(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165254
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】運搬車輌仲介システム、運搬車輌仲介装置、運搬車輌仲介方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20241121BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20241121BHJP
【FI】
G06Q10/083
G06Q30/0601 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081285
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】523183367
【氏名又は名称】新井 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】新井 隆之
【テーマコード(参考)】
5L010
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L030BB53
5L049AA16
5L049BB53
(57)【要約】
【課題】 より効率的に運搬車輌を運用、及び利用する運搬車輌仲介システムを提供する。
【解決手段】 運搬車輌仲介システム1は、運搬車輌を提供する企業の企業情報を格納する企業情報格納DB600と、運搬車輌の利用者による運搬車輌の利用目的を受け付ける条件受付部502と、企業情報格納DB600により格納される企業情報から、条件受付部502により受け付けた利用目的に合致する企業情報を検索する検索部504とを有し、企業情報には、少なくとも、提供する運搬車輌が運搬可能な荷物種、及び、運搬車輌を提供する企業が取得している資格が含まれる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬車輌を提供する企業の企業情報を格納する企業情報格納部と、
運搬車輌の利用者による運搬車輌の利用目的を受け付ける条件受付部と、
前記企業情報格納部により格納される企業情報から、前記条件受付部により受け付けた利用目的に合致する企業情報を検索する検索部と
を有し、
前記企業情報には、少なくとも、提供する運搬車輌が運搬可能な荷物種、及び、運搬車輌を提供する企業が取得している資格が含まれる
運搬車輌仲介システム。
【請求項2】
前記運搬車輌の運行状況を受け付ける運行状況受付部と、
運搬車輌の利用予約を取得する予約取得部と、
前記予約取得部により取得された予約に関する情報を格納する予約情報格納部と
をさらに有し、
前記条件受付部は、運搬車輌の利用日、及び、運搬車輌の利用目的を受け付け、
前記検索部は、前記条件受付部により受け付けた運搬車輌の利用日、及び、運搬車輌の利用目的と、前記運行状況受付部により受け付けた運搬車輌の空き状況と、前記企業情報格納部により格納される企業情報とに基づいて、利用可能な運搬車輌を検索し、
前記予約取得部は、前記検索部により検索された運搬車輌のうち、利用者の指定に応じて、利用予約を取得する
請求項1に記載の運搬車輌仲介システム。
【請求項3】
前記運行状況受付部により受け付けた運搬車輌の運行状況を公開する運行状況公開部と、
前記運行状況公開部による公開先を限定する公開先限定部と
をさらに有し、
前記公開先限定部は、閲覧権限を示す情報の入力を受け付けた場合に、前記運行状況公開部による運行状況の公開を許可する
請求項2に記載の運搬車輌仲介システム。
【請求項4】
前記予約取得部により取得された予約のキャンセルが発生した場合に、前記予約情報格納部により格納された予約に関する情報に基づいて、キャンセル料金を決定するキャンセル料金決定部と、
前記キャンセル料金決定部により決定されたキャンセル料金を、予約をキャンセルした運搬車輌の利用者に対して請求する請求部と
をさらに有する請求項2に記載の運搬車輌仲介システム。
【請求項5】
前記運搬車輌を提供する企業の信頼度を評価する信頼度評価部と、
前記信頼度評価部による評価を運搬車輌の利用者へ表示する表示部と
をさらに有し、
前記信頼評価部は、前記運搬車輌を提供する企業へ訪問して得られた情報に基づいて、企業の信頼度を評価し、
前記表示部は、前記検索部による検索結果に関連付けて、企業の信頼度を表示する
請求項1に記載の運搬車輌仲介システム。
【請求項6】
前記運搬車輌を提供する企業の取得済み資格の更新期限を管理する期限管理部と、
前記期限管理部により管理される取得済み資格の更新を案内する更新案内部と
をさらに有し、
前記期限管理部により管理される更新期限が規定日数以内となった場合に、前記更新案内部は、更新期限が規定日数以内となった取得済み資格の更新を、前記運搬車輌を提供する企業へ案内する
請求項1に記載の運搬車輌仲介システム。
【請求項7】
運搬車輌を提供する企業が取得すべき資格の登録、又は、更新手続きを行う代理人情報を格納する代理人情報格納部と、
前記運搬車輌を提供する企業の企業情報に基づいて、代理人情報格納部に格納される代理人情報を、運搬車輌を提供する企業へ紹介する代理人紹介部と
をさらに有する請求項1に記載の運搬車輌仲介システム。
【請求項8】
運搬車輌を提供する企業の企業情報を格納する企業情報格納部と、
運搬車輌の利用者による運搬車輌の利用目的を受け付ける条件受付部と、
前記企業情報格納部により格納される企業情報から、前記条件受付部により受け付けた利用目的に合致する企業情報を検索する検索部と
を有し、
前記企業情報には、少なくとも、提供する運搬車輌が運搬可能な荷物種、及び、運搬車輌を提供する企業が取得している資格が含まれる
運搬車輌仲介装置。
【請求項9】
コンピュータが、運搬車輌を提供する企業の企業情報を格納する企業情報格納ステップと、
コンピュータが、運搬車輌の利用者による運搬車輌の利用目的を受け付ける条件受付ステップと、
コンピュータが、前記企業情報格納ステップにおいて格納される企業情報から、前記条件受付部により受け付けた利用目的に合致する企業情報を検索する検索ステップと
を有し、
前記企業情報には、少なくとも、提供する運搬車輌が運搬可能な荷物種、及び、運搬車輌を提供する企業が取得している資格が含まれる
運搬車輌仲介方法。
【請求項10】
運搬車輌を提供する企業の企業情報を格納する企業情報格納ステップと、
運搬車輌の利用者による運搬車輌の利用目的を受け付ける条件受付ステップと、
前記企業情報格納ステップにおいて格納される企業情報から、前記条件受付ステップにおいて受け付けた利用目的に合致する企業情報を検索する検索ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記企業情報には、少なくとも、提供する運搬車輌が運搬可能な荷物種、及び、運搬車輌を提供する企業が取得している資格が含まれる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬車輌仲介システム、運搬車輌仲介装置、運搬車輌仲介方法、及び、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1では、荷物の運搬を発注する発注業者と前記荷物の運搬を請け負う運搬業者とを仲介する管理サーバを備えた荷物運搬管理システムであって、前記運搬業者が運用する作業車両に搭載されるとともに前記荷物の荷降ろしを検知する荷降ろし検知装置と、前記作業車両に対応する車両側端末とを備え、前記車両側端末は、前記荷降ろし検知装置から荷降ろし情報を取得可能な制御部を有し、前記管理サーバは、前記荷降ろし情報および前記車両側端末に設けられた位置情報取得部からの位置情報を、前記車両側端末に設けられた移動通信部と通信することにより取得して、予め指定された指定場所で前記荷物が降ろされたか否かを判定し、前記指定場所で前記荷物が降ろされたと判定したことを運搬料の支払いの決済条件に含めるように構成されていることを特徴とする荷物運搬管理システムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2では、二以上の情報利用者によりそれぞれ個別に操作される二以上のクライアント側端末装置と、該クライアント側端末装置との間で後記ネットワークを介して通信可能に接続され情報管理者により操作されるサーバと、該クライアント側端末装置と該サーバとの間を媒介するネットワークと、を有する情報共用システムであって、(A)該サーバは、(A-1)該クライアント側端末装置から入力送信された、各情報利用者ごとの所有または管理する車輌の運行状況を示す車輌運行情報一次データ(以下、「一次データ」という。)を、該ネットワークを介して受信するための車輌運行情報一次データ受信手段(以下、「一次データ受信手段」という。)と、(A-2)該一次データを蓄積するためのデータ蓄積手段と、(A-3)後記クライアント装置からの車輌運行情報一次データ表示要求を、該ネットワークを介して受信するための一次データ表示要求受信手段と、(A-4)該車輌運行情報一次データ表示要求に応じて該データ蓄積手段に蓄積されている該一次データを取り出して該クライアント側端末装置に対し送信するための表示用一次データ送信手段と、を備え、(B)各クライアント側端末装置は、(B-1)前記ネットワークを介して前記サーバの一次データ受信手段に接続し、これに、入力された前記一次データを送信するための車輌運行情報一次データ送信手段(以下、「一次データ送信手段」という。)と、(B-2)該ネットワークを介して該サーバの一次データ表示要求受信手段に接続し、前記データ蓄積手段に蓄積された該一次データの表示を要求するための車輌運行情報一次データ表示要求手段(以下、「一次データ表示要求手段」という。)と、(B-3)該一次データ表示要求に応じて該サーバから送信された前記表示用一次データを受信するための表示用一次データ受信手段と、(B-4)受信した該表示用一次データを表示するための車輌運行情報データ表示手段(以下、「データ表示手段」という。)と、を備えることにより、各クライアント側端末装置において、一次データが入力送信された全クライアント側端末装置における入力一次データ、を表示することができることを特徴とする、車輌運行情報共用システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-160977号公報
【特許文献2】特開2004-21367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、より効率的に運搬車輌を運用、及び利用する運搬車輌仲介システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る運搬車輌仲介システムは、運搬車輌を提供する企業の企業情報を格納する企業情報格納部と、運搬車輌の利用者による運搬車輌の利用目的を受け付ける条件受付部と、前記企業情報格納部により格納される企業情報から、前記条件受付部により受け付けた利用目的に合致する企業情報を検索する検索部とを有し、前記企業情報には、少なくとも、提供する運搬車輌が運搬可能な荷物種、及び、運搬車輌を提供する企業が取得している資格が含まれる。
【0007】
好適には、前記運搬車輌の運行状況を受け付ける運行状況受付部と、運搬車輌の利用予約を取得する予約取得部と、前記予約取得部により取得された予約に関する情報を格納する予約情報格納部とをさらに有し、前記条件受付部は、運搬車輌の利用日、及び、運搬車輌の利用目的を受け付け、前記検索部は、前記条件受付部により受け付けた運搬車輌の利用日、及び、運搬車輌の利用目的と、前記運行状況受付部により受け付けた運搬車輌の空き状況と、前記企業情報格納部により格納される企業情報とに基づいて、利用可能な運搬車輌を検索し、前記予約取得部は、前記検索部により検索された運搬車輌のうち、ユーザの指定に応じて、利用予約を取得する。
【0008】
好適には、前記運行状況受付部により受け付けた運搬車輌の運行状況を公開する運行状況公開部と、前記運行状況公開部による公開先を限定する公開先限定部とをさらに有し、前記公開先限定部は、閲覧権限を示す情報の入力を受け付けた場合に、前記運行状況公開部による運行状況の公開を許可する。
【0009】
好適には、前記予約取得部により取得された予約のキャンセルが発生した場合に、前記予約情報格納部により格納された予約に関する情報に基づいて、キャンセル料金を決定するキャンセル料金決定部と、前記キャンセル料金決定部により決定されたキャンセル料金を、予約をキャンセルした運搬車輌の利用者に対して請求する請求部とをさらに有する。
【0010】
好適には、前記運搬車輌を提供する企業の信頼度を評価する信頼度評価部と、前記信頼度評価部による評価を運搬車輌の利用者へ表示する表示部とをさらに有し、前記信頼評価部は、前記運搬車輌を提供する企業へ訪問して得られた情報に基づいて、企業の信頼度を評価し、前記表示部は、前記検索部による検索結果に関連付けて、企業の信頼度を表示する。
【0011】
好適には、前記運搬車輌を提供する企業の取得済み資格の更新期限を管理する期限管理部と、前記期限管理部により管理される取得済み資格の更新を案内する更新案内部とをさらに有し、前記期限管理部により管理される更新期限が規定日数以内となった場合に、前記更新案内部は、更新期限が規定日数以内となった取得済み資格の更新を、前記運搬車輌を提供する企業へ案内する。
【0012】
好適には、運搬車輌を提供する企業が取得すべき資格の登録、又は、更新手続きを行う代理人情報を格納する代理人情報格納部と、前記運搬車輌を提供する企業の企業情報に基づいて、代理人情報格納部に格納される代理人情報を、運搬車輌を提供する企業へ紹介する代理人紹介部とをさらに有する。
【0013】
本発明に係る運搬車輌仲介装置は、運搬車輌を提供する企業の企業情報を格納する企業情報格納部と、運搬車輌の利用者による運搬車輌の利用目的を受け付ける条件受付部と、前記企業情報格納部により格納される企業情報から、前記条件受付部により受け付けた利用目的に合致する企業情報を検索する検索部とを有し、前記企業情報には、少なくとも、提供する運搬車輌が運搬可能な荷物種、及び、運搬車輌を提供する企業が取得している資格が含まれる。
【0014】
本発明に係る運搬車輌仲介方法は、コンピュータが、運搬車輌を提供する企業の企業情報を格納する企業情報格納ステップと、コンピュータが、運搬車輌の利用者による運搬車輌の利用目的を受け付ける条件受付ステップとコンピュータが、前記企業情報格納ステップにおいて格納される企業情報から、前記条件受付部により受け付けた利用目的に合致する企業情報を検索する検索ステップとを有し、前記企業情報には、少なくとも、提供する運搬車輌が運搬可能な荷物種、及び、運搬車輌を提供する企業が取得している資格が含まれる。
【0015】
本発明に係るプログラムは、運搬車輌を提供する企業の企業情報を格納する企業情報格納ステップと、運搬車輌の利用者による運搬車輌の利用目的を受け付ける条件受付ステップと、前記企業情報格納ステップにおいて格納される企業情報から、前記条件受付ステップにおいて受け付けた利用目的に合致する企業情報を検索する検索ステップとをコンピュータに実行させ、前記企業情報には、少なくとも、提供する運搬車輌が運搬可能な荷物種、及び、運搬車輌を提供する企業が取得している資格が含まれる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、より効率的に運搬車輌を運用、及び利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】運搬車輌仲介システム1の構成を例示する図である。
【
図2】仲介サーバ5のハードウェア構成を例示する図である。
【
図3】仲介サーバ5の機能構成を例示する図である。
【
図4】ダンプトラックの検索条件を絞り込む検索条件受付画面例である。
【
図5】(a)は、建設ダンプ企業の空車状況を登録する画面例であり、(b)は、空車状況の検索結果を表示する画面例である。
【
図6】運搬車輌仲介システム1における運搬車輌予約処理(S10)を説明するフローチャートである。
【
図7】運搬車輌仲介システム1における保有資格の更新案内処理(S20)を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本発明がなされた背景を説明する。
これまで、建設現場で土砂や建築資材を運搬するためのダンプトラックを所有、及び運用し、物資を運搬するビジネスを行う建設ダンプ業界において、ダンプトラックの需要及び供給を効率的に満たす手段がなかった。具体的には、条件を満たすダンプトラックを所有する企業を見つけることができなかったり、見つけられたとしても、希望日時等の条件が合わなかったり、また、既に関係性が構築された企業同士内で仕事を回していたりと、建設ダンプ業界の情報が公になる機会が少なかった。また、ダンプトラックの利用予約の受け付けも電話によるものが多く、工事中止によりキャンセルが発生しても、利用予約のデータが残っていないこと、また、今後の関係性を懸念して、キャンセル料を請求しにくいという課題があった。
【0019】
そこで、運搬車輌仲介システム1は、利用者が提示した条件と合致する建設ダンプ企業と利用者とを繋ぐ仕組みを提供する。また、建設ダンプ業界の各企業情報を公開することで、比較的に閉じられた印象のある建設ダンプ業界のイメージアップを図るものである。また、運搬車輌仲介システム1は、利用予約のデータを記録し、キャンセルポリシーを明確にし、ダンプトラックの提供企業が直接利用者にキャンセル料を請求せずに済む仕組みを提供する。
【0020】
図1は、運搬車輌仲介システム1の全体構成を例示する図である。
図1に例示するように、運搬車輌仲介システム1は、複数の登録者端末3と、仲介サーバ5と、複数の利用者端末7とを有する。本発明における運搬車輌とは、土砂、砕石、又は産業廃棄物等を運搬するダンプトラックをいう。仲介サーバ5は、本発明に係る運搬車輌仲介装置の一例である。
登録者端末3は、ダンプトラックを所有し、運用する企業(以下、建設ダンプ企業)に従事する者が操作するコンピュータ端末である。
仲介サーバ5は、建設ダンプ企業に関わるユーザが閲覧するWebサイトを運営するコンピュータ端末である。具体的には、仲介サーバ5は、建設ダンプ企業とダンプトラックの利用者とを繋ぎ、利用者の需要に見合ったダンプトラックの提供と、ダンプトラックの効率的な利用とを同時に満たすWebサイトを提供する。より具体的には、仲介サーバ5は、登録者端末3から受け付けた、ダンプトラックを提供する建設ダンプ企業の企業情報を登録し、管理する。また、仲介サーバ5は、利用者端末7から入力された検索条件に合致する建設ダンプ企業を検索し、利用者に紹介する。
利用者端末7は、ダンプトラックの利用を希望するユーザが操作するコンピュータ端末である。ユーザは、利用者端末7からダンプトラックの検索条件を入力し、仲介サーバ5により検索された結果を表示する。
【0021】
図2は、仲介サーバ5のハードウェア構成を例示する図である。
図2に例示するように、仲介サーバ5は、CPU200、メモリ202、HDD204、ネットワークインタフェース206(ネットワークIF206)、表示装置208、及び入力装置210を有し、これらの構成はバス212を介して互いに接続している。
CPU200は、例えば、中央演算装置である。
メモリ202は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
HDD204は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラムやその他のデータファイルを格納する。
ネットワークIF206は、有線又は無線で通信するためのインタフェースであり、例えば、登録者端末3、及び利用者端末7との通信を実現する。
表示装置208は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置210は、例えば、キーボード及びマウスである。
なお、登録者端末3及び利用者端末7のハードウェア構成も、
図2の仲介サーバ5と同様である。
【0022】
図3は、仲介サーバ5の機能構成を例示する図である。
図3に例示するように、本例の仲介サーバ5には、運搬車輌仲介プログラム50がインストールされ、企業情報格納データベース600(企業情報DB600)、予約情報格納データベース610(予約情報格納DB610)、及び代理人情報格納データベース620(代理人情報格納DB620)が構成されている。運搬車輌仲介プログラム50は、企業情報登録部500、条件受付部502、検索部504、運行状況受付部506、運行状況公開部508、公開先限定部510、予約取得部512、キャンセルポリシー掲示部514、キャンセル料金決定部516、請求部518、信頼度評価部520、表示部522、期限管理部524、更新案内部526、及び代理人紹介部528を有する。
なお、運搬車輌仲介プログラム50は、の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよい。また、運搬車輌仲介プログラム50は、例えば、CD-ROMなどの記録媒体に格納されており、この記録媒体を介してインストールされる。
【0023】
企業情報登録部500は、建設ダンプ企業の企業情報の登録を登録者端末3から受け付け、受け付けた企業情報を企業情報格納DB600に格納する。
企業情報格納DB600は、少なくとも、提供する運搬車輌が運搬可能な荷物種、及び、運搬車輌を提供する企業が取得している資格が含まれる。具体的には、企業情報格納DB600は、建設ダンプ企業毎に、企業名、識別番号、ログインパスワード、担当者、メールアドレス、連絡先電話番号、住所、公開先(限定公開又は全公開)、限定公開用パスワード、所有するダンプトラックの種類、台数、保有する資格、及び、保有する資格の更新期限が関連付けられて格納される。保有する資格とは、例えば、営業許可、建設業許可、収集運搬業許可等をいい、その他、反社会的勢力排除を掲示しているか否かの情報も格納される。さらに、企業情報格納DB600には、企業情報に関連付けられて、運行状況が格納される。
【0024】
条件受付部502は、運搬車輌の利用者によるダンプトラックの利用目的を受け付ける。具体的には、条件受付部502は、ダンプトラックの利用者によるダンプトラックの利用日、及び、ダンプトラックの利用目的を受け付ける。
ここで、
図4に例示する、ダンプトラック利用者により指定される条件を受け付ける画面例を説明する。
図4に例示するように、ダンプトラック利用者は、ダンプトラックの利用地域、利用目的、及び特定の条件を指定により希望のダンプトラックを検索することができる。利用目的とは、ダンプトラックで運搬する対象を示し、例えば、建設用骨材、建設現場において発生した残土、産業廃棄物、アスファルト合材、及び排雪等である。特定の条件とは、例えば、営業許可、建設業許可、及び収集運搬業許可の取得、さらに、反社会的勢力排除の掲示を条件とした建設ダンプ企業の検索を示す。
【0025】
検索部504は、企業情報格納DB600により格納される企業情報から、条件受付部502により受け付けた利用目的に合致する企業情報を検索する。より具体的には、検索部504は、条件受付部502により受け付けた利用目的に応じて、必要とされる検索条件を決定し、決定した検索条件を用いてダンプトラックを検索する。例えば、条件受付部502が、残土の運搬を利用目的として受け付けた場合に、検索部504は、残土を運搬可能な、10トン以上の荷物を積載可能なダンプトラックを検索する。
さらに、検索部504は、条件受付部502により受け付けたダンプトラックの利用日、利用目的、運行状況受付部506により受け付けたダンプトラックの空き状況、及び、企業情報格納DB600により格納される企業情報とに基づいて、利用可能な運搬車輌を検索しに基づいて、企業情報格納DB600から利用可能なダンプトラックを検索する。
【0026】
運行状況受付部506は、建設ダンプ企業のダンプトラックの運行状況を受け付ける。具体的には、運行状況受付部506は、建設ダンプ企業のダンプトラックの空車状況を受け付ける。空車状況とは、日付毎のダンプトラックの利用可能な台数をいう。より具体的には、運行状況受付部506は、
図5(a)に例示する空車状況の登録画面から空車状況の他、空車状況の公開先を限定するか否か、限定公開とした場合のパスワード、予約の受付終了日時等を受け付ける。
運行状況公開部508は、
図5(b)に例示するように、運行状況受付部506により受け付けたダンプトラックの運行状況をWebサイト上で公開する。具体的には、運行状況公開部508は、公開先を限定しているか否かに基づいて、各建設ダンプ企業の運行状況を公開する。
公開先限定部510は、運行状況公開部508による公開先を限定する。具体的には、公開先限定部510は、閲覧権限を示す情報の入力を受け付けた場合に、運行状況公開部508による運行状況の公開を許可する。より具体的には、公開先限定部510は、予め建設ダンプ企業が定めたパスワードの入力を受け付けた場合に、運行状況の公開を許可する。
【0027】
予約取得部512は、ダンプトラックの利用予約を取得する。具体的には、予約取得部512は、利用者の指定に応じて、空車のダンプトラックの利用予約を、ダンプトラックを提供する建設ダンプ企業に通知する。また、予約取得部512は、取得した予約に関する情報を予約情報格納DB610に格納する。具体的には、予約取得部512は、ダンプトラックを提供する建設ダンプ企業情報と、ダンプトラックの利用日と、利用者に関する情報と、予約取得日時とを関連付けて予約情報格納DB610に格納する。
キャンセルポリシー掲示部514は、ダンプトラックの利用予約をキャンセルする場合の注意事項やルールを利用者端末7に表示する。具体的には、キャンセルポリシー掲示部514は、予約取得部512により利用予約の取得時に、キャンセル料金の有無、キャンセル可能期間を、利用予約を取得する利用者に掲示する。
【0028】
キャンセル料金決定部516は、予約取得部512により取得された予約のキャンセルが発生した場合に、予約情報格納DB610により格納された予約に関する情報に基づいて、キャンセル料金を決定する。
請求部518は、キャンセル料金決定部516により決定されたキャンセル料金を、予約をキャンセルしたダンプトラックの利用者に対して請求する。また、請求部518は、利用予約をキャンセルした利用者によるキャンセル料金が支払われたか否かを判定する。具体的には、請求部518は、既定日数を超えてもキャンセル料金が支払われない場合に、予約をキャンセルした利用者のアカウントを停止する。
【0029】
信頼度評価部520は、ダンプトラックを提供する企業の信頼度を評価する。具体的には、信頼評価部520は、Webサイトの管理人または関係者がダンプトラックを提供する企業へ訪問して得られた情報に基づいて、企業の信頼度を評価する。例えば、信頼度評価部520は、反社会的勢力排除を掲示しているか否か、経営者や運行管理者へのヒヤリングにより得られた情報に基づいて、信頼度を評価する。
表示部522は、検索部504による検索結果を利用者端末7に表示する。また、表示部522は、検索部504による検索結果に関連付けて、信頼度評価部520による企業の信頼度を表示する。具体的には、表示部522は、検索結果として抽出された建設ダンプ企業に関連付けて、信頼度評価部520による評価を数値、または評価に応じた印で表す。さらに、表示部522は、利用者の操作に応じて、検索結果として抽出された建設ダンプ企業のより詳細な情報を表示する。詳細な情報を表示するページには、建設ダンプ企業の企業紹介が表示され、建設ダンプ企業のホームページの役割を果たす。
また、表示部522は、企業情報格納DB600に格納される企業のうち、信頼度評価部520により評価された評価が規定以上である企業情報を、Webページに表示する。また、表示部522は、信頼度評価部520による評価が規定未満となった企業のWebページでの掲載を停止する。
【0030】
期限管理部524は、建設ダンプ企業の取得済み資格の期限を管理する。具体的には、期限管理部524は、建設ダンプ企業と、取得済み資格を識別する情報と、資格の更新期限とを関連付けて企業情報格納DB600で管理する。
更新案内部526は、期限管理部524により管理される取得済み資格の更新を案内する。具体的には、更新案内部526は、期限管理部524により管理される更新期限が規定日数以内となった場合に、更新期限が規定日数以内となった取得済み資格の更新案内を、建設ダンプ企業へ案内する。
代理人紹介部528は、建設ダンプ企業情報に基づいて、代理人情報格納DB620に格納される代理人情報を、建設ダンプ企業へ紹介する。ここで、代理人情報格納DB620は、ダンプトラックを提供する建設ダンプ企業が取得すべき資格の登録又は更新手続きを行う代理人情報を格納する。
【0031】
図6は、運搬車輌仲介システム1における運搬車輌予約処理(S10)を説明するフローチャートである。
図6に例示するように、ステップ100(S100)において、企業情報登録部500は、建設ダンプ企業の企業情報を受け付け、企業情報格納DB600に格納する。
ステップ105(S105)において、条件受付部502は、ダンプトラックの利用者
によるダンプトラック企業の検索条件を受け付ける。
ステップ110(S110)において、検索部504は、条件受付部502により受け付けられた検索条件に基づいて、建設ダンプ企業を検索し、表示部522は、検索結果を利用者端末7に表示する。表示部522は、検索された建設ダンプ企業に関連付けて、信頼度を表示する。
ステップ115(S115)において、利用者は、表示された建設ダンプ企業から閲覧したい建設ダンプ企業を選択する。公開先限定部510は、選択された建設ダンプ企業の空車状況が限定公開の場合(S115:Yes)に、S120へ移行する。空車状況が全公開の場合(S115:No)に、S125へ移行する。
【0032】
ステップ120(S120)において、公開先限定部510は、利用者による限定公開の建設ダンプ企業の空車状況の閲覧権限を有するパスワードの入力を要求し、パスワードの入力を受け付ける。公開先限定部510は、パスワードを照合し、合致していた場合(S120:Yes)に、運行状況公開部508による運行状況の公開を許可し、合致しなかった場合(S120:No)に、再度入力を受け付ける。
ステップ125(S125)において、運行状況公開部508は、利用者により選択された建設ダンプ企業の空車状況を公開する。
ステップ130(S130)において、予約取得部512は、利用者の指定に応じてダンプトラックの利用予約を取得し、予約情報を予約情報格納DB610に格納する。キャンセルポリシー掲示部514は、利用予約取得時に、予約のキャンセルポリシーを利用者に掲示する。
ステップ135(S135)において、キャンセル料金決定部516は、利用者によるキャンセル操作が行われた場合(S135:Yes)に、S140へ移行し、キャンセル操作が行われなかった場合(S135:No)に処理を終了する。
ステップ140(S140)において、キャンセル料金決定部516は、建設ダンプ企業によるキャンセル料金の請求の承認が得られた場合、すなわち、キャンセル料金請求の承認操作が検知された場合(S140:Yes)に、S145へ移行し、承認が得られなかった場合、すなわち、キャンセル料金請求の承認操作が検知されなかった場合(S140:No)に、キャンセル料金は請求せず、処理を終了する。
【0033】
ステップ145(S145)において、キャンセル料金決定部516は、キャンセルポリシーに基づいて、キャンセル料金を決定する。キャンセル料金決定部516は、利用予約の取り消しを建設ダンプ企業へ通知する。
ステップ150(S150)において、請求部518は、キャンセル料金決定部516により決定された料金を利用者に請求する。
ステップ155(S155)において、請求部518は、既定日数を超えても、キャンセル料金が支払われない場合(S155:Yes)に、S155へ移行する。また、請求部518は、既定日数以内にキャンセル料金が支払われたことを確認できた場合に(S155:No)、キャンセル料金を、利用予約されていたダンプトラックの建設ダンプ企業へ支払う。
ステップ160(S160)において、請求部518は、予約をキャンセルした利用者のアカウントを停止する。
【0034】
図7は、運搬車輌検索システム1における保有資格の更新案内処理(S20)を説明するフローチャートである。
図7に例示するようにステップ200(S200)において、期限管理部524により管理される資格の更新期限が規定日数以内に迫っている場合(S200:Yes)に、S205へ移行する。規定日数以上更新期限がある場合(S200:No)に、処理を終了する。
ステップ205(S205)において、更新期限の迫っている資格を保有する建設ダンプ企業の企業情報に基づいて、代理人紹介部528は、代理人情報格納DB620から、更新手続きを行う代理人情報を抽出する。具体的には、代理人紹介部528は、資格の更新手続きを代理することができる、且つ、企業の所在地と代理人の所在地とが近い代理人情報を抽出する。
ステップ210(S210)において、更新案内部526は、資格の更新期限の迫っている企業に、抽出した代人情報とともに、資格の更新案内を通知する。
【0035】
以上説明したように、運搬車輌仲介システム1によれば、Webサイト上で、既に築かれた関係性を有する企業以外の、新たな建設ダンプ企業を利用者に紹介することができ、利用者の目的に合ったダンプトラックの利用を促進することができる。また、建設ダンプ企業も効率的にダンプトラックの運用が可能となる。
さらに、利用者にしてみると、初めて仕事を依頼する建設ダンプ企業の信頼度が評価され、表示されているため、仕事の依頼の心理的ハードルを下げることができる。
また、運搬車輌仲介システム1によれば、キャンセルポリシーが明確にされており、キャンセルポリシーに基づいてキャンセル料金が発生するため、発生したキャンセル料金を建設ダンプ企業へ支払うことにより、働く予定であったドライバーの給料の確保に繋げることができる。また、建設ダンプ企業が直接利用者にキャンセル料金を請求しないため、建設ダンプ企業と利用者との間で利用予約のキャンセルについてやり取りする必要がなく、お互いに心理的負担、物理的負担が軽減される。
運搬車輌仲介システム1において、キャンセル料金の請求については、建設ダンプ企業の承認を経てキャンセル処理がなされるため、例えば、建設ダンプ企業が、キャンセルの理由を考慮してキャンセル料金を請求しないと判断することが可能であり、キャンセル料金の請求の決定権は、建設ダンプ企業にある。
また、運搬車輌仲介システム1は、資格の更新案内と共に代理人情報を通知しているため、建設ダンプ企業は代理人探しの手間が省け、さらに、代理人は、仕事に繋げることができる。
【符号の説明】
【0036】
1…運搬車輌仲介システム
3…登録者端末
5…仲介サーバ
7…利用者端末
50…運搬車輌仲介プログラム