(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165275
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】経路表示システム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20241121BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20241121BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20241121BHJP
G08B 17/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G08G1/005
G08B23/00 510D
G08B17/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081326
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】市野 雄大
【テーマコード(参考)】
2F129
5C087
5G405
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD19
2F129DD20
2F129DD42
2F129DD53
2F129EE09
2F129EE13
2F129EE22
2F129EE26
2F129EE43
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE81
2F129EE84
2F129EE85
2F129EE90
2F129EE95
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF36
2F129FF60
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF65
2F129FF68
2F129FF72
2F129HH35
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087AA37
5C087BB20
5C087BB73
5C087DD04
5C087DD20
5C087EE05
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087FF23
5C087GG66
5C087GG67
5C087GG70
5G405AA10
5G405BA08
5G405CA22
5G405CA25
5G405CA31
5H181AA21
5H181BB04
5H181BB05
5H181EE15
5H181FF13
5H181FF23
5H181FF24
5H181FF25
5H181FF33
5H181FF35
(57)【要約】
【課題】現在地より信号発信元までの経路指示を表示可能な経路表示システムを提供する。
【解決手段】経路表示システム1において、複数の位置情報発信手段10と、経路表示用端末12と、を設け、位置情報発信手段10を、経路表示対象施設の所定の位置に設置し、経路表示用端末12を、通信手段13と、表示手段14と、を有し、通信手段が、位置情報発信手段10及び自動火災報知設備2と直接的又は間接的に通信可能に設けられ、表示手段14が、該経路表示対象施設の地図が表示可能に設けられ、位置情報発信手段10から受信した位置情報に基づき、自動火災報知設備2から受信した信号発信元までの経路指示を該地図上に表示可能とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路表示システムであって、
複数の位置情報発信手段と、経路表示用端末と、を備え、
該位置情報発信手段は、経路表示対象施設の所定の位置に設置され、
該経路表示用端末は、通信手段と、表示手段と、を有し、
該通信手段は、該位置情報発信手段及び防災設備と直接的又は間接的に通信可能に設けられ、
該表示手段は、該経路表示対象施設の地図が表示可能に設けられ、
該位置情報発信手段から受信した位置情報に基づき、該防災設備から受信した信号発信元までの経路指示を該地図上に表示可能となっていることを特徴とする経路表示システム。
【請求項2】
前記防災設備は、自動火災報知設備であることを特徴とする請求項1に記載の経路表示システム。
【請求項3】
前記経路表示対象施設には、方向特定箇所が設定されており、
該方向特定箇所を通過した際に、進行方向を推定し、前記表示手段に表示される前記地図の表示を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の経路表示システム。
【請求項4】
前記経路表示用端末が通信する前記位置情報発信手段が切り替わると、前記表示手段に表示される前記地図を、該位置情報発信手段に対応して切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の経路表示システム。
【請求項5】
前記経路表示用端末が通信する前記位置情報発信手段毎に、前記表示手段に表示される前記地図の意匠を変更することを特徴とする請求項4に記載の経路表示システム。
【請求項6】
前記経路表示用端末が通信する前記位置情報発信手段が切り替わると、音声にて、その旨を報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の経路表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防災表示盤や火災受信機がある。防災表示盤は、自動火災報知設備を構成し、表示部が設けられており、信号を発信した火災感知器や発信機等の信号発信元の位置を監視対象区画の地図上に表示可能に設けられている(例えば、特許文献1及び2を参照)。又、火災受信機は、同じく自動火災報知設備を構成しており、信号発信元の位置を、文字により表示している(例えば、特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-15410号公報
【特許文献2】特開2009-15411号公報
【特許文献3】特開2022-25742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防災表示盤や火災受信機が設置された防災センタの監視員は、防災表示盤や火災受信機の表示を確認して、信号発信元に駆けつけて、警報情報の確認を行っている。近年、建物の高層化や広域化が進んでおり、それに伴い、防災センタから信号発信元までの位置関係の確認に時間が掛かったり、信号発信元までの経路を間違えたり、現地での警報情報の確認が遅れてしまうリスクが生じている。
【0005】
一見して、この問題は、カーナビゲーションシステムと同様のナビゲーションシステムを導入すれば、解決する様にも解されるが、この様なナビゲーションシステムが利用している全地球測位システム(GPS)は、人工衛星からの電波を利用する関係で、建物内では、利用できないことも多く、この様なナビゲーションシステムを利用するのは困難な実情もある。
【0006】
そのため、現在地より信号発信元までの経路指示を表示可能な経路表示システムの開発が求められている。そこで、本発明は、その様な経路表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、経路表示システムであって、複数の位置情報発信手段と、経路表示用端末と、を備え、該位置情報発信手段は、経路表示対象施設の所定の位置に設置され、該経路表示用端末は、通信手段と、表示手段と、を有し、該通信手段は、該位置情報発信手段及び防災設備と直接的又は間接的に通信可能に設けられ、該表示手段は、該経路表示対象施設の地図が表示可能に設けられ、該位置情報発信手段から受信した位置情報に基づき、該防災設備から受信した信号発信元までの経路指示を該地図上に表示可能となっていることを特徴とする経路表示システムである。
【0008】
尚、本発明は、前記防災設備を、自動火災報知設備とすることが可能である。又、本発明は、前記経路表示対象施設に、方向特定箇所が設定され、該方向特定箇所を通過した際に、進行方向を推定し、前記表示手段に表示される前記地図の表示を変更することが可能である。又、本発明は、前記経路表示用端末が通信する前記位置情報発信手段が切り替わると、前記表示手段に表示される前記地図を、該位置情報発信手段に対応して切り替えることが可能である。
【0009】
そして、本発明は、前記経路表示用端末が通信する前記位置情報発信手段毎に、前記表示手段に表示される前記地図の意匠を変更することが可能である。又、本発明は、前記経路表示用端末が通信する前記位置情報発信手段が切り替わると、音声にて、その旨を報知することが可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、位置情報発信手段から受信した位置情報に基づき、防災設備から受信した信号発信元までの経路指示を地図上に表示可能となっているため、現在地より信号発信元までの経路指示を表示可能な経路表示システムを提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2A】本発明の実施形態における経路表示用端末の正面図であり、警報情報受信時の様子を示す図である。
【
図2B】本発明の実施形態における経路表示用端末の正面図であり、位置報情報受信時の様子を示す図である。
【
図2C】本発明の実施形態における経路表示用端末の正面図であり、信号発信元到着時の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を
図1及び
図2A乃至
図2Cに基づき説明する。先ず、経路表示システム1の構成について説明する。経路表示システム1は、経路表示システム1が設置された経路表示対象施設において、防災設備、例えば、自動火災報知設備2や防排煙設備(図示せず)、によって、信号、例えば、火災信号、侵入信号又は故障信号等の各種異常信号、を発信された際に、現地点から信号発信元Sまでの経路を表示するために設けられている。
【0013】
経路表示システム1は、複数の位置情報発信手段10と、経路表示用端末11と、を備えている。本実施形態において、経路表示システム1は、自動火災報知設備2と直接的又は間接的に接続された演算手段、例えば、サーバ12、を更に備えている。
【0014】
ここで、経路表示システム1が接続される自動火災報知設備2は、公知の構成を適宜採用することが可能であるが、例えば、感知器20と、中継器21と、受信機22と、を備えている。感知器20は、火災を起因とする熱、煙、炎等を感知するための各種センサ類を有しており、各種センサ類により火災を感知すると異常信号の一種である火災信号を、中継器21を介して受信機22に送信する。前記火災信号を受信した受信機22は、少なくとも信号発信元Sの情報を含む警報情報Aをサーバ12に送信する様になっている。
【0015】
本実施形態では、感知器20は、火災を感知した時以外にも、自己の故障を含む種々の異常を検知した際に、故障信号等の火災信号とは別の異常信号を同様に送信する様になっており、受信機22は、当該異常信号を受信した際も警報情報Aをサーバ12に送信する様になっている。
【0016】
位置情報発信手段10は、前記経路表示対象施設の所定の位置に設置されており、例えば、ビーコンとして設けられる。位置情報発信手段10は、直接的又は間接的に後述する経路表示用端末11の通信手段13と通信可能に設けられており、例えば、Bluetooth(登録商標)その他の電波や赤外線・可視光線といった各種電磁波による近距離無線通信を利用して、通信手段13を介して経路表示用端末11に大まかな位置情報を送信可能になっている。
【0017】
尚、位置情報発信手段10が設置される位置や間隔等は、適宜選択可能であるが、好ましくは、位置情報発信手段10の性能に応じて、10 m乃至100 mの間隔で設置される。又、前記位置情報としては、位置情報発信手段10の設置位置や設置エリアの情報、経路表示用端末11やサーバ12等によって地
図Mと関連付けられた位置情報発信手段10のID、例えば、MACアドレスやユニークID、その他の位置情報発信手段10と地
図Mとを関連付け可能な情報から適宜選択可能である。
【0018】
経路表示用端末11は、通信手段13と、表示手段14と、を有しており、例えば、スマートフォンやタブレット等の携帯可能なスマートデバイスとして設けられている。本実施形態において、経路表示用端末11は、音響手段15を更に備えている。音響手段15は、経路表示用端末11が通信する位置情報発信手段10が切り替わると、音声にて、その旨を報知する様に構成されている。
【0019】
通信手段13は、位置情報発信手段10及び自動火災報知設備2と直接的又は間接的に通信可能に設けられており、本実施形態においては、位置情報発信手段10とは直接的に、自動火災報知設備2とは、サーバ12を介して間接的に通信可能に設けられている。それによって、経路表示用端末11は、位置情報発信手段10から前記位置情報を受信可能となっていると共に自動火災報知設備2から警報情報Aを受信可能となっており、本実施形態においては、後述する様に、サーバ12から経路指示Rも受信可能となっている。
【0020】
本実施形態において、通信手段13は、例えば、経路表示用端末11に内蔵又は外付けされた通信デバイスであり、位置情報発信手段10の通信規格と対応した通信規格によって通信可能に設けられ、位置情報発信手段10より、前記位置情報を受信可能となっている。又、通信手段13は、無線LANその他の無線通信を利用して、サーバ12と通信可能に設けられ、サーバ12に前記位置情報を送信すると共に該位置情報からサーバ12が算出した信号発信元Sまでの経路指示Rを受信可能となっている。
【0021】
尚、本実施形態において、経路表示用端末11には、専用のアプリケーションがインストールされており、通信手段13を介して警報情報Aを受信すると該アプリケーションが、自動起動するとともに表示手段14に警報情報Aを表示する様になっている。又、複数の信号発信元Sがある場合は、警報情報Aより信号発信元Sを選択することで、各々の信号発信元Sまでの経路指示Rを表示手段14に表示できる様になっている。尚、汎用のアプリケーション等を利用する様にすることも可能である。
【0022】
表示手段14は、経路表示対象施設の地
図Mが表示可能に設けられている。地
図M上には、信号発信元Sまでの経路指示Rが表示可能となっている。本実施形態において、経路表示用端末11が通信する位置情報発信手段10が切り替わると、表示手段14に表示される地
図Mが、位置情報発信手段10に対応して切り替わる様になっている。
【0023】
その際に、地
図Mの意匠、例えば、色彩等、が変わる様になっていることが好ましい。例えば、この地
図Mの意匠の変更は、経路指示Rの開始位置の地
図Mから信号発信元Sの地
図Mまでの各地
図Mを3乃至4色で繰り返し表示してもよい。この様にすることで、次の位置情報表示手段14が対応する地
図Mに切り替わったことを感覚的に分かる様になり、監視員等が移動していることを直感することが可能となる。
【0024】
又、本実施形態においては、地
図Mは、拡大・縮小が可能となっており、又、縮小した際に、複数の位置情報発信手段10に対応する地
図Mを同時に表示することも可能となっている。この際、上記と同様に地
図Mの意匠を変えることで、位置情報発信手段10毎の地
図Mを区別し易くすることが可能である。例えば、この際に、次の位置情報発信手段10に対応する地
図Mを、ピンク等の明色で表示し、既に通り過ぎた位置情報発信手段10に対応する地図を灰色等の無彩色で表示し区別することも可能である。
【0025】
又、本実施形態において、前記経路表示対象施設には、方向特定箇所が設定されており、経路表示用端末11が、該方向特定箇所を通過した際に、進行方向が推定され、表示手段14に表示された地
図Mの表示を、該進行方向に応じて、変更する様になっている。該方向特定箇所は、経路表示用端末11を携帯した監視員が、必然的に一定方向を向く可能性が高い箇所に設定されており、例えば、非常階段等の階段やエレベータから各階層への出入口や、一定方向に延びる通路等、に設置される。
【0026】
サーバ12は、経路表示用端末11及び自動火災報知設備2、例えば、その受信機22、と通信可能に設けられている。サーバ12は、経路表示用端末11から、経路表示用端末11が位置情報発信手段10より受信した前記位置情報を受信すると共に自動火災報知設備2から信号発信元Sの情報を受信し、該位置情報に基づき、信号発信元Sまでの経路を算出し、経路指示Rを経路表示用端末11に送信する様になっている。尚、サーバ12としては、前記経路表示対象施設等に設置された物理サーバのみならずクラウドサーバであってもよい。
【0027】
本実施形態において、サーバ12は、信号発信元Sまでの到着予想時間Tも算出し、到着予想時間Tを含めた経路指示Rを経路表示用端末11に送信する様になっている。又、経路指示Rには、位置情報発信手段10の設置場所に基づく経路案内を記載した駆け付けルートNが含まれている。
【0028】
本実施形態において、駆け付けルートNは、経路表示用端末11が最初に受信した位置情報発信手段10の位置又はその対応するエリア(現在位置)から信号発信元Sに至るまでに中継する位置情報発信手段10の位置又はその対応するエリアが経路として記載されている。
【0029】
次に、本実施形態における経路表示システム1による経路表示について説明する。
(1)感知器20は、異常(本実施形態においては、火災や故障)を検知すると、異常信号(本実施形態においては、火災信号や故障信号)を、中継器21を介して受信機22に送信する。
【0030】
(2)前記異常信号を受信した受信機22は、警報情報Aを、前記演算手段(本実施形態においては、サーバ12)に送信する。サーバ12は、警報情報Aを経路表示用端末11に送信され、表示手段14には、警報情報Aが表示される。この際、本実施形態のおいては、信号発信元Sが表示された地
図M1が表示手段14に表示されている。
【0031】
(3)経路表示用端末11は、通信手段13を介して、位置情報発信手段10と通信し、位置情報発信手段10から前記位置情報を取得する。そして、取得した該位置情報をサーバ12に送信する。この際、本実施形態においては、表示手段14に表示されていた地
図M1は、経路表示用端末11の現在位置が表示された地
図M2に切り替わる。
【0032】
(4)サーバ12は、経路表示用端末11から受信した前記位置情報及び自動火災報知設備2から受信した警報情報Aに基づき、信号発信元Sまでの経路を算出し経路指示Rを作成し、経路表示用端末11に送信する。この際、本実施形態においては、信号発信元Sまでの予測到達時間Tについても算出する様になっており、経路指示Rには、到着予想時間Tも含まれている。
【0033】
(5)経路表示用端末11は、受信した経路指示Rを、表示手段14に表示する。経路表示用端末11を携帯する監視員等は、表示手段14に表示された経路指示Rに従って、信号発信元Sまで移動する。
【0034】
(6)その後、経路表示用端末11が通信する位置情報発信手段10が切り替わる毎に、経路表示用端末11が通信する位置情報発信手段10に対応して地
図Mを切り替えながら、地
図M上に経路指示Rを表示する。
【0035】
この際、経路表示用端末11が受信した位置情報発信手段10が、中継地点の位置情報発信手段10である場合は、これまでの経路指示Rを引き継いで地
図M上に表示する。他方、経路表示用端末11が受信した位置情報発信手段10は、中継地点の位置情報発信手段10とは異なる位置情報発信手段10の場合が、再度、上記工程(3)乃至(5)を行い、サーバ12より新たな経路指示Rを取得し、地
図M上に表示する。
【0036】
又、この際、本実施形態においては、経路表示用端末11が通信する位置情報発信手段10が切り替わると音声により知らせると共に地
図Mの意匠が変更されるので、前記監視員等が表示手段14に表示された地
図Mが切り替わったことを把握し易くなっている。又、経路表示用端末11が、前記前記方向特定箇所を通過することによって、該監視員等が向いているであろう方向に合わせて地
図Mの表示が変更されるので、監視員等が進むべき方向を認識し易くなっている。
【0037】
(7)経路表示用端末11が、信号発信元Sの最近傍の位置情報発信手段10と通信した際に、信号発信元Sに到着したことを、表示手段14上に表示したり、音響手段15を用いたりして、監視員等に報知する(尚、表示手段14には、信号発信元S及びそこまでの経路指示Rが表示された地
図M3が表示されていることになる)。例えば、本実施形態においては、音響手段15から「目的地周辺です」とアナウンスをする様になっている。
【0038】
従って、本実施形態の経路表示システム1においては、位置情報発信手段10から受信した前記位置情報に基づき、自動火災報知設備2から受信した信号発信元までの経路指示Rを地
図M上に表示可能となっているため、経路表示用端末11を携帯する監視員等は、表示手段14に表示された経路指示Rに従って、信号発信元Sまで移動することで、現在位置から信号発信元Sまでの位置関係の確認に手間取ったり、信号発信元Sまでの経路を間違えたりすることを防止しつつ、信号発信元Sへの急行が可能となる。従って、現在地より信号発信元Sまでの経路指示Rを表示可能な経路表示システム1を提供可能である。
【0039】
以上、本発明を上記実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0040】
(A)上記実施形態において、位置情報発信手段10として、ビーコンを採用したが、位置情報発信手段10はビーコンに限られるものではなく、適宜に選択可能である。例えば、前記経路表示対象施設の各所に配置された無線LANのアクセスポイント等を位置情報発信手段10として活用することも可能である。この場合において、該アクセスポイント等のIPアドレスやMACアドレス等のIDを前記位置情報として活用可能である。
【0041】
(B)上記実施形態においては、演算手段としてサーバ12を設け、サーバ12によって、信号発信元までの経路を算出したが、経路表示用端末11によって、該経路を算出する様にしてもよい。
【0042】
(C)上記実施形態においては、受信機22から警報情報Aを、経路表示システム1に送信するものとしたが、自動火災報知設備2に、防災表示盤(図示せず)を設け、該防災表示盤より警報情報Aを経路表示システム1に送信するものとしてもよい。
【0043】
(D)前記異常信号は、感知器20から発信される信号に限られるものではない。例えば、自動火災報知設備2に発信機(図示せず)が設けられている場合は、該発信機が作動した際に、上記と同様の処理を行ってもよく、又、中継器21と、受信機22その他の機器が、故障した際に、上記と同様の処理を行う様にしてもよい。更に、自動火災報知設備2を防排煙端末(図示せず)と接続しておき、該防排煙端末が開放された際に、同様の処理を行う様にしてもよい。
【0044】
(E)上記実施形態において、地
図Mの縮尺は位置情報発信手段10に対応して切り替わった前後で一定となっていたが、各位置情報発信手段10の対応する地
図Mの大きさに応じて、縮尺を変化させることも可能である。
【0045】
(F)信号発信元Sまでの経路指示Rは、途切れずに連続的であることが好ましいが、一本道である等の迷いようのない箇所については、経路指示Rを表示しない様にすることも可能である。
【0046】
(G)位置情報発信手段10の通信範囲は、切目がないことが好ましいが、切目があってもよい。この場合において、位置情報発信手段10と経路表示用端末11との通信が途切れた際には、次の位置情報発信手段10と通信が行われるまでは、表示手段14に直前の位置情報発信手段10が対応するエリアの地
図Mを表示しておき、次の位置情報発信手段10と通信が行われたら、その位置情報発信手段10が対応するエリアの地
図Mを表示する様にすることが可能である。
【0047】
(H)経路表示用端末11が通信する位置情報発信手段10が切り替わるタイミング、即ち、表示手段14に表示される地
図Mが切り替わるタイミングで、例えば、「突き当りを左に曲がってください」、「右手にトイレがあります」等の地
図M上の重要なポイントを音響手段15等でアナウンスする様にすることも可能である。
【0048】
(I)地
図M上に、位置情報発信手段10の設置位置を表示することも可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 経路表示システム 10 位置情報発信手段 11 経路表示用端末
12 サーバ 13 通信手段 14 表示手段
15 音響手段 2 自動火災報知設備 20 感知器
21 中継器 22 受信機 A 警報情報
M 地図 N 駆け付けルート R 経路指示
S 信号発信元 T 到着予想時間