(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165206
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】配線回路基板用容器および配線回路基板入り容器
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
H05K3/00 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081143
(22)【出願日】2023-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003812
【氏名又は名称】弁理士法人いくみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 真樹子
(72)【発明者】
【氏名】新納 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】柴田 周作
(57)【要約】
【課題】配線回路基板のエッジを鮮明に撮影できる配線回路基板用容器および配線回路基板入り容器を提供する。
【解決手段】
配線回路基板用容器1は、1つの配線回路基板100を収容可能な収容部2Aを備える。収容部2Aは、配線回路基板100の厚み方向において配線回路基板100と向かい合う底壁21と、厚み方向と直交する第1方向において配線回路基板100のエッジE1と向かい合う側壁22Aとを有する。底壁21は、厚み方向において配線回路基板100のエッジE1と重なる凹凸面21Aを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線回路基板を収容するための配線回路基板用容器であって、
1つの前記配線回路基板を収容可能な収容部を備え、
前記収容部は、
前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記配線回路基板の厚み方向において前記配線回路基板と向かい合う底壁と、
前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記厚み方向と直交する方向において前記配線回路基板のエッジと向かい合う側壁と
を有し、
前記底壁は、
前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記厚み方向において前記配線回路基板のエッジと重なる凹凸面を有する、配線回路基板用容器。
【請求項2】
前記凹凸面の算術平均高さSaは、0.3μm以上である、請求項1に記載の配線回路基板用容器。
【請求項3】
前記凹凸面の算術平均高さSaは、100μm以下である、請求項1に記載の配線回路基板用容器。
【請求項4】
前記配線回路基板は、金属支持層と、前記金属支持層の上に配置される第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置される配線パターンと、前記第1絶縁層の上に配置され、前記配線パターンを覆う第2絶縁層とを有し、
前記第1絶縁層は、
前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記厚み方向と直交する方向において前記金属支持層のエッジよりも前記側壁に向かって突出する突出部を有し、
前記収容部は、前記突出部と向かい合う前記側壁の一部を切り欠く切欠きを有する、請求項1に記載の配線回路基板用容器。
【請求項5】
前記底壁の裏面に配置されるリブをさらに有する、請求項1に記載の配線回路基板用容器。
【請求項6】
1つの配線回路基板を収容可能な収容部を有する配線回路基板用容器と、
前記収容部に収容された配線回路基板と
を備え、
前記収容部は、
前記配線回路基板の厚み方向において前記配線回路基板と向かい合う底壁と、
前記厚み方向と直交する方向において前記配線回路基板のエッジと向かい合う側壁と
を有し、
前記底壁は、
前記厚み方向において前記配線回路基板のエッジと重なる凹凸面を有する、配線回路基板入り容器。
【請求項7】
前記凹凸面の算術平均高さSaは、0.3μm以上である、請求項6に記載の配線回路基板入り容器。
【請求項8】
前記凹凸面の算術平均高さSaは、100μm以下である、請求項6に記載の配線回路基板入り容器。
【請求項9】
前記配線回路基板は、金属支持層と、前記金属支持層の上に配置される第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置される配線パターンと、前記第1絶縁層の上に配置され、前記配線パターンを覆う第2絶縁層とを有し、
前記第1絶縁層は、
前記厚み方向と直交する方向において前記金属支持層のエッジよりも前記側壁に向かって突出する突出部を有し、
前記収容部は、前記突出部と向かい合う前記側壁の一部を切り欠く切欠きを有する、請求項6に記載の配線回路基板入り容器。
【請求項10】
前記底壁の裏面に配置されるリブをさらに有する、請求項6に記載の配線回路基板入り容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線回路基板用容器および配線回路基板入り容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配線回路基板を収容する容器が知られている。容器は、底壁と、底壁の周縁から上側に延びる周側壁とを有する(例えば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるような配線回路基板を容器内に収容したまま、容器内の配線回路基板の外観を画像解析により自動で検査したいという要望がある。
【0005】
容器内の配線回路基板の外観を画像解析により検査するには、容器内の配線回路基板のエッジを鮮明に撮影する必要がある。
【0006】
本発明は、配線回路基板のエッジを鮮明に撮影できる配線回路基板用容器および配線回路基板入り容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明[1]は、配線回路基板を収容するための配線回路基板用容器であって、1つの前記配線回路基板を収容可能な収容部を備え、前記収容部が、前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記配線回路基板の厚み方向において前記配線回路基板と向かい合う底壁と、前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記厚み方向と直交する方向において前記配線回路基板のエッジと向かい合う側壁とを有し、前記底壁が、前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記厚み方向において前記配線回路基板のエッジと重なる凹凸面を有する、配線回路基板用容器を含む。
【0008】
このような構成によれば、配線回路基板用容器内の配線回路基板を撮影したときに、凹凸面の輝度を下げることができる。
【0009】
そのため、配線回路基板のエッジと配線回路基板用容器の凹凸面との間のコントラストを大きくできる。
【0010】
その結果、配線回路基板のエッジを鮮明に撮影できる。
【0011】
本発明[2]は、前記凹凸面の算術平均高さSaが、0.3μm以上である、上記[1]の配線回路基板用容器を含む。
【0012】
このような構成によれば、配線回路基板用容器内の配線回路基板を撮影したときに、凹凸面の輝度を、より下げることができる。
【0013】
そのため、配線回路基板のエッジと配線回路基板用容器の凹凸面との間のコントラストを、より大きくできる。
【0014】
その結果、配線回路基板のエッジを、より鮮明に撮影できる。
【0015】
本発明[3]は、前記凹凸面の算術平均高さSaが、100μm以下である、上記[1]または[2]の配線回路基板用容器を含む。
【0016】
本発明[4]は、前記配線回路基板が、金属支持層と、前記金属支持層の上に配置される第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置される配線パターンと、前記第1絶縁層の上に配置され、前記配線パターンを覆う第2絶縁層とを有し、前記第1絶縁層が、前記配線回路基板が前記収容部内に収容された状態で前記厚み方向と直交する方向において前記金属支持層のエッジよりも前記側壁に向かって突出する突出部を有し、前記収容部が、前記突出部と向かい合う側壁の一部を切り欠く切欠きを有する、上記[1]~[3]のいずれか1つの配線回路基板用容器を含む。
【0017】
このような構成によれば、配線回路基板用容器内の配線回路基板を撮影するときに、突出部が側壁の影に入ってしまうことを抑制できる。
【0018】
その結果、第1絶縁層が突出部を有する場合でも、配線回路基板のエッジを鮮明に撮影できる。
【0019】
本発明[5]は、前記底壁の裏面に配置されるリブをさらに有する、上記[1]~[4]のいずれか1つの配線回路基板用容器を含む。
【0020】
このような構成によれば、収容部が湾曲することを抑制できる。
【0021】
そのため、配線回路基板を収容部内で安定に配置できる。
【0022】
その結果、配線回路基板用容器内の配線回路基板を正確に撮影できる。
【0023】
本発明[6]は、1つの配線回路基板を収容可能な収容部を有する配線回路基板用容器と、前記収容部に収容された配線回路基板とを備え、前記収容部が、前記配線回路基板の厚み方向において前記配線回路基板と向かい合う底壁と、前記厚み方向と直交する方向において前記配線回路基板のエッジと向かい合う側壁とを有し、前記底壁が、前記厚み方向において前記配線回路基板のエッジと重なる凹凸面を有する、配線回路基板入り容器を含む。
【0024】
このような構成によれば、配線回路基板用容器内の配線回路基板を撮影したときに、凹凸面の輝度を下げることができる。
【0025】
そのため、配線回路基板のエッジと配線回路基板用容器の凹凸面との間のコントラストを大きくできる。
【0026】
その結果、配線回路基板のエッジを鮮明に撮影できる。
【0027】
本発明[7]は、前記凹凸面の算術平均高さSaが、0.3μm以上である、上記[6]の配線回路基板入り容器を含む。
【0028】
このような構成によれば、配線回路基板用容器内の配線回路基板を撮影したときに、凹凸面の輝度を、より下げることができる。
【0029】
そのため、配線回路基板のエッジと配線回路基板用容器の凹凸面との間のコントラストを、より大きくできる。
【0030】
その結果、配線回路基板のエッジを、より鮮明に撮影できる。
【0031】
本発明[8]は、前記凹凸面の算術平均高さSaが、100μm以下である、上記[6]または[7]の配線回路基板入り容器を含む。
【0032】
本発明[9]は、前記配線回路基板が、金属支持層と、前記金属支持層の上に配置される第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置される配線パターンと、前記第1絶縁層の上に配置され、前記配線パターンを覆う第2絶縁層とを有し、前記第1絶縁層が、前記厚み方向と直交する方向において前記金属支持層のエッジよりも前記側壁に向かって突出する突出部を有し、前記収容部が、前記突出部と向かい合う側壁の一部を切り欠く切欠きを有する、上記[6]~[8]のいずれか1つの配線回路基板入り容器を含む。
【0033】
このような構成によれば、配線回路基板用容器内の配線回路基板を撮影するときに、突出部が側壁の影に入ってしまうことを抑制できる。
【0034】
その結果、第1絶縁層が突出部を有する場合でも、配線回路基板のエッジを鮮明に撮影できる。
【0035】
本発明[10]は、前記底壁の裏面に配置されるリブをさらに有する、上記[6]~[9]のいずれか1つの配線回路基板入り容器を含む。
【0036】
このような構成によれば、収容部が湾曲することを抑制できる。
【0037】
そのため、配線回路基板を収容部内で安定に配置できる。
【0038】
その結果、配線回路基板用容器内の配線回路基板を正確に撮影できる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の配線回路基板用容器および配線回路基板入り容器によれば、配線回路基板のエッジを鮮明に撮影できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態としての配線回路基板用容器の平面図である。
【
図2】
図2Aは、
図1に示す配線回路基板容器および配線回路基板(すなわち、配線回路基板入り容器)のA-A断面図である。
図2Bは、
図2Aに示す配線回路基板入り容器をスタックした状態を説明するための説明図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す配線回路基板用容器の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
1.配線回路基板用容器
図1および
図2Aに示すように、配線回路基板用容器1は、少なくとも1つの収容部2と、リブ3と、複数の突起4A,4B,4C,4Dとを備える。
【0042】
本実施形態では、配線回路基板用容器1は、複数の収容部2を有する。配線回路基板用容器1は、樹脂から作られる。配線回路基板用容器1は、第1方向および第2方向に延びるトレイである。第2方向は、第1方向と直交する。第1方向および第2方向は、上下方向と直交する。
【0043】
(1)収容部
図1に示すように、複数の収容部2は、第1方向および第2方向に並ぶ。複数の収容部2のそれぞれは、1つの配線回路基板100を収容可能である。つまり、配線回路基板用容器1は、複数の配線回路基板100を収容可能である。配線回路基板用容器1と、配線回路基板用容器1内の配線回路基板100とは、配線回路基板入り容器Cを構成する。言い換えると、配線回路基板入り容器Cは、配線回路基板用容器1と配線回路基板100とを備える。
【0044】
本実施形態では、配線回路基板100は、矩形状を有する。配線回路基板100は、複数のエッジE1,E2,E3,E4を有する。配線回路基板100が収容部2Aに収容された状態で、エッジE1は、第1方向における配線回路基板100の一端部に配置される。エッジE1は、第2方向に延びる。配線回路基板100が収容部2Aに収容された状態で、エッジE2は、第1方向における配線回路基板100の他端部に配置される。エッジE2は、第2方向に延びる。配線回路基板100が収容部2Aに収容された状態で、エッジE3は、第2方向における配線回路基板100の一端部に配置される。エッジE3は、第1方向に延びる。配線回路基板100が収容部2Aに収容された状態で、エッジE4は、第2方向における配線回路基板100の他端部に配置される。エッジE4は、第1方向に延びる。
【0045】
図2Aに示すように、配線回路基板100は、金属支持層101と、第1絶縁層102と、配線パターン103と、第2絶縁層104とを有する。なお、配線回路基板100の形状および構造は、限定されない。
【0046】
金属支持層101は、第1絶縁層102と、配線パターン103と、第2絶縁層104とを支持する。金属支持層101の材料として、例えば、銅、銅合金、ステンレス、ニッケル、チタン、および42アロイが挙げられる。金属支持層101の材料として、好ましくは、銅合金が挙げられる。
【0047】
第1絶縁層102は、金属支持層101の上に配置される。第1絶縁層102は、配線パターン103を金属支持層101から絶縁する。第1絶縁層102は、樹脂から作られる。樹脂として、例えば、ポリイミド、マレイミド、エポキシ樹脂、ポリベンゾオキサゾール、および、ポリエステルが挙げられる。
【0048】
配線パターン103は、第1絶縁層102の上に配置される。配線パターン103の材料として、金属が挙げられる。金属として、例えば、銅、銀、金、鉄、アルミニウム、クロム、および、それらの合金が挙げられる。良好な電気特性を得る観点から、好ましくは、銅が挙げられる。
【0049】
第2絶縁層104は、第1絶縁層102の上に配置される。第2絶縁層104は、配線パターンを覆う。第2絶縁層104は、例えば、第1絶縁層102と同じ樹脂から作られる。第2絶縁層104は、第1絶縁層102と異なる樹脂から作られてもよい。
【0050】
図2Aに示すように、配線回路基板100が収容部2に収容された状態で、配線回路基板100は、上下方向に厚みを有する。つまり、配線回路基板100が収容部2に収容された状態で、第1方向および第2方向は、配線回路基板100の厚み方向と直交する。なお、
図2Bに示すように、複数の配線回路基板用容器1は、配線回路基板100が収容部2に収容された状態で、スタック可能である。言い換えると、複数の配線回路基板入り容器Cは、スタック可能である。
【0051】
以下、複数の収容部2のうちの1つの収容部2Aを例に挙げて説明する。
【0052】
図1に示すように、収容部2Aは、配線回路基板100の形状に応じた形状を有する。本実施形態では、収容部2Aは、矩形状を有する。なお、収容部2Aの形状は、限定されない。収容部2Aは、底壁21と、複数の側壁22A,22B,22C,22Dと、切欠き23とを有する。
【0053】
(1-1)底壁
図2Aに示すように、底壁21は、収容部2Aの下端部に配置される。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、配線回路基板100の厚み方向において、底壁21は、配線回路基板100と向かい合う。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、底壁21は、配線回路基板100と接触する。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、底壁21は、配線回路基板100を支持する。底壁21は、第1方向および第2方向に延びる。底壁21の上面(言い換えると、収容部2Aの底面)の少なくとも一部は、凹凸面21Aである。つまり、底壁21は、凹凸面21Aを有する。凹凸面21Aは、底壁21の上面のうち、少なくとも、「配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で厚み方向において配線回路基板100のエッジE1,E2,E3,E4と重なる部分」に設けられる。言い換えると、配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、厚み方向において、凹凸面21Aは、配線回路基板100のエッジE1,E2,E3,E4と重なる。好ましくは、底壁21の上面の全部は、凹凸面21Aである。凹凸面21Aは、微細な凹凸を有する。凹凸面21Aは、平坦面を有さない。凹凸面21Aは、微細な凹凸のみから構成される。
【0054】
凹凸面21Aの算術平均高さSaは、例えば、0.3μm以上、好ましくは、0.4μm以上、より好ましくは、0.5μm以上、より好ましくは、0.6μm以上、より好ましくは、0.7μm以上である。
【0055】
なお、算術平均高さSaは、ISO 25178-2:2012に定義される。
【0056】
凹凸面21Aの算術平均高さSaが上記下限値以上であると、後述する配線回路基板100の外観検査において、凹凸面21Aの輝度を下げることができ、配線回路基板100のエッジE1,E2,E3,E4を鮮明に撮影できる。
【0057】
また、凹凸面21Aの算術平均高さSaは、例えば、100μm以下、好ましくは、70μm以下、より好ましくは、50μm以下、より好ましくは、30μm以下、より好ましくは、10μm以下である。
【0058】
凹凸面21Aの算術平均高さSaが上記上限値以下であると、底面21の平坦さを確保でき、後述する配線回路基板100の外観検査を安定に実施できる。また、凹凸面21Aの算術平均高さSaが上記上限値以下であると、配線回路基板用容器1の製造において、金型からの離型性の悪化を抑制できる。
【0059】
底壁21の上面に凹凸面21Aを形成する方法は、限定されない。例えば、配線回路基板用容器1を射出成型によって製造する場合、凹凸面21Aに対応する凹凸を有する金型を用いて配線回路基板用容器1を製造する。凹凸面21Aに対応する凹凸を金型に形成する方法として、例えば、ケミカルエッチング、ブラスト処理、および、放電加工が挙げられる。
【0060】
(1-2)側壁
図1に示すように、側壁22Aは、第1方向における収容部2Aの一端部に配置される。側壁22Aは、第2方向に延びる。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第1方向において、側壁22Aは、配線回路基板100のエッジE1と向かい合う。好ましくは、配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第1方向において、側壁22Aは、配線回路基板100のエッジE1と間隔をあけて向かい合う。
【0061】
側壁22Bは、第1方向における収容部2Aの他端部に配置される。側壁22Bは、第2方向に延びる。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第1方向において、側壁22Bは、配線回路基板100のエッジE2と向かい合う。好ましくは、配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第1方向において、側壁22Bは、配線回路基板100のエッジE2と間隔をあけて向かい合う。
【0062】
側壁22Cは、第2方向における収容部2Aの一端部に配置される。側壁22Cは、第1方向に延びる。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第2方向において、側壁22Cは、配線回路基板100のエッジE3と向かい合う。好ましくは、配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第2方向において、側壁22Cは、配線回路基板100のエッジE3と間隔をあけて向かい合う。
【0063】
側壁22Dは、第2方向における収容部2Aの他端部に配置される。側壁22Dは、第1方向に延びる。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第2方向において、側壁22Dは、配線回路基板100のエッジE4と向かい合う。好ましくは、配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第2方向において、側壁22Dは、配線回路基板100のエッジE4と間隔をあけて向かい合う。
【0064】
(1-3)切欠き
切欠き23は、側壁22Aの一部を切り欠く。
【0065】
本実施形態では、
図2Aに示すように、第1絶縁層102は、突出部102Aを有する。突出部102Aは、第1方向における配線回路基板100の一端部に配置される。配線回路基板100が収容部2A内に収容された状態で、第1方向において、突出部102Aは、金属支持層101のエッジE11よりも側壁22Aに向かって突出する。突出部102Aのエッジは、配線回路基板100のエッジE1である。なお、突出部102Aの配置は、第1方向における配線回路基板100の一端部に限定されない。
【0066】
切欠き23は、突出部102Aと向かい合う側壁22Aの一部を切り欠く。本実施形態では、切欠き23は、第2方向における側壁22Aの中央部を切り欠く。
【0067】
突出部102Aと向かい合う側壁22Aに切欠き23が形成されていると、後述する配線回路基板100の外観検査において、突出部102Aが側壁22Aの影に入ってしまうことを抑制できる。その結果、第1絶縁層102が突出部102Aを有し、突出部102Aのエッジが配線回路基板100のエッジE1である場合でも、配線回路基板100のエッジE1を鮮明に撮影できる。
【0068】
(2)リブ
図3に示すように、リブ3は、底壁21の裏面に配置される。リブ3は、底壁21の裏面から突出する。リブ3は、収容部2Aを補強する。これにより、後述する配線回路基板100の外観検査において、収容部2Aが湾曲することを抑制できる。そのため、配線回路基板100を収容部2A内で安定に配置できる。その結果、配線回路基板用容器1内の配線回路基板100を正確に撮影できる。本実施形態では、リブ3は、十字形状を有する。詳しくは、リブ3は、第1方向に延びる第1リブ3Aと、第2方向に延びる第2リブ3Bとが交差した十字形状を有する。第1リブ3Aは、第2方向における収容部2Aの中央部に配置される。第2リブ3Bは、第1方向における収容部2Aの中央部に配置される。
【0069】
(3)突起
複数の突起4A,4B,4C,4Dは、底壁21の裏面に配置される。突起4Aは、第1方向における収容部2Aの一端部に配置される。突起4Bは、第1方向における収容部2Aの他端部に配置される。突起4Cは、第2方向における収容部2Aの一端部に配置される。突起4Dは、第2方向における収容部2Aの他端部に配置される。
図2Aに示すように、複数の突起4A,4B,4C,4Dは、底壁21の裏面から、リブ3よりも突出する。
【0070】
図2Bに示すように、2つの配線回路基板入り容器C1,C2がスタックされた状態で、上側の配線回路基板用容器1の突起4Aは、上下方向において、下側の配線回路基板用容器1内の配線回路基板100のエッジE1と向かい合う。また、上側の配線回路基板用容器1の突起4Bは、上下方向において、下側の配線回路基板用容器1内の配線回路基板100のエッジE2と向かい合う。また、上側の配線回路基板用容器1の突起4C(
図3参照)は、上下方向において、下側の配線回路基板用容器1内の配線回路基板100のエッジE3(
図1参照)と向かい合う。また、上側の配線回路基板用容器1の突起4D(
図3参照)は、上下方向において、下側の配線回路基板用容器1内の配線回路基板100のエッジE4(
図1参照)と向かい合う。
【0071】
これにより、2つの配線回路基板入り容器C1,C2がスタックされた状態で、下側の配線回路基板用容器1内の配線回路基板100が飛び出すことを、上側の配線回路基板用容器1の複数の突起4A,4B,4C,4Dによって抑制できる。
【0072】
2.配線回路基板の外観検査
次に、配線回路基板100の外観検査について説明する。
【0073】
配線回路基板100の外観検査は、
図2Aに示すように、配線回路基板用容器1の収容部2Aに配線回路基板100が入った状態で、実施される。
【0074】
具体的には、配線回路基板用容器1の収容部2Aに配線回路基板100が入った状態で、自動外観検査装置により、収容部2A内の配線回路基板100を撮影する。
【0075】
このとき、配線回路基板用容器1の側壁22Aに切欠き23が形成されている。そのため、配線回路基板100のエッジE1が側壁22Aの影に入ってしまうことを抑制できる。また、底壁21に凹凸面21Aが形成されている。そのため、底壁21とエッジE1のコントラストを大きくできる。よって、エッジE1を鮮明に撮影できる。
【0076】
次に、得られた配線回路基板100の画像を解析する。このとき、エッジE1が鮮明であるため、エッジE1を正確に認識できる。
【0077】
3.作用効果
(1)配線回路基板用容器1および配線回路基板入り容器Cによれば、
図2Aに示すように、底壁21が、エッジE1に重なる凹凸面21Aを有する。
【0078】
そのため、配線回路基板用容器1内の配線回路基板100を撮影したときに、凹凸面21Aの輝度を下げることができる。
【0079】
これにより、配線回路基板100のエッジE1と配線回路基板用容器1の凹凸面21Aとの間のコントラストを大きくできる。
【0080】
その結果、配線回路基板100のエッジE1を鮮明に撮影できる。
【0081】
(2)配線回路基板用容器1および配線回路基板入り容器Cによれば、凹凸面21Aの算術平均高さSaが、0.3μm以上である。
【0082】
そのため、配線回路基板用容器1内の配線回路基板100を撮影したときに、凹凸面21Aの輝度を、より下げることができる。
【0083】
これにより、配線回路基板100のエッジE1と配線回路基板用容器1の凹凸面21Aとの間のコントラストを、より大きくできる。
【0084】
その結果、配線回路基板100のエッジE1を、より鮮明に撮影できる。
【0085】
(3)配線回路基板用容器1および配線回路基板入り容器Cによれば、
図2Aに示すように、配線回路基板100の第1絶縁層102が、金属支持層101のエッジE11よりも側壁22Aに向かって突出する突出部102Aを有する。また、収容部2Aが、側壁22Aの一部を切り欠く切欠き23を有する。
【0086】
そのため、配線回路基板用容器1内の配線回路基板100を撮影するときに、突出部102Aが側壁22Aの影に入ってしまうことを抑制できる。
【0087】
その結果、第1絶縁層102が突出部102Aを有する場合でも、配線回路基板100のエッジE1を鮮明に撮影できる。
【0088】
(4)配線回路基板用容器1および配線回路基板入り容器Cによれば、
図3に示すように、底壁21の裏面に配置されるリブ3をさらに有する。
【0089】
リブ3により、収容部2Aが湾曲することを抑制できる。
【0090】
そのため、配線回路基板100を収容部2A内で安定に配置できる。
【0091】
その結果、配線回路基板用容器1内の配線回路基板100を正確に撮影できる。
【符号の説明】
【0092】
1 配線回路基板用容器
2 収容部
21 底壁
21A 凹凸面
22A 側壁
23 切欠き
3 リブ
100 配線回路基板
101 金属支持層
102 第1絶縁層
102A 突出部
103 配線パターン
104 第2絶縁層
E1 配線回路基板のエッジ
E11 金属支持層のエッジ
C 配線回路基板入り容器