(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165231
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】屋外設置ラック
(51)【国際特許分類】
H05K 5/03 20060101AFI20241121BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20241121BHJP
H02B 1/28 20060101ALN20241121BHJP
【FI】
H05K5/03 A
H05K5/02 L
H05K5/02 B
H02B1/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081200
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】原島 克己
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AB33
4E360AB64
4E360AC23
4E360AD01
4E360BA02
4E360BA04
4E360BB04
4E360BB23
4E360BD02
4E360BD05
4E360EA18
4E360EA21
4E360EC13
4E360GA29
4E360GB99
4E360GC08
4E360GC14
4E360GC20
(57)【要約】
【課題】筐体の上面に付着した水が、筐体内部に収容された電気機器に触れることが防止される屋外設置ラックを提供する。
【解決手段】屋外設置ラックは、筐体の上面に設けられた開口部を開閉するスライドカバーと、前記スライドカバーが開状態であるときに、前記スライドカバーを下方から覆う内部カバーと、を有し、前記内部カバーは、前記筐体の内壁に対向する領域が他の領域よりも下方になるように、水平面から傾いて前記筐体に取り付けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の上面に設けられた開口部を開閉するスライドカバーと、
前記スライドカバーが開状態であるときに、前記スライドカバーを下方から覆う内部カバーと、
を有し、
前記内部カバーは、
前記筐体の内壁に対向する領域が他の領域よりも下方になるように、水平面から傾いて前記筐体に取り付けられている、
ことを特徴とする屋外設置ラック。
【請求項2】
前記内部カバーは、
前記開口部に沿った上方への第1の凸部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の屋外設置ラック。
【請求項3】
前記スライドカバーが、
前記内部カバーと重なる側の端部に、下方に凸の形状の内部カバー側凸部を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の屋外設置ラック。
【請求項4】
前記スライドカバーが、前記内部カバーと同じ側に水平面から傾いて前記筐体に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の屋外設置ラック。
【請求項5】
前記筐体が、
上面に前記開口部が設けられた上部筐体と、
前記筐体の側面および下面を覆う下部筐体と、
を備え、
前記下部筐体は、前記スライドカバーを前記開状態から閉状態に相互に遷移可能に支持する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の屋外設置ラック。
【請求項6】
前記スライドカバーが、
前記スライドカバーの下面において、下方に向けて凸となるように周縁に沿って設けられた第2の凸部を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の屋外設置ラック。
【請求項7】
前記筐体の内底面に取り付けられ、電気機器を前記内底面よりも上方に載置するための載置台を備え、
前記載置台の外周が前記第2の凸部よりも前記筐体の中央側に位置するように、前記筐体に前記載置台が取り付けられている、
ことを特徴とする請求項6に記載の屋外設置ラック。
【請求項8】
前記載置台の上面に水が通過可能な貫通孔が形成されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の屋外設置ラック。
【請求項9】
前記筐体が、
前記筐体の内部の水を外部に排出するための排水口を底部に備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の屋外設置ラック。
【請求項10】
前記筐体の底面が、
前記排水口が最下部となるように傾斜している、
ことを特徴とする請求項9に記載の屋外設置ラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外設置ラックに関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器の中には屋外に設置されるものがある。一般的に電気機器は水分に弱いため、屋外に設置され防水機能を備えた筐体(ラック)に電気機器が収容される。筐体が防水機能を備えていても、筐体の蓋の開閉等によって筐体の内部に水分が入ることがある。このような水分の入り込みがあっても、電気機器が濡れないようにする構成が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、筐体内の電気機器(特許文献1では電気部品と記載)と水との接触を防ぐための、屋外機器筐体の技術が開示されている。この屋外機器筐体では、筐体内部に、水平面に対して傾きを持った電気部品取付板と、電気部品取付板の上に載置され、上面(特許文献1では天面と記載)が水平な台座部と、が設けられる。そして、台座部の上面に電気機器が置かれる。また、電気部品取付板の低い部分には、水を集める集水トラップと孔が設けられる。この構成では、筐体内に浸入した水が、電気部品取付板の傾斜面をつたって集水トラップに集まる。そして、水が、孔から外部に排出される。このような構成とすることで、筐体の内部に水が溜まることが防止される。その結果、電気部品が筐体内の水に触れることが防止される。
【0004】
また、特許文献2、3にも関連する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-121026号公報
【特許文献2】特開平06-350267号公報
【特許文献3】特開2012-182983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、筐体の上面を覆う天面カバーを開けた際に、天面カバーの上面や裏面に付着した水が落ちる場所が考慮されていなかった。このため、天面カバーに付着した水が電気部品の上に落下する恐れがあった。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、筐体の上面に付着した水が、筐体内部に収容された電気機器に触れることが防止される屋外設置ラックを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本開示の屋外設置ラックは、筐体の上面に設けられた開口部を開閉するスライドカバーと、前記スライドカバーが開状態であるときに、前記スライドカバーを下方から覆う内部カバーと、を有し、前記内部カバーは、前記筐体の内壁に対向する領域が他の領域よりも下方になるように、水平面から傾いて前記筐体に取り付けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の効果は、筐体の上面に付着した水が、筐体内部に収容された電気機器に触れることが防止される屋外設置ラックを提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態の屋外設置ラックを示す断面図である。
【
図2】第1の実施形態の屋外設置ラックを示す平面図である。
【
図3】第1の実施形態における水の流れを示す断面模式図である。
【
図4】第1の実施形態の屋外設置ラックの変形例を示す断面模式図である。
【
図5】第1の実施形態の屋外設置ラックの別の変形例を示す断面模式図である。
【
図6】第1の実施形態の屋外設置ラックのさらに別の変形例を示す断面模式図である。
【
図7】第2の実施形態の屋外設置ラックを示す断面図である。
【
図8】第2の実施形態の屋外設置ラックの変形例を示す断面模式図である。
【
図9】第3の実施形態の屋外設置ラックを示す断面図である。
【
図10】第3の実施形態の屋外設置ラックの変形例を示す断面図である。
【
図11】第4の実施形態の屋外設置ラックを示す断面図である。
【
図12】第4の実施形態の屋外設置ラックを示す平面図である。
【
図13】第4の実施形態における水の流れを示す断面模式図である。
【
図14】第4の実施形態の屋外設置ラックの変形例を示す断面図である。
【
図15】第4の実施形態の屋外設置ラックの別の変形例を示す断面図である。
【
図16】第4の実施形態の屋外設置ラックのさらに別の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の屋外設置ラック100を示す断面図である。また、
図2は、第1の実施形態の屋外設置ラック100を示す平面図である。
【0013】
屋外設置ラック100は、スライドカバー10と、内部カバー20とを有する。筐体30の内部には、電気機器200が収容される。
【0014】
上面に開口部31が設けられた筐体30の開口部31をスライドカバー10が開閉する。必須ではないが、スライドカバー10には、スライドカバー10を動かす際に指を掛けるための凹凸部11が設けられていても良い。なお、本実施形態では、屋外設置ラック100が設置される水平面の鉛直上方が上になり、鉛直下方が下になる。また、図示はしていないが、開口部31の端部に、シール部が設けられても良い。シール部は、スライドカバー10と筐体30との間に隙間ができることを防ぐ。シール部は、例えば、ゴム等の弾性材料によって形成される。
【0015】
内部カバー20は、筐体30の内部に取り付けられている。スライドカバー10が開状態であるときに、内部カバー20がスライドカバー10を下方から覆う。ここで、筐体30の内壁に対向する領域が他の領域よりも下方になるように、内部カバー20が水平面から傾いている。
【0016】
スライドカバー10が開閉されると、スライドカバー10の、筐体30の中央側の端部(第1の端部)が、筐体30の上面に沿って移動する。
図1では、開口部31の右端付近と、筐体30の右側の領域との間が、第1の端部の移動範囲である。この移動範囲を覆うように内部カバー20が設けられる。つまり、第1の端部が移動する範囲の下方を、内部カバー20が覆っている。この構成では、第1の端部から落下する水が、内部カバー20によって受け止められる。そして、内部カバー20が傾いていることによって、内部カバー20の上に落下した水が、内部カバー20低い側に移動する。こうして、第1の端部から落下する水が、電気機器200から離れる方向に誘導される。
【0017】
次に屋外設置ラック100における水の流れについて説明する。
図3は、第1の実施形態における水の流れを示す断面模式図である。
図3では、筐体30の上面の裏側とスライドカバー10との間の隙間が、大きく描かれている。w1、w2、w3の矢印は、水の流れを示す。
【0018】
まず、スライドカバー10が開状態になると、スライドカバー10の上面に付着した水が、w1の矢印のように流れる。次に、w2の矢印のように水が内部カバー20の上面に流れ落ちる。ここで、内部カバー20が、筐体30の内壁に対向する側が低くなるように傾いている。このため、w3の矢印に示されているように、内部カバー20と筐体30の内壁の隙間を通って、内部カバー20の上面の水が下方に流れ落ちる。なお、流れ落ちてくる水が少量であれば、表面張力により落下した付近にとどまる。以上のような経路を通って水が移動するため、筐体30に収容された電気機器200への水の落下が防止される。
【0019】
筐体30の内底面に水が溜まった際には、例えば、吸水性の布などを用いて、水を吸い取ることで、水の除去が可能である。また、例えば、電気機器200を取り去られた状態で、筐体30が逆さまにされることで水が除去される。
【0020】
(変形例1)
次に、屋外設置ラック100の変形例について説明する。
図4は、第1の実施形態の屋外設置ラック100の変形例1を示す断面模式図である。変形例1の屋外設置ラック100は、筐体30の底部が透水性部材301によって形成されている。この構成では、筐体30の内底面に落下した水が、底部を透過する。これにより、水が筐体30の外に排出される。
図4では、この水の排出がw4の矢印で示されている。具体的な透水性部材301としては、例えば、多孔性のセラミック、多孔性樹脂、布状の材料などが用いられる。変形例1の構成では、人が作業することなく、水が筐体30の外部に排出される。
【0021】
(変形例2)
次に、屋外設置ラック100の変形例について説明する。
図5は、第1の実施形態の屋外設置ラック100の別の変形例2を示す断面模式図である。変形例2の屋外設置ラック100は、筐体30の底部に排水口32を備える。排水口32は、例えば、内部カバー20が筐体30の内壁と対向している部分の下方に設けられる。この構成では、
図5にw5の矢印に示されているように、内部カバー20の上面から落下した水が、排水口32から外部に排出される。このため、水が筐体30の内部に溜まることがない。その結果、筐体30に溜まった水と電気機器200との接触が防止される。なお、排水口32の位置は上記の位置に限られず、排水口32が、筐体30の底面の別の場所に設けられても良い。
【0022】
(変形例3)
次に、屋外設置ラック100の別の変形例について説明する。
図6は、第1の実施形態の屋外設置ラック100のさらに別の変形例3を示す断面模式図である。変形例3の屋外設置ラック100は、スライドカバー10が、内部カバー20と同じ側に水平面から傾いている。傾きの大きさは、例えば、内部カバー20の傾きと同程度である。しかしながら、スライドカバー10の傾きと内部カバー20の傾きが、同じでなくても良い。スライドカバー10が水平面から傾いてスライドされるように、例えば、筐体30の内側面にガイド33が設けられる。
【0023】
また、
図6に示されているように、肉厚部34が設けられても良い。開口部31の端部において、筐体30とスライドカバー10の隙間が小さくなるように、肉厚部34が設けられる。その他の構成については、変形例2と同様である。このため、同様の構成については、説明を省略する。
【0024】
上記の構成では、重力の作用によって、スライドカバー10上に付着した水が、内部カバー20に向かう方向の力を受ける。このため、スライドカバー10の
図6の左側の端部からの水の落下が防止される。スライドカバー10の左側の端部は、第1の端部と反対側の端部である。また、水が内部カバー20の方向に移動しやすい。
【0025】
以上、本実施形態の屋外設置ラック100等について説明した。
【0026】
本実施形態の屋外設置ラック100は、スライドカバー10と、内部カバー20とを有する。筐体30の上面に設けられた開口部31をスライドカバー10が開閉する。スライドカバー10が開状態であるときに、スライドカバー10を内部カバー20が下方から覆う。内部カバー20は、筐体30に取り付けられている。筐体30の内壁に対向する内部カバー20の領域が他の領域よりも下方になるように、内部カバー20が水平面から傾いている。
【0027】
この構成では、スライドカバー10が開状態になる際に、スライドカバー10の上面に付着した水が、内部カバー20の上面に流れ落ちる。ここで、内部カバー20が、筐体30の内壁に対向する側が低くなるように傾いている。このため、内部カバー20の上面に落下した水が、内部カバー20と筐体30の内壁の隙間から下方に流れ落ちる。そして、筐体30の内壁から離れた場所に電気機器200を置くことで、電気機器200への水の落下が防止される。
【0028】
また、一態様によれば、屋外設置ラック100において、筐体30が、筐体30内部の水を外部に排出するための排水口32を底部に備える。
【0029】
上記の排水口32の機能によって、筐体30の内部における水の溜まりが防止される。
【0030】
また、一態様によれば、屋外設置ラック100において、スライドカバー10が、内部カバー20と同じ方向に水平面から傾いて筐体30に取り付けられている。
【0031】
上記の構成では、重力の作用によって、スライドカバー10上に付着した水が、内部カバー20に向かう方向の力を受ける。このため、水が内部カバー20の方向に移動しやすい。
【0032】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態の屋外設置ラックを示す断面図である。屋外設置ラック101は、上部筐体30aと下部筐体30bを備えている。上部筐体30aは、上面に開口部が設けられている。下部筐体30bは、筐体30の側面および下面を覆う。
図7の例では、下部筐体30bの外側面と、上部筐体30aの内側面とが接するように組み合わされている。
【0033】
下部筐体30bは、スライドカバー10を開状態から閉状態に相互に遷移可能に支持する。例えば、下部筐体30bの側面の上にスライドカバー10が置かれる。そして、例えば、上部筐体30aの上面の内面によってスライドカバー10の上面が押さえられる。つまり、下部筐体30bの側面と上部筐体30aの上面との隙間が軌道となる。この軌道に沿って、スライドカバー10がスライドし、スライドカバー10が開状態と閉状態の間を遷移する。
【0034】
この構成では、筐体30にガイドやレールを設けることなく、開状態と閉状態の間を遷移可能となるように、スライドカバー10が支持される。
【0035】
(変形例4)
図8は、第2の実施形態の屋外設置ラック101の変形例4を示す断面模式図である。変形例3の屋外設置ラック101は、筐体30の底部に排水口32aを備える。つまり、変形例1と同様な構成である。排水口32aは、例えば、内部カバー20が下部筐体30bの内壁と対向している部分の下方に設けられる。この構成では、内部カバー20の上面から落下した水が、排水口32aから外部に排出される。このため、水が下部筐体30bの内部に溜まることがない。その結果、下部筐体30bに溜まった水と電気機器200との接触が防止される。なお、排水口32aの位置は上記の位置に限られず、排水口32aが、下部筐体30bの底面の別の場所に設けられても良い。
【0036】
なお、上記の第2の実施形態に、第1の実施形態の変形例3の、スライドカバー10が、内部カバー20と同じ側に水平面から傾いた構成が適用されても良い。
【0037】
以上、本実施形態の屋外設置ラック101等について説明した。
【0038】
本実施形態の屋外設置ラック101は、筐体30が、上部筐体30aと、下部筐体30bと、を備える。上部筐体30aでは、上面に開口部31が設けられている。下部筐体30bが、筐体30の側面および下面を覆う。そして、スライドカバー10が開状態から閉状態に相互に遷移可能となるように、下部筐体30bがスライドカバー10を支持する。
【0039】
上記の構成では、開状態から閉状態に相互に遷移可能となるように、下部筐体30bがスライドカバー10を支持する。このため、スライドカバー10の軌道となるガイドやレールを別途に設ける必要が無い。その結果、軌道を別途に設ける場合より、加工や部品が削減される。
【0040】
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態の屋外設置ラック102を示す断面図である。屋外設置ラック102の内部カバー20aは、開口部31に沿った上方への凸部21を備える。他の構成は、第2の実施形態の屋外設置ラック101と同様である。凸部21が存在することで、内部カバー20aの上側の端部からの水の落下が防止される。つまり、電気機器200への水の落下が、より確実に防止される。
【0041】
(変形例5)
図10は、第3の実施形態の屋外設置ラック102の変形例4を示す断面図である。変形例4では、スライドカバー10aが、内部カバー20と重なる部分の端部に、内部カバー側凸部12を備えている。内部カバー側凸部12は下方に凸の形状である。凸部21よりも内部カバー20aの中央側に位置するように、内部カバー側凸部12が設けられる。この構成では、スライドカバー10aの上面に付着した水が、より確実に内部カバー20aの上面に誘導される。
【0042】
以上、本実施形態の屋外設置ラック102等について説明した。
【0043】
本実施形態の屋外設置ラック102では、内部カバー20aが、開口部31に沿った上方への第1の凸部21を備える。
【0044】
第1の凸部21によって、内部カバー20aの上側の端部からの水の落下が防止される。つまり、電気機器200への水の落下が、より確実に防止される。
【0045】
また、一態様によれば、屋外設置ラック102において、スライドカバー10aが、内部カバー側凸部12を備える。内部カバー側凸部12は、下方に凸の形状である。また、内部カバー20と重なる側の端部に、内部カバー側凸部12が設けられる。
【0046】
この構成では、スライドカバー10aの上面に付着した水が、より確実に内部カバー20aの上面に誘導される。
【0047】
なお、上記の第3の実施形態に、第1の実施形態の変形例3の、スライドカバー10が、内部カバー20と同じ側に水平面から傾いた構成が適用されても良い。
【0048】
(第4の実施形態)
図11は、第4の実施形態の屋外設置ラック103を示す断面図である。また、
図12は、第4の実施形態の屋外設置ラックを示す平面図である。屋外設置ラック103は、第3の実施形態の変形例3の構成に加えて、スライドカバー10bが、第2の凸部13を備えている。スライドカバー10bの下面において、周縁に沿って下方に向けて凸となるように、第2の凸部13が設けられる、なお、
図10の例では、下部筐体30bの側面の上端に、下部筐体30bの内側に凸となるフランジ部30b1が設けられている。このフランジ部30b1によって、スライドカバー10bの端部が支持されている。フランジ部30b1は必須ではないが、フランジ部30b1があることで、より支持が安定する。
【0049】
次に、第2の凸部13の近傍の水の流れについて説明する。
図13は、第4の実施形態における水の流れを示す断面模式図である。w6の矢印に示されているように、スライドカバー10bの端部とフランジ部30b1の間から筐体30の内部に浸入した水は、第2の凸部13で堰き止められる。これにより、スライドカバー10bの内面の中央側への水の移動が妨げられる。そして、w7の矢印で示されているように、下部筐体30bの側面の近くの底面に水が落下する。こうして、下部筐体30bの側面から離されて置かれた電気機器200への水の落下が防止される。
【0050】
なお、上記のスライドカバー10bが第2の凸部13を備える構成は、第1の実施形態の屋外設置ラック100や第2の実施形態の屋外設置ラック101に適用されても良い。
【0051】
(変形例6)
図14は、第4の実施形態の屋外設置ラックの変形例6を示す断面図である。変形例6の屋外設置ラック103は、電気機器200を筐体30の底面よりも上方に載置するための載置台40を備える。載置台40は、下部筐体30bの内底面に取り付けられる。この際、載置台40の外周が、第2の凸部13よりも下部筐体30bの中央側に位置する。
【0052】
この構成とすると、
図14のw7の矢印に示されているように、筐体30の内部に浸入した水が、載置台40の外側に落下する。このため、電気機器200への水の落下が、より確実に防止される。
【0053】
(変形例7)
図15は、第4の実施形態の屋外設置ラック103の別の変形例7を示す断面図である。変形例7では、載置台40の上面に、水が通過可能な貫通孔41が形成されている。その他の構成については変形例5と同様である。具体的には、例えば、載置台40の上面が、パンチングボードや網状の部材で形成される。この構成では、載置台40の上に水が落下することがあっても、速やかに水が載置台40の上面から取り除かれる。
【0054】
(変形例8)
図16は、第4の実施形態の屋外設置ラック103のさらに別の変形例8を示す断面図である。変形例8では、載置台40が置かれる下部筐体30bの底面が、排水口32aが最下部となるように傾斜している。その他の構成については変形例6と同様である。この構成では、下部筐体30bの底面に落下した水が、排水口32aから速やかに排出される。
【0055】
なお、上記の第4の実施形態に、第1の実施形態の変形例3の、スライドカバー10が、内部カバー20と同じ側に水平面から傾いた構成が適用されても良い。
【0056】
以上、本実施形態の屋外設置ラック103等について説明した。
【0057】
本実施形態の屋外設置ラック103では、スライドカバー10bが、第2の凸部13を備える。スライドカバー10bの下面において、周縁に沿って下方に向けて、第2の凸部13が設けられる。
【0058】
上記の構成では、スライドカバー10bの端部と筐体30の隙間から筐体30の内部に浸入した水が、第2の凸部13で堰き止められて、スライドカバー10bの内面の中央側への移動が妨げられる。そして、第2の凸部13から下部筐体30bの側面の近くの底面に、水が落下する。こうして、下部筐体30bの側面から離れて置かれた電気機器200への水の落下が防止される。
【0059】
また、一態様によれば、屋外設置ラック103が、下部筐体30bの内底面に取り付けられた載置台40を備える。電気機器200を内底面よりも上方に載置するために、載置台40が設けられる。そして、載置台40の外周が第2の凸部13よりも筐体30の中央側に位置するように、下部筐体30bに載置台40が取り付けられている。
【0060】
上記の構成では、電気機器200が内底面よりも上方に置かれている。このため、内底面に水があっても、電気機器200が水に触れない。また、第2の凸部13をつたって、水が載置台40の外側に落下する。このため、載置台40に水が落下することも防止される。
【0061】
また、一態様によれば、屋外設置ラック103において、載置台40の上面に水が通過可能な貫通孔41が形成されている。
【0062】
貫通孔41があることによって、仮に、載置台40の上に水が落ちても、水が速やかに下方に移動される。このため、より確実に、電気機器200への水の接触が防止される。
【0063】
また、一態様によれば、屋外設置ラック103において、下部筐体30bが、下部筐体30b内部の水を外部に排出するための排水口32aを底部に備える。
【0064】
上記の排水口32aの機能によって、下部筐体30bの内部における水の溜まりが防止される。
【0065】
また、一態様によれば、屋外設置ラック103において、筐体30の底面が、排水口32aが最下部となるように傾斜している。
【0066】
この構成では、下部筐体30bの底面に落下した水が、排水口32aから速やかに排出される。
【0067】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0068】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0069】
(付記1)
筐体の上面に設けられた開口部を開閉するスライドカバーと、
前記スライドカバーが開状態であるときに、前記スライドカバーを下方から覆う内部カバーと、
を有し、
前記内部カバーは、
前記筐体の内壁に対向する領域が他の領域よりも下方になるように、水平面から傾いて前記筐体に取り付けられている、
ことを特徴とする屋外設置ラック。
【0070】
(付記2)
前記内部カバーは、
前記開口部に沿った上方への第1の凸部を備える、
ことを特徴とする付記1に記載の屋外設置ラック。
【0071】
(付記3)
前記スライドカバーが、
前記内部カバーと重なる側の端部に、下方に凸の形状の内部カバー側凸部を備える、
ことを特徴とする付記1または2に記載の屋外設置ラック。
【0072】
(付記4)
前記スライドカバーが、前記内部カバーと同じ側に水平面から傾いて前記筐体に取り付けられている、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか一付記に記載の屋外設置ラック。
【0073】
(付記5)
前記筐体が、
上面に前記開口部が設けられた上部筐体と、
前記筐体の側面および下面を覆う下部筐体と、
を備え、
前記下部筐体は、前記スライドカバーを前記開状態から前記閉状態に相互に遷移可能に支持する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか一付記に記載の屋外設置ラック。
【0074】
(付記6)
前記スライドカバーが、
前記スライドカバーの下面において、下方に向けて凸となるように周縁に沿って設けられた第2の凸部を備える、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか一付記に記載の屋外設置ラック。
【0075】
(付記7)
前記下部筐体の内底面に取り付けられ、電気機器を前記内底面よりも上方に載置するための載置台を備え、
前記載置台の外周が前記第2の凸部よりも前記筐体の中央側に位置するように、前記下部筐体に前記載置台が取り付けられている、
ことを特徴とする付記6に記載の屋外設置ラック。
【0076】
(付記8)
前記載置台の上面に水が通過可能な貫通孔が形成されている、
ことを特徴とする付記7に記載の屋外設置ラック。
【0077】
(付記9)
前記筐体が、
前記筐体の内部の水を外部に排出するための排水口を底部に備える、
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか一付記に記載の屋外設置ラック。
【0078】
(付記10)
前記筐体の底面が、
前記排水口が最下部となるように傾斜している、
ことを特徴とする付記1乃至9のいずれか一付記に記載の屋外設置ラック。
【符号の説明】
【0079】
10、10a、10b スライドカバー
11 凹凸部
12 内部カバー側凸部
13 第2の凸部
20、20a 内部カバー
21 第1の凸部
30 筐体
30a 上部筐体
30b 下部筐体
31 開口部
32、32a 排水口
33 ガイド
34 肉厚部
40 載置台
41 貫通孔
100、101、102、103 屋外設置ラック
200 電気機器