IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

特開2024-165314印刷制御装置、印刷システム及びプログラム
<>
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図1
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図2
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図3
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図4
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図5
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図6
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図7
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図8
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図9
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図10
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図11
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図12
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図13
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図14
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図15
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図16
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図17
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図18
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図19
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図20
  • 特開-印刷制御装置、印刷システム及びプログラム 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165314
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】印刷制御装置、印刷システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241121BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241121BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241121BHJP
   H04N 1/34 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G06F3/12 354
B41J29/38 202
H04N1/00 C
H04N1/34 200
G06F3/12 304
G06F3/12 319
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081416
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 積
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061HK05
2C061HK07
2C061HM01
2C061HN05
2C061HN15
2C061HN20
2C061HQ17
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC34
5C062AE03
5C062AE07
5C062AE11
5C062AE15
5C062AF00
5C062AF07
5C062AF08
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】利用者の属性に合った印刷設定の印刷を容易に行い、かつ印刷コストを抑えることである。
【解決手段】印刷制御装置としてのPC20は、取得手段と、決定手段と、を備える。取得手段は、第1属性としてのファイル属性が付与されているファイルとしての資料ファイルを印刷指示する利用者に関する第2属性としての利用者属性をサーバー10から取得する。決定手段は、ファイル属性と利用者属性とに基づいて、資料ファイルの印刷設定を決定する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1属性が付与されているファイルを印刷指示する利用者に関する第2属性を取得する取得手段と、
前記第1属性と前記第2属性とに基づいて、前記ファイルの印刷設定を決定する決定手段と、を備える印刷制御装置。
【請求項2】
前記ファイルは、複数の第1属性が付与され、
前記決定手段は、前記第2属性に対応する1つの前記第1属性に基づいて、前記ファイルの印刷設定を決定する請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】
前記第1属性は、印刷の重要度に関する属性である請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項4】
前記第1属性は、前記ファイルのページごとに付与され、
前記決定手段は、前記第1属性と前記第2属性とに基づいて、前記ファイルの印刷設定をページごとに決定する請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項5】
前記第1属性は、前記ファイルの1つのページに複数付与されている請求項4に記載の印刷制御装置。
【請求項6】
前記第1属性は、複数のページにわたって付与されている請求項4に記載の印刷制御装置。
【請求項7】
前記第1属性は、前記第2属性ごとに異なる印刷設定に対応する請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項8】
前記決定手段は、前記第1属性と前記第2属性とに基づいて、印刷コストの異なる印刷設定を決定する請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項9】
前記決定手段は、前記第2属性が前記第1属性に一致する場合に、高い印刷コストの印刷設定を決定し、一致しない場合に、低い印刷コストの印刷設定に決定する請求項8に記載の印刷制御装置。
【請求項10】
前記決定手段は、印刷有無、印刷色、1枚の用紙への割り付け面数、用紙種類、トナー抑制有無の少なくとも1つを変更して印刷設定を決定する請求項8に記載の印刷制御装置。
【請求項11】
第1属性を前記ファイルに付与する付与手段を備える請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項12】
前記付与手段は、第1属性の操作入力を受け付け、操作入力された第1属性を前記ファイルに付与する請求項11に記載の印刷制御装置。
【請求項13】
前記付与手段は、前記ファイルから第1属性を抽出して当該ファイルに付与する請求項11に記載の印刷制御装置。
【請求項14】
前記付与手段は、前記ファイルに関連付けられた動画ファイルから第1属性を取得して当該ファイルに付与する請求項11に記載の印刷制御装置。
【請求項15】
前記付与手段は、前記動画ファイルのフレーム画像データ及び音声データの少なくとも一方から動画内の人物を特定し、特定した人物に対応する第1属性を取得して前記ファイルに付与する請求項14に記載の印刷制御装置。
【請求項16】
前記付与手段は、前記動画ファイルの音声データの音声内容又は音量から印刷設定を決定し、決定した印刷特性を第1属性として前記ファイルに付与する請求項14に記載の印刷制御装置。
【請求項17】
前記付与手段は、第1属性及び第2属性に従う印刷を行うか否かの操作入力を受け付け、第1属性及び第2属性に従う印刷を行う場合に、第1属性を前記ファイルに付与する請求項11に記載の印刷制御装置。
【請求項18】
前記付与手段は、前記ファイルのページ数が所定数以上の場合に、第1属性を当該ファイルに付与する請求項11に記載の印刷制御装置。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の印刷制御装置と、
前記決定された印刷設定に基づいて、前記ファイルを印刷する印刷手段と、を備える印刷システム。
【請求項20】
コンピューターを、
第1属性が付与されているファイルを印刷指示する利用者に関する第2属性を取得する取得手段、
前記第1属性と前記第2属性とに基づいて、前記ファイルの印刷設定を決定する決定手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置、印刷システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業の会議などで事前に配信された資料ファイルを、会議に参加する各利用者が印刷するケースがある。そういった資料を印刷しようとする場合、通常同じ印刷設定で印刷することになる。その場合、資料ファイルが自身と関係が深い利用者は、質が高くコストも高い印刷設定で印刷する。関係が深くない利用者が、関係が深い利用者と同じ印刷設定で印刷すると、無駄にコストがかかってしまう。逆に、関係が深い利用者が、関係が深くない利用者の印刷設定に合わせて印刷設定すると、見づらく印刷されるおそれがある。
【0003】
同じ資料ファイルでも、印刷する利用者によって、重要度が異なるため、資料ファイル自体のページをカラーやモノクロなどに固定するわけにもいかない。
【0004】
このため、イベントの資料などの文書(資料ファイル)と、参加者(利用者)の属性に応じた印刷設定とが登録された印刷制御装置が知られている(特許文献1参照)。参加者の属性は、役職などである。印刷制御装置は、参加者が文書を印刷させる場合に、参加者の属性に応じてその参加者に課す印刷設定を変えて画像処理装置に印刷させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-21706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の印刷制御装置は、利用者の属性と比較するための資料ファイルの属性が当該資料ファイルとは別に登録されていた。よって、資料ファイルの属性及びその印刷設定の決定をより容易にする要請がある。
【0007】
本発明の課題は、利用者の属性に合った印刷設定の印刷を容易に行い、かつ印刷コストを抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の印刷制御装置は、
第1属性が付与されているファイルを印刷指示する利用者に関する第2属性を取得する取得手段と、
前記第1属性と前記第2属性とに基づいて、前記ファイルの印刷設定を決定する決定手段と、を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷制御装置において、
前記ファイルは、複数の第1属性が付与され、
前記決定手段は、前記第2属性に対応する1つの前記第1属性に基づいて、前記ファイルの印刷設定を決定する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の印刷制御装置において、
前記第1属性は、印刷の重要度に関する属性である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の印刷制御装置において、
前記第1属性は、前記ファイルのページごとに付与され、
前記決定手段は、前記第1属性と前記第2属性とに基づいて、前記ファイルの印刷設定をページごとに決定する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の印刷制御装置において、
前記第1属性は、前記ファイルの1つのページに複数付与されている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の印刷制御装置において、
前記第1属性は、複数のページにわたって付与されている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の印刷制御装置において、
前記第1属性は、前記第2属性ごとに異なる印刷設定に対応する。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の印刷制御装置において、
前記決定手段は、前記第1属性と前記第2属性とに基づいて、印刷コストの異なる印刷設定を決定する。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の印刷制御装置において、
前記決定手段は、前記第2属性が前記第1属性に一致する場合に、高い印刷コストの印刷設定を決定し、一致しない場合に、低い印刷コストの印刷設定に決定する。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の印刷制御装置において、
前記決定手段は、印刷有無、印刷色、1枚の用紙への割り付け面数、用紙種類、トナー抑制有無の少なくとも1つを変更して印刷設定を決定する。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項1に記載の印刷制御装置において、
第1属性を前記ファイルに付与する付与手段を備える。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の印刷制御装置において、
前記付与手段は、第1属性の操作入力を受け付け、操作入力された第1属性を前記ファイルに付与する。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の印刷制御装置において、
前記付与手段は、前記ファイルから第1属性を抽出して当該ファイルに付与する。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項11に記載の印刷制御装置において、
前記付与手段は、前記ファイルに関連付けられた動画ファイルから第1属性を取得して当該ファイルに付与する。
【0022】
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の印刷制御装置において、
前記付与手段は、前記動画ファイルのフレーム画像データ及び音声データの少なくとも一方から動画内の人物を特定し、特定した人物に対応する第1属性を取得して前記ファイルに付与する。
【0023】
請求項16に記載の発明は、請求項14に記載の印刷制御装置において、
前記付与手段は、前記動画ファイルの音声データの音声内容又は音量から印刷設定を決定し、決定した印刷特性を第1属性として前記ファイルに付与する。
【0024】
請求項17に記載の発明は、請求項11に記載の印刷制御装置において、
前記付与手段は、第1属性及び第2属性に従う印刷を行うか否かの操作入力を受け付け、第1属性及び第2属性に従う印刷を行う場合に、第1属性を前記ファイルに付与する。
【0025】
請求項18に記載の発明は、請求項11に記載の印刷制御装置において、
前記付与手段は、前記ファイルのページ数が所定数以上の場合に、第1属性を当該ファイルに付与する。
【0026】
請求項19に記載の発明の印刷システムは、
請求項1から18のいずれか一項に記載の印刷制御装置と、
前記決定された印刷設定に基づいて、前記ファイルを印刷する印刷手段と、を備える。
【0027】
請求項20に記載の発明のプログラムは、
コンピューターを、
第1属性が付与されているファイルを印刷指示する利用者に関する第2属性を取得する取得手段、
前記第1属性と前記第2属性とに基づいて、前記ファイルの印刷設定を決定する決定手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、利用者の属性に合った印刷設定の印刷を容易に行うことができ、かつ印刷コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施の形態における印刷システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】PCの機能構成を示すブロック図である。
図3】画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】ファイル属性情報の構成を示す図である。
図5】第1の属性付与処理を示すフローチャートである。
図6】第1の印刷指示処理を示すフローチャートである。
図7】第1の印刷指示処理におけるデータなどの流れを示すシーケンス図である。
図8】印刷設定テーブルの構成を示す図である。
図9】第2の属性付与処理を示すフローチャートである。
図10】第2の印刷指示処理を示すフローチャートである。
図11】ページ属性設定画面を示す図である。
図12】資料ファイルのページ属性の自動付与を示す図である。
図13】ファイル閲覧画面を示す図である。
図14】第3の属性付与処理を示すフローチャートである。
図15】第3の印刷指示処理を示すフローチャートである。
図16】動画ファイルの顔画像データからのページ属性の取得を示す図である。
図17】動画ファイルの声紋データからのページ属性の取得を示す図である。
図18】動画ファイルの文字データからのページ属性の取得を示す図である。
図19】動画ファイルの文字データからのページ属性の取得を示す図である。
図20】動画ファイルの文字データからのページ属性の取得を示す図である。
図21】動画ファイルの音量レベルからのページ属性の取得を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の第1~第3の実施の形態を順に詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0031】
(第1の実施の形態)
図1図8を参照して、本発明の第1の実施の形態を説明する。まず、図1図3を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1は、印刷システム1の概略構成を示すブロック図である。図2は、PC20の機能構成を示すブロック図である。図3は、画像形成装置30の機能構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示す印刷システム1は、所定の企業(以下、単に企業とする)に設置され、会議などで事前に配布される資料ファイルを印刷するシステムである。資料ファイルは、文書作成ソフトウェアにより作成された文書ファイルや、プレゼンテーションソフトウェアにより作成されたプレゼンテーションファイルなどである。
【0033】
印刷システム1は、サーバー10と、複数台のPC(Personal Computer)20と、画像形成装置30と、を備える。印刷システム1の各装置は、通信ネットワークNを介して接続されている。
【0034】
サーバー10は、PC20などに提供する各種情報を記憶して管理するデータサーバーである。特に、サーバー10は、企業の社員であるユーザーのユーザーIDと、当該ユーザーの属性とを対応付けたデータテーブルを記憶部(図示略)に記憶しているものとする。サーバー10は、当該データテーブルの情報をPC20に提供可能である。
【0035】
PC20は、企業の各社員である複数のユーザーに割り当てられる。PC20は、各ユーザーが使用する情報処理装置である。特に、ユーザーは、企業の会議の発表者の社員と、当該会議の参加者である社員と、を含む。PC20は、会議用の資料ファイルの作成、当該資料ファイルの属性設定や、画像形成装置30への当該資料ファイルの印刷指示などを行う。
【0036】
画像形成装置30は、用紙に印刷情報を印刷するMFP(Multi-Function Peripheral)である。
【0037】
通信ネットワークNは、LAN(Local Area Network)であるものとするが、これに限定されるものではなく、WAN(Wide Area Network)、専用線などを含んでいてもよい。
【0038】
図2に示すように、PC20は、制御部21と、操作部22と、記憶部23と、表示部24と、通信部25と、を備える。PC20の各部は、バスB1を介して互いに接続されている。
【0039】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などを有し、PC20の各部の動作を制御する。CPUは、記憶部23に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、各種処理を実行する。制御部21は、特に、後述する第1の属性付与処理及び第1の印刷指示処理を実行する。
【0040】
操作部22は、キーボードと、マウスなどのポインティングデバイスとを有する。操作部22は、ユーザーからのキー操作及び位置入力を受け付け、その操作情報を制御部21に出力する。
【0041】
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などで構成される不揮発性の記憶部である。記憶部23は、各種データ及び各種プログラムを制御部21から読み出し及び書き込み可能に記憶する。記憶部23は、特に、後述する第1の属性付与処理を実行するための第1の属性付与プログラムと、後述する第1の印刷指示処理を実行するための第1の印刷指示プログラムと、を記憶する。
【0042】
表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro-Luminescent)ディスプレイなどの表示パネルを有する。表示部24は、制御部21から入力される表示情報に基づき、情報を表示パネルに表示する。
【0043】
通信部25は、ネットワークカードなどにより構成され、通信ネットワークNに有線又は無線で接続される通信部である。制御部21は、通信部25を介して、通信ネットワークNに接続されたサーバー10、画像形成装置30などの外部装置と、各種情報の送受信を行う。
【0044】
図3に示すように、画像形成装置30は、制御部31と、画像読取部32と、画像形成部33と、記憶部34と、操作パネル35と、搬送部36と、給紙部37と、通信部38と、を備える。画像形成装置30は、の各部は、バスを介して互いに接続されている。操作パネル35は、表示部351と、操作部352と、を有する。
【0045】
制御部31は、CPUと、RAMと、ROM(Read Only Memory)などの記憶部と、を備え、画像形成装置30の各部を制御する。CPUは、記憶部に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、各種処理を実行する。
【0046】
制御部31は、例えば、画像形成処理を実行し、PC20からの印刷指示により資料ファイル及び印刷設定を受信する。制御部31は、受信した印刷設定に従い、給紙部37、搬送部36に用紙を供給、搬送させ、画像形成部33により用紙上に資料ファイルの画像を形成(印刷)して排紙する。
【0047】
画像読取部32は、原稿台又は自動原稿搬送部(ADF:Auto Document Feeder)に載置された原稿の画像を走査露光装置の光学系により走査露光する。画像読取部32は、その反射光をラインイメージセンサーにより読み取り、画像信号を得る。この画像信号は、A/D変換、シェーディング補正、圧縮などの処理が施された後、画像データとして制御部31に入力される。
【0048】
画像形成部33は、画像読取部32により読み取られた画像データ、又はPC20などの外部装置から受信した画像データに基づいて、電子写真方式により、用紙に対して画像形成を行う。つまり、画像形成部33は、用紙上にトナー画像を形成する。画像形成部33は、画像データの各画素の4色の画素値に応じて、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(ブラック)の4色からなる画像を用紙上に形成する。画像形成部33は、4つの書込部、中間転写ベルト、2次転写ローラー、定着部(いずれも図示略)などを備える。
【0049】
4つの書込部は、中間転写ベルトのベルト面に沿って直列(タンデム)に配置され、Y、M、C及びKの各色の画像を形成する。各書込部は、形成する画像の色が異なるだけで構成は同じである。各書込部は、光走査部、感光体、現像部、帯電部、クリーニング部及び1次転写ローラー(いずれも図示略)を備える。
【0050】
画像形成時、各色の書込部は、帯電部により感光体を帯電させた後、画像データに基づいて光走査部により出射した光束で感光体上を走査し、静電潜像を形成する。現像部は、トナーを感光体に供給して現像し、当該感光体上に画像(単色のトナー画像)を形成する。各色の1次転写ローラーは、4色の書込部の感光体上のトナー画像を、中間転写ベルト上に順次重ねて転写(1次転写)する。これにより、中間転写ベルト上には各色からなる画像(カラートナー画像)が形成される。中間転写ベルトは、複数のローラーに巻回されて回動する像担持体である。1次転写後、クリーニング部は、感光体上に残留するトナーを除去する。
【0051】
画像形成部33は、給紙部37の給紙トレイから給紙された用紙に、中間転写ベルト上のトナー画像を2次転写ローラーの位置に至るタイミングに合わせて、転写する。2次転写ローラーは、対をなす一方のローラーが中間転写ベルトに圧接し、他方が中間転写ベルトを巻き回す複数のローラーのうちの一つを構成している。画像形成部33は、2次転写ローラーの圧接により、中間転写ベルトから用紙上に画像(カラートナー画像)を転写(2次転写)すると、定着部に用紙を搬送して定着処理を施す。定着処理は、定着部の定着ローラーにより用紙を加熱及び加圧して画像を用紙に定着させる処理である。
【0052】
記憶部34は、HDD、SSDなどにより構成される不揮発性の記憶部であり、各種プログラムや各種設定データなどを制御部31から読み出し及び書き込み可能に記憶する。
【0053】
操作パネル35は、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部351と、ユーザーによる操作入力を受け付ける操作部352と、を備える。表示部351は、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、制御部31から入力される表示制御信号に従って、操作画面などを表示する。操作部352は、表示部351の画面上に設けられるタッチパネルと、表示部351の画面周囲に配置される各種ハードキーと、を備える。操作部352は、画面上に表示されたボタンが手指やタッチペンなどでタッチ入力された場合、タッチ入力された位置に対応付けられた操作信号を制御部31に出力する。また、操作部352は、ハードキーが押下された場合、押下されたハードキーに対応付けられた操作信号を制御部31に出力する。
【0054】
搬送部36は、複数のローラー対により構成され、給紙部37から供給された用紙を画像形成部33に搬送し、画像形成部33により画像形成が行われた用紙を排紙トレイに搬送する。また、搬送部36は、用紙の両面に画像を形成するための反転経路を有する。搬送部36は、画像形成部33により片面が画像形成された用紙を反転経路に搬送して用紙面を反転させた後、2次転写ローラーの位置へ当該用紙を搬送する。
【0055】
給紙部37は、複数の給紙トレイを備え、当該給紙トレイから画像形成部に用紙を供給する。各給紙トレイは、予め定められた紙種(高級紙、再利用紙、色紙など)やサイズ、の用紙が収納されている。
【0056】
通信部38は、画像形成装置30を通信ネットワークNに接続するインターフェースである。通信部38は、ネットワークカードなどで構成され、通信ネットワークNに有線又は無線で接続される。制御部31は、通信部38を介して、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNに接続されているPC20などの外部装置と各種情報の送受信を行う。
【0057】
また、画像形成装置30は、ページ集約印刷、高品質印刷、トナーセーブ印刷などの機能を有するものとする。ページ集約印刷は、複数のページ画像(面)を1枚の用紙の片面に集約(割付)して印刷する機能である。ページ集約印刷は、2つのページ画像を集約する「2in1」、4つのページ画像を集約する「4in1」などがある。また、1つのページ画像を用紙の片面に印刷することを「1in1」ともいう。高品質印刷は、トナーの使用量を抑制することなく高品質な印刷を行う機能である。トナーセーブ印刷は、トナーの使用量を抑制して印刷し節約する機能である。
【0058】
つぎに、図4を参照して、印刷する資料ファイル内に記憶されるファイル属性を説明する。図4は、ファイル属性情報400の構成を示す図である。
【0059】
ファイル属性情報は、印刷対象の資料ファイルの属性を示すファイル属性を含む情報である。ファイル属性情報は、特に資料ファイルの印刷に関する情報である。ファイル属性情報としては、ここでは例えば、図4に示すファイル属性情報400を用いる。
【0060】
ファイル属性情報400は、ファイル属性401と、印刷設定402と、のカラムを有するデータテーブルである。ファイル属性401は、資料ファイルの印刷指示者としての利用者の利用者属性に対応する属性情報である。ここでは、各利用者は、企業の社員であり、会議用の資料ファイルを自分の分のみ印刷するものとする。また、ファイル属性401は、役職であるものとする。ファイル属性401は、利用者に印刷させるファイルの印刷の重要度を示す情報でもある。
【0061】
ただし、ファイル属性401は、利用者属性としての役職に限定されるものではなく、利用者属性としての従業員番号や所属部署、入社年度、組織情報、血液型、受講番号、過去の成績などに対応してもよい。このように、ファイル属性401は、人(利用者)と紐づけられる情報であれば種類は問わない。また、ファイル属性401は、人の属性の他、組織、サービス種類、資料の種類など種類は問わない。
【0062】
印刷設定402は、ファイル属性401の重要度に対応する資料ファイルの印刷設定の内容情報である。例えば、印刷する利用者の役職が部長である場合に、ファイル属性401の「部長」に対応する印刷設定402の「カラー印刷、1in1印刷」が、当該利用者の印刷設定となる。ファイル属性401は、その内容(レコード)が異なると、対応する印刷設定402も異なる。印刷設定402は、印刷コストも互いに異なる。
【0063】
つぎに、図5図7を参照して、印刷システム1の動作を説明する。図5は、第1の属性付与処理を示すフローチャートである。図6は、第1の印刷指示処理を示すフローチャートである。図7は、第1の印刷指示処理におけるデータなどの流れを示すシーケンス図である。
【0064】
あらかじめ、所定の会議用に配信する資料ファイルが、当該会議の発表者により、当該発表者のPC20を用いて作成されて記憶部23にmo記憶されているものとする。つまり、発表者は、資料ファイルの編集者である。ただし、この時点では、当該資料ファイルのファイル属性は設定されていない。
【0065】
図5を参照して、発表者のPC20で実行される第1の属性付与処理を説明する。発表者のPC20において、操作部22を介して発表者から第1の属性付与処理の実行指示が入力される。当該実行指示の入力をトリガーとして、制御部21は、記憶部23に記憶された第1の属性付与プログラムに従い、第1の属性付与処理を実行する。
【0066】
図5に示すように、制御部21は、操作部22を介して発表者から、属性を付与する対象の資料ファイルの選択入力、配信先の入力を受け付ける(ステップS11)。ステップS11において、制御部21は、選択入力された資料ファイルを記憶部23から読み出す。配信先は、資料ファイルに対応する会議に参加する利用者である。
【0067】
制御部21は、操作部22を介して発表者から、資料ファイルのファイル属性の入力を受け付ける(ステップS12)。入力されるファイル属性は、例えば、ファイル属性401を含むファイル属性情報400である。
【0068】
制御部21は、ステップS21で入力されたファイル属性(情報)をステップS11で読み出された資料ファイルに付与(資料ファイル内に記憶)する(ステップS13)。ステップS13において、制御部21は、ファイル属性(情報)を含む資料ファイルを、記憶部23に記憶し、通信部25を介して、ステップS11で入力された配信先のPC20に配信する。制御部21は、第1の属性付与処理を終了する。
【0069】
ステップS13に対応して、参加者のPC20において、制御部21は、通信部25を介して、ファイル属性を含む資料ファイルを発表者のPC20から受信する。制御部21は、ファイル属性を含む資料ファイルを記憶部23に記憶する。
【0070】
ついで、図6及び図7を参照して、第1の印刷指示処理を説明する。利用者のPC20において、操作部22を介して利用者から第1の印刷指示処理の実行指示が入力される。当該実行指示の入力をトリガーとして、制御部21は、記憶部23に記憶された第1の印刷指示プログラムに従い、第1の印刷指示処理を実行する。
【0071】
図6及び図7に示すように、利用者のPC20において、制御部21は、操作部22を介して利用者から、印刷指示する対象の資料ファイルの選択入力を受け付ける(ステップS21)。ステップS21において、制御部21は、選択入力された資料ファイルを記憶部23から読み出す。
【0072】
制御部21は、操作部22を介して利用者から、当該利用者のユーザーIDの入力を受け付ける(ステップS22)。
【0073】
制御部21は、通信部25を介して、ステップS22で入力されたユーザーIDをサーバー10に送信する(ステップS23)。図7のステップS31に示すように、ステップS23に対応して、サーバー10の制御部は、ユーザーIDを利用者のPC20から受信する。サーバー10の制御部は、記憶部のデータテーブルを用いて、受信したユーザーIDに対応する属性を利用者属性として取得する。サーバー10の制御部は、取得した利用者属性を利用者のPC20に送信する。ステップS23において、制御部21は、通信部25を介して、利用者属性をサーバー10から受信して取得する。
【0074】
制御部21は、ステップS21で読み出された資料ファイルからファイル属性を読み出して取得する(ステップS24)。ステップS24では、例えば、資料ファイル内のファイル属性情報400のファイル属性401が読み出される。制御部21は、ステップS23で取得した利用者属性と、ステップS24で取得したファイル属性と、を比較する(ステップS25)。制御部21は、ステップS25の比較結果から印刷設定を決定する(ステップS26)。
【0075】
ステップS25では、例えば、利用者属性としての「部長」と、ファイル属性401と、が比較されたものとする。この場合に、ステップS26では、利用者属性「部長」のファイル属性401に対応する印刷設定402の「カラー印刷、1in1印刷」が決定される。
【0076】
制御部21は、通信部25を介して、資料ファイルと、ステップS26で決定した印刷設定とを画像形成装置30に送信して印刷を指示する(ステップS27)。第1の印刷指示処理は、終了される。図7のステップS32に示すように、ステップS27に対応して、制御部31は、通信部38を介して、印刷指示として資料ファイル及び印刷設定を利用者のPC20から受信する。制御部31は、受信した資料ファイルを用いて、受信した印刷設定に従い、画像形成部33、搬送部36、給紙部37などを制御して、用紙に画像を形成する。
【0077】
以上、本実施の形態によれば、PC20は、制御部21を備える。制御部21は、第1属性としてのファイル属性が付与されている資料ファイルを印刷指示する利用者に関する第2属性としての利用者属性をサーバー10から取得する。制御部21は、ファイル属性と利用者属性とに基づいて、資料ファイルの印刷設定を決定する。
【0078】
このため、資料ファイル内のファイル属性を用いて、利用者の属性に合った印刷設定の印刷を容易に行うことができる。また、利用者の属性に対応するコストの印刷設定を行うことにより、一律に高い印刷コストの印刷を行う構成に比べて、印刷コストを抑えることができる。さらに、一律に低いコストを行う構成に比べて、各利用者に適切な品質で印刷できる。
【0079】
資料ファイルは、複数のファイル属性が付与される。制御部21は、利用者属性に対応する1つのファイル属性に基づいて、資料ファイルの印刷設定を決定する。このため、複数の利用者それぞれの属性に合った印刷設定の印刷を容易に行うことができる。
【0080】
ファイル属性は、印刷の重要度に関する属性である。このため、複数の利用者それぞれの属性に合った重要度の印刷設定の印刷を容易に行うことができる。
【0081】
ファイル属性は、利用者属性ごとに異なる印刷設定に対応する。このため、複数の利用者それぞれの属性に合った印刷設定の印刷を容易に行うことができる。
【0082】
制御部21は、ファイル属性と利用者属性とに基づいて、印刷コストの異なる印刷設定を決定する。このため、一律に高い印刷コストの印刷を行う構成に比べて、印刷コストを抑えることができる。さらに、一律に低いコストを行う構成に比べて、各利用者に適切な品質で印刷できる。
【0083】
制御部21は、ファイル属性を資料ファイルに付与する。より具体的には、制御部21は、操作部22を介してファイル属性の操作入力を受け付け、操作入力されたファイル属性を資料ファイルに付与する。このため、操作入力により、ファイル属性を資料ファイルに容易に付与できる。
【0084】
印刷システム1は、PC20と、画像形成装置30と、を備える。画像形成装置30は、PC20で決定された印刷設定に基づいて、資料ファイルを印刷する。このため、利用者の属性に合った印刷設定の印刷を容易に行うことができる。また、印刷コストを抑えることができる。
【0085】
(第2の実施の形態)
図8図12を参照して、本発明の第2の実施の形態を説明する。図8は、印刷設定テーブル500の構成を示す図である。図9は、第2の属性付与処理を示すフローチャートである。図10は、第2の印刷指示処理を示すフローチャートである。図11は、ページ属性設定画面600を示す図である。図12は、資料ファイルF2のページ属性の自動付与を示す図である。
【0086】
上記の第1の実施の形態は、資料ファイルごとに属性を付与する構成であった。本実施の形態は、資料ファイルのページごとに属性を付与する構成である。
【0087】
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態と同様に、印刷システム1を使用する。ただし、PC20の記憶部23には、第1の属性付与プログラム、第1の印刷指示プログラムに代えて、第2の属性付与プログラム、第2の印刷指示プログラムが記憶される。第2の属性付与プログラムは、後述する第2の属性付与処理を実行するためのプログラムである。第2の印刷指示プログラムは、後述する第2の印刷指示処理を実行するためのプログラムである。
【0088】
ついで、図8を参照して、印刷する資料ファイル内に記憶されるページ属性情報を説明する。
【0089】
ページ属性情報は、印刷対象の資料ファイルの各ページの属性を示す情報であって、特に各ページの印刷に関する属性情報である。ページ属性情報は、ページ属性と、印刷設定テーブル500と、番号と、を含む。ページ属性は、ページごとに設定された属性情報であって、かつ利用者属性がとりうる属性情報である。ページ属性は、ここでは例えば所属部署であるものとする。
【0090】
図8を参照して、印刷設定テーブル500を説明する。印刷設定テーブル500は、番号501、第1印刷設定511、第2印刷設定512のカラムを有するデータテーブルである。番号501は、印刷設定テーブル500のレコードの番号である。第1印刷設定511は、利用者属性がページ属性と同じ場合の印刷設定の内容情報である。第2印刷設定512は、利用者属性がページ属性と異なる場合の印刷設定の内容情報である。第1印刷設定511は、第2印刷設定512に比べて、印刷の重要度及び印刷コストが高いものとする。ページ属性情報の番号は、番号501のうち、印刷設定に採用する番号を示す。
【0091】
印刷設定テーブル500では、ページごとの印刷設定のカラムが、第1印刷設定511、第2印刷設定512の2つのカラムの例である。しかし、印刷設定テーブル500のページごとの印刷設定のカラムを3以上としてもよい。この場合、利用者属性とページ属性との比較を、複数の比較処理の組合せによって構成し、3つ以上の比較結果に分岐されるようにする。
【0092】
また、第1印刷設定511、第2印刷設定512は、利用者属性とページ属性とが同じであるか否かにより分けられている。この同じであるか否かは、完全一致に限定されるものではなく、部分一致、数値の等号又は不等号など、演算できる方法であれば何でも構わない。
【0093】
つぎに、図9図12を参照して、印刷システム1の動作を説明する。あらかじめ、所定の会議用に配信する資料ファイルが、当該会議での発表者により、当該発表者のPC20を用いて作成されて記憶部23に記憶されているものとする。ただし、この時点では、当該資料ファイルのページ属性は設定されていない。
【0094】
図9を参照して、発表者のPC20で実行される第2の属性付与処理を説明する。発表者のPC20において、操作部22を介して発表者から第2の属性付与処理の実行指示が入力される。当該実行指示の入力をトリガーとして、制御部21は、記憶部23に記憶された第2の属性付与プログラムに従い、第2の属性付与処理を実行する。
【0095】
第2の属性付与処理のステップS41は、図5の第1の属性付与処理のステップS21と同様である。制御部21は、ページ属性設定画面を表示部24に表示する(ステップS43)。ステップS43では、例えば、図11に示すページ属性設定画面600が表示される。
【0096】
ページ属性設定画面600は、ファイル表示欄610と、ページ属性入力欄620と、閉じるボタン630と、保存ボタン640と、を有する。ファイル表示欄610は、ページ属性設定対象の資料ファイルF1の1つのページを表示する領域である。ページ属性入力欄620は、ファイル表示欄610に表示中の資料ファイルF1のページのページ属性の入力を受け付ける領域である。閉じるボタン630は、ページ属性設定画面600を閉じて第2の属性付与処理を終了する入力を受け付けるボタンである。保存ボタン640は、ファイル表示欄610に表示中の資料ファイルにページ属性を含めて保存する入力を受け付けるボタンである。
【0097】
制御部21は、ステップS41で読み出された資料ファイルのiページ目をファイル表示欄610に表示する(ステップS44)。ステップS44において、制御部21は、操作部22を介して発表者から、ページ属性入力欄620へのiページ目のページ属性の入力を受け付ける。
【0098】
制御部21は、iページ目が、資料ファイルの最終ページに対応するか否かを判別する(ステップS45)。最終ページに対応しない場合(ステップS45;NO)、制御部21は、変数iを1インクリメントし(ステップS46)、ステップS44に移行する。
【0099】
最終ページに対応する場合(ステップS45;YES)、制御部21は、操作部22を介して発表者から、保存ボタン640がクリック入力されたか否かを判別する(ステップS47)。保存ボタン640が入力されていない場合(ステップS45;NO)、処理はステップS47に移行される。
【0100】
保存ボタン640が入力された場合(ステップS47;YES)、制御部21は、ステップS44で入力されたページ属性を、表示中の資料ファイルに付与する(ステップS48)。ステップS48において、制御部21は、ページ属性を含む資料ファイルを、記憶部23に記憶し、通信部25を介して、会議の参加者としての利用者のPC20に配信する。制御部21は、第2の属性付与処理を終了する。
【0101】
上記の第2の属性付与処理は、i=1からページの昇順にページ属性を入力する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、ページ属性を入力するページ(の数値)を発表者が任意に選択入力し、選択されたページのページ属性が順次入力される構成としてもよい。
【0102】
また、上記の第2の属性付与処理は、発表者が手動でページ属性を入力して設定したが、これに限定されない。ステップS44では、iページ目のページ属性を自動で入力する構成としてもよい。
【0103】
例えば、図12に示すように、資料ファイルF2のページP2に最も大きい文字の文字列「営業3課」が含まれるものとする。資料ファイルF2のページP3に最も大きい文字の文字列「営業4課」が含まれるものとする。ここでは、所属部署が、ページ属性の候補である。ステップS44で、制御部21は、例えばページP2の文字情報を読み出し、又はOCR(Optical Character Recognition)により読み取り取得する。制御部21は、取得した文字情報からページ属性の候補の部署の文字列「営業3課」を抽出し、ページ属性として取得する。ページP3も同様にして、ページ属性「営業4課」が取得される。ステップS47で、取得されたページ属性「営業3課」、「営業4課」は、資料ファイルF2に付与されて記憶される。
【0104】
ついで、図10を参照して、第2の印刷指示処理を説明する。利用者のPC20において、操作部22を介して利用者から第2の印刷指示処理の実行指示が入力される。当該実行指示の入力をトリガーとして、制御部21は、記憶部23に記憶された第2の印刷指示プログラムに従い、第2の印刷指示処理を実行する。
【0105】
第2の印刷指示処理のステップS51~S53は、図6の第1の印刷指示処理のステップS21~S23と同様である。制御部21は、ステップS51で読み出された資料ファイルのページの変数i=1を設定する(ステップS54)。制御部21は、iページ目のページ属性を含むページ属性情報を、資料ファイルから読み出して取得する(ステップS55)。
【0106】
制御部21は、ステップS53で取得した利用者属性と、ステップS55で取得したページ属性情報中のページ属性と、が等しいか否かを判別する(ステップS56)。利用者属性とページ属性とが等しい場合(ステップS56;YES)、制御部21は、ページ属性情報中の印刷設定テーブル500、番号を取得する(ステップS57)。ステップS57において、制御部21は、印刷設定テーブル500の第1印刷設定511のうち、取得した番号501に対応するレコードを、iページ目の印刷設定に決定する。
【0107】
利用者属性とページ属性とが等しくない場合(ステップS56;NO)、制御部21は、ページ属性情報中の印刷設定テーブル500、番号を取得する(ステップS58)。ステップS58において、制御部21は、印刷設定テーブル500の第2印刷設定512のうち、取得した番号501に対応するレコードを、iページ目の印刷設定に決定する。
【0108】
ステップS56では、例えば、利用者属性「営業1課」と、ページ属性「営業1課」とが比較され、ステップS57に移行されたものとする。ここで、ページ属性情報に番号「2,3」が含まれている場合に、ステップS57で、第1印刷設定511の番号501が「2」、「3」の印刷設定「カラー印刷、1in1印刷」が決定される。
【0109】
制御部21は、通信部25を介して、資料ファイルのiページ目のページデータと、iページ目の印刷設定とを画像形成装置30に送信して印刷を指示する(ステップS59)。iページ目の印刷設定は、ステップS57又はS58で決定されたものである。ステップS59に対応して、制御部31は、通信部38を介して、印刷指示としてiページ目のページデータ及び印刷設定を利用者のPC20から受信する。制御部31は、受信したページデータを用いて、受信した印刷設定に従い、画像形成部33、搬送部36、給紙部37などを制御して、iページ目の用紙に画像を形成する。
【0110】
制御部21は、iページ目が、資料ファイルの最終ページに対応するか否かを判別する(ステップS60)。最終ページに対応しない場合(ステップS60;NO)、制御部21は、変数iを1インクリメントし(ステップS61)、ステップS55に移行する。最終ページに対応する場合(ステップS60;NO)、第2の印刷指示処理が終了される。
【0111】
以上、本実施の形態によれば、第1属性としてのページ属性は、資料ファイルのページごとに付与される。制御部21は、ページ属性と利用者属性とに基づいて、資料ファイルの印刷設定をページごとに決定する。このため、ページごとに利用者の属性に合った印刷設定の印刷を容易に行うことができる。また、ページごとに印刷コストを抑えることができる。
【0112】
制御部21は、利用者属性がページ属性に一致する場合に、高い印刷コストの第1印刷設定を決定し、一致しない場合に、低い印刷コストの第2印刷設定に決定する。このため、ページ属性に一致する利用者属性の利用者に高い印刷コストで印刷し、一致しない利用者に低い印刷コストで印刷する。全体として、印刷コストを抑えることができる。
【0113】
制御部21は、印刷有無、印刷色、1枚の用紙への割り付け面数、用紙種類、トナー抑制有無の少なくとも1つを変更して印刷設定を決定する。印刷色は、例えば、カラー印刷、モノクロ印刷である。1枚の用紙への割り付け面数は、例えば、1in1、4in1、片面、両面である。用紙種類は、例えば、高級紙、再利用紙である。トナー抑制有無は、例えば、高品質印刷、トナーセーブ印刷である。このため、印刷設定を任意かつ適切に決定して、利用者の属性により合った印刷設定の印刷を容易に行うことができる。また、印刷コストをより抑えることができる。
【0114】
制御部21は、操作部22を介してページ属性の操作入力を受け付け、操作入力されたページ属性を資料ファイルに付与する。このため、操作入力により、ページ属性を資料ファイルに容易に付与できる。
【0115】
制御部21は、資料ファイルからページ属性を抽出して当該資料ファイルに付与する。このため、ページ属性を資料ファイルに自動で付与でき、発表者の作業負担を低減できる。
【0116】
なお、図12で資料ファイルF2のページから取得する対象は文字に限らず、画像(に対応する文字列)でもよい。例えば、ページP2の画像が鳥であるので、ページ属性として「鳥」が取得される。ページP3の画像が鳥であるので、ページ属性として「鳥」が取得される。
【0117】
また、ページ属性は、資料ファイルの各ページに1つずつ付与される構成としたが、これに限定されるものではない。第1の実施の形態と同様に、資料ファイルの各ページに複数付与される構成としてもよい。
【0118】
(第3の実施の形態)
図13図21を参照して、本発明の第3の実施の形態を説明する。図13は、ファイル閲覧画面700を示す図である。図14は、第3の属性付与処理を示すフローチャートである。図15は、第3の印刷指示処理を示すフローチャートである。図16は、動画ファイルM1の顔画像データM11からのページ属性の取得を示す図である。図17は、動画ファイルM1の声紋データM12からのページ属性の取得を示す図である。図18は、動画ファイルM1の文字データM13からのページ属性の取得を示す図である。図19は、動画ファイルM1の文字データM14からのページ属性の取得を示す図である。図20は、動画ファイルM1の文字データM15からのページ属性の取得を示す図である。図21は、動画ファイルM1の音量レベルM16からのページ属性の取得を示す図である。
【0119】
上記第1、第2の実施の形態では、企業内(社内)のこれから行う会議用の資料を印刷するための資料ファイルを用いる構成であった。本実施の形態では、既に行った社内の講義を撮影した動画ファイルと、当該講義用の資料を印刷するための資料ファイルと、を関連付けて用いる構成である。
【0120】
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態と同様に、印刷システム1を使用する。ただし、PC20の記憶部23には、第1の属性付与プログラム、第1の印刷指示プログラムに代えて、第3の属性付与プログラム、第3の印刷指示プログラムが記憶される。第3の属性付与プログラムは、後述する第3の属性付与処理を実行するためのプログラムである。第3の印刷指示プログラムは、後述する第3の印刷指示処理を実行するためのプログラムである。
【0121】
図13を参照して、本実施の形態の資料ファイルと動画ファイルとの関連付けを説明する。あらかじめ、社内の講義が行われて撮影機器(図示略)により動画撮影され、講義の音声付きの動画ファイルが生成されているものとする。講義では、企業の社員である講師が口頭で説明をしている。講師は、自分のPC20を用いて、講義を動画で視聴する際の参照用の資料の資料ファイルを作成する。さらに、講師は、自分のPC20を用いて、動画ファイルの複数フレームに、各フレームでの説明に対応する資料ファイルの該当ページを当該各フレームに貼り付ける。
【0122】
上記のように生成された動画ファイル及び資料ファイルは、講義を視聴する視聴者としての利用者のPC20に配信される。利用者のPC20において、動画ファイル及び資料ファイルは、表示部24のファイル閲覧画面に表示される。例えば、図13に示すように、ファイル閲覧画面700に、動画ファイルM1及び資料ファイルF3が表示されるものとする。
【0123】
ファイル閲覧画面700は、動画視聴ウインドウ710と、資料閲覧ウインドウ720と、を有する。動画視聴ウインドウ710及び資料閲覧ウインドウ720は、例えば、利用者の操作入力により、大きさ及び位置を自在に調整してファイル閲覧画面700に配置できる。
【0124】
動画視聴ウインドウ710は、動画ファイル表示欄711と、各種ボタン712と、を有する。動画ファイル表示欄711は、動画ファイルM1などの動画ファイルを再生する表示欄である。動画ファイルM1の各フレームには、当該フレームに対応する資料ファイルF3の表示画面を小さくした資料ファイルF3aのページP4が貼り付けられている。各種ボタン712は、動画ファイル表示欄711の動画ファイルの再生、一時停止、早送り、巻き戻しなどの機能の実行指示の入力を受け付ける。
【0125】
資料閲覧ウインドウ720は、動画視聴ウインドウ710に表示中の動画ファイルに関連付けられた、資料ファイルF3などの資料ファイルを表示するウインドウである。表示中の動画ファイルM1内の資料ファイルF3aのページP4と、資料ファイルF3のページP4とは、利用者の操作入力により、同じにされる。表示中の動画ファイルM1が再生により進んでいくと、資料ファイルF3aのページも変化する。なお、資料ファイルF3aのページが変化すると、表示中の資料ファイルF3のページも同じページに自動的に切り替わる構成としてもよい。
【0126】
つぎに、図14図21を参照して、印刷システム1の動作を説明する。あらかじめ、所定の講義が撮影されて動画ファイルが生成されているものとする。また、当該講義用に配信する資料ファイルが、当該講義の講師により、当該講師のPC20を用いて作成されている。また、生成された動画ファイル及び資料ファイルは、記憶部23に記憶されている。つまり、講師は、資料ファイルの編集者である。ただし、この時点では、当該資料ファイルのページ属性は設定されていない。
【0127】
図14を参照して、講師のPC20で実行される第3の属性付与処理を説明する。講師のPC20において、操作部22を介して講師から第3の属性付与処理の実行指示が入力される。当該実行指示の入力をトリガーとして、制御部21は、記憶部23に記憶された第3の属性付与プログラムに従い、第3の属性付与処理を実行する。
【0128】
第3の属性付与処理のステップS71は、図9の第2の属性付与処理のステップS41と同様である。制御部21は、操作部22を介して講師から、利用者属性に従い印刷する入力がされたか否かにより、利用者属性に従い印刷するか否かを判別する(ステップS72)。利用者属性に従い印刷しない場合(ステップS72;NO)、制御部21は、通信部25を介して、当該資料ファイルを利用者のPC20に配信する(ステップS73)。制御部21は、第3の属性付与処理を終了する。
【0129】
利用者属性に従い印刷する場合(ステップS72;YES)、制御部21は、資料ファイルのページ数が、所定ページ数以上であるか否かを判別する(ステップS74)。所定ページ数は、利用者属性に従う印刷を行うことで所定量のコスト削減の効果が見込めるか否かを示すページ数の閾値である。所定ページ数未満である場合(ステップS74;NO)、処理はステップS73に移行される。所定ページ数以上である場合(ステップS74;YES)、制御部21は、ステップS75を実行する。ステップS75は、図9のステップS43と同様である。制御部21は、記憶部23に記憶されている動画ファイルを読み出し、当該動画ファイルに貼り付けられたiページ目のページに対応する動画部分を抽出する(ステップS76)。ステップS76において、制御部21は、抽出した動画部分を解析してページ属性を取得する。
【0130】
ここで、ステップS76の動画ファイルの解析方法の6つの例を説明する。図16を参照して、第1の解析方法を説明する。ここでは、ページ属性は、所属部署とする。第1の解析方法では、サーバー10が、社員の顔画像の照合機能と、照合した社員の属性情報の検索機能と、を有するものとする。ステップS73において、制御部21は、読み出した動画ファイルM1の抽出した動画部分のフレーム内の講師の顔画像データM11を切り出す。制御部21は、通信部25を介して、顔画像データM11をサーバー10に送信する。
【0131】
サーバー10の制御部は、顔画像データM11を受信し、顔画像データM11を、自機に記憶している社員の顔画像データベースの各画像データと照合する。サーバー10の制御部は、照合で一致した顔画像データD1を取得する。サーバー10の制御部は、取得した顔画像データD1に対応する属性情報D11を、自機に記憶している社員の属性情報データベースから取得する。サーバー10の制御部は、属性情報D11を講師のPC20に送信する。講師のPC20において、制御部21は、属性情報D11を受信し、属性情報D11内の「営業6課」をページ属性にする。
【0132】
図17を参照して、第2の解析方法を説明する。ここでは、ページ属性は、所属部署とする。第2の解析方法では、サーバー10が、社員の音声の声紋の照合機能と、照合した社員の属性情報の検索機能と、を有するものとする。ステップS73において、制御部21は、読み出した動画ファイルM1の抽出した動画部分の音声の声紋データM12を取得する。図17の動画ファイルM1における声紋は、分かりやすくするために図示したものであり、実際には表示されない。制御部21は、通信部25を介して、声紋データM12をサーバー10に送信する。
【0133】
サーバー10の制御部は、声紋データM12を受信し、声紋データM12を、自機に記憶している社員の声紋データベースの各声紋データと照合する。サーバー10の制御部は、照合で一致した声紋データD2を取得する。サーバー10の制御部は、取得した声紋データD2に対応する属性情報D11を、自機に記憶している社員の属性情報データベースから取得する。サーバー10の制御部は、属性情報D11を講師のPC20に送信する。講師のPC20において、制御部21は、属性情報D11を受信し、属性情報D11内の「営業6課」をページ属性にする。
【0134】
図18を参照して、第3の解析方法を説明する。ここでは、ページ属性は、所属部署とする。第3の解析方法では、サーバー10が、文字情報から、あらかじめ登録されたページ情報を抽出する抽出機能を有するものとする。ステップS73において、制御部21は、読み出した動画ファイルM1の抽出した動画部分の音声データを解析して文字データM13を取得する。図18の動画ファイルM1における吹き出しは、分かりやすくするために図示したものであり、実際には表示されない。制御部21は、通信部25を介して、文字データM13をサーバー10に送信する。
【0135】
サーバー10の制御部は、文字データM13を受信し、文字データM13を、自機に記憶しているページ属性候補である予約語データベースD3の各予約語と照合する。サーバー10の制御部は、照合で一致した予約語「営業6課」をページ属性として取得する。サーバー10の制御部は、ページ属性を講師のPC20に送信する。講師のPC20において、制御部21は、ページ属性「営業6課」を受信する。
【0136】
図19を参照して、第4の解析方法を説明する。ここでは、ページ属性を、印刷設定そのものとする。第4の解析方法では、サーバー10が、文字データのキーワードから、あらかじめ登録された印刷設定を検索する検索機能を有するものとする。ステップS73において、制御部21は、読み出した動画ファイルM1の抽出した動画部分の音声データを解析して文字データM14を取得する。図19の動画ファイルM1における吹き出しは、分かりやすくするために図示したものであり、実際には表示されない。制御部21は、通信部25を介して、文字データM14をサーバー10に送信する。
【0137】
サーバー10の制御部は、文字データM14を受信し、文字データM14のキーワードを、自機に記憶している印刷設定候補である予約語データベースD4の各予約語と照合する。サーバー10の制御部は、照合で一致した予約語「カラー印刷」をページ属性(印刷設定)として取得する。サーバー10の制御部は、ページ属性を講師のPC20に送信する。講師のPC20において、制御部21は、ページ属性(印刷設定)「カラー印刷」を受信する。
【0138】
図20を参照して、第5の解析方法を説明する。ここでは、ページ属性を、印刷設定そのものとする。第5の解析方法では、サーバー10が、文字データのキーワードから、あらかじめ登録された予約語に対応する印刷設定を検索する検索機能を有するものとする。ステップS73において、制御部21は、読み出した動画ファイルM1の抽出した動画部分の音声データを解析して文字データM15を取得する。図20の動画ファイルM1における吹き出しは、分かりやすくするために図示したものであり、実際には表示されない。制御部21は、通信部25を介して、文字データM15をサーバー10に送信する。
【0139】
サーバー10の制御部は、文字データM15を受信し、文字データM15のキーワードを、自機に記憶している予約語-印刷設定データベースD5の各予約語と照合する。サーバー10の制御部は、照合で一致した予約語「試験に出る」に対応する印刷設定「カラー印刷」を取得する。サーバー10の制御部は、ページ属性を講師のPC20に送信する。講師のPC20において、制御部21は、ページ属性(印刷設定)「カラー印刷」を受信する。
【0140】
図21を参照して、第6の解析方法を説明する。ここでは、ページ属性を、印刷設定そのものとする。第6の解析方法では、サーバー10が、音量レベルから、あらかじめ登録された印刷設定を検索する検索機能を有するものとする。ステップS73において、制御部21は、読み出した動画ファイルM1の抽出した動画部分の音声データの音量を解析して音量レベルM16を取得する。図21の動画ファイルM1における音声のマークは、分かりやすくするために図示したものであり、実際には表示されない。制御部21は、通信部25を介して、音量レベルM16をサーバー10に送信する。
【0141】
サーバー10の制御部は、音量レベルM16を受信し、音量レベルM16を、自機に記憶している音量レベル-印刷設定データベースD6の各音量レベルと照合する。サーバー10の制御部は、照合で一致した音量レベル「音量レベル3」に対応する印刷設定「1in1」を取得する。サーバー10の制御部は、ページ属性を講師のPC20に送信する。講師のPC20において、制御部21は、ページ属性(印刷設定)「1in1印刷」を受信する。
【0142】
図14に戻り、ステップS77~S79は、図9のステップS45,S46,S48に対応する。
【0143】
ついで、図15を参照して、利用者のPC20で実行される第3の印刷指示処理を説明する。利用者のPC20において、操作部22を介して利用者から第3の印刷指示処理の実行指示が入力される。当該実行指示の入力をトリガーとして、制御部21は、記憶部23に記憶された第3の印刷指示プログラムに従い、第3の印刷指示処理を実行する。
【0144】
第3の印刷指示処理のステップS81は、図10の第2の印刷指示処理のステップS51と同様である。制御部21は、ステップS81で読み出された資料ファイルにページ属性があるか否かを判別する(ステップS82)。ページ属性がない場合(ステップS82;NO)、制御部21は、通常の印刷を指示し(ステップS83)、第3の印刷指示処理を終了する。ステップS83では、制御部21は、操作部22を介して利用者から、ステップS81で読み出された資料ファイルの印刷設定の入力を受け付ける。制御部21は、通信部25を介して、入力された印刷設定及び資料ファイルを画像形成装置30に送信する。
【0145】
ステップS84,S85は、図10のステップS52、S53と同様である。利用者属性がある場合(ステップS82;YES)、制御部21は、ステップS86を実行する。ステップS86,S87は、図10のステップS54,S55と同様である。
【0146】
制御部21は、ステップS87で取得されたページ属性が印刷設定であるか否かを判別する(ステップS88)。ページ属性が印刷設定であるケースは、例えば、図19図21で説明したケースである。ページ属性が印刷設定である場合(ステップS88;YES)、制御部21は、iページ目をステップS87で取得された印刷設定に決定する(ステップS89)。
【0147】
ページ属性が印刷設定でない場合(ステップS88;NO)、制御部21は、ステップS90を実行する。ステップS90~S95は、図10のステップS56~S61と同様である。
【0148】
以上、本実施の形態によれば、制御部21は、資料ファイルに関連付けられた動画ファイルからページ属性を取得して資料ファイルに付与する。このため、動画ファイルのページ属性に基づき、利用者の属性に合った印刷設定の印刷を容易に行うことができる。
【0149】
制御部21は、動画ファイルのフレーム画像データから動画内の人物(講師)を特定し、特定した人物に対応するページ属性を取得して資料ファイルに付与する。あるいは、制御部21は、動画ファイルの音声の声紋データから動画内の人物(講師)を特定し、特定した人物に対応するページ属性を取得して資料ファイルに付与する。このため、動画ファイルの動画内の講師に対応するページ属性に基づき、利用者の属性に合った印刷設定の印刷を容易に行うことができる。
【0150】
制御部21は、動画ファイルの音声データの音声内容又は音量から印刷設定を決定し、決定した印刷特性をページ属性として資料ファイルに付与する。このため、動画ファイルの音声内容又は音量に基づく印刷設定を直接付与でき、動画の音声内容又は音量に合った印刷設定の印刷を容易に行うことができる。
【0151】
制御部21は、ページ属性及び利用者属性に従う印刷を行うか否かの操作入力を受け付ける。制御部21は、ページ属性及び利用者属性に従う印刷を行う場合に、ページ属性を資料ファイルに付与する。このため、ページ属性及び利用者属性に従う印刷を行うか否かを容易に設定できる。
【0152】
制御部21は、資料ファイルのページ数が所定数以上の場合に、ページ属性を資料ファイルに付与する。このため、印刷コストの抑制効果が高くなる場合に、利用者の属性に合った印刷設定の印刷を容易に行うことができ、印刷コストの抑制効果を高くできる。
【0153】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体として記憶部23(HDD、SSD)を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリー、CD-ROMなどの可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0154】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る印刷制御装置、印刷システムの一例であり、これに限定されるものではない。例えば、上記各実施の形態の少なくとも2つを適宜組み合わせる構成としてもよい。
【0155】
また、上記実施の形態では、企業における会議、講義における資料ファイルの印刷のケースを説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本願の技術を、予備校などにおける講義における資料ファイルの印刷のケースに適用する構成としてもよい。このケースでは、利用者が受講生となる。利用者属性は、受講教科、苦手教科、学習レベルなどとする。
【0156】
また、上記第3の実施の形態において、例えば動画ファイルの動画中で講師が繰り返し説明しているページを、印刷の重要度が高いページ属性としてもよい。講師が繰り返し説明しているページは、例えば、そのページの用語が音声データから繰り返し検出する場合や、ページの説明時間が所定時間よりも長い場合のページとする。
【0157】
その他、上記実施の形態における印刷システム1の細部構成及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0158】
1 印刷システム
10 サーバー
20 PC
21 制御部
22 操作部
23 記憶部
24 表示部
25 通信部
B1 バス
30 画像形成装置
31 制御部
32 画像読取部
33 画像形成部
34 記憶部
35 操作パネル
351 表示部
352 操作部
36 搬送部
37 給紙部
38 通信部
B2 バス
N 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21