(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165320
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】配線ピットおよびホーム可動柵装置用の配線設備
(51)【国際特許分類】
B61B 1/02 20060101AFI20241121BHJP
E01F 1/00 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B61B1/02
E01F1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081429
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】592094243
【氏名又は名称】カネソウ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】豊田 悟志
【テーマコード(参考)】
2D101
3D101
【Fターム(参考)】
2D101CA17
2D101EA01
2D101FA01
2D101FA33
2D101HA05
3D101AA05
3D101AA12
3D101AA24
3D101AC02
(57)【要約】
【課題】蓋体の耐荷重を向上できると共に、メンテナンス作業や修理作業を効率的に行い得る配線ピット、およびホーム可動柵装置用の配線設備を提案する。
【解決手段】床下に設けられた溝枠体4の枠壁部12との間に、起立状の蓋体6の側縁を嵌入可能な間隔をおいて、該溝枠体4の枠底部11に立設された支持柱部20を備え、溝枠体4に被着された蓋体6を支持柱部20により支持する一方、起立された蓋体6を支持柱部20と枠壁部17との間に嵌入することによって、蓋体6を立て置き可能とした。かかる構成によれば、蓋体6を比較的薄くでき且つ溝枠体4を浅底状に形成できるため、施工に要する手間と時間とを低減できる。加えて、メンテナンス等の作業時に、蓋体6を立て置きできるため、作業効率を向上できる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床下に設けられ、内部に電気ケーブルが収容される凹溝状の溝枠体と、
前記溝枠体に被着されて、該溝枠体の上方開口を閉鎖する蓋体と
を備えた配線ピットにおいて、
前記溝枠体は、
平板状の枠底部と、
前記枠底部の少なくとも左右一方の側縁に立設された枠壁部と
を備え、
さらに、前記枠壁部との間に起立状態の前記蓋体の側縁を嵌入可能な間隔をおいて、前記枠底部に立設され、前記溝枠体に被着された該蓋体を支持する支持柱部を備え、
起立させた前記蓋体の側縁を、前記支持柱部と前記枠壁部との間に嵌入することで、該蓋体を立て置き可能としたものであることを特徴とする配線ピット。
【請求項2】
プラットホームの側縁に沿って間欠的に複数設置されたホーム可動柵装置の内方に、該プラットホームの長手方向に沿って設けられた、請求項1に記載の配線ピットを備え、
前記配線ピットの内部に、前記ホーム可動柵装置に接続された電気ケーブルが収容されたものであることを特徴とするホーム可動柵装置用の配線設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物のフロアの床下やプラットホームの床下などに設けられる配線ピットと、プラットホームに設けられた配線ピットを有するホーム可動柵装置用の配線設備とに関する。
【背景技術】
【0002】
建物のフロアに電気ケーブルを収容する構成として、従来から、フロアの床下に設けられる配線ピットが知られている。配線ピットは、例えば、床下に凹溝状に形成されて内部に電気ケーブルが収容される溝部と、該溝部に被着される蓋部とから構成されるものが知られている。
【0003】
一方、近年、駅のプラットホームには、プラットホーム上の安全性を高めるために、可動柵装置が配設されている。可動柵装置には、可動柵を開閉するための電力を供給するケーブル、可動柵の開閉を指示する信号を伝達するケーブル、およびセンサやスイッチ等から信号を受信するためのケーブル等が接続され、これら電力や信号によって可動柵が開閉制御される。こうした可動柵装置は、プラットホームの線路側縁部に設けられると共に、前記ケーブルが、該プラットホーム上で人の通行を妨げないように配設される。このケーブルの配線設備として、例えば特許文献1には、プラットホームの線路側縁部を上下方向に貫通させた貫通孔に、前記ケーブルを挿通させて、該線路側縁部の下部に前記ケーブルを配線する構成が提案されている。
【0004】
このようなプラットホームにケーブルを配線する従来の設備では、メンテナンスや修理の作業を線路側から行う必要があるため、電車の運行に支障を生じたり、作業可能な時間帯が制限されたりするという問題がある。そのため、前記した建物のフロアと同様に、凹溝状の配線ピットをプラットホームに設けることが考えられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、プラットホーム上には、都市部などで時間帯によって多数の乗客が集中する。そのため、プラットホームに前記配線ピットを設けた構成にあって、該配線ピットの蓋体には、これら乗客による荷重に耐え得る強度が必要となる。蓋体の強度向上には、一般的に、蓋体を厚くしたり、蓋体に補強材を設けたりすることがあり得るが、いずれも重量増になることから、前記したメンテナンスや修理の作業が繁雑化するという問題が生ずる。加えて、蓋体を厚くしたり、補強材を設けたりした場合には、ケーブルの収容領域を十分に確保するために、溝部を深底状に形成せねばならず、施工に要する手間と時間とが増大するという問題もあった。こうしたことから、蓋体を厚くしたり、蓋体に補強材を設けたりすること無く、該蓋体にかかる荷重に耐え得る構成が求められていた。
【0007】
さらに、一般的にプラットホームは長いことから、該プラットホームに設ける配線ピットも長くなり、該配線ピットの長手方向に沿って多数の蓋体が列設される。具体的には、配線ピットの全長が100mとすると、長さ50cmの蓋体が200枚となる。前記メンテナンス作業等の際には、これら蓋体を取り外して、所定の置き場に載置することになるが、前述したように蓋体が多数であることから、比較的広い置き場を要すると共に、該置き場へ蓋体を運ぶ作業に手間がかかる。さらには、蓋体は全て同じ形状でないことから、作業後に蓋体を戻す際に取付位置が分からなくなることもあり得る。こうしたことから、メンテナンス作業や修理作業が繁雑化するという問題があった。
【0008】
本発明は、前述した問題を解決し得るものであって、蓋体にかかる比較的大きな荷重に耐え得ると共に、メンテナンスや修理の作業を効率的に行い得る配線ピットと、該配線ピットを有するホーム可動柵装置用の配線設備とを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一発明は、床下に設けられ、内部に電気ケーブルが収容される凹溝状の溝枠体と、前記溝枠体に被着されて、該溝枠体の上方開口を閉鎖する蓋体とを備えた配線ピットにおいて、前記溝枠体は、平板状の枠底部と、前記枠底部の少なくとも左右一方の側縁に立設された枠壁部とを備え、さらに、前記枠壁部との間に起立状態の前記蓋体の側縁を嵌入可能な間隔をおいて、前記枠底部に立設され、前記溝枠体に被着された該蓋体を支持する支持柱部を備え、起立させた前記蓋体の側縁を、前記支持柱部と前記枠壁部との間に嵌入することで、該蓋体を立て置き可能としたものであることを特徴とする配線ピットである。
【0010】
かかる構成にあっては、溝枠体に被着された蓋体が、支持柱部によって支持されることから、該蓋体の耐荷重を向上させることができる。これにより、蓋体を厚くすること及び補強材を設けることを抑制でき、該蓋体を比較的薄くできることから、電気ケーブルを収容可能な溝枠体の内部領域を十分確保しつつ、該溝枠体を比較的浅底状に形成できる。したがって、本発明の配線ピットによれば、その施工に要する手間と時間とを低減することができる。加えて、蓋体の重量が比較的軽量となることから、後述するメンテナンス等の作業に要する手間と時間を低減する作用効果に寄与できる。
【0011】
さらに、溝枠体の枠壁部と支持柱部との間に、起立させた蓋体の側部を嵌入させることで、該蓋体を立て置きできることから、メンテナンス作業や修理作業の際に、蓋体の置き場を確保する必要が無い。そして、前記メンテナンス等の作業の際には、各蓋体を夫々の被着場所で立て置きできることから、蓋体を取り外す作業と該蓋体を戻す作業とを比較的容易に行うことができ、メンテナンス等の作業に要する時間と手間とを低減できる。
【0012】
本発明の第二発明は、プラットホームの側縁に沿って間欠的に複数設置されたホーム可動柵装置の内方に、該プラットホームの長手方向に沿って設けられた、前記第一発明に記載の配線ピットを備え、前記配線ピットの内部に、前記ホーム可動柵装置に接続された電気ケーブルが収容されたものであることを特徴とするホーム可動柵装置用の配線設備である。
【0013】
かかる構成にあっては、ホーム可動柵装置の電気ケーブルが、プラットホームに設けられた配線ピットに収容されたものであるから、前記した第一発明の作用効果を奏し得る。すなわち、配線ピットの蓋体が、プラットホーム上の乗客により作用する荷重を十分支えることができる。そして、蓋体を比較的薄くでき且つ溝枠体を比較的浅く設計できることから、配線ピットをプラットホームに比較的容易に施工できる。さらに、メンテナンス等の作業の際に、蓋体を取り外して立て置きできることから、該作業を効率的に行い得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明の配線ピットによれば、蓋体が、溝枠体に被着された状態で比較的大きな荷重に耐え得る共に、メンテナンス等の作業に要する時間と手間とを低減でき、該作業を効率的に行うことができる。
【0015】
本発明のホーム可動柵装置用の配線設備によれば、配線ピットの蓋体が、プラットホーム上の乗客による比較的大きな荷重に耐え得ると共に、メンテナンス等の作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明にかかるホーム可動柵装置用の配線設備の、蓋体7の一部を切り欠いて示す平面図である。
【
図3】主配線ピット2の、蓋体6の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【
図4】蓋体6を立て置きした状態を示す断面図である。
【
図5】蓋体6を立て置きした状態を示す主配線ピット2の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明にかかる実施例を添付図面を用いて説明する。
本実施例のホーム可動柵装置用の配線設備は、鉄道駅のプラットホーム61に設けられた配線ピット1を備え、該配線ピット1の内部に、ホーム可動柵装置51に接続された電気ケーブル(図示せず)を収容するものである。
【0018】
図1に示すように、プラットホーム61には、その側縁に沿って複数のホーム可動柵装置51が間欠的に設置され、隣り合うホーム可動柵装置51,51間に乗降口59が設けられている。ホーム可動柵装置51は、装置本体52と、該装置本体52からプラットホーム61の側縁に沿って進退移動する可動柵53,53とを備え、該装置本体52に、該可動柵53,53を進退作動させる駆動制御手段(図示せず)が設けられている。可動柵53,53は、前記駆動制御手段によって、装置本体52に収容された退避位置と該装置本体52からプラットホーム61の長手方向両側に突出する進出位置とに進退移動される。そして、隣り合うホーム可動柵装置51,51の各可動柵53,53を退避位置とすることによって乗降口59が開放状態となる一方、進出位置とすることによって該乗降口59が閉鎖状態となる。尚、こうしたホーム可動柵装置51は、従来から知られている構成を適用できることから、詳細な説明を省略する。
【0019】
ホーム可動柵装置51には、前記駆動制御手段に電力を供給する電気ケーブル、該駆動制御手段と信号を送受信する電気ケーブル、および該ホーム可動柵装置51に配設されたスイッチやセンサ等と信号を送受信する電気ケーブルなどが接続されており、これら電気ケーブルが装置本体52の下部から前記配線ピット1の内部に収容される(図示せず)。
【0020】
配線ピット1は、プラットホーム61の、前記ホーム可動柵装置51の内方に設けられており、該プラットホーム61の側縁に沿って設けられた主配線ピット2と、各ホーム可動柵装置51の装置本体52から主配線ピット2に連通された連絡配線ピット3とを備える。主配線ピット2は、プラットホーム61に沿って形成された浅底状の凹溝に設けられており、該凹溝に配設された溝枠体4,5と、該溝枠体4,5に被着される複数の蓋体6,7とを備える。連絡配線ピット3は、前記主配線ピット2の凹溝とホーム可動柵装置51の装置本体52との間に形成された浅底状の凹溝に設けられており、該凹溝に配設された溝枠体8と該溝枠体8に被着される蓋体9とを備える。
【0021】
主配線ピット2は、ホーム可動柵装置51の装置本体52に対応する位置に夫々配設された溝枠体5と、隣り合う溝枠体5,5間に配設された溝枠体4とを備える。溝枠体4は、プラットホーム61の長手方向に沿って長尺状に設けられており、
図2,3に示すように、前記凹溝の底面に載置される矩形平板状の枠底部11と、該枠底部11の左右両側縁から夫々立設された枠壁部12,12と、各枠壁部12の上縁に夫々設けられた支持縁部13,13とを備える。そして、支持縁部13は、枠壁部12の上縁から外方へ延出された水平縁部14と、該水平縁部14の外縁から上方へ延出された垂直縁部15とを備える。一方、溝枠体5は、
図1,2に示すように、平板状の枠底部16と、該枠底部16の左右両側縁から夫々立設された枠壁部17,17と、各枠壁部の上縁に夫々設けられた支持縁部18,18とを備える。そして、支持縁部18は、水平縁部と垂直縁部とを備える(図示せず)。この溝枠体5は、ホーム可動柵装置51側の枠壁部17の、該ホーム可動柵装置51の装置本体52に対向する部位に、前記連絡配線ピット3の溝枠体8に連通される開口部19が形成されている。本実施例にあって、溝枠体4は、枠底部11、左右の枠壁部12,12、および左右の支持縁部13,13が、一枚の鋼板を折曲加工して形成されており、溝枠体5は、枠底部16、左右の枠壁部17,17、および左右の支持縁部18,18が、一枚の鋼板を折曲加工して形成されている。
【0022】
さらに、溝枠体4,5には、
図1~3に示すように、複数の支持柱部20が、左右一方の枠壁部12,17から所定間隔をおいて、長手方向に間欠的に立設されている。ここで、各支持柱部20と左右一方の枠壁部12,17の前記間隔は、起立状とした前記蓋体6,7の側縁を、該支持柱部20と該枠壁部12,17との間に嵌入可能とするように設けられている(
図4,5参照)。本実施例にあって、この間隔は、前記蓋体6.7の側縁の厚みに比して僅かに長い寸法に設定されている。そして、溝枠体4には、一個の蓋体6に対して二個の支持柱部20が割り当てられるように配設されており、溝枠体5には、二個の支持柱部20が配設されている。
【0023】
こうした支持柱部20は、その上端が、前記支持縁部13の水平縁部14の上面と略同じ高さ位置となるように、該支持柱部20の高さ寸法が設定されている。これにより、溝枠体4に被着される蓋体6が、左右の支持縁部13,13(水平縁部14,14)と支持柱部20とで支持される。同様に、溝枠体5に被着される蓋体7が、左右の支持縁部18,18と支持柱部20とで支持される。
【0024】
蓋体6は、
図1~3に示すように、薄厚の矩形状を成し、その左右両側縁が、前記溝枠体4の支持縁部13,13を夫々構成する左右の水平縁部14,14に載置されることによって、該溝枠体4に被着される。そして、蓋体6は、左右の水平縁部14,14に載置された状態で、溝枠体4の支持柱部20によって支持される。すなわち、蓋体6は、左右の水平縁部14,14と支持柱部20とに支持されて、溝枠体4に被着される。
【0025】
同様に、蓋体7は、薄厚の略矩形状を成し、その左右両側縁が、前記溝枠体5の左右の支持縁部18,18に載置されて支持されると共に、該支持縁部18,18に載置された状態で、溝枠体5の支持柱部20によって支持される。このように蓋体7は、左右の支持縁部18,18と支持柱部20とに支持されて、溝枠体5に被着される。
【0026】
本実施例の蓋体6は、浅底箱状の箱枠部21と、該箱枠部21の内部に充填された仕上げ材からなる化粧部22とを備える。蓋体7にあっても、同様に箱枠部と化粧部とを備える(図示せず)。こうした蓋体6,7を、溝枠体4,5に複数隙間無く被着させることによって、該溝枠体4,5の上方開口が閉鎖される。
【0027】
一方、連絡配線ピット3の溝枠体8は、前記主配線ピット2の溝枠体4と同様に、枠底部と左右の枠壁部と左右の支持縁部とを備え、該支持縁部が水平縁部と垂直縁部とにより構成されている(図示省略)。ここで、溝枠体8は、主配線ピット2に比して短尺であること、支持柱部が無いこと、および枠底部の幅(短手方向の寸法)が短いこと以外、該主配線ピット2の溝枠体4と同様の構成であるから、詳細な説明を省略する。
【0028】
連絡配線ピット3の蓋体9は、前記主配線ピット2の蓋体6と同様に、箱枠部と化粧部とを備える。ここで、蓋体9は、長手方向と短手方向との各寸法が異なる以外、前記主配線ピット2の蓋体6と同様の構成であるから、詳細な説明を省略する。
【0029】
このように本実施例の配線ピット1は、浅底状の溝枠体4,5,8と薄厚状の蓋体6,7,9とにより構成されて、溝枠体4,5,8の内部に電気ケーブルが収容される。そして、比較的幅広の主配線ピット2は、浅底状の溝枠体4,5に薄厚状の蓋体6,7が被着されるものであるから、該溝枠体4,5に、多くの電気ケーブルを収容できる内部容積が確保された構成となっている。この主配線ピット2は、薄厚状の蓋体6が、溝枠体4の支持縁部13,13と支持柱部20とにより支持されると共に、薄厚状の蓋体7が、溝枠体5の支持縁部17,17と支持柱部20とにより支持される。これにより、蓋体6,7が、プラットホーム61上の乗客による荷重に耐えることができる。
【0030】
さらに、本実施例の主配線ピット2は、
図4,5に示すように、メンテナンス作業や取り替え作業などの際に、溝枠体4から取り外した蓋体6を起立させて、その側縁を支持柱部20と枠壁部12との間に嵌入することにより、該蓋体6を立て置きできる。同様に、溝枠体5から取り外した蓋体7を起立させて、その側縁を支持柱部20と枠壁部17との間に嵌入することにより、該蓋体7を立て置きできる。このように取り外した蓋体6,7を、溝枠体4,5に立て置きできることから、該蓋体6,7を仮置きする場所を必要としない。そして、蓋体6,7の取り外しと取り付けとを、各蓋体6,7の被着位置で行うことができるため、蓋体6,7を運ぶ手間が掛からず、作業性を飛躍的に向上できる。
【0031】
尚、本実施例にあって、連絡配線ピット3には、支持柱部を設けていない。これは、連絡配線ピット3が幅狭であるから、上方から作用する荷重に十分に耐え得ることができること、蓋体9が比較的軽量であるから取り外しと取り付けが行い易いこと、および取り外した蓋体9を近傍に置いても作業の邪魔になり難いことに因る。
【0032】
本発明は、前述した実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することが可能である。例えば、配線ピット1を構成する溝枠体4,5,8と蓋体6,7,9の夫々の寸法は、適宜変更して設定することができる。
【0033】
前述した実施例では、主配線ピットの溝枠体が、支持柱部を左右一方の溝壁部寄りに設けた構成であるが、これに限らず、左右両方の溝壁部から所定間隔(蓋体の側縁を嵌入可能な間隔)をおいて夫々設けた構成とすることもできる。この構成では、蓋体を左右いずれにも立て置きできると共に、左右の支持柱部によって蓋体を一層安定して支持でき、該蓋体の耐荷重を高め得る。
さらに、実施例では、支持柱部を、プラットホームの内側に配置された溝壁部寄りに設けた構成であるが、これに限らず、支持柱部を、線路側に配置された溝壁部寄りにのみ設けた構成とすることも可能である。
【0034】
前述した実施例では、主配線ピットの溝枠体が、一個の蓋体を二個の支持柱部で支持でき且つ立て置きできる構成としたが、これに限らず、一個の蓋体に対する支持柱部の配設個数は適宜変更可能である。例えば、実施例に比して長尺な一個の支持柱部で一個の蓋体を支持する構成としても良いし、三個や四個の支持柱部で一個の蓋体を支持する構成としても良い。
【0035】
前述した実施例では、連絡配線ピットに支持柱部を設けない構成としたが、これに限らず、支持柱部を設けた構成としても良い。この構成の連絡配線ピットは、その溝枠体の一方の枠壁部との間に、該溝枠体に被着される蓋体の側縁を嵌入可能な間隔をおいて支持柱部が立設されたものとする。かかる構成によれば、連絡配線ピットの溝枠体から取り外した蓋体を立て置きできる。
【符号の説明】
【0036】
1 配線ピット
2 主配線ピット
3 連絡配線ピット
4,5,8 溝枠体
6,7,9 蓋体
11,16 枠底部
12,17 枠壁部
13,18 支持縁部
14 水平縁部
15 垂直縁部
19 開口部
20 支持柱部
21 箱枠部
22 化粧部
51 ホーム可動柵装置
52 装置本体
53 可動柵
59 乗降口
61 プラットホーム