(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165335
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】品質保証システム及び品質保証方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/64 20130101AFI20241121BHJP
【FI】
G06F21/64
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081450
(22)【出願日】2023-05-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100208591
【弁理士】
【氏名又は名称】井後 智哉
(72)【発明者】
【氏名】空 栄一郎
(57)【要約】
【課題】値の品質保証が可能な技術を提供する。
【解決手段】品質保証システム1は、計測対象となる計測ノード2と、計測ノード2に関する物理量を計測した結果として得られる第1の計測値を出力する計測機器(第1の計測機器3)と、計測ノード2に関する物理量を計測した結果として得られる第2の計測値を中継すると共に、第2の計測値に対して少なくとも1つの演算が行われた結果として得られる最終値を出力するノード群4と、第1の計測値、最終値、及びノード群における演算に関する関数の情報をブロックチェーン上に記録し、第1の計測値、最終値及び関数の情報を用いて、ノード群4における改ざん有無を判定するブロックチェーンシステム5と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象となる計測ノードと、
前記計測ノードに関する物理量を計測した結果として得られる第1の計測値を出力する計測機器と、
前記計測ノードに関する前記物理量を計測した結果として得られる第2の計測値を中継すると共に、前記第2の計測値に対して少なくとも1つの演算が行われた結果として得られる最終値を出力するノード群と、
前記第1の計測値、前記最終値、及び前記ノード群における演算に関する関数の情報をブロックチェーン上に記録し、前記第1の計測値、前記最終値及び前記関数の情報を用いて、前記ノード群における改ざん有無を判定するブロックチェーンシステムと、を備える、
品質保証システム。
【請求項2】
前記関数の情報は、前記ノード群で用いられる複数の関数を合成した合成関数であり、
前記ブロックチェーンシステムは、前記第1の計測値及び前記合成関数を用いて、前記最終値の推測値を算出し、前記最終値と、前記最終値の推測値とを比較することによって、前記改ざん有無を判定する、
請求項1に記載の品質保証システム。
【請求項3】
前記関数の情報は、前記ノード群で用いられる複数の関数を合成した合成関数の逆関数であり、
前記ブロックチェーンシステムは、前記最終値及び前記逆関数を用いて、前記第2の計測値の推測値を算出し、前記第1の計測値と、前記第2の計測値の推測値とを比較することによって、前記改ざん有無を判定する、
請求項1に記載の品質保証システム。
【請求項4】
前記ブロックチェーンシステムは、前記ノード群の誤差に基づいて決定された所定の閾値をさらに用いて、前記改ざん有無を判定する、請求項1に記載の品質保証システム。
【請求項5】
前記第1の計測値及び前記第2の計測値は、環境価値を評価する値である、請求項1に記載の品質保証システム。
【請求項6】
前記計測機器は、第1の経路を介して前記第1の計測値を出力し、
前記ノード群は、前記第1の経路とは異なる第2の経路を介して前記第2の計測値を中継する、
請求項1に記載の品質保証システム。
【請求項7】
計測対象となる計測ノードと、計測機器と、ノード群と、ブロックチェーンシステムとを備える品質保証システムによって実行される品質保証方法であって、
前記計測機器によって、前記計測ノードに関する物理量を計測した結果として得られる第1の計測値を出力するステップと、
前記ノード群によって、前記計測ノードに関する前記物理量を計測した結果として得られる第2の計測値を中継すると共に、前記第2の計測値に対して少なくとも1つの演算が行われた結果として得られる最終値を出力するステップと、
前記ブロックチェーンシステムによって、前記第1の計測値、前記最終値、及び前記ノード群における演算に関する関数の情報をブロックチェーン上に記録し、前記第1の計測値、前記最終値及び前記関数の情報を用いて、前記ノード群における改ざん有無を判定するステップと、を備える、
品質保証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、品質保証システム及び品質保証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
計測値等の記録について、信頼性を向上させる技術が知られている。特許文献1には、ブロックチェーンのプラットフォームを利用して、炭素の排出等に関するデータを記録する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
計測値等のデータは、複数の機器等であるノードを経由して活用され得る。各ノードを経由する値は、改ざんされる可能性がある。従来、最終的な値の品質(又は信頼性)を保証するためには、例えば各ノードから出力される値のエビデンスを取得していた。各ノードでエビデンスを取得することは、コスト及び時間を要する。
【0005】
本開示は、値の品質保証が可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る品質保証システムは、計測対象となる計測ノードと、計測ノードに関する物理量を計測した結果として得られる第1の計測値を出力する計測機器と、計測ノードに関する物理量を計測した結果として得られる第2の計測値を中継すると共に、第2の計測値に対して少なくとも1つの演算が行われた結果として得られる最終値を出力するノード群と、第1の計測値、最終値、及びノード群における演算に関する関数の情報をブロックチェーン上に記録し、第1の計測値、最終値及び関数の情報を用いて、ノード群における改ざん有無を判定するブロックチェーンシステムと、を備える。
【0007】
本開示の一側面に係る品質保証方法は、計測対象となる計測ノードと、計測機器と、ノード群と、ブロックチェーンシステムとを備える品質保証システムによって実行される。品質保証方法は、計測機器によって、計測ノードに関する物理量を計測した結果として得られる第1の計測値を出力するステップと、ノード群によって、計測ノードに関する物理量を計測した結果として得られる第2の計測値を中継すると共に、第2の計測値に対して少なくとも1つの演算が行われた結果として得られる最終値を出力するステップと、ブロックチェーンシステムによって、第1の計測値、最終値、及びノード群における演算に関する関数の情報をブロックチェーン上に記録し、第1の計測値、最終値及び関数の情報を用いて、ノード群における改ざん有無を判定するステップと、を備える。
【0008】
品質保証システム又は品質保証方法では、計測ノードの物理量について、第1の計測値及び第2の計測値が計測される。第1の計測値、最終値、及び関数の情報がブロックチェーン上に記録される。これにより、第1の計測値、最終値及び関数の情報の信頼性が確保できる。そして、第1の計測値、最終値及び関数の情報を用いて、ノード群における改ざん有無が判定される。これにより、ノード群を経由する第2の計測値について、値の品質保証が可能になる。
【0009】
関数の情報は、ノード群で用いられる複数の関数を合成した合成関数であってもよい。ブロックチェーンシステムは、第1の計測値及び合成関数を用いて、最終値の推測値を算出し、最終値と、最終値の推測値とを比較することによって、改ざん有無を判定してもよい。この場合、合成関数に第1の計測値を代入することにより、ノード群を経由した後の最終値の推測値が算出される。最終値と最終値の推測値との比較によって、ノード群における改ざん有無が判定される。これにより、値の品質保証を確保しながら、計算コストの増加を抑制できる。
【0010】
関数の情報は、ノード群で用いられる複数の関数を合成した合成関数の逆関数であってもよい。ブロックチェーンシステムは、最終値及び逆関数を用いて、第2の計測値の推測値を算出し、第1の計測値と、第2の計測値の推測値とを比較することによって、改ざん有無を判定してもよい。この場合、合成関数の逆関数に最終値を代入することにより、ノード群を経由する前の第2の計測値の推測値が算出される。第1の計測値の推測値と第2の計測値の推測値との比較によって、ノード群における改ざん有無が判定される。これにより、値の品質保証を確保しながら、計算コストの増加を抑制できる。
【0011】
ブロックチェーンシステムは、ノード群の誤差に基づいて決定された所定の閾値をさらに用いて、改ざん有無を判定してもよい。最終値は、ノード群を経由することによって、誤差が生じ得る。これに対し、第1の計測値は、ノード群を経由しないため、最終値と比較して誤差が小さくなる傾向にあり、無視可能と考えることもできる。所定の閾値が改ざん有無に用いられることにより、改ざん有無の判定精度が向上する。
【0012】
第1の計測値及び第2の計測値は、環境価値を評価する値であってもよい。環境価値を評価する値は、値の信頼性が要求されると共に、様々なノードで中継され、活用され得る。本開示の品質保証システムによれば、環境価値を評価する値の品質保証が簡便な方法で可能となる。
【0013】
計測機器は、第1の経路を介して第1の計測値を出力してもよい。ノード群は、第1の経路とは異なる第2の経路を介して第2の計測値を中継してもよい。この場合、第1の経路及び第2の経路に分岐して、第1の計測値及び第2の計測値が連携される。これにより、第1の計測値及び第2の計測値の独立性が確保される。その結果、改ざん有無の判定の信頼性を向上できる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、値の品質保証が可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、品質保証システムの適用の一例を示す概要図である。
【
図3】
図3は、合成関数を用いた改ざん有無の判定処理の一例を示す概要図である。
【
図4】
図4は、合成関数の逆関数を用いた改ざん有無の判定処理の一例を示す概要図である。
【
図5】
図5は、品質保証システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、品質保証システムに関連するハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本開示を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1は、品質保証システム1の適用の一例を示す概要図である。本開示の品質保証システム1は、計測対象の計測値の品質保証を行う。品質保証を行う値としては、例えば環境価値を評価する値、又はIoT(Internet of Things)プラットフォームによって用いられる値が挙げられるがこれらに限られない。計測値としては、例えば電流、電圧、電力、振動、回転数又は温度が挙げられるがこれらに限られない。環境価値を評価する値としては、例えばCO
2、メタン又は温室効果ガス等の排出量が挙げられるがこれらに限られない。以下、品質保証システム1が電流の計測値の品質保証を行う場面に適用された例を説明する。
【0018】
品質保証システム1は、計測ノード2と、第1の計測機器3(計測機器)と、ノード群4と、ブロックチェーンシステム5と、を備える。品質保証システム1は、計測ノード2を始点とし、ブロックチェーンシステム5を終点とする第1の経路R1及び第2の経路R2を備える。第1の経路R1と第2の経路R2とは、互いに異なる。第1の経路R1上には、第1の計測機器3が配置されている。第2の経路R2上には、ノード群4が配置されている。計測ノード2、第1の計測機器3及びノード群4の一部又は全部は、互いに異なる組織によって管理されていてもよい。
【0019】
計測ノード2は、計測対象となる機器である。計測ノード2は、物理量を出力する。一例では、計測ノード2は、太陽光パネルである。この場合、計測ノード2は、電流等を出力する。計測ノード2には、施錠管理が施されていてもよい。
【0020】
第1の計測機器3は、計測ノード2に関する物理量を計測する機器である。第1の計測機器3は、例えば物理量を計測するセンサ機能と、計測値をデジタルデータに変換する変換機能と、デジタルデータに変換した計測値を出力する出力機能と、を有する。第1の計測機器3は、計測ノード2に関する物理量を計測した結果として得られる第1の計測値を出力する。例えば、第1の計測機器3は、計測ノード2を計測したアナログデータである電流値をデジタルデータに変換し、第1の計測値として出力する。第1の計測機器3は、第1の計測値をブロックチェーンシステム5に送信する。第1の計測機器3は、第1の経路を介して第1の計測値を出力する。第1の計測機器3は、改ざん防止機能を備えていてもよい。改ざん防止機能は、特定の業界の承認がなされた計器により実現されていてもよい。
【0021】
ノード群4は、計測ノード2に関する物理量を計測した結果として得られる第2の計測値を中継すると共に、第2の計測値に対して少なくとも1つの演算が行われた結果として得られる最終値を出力する。ノード群4の構成は限定されない。ノード群4は、例えば第2の計測機器6と、変換モジュール7と、エッジデバイス8と、クラウド9、10と、を備える。ノード群4は、第2の経路R2を介して第2の計測値を中継する。ノード群4は、中継途中の第2の計測値に対し演算を行わないノードを含んでもよい。演算を行わないノードは、値を変更しない関数による演算を行うノードと見做してもよい。ノード群4において、中継の順序が予め定められていてもよい。ノード群4は、ノード群4における演算に関する関数の情報をブロックチェーンシステム5に送信する。演算としては、例えば電流[A]から電力[kW]を求める計算、電力[kW]から電力量「kWh」を求める計算、又は電力量[kWh]と所定の係数とを用いることによるCO2排出量を求める計算が挙げられるが、これらに限られない。
【0022】
第2の計測機器6は、計測ノード2の物理量を計測する機器である。例えば、第2の計測機器6は、電流センサである。第2の計測機器6は、計測ノード2を計測したアナログデータである電流値を第2の計測値として出力する。第2の計測値は、第1の計測値と同じ条件で計測された値であってもよい。
【0023】
変換モジュール7は、アナログデータである第2の計測値をデジタルデータに変換する機器である。変換モジュール7は、第2の計測機器6とエッジデバイス8との間を中継する。変換モジュール7は、第2の計測機器6とエッジデバイス8との間のプロトコルの変換を行うインタフェースとして機能する。変換モジュール7は、第2の計測機器6に組み込まれていてもよい。
【0024】
エッジデバイス8は、第2の計測値をクラウド9に中継する機器である。エッジデバイス8は、第2の計測値を所定のフォーマットに加工してもよい。エッジデバイスの種類は限定されない。例えば、エッジデバイスは、パーソナルコンピュータであってもよい。エッジデバイス8は、高機能携帯電話機(スマートフォン)、タブレット端末又はウェアラブル端末等であってもよい。
【0025】
クラウド9、10は、それぞれネットワークを通じて利用可能な任意のコンピュータの組合せである。例えば、クラウド9、10は、複数の組織のそれぞれで用いられるコンピュータシステムである。クラウド9、10の間には、複数のノード(例えばクラウド)が存在してもよい。クラウド9を利用する組織と、クラウド10を利用する組織とが異なっていてもよい。
【0026】
ブロックチェーンシステム5は、複数のノードによって構成されるコンピュータシステムである。例えば、ブロックチェーンシステム5は、ブロックチェーン上で台帳を共有する。ブロックチェーンシステム5は、取引情報としてのトランザクション情報を公開する。ブロックチェーンシステム5は、トランザクション情報の正当性を検証する。ブロックチェーンシステム5におけるノードは、ノード群4の各ノードとは異なる。
【0027】
ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値、最終値、及びノード群4における演算に関する関数の情報をブロックチェーン上に記録する。ブロックチェーンシステム5は、関数の情報を予め記録していてもよい。ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値、最終値及び関数の情報を用いて、ノード群4における改ざん有無を判定する。ブロックチェーンシステム5は、判定結果である改ざん有無情報をブロックチェーン上に記録してもよいし、外部のシステムに出力してもよい。改ざん有無情報は、例えば1又は0によって表され得る。
【0028】
端末11は、ブロックチェーンシステム5を構成するノードである。端末11は、ブロックチェーンシステム5に記録された改ざん有無情報を表示装置上に表示する。端末11は、改ざん有無情報に基づいてメッセージを選択して表示してもよい。例えば、端末11の表示装置上には、「改ざんを検知しました」というメッセージが表示されてもよい。端末11は、外部のシステムのコンピュータ装置であってもよい。
【0029】
図2は、値の中継の一例を示す図である。
図2は、複数のノードによって「x」という値が中継され、最終的に「y」という値を出力する例を示す。
図2において、始端ノードux、及び中継ノードu1、u2及びuyがこの順で配置されている。中継ノードu2と中継ノードuyとの間には、一つ以上の中継ノードが存在していてもよい。始端ノードuxは、例えば計測ノード2に対応する。中継ノードu1、u2及びuyは、例えばノード群4に対応する。中継ノードu1、u2及びuyのそれぞれには、関数がそれぞれ対応している。
【0030】
始端ノードuxは、物理量である「x」を出力する。中継ノードu1は、始端ノードuxから「x」を入力値として取得する。例えば、中継ノードu1は、始端ノードuxの計測値「x」を入力値として取得する。中継ノードu1は、関数「f1(x)」を用いて、演算結果である「u1」を出力する。中継ノードu2は、中継ノードu1から「u1」を入力値として取得する。中継ノードu2は、関数「f2(u1)」を用いて、演算結果である「u2」を出力する。このように、値が中継されると共に、演算が実行される。中継途中の値は中継値とも言える。中継ノードuyは、順序に沿った直前の中継ノードの演算結果である「un」を入力値として取得する。中継ノードuyは、関数「fn+1(un)」を用いて、演算結果である「y」を出力する。yは最終的に出力される最終値である。
【0031】
ここで、演算結果である「y」は、複数の関数を合成した関数である合成関数により表すことができる。合成関数は、中継ノードu1、u2及びuyの順序に沿って関数を合成した関数である。例えば、合成関数は、次の式により表すことができる。
y=fn+1(un)
=fn+1(fn(・・f2(f1(x)))・・)
=F(x) ・・・(1)
【0032】
式(1)において、F(x)は、以下の通りである。
F(x)=fn+1(fn(・・f2(f1(x)))・・)
【0033】
式(1)の逆関数は、次の式により表すことができる。
x=F-1(y) ・・・(2)
【0034】
合成関数である式(1)は、最終値yの推測値を算出できる。ブロックチェーンシステム5は、関数の情報として、式(1)を記録していてもよい。合成関数の逆関数である式(2)は、中継される前の第2の計測値の推測値を算出できる。ブロックチェーンシステム5は、関数の情報として、式(2)を記録していてもよい。
【0035】
図3は、合成関数を用いた改ざん有無の判定処理の一例を示す概要図である。ブロックチェーンシステム5は、第1の計測機器3から第1の計測値x1を取得する。第1の計測値x1は、第1の計測機器3による計測ノード2の計測値である。ブロックチェーンシステム5は、最終値y、及び関数の情報として合成関数F(x)をノード群4から取得する。合成関数F(x)は、式(1)により示される関数である。ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値x1、最終値y、及び合成関数F(x)をブロックチェーン上に記録する。
【0036】
ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値x1及び合成関数F(x)を用いて、最終値yの推測値y´を算出する。例えば、ブロックチェーンシステム5は、合成関数F(x)に第1の計測値x1を代入して、最終値yの推測値y´を算出する。
【0037】
ブロックチェーンシステム5は、最終値yと、最終値yの推測値y´とを比較することによって、改ざん有無を判定する。例えば、ブロックチェーンシステム5は、最終値yと最終値yの推測値y´との差が無い場合に、改ざんが無いと判定してもよい。ブロックチェーンシステム5は、最終値yと最終値yの推測値y´との差がある場合に、改ざんがあると判定してもよい。
【0038】
ブロックチェーンシステム5は、所定の閾値θをさらに用いて、改ざん有無を判定してもよい。所定の閾値θの決定方法は限定されない。例えば、所定の閾値θは、ノード群4の誤差に基づいて決定されていてもよい。ノード群4を経由する際に、各ノードの性能又は環境等の要因によって誤差が発生し得る。所定の閾値θは、このような誤差を許容するように決定されていてもよい。ブロックチェーンシステム5は、次の式を用いて改ざん有無を判定してもよい。
|F(x)-y|<θ ・・・(3)
【0039】
ブロックチェーンシステム5は、式(3)の条件を満たす場合に、改ざんが無いと判定してもよい。ブロックチェーンシステム5は、式(3)の条件を満たさない場合に、改ざんがあると判定してもよい。
【0040】
図4は、合成関数の逆関数を用いた改ざん有無の判定処理の一例を示す概要図である。ブロックチェーンシステム5は、第1の計測機器3から第1の計測値x1を取得する。ブロックチェーンシステム5は、最終値y、及び関数の情報として合成関数の逆関数F
-1(y)をノード群4から取得する。合成関数の逆関数F
-1(y)は、式(2)により示される関数である。ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値x1、最終値y、及び合成関数の逆関数F
-1(y)をブロックチェーン上に記録する。
【0041】
ブロックチェーンシステム5は、最終値y及び合成関数の逆関数F-1(y)を用いて、第2の計測値x2の推測値x2´を算出する。第2の計測値x2は、ノード群4の計測機器(例えば第2の計測機器6)による計測ノード2の計測値である。例えば、ブロックチェーンシステム5は、合成関数の逆関数F-1(y)に最終値yを代入して、第2の計測値x2の推測値x2´を算出する。
【0042】
ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値x1と、第2の計測値x2の推測値x2´とを比較することによって、改ざん有無を判定する。例えば、ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値x1と、第2の計測値x2の推測値x2´との差が無い場合に、改ざんが無いと判定してもよい。ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値x1と、第2の計測値x2の推測値x2´との差がある場合に、改ざんがあると判定してもよい。
【0043】
ブロックチェーンシステム5は、所定の閾値θをさらに用いて、改ざん有無を判定してもよい。ブロックチェーンシステム5は、次の式を用いて改ざん有無を判定してもよい。
|F-1(y)-x1|<θ ・・・(4)
【0044】
ブロックチェーンシステム5は、式(4)の条件を満たす場合に、改ざんが無いと判定してもよい。ブロックチェーンシステム5は、式(4)の条件を満たさない場合に、改ざんがあると判定してもよい。
【0045】
[品質保証システムの動作]
図5を参照しながら品質保証システム1による動作方法(品質保証方法)の一例について説明する。
図5は、品質保証システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
図5において、ブロックチェーンシステム5は、ノード群4における演算に関する関数の情報を予め記録しているとして説明する。
【0046】
ステップS1において、計測ノード2は、物理量を出力する。例えば、計測ノード2は、電流値として「x」を出力する。
【0047】
ステップS2において、第1の計測機器3は、第1の計測値を取得する。例えば、第1の計測機器3は、計測ノード2に関する物理量を計測した結果として得られる第1の計測値x1を取得する。第1の計測値x1は、計測ノード2が出力する電流値の「x」に対応する。
【0048】
ステップS3において、ノード群4は、第2の計測値を取得する。例えば、第2の計測機器6は、計測ノード2に関する物理量を計測した結果として得られる第2の計測値x2を取得する。第2の計測値x2は、計測ノード2が出力する電流値の「x」に対応する。
【0049】
ステップS4において、第1の計測機器3は、第1の計測値を出力する。例えば、第1の計測機器3は、第1の計測値x1をブロックチェーンシステム5に出力する。第1の計測機器3は、第1の経路R1を介して第1の計測値x1を出力する。
【0050】
ステップS5において、ノード群4は、第2の計測値x2を中継する。ノード群4は、第2の経路R2を介して第2の計測値x2を中継する。ノード群4は、第2の計測値x2を中継すると共に、第2の計測値x2に対して少なくとも1つの演算が行われた結果として得られる最終値yを算出する。
【0051】
ステップS6において、ノード群4は、最終値yを出力する。例えば、ノード群4は、最終値yをブロックチェーンシステム5に出力する。
【0052】
ステップS7において、ブロックチェーンシステム5は、各種情報をブロックチェーン上に記録する。例えば、ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値x1及び最終値yをブロックチェーン上に記録する。ここでは、ブロックチェーン上には、ノード群4における演算に関する関数の情報が予め記録されている。
【0053】
ステップS8において、ブロックチェーンシステム5は、ノード群4における改ざん有無を判定する。ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値、最終値及び関数の情報を用いて、ノード群4における改ざん有無を判定する。
【0054】
ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値x1及び合成関数F(x)を用いて、最終値yの推測値y´を算出してもよい。ブロックチェーンシステム5は、最終値yと、最終値yの推測値y´とを比較することによって、改ざん有無を判定してもよい。ブロックチェーンシステム5は、所定の閾値θをさらに用いて、改ざん有無を判定してもよい。ブロックチェーンシステム5は、式(3)を用いて改ざん有無を判定してもよい。
【0055】
ブロックチェーンシステム5は、最終値y及び合成関数の逆関数F-1(y)を用いて、第2の計測値x2の推測値x2´を算出してもよい。ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値x1と、第2の計測値x2の推測値x2´とを比較することによって、改ざん有無を判定してもよい。ブロックチェーンシステム5は、所定の閾値θをさらに用いて、改ざん有無を判定してもよい。ブロックチェーンシステム5は、式(4)を用いて改ざん有無を判定してもよい。
【0056】
ステップS9において、ブロックチェーンシステム5は、改ざん有無を出力する。例えば、ブロックチェーンシステム5は、改ざん有無の判定結果である改ざん有無情報をブロックチェーン上に記録してもよいし、外部のシステムに出力してもよい。例えば、ブロックチェーンシステム5を構成する端末11は、ブロックチェーンシステム5に記録された改ざん有無情報を表示装置上に表示してもよい。
【0057】
品質保証方法は、上記実施形態での例に限定されない。例えば、上述したステップ(処理)の一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正または削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
【0058】
[ハードウェア構成]
図6は、品質保証システム1に関連するハードウェア構成の一例を示す図である。
図6は、端末11として機能するコンピュータ100を示す。コンピュータ100は、プロセッサ101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信制御部104と、入力装置105と、出力装置106とを有する。端末11は、これらのハードウェアと、プログラム等のソフトウェアとにより構成された1又は複数のコンピュータ100によって構成される。
【0059】
端末11が複数のコンピュータ100によって構成される場合には、これらのコンピュータ100はローカルで接続されてもよいし、インターネット又はイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続されてもよい。この接続によって、論理的に1つの端末11が構築される。
【0060】
プロセッサ101は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどを実行するCPU(Central Processing Unit)である。主記憶部102は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)により構成される。補助記憶部103は、ハードディスク及びフラッシュメモリなどにより構成される記憶媒体である。補助記憶部103は、一般的に主記憶部102よりも大量のデータを記憶する。通信制御部104は、ネットワークカード又は無線通信モジュールにより構成される。端末11における他の装置との通信機能の少なくとも一部は、通信制御部104によって実現されてもよい。入力装置105は、キーボード、マウス、タッチパネル、及び、音声入力用マイクなどにより構成される。出力装置106は、ディスプレイ及びプリンタなどにより構成される。
【0061】
補助記憶部103は、予め、プログラム110(品質保証プログラム)及び処理に必要なデータを格納している。プログラム110は、端末11の各機能要素をコンピュータ100に実行させる。プログラム110によって、例えば、上述した品質保証方法に係る処理がコンピュータ100において実行される。例えば、プログラム110は、プロセッサ101又は主記憶部102によって読み込まれ、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、通信制御部104、入力装置105、及び出力装置106の少なくとも1つを動作させる。例えば、プログラム110は、主記憶部102及び補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行う。
【0062】
プログラム110は、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記憶媒体に記録された上で提供されてもよい。プログラム110は、データ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0063】
エッジデバイス8及びクラウド9、10を構成するコンピュータ装置、及びブロックチェーンシステム5を構成する各ノードについても、端末11と同様のハードウェア構成であってもよい。
【0064】
以上説明したように、本開示の一側面に係る品質保証システム1は、計測対象となる計測ノード2と、計測ノード2に関する物理量を計測した結果として得られる第1の計測値を出力する計測機器(第1の計測機器3)と、計測ノード2に関する物理量を計測した結果として得られる第2の計測値を中継すると共に、第2の計測値に対して少なくとも1つの演算が行われた結果として得られる最終値を出力するノード群4と、第1の計測値、最終値、及びノード群における演算に関する関数の情報をブロックチェーン上に記録し、第1の計測値、最終値及び関数の情報を用いて、ノード群4における改ざん有無を判定するブロックチェーンシステム5と、を備える。
【0065】
本開示の一側面に係る品質保証方法は、計測対象となる計測ノード2と、計測機器(第1の計測機器3)と、ノード群4と、ブロックチェーンシステム5とを備える品質保証システム1によって実行される。品質保証方法は、計測機器によって、計測ノード2に関する物理量を計測した結果として得られる第1の計測値を出力するステップと、ノード群4によって、計測ノード2に関する物理量を計測した結果として得られる第2の計測値を中継すると共に、第2の計測値に対して少なくとも1つの演算が行われた結果として得られる最終値を出力するステップと、ブロックチェーンシステム5によって、第1の計測値、最終値、及びノード群4における演算に関する関数の情報をブロックチェーン上に記録し、第1の計測値、最終値及び関数の情報を用いて、ノード群4における改ざん有無を判定するステップと、を備える。
【0066】
品質保証システム1又は品質保証方法では、計測ノード2の物理量について、第1の計測値及び第2の計測値が計測される。第1の計測値、最終値、及び関数の情報がブロックチェーン上に記録される。これにより、第1の計測値、最終値及び関数の情報の信頼性が確保できる。そして、第1の計測値、最終値及び関数の情報を用いて、ノード群4における改ざん有無が判定される。これにより、ノード群4を経由する第2の計測値について、値の品質保証が可能になる。
【0067】
従来の手法では、例えば複数のノードを中継する場合において、該複数のノードで中継する値のエビデンスを取る等の作業が発生し得る。中継するノードの数が増加するほど、改ざんの可能性がある箇所が増加する。したがって、中継するノードの数が増加するほど、エビデンスを取るコスト及び時間も増加する。これに対し、本開示の品質保証システム1によれば、ノード群4でのエビデンスの取得等が不要であるため、コスト及び時間の増加を抑制できる。また、ノード群4に新たなノードが追加されても、対応する関数の情報を追加させるだけでよい。例えば、新たなノードの追加によって、ノード群4における中継の順序が変更された場合、ブロックチェーンシステム5は、変更後の順序に対応して関数の情報を記録すればよい。したがって、本開示の品質保証システム1は、拡張性の向上が可能である。
【0068】
関数の情報は、ノード群4で用いられる複数の関数を合成した合成関数である。ブロックチェーンシステム5は、第1の計測値及び合成関数を用いて、最終値の推測値を算出し、最終値と、最終値の推測値とを比較することによって、改ざん有無を判定する。この場合、合成関数に第1の計測値を代入することにより、ノード群4を経由した後の最終値の推測値が算出される。最終値と最終値の推測値との比較によって、ノード群4における改ざん有無が判定される。これにより、値の品質保証を確保しながら、計算コストの増加を抑制できる。
【0069】
関数の情報は、ノード群4で用いられる複数の関数を合成した合成関数の逆関数である。ブロックチェーンシステム5は、最終値及び逆関数を用いて、第2の計測値の推測値を算出し、第1の計測値と、第2の計測値の推測値とを比較することによって、改ざん有無を判定する。この場合、合成関数の逆関数に最終値を代入することにより、ノード群4を経由する前の第2の計測値の推測値が算出される。第1の計測値の推測値と第2の計測値の推測値との比較によって、ノード群4における改ざん有無が判定される。これにより、値の品質保証を確保しながら、計算コストの増加を抑制できる。
【0070】
ブロックチェーンシステム5は、ノード群4の誤差に基づいて決定された所定の閾値をさらに用いて、改ざん有無を判定する。最終値は、ノード群4を経由することによって、誤差が生じ得る。これに対し、第1の計測値は、ノード群4を経由しないため、最終値と比較して誤差が小さくなる傾向にあり、無視可能と考えることもできる。所定の閾値が改ざん有無に用いられることにより、改ざん有無の判定精度が向上する。
【0071】
第1の計測値及び第2の計測値は、環境価値を評価する値である。環境価値を評価する値は、値の信頼性が要求されると共に、様々なノードで中継され、活用され得る。本開示の品質保証システム1によれば、環境価値を評価する値の品質保証が簡便な方法で可能となる。
【0072】
計測機器は、第1の経路を介して第1の計測値を出力する。ノード群4は、第1の経路とは異なる第2の経路を介して第2の計測値を中継する。この場合、第1の経路及び第2の経路に分岐して、第1の計測値及び第2の計測値が連携される。これにより、第1の計測値及び第2の計測値の独立性が確保される。その結果、改ざん有無の判定の信頼性を向上できる。
【0073】
[変形例]
本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0074】
上記実施形態では、第1の計測値及び第2の計測値が電流値である例を説明したが、これに限られない。第1の計測値及び第2の計測値は、電圧値、電力値、振動値、回転数又は温度等であってもよい。第1の計測値及び第2の計測値は、互いに異なっていてもよい。一例では、第1の計測値が電流値であり、第2の計測値が振動値であってもよい。この場合、ブロックチェーンシステム5は、式(1)に示される合成関数を用いて改ざん有無を判定してもよい。
【0075】
上記実施形態では、第1の計測値は、ノード群4を経由しないため、最終値と比較して誤差が小さくなる傾向にあり、無視可能と考えることもできると説明したが、誤差を考慮してもよい。計測機器(第1の計測機器3)が検定されている場合、第1の計測値の誤差は定量的に決まる。したがって、第1の計測値の誤差は、式(3)又は式(4)で示す所定の閾値θの決定に用いられてもよい。
【0076】
上記実施形態では、ブロックチェーンシステム5は、ノード群4の誤差に基づいて決定された所定の閾値をさらに用いて、改ざん有無を判定する例を説明したが、これに限られない。所定の閾値は、特定の業界によって定められた閾値としてもよい。
【0077】
二つの数値の大小関係の比較では、「以上」及び「超える(よりも大きい)」という二つの基準のどちらが用いられてもよく、「以下」及び「未満」という二つの基準のうちのどちらが用いられてもよい。
【0078】
[付記]
以下、本開示の要旨を示す。
[1]
計測対象となる計測ノードと、
前記計測ノードに関する物理量を計測した結果として得られる第1の計測値を出力する計測機器と、
前記計測ノードに関する前記物理量を計測した結果として得られる第2の計測値を中継すると共に、前記第2の計測値に対して少なくとも1つの演算が行われた結果として得られる最終値を出力するノード群と、
前記第1の計測値、前記最終値、及び前記ノード群における演算に関する関数の情報をブロックチェーン上に記録し、前記第1の計測値、前記最終値及び前記関数の情報を用いて、前記ノード群における改ざん有無を判定するブロックチェーンシステムと、を備える、
品質保証システム。
[2]
前記関数の情報は、前記ノード群で用いられる複数の関数を合成した合成関数であり、
前記ブロックチェーンシステムは、前記第1の計測値及び前記合成関数を用いて、前記最終値の推測値を算出し、前記最終値と、前記最終値の推測値とを比較することによって、前記改ざん有無を判定する、
[1]に記載の品質保証システム。
[3]
前記関数の情報は、前記ノード群で用いられる複数の関数を合成した合成関数の逆関数であり、
前記ブロックチェーンシステムは、前記最終値及び前記逆関数を用いて、前記第2の計測値の推測値を算出し、前記第1の計測値と、前記第2の計測値の推測値とを比較することによって、前記改ざん有無を判定する、
[1]又は[2]に記載の品質保証システム。
[4]
前記ブロックチェーンシステムは、前記ノード群の誤差に基づいて決定された所定の閾値をさらに用いて、前記改ざん有無を判定する、[1]~[3]のいずれかに記載の品質保証システム。
[5]
前記第1の計測値及び前記第2の計測値は、環境価値を評価する値である、[1]~[4]のいずれかに記載の品質保証システム。
[6]
前記計測機器は、第1の経路を介して前記第1の計測値を出力し、
前記ノード群は、前記第1の経路とは異なる第2の経路を介して前記第2の計測値を中継する、
[1]~[5]のいずれかに記載の品質保証システム。
[7]
計測対象となる計測ノードと、計測機器と、ノード群と、ブロックチェーンシステムとを備える品質保証システムによって実行される品質保証方法であって、
前記計測機器によって、前記計測ノードに関する物理量を計測した結果として得られる第1の計測値を出力するステップと、
前記ノード群によって、前記計測ノードに関する前記物理量を計測した結果として得られる第2の計測値を中継すると共に、前記第2の計測値に対して少なくとも1つの演算が行われた結果として得られる最終値を出力するステップと、
前記ブロックチェーンシステムによって、前記第1の計測値、前記最終値、及び前記ノード群における演算に関する関数の情報をブロックチェーン上に記録し、前記第1の計測値、前記最終値及び前記関数の情報を用いて、前記ノード群における改ざん有無を判定するステップと、を備える、
品質保証方法。
【符号の説明】
【0079】
1 品質保証システム
2 計測ノード
3 第1の計測機器(計測機器)
4 ノード群
5 ブロックチェーンシステム
6 第2の計測機器
7 変換モジュール
8 エッジデバイス
9 クラウド
10 クラウド
11 端末
y 最終値
R1 第1の経路
R2 第2の経路
x1 第1の計測値
x2 第2の計測値
y´ 推測値
x2´ 推測値
θ 閾値