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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016517
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】多段式ダンパー
(51)【国際特許分類】
   F16F 7/04 20060101AFI20240131BHJP
   F16F 1/06 20060101ALI20240131BHJP
   F16F 1/24 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
F16F7/04
F16F1/06 N
F16F1/24
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118697
(22)【出願日】2022-07-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000103976
【氏名又は名称】株式会社オリジン
(74)【代理人】
【識別番号】100102417
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100202496
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿角 剛二
(74)【代理人】
【識別番号】100194629
【弁理士】
【氏名又は名称】小嶋 俊之
(74)【代理人】
【識別番号】100202692
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 吉文
(72)【発明者】
【氏名】飯山 俊男
【テーマコード(参考)】
3J059
3J066
【Fターム(参考)】
3J059AC03
3J059BA02
3J059BB03
3J059BD04
3J059CA01
3J059CB02
3J059CB17
3J059CC01
3J066AA27
3J066CA02
3J066CB07
(57)【要約】
【課題】回転体の回転速度を段階的に抑制することが可能なダンパーを提供すること。
【解決手段】回転体6と一体回転可能な片側体8が備える装着壁50の少なくとも周面を、ここに密接せしめられる部材との相対回転速度が増大するに従って摺動抵抗が増大する特性を有する合成樹脂材料により形成し、上記周面にコイルばね10を密接せしめた片側体8を軸方向に2つ直列に配置して、第一の片側体8aに装着された第一のコイルばね10aを固定部材としてのハウジング4に対して回転不能とすると共に、第二の片側体8bに装着された第二のコイルばね10bを他側体12に対して回転不能とし、他側体12をハウジング4に対して所要角度範囲内でのみ回転可能とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部材と、前記固定部材に対して回転可能な回転体と、前記回転体の回転軸上で前記回転体と一体となって回転可能な第一の片側体及び第二の片側体と、前記第一の片側体及び前記第二の片側体に夫々組み合わされる第一のコイルばね及び第二のコイルばねと、前記回転軸上で前記固定部材に対し所要角度範囲内で回転可能な他側体とを備え、
前記第一の片側体及び前記第二の片側体は軸方向に直列に配置されて共に断面円形の周面を有する装着壁を備え、前記装着壁の少なくとも前記周面は、ここに密接せしめられる部材との相対回転速度が増大するに従って摺動抵抗が増大する特性を有する合成樹脂材料により形成されており、
前記第一のコイルばね及び前記第二のコイルばねは共に線材が螺旋状に1乃至3回巻回せしめられた巻回部と前記巻回部から前記線材が延出するフック部とを備え、
前記第一のコイルばねの前記巻回部の周面が前記第一の片側体の前記装着壁の前記周面に密接せしめられると共に前記フック部が前記固定部材に保持されて、前記第一のコイルばねは前記固定部材に対して回転不能であり、
前記第二のコイルばねの前記巻回部の周面が前記第二の片側体の前記装着壁の前記周面に密接せしめられると共に前記フック部が前記他側体に保持されて、前記第二のコイルばねは前記他側体に対して回転不能であり、
前記回転体が初期位置から一方向に前記所要角度回転する際には、前記第一のコイルばねの前記フック部が前記固定部材によって前記巻回部の前記周面と前記装着壁の前記周面との密接が弱まる方向に押されて、前記第一の片側体が前記第一のコイルばねに対して摺動すると共に、前記第二の片側体は前記第二のコイルばね及び前記他側体と一体となって回転し、
前記回転体が前記初期位置から前記所要角度を超えて前記一方向に回転する際には、前記第一の片側体は引き続き前記第一のコイルばねに対して摺動すると共に、前記第二のコイルばねの前記フック部が前記他側体によって前記巻回部の前記周面と前記装着壁の前記周面との密接が弱まる方向に押されて、前記第二の片側体も前記第二のコイルばねに対して摺動する、多段式ダンパー。
【請求項2】
前記フック部は前記巻回部の軸方向両端に形成されている、請求項1に記載の多段式ダンパー。
【請求項3】
前記第一の片側体及び前記第二の片側体は一方向クラッチを介して前記回転体に接続されている、請求項2に記載の多段式ダンパー。
【請求項4】
前記回転体には前記第二の片側体に対して回転不能な補助コイルばねが装着されている、請求項2又は3に記載の多段式ダンパー。
【請求項5】
前記固定部材は筒状のハウジングであって、前記ハウジングの内側には、前記第一のコイルばねが前記装着壁の外周面に密接せしめられた前記第一の片側体及び前記第二のコイルばねが前記装着壁の外周面に密接せしめられた前記第二の片側体が夫々収容されている、請求項1に記載の多段式ダンパー。
【請求項6】
前記合成樹脂材料は、PPS又はPAである、請求項1に記載のダンパー。
【請求項7】
前記合成樹脂材料にはカーボンフィラー又はカーボンブラックが添加されている、請求項6に記載の多段式ダンパー。
【請求項8】
前記第一のコイルばね及び前記第二のコイルばねは前記第一の片側体及び前記第二の片側体に夫々2つずつ組み合わされている、請求項1に記載の多段式ダンパー。
【請求項9】
前記第一のコイルばね及び前記第二のコイルばねには潤滑剤が塗布されている、請求項1に記載の多段式ダンパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多段式ダンパーに関する。
【背景技術】
【0002】
室内等に配設されるブラインドには、水平方向に延在して上下方向に移動可能なスラットが上下方向に複数枚配列された形式のものがある。かような形式のブラインドにあっては、複数枚のスラットは夫々上下方向に延びる昇降コードを介して連結されており、昇降コードの一端はスラットと平行に水平方向に延びるボトムレールに、他端はヘッドボックス内の巻き取り機構の出力回転部材に夫々接続されている。巻き取り機構の入力回転部材には操作コードが接続されており、操作コードを操作して入力回転部材を正逆方向に回転させることで昇降コードを介して出力回転部材に接続されたボトムレールが昇降動し、これにより複数のスラットを上下方向に移動させることができる。巻き取り機構には通常、操作コードを保持するストッパー(コードロックと称されることもある)が設けられており、操作コードを左右方向の一方(通常は外側)に強制することで操作コードは任意の位置で保持され、ボトムレールを任意の高さ位置(上下方向位置)で固定することができる。操作コードがストッパーにより保持されている状態で操作コードを左右方向の他方に強制ことで上記保持は解除される。
【0003】
上述したとおり入力回転部材及び出力回転部材は連動して回転することから、例えば、操作コードを操作してボトムレールを上昇させた状態において、操作コードがストッパーにより保持されていなければ、操作コードから手を離すとボトムレールは自由落下して床に衝突或いは昇降コードが最大限引き出されて巻き取り機構に衝撃が付加される。これは上記ストッパーによる操作コードの保持が解除された状態からかかる保持を解除してボトムレールが自由落下する場合も同様である。かようなボトムレールの自由落下を防止するために、上記巻き取り機構にダンパーを設けてボトムレールの降下速度を制限することがある。
【0004】
かようなダンパーの一例としては、本願の出願人が本願に先立って出願して既に特許された下記特許文献1に示されたダンパーが存在する。このダンパーは、固定部材としての筒状のハウジングと、前記ハウジングに対して回転可能な軸状の回転体と、前記回転体に組み合わされるコイルばねとを備えている。前記回転体の少なくとも外周面はここに密接せしめられる部材との相対回転速度が増大するに従って摺動抵抗が増大する特性を有する合成樹脂材料により形成される。下記特許文献1に示されたダンパーでは、前記回転体全体が上記特性を有する合成樹脂材料により形成されている。前記コイルばねは線材が螺旋状に1乃至3回巻回せしめられた巻回部と前記巻回部から前記線材が延出するフック部とを備えている。前記コイルばねは、前記巻回部の内周面が前記回転体の外周面に密接せしめられると共に前記フック部が前記ハウジングに保持されて、前記ハウジングに対して回転不能である。そして、前記回転体が回転する際には、前記コイルばねの前記フック部が前記ハウジングによって前記巻回部の内周面と前記回転体の外周面との密接が弱まる方向に押されて、前記回転体が前記コイルばねに対して摺動する。前記回転体が上記特性を有する合成樹脂材料により形成されているため、前記回転体が加速しながら回転しようとする場合、例えば前記回転体が上述したボトムレールの如き自由落下する部材に接続されている場合であっても、前記回転体の回転速度は抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第7088993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に示されたダンパーによれば、加速しながら回転しようとする回転体の回転速度をも抑制することができるが、使用用途によっては回転体が回転する最中に回転体の回転速度を更に抑制する必要がある場合がある。例えば、回転体が回転を開始した直後の回転初期段階にあっては回転体の回転速度は高くないため回転体の回転速度を過剰には抑制せず(部分的に抑制し)、回転体の回転速度がある程度上昇した後に回転体の回転速度を充分に抑制することが要求される場合もある。
【0007】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、上記特許文献1に示されたダンパーを改良して、回転体の回転速度を段階的に抑制することが可能なダンパーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意検討の結果、回転体と一体回転可能な片側体が備える装着壁の少なくとも周面を、ここに密接せしめられる部材との相対回転速度が増大するに従って摺動抵抗が増大する特性を有する合成樹脂材料により形成し、上記周面にコイルばねを密接せしめた片側体を軸方向に2つ直列に配置して、一方の片側体に装着されたコイルばねを固定部材に対して回転不能とすると共に、他方の片側体に装着されたコイルばねを他側体に対して回転不能とし、他側体を固定部材に対して所要角度範囲内でのみ回転可能とすることで、上記主たる技術的課題を解決できることを見出した。
【0009】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を解決するダンパーとして、固定部材と、前記固定部材に対して回転可能な回転体と、前記回転体の回転軸上で前記回転体と一体となって回転可能な第一の片側体及び第二の片側体と、前記第一の片側体及び前記第二の片側体に夫々組み合わされる第一のコイルばね及び第二のコイルばねと、前記回転軸上で前記固定部材に対し所要角度範囲内で回転可能な他側体とを備え、
前記第一の片側体及び前記第二の片側体は軸方向に直列に配置されて共に断面円形の周面を有する装着壁を備え、前記装着壁の少なくとも前記周面は、ここに密接せしめられる部材との相対回転速度が増大するに従って摺動抵抗が増大する特性を有する合成樹脂材料により形成されており、
前記第一のコイルばね及び前記第二のコイルばねは共に線材が螺旋状に1乃至3回巻回せしめられた巻回部と前記巻回部から前記線材が延出するフック部とを備え、
前記第一のコイルばねの前記巻回部の周面が前記第一の片側体の前記装着壁の前記周面に密接せしめられると共に前記フック部が前記固定部材に保持されて、前記第一のコイルばねは前記固定部材に対して回転不能であり、
前記第二のコイルばねの前記巻回部の周面が前記第二の片側体の前記装着壁の周面に密接せしめられると共に前記フック部が前記他側体に保持されて、前記第二のコイルばねは前記他側体に対して回転不能であり、
前記回転体が初期位置から一方向に前記所要角度回転する際には、前記第一のコイルばねの前記フック部が前記固定部材によって前記巻回部の前記周面と前記装着壁の前記周面との密接が弱まる方向に押されて、前記第一の片側体が前記第一のコイルばねに対して摺動すると共に、前記第二の片側体は前記第二のコイルばね及び前記他側体と一体となって回転し、
前記回転体が前記初期位置から前記所要角度を超えて前記一方向に回転する際には、前記第一の片側体は引き続き前記第一のコイルばねに対して摺動すると共に、前記第二のコイルばねの前記フック部が前記他側体によって前記巻回部の前記周面と前記装着壁の前記周面との密接が弱まる方向に押されて、前記第二の片側体も前記第二のコイルばねに対して摺動する、多段式ダンパーが提供される。
【0010】
好ましくは、前記フック部は前記巻回部の軸方向両端に形成されている。この場合には、前記第一の片側体及び前記第二の片側体は一方向クラッチを介して前記回転体に接続されているのがよい。更に、前記回転体には前記第二の片側体に対して回転不能な補助コイルばねが装着されているのが好ましい。前記固定部材は筒状のハウジングであって、前記ハウジングの内側には、前記第一のコイルばねが前記装着壁の外周面に密接せしめられた前記第一の片側体及び前記第二のコイルばねが前記装着壁の外周面に密接せしめられた前記第二の片側体が夫々収容されているのが好適である。前記合成樹脂材料は、PPS又はPAであるのがよい。この場合には、前記合成樹脂材料にはカーボンフィラー又はカーボンブラックが添加されているのが好ましい。前記第一のコイルばね及び前記第二のコイルばねは前記第一の片側体及び前記第二の片側体に夫々2つずつ組み合わされているのが好適である。好ましくは、前記第一のコイルばね及び前記第二のコイルばねには潤滑剤が塗布されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明のダンパーは、片側体の装着壁の少なくとも周面が、ここに密接せしめられる部材との相対回転速度が増大するに従って摺動抵抗が増大する特性を有する合成樹脂材料により形成されるため、加速しながら回転しようとする回転体の回転速度を抑制することができる点で上記特許文献1に示されたダンパーと共通である。本発明のダンパーにあっては更に、コイルばねが装着された片側体は軸方向に2つ直列に配置されており、一方の片側体に装着されたコイルばねは固定部材に対して回転不能であると共に、他方の片側体に装着されたコイルばねは他側体に対して回転不能であり、他側体は固定部材に対して所要角度範囲内でのみ回転可能である。そのため、回転体が回転した際には、一方の片側体がこれに装着されたコイルばねに対して摺動を開始して上記所要角度回転した後に、他方の片側体がこれに装着されたコイルばねに対して摺動を開始することから、回転体の回転速度を段階的に抑制することが可能となる。
【0012】
なお、回転体の回転速度を段階的に低減させる多段式の制動装置として、本願の出願人は先に特願2017-96469及び特願2018-207524を出願しており、これらの出願はいずれも既に特許されている(特許第6560295号及び特許第6790041号)。これらの多段式の制動装置では、回転体の回転角度に応じて制動トルクが回転体に段階的に付加される。そのため、上記多段式の制動装置でも回転体の回転速度を段階的に低減させることができる。然しながら、上記多段式の制動装置では、摺動する2つの部材間に存在する特異な関係性、即ち回転速度が増大するに従って摺動抵抗が増大する関係性については何ら考慮されていない。そのため、制動トルクが段階的に付加された際には好ましくない衝撃が発生する虞があり、また充分なダンパー効果(減衰効果)を得られるとも限らない。更に、上記多段式の制動装置では、構造上、回転体は予め定められた角度範囲内を往復運動する場合に限られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に従って構成されたダンパーの好適実施形態を示す図。
図2図1に示すダンパーのハウジングを単体で示す図。
図3図1に示すダンパーの回転体を単体で示す図。
図4図1に示すダンパーの片側体を単体で示す図。
図5図1に示すダンパーのコイルばねを単体で示す図。
図6図1に示すダンパーの他側体を単体で示す図。
図7図1に示す状態から回転体が一方向に所要角度回転した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に従って構成されたダンパーの好適実施形態を示す添付図面を参照して、更に詳細に説明する。なお、以下の説明における「軸方向片側」及び「軸方向他側」とは、特に指定しない限り、図1の上段の縦断面図を基準として、「軸方向片側」は同図において左側を、「軸方向他側」は同図において右側のことを言う。
【0015】
図1を参照して説明すると、全体を番号2で示すダンパーは、固定部材としての筒状のハウジング4と、回転体6と、第一の片側体8a及び第二の片側体8bと、第一のコイルばね10a及び10bと、他側体12とを備えている。
【0016】
図1及び図2を参照して説明すると、ハウジング4は番号14で示されるハウジング本体と番号16で示されるシールドとから構成される。ハウジング本体14は軸方向に対して垂直に配置される略正方形の固定端板18と、固定端板18の外周縁から軸方向他側に向かって延出する角筒状の固定外周壁20とを備えたカップ形状である。固定端板18の中央には軸方向に貫通する円形の貫通穴22が形成されている。固定外周壁20の内周面の軸方向中間部には軸方向に対して垂直で軸方向他側を向いて環状に延在する肩面24が形成されており、固定外周壁20の内側空間部は肩面24よりも軸方向片側の片側空間部26と肩面24よりも軸方向他側の他側空間部28とに区画される。片側空間部26及び他側空間部28の断面形状は共に円形である。片側空間部26には、固定外周壁20の内周面に沿って固定端板18から軸方向他側に隆起する円弧形状の固定支持壁30が形成されている。軸方向に見ると、固定支持壁30の周方向両端面は共通の直線上に位置し、両端面が夫々固定係止面32x及び32yを構成する。片側空間部26には更に、固定外周壁20の内周面に沿って固定端板18から軸方向他側に隆起する断面略直角三角形状の固定補助柱34も形成されている。軸方向に見ると、固定補助柱34は固定支持壁30の固定係止面32x側に偏倚して位置し、固定補助柱34の内面は固定係止面32xと平行である。固定支持壁30及び固定補助柱34は共に固定端板18の軸方向他側面から片側空間部26の軸方向他側端部まで隆起しており、固定端板18の軸方向他側面からの高さは等しい。他側空間部28には所要角度範囲に亘って固定外周壁20の内径が増大せしめられた円弧形状の凹部36が形成されている。固定外周壁20の軸方向端面の角部には夫々ねじ穴38が形成されている。
【0017】
シールド16はハウジング本体14の固定端板18に対応した略正方形の平板である。シールド16の中央には軸方向に貫通する円形の貫通穴40が形成されている。シールド16の角部には夫々円形の馬鹿穴42が形成されている。夫々の馬鹿穴42に図示しないボルトを挿通せしめてこれをハウジング本体14に形成されたねじ穴38に締結することで、シールド16はハウジング本体14の軸方向他側を閉塞してこれに固定される。
【0018】
図1及び図3を参照して説明すると、図示の実施形態においては、回転体6はハウジング4に対して回転可能な中実軸状部材である。回転体6の回転軸を符号oで示す。回転体6の主部44(軸方向他側端部を除く部分)の断面形状は円形である。主部44の軸方向両側端部には夫々外径が幾分低減せしめられた被支持部46が設けられており、軸方向片側に位置する被支持部46がハウジング本体14の固定端板18に形成された貫通穴22に挿通されてハウジング本体14によって回転可能に軸支されると共に、軸方向他側に位置する被支持部46がシールド16に形成された貫通穴40に挿通されてシールド16によって回転可能に軸支される。回転体6の軸方向他側端部の断面は円形の一部を切欠いた形状であって、ここには外部機器に接続される接続部48が設けられている。
【0019】
図1に示すとおり、第一の片側体8a及び第二の片側体8bは回転体6の回転軸o上で軸方向に直列に配置されており、回転体6の回転軸o上で回転体6と一体となって回転可能である。第一の片側体8a及び第二の片側体8bは同一の構成であることから、第一の片側体8a及び第二の片側体8bの各部位について説明する際には、第一の片側体8a及び第二の片側体8bを総称して単に「片側体8」とする。図4も参照して説明すると、図示の実施形態においては、片側体8は軸方向に延びる円筒形状の装着壁50と、装着壁50の軸方向他側端に接続されて軸方向に対して垂直な円板形状の端板52とを備えている。片側体装着壁50の外周面の断面形状は円形である。装着壁50の内周面の軸方向他側端部には径方向内側に突出して周方向に連続する円環形状の支持突条54が形成されている。支持突条54の内側には回転体6の主部44が挿通される。装着壁50の内周面には更に径方向内側に突出して軸方向に直線状に延在する保持突条56が周方向に間隔をおいて3つ形成されている。端板52の軸方向他側面の中央部には凹部58が形成されており、これに起因して片側体8を軸方向他側から見ると、支持突条54の軸方向他側面が部分的に露出せしめられる。軸方向他側から見ると、凹部58は円形の部分58pと略D字形状の部分58qとを接合してなる形状である。部分58pの周縁は支持突条54の内周縁部を囲繞し、部分58pの中央部は装着壁50の内側に連通する。部分58qの直線部位が部分58pに接合されており、上記直線部位の両端部には補助係止面60x及び60yが設けられる。
【0020】
ここで、片側体8の装着壁50の少なくとも周面(図示の実施形態においては、外周面)は、ここに密接せしめられる部材との相対回転速度が増大するに従って摺動抵抗が増大する特性を有する合成樹脂材料により形成される。図示の実施形態においては片側体8全体が上記特性を有する合成樹脂材料により形成されている。かような合成樹脂材料としては、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)又はPA(ポリアミド)が存在し、回転体6の耐摩耗性を向上させる目的の観点からこれらの合成樹脂材料にはカーボンフィラー又はカーボンブラックを添加することが好ましい。
【0021】
図1の上段縦断面図に示されているとおり、図示の実施形態においては、片側体8は一方向クラッチ62を介して回転体6に接続される。一方向クラッチ62は周知のものでよく例えば本願の出願人が本願に先立って出願して既に特許された特許第3501352号に示されたものが広く実用に供されている。かような一方向クラッチ62の詳細については上記特許文献を参照されたい。一方向クラッチ62は片側体8の装着壁50の内側において支持突条54によって軸方向に支持されると共に保持突条56によって相対回転不能に係止せしめられ、片側体8と一体である。そして、一方向クラッチ62の内側には回転体6の主部44が挿通せしめられ、一方向クラッチ62は回転体6の主部44にて、回転体6が一方向に相対回転することは阻止するが他方向に相対回転することは許容する。このことから、回転体6が一方向へ回転する際には回転体6の回転は片側体8に伝達されて回転体6及び片側体8は一体回転するが、回転体6が他方向へ回転する際には回転体6の回転は片側体8に伝達されず回転体6及び片側体8は相対回転する。
【0022】
図1に示すとおり、第一のコイルばね10a及び第二のコイルばね10bは第一の片側体8a及び第二の片側体8bに夫々組み合わされる。図示の実施形態においては、第一のコイルばね10a及び第二のコイルばね10bは第一の片側体8a及び第二の片側体8bに夫々2つずつ組み合わされている。第一のコイルばね10a及び第二のコイルばね10bは同一の構成であることから、第一のコイルばね10a及び第二のコイルばね10bの各部位について説明する際には、第一のコイルばね10a及び第二のコイルばね10bを総称して単に「コイルばね10」とする。図5も参照して説明すると、コイルばね10は断面円形の線材が螺旋状に1乃至3回巻回せしめられた巻回部64を備えている。巻回部64における線材の巻回数については上記特許文献1を参照されたい。図示の実施形態においては、巻回部64において線材は1回巻回せしめられている。コイルばね10は更に、巻回部64から上記線材が延出するフック部を備えている。図示の実施形態においては、フック部は巻回部64の軸方向両端に夫々設けられており、符号66x及び66yで示す。フック部66x及び66yは共に巻回部64の軸方向両端から相互に反対方向に直線状に延出している。コイルばね10が自由状態つまりフック部66x及び66yに何らの外力も付加されていない状態にあるときの巻回部64の内径は片側体8の装着壁50の外径よりも小さく、コイルばね10は巻回部64が拡径せしめられた状態で装着壁50の外周面に装着される。そのため、コイルばね10は復元力によって片側体8の装着壁50の外周面を常時締め付ける。従って、コイルばね10は片側体8に、巻回部64の内周面が装着壁50の外周面に密接して装着される。コイルばね10には潤滑剤が塗布されている。コイルばね10が装着された片側体8については後に更に言及する。
【0023】
図1に示すとおり、他側体12はハウジング本体14の他側空間部28に配置されて肩面24及びシールド16によって軸方向両側から支持されており、他側体12は回転軸o上でハウジング4に対し所要角度範囲内で回転可能である。図6も参照して説明すると、他側体12は全体的に円筒形状であって、軸方向に対して垂直に配置される可動端板68と可動端板68の外周縁から軸方向他側に向かって延出する円筒形状の可動外周壁70とを有している。可動端板68の中央には軸方向に貫通する円形の貫通穴72が形成されており、貫通穴72には回転体6の主部44が挿通せしめられる。他側体12の外周面には、所要角度範囲に亘って外径が増大せしめられた断面円弧形状の制限片74が軸方向全体に亘って延在せしめられている。図1のB-B断面図に示されているとおり、制限片74は他側空間部28に形成された凹部36に位置せしめられる。これにより、他側体12は回転軸o上でハウジング4に対し所要角度範囲内でのみ回転可能となる。可動外周壁70の内側には、可動外周壁70の内周面に沿って可動端板68から軸方向他側に隆起する円弧形状の可動支持壁76が形成されている。軸方向に見ると、可動支持壁76の周方向両端面は共通の直線上に位置し、両端面が夫々可動係止面78x及び78yを構成する。可動外周壁70の内側には更に、可動外周壁70の内周面に沿って可動端板68から軸方向他側に隆起する断面略直角三角形状の可動補助柱80も形成されている。軸方向に見ると、可動補助柱80は可動支持壁76の可動係止面78x側に偏倚して位置し、可動補助柱80の内面は可動係止面78xと平行である。可動支持壁76及び可動補助柱80は共に可動端板68の軸方向他側面から可動外周壁70の軸方向他側端部まで隆起しており、可動端板68の軸方向他側面からの高さは等しい。
【0024】
コイルばね10が装着された片側体8について図1を参照して更に説明する。第一のコイルばね10aが装着された第一の片側体8aはハウジング本体14の片側空間部26に配置される。A-A断面図に示されるとおり、第一のコイルばね10aの巻回部64の外周面がハウジング本体14の固定支持壁30の内周面と対向し、フック部66x及び66yは固定係止面32x及び32yに夫々近接乃至当接する。これにより、フック部66x及び66yはハウジング4に保持されて、第一のコイルばね10aはハウジング4に対して回転不能となる。一方、第二のコイルばね10bが装着された第二の片側体8bはハウジング本体14の他側空間部28に収容された他側体12の内側に配置される。B-B断面図に示されるとおり、第二のコイルばね10bの巻回部64の外周面が他側体12の可動支持壁76の内周面と対向し、フック部66x及び66yは可動係止面78x及び78yに夫々近接乃至当接する。これにより、フック部66x及び66yは他側体12に保持されて、第二のコイルばね10bは他側体12に対して回転不能となる。
【0025】
図1に示すとおり、図示の実施形態においては更に、回転体6には第二の片側体8bに対して回転不能な補助コイルばね82が装着されている。C-C断面図に示すとおり、補助コイルばね82はコイルばね10同様、線材が巻回された巻回部84と巻回部84の軸方向両側端にて線材が延出するフック部86x及び86yとを有している。巻回部84での線材の巻回数は任意である。補助コイルばね82が自由状態つまりフック部86x及び86yに何らの外力も付加されていない状態にあるときの巻回部84の内径は回転体6の主部44の外径よりも小さく、補助コイルばね82は巻回部84が拡径せしめられた状態で主部44の外周面に装着される。そのため、補助コイルばね82は復元力によって回転体6の主部44の外周面を常時締め付ける。回転体6の主部44の外周面に装着された補助コイルばね82は第二の片側体8bの端板52に形成された凹部58に位置する。更に詳しくは、補助コイルばね82は凹部58において、巻回部84の外周面が端板52の内周面と対向し、フック部86x及び86yは補助係止面60x及び60yに夫々近接乃至当接する。これにより、フック部86x及び86yは第二の片側体8bに保持されて、補助コイルばね82は第二の片側体8bに対して回転不能となる。
【0026】
続いて、図1及び図7を参照してダンパー2の作動について説明する。最初に、回転体6が図1に示す状態(これを初期位置とする)から一方向、図1の上段縦断面図の右方向から見て反時計方向に回転する場合について説明する。回転体6が初期位置にあるときは、他側体12の制限片74の一方向上流側面がハウジング本体14に形成された凹部36の一方向上流側面と当接する。回転体6が一方向に回転する際には一方向クラッチ60は回転体6と一体回転する。そのため、初期位置から回転体6が一方向に所要角度回転する際には、第一の片側体8aに組み合わされた第一のコイルばね10aのフック部66xはハウジング本体14に形成された固定係止面32xによって巻回部64の内周面と装着壁50の外周面との密接が弱まる方向(つまり相対的に他方向)に押されて、第一の片側体8aの装着壁50は第一のコイルばね10aの巻回部に対して摺動する。一方、第二の片側体8bに組み合わされた第二のコイルばね10bのフック部66xも他側体12に形成された可動係止面78xを一方向に押すものの、ハウジング本体14に形成された凹部36において他側体12の制限片74は一方向へ回動可能であることから、第二の片側体8bは第二のコイルばね10b及び他側体12と一体となって一方向へ回転する。従って、初期位置から回転体6が一方向に所要角度回転する際には、第二の片側体8bの装着壁50は第二のコイルばね10bの巻回部64に対して摺動しない。このとき、補助コイルばね82も第二の片側体8bと一体となって一方向へ回転する。
【0027】
回転体6が図1に示す初期位置から一方向に上記所要角度回転すると図7に示す状態となり、他側体12の制限片74の一方向下流側面がハウジング本体14に形成された凹部36の一方向下流側面に当接して、ハウジング4に対して他側体12が更に一方向に回転することは阻止される。そのため、回転体6が図7に示す状態から更に一方向に回転する際、つまり上記所要角度を超えて一方向に回転する際には、第一の片側体8aは引き続き第一のコイルばね10aに対して摺動すると共に、第二の片側体8bに組み合わされた第二のコイルばね10bのフック部66xは他側体12に形成された可動係止面78xによって巻回部64の内周面と装着壁50の外周面との密接が弱まる方向(つまり相対的に他方向)に押されて、第二の片側体8bの装着壁50も第二のコイルばね10bの巻回部に対して摺動する。このとき更に、回転体6の主部44の外周面に装着された補助コイルばね82のフック部86xは第二の片側体8bに形成された補助係止面60xによって巻回部84の内周面と主部44の外周面との密接が弱まる方向(つまり相対的に他方向)に押されて、回転体6の主部44も補助コイルばね82の巻回部84に対して摺動する。
【0028】
ここで、片側体8の装着壁50の少なくとも外周面は、ここに密接せしめられる部材との相対回転速度が増大するに従って摺動抵抗が増大する特性を有する合成樹脂材料により形成されているため、回転体6が加速しながら回転しようとする場合であっても、本発明のダンパー2は回転体6の回転速度を抑制することができる。本発明のダンパーにあっては更に、コイルばね10が装着された片側体8は軸方向に2つ直列に配置されており、第一の片側体8aに装着された第一のコイルばね10aはハウジング4に対して回転不能であると共に、第二の片側体8bに装着された第二のコイルばね10bは他側体12に対して回転不能であり、他側体12はハウジング4に対して所要角度範囲内でのみ回転可能である。そのため、回転体6が回転した際には、第一の片側体8aがこれに装着された第一のコイルばね10aに対して摺動を開始して上記所要角度回転した後に、第二の片側体8bがこれに装着された第二のコイルばね10bに対して摺動を開始することから、回転体6の回転速度を段階的に抑制することが可能となる。図示の実施形態においては更に、第二の片側体8bが第二のコイルばね10bに対して摺動を開始するのと同時に、回転体6は補助コイルばね82に対しても摺動を開始することとなる。
【0029】
回転体6が他方向に回転する際には、一方向クラッチ62は回転体6と相対回転する。そのため、図7に示す状態から回転体6が他方向に上記所要角度回転する際には、第一の片側体8aは第一のコイルばね10aによって保持され、回転体6は第一の片側体8a及びこれに装着された第一のコイルばね10aからは実質上何らの抵抗を受けることなく回転する。回転体6は第二の片側体8b及びこれに装着された第二のコイルばね10bからも実質上何らの抵抗を受けることなく回転するが、主部44の外周面には補助コイルばね82も装着されていることに起因して、回転体6が他方向に回転すると、補助コイルばね82のフック部86yが第二の片側体8bに形成された補助係止面60yを他方向に押して第二の片側体8b及びこれに装着された第二のコイルばね10bを他方向に回転せしめるため、第二の片側体8bが備える慣性に基いて若干の抵抗を受ける。
【0030】
回転体6が図7に示す状態から他方向に上記所要角度回転すると図1に示す状態(つまり初期位置)となり、他側体12の制限片74の他方向下流側面(一方向上流側面)がハウジング本体14に形成された凹部36の他方向下流側面(一方向上流側面)に当接して、ハウジング4に対して他側体12及び第二のコイルばね10b並びに補助コイルばね82が更に他方向に回転することは阻止される。そのため、回転体6が図1に示す状態から更に回転する際、つまり上記所要角度を超えて他方向に回転する際には、補助コイルばね82のフック部86yが第二の片側体8bに形成された補助係止面60yによって巻回部84の内周面と回転体6の主部44の外周面との密接が弱まる方向(つまり相対的に一方向)に押されて、回転体6の主部44が補助コイルばね82の巻回部84に対して摺動する。
【0031】
従って、上記外部機器が例えばブラインドの巻き取り機構に接続され、図1に示す初期位置においてボトムレールが上昇した位置にあれば、ボトムレールが自由落下すると回転体6が一方向に回転する。そうすると、ボトムレールが自由落下する初期段階つまり回転体6が上記所要角度回転する間は第一の片側体8aのみが第一のコイルばね10aに対して摺動し、回転体6が上記所要角度回転した後は、第一の片側体8aが第一のコイルばね10aに対して摺動すると共に、第二の片側体8bも第二のコイルばね10bに対して摺動(更に回転体6も補助コイルばね82に対して摺動)する。このとき、第一のコイルばね10a及び第二のコイルばね10bに対して摺動する第一の片側体8a及び第二の片側体8bの装着壁50の周面(図示の実施形態においては、片側体8全体)は、ここに密接せしめられる部材との相対回転速度が増大するに従って摺動抵抗が増大する特性を有する合成樹脂材料により形成されているため、ボトムレールの落下速度は段階的に抑制せしめられる。そして、操作コードを用いて降下したボトムレールを上昇させる際には、一方向クラッチ60の存在に起因して、第一の片側体8aを第一のコイルばね10aに対し、第二の片側体8bを第二のコイルばね10bに対して夫々摺動させることなく回転体6を他方向に回転させることができるため、軽い力で操作できる。
【0032】
以上、本発明に従って構成された多段式ダンパーについて添付した図面を参照して詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲内において適宜の修正や変更が可能である。例えば、図示の実施形態においては、第一の片側体8a及び第二の片側体8bは一方向クラッチ60を介して回転体6に接続され、回転体6が一方向に回転する際にのみダンパー効果が作用したが、一方向クラッチ60を省略すれば正逆両方向に回転する際にダンパー効果を作用させることができる。一方向クラッチ60を省略する場合には、回転体と第一の片側体及び第二の片側体とは必ずしも別体である必要はなく、一体であってもよい。回転体6の回転方向が一方向のみであれば、第一のコイルばね及び第二のコイルばねのフック部は単一であってもよい。また、図示の実施形態においては、固定部材は筒状のハウジングであると共に回転体は軸状であったが、固定部材を軸状とすると共に回転体を筒状とすることもできる。固定部材を軸状、回転体を筒状とした場合には、その他の構成部材の内外関係は全て入れ替わる。
【符号の説明】
【0033】
2:ダンパー
4:ハウジング(固定部材)
6:回転体
8a:第一の片側体
8b:第二の片側体
10a:第一のコイルばね
10b:第二のコイルばね
12:他側体
50:装着壁
62:一方向クラッチ
64:巻回部
66x及び66y:フック部
82:補助コイルばね
o:回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7