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特開2024-165273端末、サーバ、位置通知装置、位置通知方法及び位置提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165273
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】端末、サーバ、位置通知装置、位置通知方法及び位置提供方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20241121BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G08G1/00 D
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081322
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】富山 茂喜
【テーマコード(参考)】
5H181
5K201
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB05
5H181CC12
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181MB10
5K201BA02
5K201CC01
5K201CC04
5K201EC06
5K201ED04
(57)【要約】

【課題】GPSに依存せずに、対象車両の位置の特定を容易化できる端末、サーバ、位置通知方法及び位置提供方法の提供。
【解決手段】端末は、移動体通信網に接続する通信部と、車両の搭乗者によって行われた第1の操作を検知する検知部と、前記第1の操作が行われた場合に、前記移動体通信網への接続を開始する制御部と、を備える。前記端末は、前記移動体通信網に、前記端末の位置を管理するサーバに対し、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信網に接続する通信部と、
車両の搭乗者によって行われた第1の操作を検知する検知部と、
前記第1の操作が行われた場合に、前記移動体通信網への接続を開始する制御部と、
を備え、
前記移動体通信網に、前記端末の位置を管理するサーバに対し、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報 を送信させる端末。
【請求項2】
前記第1の操作とは異なる第2の操作が行われた場合に、前記サーバに対し、前記移動体通信網から、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信させる請求項1の端末。
【請求項3】
前記検知部は、イグニッションスイッチであり、
前記第1の操作は、イグニッションスイッチのオン操作である請求項1の端末。
【請求項4】
前記第2の操作は、前記イグニッションスイッチのオフ操作である、請求項2の端末。
【請求項5】
前記検知部は、カメラから得られた画像に基づいて、前記第1の操作の検知を行う請求項1から4いずれか一の端末。
【請求項6】
所定のサービス対象端末の移動体通信網への接続を契機として、前記端末の位置を管理するサーバに対し、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信する移動体通信網の位置通知装置。
【請求項7】
前記端末のハンドオーバが発生した場合、前記サーバに対し、前記端末の位置として、前記端末のハンドオーバ後の基地局又はセルの情報を送信する請求項6の位置通知装置。
【請求項8】
移動体通信網側から、端末に割り当てられた第1の識別情報及び位置を受信する受信部と、
前記第1の識別情報及び位置を用いて前記端末の位置を管理する管理部と、
前記第1の識別情報と、前記端末が搭載された車両を特定するための第2の識別情報との対応関係を記憶する記憶部と、
所定の照会端末からの前記第2の識別情報を用いた位置照会に応じて、前記管理部に管理されている前記第2の識別情報に対応する前記第1の識別情報に紐づけされた端末の位置を回答する照会応答部と、
を備えるサーバ。
【請求項9】
移動体通信網に接続する通信部を備えた端末が、車両の搭乗者によって行われた第1の操作を検知し、
前記第1の操作が行われた場合に、前記移動体通信網への接続を開始し、
前記移動体通信網から、前記端末の位置を管理するサーバに対し、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信させる、
位置通知方法。
【請求項10】
端末に割り当てられた第1の識別情報と、前記端末が搭載された車両を特定するための第2の識別情報との対応関係を記憶する記憶部を備えたサーバが、
移動体通信網側から、前記第1の識別情報及び位置を受信し、
前記第1の識別情報及び前記位置を用いて前記端末の位置を管理し、
所定の照会端末からの前記第2の識別情報を用いた位置照会に応じて、前記第2の識別情報に対応する前記第1の識別情報に紐づけされた端末の位置を回答する、
車両の位置提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末、サーバ、位置通知装置、位置通知方法及び位置提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、車両盗難や走行中に緊急事態が発生した場合に、逃走する犯人や盗難された車両を追跡することができるようになるという周辺情報収集システムが開示されている。この文献記載の周辺情報収集システムでは、異常事態の発生時に、GPS(Global Positioning System)測位手段を備えた車両が、情報管理用の基地局に対し、異常発生情報を送信する。そして、情報管理用の基地局は、異常発生情報を受信すると、該当車両の周辺の情報提供車両に対して周辺情報の提供を要求し、該情報提供車両から受信した車両位置情報、周辺情報および提供時間を蓄積する動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-350520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
位置を特定したい車両(以下、「対象車両」という。)が盗難車両である場合や、事故を起こした車両である場合、搭乗者が追跡を恐れて、GPS機能をオフにしてしまうことが考えられる。GPS機能をオフにする方法としては、車載端末等の設定メニューからオフにする方法がある。このほか、GPSアンテナを遮蔽したり、通信線を切断したりされる可能性もある。また、GPSの場合、地下等ではGPS測位信号を受信できないことがあり、この場合も追跡が困難となる。
【0005】
この点、特許文献1の方法では、該当車両の周辺の情報提供車両を選定して位置情報、周辺情報及び提供時間の提供を受けることとしているが、該当車両がGPSを搭載しており、かつ、その機能がオンになっていないと情報提供車両の選定もできないという問題点がある。また仮に、該当車両がGPSを搭載している場合であっても、情報提供車両がGPSを備えていなかったり、協力を得られなかったりする場合もある。
【0006】
また、カメラを用いた車両の追跡方法としてNシステム(自動車ナンバー自動読取装置)等が知られている。しかしながら、Nシステム(自動車ナンバー自動読取装置)等を用いたとしても、盗難や事故の発生の検出が遅れた場合、対象車両が遠くに移動してしまったり、幹線道路から外れてしまったりする等して、以降の追跡が困難となる場合がある。
【0007】
本開示は、GPSに依存せずに、対象車両の位置の特定を容易化できる端末、サーバ、位置通知装置、位置通知方法及び位置提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の視点によれば、移動体通信網に接続する通信部と、車両の搭乗者によって行われた第1の操作を検知する検知部と、前記第1の操作が行われた場合に、前記移動体通信網への接続を開始する制御部と、を備え、前記移動体通信網に、前記端末の位置を管理するサーバに対し、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信させる端末が提供される。
【0009】
第2の視点によれば、移動体通信網側から、端末に割り当てられた第1の識別情報及び位置を受信する受信部と、前記第1の識別情報及び位置を用いて前記端末の位置を管理する管理部と、前記第1の識別情報と、前記端末が搭載された車両を特定するための第2の識別情報との対応関係を記憶する記憶部と、所定の照会端末からの前記第2の識別情報を用いた位置照会に応じて、前記管理部に管理されている前記第2の識別情報に対応する前記第1の識別情報に紐づけされた端末の位置を回答する照会応答部と、を備えるサーバが提供される。
【0010】
第3の視点によれば、所定のサービス対象端末の移動体通信網への接続を契機として、前記端末の位置を管理するサーバに対し、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信する移動体通信網の位置通知装置が提供される。
【0011】
第4の視点によれば、移動体通信網に接続する通信部を備えた端末が、車両の搭乗者によって行われた第1の操作を検知し、前記第1の操作が行われた場合に、前記移動体通信網への接続を開始し、前記移動体通信網から、前記端末の位置を管理するサーバに対し、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信させる、位置通知方法が提供される。
【0012】
第5の視点によれば、端末に割り当てられた第1の識別情報と、前記端末が搭載された車両を特定するための第2の識別情報との対応関係を記憶する記憶部を備えたサーバが、移動体通信網側から、前記第1の識別情報及び位置を受信し、前記第1の識別情報及び前記位置を用いて前記端末の位置を管理し、所定の照会端末からの前記第2の識別情報を用いた位置照会に応じて、前記第2の識別情報に対応する前記第1の識別情報に紐づけされた端末の位置を回答する、車両の位置提供方法が提供される。
【0013】
第6の視点によれば、上記した端末、位置通知装置及びサーバの機能をそれぞれ実現するためのコンピュータプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、GPSに依存せずに、対象車両の位置を容易に特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の一実施形態の構成を示す図である。
図2】本開示の一実施形態の動作を示す流れ図である。
図3】本開示の別の実施形態の構成を示す図である。
図4】本開示の別の実施形態の動作を示す流れ図である。
図5】本開示の別の実施形態の動作を示す流れ図である。
図6】本開示の第1の実施形態の構成を示す図である。
図7】本開示の第1の実施形態のサーバが保持する識別情報の管理テーブルの一例を示す図である。
図8】本開示の第1の実施形態のサーバが保持するイベント情報の一例を示す図である。
図9】本開示の第1の実施形態の動作(事前登録)を示すシーケンス図である。
図10】本開示の第1の実施形態の動作(イベント情報の更新)を示すシーケンス図である。
図11】本開示の第1の実施形態の動作(イベント情報の更新)を示す別のシーケンス図である。
図12】本開示の第1の実施形態の動作(イベント情報の更新)を示す別のシーケンス図である。
図13】本開示の第1の実施形態の動作(車両の位置照会)を示すシーケンス図である。
図14】本開示の第2の実施形態の構成を示す図である。
図15】本開示の第2の実施形態の動作(イベント情報の更新)を示すシーケンス図である。
図16】本開示の第2の実施形態の動作(イベント情報の更新)を示す別のシーケンス図である。
図17】本開示の第3実施形態のサーバが保持する移動履歴情報の一例を示す図である。
図18】本開示の情報処理装置を構成するコンピュータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
はじめに本開示の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本開示を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。また、このコンピュータ装置は、通信インターフェースを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、通信可能に構成される。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インターフェースがあるが図示を省略する。
【0017】
本開示は、その一実施形態において、図1に示すように、通信部11と、検知部12と、制御部13とを備える端末10にて実現することができる。より具体的には、通信部11は、移動体通信網50に接続する。検知部12は、車両の搭乗者によって行われた所定の操作(第1の操作)を検知する。制御部13は、前記所定の操作が行われた場合に、前記移動体通信網50への接続を開始する。
【0018】
移動体通信網50は、前記端末10の位置を管理するサーバ20に対し、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信する。
【0019】
上記のように構成された端末10及び移動体通信網50は、次のように動作する。まず、端末10は、車両の搭乗者によって行われた所定の操作(第1の操作)を検知する(図2のステップS01)。次に、端末10は、前記移動体通信網(コアNW)50への接続を開始する(図2のステップS02)。さらに、移動体通信網(コアNW)50は、前記サーバ20に対し、前記位置を示す情報として、前記通信部11が前記移動体通信網50に接続した基地局又はセルの情報を送信する(図2のステップS03)。
【0020】
以上のように構成された端末10及び移動体通信網50によれば、GPS機能のオンオフやGPSアンテナや通信線の切断などが行われたとしても確実にサーバ20に車両の位置を示す基地局又はセルの情報を送信することが可能となる。
【0021】
また、本開示は、上記のようにして送信された位置情報を蓄積するサーバ20としても把握できる。このサーバ20は、図3に示すように、受信部21と、管理部22と、記憶部23と、照会応答部24と、を備える。 受信部21は、移動体通信網(コアNW)50側から、当該端末に割り当てられた第1の識別情報及び位置を受信する。管理部22は、前記第1の識別情報及び位置を用いて前記端末10の位置を管理する。記憶部23は、前記第1の識別情報と、前記端末が搭載された車両を特定するための第2の識別情報との対応関係を記憶する。照会応答部24は、所定の照会端末30からの前記第2の識別情報を用いた位置照会に応じて、前記管理部22に管理されている第2の識別情報に対応する第1の識別情報に紐づけされた端末の位置を回答する。
【0022】
上記のように構成されたサーバ20は、次のように動作する。まず、サーバ20は、移動体通信網(コアNW)50側から、前記第1の識別情報及び位置を受信する(図4のステップS11)。この位置は、前述のとおり、端末10が移動体通信網50に接続していた基地局又はセルの情報である。さらに、サーバ20は、前記第1の識別情報及び前記位置を用いて前記端末10の位置を管理する(図4のステップS12)。
【0023】
その後、サーバ20は、照会端末30から第2の識別情報を用いた端末10の位置の照会要求を受けると(図5のステップS21)、前記第2の識別情報に対応する第1の識別情報を割り出す。そして、サーバ20は、照会端末30に対し、前記第1の識別情報に紐づけされた端末の位置を回答する(図5のステップS22)。
【0024】
以上のように構成されたサーバ20によれば、第2の識別情報を用いた、車両の位置の照会に応答することが可能となる。この第2の識別情報としては、ナンバープレート情報、車体番号、多数の車両の管理するユーザが個々の車両に割り当てた管理番号等を好適に用いることができる。また、第1の識別情報としては、端末が移動体通信網に接続する際に使用するIMSI、IMEI等を好適に用いることができる。なお、IMSI、IMEIは、それぞれInternational Mobile Subscriber Identity、International Mobile Equipment Identifierの略である。
【0025】
また、前記端末10は、前記所定の操作(第1の操作)とは異なる第2の操作が行われた場合に、前記サーバ20に対し、前記移動体通信網から、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信させるようにしてもよい。このように、端末が接続している基地局又はセルの情報を送信する機会を増やすことで、端末の位置の追跡がより容易化される。
【0026】
[第1の実施形態]
続いて、位置情報の通知トリガの1つとして車両側のイグニッション操作を利用した第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図6は、本開示の第1の実施形態の構成を示す図である。図6を参照すると、車載端末110を搭載した車両100と、サーバ200とがコアネットワーク(以下、「コアNW」)500を介して接続された構成が示されている。
【0027】
車両100 は、車載端末110と、イグニッションスイッチ120と、ディスプレイ130とを備えている。車載端末110は、制御部111と、SIM112と、通信部113と、初期設定部114とを備えている。車両100は、4輪の自動車であってもよいし、2輪車(オートバイ、自転車)であってもよい。また、車両の駆動源は、内燃機関であってもよいし、電動機(モータ)であってもよい。
【0028】
通信部113は、基地局410、420を介して、コアNW500に接続し、サーバ200と、制御部111や初期設定部114から依頼された情報の送受信を行う。
【0029】
SIM(Subscriber Identity Module)112は、IMSI等のSIM加入者情報を記憶する各種規格のカードである。なお、SIM112として、eSIMと呼ばれる車載端末に内蔵されたチップ型のモジュールを用いてもよい。
【0030】
初期設定部114は、ディスプレイ130に、ナンバープレート情報の登録画面を表示し、車両100のオーナー等からナンバープレート情報の入力を受け付ける。その際に、初期設定部114は、パスワード等のログイン情報を求め、犯罪者等の第三者が簡単に、登録したナンバープレート情報を変更・削除できないようにすることが好ましい。初期設定部114は、入力されたナンバープレート情報と、SIM112に保持されているSIM加入者情報とを、サーバ200側に送信する。
【0031】
制御部111は、イグニッションスイッチのオン操作を契機に、コアNW500への接続を開始する。また、制御部111は、イグニッションスイッチのオフ操作が発生したことを契機に、コアNW500から接続解除動作を開始する。
【0032】
イグニッションスイッチ120は、車両100のエンジンやEV(Electric Vehicle)システムを起動するためのスイッチである。イグニッションスイッチ120は、EV(Electric Vehicle)システムの場合、パワースイッチと呼ばれることもある。
【0033】
ディスプレイ130は、車両100の搭乗者に車両の状態等を表示するためのディスプレイ(表示装置)である。ディスプレイ130として、車両100のカーナビゲーションシステムの表示装置を用いてもよい。
【0034】
コアNW500は、第5世代移動通信システム(5G)やLTE(LongTermEvolution)のコアネットワークである。コアNW500は、車載端末110を含む端末の認証、端末の位置管理、データネットワーク(DN)との間でのデータのやりとりなど、5Gモバイルネットワークの通話や通信に関連する様々な役割を担っている。以下の説明では、コアNW500は、5GのコアNW500であるものとして説明する。
【0035】
さらに、コアNW500は、車載端末110のコアNW500への接続、接続解除、ハンドオーバ等のイベントが発生すると、サーバ200に対して、車載端末110のSIM加入者情報及び位置情報を通知する。また、コアNW500には、このSIM加入者情報及び位置情報を通知する位置通知装置が配置されていてもよい。この位置通知装置は、専用のハードウェア装置であってもよいが、コアNW500上で仮想的に動作するソフトウェアで構成されていてもよい 。なお、位置情報としては、通信部113が、コアNW500(移動体通信網)に接続した基地局410、420の情報を用いることができる。なお、基地局410、420の情報の代わりに、車載端末110が接続している基地局410、420のセル情報を送信してもよい。
【0036】
サーバ200は、登録部210と、データベース220と、照会応答部230とを備えている。登録部210は、車両100の初期設定部114から、ナンバープレート情報と、SIM加入者情報とを受け取ると、データベース220に保存する。
【0037】
図7は、本開示の第1の実施形態のサーバ200が保持する識別情報の管理テーブルの一例を示す図である。図7の例では、SIM加入者情報(第1の識別情報)と、ナンバープレート情報(第2の識別情報)とを対応付けて管理するテーブルが示されている。後述するように、車載端末110の位置は、SIM加入者情報(第1の識別情報)で管理される。一方、サーバ200は、照会端末300からのナンバープレート情報(第2の識別情報)による問い合わせにも応じる。図7のテーブルは、ナンバープレート情報(第2の識別情報)による位置問い合わせを受けた場合に、サーバ200が、SIM加入者情報(第1の識別情報)を割り出すために使用される。この識別情報の管理テーブルに保持された情報が、端末に割り当てられた第1の識別情報と、前記端末が搭載された車両を特定するための第2の識別情報との対応関係に相当する。なお、図7の例では、SIM加入者情報(第1の識別情報)と、ナンバープレート情報(第2の識別情報)とが1対1で対応付けられているが、1つの車両に複数の端末が搭載されている場合もある。その場合、1つのナンバープレート情報(第2の識別情報)に対し、複数のSIM加入者情報(第1の識別情報)を登録することで、端末が搭載されている車両を割り出すことができるようになる。本実施形態では、この管理テーブルが前述の記憶部に相当する。
【0038】
また、登録部210は、コアNW500から、車載端末110のSIM加入者情報及び位置情報を含む通知を受け取ると、イベント情報として、データベース220に保存する。図8は、本開示の第1の実施形態のサーバ200が保持するイベント情報の一例を示す図である。図8の例では、イグニッションON、ハンドオーバ、イグニッションOFF等のイベントが発生したタイミングで、車両100から送られてきたイベント情報が示されている。なお、図8の例では、SIM加入者情報が「440XXXXXXXXXXX1」である車載端末110のイベント情報を示しているが、その他の車載端末のイベント情報も保持される。このようなイベント情報を過去所定分保存することで、車載端末110の現在地や移動経路を把握することが可能となる。本実施形態では、この登録部210が図1の受信部21及び管理部22に相当する。
【0039】
照会応答部230は、照会端末300からの、ナンバープレート情報(第2の識別情報)を用いた車両100の位置照会を受けると、データベース220を参照し、ナンバープレート情報(第2の識別情報)に対応するSIM加入者情報(第1の識別情報)を割り出す。さらに、照会応答部230は、データベース220から、前記割り出したSIM加入者情報(第1の識別情報)のイベント情報を読み出し、照会端末300に回答する。
【0040】
照会端末300は、サーバ200に対し、ナンバープレート情報(第2の識別情報)を用いた車両100の位置照会を行うための端末である。照会端末300としては、パーソナルコンピュータやスマートフォン等を用いることができる。また、サーバ200の照会応答部230の位置照会に応じる機能がウェブコンテンツで構成されている場合、照会端末300は、ブラウザを備えていればよい。
【0041】
基地局410、420は、車載端末110に、コアNW500を介した通信サービスを提供するための基地局である。基地局410、420は、車載端末110を搭載した車両がハンドオーバ対象となった場合、後記するハンドオーバ処理を実施する。なお、図8の例は、2つの基地局410、420を示しているが、基地局は、3つ以上あってもよい。
【0042】
<事前登録>
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図9は、本開示の第1の実施形態の動作(事前登録)を示すシーケンス図である。図9を参照すると、まず車載端末110は、ナンバープレート情報の登録画面を表示し、車両100のオーナー等からナンバープレート情報の入力を受け付ける(ステップS001)。また、このときに、車載端末110に、APN(Access Point Name)やDNN(Data Network Name)等の本システム(サービス)を特定するための情報を設定してもよい。
【0043】
次に、車載端末110は、入力されたナンバープレート情報と、SIM112に保持されているSIM加入者情報とを、サーバ200側に送信する(ステップS002)。
【0044】
サーバ200は、ナンバープレート情報と、SIM加入者情報とを受信すると、これらをデータベース220の識別情報の管理テーブルに登録する(ステップS003)。
【0045】
<イグニッションON>
その後、車両100に搭乗した搭乗者がイグニッションスイッチをオンにすると、車載端末110は、イベントが発生したことを検知し、サーバ200に報告する。図10は、本開示の第1の実施形態の動作(イベント情報の更新)を示すシーケンス図である。図10を参照すると、車両100のイグニッションスイッチ120のオン操作が行われると(ステップS101)、車載端末110は起動する(ステップS102)。
【0046】
次に、車載端末110は、基地局(例えば基地局410)に対し、Registration Requestを送信する(ステップS103)。ここで、Registrationとは、5Gモバイルネットワーク通信を行うために、UE(User Entity)である車載端末110をネットワークに登録する手順である。Registration Requestは、コアNW500に対し、Registrationを要求するメッセージである。
【0047】
前記Registration Requestを受信した基地局410は、コアNW500に対して、Registration Requestを送信する(ステップS104)。
【0048】
前記Registration Requestを受信したコアNW500は、車載端末110の登録を行った後、車載端末110に対し、Registration Acceptを送信する(ステップS105)。
【0049】
前記Registration Acceptを受信した車載端末110は、DNNに本サービス(本システム)を識別する識別子を設定し、コアNW500に対し、PDU session establish Requestを送信する(ステップS106)。PDU session establish Requestは、UEである車載端末110がPDUセッション確立を開始する際に使用するメッセージである。
【0050】
コアNW500は、受信したPDU session establish Requestに設定されたDNN が、本サービス(本システム)を識別するための識別子である場合、サーバ200に対して、Registration通知を送信する(ステップS107)。このRegistration通知には、当該車載端末110のSIM加入者情報及び位置情報が含まれている。
【0051】
サーバ200は、データベース220から、受信したRegistration通知に含まれるSIM加入者情報のエントリを探し出し、当該SIM加入者のイベント情報として追記(更新)する(ステップS108)。このイベント情報には、図8に示すように、イベント種別:イグニッションON、イベント発生時刻、位置情報が含まれている。
【0052】
<イグニッションOFF>
その後、車両100に搭乗した搭乗者がイグニッションスイッチをオフにすると、車載端末110は、イベントが発生したことを検知し、サーバ200に報告する。図11は、本開示の第1の実施形態の動作(イベント情報の更新)を示す別のシーケンス図である。図11を参照すると、車両100のイグニッションスイッチ120のオフ操作が行われると(ステップS201)、車載端末110は、イグニッションスイッチ120のオフ操作を検知する(ステップS202)。次に、車載端末110は、コアNW500に対して、DeRegistration Requestを送信する(ステップS203)。ここで、DeRegistrationとは、UEである車載端末110がネットワークから登録解除する手順である。DeRegistration Requestは、コアNW500に対し、DeRegistrationを要求するメッセージである。
【0053】
前記DeRegistration Requestを受信したコアNW500は、車載端末110に対し、DeRegistration Acceptを送信する(ステップS204)。
【0054】
さらに、コアNW500は、DeRegistrationの送信元である車載端末110のDNNが、本サービス(本システム)を識別する識別子の場合、サーバ200に対して、DeRegistration通知を送信する(ステップS205)。このDeRegistration通知には、当該車載端末110のSIM加入者情報及び位置情報が含まれている。
【0055】
サーバ200は、データベース220から、受信したDeRegistration通知に含まれるSIM加入者情報のエントリを探し出し、当該SIM加入者のイベント情報として追加(更新)する(ステップS206)。このイベント情報には、図8に示すように、イベント種別:イグニッションOFF、イベント発生時刻、位置情報が含まれている。
【0056】
<ハンドオーバ>
上記したSIM加入者のイベント情報の更新は、車両100の移動に伴うハンドオーバの発生時にも行われる。図12は、本開示の第1の実施形態の動作(イベント情報の更新)を示す別のシーケンス図である。以下の説明では、車載端末110が基地局410から基地局420にハンドオーバをしたものとして説明する。図12を参照すると、基地局410は、基地局420に対し、HandOver Requestを送信する。(ステップS301)。
【0057】
基地局420は、基地局410に対し、HandOver Request ACKを送信する(ステップS302)。
【0058】
基地局420は、コアNW500に対し、Path switch Requestを送信する(ステップS303)。なお、ステップS301~S303のハンドオーバの手順は、あくまで一例を示したものであり、基地局の仕様等によって変更を加えることが可能である。
【0059】
Path switch Requestを受信したコアNW500は、ハンドオーバ対象となるUEに関連づけされたDNNが、本サービス(本システム)を識別する識別子であるか否かを確認する。DNNが、本サービス(本システム)を識別する識別子である場合、コアNW500は、サーバ200に対して、HandOver通知を送信する(ステップS304)。このHandOver通知には、SIM加入者情報、移動前の位置情報及び移動後の位置情報が含まれている。また、コアNW500に、この位置通知装置が配置されている場合、位置通知装置が、このHandOver通知を送信することになる。
【0060】
サーバ200は、データベース220から、受信したHandOver通知に含まれるSIM加入者情報のエントリを探し出し、当該SIM加入者のイベント情報として追加(更新)する(ステップS305)。このイベント情報には、図8に示すように、イベント種別:ハンドオーバ、イベント発生時刻、位置情報が含まれている。
【0061】
<車両の位置照会>
サーバ200は、照会端末300からのナンバープレート情報(第2の識別情報)を用いた車両100の位置照会に対し、上記のようにして更新されるSIM加入者のイベント情報を用いて応答する。図13は、本開示の第1の実施形態の動作(車両の位置照会)を示すシーケンス図である。
【0062】
照会端末300のユーザは、位置を照会したい自動車のナンバープレート情報を入力し(ステップS401)、サーバ200に対し、車両情報取得メッセージを送信する(ステップS402)。
【0063】
サーバ200は、図7に例示した識別情報の管理テーブルを参照して、照会端末300から照会を受けたナンバープレート情報に関連付けされたSIM加入者情報を割り出す。さらに、サーバ200は、データベース220から、前記SIM加入者情報のイベント情報を取得する(ステップS403)。
【0064】
サーバ200は、照会端末300に対し、前記取得したイベント情報を用いて、車載端末110の位置を含んだ車両情報応答メッセージを送信する(ステップS404)。この車両情報応答メッセージには、車両100(車載端末110)の位置のほか、位置情報を受信した時刻やイベント種別が含まれていてもよい。
【0065】
以上説明したように本実施形態によれば、盗難車や犯罪者を乗せた車両100がいつ、どの基地局と通信したかを示す位置情報を提供することができるようになる。また、本実施形態では、イグニッションスイッチのオンオフのほか、ハンドオーバを契機として、コアNW500からサーバ200に位置情報を送信するように構成している。このため、車両100(車載端末110)の位置情報の履歴を保存し、必要に応じて照会端末300に車載端末の移動経路(在圏基地局やセルの遷移履歴)を提供することも可能となる。また、この場合、サーバ200は、照会端末300に対し、車載端末110の移動経路(在圏基地局やセルの遷移履歴)を地図上に描いた形態で位置情報を提供することも可能となる。
【0066】
さらに、本実施形態では、5Gの端末、基地局、コアNW間でやり取りするメッセージを利用して位置情報を収集できるように構成しているため、導入費用を抑えることができるという利点がある。特に、基地局については、通常の5G基地局を利用できるという利点がある。もちろん、コアNW500が、専用のメッセージによって位置情報をサーバ200に送信するようにしてもよい。
【0067】
なお、上記した実施形態では、車載端末110がイグニッションスイッチ120のオン操作やオフ操作を契機に、コアNW500への接続や解除動作を開始するものとして説明したが、イグニッションスイッチ120の代わりのものを用いることもできる。例えば、に、車載端末110がアクセサリ電源(ACC電源)のオン操作やオフ操作を契機に、コアNW500への接続や解除動作を開始する構成も採用可能である。
【0068】
[第2の実施形態]
上記した第1の実施形態では、イグニッションスイッチ120のオンオフを契機として車載端末110がコアNW500に接続するものとして説明したが、コアNW500がサーバ200に通知を行うタイミングはこれに限られない。例えば、車両100に、カメラ等のセンサ140が備えられている場合、このカメラで捉えた搭乗者の挙動や車両の計器類の変化を用いて、車載端末110がコアNW500に接続するようにしてもよい。
【0069】
図14は、本開示の第2の実施形態の構成を示す図である。図6に示した第1の実施形態との相違点は、車両100に検知部としてセンサ140が備えられており、制御部111aは、このセンサ140で捉えた搭乗者の挙動を用いて、コアNW500に接続するように構成されている点である。その他の構成は第1の実施形態と同様であるので、以下、その相違点を中心に説明する。
【0070】
センサ140は、前記搭乗者によって行われた所定の操作の検知を行うセンサである。例えば、所定の操作(第1の操作)がイグニッションスイッチのオンオフ操作である場合、イグニッションスイッチのオンオフは、搭乗者の動作や計器類の変化によって検出することができる。したがって、これらを撮影した画像から、イグニッションスイッチのオンオフ操作を検知可能なカメラ及びセンサ140を配置すればよい。また、検出対象の所定の操作は、イグニッションスイッチのオンオフ操作以外であってもよい。例えば、搭乗者がハンドルを握った、ドアを閉めたという動作を所定の操作とすることができる。この場合、これらの動作を検知可能なカメラや接触センサ等をセンサ140として用いることができる。
【0071】
図15は、第2の実施形態の動作(イベント情報の更新)を示すシーケンス図である。図10に示した第1の実施形態の動作との相違点は、ステップS101aにおけるセンサ140で検出する動作が、ドアの開閉に変更されている点である。その他の動作は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0072】
図16は、第2の実施形態の動作(イベント情報の更新)を示す別のシーケンス図である。図11に示した第1の実施形態の動作との相違点は、ステップS201aにおけるセンサ140で検出する動作が、ドアの開閉に変更されている点である。その他の動作は第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0073】
以上説明したように本実施形態によっても、第1の実施形態と同様に、盗難車や犯罪者を乗せた車両100がいつ、どの基地局と通信したかを示す位置情報を提供することができるようになる。なお、図15図16の例では、ドアの開閉をコアNW500への接続や接続解除の契機としたが、その他の搭乗者の動作や挙動をトリガとしてもよい。例えば、搭乗者が運転シートに着座したことを契機にコアNW500への接続を行い、運転シートから離れたことを契機に、コアNW500から接続解除するように構成することもできる。
【0074】
[第3の実施形態]
なお、上記した実施形態では、サーバ200が、データベース220に保持された、位置、時刻及びイベント種別を含んだイベント情報を管理するものとして説明したが、データベース220に保持させる情報は種々の変更を加えることができる。例えば、図17に示すように、イベント情報中のイベント種別を省略した形態も採用可能である。この場合、照会端末300から位置照会を受けたサーバ200は、データベース220から、照会を受けた車載端末110の最新の位置情報を読み出し、照会端末300に回答することになる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態によれば、サーバ200が保持する情報を簡素化することが可能となる。
【0076】
以上、本開示の各実施形態を説明したが、本開示は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本開示の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示したネットワーク構成、各要素の構成、データの表現形態は、本開示の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0077】
例えば、上記した各実施形態では、コアNW500は、5GのコアNW500であるものとして説明したが、コアNW500は、それ以外の移動体通信網のコアNWであってもよい。例えば、コアNW500は、LTEのコアNWであってもよく、この場合、本サービス(本システム)を識別する情報として、上記したDNNに代えて、APNやその他のメタ情報等を用いることができる。
【0078】
また、上記した各実施形態では、車両100に搭載されている車載端末110を用いるものとして説明したが、車載端末110の代わりに、搭乗者が携行する携帯端末やパーソナルコンピュータ(PC)を用いてもよい。
【0079】
また、上記した各実施形態では、第2の識別情報として、ナンバープレート情報を用いるものとして説明したが、ナンバープレート情報に代えて、車体番号、ユーザが個々の車両に割り当てた管理番号等を用いることもできる。
【0080】
(ハードウェア構成について)
本開示の各実施形態において、各装置の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素の一部又は全部は、例えば図18に示すような情報処理装置900とプログラムとの任意の組み合わせにより実現される。図18は、各装置の各構成要素を実現する情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置900は、一例として、以下のような構成を含む。
・CPU(Central Processing Unit)901
・ROM(Read Only Memory)902
・RAM(Random Access Memory)903
・RAM903にロードされるプログラム904
・プログラム904を格納する記憶装置905
・記録媒体906の読み書きを行うドライブ装置907
・通信ネットワーク909と接続する通信インターフェース908
・データの入出力を行う入出力インターフェース910
・各構成要素を接続するバス911
【0081】
各実施形態における各装置の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム904をCPU901が取得して実行することで実現される。すなわち、図18のCPU901にて、イグニッションスイッチの状態検知プログラムやコアNW500への接続プログラムを実行し、RAM903や記憶装置905等に保持された各計算パラメーターの更新処理を実施させればよい。各装置の各構成要素の機能を実現するプログラム904は、例えば、予め記憶装置905やROM902に格納されており、必要に応じてCPU901が読み出す。なお、プログラム904は、通信ネットワーク909を介してCPU901に供給されてもよいし、予め記録媒体906に格納されており、ドライブ装置907が当該プログラムを読み出してCPU901に供給してもよい。
【0082】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ別個の情報処理装置900とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つの情報処理装置900とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。即ち、上記した第1~第3の実施形態に示した端末、位置通知装置及びサーバの各部(処理手段、機能)は、これらの装置に搭載されたプロセッサに、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することができる。
【0083】
また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、その他の汎用または専用の回路、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現される。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。
【0084】
各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0085】
各装置の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0086】
なお、上述した各実施の形態は、本開示の好適な実施の形態であり、上記各実施の形態にのみ本開示の範囲を限定するものではない。即ち、本開示の要旨を逸脱しない範囲において当業者が上記各実施の形態の修正や代用を行い、種々の変更を施した形態を構築することが可能である。
【0087】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0088】
[付記1]
移動体通信網に接続する通信部と、
車両の搭乗者によって行われた第1の操作を検知する検知部と、
前記第1の操作が行われた場合に、前記移動体通信網への接続を開始する制御部と、
を備え、
前記移動体通信網に、前記端末の位置を管理するサーバに対し、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信させる端末。
[付記2]
上記した端末は、
前記第1の操作とは異なる第2の操作が行われた場合に、前記サーバに対し、前記移動体通信網から、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信させる構成を採ることができる。
[付記3]
上記した端末の前記検知部は、イグニッションスイッチであり、
前記第1の操作は、イグニッションスイッチのオン操作である構成を採ることができる。
[付記4]
上記した第2の操作は、前記イグニッションスイッチのオフ操作である構成を採ることができる。
[付記5]
上記した端末の前記検知部は、カメラから得られた画像に基づいて、前記第1の操作の検知を行う構成を採ることができる。
[付記6]
所定のサービス対象端末の移動体通信網への接続を契機として、前記端末の位置を管理するサーバに対し、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信する移動体通信網の位置通知装置。
[付記7]
上記した位置通知装置は、前記端末のハンドオーバが発生した場合、前記サーバに対し、前記端末の位置として、前記端末のハンドオーバ後の基地局又はセルの情報を送信する構成を採ることができる。
[付記8]
移動体通信網側から、端末に割り当てられた第1の識別情報及び位置を受信する受信部と、
前記第1の識別情報及び位置を用いて前記端末の位置を管理する管理部と、
前記第1の識別情報と、前記端末が搭載された車両を特定するための第2の識別情報との対応関係を記憶する記憶部と、
所定の照会端末からの前記第2の識別情報を用いた位置照会に応じて、前記管理部に管理されている第2の識別情報に対応する第1の識別情報に紐づけされた端末の位置を回答する照会応答部と、
を備えるサーバ。
[付記9]
上記したサーバは、
前記第の第2の識別情報として車両のナンバープレート情報又は車体番号を用いる構成を採ることができる。
[付記10]
上記したサーバの前記照会応答部は、所定の照会端末からの要求に応じて、前記端末の移動履歴を回答する構成を採ることができる。
[付記11]
移動体通信網に接続する通信部を備えた端末が、車両の搭乗者によって行われた第1の操作を検知し、
前記第1の操作が行われた場合に、前記移動体通信網への接続を開始し、
前記移動体通信網から、前記端末の位置を管理するサーバに対し、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信させる、
位置通知方法。
[付記12]
端末に割り当てられた第1の識別情報と、前記端末が搭載された車両を特定するための第2の識別情報との対応関係を記憶する記憶部を備えたサーバが、
移動体通信網側から、前記第1の識別情報及び位置を受信し、
前記第1の識別情報及び前記位置を用いて前記端末の位置を管理し、
所定の照会端末からの前記第2の識別情報を用いた位置照会に応じて、前記第2の識別情報に対応する第1の識別情報に紐づけされた端末の位置を回答する、
車両の位置提供方法。
[付記13]
移動体通信網に接続する通信部を備えた端末に、
車両の搭乗者によって行われた第1の操作を検知する処理と、
前記第1の操作が行われた場合に、前記移動体通信網への接続を開始する処理と、を実行させ、
前記移動体通信網側から、前記端末の位置を管理するサーバに対し、前記端末の位置として、前記端末が接続している基地局又はセルの情報を送信させるプログラム。
[付記14]
端末に割り当てられた第1の識別情報と、前記端末が搭載された車両を特定するための第2の識別情報との対応関係を記憶する記憶部を備えたサーバに、
前記移動体通信網側から、前記第1の識別情報及び位置を受信する処理と、
前記第1の識別情報及び前記位置を用いて前記端末の位置を管理する処理と、
所定の照会端末からの前記第2の識別情報を用いた位置照会に応じて、前記第2の識別情報に対応する第1の識別情報に紐づけされた端末の位置を回答する処理と、
を実行させるプログラム。
なお、上記各付記に記載の形態は、それぞれ必要な修正を施した上で、互いに組み合わせることができる。例えば、前記付記2に記載の内容と、前記付記3に記載の内容と、を兼ね備えた構成も、本明細書の開示範囲に含まれている。
なお、上記付記11~付記14の形態は、付記1、6、8と同様に、付記2~5、7、9~10の形態に展開することが可能である。
【0089】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本開示の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本開示は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本開示の趣旨に則り、本開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれるものと、みなされる。
【符号の説明】
【0090】
10 端末
11 通信部
12 検知部
13 制御部
50 移動体通信網
20 サーバ
21 受信部
22 管理部
23 記憶部
24、230 照会応答部
30、300 照会端末
100 車両
110 車載端末
111、111a 制御部
112 SIM
113 通信部
114 初期設定部
120 イグニッションスイッチ
130 ディスプレイ
140 センサ
200 サーバ
210 登録部
220 データベース
410、420 基地局
500 コアネットワーク(コアNW)
900 情報処理装置
901 CPU(Central Processing Unit)
902 ROM(Read Only Memory)
903 RAM(Random Access Memory)
904 プログラム
905 記憶装置
906 記録媒体
907 ドライブ装置
908 通信インターフェース
909 通信ネットワーク
910 入出力インターフェース
911 バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18