IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-水電解システム 図1
  • 特開-水電解システム 図2
  • 特開-水電解システム 図3
  • 特開-水電解システム 図4
  • 特開-水電解システム 図5
  • 特開-水電解システム 図6
  • 特開-水電解システム 図7
  • 特開-水電解システム 図8
  • 特開-水電解システム 図9A
  • 特開-水電解システム 図9B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165315
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】水電解システム
(51)【国際特許分類】
   C25B 9/00 20210101AFI20241121BHJP
   C25B 1/02 20060101ALI20241121BHJP
   C25B 9/67 20210101ALI20241121BHJP
   C25B 9/77 20210101ALI20241121BHJP
   C25B 15/08 20060101ALI20241121BHJP
   C25B 15/021 20210101ALI20241121BHJP
   C25B 15/023 20210101ALI20241121BHJP
   C01B 3/02 20060101ALI20241121BHJP
   C01B 13/02 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
C25B9/00 A
C25B1/02
C25B9/67
C25B9/77
C25B15/08 302
C25B15/021
C25B15/023
C01B3/02 H
C01B13/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081420
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004314
【氏名又は名称】弁理士法人青藍国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100163463
【弁理士】
【氏名又は名称】西尾 光彦
(72)【発明者】
【氏名】寺山 健
(72)【発明者】
【氏名】朝澤 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】可児 幸宗
【テーマコード(参考)】
4G042
4K021
【Fターム(参考)】
4G042BA09
4G042BB04
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC01
4K021BC04
4K021BC05
4K021BC07
4K021CA08
4K021CA09
4K021CA11
4K021CA12
4K021CA13
4K021DB04
4K021DB31
4K021DB43
4K021DB53
4K021DC01
4K021DC03
4K021EA06
(57)【要約】
【課題】電力消費を抑制しつつ水電解システムにおける水を加熱する観点から有利な水電解システムを提供する。
【解決手段】水電解システム1aは、水電解スタック11と、燃焼器15とを備えている。水電解スタック11は、水を電気分解して水素ガスを発生させる。燃焼器15は、水電解スタック11で発生した水素ガスを燃焼させる。水電解システム1aにおいて、燃焼器15で生じた燃焼熱を用いて水電解スタック11での電気分解に供される水が加熱される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を電気分解して水素ガスを発生させる少なくとも1つの水電解スタックと、
前記水電解スタックで発生した水素ガスを燃焼させる燃焼器と、を備え、
前記燃焼器で生じた燃焼熱を用いて前記水を加熱する、
水電解システム。
【請求項2】
前記水の加熱が可能な熱交換器を備え、
前記燃焼器から排出される燃焼排ガス及び前記燃焼器から排出される液水からなる群より選ばれる少なくとも1つが前記熱交換器に供給される、
請求項1に記載の水電解システム。
【請求項3】
前記水の加熱が可能な熱交換器を備え、
前記燃焼器から排出される燃焼排ガス及び前記燃焼器から排出される液水からなる群より選ばれる少なくとも1つによって加熱された熱媒体が前記熱交換器に供給される、
請求項1に記載の水電解システム。
【請求項4】
前記水電解スタックで発生した前記水素ガスが流れる第一排気路と、
前記第一排気路に設けられた第一気液分離器と、
前記第一気液分離器で分離された水を前記少なくとも1つの水電解スタックに供給する第一供給路と、を備え、
前記燃焼熱を用いて前記第一気液分離器で分離された前記水が加熱される、
請求項1から3のいずれか1項に記載の水電解システム。
【請求項5】
前記水電解スタックで発生した前記水素ガスが流れる第一排気路と、
前記第一排気路に設けられた第一気液分離器と、を備え、
前記第一気液分離器で分離された前記水素ガスが前記燃焼器に供給される、
請求項1から4のいずれか1項に記載の水電解システム。
【請求項6】
前記水電解スタックで発生した前記水素ガスを貯蔵する水素貯蔵器を備え、
前記水素貯蔵器の内部の前記水素ガスが前記燃焼器に供給される、
請求項1から5のいずれか1項に記載の水電解システム。
【請求項7】
前記水電解スタックで発生した酸素ガスが流れる第二排気路と、
前記第二排気路に設けられた第二気液分離器と、
前記第二気液分離器で分離された水を前記少なくとも1つの水電解スタックに供給する第二供給路と、を備え、
前記燃焼熱を用いて前記第二気液分離器で分離された前記水が加熱される、
請求項1から6のいずれか1項に記載の水電解システム。
【請求項8】
前記水電解スタックで発生した酸素ガスが前記燃焼器に供給され、
前記燃焼器は、前記水電解スタックで発生した前記水素ガス及び前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスを用いて燃焼を生じさせる、
請求項1から7のいずれか1項に記載の水電解システム。
【請求項9】
前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスが流れる第二排気路と、
前記第二排気路に設けられた第二気液分離器と、を備え、
前記第二気液分離器で分離された前記酸素ガスが前記燃焼器に供給される、
請求項8に記載の水電解システム。
【請求項10】
前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスを貯蔵する酸素貯蔵器を備え、
前記酸素貯蔵器の内部の前記酸素ガスが前記燃焼器に供給される、
請求項8に記載の水電解システム。
【請求項11】
前記燃焼器から排出される燃焼排ガス及び前記燃焼器から排出される液水からなる群より選ばれる少なくとも1つが前記第一気液分離器に供給される、
請求項4に記載の水電解システム。
【請求項12】
前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスが流れる第二排気路と、
前記第二排気路に設けられた第二気液分離器と、を備え、
前記燃焼器から排出される燃焼排ガス及び前記燃焼器から排出される液水からなる群より選ばれる少なくとも1つが前記第二気液分離器に供給される、
請求項7又は11に記載の水電解システム。
【請求項13】
前記水電解スタックで発生した酸素ガスが前記燃焼器に供給され、
前記燃焼器は、前記水電解スタックで発生した前記水素ガス及び前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスを用いて燃焼を生じさせ、
前記水電解システムは、
前記燃焼器に供給される前記水素ガスの流量を調整する第一流量調整器及び前記燃焼器に供給される前記酸素ガスの流量を調整する第二流量調整器からなる群より選ばれる少なくとも1つと、
制御器と、をさらに備え、
前記制御器は、前記第一流量調整器及び前記第二流量調整器からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御して、前記第一気液分離器の内部のガス濃度を爆発上限界より大きくする、
請求項11に記載の水電解システム。
【請求項14】
前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスが前記燃焼器に供給され、
前記燃焼器は、前記水電解スタックで発生した前記水素ガス及び前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスを用いて燃焼を生じさせ、
前記水電解システムは、
前記燃焼器に供給される前記水素ガスの流量を調整する第一流量調整器及び前記燃焼器に供給される前記酸素ガスの流量を調整する第二流量調整器からなる群より選ばれる少なくとも1つと、
制御器と、をさらに備え、
前記制御器は、前記第一流量調整器及び前記第二流量調整器からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御して、前記第二気液分離器の内部のガス濃度を爆発下限界未満にする、
請求項12に記載の水電解システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの水電解スタックは、第一水電解スタック及び第二水電解スタックを含む複数の水電解スタックであり、
前記第一水電解スタックに供給される水は、前記第二水電解スタックで発生した水素ガスを前記燃焼器で燃焼して生じた燃焼熱を用いて加熱される、
請求項1から14のいずれか1項に記載の水電解システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの水電解スタックは、第一水電解スタック及び第二水電解スタックを含む複数の水電解スタックであり、
前記第一水電解スタックに供給される水は、前記第二水電解スタックで発生した酸素ガスを前記燃焼器における燃焼に用いて生じた燃焼熱を用いて加熱される、
請求項1から15のいずれか1項に記載の水電解システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水電解システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水電解装置を循環する水を加熱する技術が知られている。水電解装置を循環する水が加熱されることにより水電解の効率が高くなり定格運転が可能となる。
【0003】
例えば、特許文献1には、水電解装置の起動方法が記載されている。この方法によれば、水電解スタックに流れる電流値を検出し、スタック電圧と水電解スタックに流れる電流とを監視しながら、電流を定格電流値まで段階的に上昇させる。この方法によれば、スタック電圧が急激に上昇して水電解スタックに異常が発生することを防止して、低温時からの水電解を実施する。これにより、発生ガスによって水電解装置内の水を自然循環させるとともに、水電解で発生するジュール熱で循環水を加熱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-59503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、電力消費を抑制しつつ水電解システムにおける水を加熱する観点から再検討の余地を有する。そこで、本開示は、電力消費を抑制しつつ水電解システムにおける水を加熱する観点から有利な水電解システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、
水を電気分解して水素ガスを発生させる少なくとも1つの水電解スタックと、
前記水電解スタックで発生した水素ガスを燃焼させる燃焼器と、を備え、
前記燃焼器で生じた燃焼熱を用いて前記水を加熱する、
水電解システムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電力消費を抑制しつつ水電解システムにおける水を加熱する観点から有利な水電解システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。
図2図2は、第2実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。
図3図3は、第3実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。
図4図4は、第4実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。
図5図5は、第5実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。
図6図6は、第6実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。
図7図7は、第7実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。
図8図8は、第8実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。
図9A図9Aは、第9実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。
図9B図9Bは、第9実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示の基礎となった知見)
近年、太陽光発電及び風力発電等の再生可能エネルギー由来の電力を利用して製造されるグリーン水素が注目を浴びている。グリーン水素の製造方法として水電解システムが用いられ、水電解システムの高性能化を指向した開発が行われている。水電解システムの運用において起動時及び低出力時等に熱不足が生じる可能性があり、熱不足に対処するための熱供給手段の検討が重要である。
【0010】
特許文献1に記載の水電解装置の起動方法では、水電解で発生するジュール熱で循環水が加熱されている。この方法は多量の電力を必要とすると考えられる。グリーン水素の製造では、再生可能エネルギー由来の電力が用いられるので、天候等により発電量が左右されうる。このため、例えば、グリーン水素の製造のための水電解にこの方法を適用した場合、悪天候等により所望のタイミングで必要量の電力を確保できず熱不足に十分に対処できない可能性がある。
【0011】
このような事情を踏まえて、本発明者らは、電力消費を抑制しつつ水電解システムにおける水を加熱できる技術を開発できないか鋭意検討を重ねた。その結果、水電解によって発生した水素ガスの燃焼により生じる燃焼熱を用いて水電解システムの水を加熱することを新たに見出し、本開示の水電解システムを完成させた。
【0012】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。よって、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置、及び接続形態等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面において、同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状及び寸法比等については正確な表示ではない場合がある。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。図1に示す通り、水電解システム1aは、水電解スタック11と、燃焼器15とを備えている。水電解スタック11は、水を電気分解して水素ガスを発生させる。燃焼器15は、水電解スタック11で発生した水素ガスを燃焼させる。水電解システム1aにおいて、燃焼器15で生じた燃焼熱を用いて水電解スタック11での電気分解に供される水が加熱される。
【0014】
図1に示す通り、水電解システム1aは、例えば、熱交換器12、第一気液分離器13、第二気液分離器14、水素貯蔵器16、水供給器17、及び空気供給器18をさらに備えている。加えて、水電解システム1aは、第一排気路31、第二排気路32、第一供給路41、及び第二供給路42を備えている。
【0015】
水電解システム1aは、少なくとも1つの水電解スタック11を備えており、1つのみの水電解スタック11を備えていてもよく、複数の水電解スタック11を備えていてもよい。水電解スタック11は、水を電気分解して水素ガス及び酸素ガスを発生させる機能を有する。水電解スタック11は、例えば、アルカリ型水電解スタック、プロトン交換膜型水電解スタック、又はアニオン交換膜型水電解スタックである。
【0016】
熱交換器12は、水電解スタック11での電気分解に供される水を加熱できる。例えば、熱交換器12において、水電解スタック11に向かって供給される水と他の熱媒体との間の熱交換により水が加熱される。熱交換器12において、水が冷却されてもよい。図1に示す通り、例えば、燃焼器15から排出される燃焼排ガスが熱交換器12に熱媒体として供給される。熱交換器12に供給される熱媒体は、燃焼器15から排出される液水であってもよい。この液水は、例えば、燃焼器15から排出された燃焼排ガスに含まれる水蒸気が凝縮することによって得られる凝縮水を含んでいてもよい。
【0017】
水電解システム1aは、例えば、2つの熱交換器12を備えている。熱交換器12は、水を加熱する機能及び冷却する機能の両方を単独で備えていてもよい。水電解システム1aは、水を加熱する機能を有する熱交換器12と、水を冷却する機能を有する熱交換器とを別々に備えていてもよい。水の加熱は、起動時及び低出力時等の熱不足が生じるときになされる。水の冷却は、定常運転時等の熱余りが生じるときになされる。
【0018】
第一排気路31は、水電解スタック11で発生した水素ガスが流れる経路である。第一気液分離器13は、第一排気路31に設けられている。第一気液分離器13は、水電解スタック11で発生した水素ガスと水とを分離する機能を有する。第一気液分離器13で分離された水素ガスは、水素貯蔵器16、燃焼器15、又はその両方に供給される。第一供給路41は、第一気液分離器13で分離された水を水電解スタック11に供給する経路である。第一供給路41は、例えば、熱交換器12における水の流路を含んでいる。第一気液分離器13で分離された水は、熱交換器12を通過して水電解スタック11に供給される。
【0019】
第二排気路32は、水電解スタック11で発生した酸素ガスが流れる経路である。水電解スタック11で発生した酸素ガスは、例えば、燃焼器15に供給されうる。
【0020】
第二気液分離器14は、第二排気路32に設けられている。第二気液分離器14は、水電解スタック11で発生した酸素ガスと水とを分離する機能を有する。第二気液分離器14で分離された酸素ガスは、水電解システム1aの外部、燃焼器15、又はその両方に供給される。第二供給路42は、第二気液分離器14で分離された水を水電解スタック11に供給する経路である。第二供給路42は、例えば、熱交換器12における水の流路を含んでいる。第二気液分離器14で分離された水は、熱交換器12を通過して水電解スタック11に供給される。
【0021】
水電解スタック11、熱交換器12、第一気液分離器13、及び第二気液分離器14の内部を流れる水には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、又はその両方が含まれていてもよい。
【0022】
燃焼器15は、水素ガスを、酸素ガス又は空気とともに燃焼させる機能を有する。水素ガスの燃焼によって生じた水蒸気、水素ガス、及び酸素ガスからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む燃焼排ガス、その燃焼排ガスの水蒸気の凝縮により生じた温水、又はその両方は、熱交換器12に供給される。これにより、熱交換器12において水が加熱される。水電解システム1aは、1つのみの燃焼器15を備えていてもよく、2つ以上の燃焼器15を備えていてもよい。燃焼器15は、例えば触媒燃焼器であり、水素ガスの燃焼を促進する触媒を備えている。
【0023】
水素貯蔵器16は、水電解スタック11で発生した水素ガスを貯蔵する機能を有する。加えて、水素貯蔵器16は、例えば、貯蔵された水素ガスを外部に供給する機能を有する。例えば、第一気液分離器13で分離された水素ガスが水素貯蔵器16に貯蔵されうる。この場合、第一気液分離器13で分離された水素ガスには水分が含まれうるので、冷却及び吸着等の方法により、水素ガスに含まれる水分の一部が除去されてもよい。水素貯蔵器16の内部の水素ガスは、水電解システム1aの外部、燃焼器15、又はその両方に供給されうる。
【0024】
水供給器17は、第一気液分離器13に水を供給する機能を有する。水供給器17の例は、水インフラストラクチャー、水タンク、及びイオン交換樹脂を備えた純水製造装置である。
【0025】
空気供給器18は、外気から空気を取り入れて、燃焼器15に供給する機能を有する。空気供給器18は、例えば送風機であり、送風機の例はファン、ブロワ、及びコンプレッサーである。
【0026】
水電解システム1aの起動時及び水電解スタック11を流れる電流が少ない低出力時等において、水電解システム1aにおける水が有する熱が不足しうる。この場合、燃焼器15から排出される燃焼排ガス、その燃焼排ガスに由来する凝縮水、又はその両方が熱交換器12に供給される。これにより、電力消費を抑制しつつ、水電解システム1aにおける水を加熱できる。
【0027】
水電解システム1aは、様々な観点から変更可能である。例えば、第一気液分離器13、第二気液分離器14、又はその両方が省略されてもよい。代わりに、冷却器又は水分吸着器を用いて、水電解スタック11から取り出された水素ガス又は酸素ガスに含まれる水分の一部の凝縮又は吸着を生じさせ、そのうえで、水素ガス又は酸素ガスが燃焼器15又は水素貯蔵器16に供給されてもよい。
【0028】
(第2実施形態)
図2は、第2実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。第2実施形態に係る水電解システム1bは、特に説明する部分を除き、水電解システム1aと同様に構成されている。水電解システム1aの構成要素と同一又は対応する水電解システム1bの構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。水電解システム1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、水電解システム1bにもあてはまる。
【0029】
図2に示す通り、水電解システム1bは、熱媒体供給器19及び熱媒体用熱交換器(第二熱交換器)20をさらに備えている。熱媒体供給器19は、熱媒体を第二熱交換器20に供給する機能を有する。熱媒体の例は、水及び不凍液である。熱媒体供給器19は、例えば、水インフラストラクチャー、水タンク、又は不凍液タンクである。
【0030】
第二熱交換器20は、熱媒体供給器19から供給された熱媒体と、燃焼器15から排出される、燃焼排ガス、液水、又はその両方との間の熱交換を生じさせる。液水は、例えば、燃焼器15から排出された燃焼排ガスに含まれる水蒸気が凝縮することによって得られる凝縮水を含んでいてもよい。第二熱交換器20を通過した熱媒体は熱交換器12に供給され、この熱媒体と、水電解スタック11に向かって供給される水との間で熱交換がなされる。
【0031】
水電解システム1bによれば、燃焼器15から排出される燃焼排ガス及び燃焼器15から排出される液水からなる群より選ばれる少なくとも1つによって加熱された熱媒体が熱交換器12に供給される。このため、熱交換器12に供給される熱媒体の選択により、熱交換器12での熱交換の効率を高めやすい。
【0032】
(第3実施形態)
図3は、第3実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。第3実施形態に係る水電解システム1cは、特に説明する部分を除き、水電解システム1aと同様に構成されている。水電解システム1aの構成要素と同一又は対応する水電解システム1cの構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。水電解システム1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、水電解システム1cにもあてはまる。
【0033】
水電解システム1cにおいて、例えば、燃焼器15における水素ガスの燃焼により生じた燃焼熱を用いて第一気液分離器13で分離された水が加熱される。
【0034】
図3に示す通り、例えば、燃焼器15から排出される、燃焼排ガス、液水、又はその両方が第一気液分離器13に供給される。第一気液分離器13に供給された、燃焼排ガス又は液水は、第一気液分離器13においてガスと液体とに分離される。分離されたガスは水素ガスと混合され、分離された液体は水と混合される。これに伴い、第一気液分離器13における水の温度が急速に上昇しやすい。
【0035】
水電解システム1cにおいて、第一気液分離器13に多量の酸素ガスが流入して、第一気液分離器13の内部のガス濃度が爆発限界に達し、爆発の危険性が生じることを防止することが重要である。
【0036】
図3に示す通り、水電解システム1cは、例えば、第一流量調整器51、第二流量調整器52、及び制御器55を備えている。水電解システム1cにおいて、例えば、水電解スタック11で発生した酸素ガスが燃焼器15に供給される。制御器55は、第一流量調整器51及び第二流量調整器52を制御して、第一気液分離器13の内部のガス濃度を爆発上限界より大きくする。水電解システム1cにおいて、第一流量調整器51及び第二流量調整器52のいずれか1つは省略されてもよい。
【0037】
水電解システム1cにおいて、例えば、多量の酸素ガスが第一気液分離器13に流入しないように、燃焼器15に供給される水素ガスの物質量基準の流量[mol/秒]が燃焼器15に供給される酸素ガスの物質量基準の流量の2倍以上に調節されうる。この場合、燃焼排ガスに残留した水素ガスの再利用を図ることができる。
【0038】
図3に示す通り、水電解システム1cは、例えば、ガス濃度検知器61をさらに備えていてもよい。ガス濃度検知器61は、例えば、第一気液分離器13の内部の酸素ガス、水素ガス、又は酸素ガス及び水素ガスの両方の濃度を検知する。ガス濃度検知器61の検知結果に基づいて、第一気液分離器13の内部のガス濃度が爆発上限界より大きくなるように、燃焼器15に供給される水素ガスの物質量基準の流量の半分以上の酸素ガスが燃焼器15に供給されてもよい。この場合、酸素ガスを含む燃焼排ガス又は液水が第一気液分離器13に供給されうる。制御器55は、例えば、ガス濃度検知器61の検知結果に基づいて、第一気液分離器13の内部の水素ガス濃度及び酸素ガス濃度を取得する。制御器55は、例えば、取得された水素ガス濃度及び酸素ガス濃度と、水素ガス濃度及び酸素ガス濃度と爆発上限界とを対応づけるテーブルとに基づいて、第一気液分離器13の内部のガス濃度が爆発上限界より大きくなるように、燃焼器15に供給されるガスの流量を調整する。
【0039】
(第4実施形態)
図4は、第4実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。第4実施形態に係る水電解システム1dは、特に説明する部分を除き、水電解システム1aと同様に構成されている。水電解システム1aの構成要素と同一又は対応する水電解システム1dの構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。水電解システム1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、水電解システム1dにもあてはまる。
【0040】
水電解システム1dにおいて、例えば、燃焼器15における水素ガスの燃焼により生じた燃焼熱を用いて第二気液分離器14で分離された水が加熱される。
【0041】
図4に示す通り、例えば、燃焼器15から排出される、燃焼排ガス、液水、又はその両方が第二気液分離器14に供給される。第二気液分離器14に供給された、燃焼排ガス又は液水は、第二気液分離器14においてガスと液体とに分離される。分離されたガスは酸素ガスと混合され、分離された液体は水と混合される。これに伴い、第二気液分離器14における水の温度が急速に上昇しやすい。
【0042】
水電解システム1dにおいて、第二気液分離器14に多量の水素ガスが流入して、第二気液分離器14の内部のガス濃度が爆発限界に達し、爆発の危険性が生じることを防止することが重要である。
【0043】
図4に示す通り、水電解システム1dは、例えば、第一流量調整器51、第二流量調整器52、及び制御器55を備えている。水電解システム1dにおいて、例えば、水電解スタック11で発生した酸素ガスが燃焼器15に供給される。制御器55は、第一流量調整器51及び第二流量調整器52を制御して、第二気液分離器14の内部のガス濃度を爆発下限界未満にする。水電解システム1dにおいて、第一流量調整器51及び第二流量調整器52のいずれか1つは省略されてもよい。
【0044】
水電解システム1dにおいて、例えば、多量の水素ガスが第二気液分離器14に流入しないように、燃焼器15に供給される酸素ガスの体積が燃焼器15に供給される水素ガスの体積以上に調節されうる。この場合、燃焼排ガスに残留した酸素ガスの再利用を図ることができる。
【0045】
図4に示す通り、水電解システム1dは、例えば、ガス濃度検知器62をさらに備えていてもよい。ガス濃度検知器62は、第二気液分離器14の内部の酸素ガス、水素ガス、又は酸素ガス及び水素ガスの両方の濃度を検知する。ガス濃度検知器62によって検知されるガス濃度に基づいて、第二気液分離器14の内部のガス濃度が爆発下限界未満になるように、燃焼器15に供給される酸素ガスの物質量基準の流量の2倍以上の水素ガスが燃焼器15に供給されてもよい。この場合、水素ガスを含む燃焼排ガス又は液水が第二気液分離器14に供給されうる。制御器55は、例えば、ガス濃度検知器62の検知結果に基づいて、第二気液分離器14の内部の水素ガス濃度及び酸素ガス濃度を取得する。制御器55は、例えば、取得された水素ガス濃度及び酸素ガス濃度と、水素ガス濃度及び酸素ガス濃度と爆発下限界とを対応づけるテーブルとに基づいて、第二気液分離器14の内部のガス濃度が爆発下限界未満になるように、燃焼器15に供給されるガスの流量を調整する。
【0046】
(第5実施形態)
図5は、第5実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。第5実施形態に係る水電解システム1eは、特に説明する部分を除き、水電解システム1cと同様に構成されている。水電解システム1cの構成要素と同一又は対応する水電解システム1eの構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。水電解システム1cに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、水電解システム1eにもあてはまる。
【0047】
図5に示す通り、水電解システム1eにおいて、燃焼器15から排出される、燃焼排ガス、液水、又はその両方は、熱交換器12及び第一気液分離器13の両方に供給される。燃焼器15から熱交換器12及び第一気液分離器13に向かって延びる流路は並列に配置されている。このような構成によれば、熱交換器12における水の加熱及び第一気液分離器13における水の加熱を同時に生じさせることができ、水電解システム1eにおける水をより急速に加熱できる。
【0048】
水電解システム1eは、燃焼器15から排出される、燃焼排ガス、液水、又はその両方が熱交換器12及び第二気液分離器14の両方に供給されるように変更されてもよい。この場合、燃焼器15から熱交換器12及び第二気液分離器14に向かって延びる流路は並列に配置されうる。
【0049】
(第6実施形態)
図6は、第6実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。第6実施形態に係る水電解システム1fは、特に説明する部分を除き、水電解システム1cと同様に構成されている。水電解システム1cの構成要素と同一又は対応する水電解システム1fの構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。水電解システム1cに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、水電解システム1fにもあてはまる。
【0050】
図6に示す通り、水電解システム1fにおいて、燃焼器15から排出される、燃焼排ガス、液水、又はその両方は、熱交換器12及び第一気液分離器13の両方に供給される。燃焼器15から延びる流路において、熱交換器12及び第一気液分離器13がこの順番で直列に配置されている。このような構成によれば、第5実施形態と同様に、水電解システム1fにおける水をより急速に加熱できる。加えて、燃焼器15から排出される燃焼排ガスに含まれる成分が第一気液分離器13において回収され、それらの成分の再利用を図ることができる。
【0051】
水電解システム1fは、燃焼器15から排出される、燃焼排ガス、液水、又はその両方が熱交換器12及び第二気液分離器14の両方に供給されるように変更されてもよい。この場合、燃焼器15から延びる流路において、熱交換器12及び第二気液分離器14がこの順番で直列に配置されうる。
【0052】
(第7実施形態)
図7は、第7実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。第7実施形態に係る水電解システム1gは、特に説明する部分を除き、水電解システム1aと同様に構成されている。水電解システム1aの構成要素と同一又は対応する水電解システム1gの構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。水電解システム1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、水電解システム1gにもあてはまる。
【0053】
図7に示す通り、水電解システム1gは、酸素貯蔵器21を備えている。酸素貯蔵器21は、水電解スタック11で発生した酸素ガスを貯蔵する機能を有する。加えて、酸素貯蔵器21は、例えば、貯蔵された酸素ガスを外部に供給する機能を有する。例えば、第二気液分離器14で分離された酸素ガスが酸素貯蔵器21に貯蔵されうる。この場合、第二気液分離器14で分離された酸素ガスには水分が含まれうるので、冷却及び吸着等の方法により、酸素ガスに含まれる水分の一部が除去されてもよい。酸素貯蔵器21の内部の酸素ガスは、水電解システム1gの外部、燃焼器15、又はその両方に供給されうる。
【0054】
水電解システム1gによれば、酸素貯蔵器21に貯蔵された酸素ガスが燃焼器15に供給されるので、燃焼器15における水素ガスの燃焼が安定しやすい。
【0055】
(第8実施形態)
図8は、第8実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。第8実施形態に係る水電解システム1hは、特に説明する部分を除き、水電解システム1aと同様に構成されている。水電解システム1aの構成要素と同一又は対応する水電解システム1hの構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。水電解システム1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、水電解システム1hにもあてはまる。
【0056】
図8に示す通り、水電解システム1hは、水電解スタック11として、第一水電解スタック11a及び第二水電解スタック11bを備えている。水電解システム1hにおいて、第一水電解スタック11aに供給される水は、例えば、第二水電解スタック11bで発生した水素ガスを燃焼器15で燃焼して生じた燃焼熱を用いて加熱されうる。
【0057】
図8に示す通り、水電解システム1hは、例えば、第一気液分離器13として、第一気液分離器13a及び第一気液分離器13bを備えている。第一気液分離器13aは、第一水電解スタック11aから供給された水と水素ガスとを分離する機能を有する。第一気液分離器13bは、第二水電解スタック11bから供給された水と水素ガスとを分離する機能を有する。第一気液分離器13a及び第一気液分離器13bで分離された水素ガスは、燃焼器15、水素貯蔵器16、又はその両方に供給されうる。燃焼器15及び水素貯蔵器16に供給される水素ガスは、第一水電解スタック11aで発生した水素ガス、第二水電解スタック11bで発生した水素ガス、及びその両方を含んでいてもよい。このため、第一水電解スタック11aに供給される水は、第二水電解スタック11bで発生した水素ガスを燃焼器15で燃焼して生じた燃焼熱を用いて加熱されうる。
【0058】
水電解システム1hによれば、第一水電解スタック11aに供給される水を加熱するために第二水電解スタック11bで発生した水素ガスの燃焼熱を利用できる。このため、第一水電解スタック11aに供給される水の加熱に必要な水素ガスがより確実に確保されやすい。
【0059】
(第9実施形態)
図9A及び図9Bは、第9実施形態に係る水電解システムを模式的に示す図である。第9実施形態に係る水電解システム1i及び1jは、特に説明する部分を除き、水電解システム1aと同様に構成されている。水電解システム1aの構成要素と同一又は対応する水電解システム1i及び1jの構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。水電解システム1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、水電解システム1i及び1jにもあてはまる。
【0060】
図9A及び図9Bに示す通り、水電解システム1i及び1jは、水電解スタック11として、第一水電解スタック11a及び第二水電解スタック11bを備えている。水電解システム1iにおいて、第一水電解スタック11aに供給される水は、例えば、第二水電解スタック11bで発生した酸素ガスを燃焼器15における燃焼に用いて生じた燃焼熱を用いて加熱されうる。
【0061】
図9A及び図9Bに示す通り、水電解システム1i及び1jは、第二気液分離器14として、第二気液分離器14a及び第二気液分離器14bを備えている。第二気液分離器14aは、第一水電解スタック11aから供給された水と酸素ガスとを分離する機能を有する。第二気液分離器14bは、第二水電解スタック11bから供給された水と酸素ガスとを分離する機能を有する。第二気液分離器14a及び第二気液分離器14bで分離された酸素ガスは、燃焼器15、水電解システム1i又は1jの外部、又はその両方に供給されうる。燃焼器15に供給される酸素ガスは、第一水電解スタック11aで発生した酸素ガス、第二水電解スタック11bで発生した酸素ガス、及びその両方を含んでいてもよい。このため、第一水電解スタック11aに供給される水は、第二水電解スタック11bで発生した酸素ガスを燃焼器15における燃焼に用いて生じた燃焼熱を用いて加熱されうる。
【0062】
図9Bに示す通り、水電解システム1jは、水電解システム1gと同様に、酸素貯蔵器21を備えている。水電解システム1jにおいて、第二気液分離器14bで分離された酸素ガスは、酸素貯蔵器21に貯蔵されうる。
【0063】
水電解システム1i及び1jによれば、第一水電解スタック11aに供給される水を加熱するために第二水電解スタック11bで発生した酸素ガスが関与する燃焼の燃焼熱を利用できる。このため、第一水電解スタック11aに供給される水の加熱に必要な酸素ガスがより確実に確保されやすい。
【0064】
上記の第1実施形態から第9実施形態の各構成要素は、技術的に矛盾しない限り、互いに組み合わせられてもよい。
【0065】
(付記)
以上の記載より、下記の技術が開示される。
(技術1)
水を電気分解して水素ガスを発生させる少なくとも1つの水電解スタックと、
前記水電解スタックで発生した水素ガスを燃焼させる燃焼器と、を備え、
前記燃焼器で生じた燃焼熱を用いて前記水を加熱する、
水電解システム。
(技術2)
前記水の加熱が可能な熱交換器を備え、
前記燃焼器から排出される燃焼排ガス及び前記燃焼器から排出される液水からなる群より選ばれる少なくとも1つが前記熱交換器に供給される、
技術1に記載の水電解システム。
(技術3)
前記水の加熱が可能な熱交換器を備え、
前記燃焼器から排出される燃焼排ガス及び前記燃焼器から排出される液水からなる群より選ばれる少なくとも1つによって加熱された熱媒体が前記熱交換器に供給される、
技術1に記載の水電解システム。
(技術4)
前記水電解スタックで発生した前記水素ガスが流れる第一排気路と、
前記第一排気路に設けられた第一気液分離器と、
前記第一気液分離器で分離された水を前記少なくとも1つの水電解スタックに供給する第一供給路と、を備え、
前記燃焼熱を用いて前記第一気液分離器で分離された前記水が加熱される、
技術1から3のいずれか1項に記載の水電解システム。
(技術5)
前記水電解スタックで発生した前記水素ガスが流れる第一排気路と、
前記第一排気路に設けられた第一気液分離器と、を備え、
前記第一気液分離器で分離された前記水素ガスが前記燃焼器に供給される、
技術1から4のいずれか1項に記載の水電解システム。
(技術6)
前記水電解スタックで発生した前記水素ガスを貯蔵する水素貯蔵器を備え、
前記水素貯蔵器の内部の前記水素ガスが前記燃焼器に供給される、
技術1から5のいずれか1項に記載の水電解システム。
(技術7)
前記水電解スタックで発生した酸素ガスが流れる第二排気路と、
前記第二排気路に設けられた第二気液分離器と、
前記第二気液分離器で分離された水を前記少なくとも1つの水電解スタックに供給する第二供給路と、を備え、
前記燃焼熱を用いて前記第二気液分離器で分離された前記水が加熱される、
技術1から6のいずれか1項に記載の水電解システム。
(技術8)
前記水電解スタックで発生した酸素ガスが前記燃焼器に供給され、
前記燃焼器は、前記水電解スタックで発生した前記水素ガス及び前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスを用いて燃焼を生じさせる、
技術1から7のいずれか1項に記載の水電解システム。
(技術9)
前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスが流れる第二排気路と、
前記第二排気路に設けられた第二気液分離器と、を備え、
前記第二気液分離器で分離された前記酸素ガスが前記燃焼器に供給される、
技術8に記載の水電解システム。
(技術10)
前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスを貯蔵する酸素貯蔵器を備え、
前記酸素貯蔵器の内部の前記酸素ガスが前記燃焼器に供給される、
技術8に記載の水電解システム。
(技術11)
前記燃焼器から排出される燃焼排ガス及び前記燃焼器から排出される液水からなる群より選ばれる少なくとも1つが前記第一気液分離器に供給される、
技術4に記載の水電解システム。
(技術12)
前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスが流れる第二排気路と、
前記第二排気路に設けられた第二気液分離器と、を備え、
前記燃焼器から排出される燃焼排ガス及び前記燃焼器から排出される液水からなる群より選ばれる少なくとも1つが前記第二気液分離器に供給される、
技術7又は11に記載の水電解システム。
(技術13)
前記水電解スタックで発生した酸素ガスが前記燃焼器に供給され、
前記燃焼器は、前記水電解スタックで発生した前記水素ガス及び前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスを用いて燃焼を生じさせ、
前記水電解システムは、
前記燃焼器に供給される前記水素ガスの流量を調整する第一流量調整器及び前記燃焼器に供給される前記酸素ガスの流量を調整する第二流量調整器からなる群より選ばれる少なくとも1つと、
制御器と、をさらに備え、
前記制御器は、前記第一流量調整器及び前記第二流量調整器からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御して、前記第一気液分離器の内部のガス濃度を爆発上限界より大きくする、
技術11に記載の水電解システム。
(技術14)
前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスが前記燃焼器に供給され、
前記燃焼器は、前記水電解スタックで発生した前記水素ガス及び前記水電解スタックで発生した前記酸素ガスを用いて燃焼を生じさせ、
前記水電解システムは、
前記燃焼器に供給される前記水素ガスの流量を調整する第一流量調整器及び前記燃焼器に供給される前記酸素ガスの流量を調整する第二流量調整器からなる群より選ばれる少なくとも1つと、
制御器と、をさらに備え、
前記制御器は、前記第一流量調整器及び前記第二流量調整器からなる群より選ばれる少なくとも1つを制御して、前記第二気液分離器の内部のガス濃度を爆発下限界未満にする、
技術12に記載の水電解システム。
(技術15)
前記少なくとも1つの水電解スタックは、第一水電解スタック及び第二水電解スタックを含む複数の水電解スタックであり、
前記第一水電解スタックに供給される水は、前記第二水電解スタックで発生した水素ガスを前記燃焼器で燃焼して生じた燃焼熱を用いて加熱される、
技術1から14のいずれか1項に記載の水電解システム。
(技術16)
前記少なくとも1つの水電解スタックは、第一水電解スタック及び第二水電解スタックを含む複数の水電解スタックであり、
前記第一水電解スタックに供給される水は、前記第二水電解スタックで発生した酸素ガスを前記燃焼器における燃焼に用いて生じた燃焼熱を用いて加熱される、
技術1から15のいずれか1項に記載の水電解システム。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本開示の水電解システムは、電力消費を抑制しつつ水電解システムにおける水を加熱できるので、太陽光発電等の天候に左右される電源を用いた、グリーン水素の製造において有用である。
【符号の説明】
【0067】
1a、1b、1c、1d、1e 水電解システム
1f、1g、1h、1i、1j 水電解システム
11 水電解スタック
11a 第一水電解スタック
11b 第二水電解スタック
12 熱交換器
13 第一気液分離器
14 第二気液分離器
15 燃焼器
16 水素貯蔵器
21 酸素貯蔵器
31 第一排気路
32 第二排気路
41 第一供給路
42 第二供給路
51 第一流量調整器
52 第二流量調整器
55 制御器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B