオードで構成された全波整流回路を想定する。整流部DB1は、外部電源B2から交流電圧が入力され、交流電圧を全波整流して出力する。整流部DB1は、
図1に示すように、第1入力端子DB11と、第2入力端子DB12と、正極端子DB13と、負極端子DB14と、を有する。正極端子DB13は、負極端子DB14に対して高電位となる端子である。
【0030】
給電配線W11は、後述するヒューズF1を介して、外部電源B2の第1端と、整流部DB1の第1入力端子DB11と、を接続する。給電配線W11は、第1給電配線W111と、第2給電配線W112と、を有する。第1給電配線W111は、入力部3とヒューズF1との間の部分であり、第2給電配線W112は、ヒューズF1と整流部DB1との間の部分である。第1給電配線W111の第1端は、入力部3を介して外部電源B2の第1端に接続されており、第1給電配線W111の第2端は、ヒューズF1の第1端に接続されている。第2給電配線W112の第1端は、ヒューズF1の第2端に接続されており、第2給電配線W112の第2端は、整流部DB1の第1入力端子DB11に接続されている。
【0031】
給電配線W12は、外部電源B2の第2端と、整流部DB1の第2入力端子DB12と、を接続する。より詳細には、給電配線W12の第1端は、入力部3を介して外部電源B2の第2端に接続されており、給電配線W12の第2端は、整流部DB1の第2入力端子DB12に接続されている。
【0032】
バリスタZ1は、サージアブソーバとして用いられる。バリスタZ1の第1端は給電配線W11に接続されており、バリスタZ1の第2端は給電配線W12に接続されている。
【0033】
整流部DB1からは、脈流電圧が出力される。整流部DB1により出力される脈流電圧は、正極端子DB13と負極端子DB14との間の電圧である。電源配線W13及びグランド配線W14は、整流部DB1によって整流された直流電力を伝搬する。すなわち、電源配線W13及びグランド配線W14には、整流部DB1によって整流された直流電圧が印加され、直流電流が流れる。
【0034】
電源配線W13は、後述するスイッチング素子Q1を介して、整流部DB1の正極端子DB13と、光源B1のプラス側と、を接続する。電源配線W13は、第1電源配線W131と、第2電源配線W132と、を有する。第1電源配線W131は、整流部DB1とスイッチング素子Q1との間の部分であり、第2電源配線W132は、スイッチング素子Q1と出力部4との間の部分である。第1電源配線W131の第1端は、整流部DB1の正極端子DB13に接続されており、第1電源配線W131の第2端は、スイッチング素子Q1の後述する第1端子に接続されている。第2電源配線W132の第1端は、スイッチング素子Q1の後述する第2端子に接続されており、第2電源配線W132の第2端は、出力部4を介して光源B1のプラス側に接続されている。本開示でいう「プラス側」とは、高電位側のことである。
【0035】
一方、グランド配線W14は、整流部DB1の負極端子DB14と、光源B1のマイナス側と、を接続する。グランド配線W14の第1端は、整流部DB1の負極端子DB14に接続されており、グランド配線W14の第2端は、出力部4を介して光源B1のマイナス側に接続されている。本開示でいう「マイナス側」とは、低電位側のことである。
【0036】
スイッチング素子Q1は、例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。スイッチング素子Q1は、第1端子と、第2端子と、制御端子と、を有する。本実施形態では、スイッチング素子Q1がMOSFETであるため、第1端子はドレインであり、第2端子はソースであり、制御端子はゲートである。
【0037】
スイッチング素子Q1の第1端子は、整流部DB1の正極端子DB13に接続されている。スイッチング素子Q1の第2端子は、出力部4を介して光源B1のマイナス側に接続されている。スイッチング素子Q1の制御端子は、外部装置に接続されており、外部装置から制御信号が入力される。スイッチング素子Q1は、外部装置から入力される制御信号に応じて、第1端子と第2端子との間を導通させるか否かを切り替える。
【0038】
ダイオードD1のカソードは、第2電源配線W132に接続されている。すなわち、ダイオードD1のカソードは、電源配線W13において、スイッチング素子Q1の第2端子と光源B1のプラス側との間に接続されている。ダイオードD1のアノードは、グランド配線W14に接続されている。言い換えれば、ダイオードD1のアノードは、整流部DB1の負極端子DB14に接続されている。すなわち、スイッチング素子Q1は、ダイオードD1を介して整流部DB1の正極端子DB13と負極端子DB14との間に接続されている。要するに、スイッチング素子Q1とダイオードD1との直列回路は、整流部DB1の正極端子DB13と負極端子DB14との間に接続されている。
【0039】
電源基板1は、
図1及び
図4に示すように、グランド配線W14と金属ケース2とを接続するアース接続部15を更に有する。アース接続部15には、
図4に示すように、固定ネジ9が挿通する挿通孔152が形成されている。アース接続部15は、
図2に示すように、固定ネジ9が挿通孔152に挿通している状態で電源基板1を金属ケース2に固定するすることによって、グランド配線W14と金属ケース2とを接続する。金属ケース2が接地されているため、グランド配線W14は、金属ケース2と接続されていることにより、点灯装置100の動作の基準となる電位になる。要するに、点灯装置100は、フレーム接地が施されている。なお、
図4は電源基板1の後面図であり、実際の電源基板1(詳細には、電源基板1、グランド配線W14、及びアース接続部15等)の形状、位置、又は個数を例示している。
【0040】
本実施形態では、
図1及び
図4に示すように、2つのコンデンサC1、C2は、グランド配線W14とアース接続部15との間において互いに直接に接続されている。すなわち、2つのコンデンサC1、C2は、グランド配線W14と金属ケース2との間において互いに直接に接続されている。2つのコンデンサC1、C2は、例えば、フィルムコンデンサである。
【0041】
電源基板1は、
図1及び
図4に示すように、アース接続部15とグランド配線W14との間に設けられている放電ギャップ5を更に有する。上記の構成によると、外部電源B2側からコモンモードのサージノイズが入力された場合に、当該サージノイズが複数の電子部品6よりも放電ギャップ5に流れやすくなる。この結果、外部電源B2側から流れるコモンモードのサージノイズが複数の電子部品6に流れることを抑制することができるという効果を奏する。すなわち、外部電源B2側から流れるコモンモードのサージノイズによって、電源基板1が故障してしまうことを抑制することができるという利点がある。
【0042】
放電ギャップ5は、整流部DB1によって整流された直流電力を供給するグランド配線W14と、点灯装置100の動作の基準となる電位であるアース接続部15と、の間に設けられている。このため、整流部によって整流される前の交流電力を供給する給電配線と、点灯装置の動作の基準となる電位であるアース接続部と、の間に放電ギャップが設けられている比較例の点灯装置と比較して、本実施形態の点灯装置100は、放電ギャップ5のギャップ距離Di1(
図5参照)を小さくすることができる。
【0043】
図1に示すように、グランド配線W14は、整流部DB1が接続されている箇所P1(すなわち、整流部DB1の負極端子DB14)と放電ギャップ5が設けられている箇所P2との間において、連続して形成されている。本開示でいう「連続して形成されている」とは、言い換えれば、途切れることなく形成されていることであり、すなわち、分割せずに形成されていることである。要するに、グランド配線W14において、整流部DB1が接続されている箇所P1と放電ギャップ5が設けられている箇所P2との間には、電子部品6が配置されていない。例えば、グランド配線において、整流部が接続されている箇所と放電ギャップが設けられている箇所との間に電子部品が配置されている場合を想定すると、グランド配線は、分割して形成されている、すなわち、連続して形成されていない。
【0044】
整流部DB1が接続されている箇所P1と放電ギャップ5が設けられている箇所P2との間においてグランド配線W14が連続して形成されていることによって、外部電源B2側から流れるコモンモードのサージノイズが複数の電子部品6に流れることをより抑制することができるという効果を奏する。すなわち、外部電源B2側から流れるコモンモードのサージノイズによって、電源基板1が故障してしまうことをより抑制することができるという利点がある。
【0045】
図5は、電源基板1において放電ギャップ5が設けられている部分を拡大した電源基板1の拡大後面図であり、すなわち、
図4に示す後面図を拡大した図である。
図5に示すように、アース接続部15における放電ギャップ5が設けられている端部151と、グランド配線W14において放電ギャップ5が設けられている端部141と、の各々は、電源基板1の厚さ方向(上下方向)から見た場合、単一の三角形で形成されている。より詳細には、アース接続部15における放電ギャップ5が設けられている端部151の形状は、グランド配線W14の端部141に向かって(右側に)先端が突出する三角形である。同様に、グランド配線W14において放電ギャップ5が設けられている端部141の形状は、アース接続部15の端部151に向かって(左側に)先端が突出する三角形である。上記の構成によると、外部電源B2側からコモンモードのサージノイズが入力された場合に、当該サージノイズが複数の電子部品6よりも放電ギャップ5により流れやすくなるという利点がある。
【0046】
放電ギャップ5のギャップ距離Di1(
図5参照)は、2.5mm以上である。ここでいう「放電ギャップ5のギャップ距離Di1」は、アース接続部15における放電ギャップ5が設けられている端部151と、グランド配線W14において放電ギャップ5が設けられている端部141と、の間において、電源基板1の絶縁材料が露出している部分の最短距離である。より詳細には、アース接続部15における放電ギャップ5が設けられている端部151の先端(右端)と、グランド配線W14において放電ギャップ5が設けられている端部141の先端(左端)と、の間において、電源基板1の絶縁材料が露出している部分の最短距離である。放電ギャップ5のギャップ距離Di1が2.5mm以上であることによって、外部電源B2側からコモンモードのサージノイズが入力されていない場合に、電流が放電ギャップ5に流れてしまう不具合を抑制することができるという利点がある。
【0047】
(2-2-3)入力部
入力部3は、外部電源B2が接続されている状態において、電源基板1と外部電源B2とを接続する。より詳細には、入力部3は、外部電源B2が接続されている状態において、一対の給電配線W11、W12を外部電源B2に接続させる。
【0048】
具体的には、
図2及び
図3に示すように、電源基板1の第1面11には、入力受け部7が配置されており、入力部3が有する複数の金属片31の各々が入力受け部7に挿入されることによって、入力部3は、一対の給電配線W11、W12を外部電源B2に接続させる。入力受け部7は、電源基板1の第1面11の右側に配置されている。
【0049】
(2-2-4)出力部
出力部4は、光源B1が接続されている状態において、電源基板1と光源B1とを接続し、電源基板1から供給される電力を光源B1に出力する。より詳細には、出力部4は、光源B1が接続されている状態において、電源配線W13及びグランド配線W14を光源B1に接続し、整流部DB1によって整流された直流電力を光源B1に出力する。
【0050】
より具体的には、
図2に示すように、出力部4の電源基板1側(右側)に延出している延出部41が、電源基板1の第1面11に配置される。延出部41は、複数の取付部412を有し、複数の取付部412の各々が電源基板1に設けられている複数の取付孔16のうち対応する取付孔16に挿入されることによって電源基板1に取付けられる(
図4参照)。
【0051】
延出部41は、
図4に示すように、プラス側片411aと、マイナス側片411bと、アース片411cと、を更に有する。プラス側片411a、マイナス側片411b、及びアース片411cは、延出部41から電源基板1側(下側)に突出している金属片である。
【0052】
プラス側片411aは、出力部4と光源B1とが接続されている状態において、光源B1のプラス側に導通している。
図4に示すように、プラス側片411aが電源配線W13にはんだ付け等で固定されているため、電源配線W13は、出力部4と光源B1とが接続されている状態において、光源B1のプラス側に接続される。
【0053】
同様に、マイナス側片411bは、出力部4と光源B1とが接続されている状態において、光源B1のマイナス側に導通している。
図4に示すように、マイナス側片411bがグランド配線W14にはんだ付け等で固定されているため、グランド配線W14は、出力部4と光源B1とが接続されている状態において、光源B1のマイナス側に接続される。
【0054】
光源B1は光源B1の基準電位に保持されるアース端子を有し、アース片411cは、出力部4と光源B1とが接続されている状態において、当該アース端子に導通している。すなわち、アース片411cは、出力部4と光源B1とが接続されている状態において、光源B1の基準電位に保持される。
図4に示すように、アース片411cがアース接続部15にはんだ付け等で固定されているため、アース接続部15は、出力部4と光源B1とが接続されている状態において、光源B1のアース端子に接続される。上記の構成によると、光源B1にコモンモードのサージノイズが入力された場合に、当該サージノイズが放電ギャップ5に流れる。この結果、光源B1に流れるコモンモードのサージノイズが複数の発光素子B11に流れることを抑制することができるという効果を奏する。すなわち、光源B1に流れるコモンモードのサージノイズによって、光源B1が故障してしまうことを抑制することができるという利点がある。
【0055】
(2-2-5)金属ケース
金属ケース2は、電源基板1を収容する。金属ケース2は、金属製である。本実施形態の金属ケース2は、
図2に示すように、基部21と、カバー部22と、を有する。基部21は、矩形板状である。基部21は、上方から見た場合において、電源基板1よりも大きい。カバー部22は、下方が開口した矩形体状である。本実施形態の金属ケース2は、カバー部22の内部に電源基板1を配置し、カバー部22の開口を基部21で塞ぐことによって、電源基板1を収容する。
【0056】
(2-2-6)絶縁シート
複数の絶縁シート8の各々は、外部電源B2側からコモンモードのサージノイズが入力された場合に、複数の電子部品6の各々と金属ケース2との間に当該サージノイズが流れることを防止する部材である。複数の絶縁シート8の各々は、絶縁性を有する材料で形成されている。複数の絶縁シート8の形状は、例えば、矩形板状である。
【0057】
本実施形態では、複数の絶縁シート8の個数は、2つである。2つの絶縁シート8のうち一方の絶縁シート8は、上下方向において金属ケース2の基部21と電源基板1との間に配置され、2つの絶縁シート8のうち残りの絶縁シート8は、上下方向において電源基板1と金属ケース2のカバー部22との間に配置される。上下方向において金属ケース2の基部21と電源基板1との間に配置される絶縁シート8には、固定ネジ9(
図2参照)が挿通される穴(図示なし)が形成されている。
【0058】
(3)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されていてもよい。
【0059】
上述の実施形態では、アース接続部15における放電ギャップ5が設けられている端部151と、グランド配線W14において放電ギャップ5が設けられている端部141と、の各々は、電源基板1の厚さ方向(上下方向)から見た場合、単一の三角形で形成されている。しかし、
図6Aに示すように、アース接続部15における放電ギャップ5が設けられている端部151aと、グランド配線W14において放電ギャップ5が設けられている端部141aと、の各々は、電源基板1の厚さ方向(上下方向)から見た場合、複数の三角形で形成されていてもよい。より詳細には、アース接続部15における放電ギャップ5が設けられている端部151aと、グランド配線W14において放電ギャップ5が設けられている端部141aと、の各々は、電源基板1の厚さ方向(上下方向)から見た場合、上下方向に連続して配置されている複数の三角形で形成されていてもよい。アース接続部15における放電ギャップ5が設けられている端部151aの形状は、グランド配線W14の端部141に向かって(右側に)先端が突出し上下方向に連続して配置されている複数の三角形である。同様に、グランド配線W14において放電ギャップ5が設けられている端部141aの形状は、アース接続部15の端部151に向かって(左側に)先端が突出し上下方向に連続して配置されている複数の三角形である。
【0060】
また、
図6Bに示すように、アース接続部15における放電ギャップ5が設けられている端部151bと、グランド配線W14において放電ギャップ5が設けられている端部141bと、の各々は、電源基板1の厚さ方向(上下方向)から見た場合、単一の半円形で形成されていてもよい。なお、アース接続部15における放電ギャップ5が設けられている端部151bと、グランド配線W14において放電ギャップ5が設けられている端部141bと、の各々は、電源基板1の厚さ方向(上下方向)から見た場合、複数の半円形で形成されていてもよい。
【0061】
また、
図6Cに示すように、アース接続部15における放電ギャップ5が設けられている端部151cと、グランド配線W14において放電ギャップ5が設けられている端部141cと、の各々は、電源基板1の厚さ方向(上下方向)から見た場合、単一の四角形で形成されていてもよい。なお、アース接続部15における放電ギャップ5が設けられている端部151cと、グランド配線W14において放電ギャップ5が設けられている端部141cと、の各々は、電源基板1の厚さ方向(上下方向)から見た場合、複数の四角形で形成されていてもよい。
【0062】
上述の実施形態では、光源B1は、3つの発光素子B11を有しているが、光源B1は、例えば、1つ、2つ、又は4つ以上の発光素子B11を有していてもよい。すなわち、光源B1は、1以上の発光素子B11を有していればよい。
【0063】
上述の実施形態では、点灯装置100は、複数の絶縁シート8を備えているが、備えていなくてもよい。
【0064】
(まとめ)
第1の態様の点灯装置(100)は、照明装置(A1)の光源(B1)を点灯させる点灯装置である。第1の態様の点灯装置(100)は、電源基板(1)と、金属ケース(2)と、入力部(3)と、出力部(4)と、を備える。電源基板(1)は、光源(B1)に電力を供給する。金属ケース(2)は、電源基板(1)を収容する。入力部(3)は、外部電源(B2)が接続される。出力部(4)は、光源(B1)が接続され、光源(B1)に電力を出力する。電源基板(1)は、グランド配線(W14)と、アース接続部(15)と、放電ギャップ(5)と、を有する。グランド配線(W14)は、出力部(4)によって光源(B1)のマイナス側に接続される。アース接続部(15)は、グランド配線(W14)と金属ケース(2)と接続する。放電ギャップ(5)は、アース接続部(15)とグランド配線(W14)との間に設けられている。
【0065】
この態様によれば、放電ギャップ(5)のギャップ距離(Di1)を小さくすることができる、という利点がある。
【0066】
第2の態様の点灯装置(100)では、第1の態様において、外部電源(B2)は、交流電源である。電源基板(1)は、外部電源(B2)から入力された交流電力を電力に整流する整流部(DB1)を有する。グランド配線(W14)は、整流部(DB1)が接続されている箇所(P1)と放電ギャップ(5)が設けられている箇所(P2)との間において、連続して形成されている。
【0067】
この態様によれば、コモンモードのサージノイズによって、電源基板(1)が故障してしまうことをより抑制することができる、という利点がある。
【0068】
第3の態様の点灯装置(100)では、第1又は第2の態様において、アース接続部(15)における放電ギャップ(5)が設けられている端部(151、151a)と、グランド配線(W14)において放電ギャップ(5)が設けられている端部(141、141a)と、の各々は、電源基板(1)の厚さ方向から見た場合、単一又は複数の三角形で形成されている。
【0069】
この態様によれば、コモンモードのサージノイズが入力された場合に、当該サージノイズが放電ギャップ(5)により流れやすくなる、という利点がある。
【0070】
第4の態様の点灯装置(100)では、第1~第3のいずれかの態様において、放電ギャップ(5)のギャップ距離(Di1)は、2.5mm以上である。
【0071】
この態様によれば、コモンモードのサージノイズが入力されていない場合に、電流が放電ギャップ(5)に流れてしまう不具合を抑制することができる、という利点がある。
【0072】
第5の態様の点灯装置(100)では、第1~第4のいずれかの態様において、光源(B1)は、光源(B1)の基準電位に保持されるアース端子を有する。アース接続部(15)は、アース端子に接続される。
【0073】
この態様によれば、光源(B1)に流れるコモンモードのサージノイズによって、光源(B1)が故障してしまうことを抑制することができる、という利点がある。
【符号の説明】
【0074】
100 点灯装置
1 電源基板
W14 グランド配線
141、141a 端部
15 アース接続部
151、151a 端部
16 取付孔
2 金属ケース
3 入力部
4 出力部
41 延出部
5 放電ギャップ
A1 照明装置
B1 光源
B2 外部電源
DB1 整流部
Di1 ギャップ距離
P1 箇所
P2 箇所