(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165305
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】架台及び架台システム
(51)【国際特許分類】
H02S 20/10 20140101AFI20241121BHJP
E02D 27/42 20060101ALI20241121BHJP
E02D 5/56 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H02S20/10 J
E02D27/42 A
E02D5/56
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081397
(22)【出願日】2023-05-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】521419743
【氏名又は名称】▲トウ▼ 鴎
(74)【代理人】
【識別番号】100160543
【弁理士】
【氏名又は名称】河野上 正晴
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼ 鴎
【テーマコード(参考)】
2D041
2D046
【Fターム(参考)】
2D041CA05
2D046DA32
(57)【要約】
【課題】軟弱地盤だけでなく硬質地盤にも根入れし易く、且つ硬質地盤だけでなく軟弱地盤においても沈下抑制及び転倒抑制が可能な従来よりも強度に優れた架台を提供する。
【解決手段】先端から地中にねじ込まれる埋設部と、前記先端とは反対側の端部に配置される支柱取付部とをそれぞれ備える2本の杭、及び本体部と、前記本体部の端部の杭取付板とを備える1本の支柱を含み、前記杭取付板は、前記2本の杭の前記支柱取付部と接続可能な2つの杭取付部を有し、前記埋設部は、その外周面の少なくとも一部に前記地盤へねじ込む螺旋羽根を備え、前記2本の杭と前記1本の支柱とが、前記2本の杭のそれぞれの前記支柱取付部と前記2つの杭取付部とが前記杭取付板を介して互いに固定されることによって接続される、架台。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端から地中にねじ込まれる埋設部と、前記先端とは反対側の端部に配置される支柱取付部とをそれぞれ備える2本の杭、及び
本体部と、前記本体部の端部の杭取付板とを備える1本の支柱
を含み、
前記杭取付板は、前記2本の杭の前記支柱取付部と接続可能な2つの杭取付部を有し、
前記埋設部は、その外周面の少なくとも一部に前記地盤へねじ込む螺旋羽根を備え、
前記2本の杭と前記1本の支柱とが、前記2本の杭のそれぞれの前記支柱取付部と前記2つの杭取付部とが前記杭取付板を介して互いに固定されることによって接続される、
架台。
【請求項2】
前記杭取付板は、前記1本の支柱の長手方向からみたときに、前記1本の支柱を挟んで対向する位置に前記2つの杭取付部を備えている、請求項1に記載の架台。
【請求項3】
前記杭取付板は、前記1本の支柱の長手方向からみたときに、前記2つの杭取付部のそれぞれの中心から等距離に前記1本の支柱の重心が位置するように、前記2つの杭取付部を備える、請求項2に記載の架台。
【請求項4】
前記2つの杭取付部の中心間距離Aと、前記2つの杭取付部の中心間をつなぐ方向に平行方向における前記1本の支柱の前記本体部の寸法Bとの比率A/Bが、3~5である、請求項2に記載の架台。
【請求項5】
前記螺旋羽根が1~55mmのピッチを有する、請求項1に記載の架台。
【請求項6】
前記螺旋羽根は、前記埋設部の本体部の直径の1倍超1.6倍以下の直径を有する、請求項1に記載の架台。
【請求項7】
前記螺旋羽根は、前記先端を基点として前記埋設部の全長の60%以上100%以下の範囲に配置される、請求項1に記載の架台。
【請求項8】
前記螺旋羽根の螺旋数は10~50周である、請求項1に記載の架台。
【請求項9】
前記1本の支柱の長手方向に垂直方向の断面形状がオメガ型である、請求項1に記載の架台。
【請求項10】
前記1本の支柱が、前記1本の支柱の長手方向からみて、前記オメガ型の断面形状における底部屈曲部の外側2箇所にそれぞれ補強板を有し、
前記補強板は、前記1本の支柱の長手方向からみて、前記オメガ型の断面形状の足部から遠ざかる方向且つ前記2つの杭取付部の中心間をつなぐ方向に対して斜めの方向に配置される、請求項9に記載の架台。
【請求項11】
前記支柱取付部が、前記支柱取付部の中心から外周側に向かって細長い形状を有し前記支柱取付部の中心に対して放射状に配置される複数の孔を有し、前記杭取付部が、前記杭取付部の中心に対して同心円の円弧形状を有する複数の孔を有するか、または、
前記支柱取付部が、前記支柱取付部の中心に対して同心円の円弧形状を有する複数の孔を有し、前記杭取付部が、前記杭取付部の中心から外周側に向かって細長い形状を有し前記杭取付部の中心に対して放射状に配置される複数の孔を有する、
請求項1に記載の架台。
【請求項12】
前部支持バー及び前記前部支持バーよりも長い後部支持バー、
前記支柱と前記前部支持バー及び前記後部支持バーとを接続する締結部材、
前記前部支持バー、前記支柱、及び前記後部支持バーに接続される縦材であって、前記支柱に平行方向においてより低い位置にある前記前部支持バーとの接続部からより高い位置にある前記後部支持バーとの接続部に向かって傾斜して配置される縦材、
前記縦材に接続される横材、並びに
前記横材に接続されるクランプ
を備え、
前記支柱の長手方向からみて前記2本の杭を結ぶ方向と前記縦材の長手方向とが平行であり、重心が前記支柱よりも前記後部支持バー側にある、
請求項1に記載の架台。
【請求項13】
前記締結部材が、前記1本の支柱の下端から前記1本の支柱の全長の30%以上の位置で接続される、請求項12に記載の架台。
【請求項14】
前記支柱と前記後部支持バーとのなす角度θ2が、前記支柱と前記前部支持バーとのなす角度θ1と同じまたはθ1よりも大きい、請求項12に記載の架台。
【請求項15】
前記締結部材が、前記支柱と前記前部支持バーとを接続する第1の締結部材と、前記支柱と前記後部支持バーとを接続する第2の締結部材とを含む、請求項12に記載の架台。
【請求項16】
前記1本の支柱の長手方向に垂直方向の断面形状がオメガ型であり、
前記第1の締結部材がU字金具であり、
前記第2の締結部材がH字金具であり、
前記U字金具は、前記1本の支柱の長手方向からみて前記オメガ型の断面形状における開口部の内側にボルトで接続され、
前記H字金具は、前記1本の支柱の長手方向からみて前記オメガ型の断面形状における底部の外側にボルトで接続される、
請求項15に記載の架台。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の架台を複数含む架台システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強度に優れた架台及び架台システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メガソーラーのソーラーパネル用等の架台の設置には、造成工事やコンクリートを用いた基礎工事を行う大規模なプロジェクトが行われており、重機や多くの人手を必要とする。一方で、近年、売電価格の低下とともに、狭い土地や農地等の複雑な地質及び形状を有する土地にソーラーパネルを設置する小規模なプロジェクトが増えており、より簡易に設置可能な方法が求められてきている。
【0003】
簡易に各種構造物の設置を可能にする方法として、特許文献1には、簡易迅速に太陽光パネルを設置することができる太陽光パネル架台が提案され、特許文献2には、太陽光パネル架台の設置に要する施工コストの削減を図る太陽光パネル架台の設置構造が提案されている。
【0004】
また、従来、地盤に構造物を固定するために杭が用いられ、鋼管の外周にスクリュー羽根をスパイラル状に巻き回したスクリュー杭(螺旋杭またはスパイラル杭ともいう)を利用した基礎杭方式が普及し始めている(特許文献3)。
【0005】
また、軟弱地盤にソーラーパネルを設置するために、地盤に1.5m以上打ち込んだ連続らせん構造のスクリュー抗を基礎部材として使用する工法が提案されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-43763号公報
【特許文献2】特開2014-37722号公報
【特許文献3】特開2010-236344号公報
【特許文献4】特開2015-127501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、杭を根入れする地盤は場所によって硬さが変わり、硬質と軟質が複雑に混在した地盤もある。軟弱地盤に用いるためには、杭の沈下対策と転倒対策が必要であり、硬質地盤に用いるためには杭の根入れし易さが重要である。そのため、硬質と軟質が複雑に混在した地盤では、根入れし易さと、沈下抑制及び転倒抑制とを両立することが難しかった。また、硬質地盤と軟質地盤とで杭を使い分けることは煩雑であった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、軟弱地盤だけでなく硬質地盤にも根入れし易く、且つ硬質地盤だけでなく軟弱地盤においても沈下抑制及び転倒抑制が可能な従来よりも強度に優れた架台が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)先端から地中にねじ込まれる埋設部と、前記先端とは反対側の端部に配置される支柱取付部とをそれぞれ備える2本の杭、及び
本体部と、前記本体部の端部の杭取付板とを備える1本の支柱
を含み、
前記杭取付板は、前記2本の杭の前記支柱取付部と接続可能な2つの杭取付部を有し、
前記埋設部は、その外周面の少なくとも一部に前記地盤へねじ込む螺旋羽根を備え、
前記2本の杭と前記1本の支柱とが、前記2本の杭のそれぞれの前記支柱取付部と前記2つの杭取付部とが前記杭取付板を介して互いに固定されることによって接続される、
架台。
(2)前記杭取付板は、前記1本の支柱の長手方向からみたときに、前記1本の支柱を挟んで対向する位置に前記2つの杭取付部を備えている、上記(1)に記載の架台。
(3)前記杭取付板は、前記1本の支柱の長手方向からみたときに、前記2つの杭取付部のそれぞれの中心から等距離に前記1本の支柱の重心が位置するように、前記2つの杭取付部を備える、上記(2)に記載の架台。
(4)前記2つの杭取付部の中心間距離Aと、前記2つの杭取付部の中心間をつなぐ方向に平行方向における前記1本の支柱の前記本体部の寸法Bとの比率A/Bが、3~5である、上記(2)または(3)に記載の架台。
(5)前記螺旋羽根が1~55mmのピッチを有する、上記(1)~(4)のいずれかに記載の架台。
(6)前記螺旋羽根は、前記埋設部の本体部の直径の1倍超1.6倍以下の直径を有する、上記(1)に記載の架台。
(7)前記螺旋羽根は、前記先端を基点として前記埋設部の全長の60%~100%の範囲に配置される、上記(1)~(6)のいずれかに記載の架台。
(8)前記螺旋羽根の螺旋数は10~50周である、上記(1)~(7)のいずれかに記載の架台。
(9)前記1本の支柱の長手方向に垂直方向の断面形状がオメガ型である、上記(1)~(8)のいずれかに記載の架台。
(10)前記1本の支柱が、前記1本の支柱の長手方向からみて、前記オメガ型の断面形状における底部屈曲部の外側2箇所にそれぞれ補強板を有し、
前記補強板は、前記1本の支柱の長手方向からみて、前記オメガ型の断面形状の足部から遠ざかる方向且つ前記2つの杭取付部の中心間をつなぐ方向に対して斜めの方向に配置される、上記(9)に記載の架台。
(11)前記支柱取付部が、前記支柱取付部の中心から外周側に向かって細長い形状を有し前記支柱取付部の中心に対して放射状に配置される複数の孔を有し、前記杭取付部が、前記杭取付部の中心に対して同心円の円弧形状を有する複数の孔を有するか、または、
前記支柱取付部が、前記支柱取付部の中心に対して同心円の円弧形状を有する複数の孔を有し、前記杭取付部が、前記杭取付部の中心から外周側に向かって細長い形状を有し前記杭取付部の中心に対して放射状に配置される複数の孔を有する、
上記(1)~(10)のいずれかに記載の架台。
(12)前部支持バー及び前記前部支持バーよりも長い後部支持バー、
前記支柱と前記前部支持バー及び前記後部支持バーとを接続する締結部材、
前記前部支持バー、前記支柱、及び前記後部支持バーに接続される縦材であって、前記支柱に平行方向においてより低い位置にある前記前部支持バーとの接続部からより高い位置にある前記後部支持バーとの接続部に向かって傾斜して配置される縦材、
前記縦材に接続される横材、並びに
前記横材に接続されるクランプ
を備え、
前記支柱の長手方向からみて前記2本の杭を結ぶ方向と前記縦材の長手方向とが平行であり、重心が前記支柱よりも前記後部支持バー側にある、
上記(1)~(12)のいずれかに記載の架台。
(13)前記締結部材が、前記1本の支柱の下端から前記1本の支柱の全長の30%以上の位置で接続される、上記(12)に記載の架台。
(14)前記支柱と前記後部支持バーとのなす角度θ2が、前記支柱と前記前部支持バーとのなす角度θ1と同じまたはθ1よりも大きい、上記(12)または(13)に記載の架台。
(15)前記締結部材が、前記支柱と前記前部支持バーとを接続する第1の締結部材と、前記支柱と前記後部支持バーとを接続する第2の締結部材とを含む、上記(12)~(14)のいずれかに記載の架台。
(16)前記1本の支柱の長手方向に垂直方向の断面形状がオメガ型であり、
前記第1の締結部材がU字金具であり、
前記第2の締結部材がH字金具であり、
前記U字金具は、前記1本の支柱の長手方向からみて前記オメガ型の断面形状における開口部の内側にボルトで接続され、
前記H字金具は、前記1本の支柱の長手方向からみて前記オメガ型の断面形状における底部の外側にボルトで接続される、
上記(15)に記載の架台。
(17)上記(1)~(16)のいずれかに記載の架台を複数含む架台システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、軟弱地盤だけでなく硬質地盤にも根入れし易く、且つ硬質地盤だけでなく軟弱地盤においても沈下抑制及び転倒抑制が可能な従来よりも強度に優れた架台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の架台の一例の側面模式図である。
【
図4】
図4は、オメガ型の支柱を長手方向からみたときの支柱と杭取付部を備える杭取付板との一例の模式図である。
【
図5】
図5は、杭を長手方向からみたときの支柱取付部の一例の正面模式図である。
【
図6】
図6は、本開示の架台の一例の側面模式図である。
【
図7】
図7は、第2の締結部材で接続された支柱及び後部支持バーの一例の外観写真である。
【
図8】
図8は、第1の締結部材及び第2の締結部材で接続された支柱と前部支持バー及び後部支持バーとの外観写真である。
【
図9】
図9は、H字金具を支柱の長手方向に垂直方向の断面でみたときの断面模式図である。
【
図10】
図10は、U字金具を支柱の長手方向に平行方向の断面でみたときの断面模式図である。
【
図11】
図11は、2つの架台を用いて2枚の太陽光パネルを保持する架台システムの一例の正面模式図である。
【
図12】
図12は、2つの架台を用いて3枚の太陽光パネルを保持する架台システムの一例の正面模式図である。
【
図13】
図13は、2つの架台100を用いて3枚の太陽光パネルを保持する架台システムの一例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、先端から地中にねじ込まれる埋設部と、前記先端とは反対側の端部に配置される支柱取付部とをそれぞれ備える2本の杭、及び本体部と、前記本体部の端部の杭取付板とを備える1本の支柱を含み、前記杭取付板は、前記2本の杭の前記支柱取付部と接続可能な2つの杭取付部を有し、前記埋設部は、その外周面の少なくとも一部に前記地盤へねじ込む螺旋羽根を備え、前記2本の杭と前記1本の支柱とが、前記2本の杭のそれぞれの前記支柱取付部と前記2つの杭取付部とが前記杭取付板を介して互いに固定されることによって接続される、架台を対象とする。
【0013】
本開示の架台(本架台ともいう)は、1本の支柱に対して2本の杭を備えるため、地層と接触する杭の表面積が大きくなり、軟弱地盤に対しては沈下または引抜きリスクを抑えることができ、硬質地盤に対しては杭が太くないので根入れを行いやすく、いずれの地盤に対しても2本の杭の支えにより支柱の安定性を高めることができる。そのため、本架台は、軟弱地盤だけでなく硬質地盤にも根入れしやすく、且つ硬質地盤だけでなく軟弱地盤においても沈下抑制及び転倒抑制(強度向上)が可能である。
【0014】
従来、根入れする際に事前に穴掘りが必要であり且つ上から比較的大きな圧力で押し込むことが必要であったが、本架台の2本の杭は根入れを容易に行うことができるので、従来の杭の施工で行われている事前の穴掘りや上からの押し圧力が不要である。そのため、本架台の2本の杭の根入れには重機を使用する必要がなく、油圧ハンドオーガー等の小型の工具を用いて容易に施工が可能であり、従来は施工できなかった狭い土地にも根入れが可能である。
【0015】
図1に、本架台100の一例の側面模式図を示す。架台100は、2本の杭1、及び1本の支柱20を含む。
【0016】
図2に、杭1の一例の側面模式図を示す。2本の杭1はそれぞれ、先端から地中にねじ込まれる埋設部10と、前記先端とは反対側の端部の支柱取付部14とを備える。
【0017】
好ましくは、埋設部10は金属の円筒で構成され、直径が一定の本体部101と先細り形状を有する先端部102とを有し得る。埋設部10の本体部101は、好ましくは30~130mm、より好ましくは40~120mm、さらに好ましくは50~110mm、さらにより好ましくは60~100mm、さらにより好ましくは70~90mmの直径を有する。本体部101が、前記好ましい直径を有することにより、重機を使用せずに小型の工具を用いて根入れをより容易に行うことができ、強度も確保することができ、且つ2本の杭が互いに干渉することを防止することができる。
【0018】
埋設部10は、好ましくは0.6~2m、より好ましくは0.9~1.8m、さらに好ましくは1.2~1.6m、さらに好ましくは1.3~1.5mの長さを有する。埋設部10が、前記好ましい長さを有することにより、根入れし易さと強度の両立より向上することができる。
【0019】
杭1は埋設部10の表面の少なくとも一部に螺旋羽根110を備える。杭1が埋設部10の表面に螺旋羽根110を備えることにより、杭1を地中にねじ込むことができるので根入れをより容易に行うことができ、強度も確保することができる。
【0020】
螺旋羽根110は、螺旋状の羽根であり、羽根、スクリュー羽根等とも呼ばれる。螺旋羽根110は、埋設部10の本体部101の直径の好ましくは1倍超1.6倍以下、より好ましくは1.1倍以上1.5倍以下、さらに好ましくは1.2倍以上1.4倍以下の直径を有する。螺旋羽根110の幅は、例えば3~20mm、5~16mm、または7~12mmである。螺旋羽根110が、埋設部10の直径に対して上記好ましい比率の直径を有することにより、杭1の根入れし易さと、沈下抑制及び転倒抑制とをより良好に両立することができる。
【0021】
螺旋羽根110は、先端を基点として埋設部10の全長の好ましくは100%以下、より好ましくは95%以下、さらに好ましくは90%以下の範囲に配置される。螺旋羽根110の配置範囲の下限は、先端を基点として埋設部10の全長の好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。螺旋羽根110は、埋設部の先端から例えば1300mm、1250mm、または1200mmの範囲内に配置される。螺旋羽根110が、杭1の埋設部10の全長に対して上記好ましい範囲に配置されることにより、杭1の根入れし易さと、沈下抑制及び転倒抑制とをより良好に両立することができる。
【0022】
螺旋羽根110のピッチは、好ましく1~55mm、より好ましくは3~45mm、さらに好ましくは5~35mm、さらにより好ましくは7~25mm、さらにより好ましくは9~20mm、さらにより好ましくは10~15mmである。螺旋羽根110のピッチが上記好ましい範囲であることにより、杭1の根入れし易さと、沈下抑制及び転倒抑制とをより良好に両立することができる。
【0023】
螺旋羽根110の螺旋数は、好ましくは10~50周、より好ましくは15~45周、さらに好ましくは20~40周である。螺旋羽根110の螺旋数が上記好ましい範囲であることにより、杭1の根入れし易さと、沈下抑制及び転倒抑制とをより良好に両立することができる。
【0024】
2本の杭1は、1本の支柱20と接続される。
図3に支柱20の一例の側面模式図を示す。支柱20は、本体部22と、本体部22の端部の杭取付板23とを備え、杭取付板23は、2本の杭1の支柱取付部14のそれぞれと接続可能な2つの杭取付部24を有する。
【0025】
支柱20は特に限定されないが、例えば長さ方向に垂直方向の断面がC型、四角型、またはオメガ型の支柱であることができ、好ましくはオメガ型の支柱である。
図3はオメガ型の支柱20の側面模式図であり、
図4は、オメガ型の支柱20を長手方向からみたときの支柱20と杭取付部24を備える杭取付板23との一例の模式図である。オメガ型の支柱とは、
図4に示すように、底部屈曲部201、202と、足部203、204とを備える支柱に長手方向に垂直方向の断面がオメガ形状の支柱をいう。
【0026】
支柱20の材質は、鋼、アルミニウム等の従来の架台で用いられている材質であることができ、好ましくはアルミニウムである。本架台は、上述のように優れた強度を有することができるため、軽量且つ低コストのアルミニウム製の支柱20を用いることができ、高い強度とコスト低減を両立することができる。
【0027】
支柱20は、好ましくは60~250mm、より好ましくは80~200mm、さらに好ましくは100~150mmの縦寸法を有する。支柱20は、好ましくは30~140mm、より好ましくは40~120mm、さらに好ましくは50~100mmの横寸法を有する。支柱20の縦寸法は、2つの杭取付部24をつなぐ方向の寸法である。支柱20の横寸法は、縦寸法に垂直方向且つ杭取付板23の面内の寸法である。支柱20が上記好ましい縦寸法及び横寸法を有することにより、架台の強度をより向上することができる。
【0028】
支柱20は、好ましくは1000~2200mm、より好ましくは1400~1800mmの長さを有する。支柱20が上記好ましい長さを有することにより、架台の強度を確保するとともに、架台が保持する太陽光パネル等の部材の地面からの高さ(水下)を確保することができるので、豪雪地帯で雪が降り積もることにより太陽光パネルが覆われにくくすることができ、また、太陽光パネル等の部材の下方のスペースにおける作業性が向上するので、これらのスペースを農地等に活用することができる。
【0029】
支柱20は、杭1との接続部である本体部22の端部に杭取付板23を備える。支柱20と杭1とは、支柱20の杭取付板23に備えられる杭取付部24と支柱取付部14とを介して接続される。
【0030】
杭取付板23は板状のプレートであることができ、好ましくは、2つの杭取付部24をつなぐ方向に細長い板状のプレートである。支柱20の本体部22及び杭取付部24は、従来、支柱に用いられる材料、例えば金属製であることができ、一体成形されたものでもよく溶接等で接合されたものでもよい。
【0031】
杭1の埋設部10、螺旋羽根110、及び支柱取付部14、並びにその他の任意の構成は、従来、杭に用いられる材料、例えば金属製であることができ、一体成形されたものでもよく溶接等で接合されたものでもよい。
【0032】
好ましくは、杭取付板23は、支柱20の長手方向からみたときに、支柱20を挟む位置に2つの杭取付部24を備えている。杭取付板23が前記好ましい配置で2つの杭取付部24を有することにより、より高い強度の架台を得ることができる。好ましくは、杭取付板23は、2つの杭取付部24のそれぞれの中心から等距離に支柱20の重心が位置するように、2つの杭取付部24を備える。
【0033】
図4においては、杭取付板23は、2つの杭取付部24のそれぞれの中心から等距離に支柱20の重心が位置するように支柱20を挟むようにして2つの杭取付部24を備え、杭取付部24と支柱20とが一直線上に配置されている。杭取付板23が、このような配置の杭取付部24を備えることにより、架台の強度をより向上することができる。
【0034】
2つの杭取付部24の中心間距離Aと、2つの杭取付部24の中心間をつなぐ方向に平行方向における1本の支柱20の縦寸法Bとの比率A/Bは、好ましくは3~5である。前記中心間距離と前記縦寸法とが上記好ましい範囲内であることにより、架台の強度をさらに向上することができる。
【0035】
好ましくは、支柱取付部14が、支柱取付部14の中心から外周側に向かって細長い形状を有し支柱取付部14の中心に対して放射状に配置される複数の孔を有し、杭取付部24が、杭取付部24の中心に対して同心円の円弧形状を有する複数の孔を有するか、または、支柱取付部14が、支柱取付部14の中心に対して同心円の円弧形状を有する複数の孔を有し、杭取付部24が、杭取付部24の中心から外周側に向かって細長い形状を有し杭取付部24の中心に対して放射状に配置される複数の孔を有する。
【0036】
杭取付部24は杭取付板23に備えられ、
図4に例示するように、杭取付部24と杭1とをボルトで締結するための複数の孔25を備えることができる。複数の孔25は、
図4に例示するように、杭取付部24の中心に対して同心円の円弧形状を有し得る。円弧形状の孔のそれぞれは、杭取付部24の中心に対して、好ましくは35~75度、より好ましくは40~70度、さらに好ましくは45~65度の角度にまたがる長さを有する。円弧形状の孔のそれぞれは、例えば50~100mmの長さを有する。円弧形状の孔のそれぞれの杭取付部24の中心から外周方向(短手方向)の幅は、好ましくは10~20mm、より好ましくは12~18mmである。円弧形状の孔のそれぞれは、杭取付部24の中心に対して互いに同一の直径を有してもよく、異なる直径を有してもよい。
【0037】
図5に、杭1を長手方向からみたときの支柱取付部14の一例の正面模式図を示す。支柱取付部14は、
図5に例示するように、杭1と杭取付部24とをボルトで締結するための複数の孔15を備えた板状のプレート、好ましくは円盤状のプレートであることができる。複数の孔15は、
図5に例示するように、支柱取付部14の中心から外周側に向かって細長い形状を有し、支柱取付部14の中心に対して放射状に配置され得る。孔15は、長手方向の長さが好ましくは32~72mm、より好ましくは42~62mmであり、短手方向の長さが好ましくは10~20mm、より好ましくは12~18mmである。
【0038】
杭1の支柱取付部14と支柱20の杭取付部24とは、上述の構造が逆の関係でもよい。すなわち、杭1の支柱取付部14が
図4に示す杭取付部24の構造を有し、支柱20の杭取付部24が
図5に示す支柱取付部14の構造を有してもよい。支柱取付部14及び杭取付部24が上記構造を有することにより、ねじ込んだ2本の杭1の支柱取付部14と支柱20の杭取付部24とを容易にボルト止めすることができる。
【0039】
支柱20は、
図3及び
図4に例示するように、本体部22と杭取付部24との間に1つまたは複数の補強板26を備えてもよい。
【0040】
補強板26は、
図3及び
図4に例示するように、三角形状を有することができる。支柱20の本体部22、杭取付部24、及び補強板26は一体成形されたものでもよく溶接されたものでもよい。補強板26により、支柱20の強度をより向上することができる。補強板26は、好ましくは
図4に例示するように、杭取付板23の長手方向に対して斜めに配置される。これにより、支柱20の強度をさらに向上することができる。
【0041】
好ましくは、支柱20が、支柱20の長手方向からみて、オメガ型の断面形状における底部屈曲部201、202の外側2箇所にそれぞれ補強板26を有し、補強板26は、支柱20の長手方向からみて、オメガ型の断面形状の足部203、204から遠ざかる方向且つ2つの杭取付部24の中心間をつなぐ方向に対して斜めの方向に配置される。これにより、オメガ型の支柱の強度をさらに向上することができる。
【0042】
架台100は任意の架台として用いることができるが、好ましくは、太陽光パネル用架台またはカーポート用架台である。
【0043】
好ましくは、架台100は、前部支持バー及び前記前部支持バーよりも長い後部支持バー、前記支柱と前記前部支持バー及び前記後部支持バーとを接続する締結部材、前記前部支持バー、前記支柱、及び前記後部支持バーに接続される縦材であって、前記支柱に平行方向においてより低い位置にある前記前部支持バーとの接続部からより高い位置にある前記後部支持バーとの接続部に向かって傾斜して配置される縦材、前記縦材に接続される横材、並びに前記横材に接続されるクランプをさらに備え、前記支柱の長手方向からみて前記2本の杭を結ぶ方向と前記縦材の長手方向とが平行であり、重心が前記支柱よりも前記後部支持バー側にある。
【0044】
図6に、前部支持バー30及び前部支持バー30よりも長い後部支持バー40、支柱20と前部支持バー30とを接続する第1の締結部材51、支柱20と後部支持バー40とを接続する第2の締結部材52、前部支持バー30、支柱20、及び後部支持バー40に接続される縦材であって、支柱20に平行方向においてより低い位置にある前部支持バー30との接続部からより高い位置にある後部支持バー40との接続部に向かって傾斜して配置される縦材60、縦材60に接続される横材、並びに前記横材に接続されるクランプ80をさらに備える本架台100の一例の側面模式図を示す。
【0045】
図6の架台100において、支柱20の長手方向からみて2本の杭1を結ぶ方向と縦材60の長手方向とは平行である。2本の杭1を結ぶ方向と縦材60の長手方向とが平行であることにより、架台の強度をより向上することができる。
【0046】
図6の架台100において、架台100の重心が支柱20よりも後部支持バー40側にある。架台100は、架台の重心が支柱よりも後部支持バー側にあるので、支柱に加えて前部支持バー及び後部支持バーでバランス良く太陽光パネル等を支持することができ耐荷重に優れるので、太陽光パネル等の支持部材の後方からの風による影響を受けにくく、太陽光パネル等の支持部材上に多量の雪が積もりやすい豪雪地域にも安定して設置することができる。
【0047】
第1の締結部材51及び第2の締結部材52が、1本の支柱20の下端から1本の支柱20の全長の好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上、さらに好ましくは40%以上の位置で接続される。接続位置は、支柱20と第1の締結部材51及び第2の締結部材52とのボルト止めの箇所である。本架台は、上述のように優れた強度を有することができるため、支柱20と第1の締結部材51及び第2の締結部材52との接続位置を高くすることができる。接続位置を上記好ましい高さにすることができるため、その分前部支持バー30及び後部支持バー40を短くすることができ、高い強度とコスト低減を両立することができる。また、接続位置を上記好ましい高さにすることができるため、本架台の下方のスペースにおける作業性を向上することができる。上記接続位置の上限は、支持する部材の質量や大きさに応じて調整することができ、例えば、支柱20の下端から1本の支柱20の全長の60%以下、55%以下、50%以下であることができる。
【0048】
好ましくは、支柱20と後部支持バー40とのなす角度θ2が、支柱20と前部支持バー30とのなす角度θ1と同じまたはθ1よりも大きい。これにより、架台100の重心を支柱20よりも後部支持バー40側により安定して配置しやすくなる。
【0049】
支柱20は、本体部22に、締結部材をボルトで接続するための孔28を備え得る。支柱20はまた、本体部22の杭取付部24とは反対側の端部に、縦材をボルトで接続するための1つまたは複数の孔29を備え得る。締結部材は、支柱20に前部支持バー及び後部支持バーを接続するための接続部材である。
【0050】
締結部材は1つの部材または複数の部材であることができ、好ましくは、支柱20と前部支持バー30とを接続する第1の締結部材51と、支柱20と後部支持バー40とを接続する第2の締結部材52とを含む。
【0051】
好ましくは、1本の支柱20の長手方向に垂直方向の断面形状がオメガ型であり、第1の締結部材51がU字金具511であり、第2の締結部材52がH字金具521であり、U字金具511は、1本の支柱20の長手方向からみてオメガ型の断面形状における開口部の内側にボルトで接続され、H字金具521は、1本の支柱20の長手方向からみてオメガ型の断面形状における底部の外側にボルトで接続される。
【0052】
図7に、第2の締結部材であるH字金具521で接続された支柱20及び後部支持バー40の一例の外観写真を示す。
図8に、第1の締結部材であるU字金具511及び第2の締結部材であるH字金具521で接続された支柱20と、前部支持バー30及び後部支持バー40との外観写真を示す。
【0053】
支柱20の長手方向に垂直方向の断面形状がH字のH字金具521と、支柱20の長手方向に平行方向の断面形状がU字のU字金具53とで、支柱20と後部支持バー40が接続される。H字金具521の一端が支柱20にボルト止めされ、H字金具521の他端がU字金具53の一端にボルト55で接続され、U字金具53の他端が後部支持バー40に接続されている。
【0054】
図9に、H字金具521を支柱20の長手方向に垂直方向の断面でみたときの断面模式図を示す。H字金具521は、支柱20にボルト止めするための孔523、及びU字金具53にボルトで接続するための孔522を有し得る。
【0055】
図10に、U字金具53を支柱20の長手方向に平行方向の断面でみたときの断面模式図を示す。U字金具53は、後部支持バー40にボルトで接続するための孔532、及びH字金具521にボルトで接続するための孔531を有し得る。H字金具521とU字金具53とは、孔522及び孔531にボルト55を通して締結することにより接続することができる。
【0056】
図8においては、第1の締結部材としてU字金具511が用いられている。U字金具511はU字金具53と同じ形状であることができ、U字金具511で支柱20と前部支持バー30が接続される。U字金具511の一端が支柱20にボルト55で接続され、U字金具511の他端が前部支持バー30にボルトで接続される。
【0057】
前部支持バー30及び後部支持バー40は、従来用いられている支持バーであることができる。好ましくは、
図6に例示するように、前部支持バー30は、第1の締結部材51に接続され支柱20よりも前方に傾斜し、後部支持バー40は前部支持バー30よりも長く、第2の締結部材52に接続され支柱20よりも後方に傾斜する。
【0058】
前部支持バー30は、例えば、長さが780~1280mmの部材であることができる。後部支持バー40は、例えば、長さが970~1470mmの部材であることができる。
【0059】
前部支持バー30及び後部支持バー40は、支柱20とともに縦材60と接続され得る。
図6に例示するように、前部支持バー30の端部と後部支持バー40の端部とその間の支柱20の端部が縦材60に接続され得る。
【0060】
前部支持バー30は、端部に締結部材50とボルトで接続するための1つまたは複数の孔を備え得る。前部支持バー30はまた、反対側の端部に、縦材とボルトで接続するための1つまたは複数の孔を備え得る。後部支持バー40も同様に、両端部に締結部材とボルトで接続するための1つまたは複数の孔と、縦材とボルトで接続するための1つまたは複数の孔を備え得る。
【0061】
図6に示す支柱20と前部支持バー30とのなす角度θ
1は、好ましくは13~45度、より好ましくは18~40度、さらに好ましくは23~35度である。角度θ
1が上記好ましい範囲であることにより、架台が保持する太陽光パネル等の構造物の地面との高さを確保するとともに架台の構造上の強度をより向上することができる。
図6に示す支柱20と後部支持バー40とのなす角度θ
2は、好ましくは18~50度、より好ましくは23~45度、さらに好ましくは25~40度である。角度θ
2が上記好ましい範囲であることにより、架台が保持する太陽光パネル等の構造物の下の空間を確保するとともに架台の構造上の強度をより向上することができる。
【0062】
前部支持バー30、後部支持バー40、及び締結部材の材質は、支柱と同じ材質、例えば鋼、アルミ等であることができ、好ましくはアルミニウム製である。本架台は、上述のように優れた強度を有することができるため、前部支持バー、後部支持バー、及び締結部材についても、軽量且つ低コストのアルミニウム製であることができ、高い強度とコスト低減を両立することができる。
【0063】
縦材60は、従来用いられている縦材であることができる。
図6に例示するように、縦材60は、前部支持バー30、支柱20、及び後部支持バー40に接続され、前部支持バー30と接続する前方が低く、後部支持バー40と接続する後方が高くなるように水平方向に対する角度αの傾斜を有し得る。縦材60はまた、横材と接続される。縦材60は、前部支持バー30、支柱20、後部支持バー40、及び横材とボルトで接続するための孔を備え得る。
【0064】
縦材60の角度αは、0度より大きく好ましくは25度以下、より好ましくは7~22度、さらに好ましくは14~18度である。角度αが上記好ましい範囲であることにより、架台が保持する太陽光パネル等の構造物上に降る雪や雨水による構造物の自然清掃効果が得られ、且つ架台の安定性のより好ましい両立ができ、構造物が太陽光パネルである場合は、太陽光発電効果の向上も図ることができる。
【0065】
横材は、従来用いられている横材であることができる。横材は、縦材60に接続されて縦材60に対して略垂直方向に配置され得る。横材は、縦材60とボルトで接続するための孔を備え得る。横材は2本または3本以上の縦材にまたがって配置され得る。横材は1本または複数本であることができる。縦材60と横材とはL字金具等の金具を用いてボルトで接続してもよい。
【0066】
本開示はまた、上述の架台を複数含む架台システムを対象とする。
図11に、2つの架台100の縦材に接続された横材70を含む架台システムの一例を表す外観模式図を示す。2つの架台100は共通の横材70を備えてもよく、2つの架台それぞれが備える横材70を接続してもよい。
【0067】
架台システムは、任意の構造物を保持することができ、好ましくは太陽光パネル用架台システムまたはカーポート用架台システムであることができる。
図11は、2つの架台100にまたがる横材70にクランプで2枚の太陽光パネル90を保持する架台システムの一例を表す正面模式図である。
【0068】
横材70は、横材70同士を組み合わせ可能にする延長用部材を備えてもよい。延長用部材は、横材70が端部に一体で有してもよく、横材70の端部の孔にボルトで接続されてもよい。横材70の端部の延長用部材を介して複数の横材70を組み合わせることにより、横材70を延長することができる。横材70を延長することにより、より多数の太陽光パネルを保持することができる。
【0069】
図12に、2つの架台100を用いて3枚の太陽光パネルを保持する架台システムの一例の正面模式図を示す。
図13に、2つの架台100を用いて3枚の太陽光パネルを保持する架台システムの一例の斜視図を示す。
図12及び
図13においては、3枚の太陽光パネルを2つの架台100にまたがる横材70で保持している。本開示の太陽光パネル架台の各部材の組み立ては従来の方法で行うことができる。
【符号の説明】
【0070】
1 杭
10 埋設部
100 架台
101 埋設部の本体部
102 埋設部の先端部
110 螺旋羽根
14 支柱取付部
15 支柱取付部の孔
20 支柱
201 オメガ型支柱の底部屈曲部
202 オメガ型支柱の底部屈曲部
203 オメガ型支柱の足部
204 オメガ型支柱の足部
22 支柱の本体部
23 杭取付板
24 杭取付部
25 杭取付部の孔
26 補強板
28 締結部材と接続するための孔
29 縦材と接続するための孔
30 前部支持バー
40 後部支持バー
51 第1の締結部材
511 U字金具
52 第2の締結部材
521 H字金具
522 U字金具にボルトで接続するための孔
523 支柱にボルト止めするための孔
53 U字金具
531 H字金具にボルトで接続するための孔
532 後部支持バーにボルトで接続するための孔
55 ボルト
60 縦材
70 横材
80 クランプ
90 太陽光パネル
【手続補正書】
【提出日】2023-08-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端から地中にねじ込まれる埋設部と、前記先端とは反対側の端部に配置される支柱取付部とをそれぞれ備える2本の杭、及び
本体部と、前記本体部の端部の杭取付板とを備える1本の支柱
を含み、
前記杭取付板は、前記2本の杭の前記支柱取付部と接続可能な2つの杭取付部を有し、前記2つの杭取付部をつなぐ方向に細長い板状のプレートであり、
前記埋設部は、その外周面の少なくとも一部に前記地盤へねじ込む螺旋羽根を備え、
前記2本の杭と前記1本の支柱とが、前記2本の杭のそれぞれの前記支柱取付部と前記2つの杭取付部とが前記杭取付板を介して互いに固定されることによって接続され、
前記杭取付板は、前記1本の支柱の長手方向からみたときに、前記1本の支柱を挟んで対向する位置に、且つ前記2つの杭取付部のそれぞれの中心から等距離に前記1本の支柱の重心が位置するように、前記2つの杭取付部を備え、
前記2つの杭取付部の中心間距離Aと、前記2つの杭取付部の中心間をつなぐ方向に平行方向における前記1本の支柱の前記本体部の寸法Bとの比率A/Bが、3~5である、
架台。
【請求項2】
前記螺旋羽根が1~55mmのピッチを有する、請求項1に記載の架台。
【請求項3】
前記螺旋羽根は、前記埋設部の本体部の直径の1倍超1.6倍以下の直径を有する、請求項1に記載の架台。
【請求項4】
前記螺旋羽根は、前記先端を基点として前記埋設部の全長の60%以上100%以下の範囲に配置される、請求項1に記載の架台。
【請求項5】
前記螺旋羽根の螺旋数は10~50周である、請求項1に記載の架台。
【請求項6】
前記1本の支柱の長手方向に垂直方向の断面形状がオメガ型である、請求項1に記載の架台。
【請求項7】
前記1本の支柱が、前記1本の支柱の長手方向からみて、前記オメガ型の断面形状における底部屈曲部の外側2箇所にそれぞれ補強板を有し、
前記補強板は、前記1本の支柱の長手方向からみて、前記オメガ型の断面形状の足部から遠ざかる方向且つ前記2つの杭取付部の中心間をつなぐ方向に対して斜めの方向に配置される、請求項6に記載の架台。
【請求項8】
前記支柱取付部が、前記支柱取付部の中心から外周側に向かって細長い形状を有し前記支柱取付部の中心に対して放射状に配置される複数の孔を有し、前記杭取付部が、前記杭取付部の中心に対して同心円の円弧形状を有する複数の孔を有するか、または、
前記支柱取付部が、前記支柱取付部の中心に対して同心円の円弧形状を有する複数の孔を有し、前記杭取付部が、前記杭取付部の中心から外周側に向かって細長い形状を有し前記杭取付部の中心に対して放射状に配置される複数の孔を有する、
請求項1に記載の架台。
【請求項9】
前部支持バー及び前記前部支持バーよりも長い後部支持バー、
前記支柱と前記前部支持バー及び前記後部支持バーとを接続する締結部材、
前記前部支持バー、前記支柱、及び前記後部支持バーに接続される縦材であって、前記支柱に平行方向においてより低い位置にある前記前部支持バーとの接続部からより高い位置にある前記後部支持バーとの接続部に向かって傾斜して配置される縦材、
前記縦材に接続される横材、並びに
前記横材に接続されるクランプ
を備え、
前記支柱の長手方向からみて前記2本の杭を結ぶ方向と前記縦材の長手方向とが平行であり、重心が前記支柱よりも前記後部支持バー側にある、
請求項1に記載の架台。
【請求項10】
前記締結部材が、前記1本の支柱の下端から前記1本の支柱の全長の30%以上の位置で接続される、請求項9に記載の架台。
【請求項11】
前記支柱と前記後部支持バーとのなす角度θ2が、前記支柱と前記前部支持バーとのなす角度θ1と同じまたはθ1よりも大きい、請求項9に記載の架台。
【請求項12】
前記締結部材が、前記支柱と前記前部支持バーとを接続する第1の締結部材と、前記支柱と前記後部支持バーとを接続する第2の締結部材とを含む、請求項9に記載の架台。
【請求項13】
前記1本の支柱の長手方向に垂直方向の断面形状がオメガ型であり、
前記第1の締結部材がU字金具であり、
前記第2の締結部材がH字金具であり、
前記U字金具は、前記1本の支柱の長手方向からみて前記オメガ型の断面形状における開口部の内側にボルトで接続され、
前記H字金具は、前記1本の支柱の長手方向からみて前記オメガ型の断面形状における底部の外側にボルトで接続される、
請求項12に記載の架台。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の架台を複数含む架台システム。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端から地中にねじ込まれる埋設部と、前記先端とは反対側の端部に配置される支柱取付部とをそれぞれ備える2本の杭、及び
本体部と、前記本体部の端部の杭取付板とを備える1本の支柱
を含み、
前記杭取付板は、前記2本の杭の前記支柱取付部と接続可能な2つの杭取付部を有し、前記2つの杭取付部をつなぐ方向に細長い板状のプレートであり、
前記埋設部は、その外周面の少なくとも一部に前記地中へねじ込む螺旋羽根を備え、
前記2本の杭と前記1本の支柱とが、前記2本の杭のそれぞれの前記支柱取付部と前記2つの杭取付部とが前記杭取付板を介して互いに固定されることによって接続され、
前記杭取付板は、前記1本の支柱の長手方向からみたときに、前記1本の支柱を挟んで対向する位置に、且つ前記2つの杭取付部のそれぞれの中心から等距離に前記1本の支柱の重心が位置するように、前記2つの杭取付部を備え、
前記2つの杭取付部の中心間距離Aと、前記2つの杭取付部の中心間をつなぐ方向に平行方向における前記1本の支柱の前記本体部の寸法Bとの比率A/Bが、3~5である、
架台。
【請求項2】
前記螺旋羽根が1~55mmのピッチを有する、請求項1に記載の架台。
【請求項3】
前記螺旋羽根は、前記埋設部の本体部の直径の1倍超1.6倍以下の直径を有する、請求項1に記載の架台。
【請求項4】
前記螺旋羽根は、前記先端を基点として前記埋設部の全長の60%以上100%以下の範囲に配置される、請求項1に記載の架台。
【請求項5】
前記螺旋羽根の螺旋数は10~50周である、請求項1に記載の架台。
【請求項6】
前記1本の支柱の長手方向に垂直方向の断面形状がオメガ型である、請求項1に記載の架台。
【請求項7】
前記1本の支柱が、前記1本の支柱の長手方向からみて、前記オメガ型の断面形状における底部屈曲部の外側2箇所にそれぞれ補強板を有し、
前記補強板は、前記1本の支柱の長手方向からみて、前記オメガ型の断面形状の足部から遠ざかる方向且つ前記2つの杭取付部の中心間をつなぐ方向に対して斜めの方向に配置される、請求項6に記載の架台。
【請求項8】
前記支柱取付部が、前記支柱取付部の中心から外周側に向かって細長い形状を有し前記支柱取付部の中心に対して放射状に配置される複数の孔を有し、前記杭取付部が、前記杭取付部の中心に対して同心円の円弧形状を有する複数の孔を有するか、または、
前記支柱取付部が、前記支柱取付部の中心に対して同心円の円弧形状を有する複数の孔を有し、前記杭取付部が、前記杭取付部の中心から外周側に向かって細長い形状を有し前記杭取付部の中心に対して放射状に配置される複数の孔を有する、
請求項1に記載の架台。
【請求項9】
前部支持バー及び前記前部支持バーよりも長い後部支持バー、
前記支柱と前記前部支持バー及び前記後部支持バーとを接続する締結部材、
前記前部支持バー、前記支柱、及び前記後部支持バーに接続される縦材であって、前記支柱に平行方向においてより低い位置にある前記前部支持バーとの接続部からより高い位置にある前記後部支持バーとの接続部に向かって傾斜して配置される縦材、
前記縦材に接続される横材、並びに
前記横材に接続されるクランプ
を備え、
前記支柱の長手方向からみて前記2本の杭を結ぶ方向と前記縦材の長手方向とが平行であり、重心が前記支柱よりも前記後部支持バー側にある、
請求項1に記載の架台。
【請求項10】
前記締結部材が、前記1本の支柱の下端から前記1本の支柱の全長の30%以上の位置で接続される、請求項9に記載の架台。
【請求項11】
前記支柱と前記後部支持バーとのなす角度θ2が、前記支柱と前記前部支持バーとのなす角度θ1と同じまたはθ1よりも大きい、請求項9に記載の架台。
【請求項12】
前記締結部材が、前記支柱と前記前部支持バーとを接続する第1の締結部材と、前記支柱と前記後部支持バーとを接続する第2の締結部材とを含む、請求項9に記載の架台。
【請求項13】
前記1本の支柱の長手方向に垂直方向の断面形状がオメガ型であり、
前記第1の締結部材がU字金具であり、
前記第2の締結部材がH字金具であり、
前記U字金具は、前記1本の支柱の長手方向からみて前記オメガ型の断面形状における開口部の内側にボルトで接続され、
前記H字金具は、前記1本の支柱の長手方向からみて前記オメガ型の断面形状における底部の外側にボルトで接続される、
請求項12に記載の架台。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の架台を複数含む架台システム。