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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165176
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】竹フェンス及びその製作方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/14 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
E04H17/14 102A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081097
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】323005706
【氏名又は名称】株式会社スペース
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】長岡 信玄
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142AA03
2E142AA10
2E142DD12
2E142DD25
2E142DD34
2E142HH01
2E142HH13
2E142HH25
(57)【要約】
【課題】 容易にかつ低下コストで製作を行うことができる竹フェンス及びその製作方法を提供する。
【解決手段】 第1の支柱11aと第2の支柱11bと、それらを繋ぐ下部の第1のガイド部12aと上部の第2のガイド部12bとを備え、第1のガイド部12aの凹形状のレールに竹20の底部20aを挿入し、第2のガイド部12bの凹形状のレールに竹20の頭部20bを押し当てるように竹20を立て、第1のガイド部12aの側面又は第2のガイド部12bの側面、若しくは両方の側面に、竹20を立てた状態で挿入できる切り欠き部13と、その蓋部13を覆って蓋をする蓋部14を有し、竹20を立てた状態で横方向に複数配置する竹フェンス及びその製作方法である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の竹を立てた状態で横方向に配置する竹フェンスであって、
地中に一部が埋め込まれて設置される第1の支柱及び第2の支柱と、
地面から浮かせた位置で前記第1の支柱と前記第2の支柱とを連結するよう設置される第1のガイド部と、
前記第1の支柱の上面と前記第2の支柱の上面とを接続するよう設置される第2のガイド部とを備え、
前記第1のガイド部は、上方向に開口する凹形状のレール状となっており、
前記第2のガイド部は、下方向に開口する凹形状のレール状となっており、
前記第1のガイド部又は前記第2のガイド部の側面に竹を立てた状態で挿入する切り欠き部を設け、
前記切り欠き部を覆う蓋部を有することを特徴とする竹フェンス。
【請求項2】
前記第1の支柱と、前記第2の支柱と、前記第1のガイド部と、前記第2のガイド部とが、一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の竹フェンス。
【請求項3】
前記第1の支柱と前記第2の支柱とは、地面に掘られた穴に設けられた円筒形の筒の内部に設置されることを特徴とする請求項1又は2記載の竹フェンス。
【請求項4】
前記筒の内側面と前記支柱の外側面との隙間に小石を挿入して前記隙間を埋めたことを特徴とする請求項3記載の竹フェンス。
【請求項5】
請求項1記載の竹フェンスにおける製作方法であって、
前記第1のガイド部と前記第2のガイド部との間の空間に竹を斜めにして差し込み、前記竹の底部を前記第1のガイド部の端の方向に押し込み、前記竹を垂直方向に立てて前記第2のガイド部に前記竹の頭部が接するよう固定することを特徴とする竹フェンスの製作方法。
【請求項6】
前記竹フェンスの切り欠き部に最後の竹を挿入して、当該切り欠き部を蓋部で覆うことを特徴とする請求項5記載の竹フェンスの製作方法。
【請求項7】
前記第1の支柱と前記第2の支柱とは、地面に掘られた穴に設けられた円筒形の筒の内部に設置されることを特徴とする請求項5又は6記載の竹フェンスの製作方法。
【請求項8】
前記筒の内側面と前記支柱の外側面との隙間に小石を挿入して前記隙間を埋めることを特徴とする請求項7記載の竹フェンスの製作方法。
【請求項9】
複数の竹を横にした状態で縦方向に配置する竹フェンスであって、
地中に一部が埋め込まれて設置される第1の支柱及び第2の支柱と、
地面から浮かせた位置で前記第1の支柱と前記第2の支柱とを連結するよう設置される第1の係止部と、
前記第1の支柱の上面と前記第2の支柱の上面とを接続するよう設置される第2の係止部と、
前記第1の係止部と前記第2の係止部との間で前記第1の支柱に沿うように設けられる第1のガイド部と、
前記第1の係止部と前記第2の係止部との間で前記第2の支柱に沿うように設けられる第2のガイド部とを備え、
前記第1のガイド部は、内側方向に開口する凹形状のレール状となっており、
前記第2のガイド部は、内側方向に開口する凹形状のレール状となっており、
前記第1のガイド部又は前記第2のガイド部の側面に竹を横にした状態で挿入する切り欠き部を設け、
前記切り欠き部を覆う蓋部を有することを特徴とする竹フェンス。
【請求項10】
請求項9記載の竹フェンスにおける製作方法であって、
前記第1のガイド部と前記第2のガイド部との間の空間に竹を斜めにして差し込み、前記竹の一方の端部を前記第1のガイド部の下端の方向に押し込み、前記竹を水平方向に寝かせて前記第2のガイド部に前記竹の他方の端部が接するよう固定することを特徴とする竹フェンスの製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竹を使用したフェンスに係り、特に、製作が容易で低コストの竹フェンス及びその製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来の竹フェンスは、一つ一つの竹を針金等で連結しながら支柱に固定することで製作されていた。
【0003】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特開2015-078531号公報「フェンス」(特許文献1)、実用新案登録第3108519号公報「伐採材垣の構造」(特許文献2)、実開昭63-030549号公報「フェンス」(特許文献3)がある。
【0004】
特許文献1には、複数の桟がリングで連結され、そのリングに竹を差し込んでフェンスを形成することが示されている。
特許文献2には、竹の上面と底面にV字の溝を形成し、底面に接する下枠にV字の突起のガイド部を設け、上面に接する上枠にV字の突起のガイド部を設けた構造が示されている。
特許文献3には、竹を縦方向に設置して横方向に連結する指示部材を上下に設けることで竹のフェンスを形成する工法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-078531号公報
【特許文献2】実用新案登録第3108519号公報
【特許文献3】実開昭63-030549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の竹フェンスでは、個々の竹を針金等で連結しながら支柱に固定しているので、製作に手間と時間が掛かり、容易かつ低下コストに竹フェンスを製作できないという問題点があった。
【0007】
尚、特許文献1~3には、針金等の連結部材を使わず複数の竹を配列して容易にかつ低コストで竹フェンスを製作する構成の記載がない。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、針金等の連結部材を使用せずに、容易にかつ低下コストで製作を行うことができる竹フェンス及びその製作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、複数の竹を立てた状態で横方向に配置する竹フェンスであって、地中に一部が埋め込まれて設置される第1の支柱及び第2の支柱と、地面から浮かせた位置で第1の支柱と第2の支柱とを連結するよう設置される第1のガイド部と、第1の支柱の上面と第2の支柱の上面とを接続するよう設置される第2のガイド部とを備え、第1のガイド部は、上方向に開口する凹形状のレール状となっており、第2のガイド部は、下方向に開口する凹形状のレール状となっており、第1のガイド部又は第2のガイド部の側面に竹を立てた状態で挿入する切り欠き部を設け、切り欠き部を覆う蓋部を有することを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記竹フェンスにおいて、第1の支柱と、第2の支柱と、第1のガイド部と、第2のガイド部とが、一体に形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記竹フェンスにおいて、第1の支柱と第2の支柱とは、地面に掘られた穴に設けられた円筒形の筒の内部に設置されることを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記竹フェンスにおいて、筒の内側面と支柱の外側面との隙間に小石を挿入して隙間を埋めたことを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記竹フェンスにおける製作方法であって、第1のガイド部と第2のガイド部との間の空間に竹を斜めにして差し込み、竹の底部を第1のガイド部の端の方向に押し込み、竹を垂直方向に立てて第2のガイド部に竹の頭部が接するよう固定することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記竹フェンスの製作方法であって、竹フェンスの切り欠き部に最後の竹を挿入して、当該切り欠き部を蓋部で覆うことを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記竹フェンスの製作方法であって、第1の支柱と第2の支柱とは、地面に掘られた穴に設けられた円筒形の筒の内部に設置されることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記竹フェンスの製作方法であって、筒の内側面と支柱の外側面との隙間に小石を挿入して隙間を埋めることを特徴とする。
【0017】
本発明は、複数の竹を横にした状態で縦方向に配置する竹フェンスであって、地中に一部が埋め込まれて設置される第1の支柱及び第2の支柱と、地面から浮かせた位置で第1の支柱と第2の支柱とを連結するよう設置される第1の係止部と、第1の支柱の上面と第2の支柱の上面とを接続するよう設置される第2の係止部と、第1の係止部と第2の係止部との間で第1の支柱に沿うように設けられる第1のガイド部と、第1の係止部と第2の係止部との間で第2の支柱に沿うように設けられる第2のガイド部とを備え、第1のガイド部は、内側方向に開口する凹形状のレール状となっており、第2のガイド部は、内側方向に開口する凹形状のレール状となっており、第1のガイド部又は第2のガイド部の側面に竹を横にした状態で挿入する切り欠き部を設け、切り欠き部を覆う蓋部を有することを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記竹フェンスにおける製作方法であって、第1のガイド部と第2のガイド部との間の空間に竹を斜めにして差し込み、竹の一方の端部を第1のガイド部の下端の方向に押し込み、竹を水平方向に寝かせて第2のガイド部に竹の他方の端部が接するよう固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数の竹を立てた状態で横方向に配置する竹フェンスであって、地中に一部が埋め込まれて設置される第1の支柱及び第2の支柱と、地面から浮かせた位置で第1の支柱と第2の支柱とを連結するよう設置される第1のガイド部と、第1の支柱の上面と第2の支柱の上面とを接続するよう設置される第2のガイド部とを備え、第1のガイド部は、上方向に開口する凹形状のレール状となっており、第2のガイド部は、下方向に開口する凹形状のレール状となっており、第1のガイド部又は第2のガイド部の側面に竹を立てた状態で挿入する切り欠き部を設け、切り欠き部を覆う蓋部を有する竹フェンスとしているので、竹の底部を第1のガイド部の凹形状に挿入しながら竹を立てて竹の頭部を第2のガイド部の凹形状に接して固定すると、容易にかつ低コストで製作できる効果がある。
【0020】
本発明は、上記竹フェンスにおける製作方法であって、第1のガイド部と第2のガイド部との間の空間に竹を斜めにして差し込み、竹の底部を第1のガイド部の端の方向に押し込み、竹を垂直方向に立てて第2のガイド部に竹の頭部が接するよう固定する竹フェンスの製作方法としているので、竹を立てた状態で横方向に複数配置したフェンスを容易に低コストで製作できる効果がある。
【0021】
本発明によれば、複数の竹を横にした状態で縦方向に配置する竹フェンスであって、地中に一部が埋め込まれて設置される第1の支柱及び第2の支柱と、地面から浮かせた位置で第1の支柱と第2の支柱とを連結するよう設置される第1の係止部と、第1の支柱の上面と第2の支柱の上面とを接続するよう設置される第2の係止部と、第1の係止部と第2の係止部との間で第1の支柱に沿うように設けられる第1のガイド部と、第1の係止部と第2の係止部との間で第2の支柱に沿うように設けられる第2のガイド部とを備え、第1のガイド部は、内側方向に開口する凹形状のレール状となっており、第2のガイド部は、内側方向に開口する凹形状のレール状となっており、第1のガイド部又は第2のガイド部の側面に竹を横にした状態で挿入する切り欠き部を設け、切り欠き部を覆う蓋部を有する竹フェンスとしているので、竹の一方の端部を第1のガイド部の凹形状に挿入しながら竹を横にして竹の他方の端部を第2のガイド部の凹形状に接して固定すると、容易にかつ低コストで製作できる効果がある。
【0022】
本発明によれば、上記竹フェンスにおける製作方法であって、第1のガイド部と第2のガイド部との間の空間に竹を斜めにして差し込み、竹の一方の端部を第1のガイド部の下端の方向に押し込み、竹を水平方向に寝かせて第2のガイド部に竹の他方の端部が接するよう固定する竹フェンスの製作方法としているので、竹を寝かした状態で縦方向に複数配置したフェンスを容易に低コストで製作できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本フェンスの概略図である。
図2】本フェンスの完成図である。
図3】第1のガイド部の断面説明図である。
図4】第2のガイド部の断面説明図である。
図5】第2のガイド部における切り欠き部の説明図である。
図6】蓋部の説明図である。
図7】本フェンスの製作方法の説明図である。
図8】別のフェンスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る竹フェンス(本フェンス)は、2本の支柱と、それらを繋ぐ下部の第1のガイド部と上部の第2のガイド部とを備え、第1のガイド部が竹の底部を挿入するよう上に開く凹形状のレールとなっており、第2のガイド部が竹の頭部を挿入するよう下に開く凹形状のレールとなっており、第1のガイド部の側面又は第2のガイド部の側面、若しくは両方の側面に、竹を立てた状態で挿入できる切り欠き部を設け、更に切り欠き部を覆って蓋をする蓋部を有するものであり、竹の底部を第1のガイド部の凹形状に挿入しながら竹を立てて竹の頭部を第2のガイド部の凹形状に接して固定すると、竹を立てた状態で横方向に複数配置したフェンスを容易に低コストで製作できるものである。
【0025】
[本フェンス:図1,2]
本フェンスについて図1を参照しながら説明する。図1は、本フェンスの概略図であり、図2は、本フェンスの完成図である。
本フェンスは、図1図2に示すように、第1の支柱11aと、第2の支柱11bと、第1のガイド部12aと、第2のガイド部12bと、複数の竹20とを基本的に備えている。
【0026】
第1のガイド部12aは、地面に近い位置に配置され、その端部は、第1の支柱11aの下側と第2の支柱11bの下側に接続されている。
第2のガイド部12bは、竹の頭部の位置に配置され、その端部は、第1の支柱11aの天面(上端部分)と第2の支柱11bの天面(上端部分)に接続されている。
【0027】
本フェンスは、第1の支柱11a、第2の支柱11b、第1のガイド部12a及び第2のガイド部12bが一体に形成された枠の状態で工場等の製造所から出荷される。
そして、その枠が施工現場に搬入されて、地面に設置され、第1のガイド部12aと第2のガイド部12bとの間に、予め特定の長さに切断した複数の竹を立てた状態に固定するものである。
【0028】
そして、第1の支柱11aと第2の支柱11bの下側の一部が、地面を掘削して穴を形成し、その地面の穴内に設けられたプラスチック製の筒状の筒体(パイプ)30aと筒体(パイプ)30bに挿入されて固定される。
更に、筒体30a,30bの内側面と第1,2の支柱11a,11bの外側面との隙間に小石を挿入して隙間を埋めて固定している。
【0029】
[各部:図3~6]
本フェンスの各部について図3~6を参照しながら具体的に説明する。図3は、第1のガイド部の断面説明図であり、図4は、第2のガイド部の断面説明図であり、図5は、第2のガイド部における切り欠き部の説明図であり、図6は、蓋部の説明図である。
【0030】
[第1の支柱11a、第2の支柱11b]
第1の支柱11a、第2の支柱11bは、角材で構成されており、下側が筒体30a,30bに挿入される。
【0031】
[筒体30a,30b]
筒体30aは、第1の支柱11aが地中に埋め込まれる位置に地面を掘削して形成された穴内に設けられた円筒形のパイプであり、筒体30bは、第2の支柱11bが地中に埋め込まれる位置に地面を掘削して形成された穴内に設けられた円筒形のパイプである。
【0032】
筒体30a,30bは円筒形であり、その内径は、第1の支柱11aと第2の支柱11bの角材が挿入される大きさである。
筒体30aの内側と第1の支柱11aとの隙間に小石が挿入されて埋め込まれており、筒体30bの内側と第2の支柱11bとの隙間にも小石が挿入されて埋め込まれている。
【0033】
[第1のガイド部12a:図3
第1のガイド部12aは、地面から数センチ少し浮かせた位置で、第1の支柱11aと第2の支柱11bとを連結するよう接続されている。
また、第1のガイド部12aは、図3に示すように、その断面がコの字の上側に開口する凹形状のレール状となっており、木材で形成されている。
【0034】
第1のガイド部12aの内側の底面には、竹20の底部20aが接触するように竹20が設置される。
尚、第1のガイド部12aの底面に複数の貫通孔を形成し、雨水を排出するようにすれば、第1のガイド部12aが腐りにくく耐久性を向上させることができる。
【0035】
[第2のガイド部12b:図4
第2のガイド部12bは、竹20の頭部20bを覆うように、第1の支柱11aと第2の支柱11bとを連結するよう接続されている。具体的には、第1の支柱11aの上面と第2の支柱11bの上面に固定されている。
【0036】
また、第2のガイド部12bは、図4に示すように、その断面がコの字の下側に開口する凹形状のレール状となっており、木材で形成されている。
第2のガイド部12bの内側の天面には、竹20の頭部20bが接触するように竹20が設置される。
【0037】
つまり、竹20の底部20aが第1のガイド部12aの凹形状に納まり、竹20の頭部20bが第2のガイド部12bの凹形状に納まるように、竹20の長さが調整されて切断されている。
【0038】
[切り欠き部13:図5
切り欠き部13は、図5に示すように、第1のガイド部12a又は第2のガイド部12b、若しくは双方の側面に形成されている。
切り欠き部13の開口部の形状は、1本の竹20の幅(直径)より大きな幅で形成されている。
【0039】
切り欠き部13の開口部があることで、竹20を図5の手前から奥方向に挿入することができる。
これは、後述する製作方法で詳細は説明するが、特定の数の竹20の最後の1本を挿入するために設けられている。
【0040】
[蓋部14:図6
蓋部14は、図6に示すように、切り欠き部13を覆うように切り欠き部13に蓋をするものである。
尚、蓋部14の内側面(図示せず)には、切り欠き部13の空間を埋めるように凸部が形成されている方が竹20を押さえ込んで安定的に固定できる。当該凸部は切り欠き部12を切り取った木片を蓋部14に取り付けてもよい。
【0041】
[製作方法:図7
次に、本フェンス製作について図7を参照しながら説明する。図7は、本フェンスの製作方法の説明図である。
本フェンスの製作方法は、施工現場に搬入された本フェンスの一体に形成された枠における第1の支柱11aと第2の支柱11bが設置される位置に穴を掘って筒体30a,30bを埋設する。
【0042】
次に、筒体30a,30bに第1の支柱11aと第2の支柱11bを差し込み、本フェンスの枠を立てる。そして、筒体30aと第1の支柱11aとの隙間に小石を詰める。同様に筒体30bと第2の支柱11bとの隙間に小石を詰める。
【0043】
次に、特定の長さに切り揃えられた複数の竹20を、図7に示すように、斜めにした(A)の状態で竹20の底部20aを第1のガイド部12aの凹形状の底面に接触させ、第1の支柱11aの方向に移動させて(B)の状態とし、竹30を立て、竹30の頭部30bを第2のガイド部12bの凹形状の天面に接触させて(C)の状態で固定する。
【0044】
次の竹20も同様に斜めの状態で第1のガイド部12aにセットして移動させ、垂直方向に立てた状態にし、既に立てた状態にした竹20に隣接するよう密着させて固定する。
その後も、同様に竹20を立てて既に立てた竹20に隣接させて固定する。
【0045】
そして、最後の1本の竹20は、枠内で斜めに設置できないので、切り欠き部13から最後の竹20を挿入し、蓋部14で蓋をして本フェンスの製作を完了する。
蓋部14は、第1のガイド部12a又は第2のガイド部12bに釘で固定してもよく、接着剤で固定してもよい。
尚、本フェンスでは、切り欠き部13を第2の支柱11bの近くに設けられているが、第1の支柱11aと第2の支柱11bとの任意の位置に形成してもよい。
【0046】
以上のように、本フェンスでは、針金等の固定具を用いて竹を1本ずつ固定する必要がなく、竹20を第1のガイド部12aと第2のガイド部12bの間に差し込んで一方に寄せて固定できるので、竹20を立てた状態で横方向に容易に配置でき、低コストで製作できるものである。
【0047】
[別のフェンス:図8
次に、本発明の別の実施の形態に係る竹フェンス(別のフェンス)について図8を参照しながら説明する。図8は、別のフェンスの概略図である。
別のフェンスは、図8に示すように、竹20を横にして縦方向に積み上げてフェンスを形成するものであり、第1の支柱21aと、第2の支柱21bと、それら支柱の地面近くで両支柱を接続し、積み上げられる竹を係止する第1の係止部25aと、第1の支柱21aの縦方向に沿うように形成される第1のガイド部22aと、第2の支柱21bの縦方向に沿うように形成される第2のガイド部22bと、第1のガイド部22aの上端(頭部)と第2のガイド部22bの上端(頭部)とを接続し、積み上げられた竹を覆って係止する第2の係止部25bとを備えている。
第1の支柱21aと第2の支柱21bの下側が地面に埋め込まれ、地面内の構成は、本フェンスと同様である。
【0048】
別のフェンスも本フェンスと同様に第1の支柱21a、第2の支柱21b、第1のガイド部22a、第2のガイド部22b、第1の係止部25a及び第2の係止部25bが製造現場で予め一体に製造されて、設置現場に搬入されて設置作業が行われ、竹20の積み上げを行うようになっている。
【0049】
別のフェンスの第1の支柱21aと第2の支柱21bは、本フェンスの第1の支柱11aと第2の支柱11bと同様の構成となっている。
また、別のフェンスの第1のガイド部22aと第2のガイド部22bは、本フェンスの第1のガイド部12aと第2のガイド部12bと同様の構成で、凹形状の溝が形成されているが、第1のガイド部22aは、第1の支柱21aに沿うよう縦方向に第2の支柱22bに対向する面に取り付けられ、第2のガイド部22bは、第2の支柱21aに沿うよう縦方向に第1の支柱21aに対向する面に取り付けられている。
【0050】
そして、第1のガイド部22aの溝と第2のガイド部22bの溝との間に竹20の端部を挿入しながら竹20を横にした状態で縦方向に配置(積層)すると、第1の係止部25aで竹20が係止され、その竹20の上に次々に複数の竹20が積み上げられて第2の係止部25bまで形成される。
また、第1のガイド部22a又は/及び第2のガイド部22bに切り欠き部23が形成されており、その切り欠き部23から最後の竹20を挿入し、蓋部24で蓋をする。
【0051】
尚、第2の係止部25bを取り除いて、第1のガイド部22aと第2のガイド部22bの上端から竹20を挿入して、最後に第2の係止部25bを取り付けるようにしてもよい。この場合は、切り欠き部23と蓋部24は不要となる。
【0052】
[実施の形態の効果]
本フェンスによれば、第1の支柱11aと第2の支柱11bと、それらを繋ぐ下部の第1のガイド部12aと上部の第2のガイド部12bとを備え、第1のガイド部12aが竹20の底部20aを挿入するよう上に開く凹形状のレールとなっており、第2のガイド部12bが竹20の頭部20bを挿入するよう下に開く凹形状のレールとなっており、第1のガイド部12aの側面又は第2のガイド部12bの側面、若しくは両方の側面に、竹20を立てた状態で挿入できる切り欠き部13を設け、更に切り欠き部13を覆って蓋をする蓋部14を有するものであり、竹20の底部20aを第1のガイド部12aの凹形状に挿入しながら竹20を立てて竹の頭部20bを第2のガイド部12bの凹形状に接して固定するようにしているので、竹20を立てた状態で横方向に複数配置したフェンスを容易に低コストで製作できる効果がある。
【0053】
別のフェンスによれば、竹20を横にした状態で、第1の支柱21aに取り付けられた第1のガイド部22aの凹部と第2の支柱21bに取り付けられた第2のガイド部22aの凹部との間に竹20の端部を挿入しながら竹20を積み上げ、一番下の竹20は第1の係止部25aに支えられ、最後の竹20は切り欠き部23から挿入されて第1のガイド部22a又は/及び第2のガイド部22bの切り欠き部23に蓋部24で蓋をするようにしているので、特定の長さの竹を横にして容易に積み上げて製作できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、容易にかつ低下コストで製作を行うことができる竹フェンス及びその製作方法に好適である。
【符号の説明】
【0055】
11a,21a…第1の支柱、 11b,21b…第2の支柱、 12a,22a…第1のガイド部、 12b,22b…第2のガイド部、 13,23…切り欠き部、 14,24…蓋部、 20…竹、 20a…竹の底部、 20b…竹の頭部、 25a…第1の係止部、 25b…第2の係止部、 30a.30b…筒体
図1
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図8