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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165241
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】動物用トイレ
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/01 20060101AFI20241121BHJP
   A01K 23/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
A01K1/01 801Z
A01K23/00 R
A01K1/01 801J
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081262
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】523182315
【氏名又は名称】中野 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】中野 和彦
【テーマコード(参考)】
2B101
【Fターム(参考)】
2B101AA13
2B101CA08
2B101CA10
(57)【要約】
【課題】ペットと飼い主の両方の生活環境を向上させ、外出先でも使用可能な動物用トイレを提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決する本発明は、地面に対し立設する側板Pを有する本体部1と、排泄物を受けるトレー2を備える動物用トイレXであって、本体部1は、トレー2を接続可能な固定部Qを有し、トレー2は、側板Pの内側の面を覆い、水密な側面部21、及び底面部22を有し、好ましくは、トレー2は、折り畳みを可能にする折筋23と、自立を可能にする支持部24と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面に対し立設する側板を有する本体部と、排泄物を受けるトレーを備える動物用トイレであって、
前記本体部は、前記トレーを接続可能な固定部を有し、
前記トレーは、前記側板の内側の面を覆い、水密な側面部、及び底面部を有する動物用トイレ。
【請求項2】
前記トレーは、折り畳みを可能にする折筋と、自立を可能にする支持部と、を有する、
請求項1に記載の動物用トイレ。
【請求項3】
前記本体部と、前記トレーとを固定可能な固定具を備える、
請求項1に記載の動物用トイレ。
【請求項4】
前記固定部は、突出部又は開口部であり、
前記固定具は、前記突出部を貫入可能な孔部、或いは前記開口部に嵌入可能な嵌入部を有する、
請求項3に記載の動物用トイレ。
【請求項5】
前記トレーは、前記突出部又は前記嵌入部を挿通可能な挿通部を有する、
請求項4に記載の動物用トイレ。
【請求項6】
前記側板は、組立及び分解が可能な接続部を有する、
請求項1に記載の動物用トイレ。
【請求項7】
前記本体部は、上面の一部を覆う塞ぎ板を有する、
請求項1に記載の動物用トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭内でのペットの飼育において、清掃の手間を省き、飼い主の生活環境を向上することが可能な動物用トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ペットの飼育、特に猫の飼育は室内が主流となっており、その環境整備のため室内に設置する猫用トイレが普及している。猫用トイレの構成として、トイレの中に敷き詰めた砂(猫砂)の上で猫が排泄するように作られており、飼い主はトイレを掃除するときは、排泄物を取り除き、砂を交換する。この手間を省くため、自動又は半自動で排泄物と砂を取り分ける猫用トイレも存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-205020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、排泄が済んだ猫がトイレから出るときに、砂が飛び散らないようにするための上カバーが備わっている猫用トイレが開示されている。このような猫用トイレは、砂を溜め込むトレーに孔や網などが設けられており、排泄物、特に尿は下の本体部に溜まるようになっているため、どうしてもトイレ本体が汚れることを避けられない。これを解決するために、尿で固まる砂、尿で砕ける砂、吸水性シートなどが製造・販売されているが、いずれもトイレ本体に尿が付着することを防ぐのは難しい。こうした事情から、排泄物や砂などを取り換えるだけでは清潔を保ちづらく、定期的にトイレ本体を洗浄する必要がある。
【0005】
トイレ本体の清掃に手間がかかる場合、飼い主の負担は大きくなり、またトイレの清潔が保てないと、猫が排泄を我慢して泌尿器系の病気にかかったり、粗相が増えたりする場合がある。すなわち、ペットの飼育におけるトイレの改善は、動物と飼い主の双方にとって、生活環境を大きく改善することにつながる。
【0006】
特に既存の猫用トイレは、清掃しやすさを重視してプラスチック(樹脂)で構成され、その素材感と大きさが居住空間と合わないという問題もある。さらには、このような樹脂製のトイレは災害時の避難においては使用できないため、災害時用の携帯用トイレを別途用意する必要がある。しかし、普段と違うトイレは、動物と飼い主の双方にとっても扱いにくく、双方にとってストレスになり得る。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑み、ペットと飼い主の両方の生活環境を向上させ、外出先でも使用可能な動物用トイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明は、地面に対し立設する側板を有する本体部と、排泄物を受けるトレーを備える動物用トイレであって、該本体部は、該トレーを接続可能な固定部を有し、該トレーは、該側板の内側の面を覆い、水密な側面部、及び底面部を有する動物用トイレである。
このような構成によって、ペットの飼育環境における清掃の手間を軽減し、また意匠性が高いトイレを提供することで、使用者の生活環境を向上させることができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、該トレーは、折り畳みを可能にする折筋と、自立を可能にする支持部と、を有する。
このような構成によって、トレーの非使用時における保管が容易になるほか、トレー単体でも簡易トイレとして使用することができる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、動物用トイレは、該本体部と、該トレーとを固定可能な固定具を備える。
このような構成によって、各部品を安定して接続させ、動物の動きによりトイレの内部が乱れる事態を防ぐことができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、該固定部は、突出部又は開口部であり、該固定具は、該突出部を貫入可能な孔部、或いは該開口部に嵌入可能な嵌入部を有する。
このような構成によって、各部品を容易に固定し、トイレの形状を安定させることができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、該トレーは、該突出部又は該嵌入部を挿通可能な挿通部を有する。
このような構成によって、トレーを本体部に安定して固定し、動物の動きによりトレーがずれ動くのを防ぐことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、該側板は、組立及び分解が可能な接続部を有する。
このような構成によって、トイレの移動や再設置を容易に行うことができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、該本体部は、上面の一部を覆う塞ぎ板を有する。
このような構成によって、動物が容易にトイレに出入りできるほか、内部の砂が外に出ることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0015】
上記課題を解決する本発明は、ペットと飼い主の両方の生活環境を向上させ、外出先でも使用可能な動物用トイレを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一の実施形態に係る、動物用トイレの組立図である。
図2】本発明の第一の実施形態に係る、動物用トイレの分解図である。
図3】本発明の第一の実施形態に係る、動物用トイレの固定部及び固定具を表す斜視図である。
図4】本発明の第二の実施形態に係る、動物用トイレの部品図及び斜視図である。
図5】本発明の第二の実施形態に係る、動物用トイレの平面Aにおける断面図及び領域Cの拡大図である。
図6】本発明の第二の実施形態に係る、動物用トイレの平面Bにおける断面図及び領域Dの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態に係る動物用トイレXについて説明する。説明は、実施形態の構成、実施の方法、他の実施形態の順に詳述する。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。
【0018】
≪第一の実施形態≫
本発明の第一の実施形態に係る動物用トイレXは、図1図2図3に示すように、本体部1と、排泄物を受けるトレー2と、本体部1とトレー2とを接続可能な固定具3と、を備え、トレー2の中に砂4を入れて使用する。以下、本実施形態において、図1又は図2(c)に示す座標軸を基準に上下、前後、左右を定義し、適宜説明に用いる。
各図面について、図1は動物用トイレXの斜視図、図2(a)はトレー2を折り畳んだ状態の斜視図、図2(b)はトレー2を箱型に開いた状態の斜視図、図2(c)は図1に示す動物用トイレXの内部を示すために一部の部品を省略した斜視図、図3は本体部1とトレー2を固定接続する構成を示す図である。
【0019】
本体部1は、上面が開口した箱型若しくは筒型の部材であり、動物用トイレXの外形を形成する。特に本実施形態では、左側板11、右側板12、前側板13、後側板14、底板15から形成され、上面が開いた略直方体の形状である。以下、左側板11、右側板12、前側板13、後側板14をまとめて側板Pと称す。
【0020】
本体部1は、トレー2を内部に収め、トレー2が本体部1に対してずれ動かないように接続或いは固定する固定部Qを有する。固定部Qは、側板P、すなわち左側板11と、右側板12と、前側板13と、後側板14のそれぞれに設けられる。
【0021】
側板Pは、左側板11、右側板12、前側板13、後側板14を有し、それぞれが平板状の部材である。側板Pは、それぞれ地面に対し立設しており、上から見たときに矩形断面の筒状をなし、その断面積は平均的な大きさの成猫(他の愛玩動物でもよい)が上体を起こして座るのに十分な大きさである。
【0022】
側板P、すなわち左側板11と、右側板12と、前側板13と、後側板14は、互いに組立及び分解が可能な接続部Rをそれぞれ有する。また、側板Pと底板15とを接続する接続部材を設ける構成が好ましい。このような構成によって、側板Pと底板15が組立又は分解でき、本体部1の取扱いを容易にするとともに、動物用トイレXの移動や再設置を簡便に行うことができる。
【0023】
底板15は、周囲を側板Pに取り囲まれるように接続される、略長方形の平板状の部材である。図2(c)に示す前後方向の辺の長さは350mm以上600mm以下が好ましく、より好ましくは400mm以上550mm以下、さらに好ましくは450mm以上530mm以下である。また、図2(c)に示す左右方向の辺の長さは350mm以上500mm以下が好ましく、より好ましくは350mm以上470mm以下、さらに好ましくは400mm以上450mm以下である。このような構成によって、成猫をはじめとする四足歩行の愛玩動物が座って排泄するための十分な空間を確保することができる。
【0024】
左側板11は、本体部1の側壁の一部をなす略長方形の平板状の部材であり、図1及び図2(c)に示す前後方向の辺の長さは底板15に対応し350mm以上600mm以下が好ましく、より好ましくは400mm以上550mm以下、さらに好ましくは450mm以上530mm以下である。また、図1及び図2(c)に示す上下方向の辺の長さは300mm以上500mm以下が好ましく、より好ましくは350mm以上470mm以下、さらに好ましくは400mm以上450mm以下である。このような構成によって、成猫をはじめとする四足歩行の愛玩動物が動物用トイレX内で排泄を行うとき、頭がはみ出して周りを視認できるほか、動物用トイレX内の砂4が外に散乱することを防ぐことができる。
【0025】
左側板11は、トレー2を接続或いは固定する左突出部111を有する。左突出部111は、固定部Qに含まれ、好ましくは、長円形の断面を持つ柱状の形状である。また、上下方向における底板15からの距離は、後述する挿通部25の位置に対応する。このような構成によって、左突出部111は挿通部25と安定して嵌合し、本体部1とトレー2とを安定して接続することができる。また、突出方向の長さは、動物の出入を妨げないため30mm以下が好ましい。
このほか、長円形断面の長さ方向、すなわち図1及び図2(c)に示す前後方向の長さは、左側板11の前後方向長さの3分の1程度が好ましい。このような構成によって、左側板11とトレー2とを接続しやすく、かつ安定した接続状態を保つことができる。
【0026】
左側板11は、前側板13及び後側板14を接続可能な左接続孔部112を有する。左接続孔部112は、接続部Rに含まれ、前側板13及び後側板14の板厚と略同じ幅で、図1及び図2(c)に示す上下方向に伸びる細穴であり、好ましくは上下方向に間隔を空けて複数設けられる構成である。このような構成によって、使用者は工具を用いず容易に本体部1を組立てることができるほか、孔部周りの破損の可能性を抑えることができる。
【0027】
右側板12は、底板15及びトレー2を挟んで左側板11と対向して設けられる略平板状の部材であり、左側板11と同様に、トレー2を接続或いは固定する右突出部121(固定部Qに含まれる)と、前側板13及び後側板14を接続可能な右接続孔部122(接続部Rに含まれる)とを有する。また、左側板11と右側板12は略同一或いは互いに鏡写しとなる構成である。このような構成によって、左側板11と右側板12とで、前側板13と後側板14とをそれぞれ挟み込むように接続して、側板Pを容易に組み立てることができる。
【0028】
前側板13は、本体部1の側壁の一部をなす略長方形の平板状の部材であり、図1及び図2(c)に示す左右方向の辺の長さは底板15に対応し350mm以上500mm以下が好ましく、より好ましくは350mm以上470mm以下、さらに好ましくは400mm以上450mm以下である。また、図1及び図2(c)に示す上下方向の辺の長さは200mm以上500mm以下が好ましく、より好ましくは250mm以上470mm以下、さらに好ましくは300mm以上450mm以下である。このような構成によって、成猫をはじめとする四足歩行の愛玩動物が動物用トイレX内で排泄を行うとき、頭がはみ出して周りを視認できるほか、動物用トイレX内の砂4が外に散乱することを防ぐことができる。このほか、上下方向の辺の長さを短くすることで、動物が動物用トイレXの中に入りやすくなる。
【0029】
前側板13は、トレー2の接続或いは固定に用いる前開口部131を有する。前開口部131は、固定部Qに含まれ、図1に示す左右方向に長辺をもつ長方形断面の孔である。また、上下方向における底板15からの距離は、後述する挿通部25の位置に対応する。このような構成によって、挿通部25と安定して嵌合し、本体部1とトレー2とを安定して接続することができる。
【0030】
前側板13は、左側板11及び右側板12を接続可能な前接続凸部132を有する。前接続凸部132は、接続部Rに含まれ、前側板13の板厚の幅で、左接続孔部112及び右接続孔部122の断面と略同一の形状の長方形断面で左右両方向に突出する柱状の突起である。前接続凸部132が左接続孔部112及び右接続孔部122に嵌入することで、図1に示すように箱型の本体部1が形成される。また、突出長さは左側板11及び右側板12の板厚と略同一の長さが好ましく、これにより、本体部1を組立てたときに、前接続凸部132の端部がはみ出さず、使用者や動物が接触して生じ得る破損や負傷を防ぐことができるほか、動物用トイレX全体の意匠性も高められる。
【0031】
後側板14は、底板15及びトレー2を挟んで前側板13と対向して設けられる略平板状の部材であり、前側板13と略同一の形状で、前側板13と同様に、トレー2の接続或いは固定に用いる後開口部141(固定部Qに含まれる)と、左側板11及び右側板12を接続可能な後接続凸部142(接続部Rに含まれる)とを有する。
【0032】
本体部1は、側板Pと底板15を組立てた状態で空いている上面の一部を塞ぐ塞ぎ板16を有する。塞ぎ板16は、図1に示すように、側板Pのうち2つを架け渡すように設けられる薄板状の部材であり、本体部1の上面の半分程度を塞ぐ。このような構成によって、動物が動物用トイレXに入るときにステップとして使用できるほか、猫などの四足歩行の動物が尻を突き上げて排泄を行っても、排泄物の飛散を防ぐことができる。
【0033】
塞ぎ板16は、薄板状の板厚方向に貫通するスリット161を複数設ける。スリット161は、砂4の粒子が通り抜ける幅をもつ長円形状若しくは長方形断面の孔であり、塞ぎ板16の短辺と平行に複数本設けられる。このような構成によって、排泄が終わった動物が動物用トイレXから出る際に、足に付着した砂4の粒子を受け止め、トレー2の内部に落として回収することができる。
【0034】
側板P、特に左側板11と右側板12は、塞ぎ板16を差し込んで支持することが可能な左支持溝113、右支持溝123をそれぞれ有する。左支持溝113及び右支持溝123は、左側板11の上辺付近に設けられる長穴状の部分であり、その断面は塞ぎ板16の短辺及び板厚からなる面と略同一かそれよりやや大きく、図1に示す前後方向に水平になるように設けられる。但し、図1に示すように、前側を水平に、後側には傾斜をつけて設け、必要に応じて塞ぎ板16の位置及び傾きを変更できる構成が好ましい。このような構成によって、塞ぎ板16を水平に支持するときは動物にとって出入りしやすく、傾斜をつけて支持するときは、塞ぎ板16で回収した砂4の粒子をトレー2の中に戻しやすくなる。
【0035】
トレー2は、薄板形状の側面部21及び底面部22を有する一面が開いた略直方体の部材であり、内部に液体を貯留するほか、使用時には砂4を入れる。また、トレー2は、本体部1の内法の寸法に合う大きさで、各面が側板P及び底板15の内側の面に面接触する構成、すなわち本体部1の内壁を覆う構成である。このほか、トレー2は一般的な愛玩動物用のトイレとは異なり、側面部21及び底面部22は孔や網はなく水密で、内部に溜まった液体が流出しない構成である。このような構成によって、動物の排泄物がトレー2の中に溜まり、本体部1を汚さないため、動物用トイレXの清掃の手間を最低限に抑えることができる。
【0036】
トレー2の深さは、図1に示すように、本体部1の深さ、すなわち上下方向の長さよりも短く、トレー2が本体部1の外部にはみ出さない構成が好ましい。このような構成によって、使用者や動物が外部からトレー2に接触することがなくなり、トレー2の破損を防ぐほか、光によってトレー2が劣化するのを防ぐことができる。
但し、本体部1の内壁のうち、トレー2で覆われない部分の深さは全体の2割以下が好ましく、より好ましくは1割以下である。このような構成によって、動物が排泄する体制や砂4の偏りによらず、砂4の深さに対して余裕をもってトレー2の深さを確保することができるため、本体部1が排泄物や砂4で汚れるのをより効果的に防ぐことができる。
【0037】
トレー2は、全体が熱可塑性樹脂、又は樹脂のリサイクル素材などで全体を一体成型で構成され、折り畳みが可能な折筋23を有し、略直方体に開いた状態で自立が可能な支持部24を有する。このような構成によって、非使用状態のトレー2を狭い空間でも保管することができるほか、本体部1が使用できない状況でも、トレー2を単体で自立させ、トイレとして使用することができる。また、トレー2を折り畳んで容易に携帯することもでき、一般的な吸水シートと組み合わせるなどの方法で、外出先での愛玩動物の排泄処理を簡便に行うことができる。
【0038】
トレー2は、自立可能で、かつ折筋23により折畳みや展開をしても破れない程度の強度を有する。また、使用時は動物用トイレXの中で数日~10日程度継続して使用されるため、対候性が高く、また排泄物を貯留するため耐酸性が高い材料で構成される。
また、トレー2を構成する材料は光を透過することも想定されるため、図2(c)と図3においては、トレー2の部分を透明とし、背後にある他の構成要素が視認できる状態を示している。
【0039】
折筋23は、側面部21と底面部22に設けられる折り筋であり、図2(a)に示すように折り畳まれているトレー2を図2(b)に示す状態に開く、あるいはその逆に折り畳む際のガイドとなる部分である。例えば、折筋23は、図2(a)及び図2(b)に示すように、上下方向や斜め方向の折筋23で中割り折りするように設け、トレー2の下側半分程度を底面部22に合わせて潰すように折り畳める構成とする。
なお、図2(a)では、トレー2の上部は起き上がっているが、それを底面部22に沿って寝かせることで、トレー2を略平面状に畳むことができる。折筋23は、図面に示す配置に限らず、トレー2を折り畳むことができれば、他の配置であってもよい。例えば、底面部22が正方形の場合、その対角線の位置に折筋23が設けられてもよい。
【0040】
支持部24は、図2(b)に示すように、側面部21が角をなす部分の筋であり、折筋23とともにトレー2の形状を保持し、トレー2が単体でも自立できるように支持する。
【0041】
トレー2は、本体部1と接続可能な挿通部25を有する。挿通部25は、各側面部21の上辺に沿って、左突出部111及び右突出部121と略同一形状の長円形、若しくは前開口部131及び後開口部141と略同一形状の長方形に開けられた孔であり、それらに固定部Q若しくは固定具3を挿通或いは貫入、嵌入させることで、トレー2を本体部1と固定接続する。これにより、動物が動物用トイレXの中で動き回っても、トレー2が本体部1の内部でずれ動かず、安定した接続状態を保つことができる。
【0042】
挿通部25は、各側面部21において、前後又は左右方向においてはその中央寄り、上下方向においては上辺に沿い、好ましくは上辺から50mm以内、より好ましくは上辺から40mm以内、さらに好ましくは上辺から30mm以内に設けられる構成である。このような構成によって、砂4を入れる深さと固定部Q及び固定具3が干渉せず、また挿通部25の隙間から排泄物が流出することも防げる。また、各側面部21が上辺から捲れにくくなるため、トレー2と本体部1との隙間に砂4や排泄物が入ることも防げる。
【0043】
挿通部25は、長円形の孔同士と長方形の孔同士が、それぞれ対向する面に設けられる構成が好ましい。このような構成によって、側板P及び固定具3の形状差を少なく抑えることができ、動物用トイレXを製造しやすく、また予備の部品を揃えやすくなる。
【0044】
固定具3は、第一固定具31と、第二固定具32と、を有し、本体部1とトレー2とを安定して固定する。第一固定具31及び第二固定具32は、木材、ゴム、シリコン、樹脂、金属などで形成される柱状の部材であり、固定部Q及び挿通部25において本体部1とトレー2とを固定する。
【0045】
固定具3によって側板Pとトレー2とを固定する構成を図3に示す。図3では、各部の構成をわかりやすくするためトレー2の側面部21を分けて記載しているが、実際は図1図2各図に示す通り、全ての側面部21は一体に接続されている。また、図3において、前側板13に係るトレー2の固定の構成は後側板14に係る構成と同一のため、省略している。
【0046】
第一固定具31は、左突出部111又は右突出部121と嵌合する長円形の孔部311を有する。孔部311は、左突出部111及び/又は右突出部121の断面と略同一の形状の長円形断面の孔である。左突出部111又は右突出部121が挿通部25を貫通し、さらに孔部311に嵌入することで接続される。この状態で第一固定具31がトレー2の側面部21を左側板11又は右側板12と挟むことでトレー2をずれ動かないように固定する。
また、孔部311の深さ、すなわち第一固定具31の孔方向の厚さは、左突出部111又は右突出部121の突出長さと略同一であることが好ましい。このような構成によって、動物用トイレXの内側の出っ張りを抑え、動物の出入りや排泄を妨げない。
【0047】
第二固定具32は、挿通部25及び後開口部141に嵌入する嵌入部321を有する。嵌入部321は、長方形の挿通部25及び後開口部141と略同一形状の長方形断面をもつ柱状の凸部で、嵌入部321が挿通部25及び後開口部141に嵌入し、さらに第二固定具32と後側板14とでトレー2の側面部21を挟むことでトレー2をずれ動かないように固定する。
また、嵌入部321の嵌入方向の長さは、後開口部141の深さ、すなわち後側板14と略同一であることが好ましい。これにより、後側板14よりも嵌入部321が出っ張ることがなくなり、動物用トイレXの設置時に周囲に干渉しないほか、意匠性も保つことができる。
【0048】
第二固定具32は、前側板13についても同様に、嵌入部321をトレー2の挿通部25及び前開口部131に嵌入してトレー2をずれ動かないように固定する。
【0049】
固定具3の前後、左右方向の長さは、図2(c)、図3に示すように、各側板Pの前後或いは左右方向の幅よりも短く、好ましくは角付近で互いに干渉しないように、第一固定具31の長さは第二固定具32の厚みの2倍だけ短く、第二固定具32の長さは第一固定具31の厚みの2倍だけ短い構成である。このような構成によって、トレー2の上辺が捲れないように角付近以外の殆どの部分を押さえ付けることができ、トレー2と本体部1の隙間を解消して排泄物や砂4の侵入を防ぐことができる。
【0050】
砂4は、動物、特に猫など四足歩行の愛玩動物が排泄を行い、排泄物の臭いを封じるために用いられる、一般的なトイレ用の砂であり、例えば猫用としては、円筒形や樽型などの粒形である。このほか、排泄物と接触すると固まるものや、排泄物によって砕けるペレット式のものでもよい。
【0051】
動物用トイレXは、以下の構成を用いてもよい。但し、以下の構成はあくまで実施形態を変更或いは改良する一例であり、各構成の有無については、特に指定がない限り各々任意に決定できる。
【0052】
≪変更例≫
本体部1は、プラスチックなどの樹脂で構成されるが、木材で構成されてもよい。これにより、周囲の家具の質感と調和し、使用者の生活空間の意匠性を高めるほか、香りの嗜好性を向上する、湿度調整を可能にするなどの効果がある。
【0053】
側板P及び底板15は、各側板Pと底板15を接続可能な凸部乃至凹部を設けてもよい。この凸部乃至凹部は、接続部Rの各構成と同様に、底板15の前後左右の各辺を各側板Pの下辺と係合して接続する接続機構である。これにより、本体部1の形状を安定して保つことができる。
【0054】
側板P及び底板15及び塞ぎ板16は、それぞれ角に丸め加工を施していてもよい。この丸め加工は、半径3mm以上15mm以下が好ましく、これにより、使用者や動物が本体部1の各角に接触する際に負傷したり、各板の角が欠けたりするのを防ぐことができる。また、これによって底板15の四隅に隙間ができたとしても、トレー2が砂4や排泄物を遮断するので何も流出せず、周囲を汚すこともない。
【0055】
接続部Rの構成において、接続孔部と接続凸部の配置は前述と逆でもよい、すなわち左側板11及び右側板12に接続凸部、前側板13及び後側板14に接続孔部が設けられていてもよい。
【0056】
挿通部25の形状は、長円形若しくは長方形の何れかに統一してもよい。また、これに合わせ、固定部Qの形状も長円形若しくは長方形の何れかに統一してよい。これにより、トレー2を固定する構成が全て同じになり、使用者がトレー2の向きを意識して使用する必要がなくなる。
【0057】
固定部Q及び固定具3の形状において、孔と凸部は統一してもよい。例えば、固定具3は全て孔部311を設け、側板Pの固定部Qは全て突出部とする構成、若しくは、固定具3は全て嵌入部321を設け、側板Pの固定部Qは全て開口部とする構成である。このような構成によって、固定具3の形状を統一し、製造効率を向上できるほか、固定具3の寸法によっては組立ての自由度を上げることができる。
【0058】
塞ぎ板16は、スリット161の代わりに小孔を複数行、複数列に並べて設けてもよい。この小孔は、砂4の粒子より大きい円形、多角形、或いはX字型などの貫通孔であり、動物の足に付着した砂4の粒子を回収し、トレー2の中に落とす。
【0059】
本体部1は、塞ぎ板16について、前述のスリット161を設ける形態と、小孔を設ける形態の複数種類を有することが好ましい。これにより、使用者が飼育している動物の足の大きさに合わせて使い分けることができる。
【0060】
以下、図面を用いて、本発明の実施の方法について詳述する。本発明は、猫などの愛玩動物を飼育する使用者(飼い主)によって実施される。また、以下に示す実施の方法は一例であり、実施の方法はこれに限られず、順番は前後してもよい。
【0061】
≪実施の方法≫
使用者は、まず側板Pと底板15とを接続して本体部1を箱型に組立てる。このとき、接続部Rの接続孔部と接続凸部とを嵌合させ、底板15と側板Pとを接続する。
【0062】
次に使用者は、図2(a)に示すような折り畳まれたトレー2を、図2(b)に示すような箱型に開き、底面部22と底板15とが面接触するように本体部1の中に入れる。その後、使用者は、挿通部25に左突出部111及び右突出部121を貫通させる。
【0063】
その次に使用者は、固定具3を用いてトレー2を本体部1に固定する。固定部Qと孔部311、若しくは嵌入部321を嵌合させ、さらに側板Pと固定具3とでトレー2の側面部21を挟むことで、トレー2を固定する。
【0064】
最後に使用者は、トレー2の内部に砂4を入れる。砂4の深さは10cm程度が好ましく、これにより、排泄物の臭いを封じるほか、砂4が多少偏ってもトレー2の深さを超えず、側板Pが汚れるのを防ぐ。
【0065】
上記に加え使用者は、必要に応じて塞ぎ板16を取付ける。塞ぎ板16の両端を側板Pに設けられる支持溝に架け渡し、動物用トイレXの上面の一部を塞ぐ。
【0066】
使用者は、トレー2に溜まった排泄物を処分するとき、固定具3を本体部1及びトレー2から外し、さらにトレー2を本体部1から取り出す。このとき、トレー2は砂4と排泄物が入った状態であり、これをそのままゴミ収集用の袋に入れて処分する。その後、前述の方法で新しいトレー2を本体部1に固定して砂4を入れ、動物用トイレXを再度使用可能な状態にする。これにより、一つの動物用トイレXにつき最低でも月に数回は必要な砂4の交換及びトイレ清掃を、簡便な操作で、かつ周囲を汚さずに行うことができる。
【0067】
使用者は、災害時の避難先を含む外出先で愛玩動物にトイレを設置する場合、トレー2を箱型に展開し、中に砂4又は一般的な吸水シートを入れて簡易トイレとする。設置前の状態においては、トレー2は図2(a)に示すような折り畳んだ状態であり、吸水シートなどを併せて容易に携帯することができる。
【0068】
以下、図面を用いて、本発明の第二の実施形態に係る動物用トイレXについて説明する。なお、第一の実施形態と共通する構成については、同様の符号を用いて説明を省略する。
【0069】
≪第二の実施形態≫
本実施形態に係る動物用トイレXは、図4に示すように、本体部1、トレー2を備え、本体部1は、下本体部17と、上本体部18とに分割可能に構成される。
また、本実施形態の説明においては、図4に示す上下、前後、左右で方向を特定する。
【0070】
下本体部17は、側面と底面を一体に有し、上面が開いた箱型の部材である。図4に示す左右方向の長さは350mm以上500mm以下が好ましく、より好ましくは350mm以上470mm以下、さらに好ましくは400mm以上450mm以下である。また、図4に示す前後方向の長さは350mm以上600mm以下が好ましく、より好ましくは400mm以上550mm以下、さらに好ましくは450mm以上530mm以下である。このような構成によって、成猫をはじめとする四足歩行の愛玩動物が座って排泄するための十分な空間を確保することができる。
また、下本体部17の上下方向の長さは200mm以上400mm以下が好ましく、より好ましくは250mm以上350mm以下である。このような構成によって、動物が動物用トイレXに出入りしやすく、また内部の排泄物や砂4が飛散するのを防ぐために十分な深さを確保することができる。
【0071】
下本体部17は、上面が開いた部分を取り囲む位置に下本体縁部171を有する。下本体縁部171は、この上に上本体部18を載せて支持する部分である。
【0072】
下本体部17は、下本体縁部171の各辺の中央部付近に上本体部18と接続する係止部172と、上本体部18を位置決めする挿入部173と、を有する。係止部172と、挿入部173とは、下本体縁部171から上向きに突出する部材であり、係止部172は前後方向断面が逆L字型、挿入部173は略直方体の柱状である。これらにより、下本体部17と上本体部18とが接続する。また、係止部172と挿入部173は、トレー2の接続若しくは固定に用いられ、本実施形態における固定部Qに属する。
【0073】
上本体部18は、前後左右の側面を有する略長方形断面の筒状の部材であり、左右方向の長さは下本体部17に対応し350mm以上500mm以下が好ましく、より好ましくは350mm以上470mm以下、さらに好ましくは400mm以上450mm以下である。また、前後方向の長さも下本体部17に対応し350mm以上600mm以下が好ましく、より好ましくは400mm以上550mm以下、さらに好ましくは450mm以上530mm以下である。このような構成によって、成猫をはじめとする四足歩行の愛玩動物が座って排泄するための十分な空間を確保することができる。また、下本体部17と接続し、略直方体の外形の動物用トイレXを形成する。
【0074】
上本体部18の上下方向の長さは、下本体部17より短い構成が好ましく、形態によっては50mm以下であってもよい。このような構成によって、動物用トイレXの高さを抑え、動物が動物用トイレXに出入りしやすくするほか、動物用トイレX全体の存在感を抑え、使用者の生活空間との外観での調和をとりやすくする。
【0075】
上本体部18は、下側が開いた部分を取り囲む位置に上本体縁部181を有する。上本体縁部181は、本実施形態の動物用トイレXの使用状態において下方向を向き、下本体縁部171に載置され、直接支持される部分である。
【0076】
上本体縁部181は、係止部172と対応する係止穴182と、挿入部173を挿入する挿入穴183と、を有する。係止穴182と、挿入穴183とは、上本体縁部181から上向きに開いた穴であり、係止穴182は前後方向断面が逆L字型で係止部172と係止でき、挿入穴183は略直方体の形状で挿入部173と嵌合し、下本体部17に対し上本体部18が前後左右にずれ動くのを防ぐ。このような構成によって、下本体部17と上本体部18を容易に接続し、位置決めすることができる。
【0077】
トレー2は、側面部21と底面部22を有する箱型の部材であり、内部に液体を貯留するほか、使用時には砂4を入れる。トレー2は、下本体部17の内法と略同じ大きさの箱型に構成され、側面部21と底面部22は、下本体部17の内壁及び内底面と面接触する構成が好ましい。このような構成によって、動物の排泄物がトレー2の中に溜まり、本体部1を汚さないため、動物用トイレXの清掃の手間を最低限に抑えることができる。
【0078】
トレー2は、第一の実施形態と同様、折筋23を有して図4(a)に示すような折り畳み及び図4(b)に示すような展開が可能であり、また支持部24を有して単体でも自立可能にする構成である。
【0079】
トレー2は、図4(b)に示すような箱型に展開した状態における側面部21の上辺から、各辺から外向きに張り出す襞部26を有する。襞部26は、側面部21の各上辺からそれぞれ外向きに張り出す長方形の部材であり、使用時には下本体縁部171と、上本体縁部181とに挟まれる。このような構成によって、使用者は襞部26を持つことでトレー2を容易に扱うことができる。
また、襞部26の張り出し長さは、下本体縁部171及び上本体縁部181の各部の幅方向の長さと略同等、すなわち図4(c)に示す動物用トイレXを組立てた状態において、本体部1よりも外部に出ない長さが好ましい。このような構成によって、使用者や動物が襞部26に接触せず、負傷したりトレー2を破損したりという事態を防ぐことができる。
【0080】
襞部26は、それぞれの中央部若しくは係止部172又は挿入部173に対応する位置に止め孔261を設ける。止め孔261は、係止部172又は挿入部173を貫通させる略長方形の孔であり、これによりトレー2が下本体部17に対しずれ動かないように位置決めする。
また、図5図6に示すように、動物用トイレXを組立てたとき、止め孔261が係止部172又は挿入部173を貫通させた上で、襞部26が下本体縁部171と上本体縁部181に挟まれる構成である。このような構成によって、トレー2を簡便な操作で安定して固定できる。
【0081】
動物用トイレXは、以下の構成を用いてもよい。但し、以下の構成はあくまで本実施形態を変更或いは改良する一例であり、各構成の有無については、特に指定がない限り各々任意に決定できる。
【0082】
≪変更例≫
本体部1は、外側の各角部に丸め加工を施してもよい。この丸め加工は、半径3mm以上15mm以下が好ましく、また下本体部17と上本体部18の丸め加工の半径が等しい構成が好ましい。このような構成によって、使用者や動物が本体部1の角部に接触して負傷するのを防ぐことができる。
【0083】
上本体部18は、図4(b)、図4(c)に示す前側の側面を上から切り欠き、動物用の出入口としてもよい。このような構成によって、動物が動物用トイレXに出入りしやすくなる。
【0084】
本体部1は、第一の実施形態と同様に、上本体部18の上側の開口の一部、特に前側又は後側の半分程度、を塞ぐ塞ぎ板16を有してもよい。この場合は、塞ぎ板16は、第一の実施形態(左支持溝113及び右支持溝123)と同様に上本体部18に支持溝を設け、そこに塞ぎ板16の2辺を差し込んで支持する、或いは突起や孔による係止で固定する構成が好ましい。
【0085】
以下、図面を用いて、本発明の第二の実施形態に係る実施の方法について詳述する。また、以下に示す実施の方法は一例であり、実施の方法はこれに限られず、順番は前後してもよい。
【0086】
≪実施の方法≫
使用者は、まず図4(a)に示すような折り畳まれたトレー2を、図4(b)に示すような箱型に開き、トレー2の底面部22が下本体部17の内底面に面接触するように、下本体部17の中に入れる。その後、使用者は襞部26を水平に開き、係止部172及び挿入部173に止め孔261を貫通させ、下本体縁部171に襞部26を載置する。
【0087】
次に使用者は、トレー2の内部に砂4を入れる。砂4の深さは10cm程度が好ましく、これにより、排泄物の臭いを封じるほか、砂4が多少偏ってもトレー2の深さを超えず、側板Pが汚れるのを防ぐ。
【0088】
その後使用者は、上本体部18を下本体部17と位置を合わせ、係止部172と係止穴182を係止させ、挿入部173を挿入穴183に挿入して固定する。この時、上本体部18と下本体部17とで襞部26を挟み、各部品を安定して固定する。
【0089】
使用者は、トレー2に溜まった排泄物を処分するとき、まず上本体部18を下本体部17から取り外す。その後固定部Qからトレー2を外し、さらにトレー2を持ち上げ、本体部1から取り出す。このとき、トレー2は砂4と排泄物が入った状態であり、これをそのままゴミ収集用の袋に入れて処分する。その後、前述の方法で新しいトレー2を本体部1に固定して砂4を入れ、動物用トイレXを再度使用可能な状態にする。これにより、一つの動物用トイレXにつき最低でも月に数回は必要な砂4の交換及びトイレ清掃を、簡便な操作で、かつ周囲を汚さずに行うことができる。
【符号の説明】
【0090】
X 動物用トイレ
1 本体部
11 左側板
111 左突出部
112 左接続孔部
113 左支持溝
12 右側板
121 右突出部
122 右接続孔部
123 右支持溝
13 前側板
131 前開口部
132 前接続凸部
14 後側板
141 後開口部
142 後接続凸部
15 底板
16 塞ぎ板
161 スリット
17 下本体部
171 下本体縁部
172 係止部
173 挿入部
18 上本体部
181 上本体縁部
182 係止穴
183 挿入穴
2 トレー
21 側面部
22 底面部
23 折筋
24 支持部
25 挿通部
26 襞部
261 止め孔
3 固定具
31 第一固定具
311 孔部
32 第二固定具
321 嵌入部
4 砂
P 側板
Q 固定部
R 接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6