(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165343
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】入退管理システム、入退管理方法、及び、入退管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20241121BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081463
(22)【出願日】2023-05-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-21
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 良紀
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】ユーザーが管理区域に実際に入場したのか、管理区域の前を通り過ぎただけなのかを判別する上で有利になる入退管理システム、入退管理方法、及び、入退管理プログラムを提供する。
【解決手段】本開示に係る入退管理システムは、管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証部と、携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断部と、管理区域内への在室状態を判断する在室判断部と、を備え、認証部によって携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、在室判断部に「在室中」と判断された携帯端末のうちの第2携帯端末と第1携帯端末とが接近したと判断された場合、在室判断部は第1携帯端末を「在室中」と判断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証部と、
携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断部と、
前記管理区域内への在室状態を判断する在室判断部と、を備え、
前記認証部によって前記携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、前記在室判断部に「在室中」と判断された前記携帯端末のうちの第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近したと判断された場合、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「在室中」と判断する入退管理システム。
【請求項2】
前記管理区域内からの出場時に前記在室判断部に「在室中」と判断されている前記第1携帯端末から読み取った前記認証情報を認証した後、前記接近判断部が前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とが一定期間接近していないと判断した場合、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「不在」と判断する請求項1に記載の入退管理システム。
【請求項3】
前記在室判断部に「不在」と判断されている前記第1携帯端末から読み取った前記認証情報を認証した後、前記接近判断部に前記第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近したと判断されるまで、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「在室不確定」と判断する請求項1または請求項2に記載の入退管理システム。
【請求項4】
前記第1携帯端末が前記在室判断部に「在室不確定」と一定時間判断されている場合、前記接近判断部は前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とが接近したと判断される距離を広げる請求項1または請求項2に記載の入退管理システム。
【請求項5】
近接読取距離内で前記第1携帯端末から前記読取装置が前記認証情報を読み取り前記認証部によって前記第1携帯端末の前記認証情報を認証した場合、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「在室中」と判断する請求項1または請求項2に記載の入退管理システム。
【請求項6】
前記在室判断部に「在室中」と判断されている前記第1携帯端末から前記近接読取距離内で読み取った前記認証情報を認証した場合、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「不在」と判断する請求項5に記載の入退管理システム。
【請求項7】
前記第2携帯端末以外に前記在室判断部が「在室中」と判断している他の携帯端末が無い場合から前記接近判断部が、前記第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近して前記在室判断部が前記第1携帯端末を「在室中」と判断した場合において、
前記認証部が第3携帯端末を認証した後に前記接近判断部が前記第2携帯端末と前記第3携帯端末とが接近したと判断した場合、前記在室判断部は前記第3携帯端末を「在室中」と判断し、
前記認証部が第3携帯端末を認証した後に前記接近判断部が前記第1携帯端末と前記第3携帯端末とが接近したと判断した場合、前記在室判断部は前記第3携帯端末を「在室中」と判断しない請求項1または請求項2に記載の入退管理システム。
【請求項8】
前記接近判断部は、前記携帯端末同士の接近の有無をTOFによる測距によって判断する請求項1または請求項2に記載の入退管理システム。
【請求項9】
前記接近判断部は、前記携帯端末同士の接近の有無を前記携帯端末が搭載するTOFセンサの測距機能によって判断する請求項8に記載の入退管理システム。
【請求項10】
管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証ステップと、
携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断ステップと、
前記管理区域内への在室状態を判断する在室判断ステップと、を備え、
前記認証ステップによって前記携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、前記在室判断ステップで「在室中」と判断された前記携帯端末のうちの第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近したと判断された場合、前記在室判断ステップは前記第1携帯端末を「在室中」と判断する入退管理方法。
【請求項11】
管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証ステップと、
携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断ステップと、
前記管理区域内への在室状態を判断する在室判断ステップと、をコンピュータに実行させる入退管理プログラムであって、
前記認証ステップによって前記携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、前記在室判断ステップで「在室中」と判断された前記携帯端末のうちの第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近したと判断された場合、前記在室判断ステップは前記第1携帯端末を「在室中」と判断する入退管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入退管理システム、入退管理方法、及び、入退管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線タグあるいは無線機能を持つ携帯端末を認証に使用し、ハンズフリーで入退室が可能な入退管理システム(以下、ハンズフリー型入退管理システムと呼ぶ。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハンズフリー型入退管理システムにおいては、一般的に管理区域の入り口に認証装置を設けて入退場を管理するが、利便性を確保するためには入り口周辺の広い範囲を認証しなくてはならず、ユーザーが管理区域に実際に入場したのか、管理区域の前を通り過ぎただけなのかを判別することが困難であった。
【0005】
上記のような問題に対する解決策として、例えば特許文献1に開示されたスペース管理方法では、室内に発信機を設置してユーザーの携帯端末との無線通信で距離を測定し、ユーザーが在室しているか室外にいるかを判断する方法が提案されている。この方法では管理区域が広くなった場合に対応が困難であり、さらに管理区域の広さに応じた検出範囲のチューニングが必要となるという問題があった。
【0006】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、ユーザーが管理区域に実際に入場したのか、管理区域の前を通り過ぎただけなのかを判別する上で有利になる入退管理システム、入退管理方法、及び、入退管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る入退管理システムは、管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証部と、携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断部と、管理区域内への在室状態を判断する在室判断部と、を備え、認証部によって携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、在室判断部に「在室中」と判断された携帯端末のうちの第2携帯端末と第1携帯端末とが接近したと判断された場合、在室判断部は第1携帯端末を「在室中」と判断するものである。
本開示に係る入退管理方法は、管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証ステップと、携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断ステップと、管理区域内への在室状態を判断する在室判断ステップと、を備え、認証ステップによって携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、在室判断ステップで「在室中」と判断された携帯端末のうちの第2携帯端末と第1携帯端末とが接近したと判断された場合、在室判断ステップは第1携帯端末を「在室中」と判断するものである。
本開示に係る入退管理プログラムは、管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証ステップと、携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断ステップと、管理区域内への在室状態を判断する在室判断ステップと、をコンピュータに実行させる入退管理プログラムであって、認証ステップによって携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、在室判断ステップで「在室中」と判断された携帯端末のうちの第2携帯端末と第1携帯端末とが接近したと判断された場合、在室判断ステップは第1携帯端末を「在室中」と判断するものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザーが管理区域に実際に入場したのか、管理区域の前を通り過ぎただけなのかを判別する上で有利になる入退管理システム、入退管理方法、及び、入退管理プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1におけるハンズフリー型の入退管理システムの構成図である。
【
図2】入退管理システムが権限のあるユーザーを入場させるまでのシーケンスである。
【
図3】入退管理システムの在室判断部がユーザーAの携帯端末である第1携帯端末を「在室中」と判断するまでのシーケンスである。
【
図4】入退管理システムがユーザーの管理区域からの退場を判定する際の動作を示すシーケンスである。
【
図5】第1携帯端末が管理区域に入場した後、予め定められた時間以上「在室不確定」状態であった場合の動作を示すシーケンスである。
【
図6】「不在」状態の第1携帯端末を「在室不確定」状態を経由せずに「在室」状態として登録する際のシーケンスである。
【
図7】第1携帯端末を「在室不確定」状態を経由せずに「不在」状態とする際のシーケンスである。
【
図8】実施の形態1における入退管理システムの使用イメージを示す図である。
【
図9】実施の形態2におけるハンズフリー型の入退管理システムの構成図である。
【
図10】実施の形態2における入退管理システムがユーザーAの携帯端末である第1携帯端末を「在室中」と判断するまでのシーケンスである。
【
図11】マスター携帯端末を「在室中マスター」状態に変更する際のシーケンスである。
【
図12】「在室中マスター」状態のマスター携帯端末を「不在マスター」状態に変更する際のシーケンスである。
【
図13】実施の形態2における入退管理システムの使用イメージを示す図である。
【
図14】実施の形態における携帯端末、入退室検出装置、入退室管理サーバーの機能を実現する構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通または対応する要素には、同一の符号を付して、説明を簡略化または省略する。以下に示す実施の形態に示した構成は、本開示に係る技術的思想の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示に記載の複数の技術的思想を組み合わせることも可能である。また、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略または変更することも可能である。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるハンズフリー型の入退管理システム1の構成図である。実施の形態1におけるハンズフリー型の入退管理システム1は、管理区域01に入場するユーザーを認証し権限のあるユーザーのみを入場させる機能と、管理区域01に入場し、在室しているユーザーを管理する在室管理機能を有する。
【0012】
まず、実施の形態1において入退管理システム1が「ユーザーを認証し権限のあるユーザーのみを入場させる」動作について説明する。なお当該の動作は、入場させたユーザーを「在室不確定」として管理する点を除き、一般的なハンズフリー型入退管理システムと同様である。
図2は入退管理システム1が権限のあるユーザーを入場させるまでのシーケンスである。
【0013】
実施の形態1において、各ユーザーは、入室のための認証情報(22a,22b)と、入退管理システム1で携帯端末が在室中と判断されているかどうかを示す在室情報(23a,23b)と、他ユーザーの携帯端末との距離を計測するための接近判断部(21a,21b)とを格納した携帯端末(20a,20b)を所持する。第1携帯端末20a及び第2携帯端末20bのそれぞれは、通信網を介して入退室管理サーバー30と無線通信により双方向に通信可能である。
【0014】
管理区域01の出入り口には扉40と、扉を開錠・施錠するための電気錠41と、ユーザーを認証するための入退室検出装置10とが設置される。入退室検出装置10は、ユーザーの携帯端末20a,20bと無線を用いて通信し、携帯端末20a,20bに格納された認証情報22a,22bを読み取る読取装置と、読取装置が読み取った認証情報22a,22bを認証するための認証部11とを有する。
【0015】
あるユーザーAが入退室検出装置10に近づくと、入退室検出装置10の認証部11はユーザーAの携帯端末である第1携帯端末20aと無線で通信し、第1携帯端末20aから認証情報22aを取得する。認証情報22aの形態としては証明書、暗号鍵など複数の候補が存在し、いずれを使用しても良い。また、無線通信としては、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)あるいはUWB(Ultra Wide Band)を用いることができる。
【0016】
認証部11は、入退管理システム1における入退室管理サーバー30に、取得した認証情報22aを通信線経由で送信する。この際に使用する通信線は、例えば、LAN(Local area network)、RS-422などであり、この際に使用する通信は有線通信に限らず、モバイル回線あるいはWi-Fiなどの無線通信でも良い(Wi-Fiは登録商標)。また、入退室管理サーバー30は入退室検出装置10と通信可能な場所であれば、管理区域01の外部・内部を問わず、どのような場所に設置されても良い。
【0017】
入退室管理サーバー30はユーザーの権限情報を格納した認証データベース32を有し、取得した認証情報22aから、ユーザーAが管理区域01への入場権限を持っているユーザーかどうかを確認する。ユーザーAが入場権限を持っている場合、入退室管理サーバー30は電気錠41を制御するコントローラ42に指示を送り、電気錠41を使って管理区域01の入り口の扉を開錠する。さらに、入退室管理サーバー30はユーザーの在室管理を行う在室判断部31を有し、認証したユーザーAの状態を「在室不確定」として記憶する。同時に入退室管理サーバー30は第1携帯端末20aに指示を送り、在室判断部31が第1携帯端末20aの在室情報23aを「在室不確定」とする。
【0018】
このように、在室判断部31に「不在」と判断されている第1携帯端末20aから読み取った認証情報22aを認証した後、接近判断部21aに第2携帯端末20bと第1携帯端末20aとが接近したと判断されるまで、在室判断部31は第1携帯端末20aを「在室不確定」と判断する。これにより、管理区域01の前を通り過ぎただけのユーザーを在室していると誤認することを確実に防止できる。
【0019】
次に、実施の形態1において入退管理システム1が「在室しているユーザーを管理する」機能において、ユーザーの管理区域01への入場を判定する動作について説明する。入退管理システム1はユーザー(正確にはユーザーの持つ携帯端末)を「不在」「在室不確定」「在室中」の3つの状態で管理し、「在室中」状態のユーザーのみを管理区域01の中に滞在しているものと判断する。
図3は、入退管理システム1の在室判断部31がユーザーAの携帯端末である第1携帯端末20aを「在室中」と判断するまでのシーケンスである。
【0020】
ユーザーAが管理区域01に入場すると、第1携帯端末20aは自身の持つ接近判断部21aによって、無線(BLEやUWBなど、測距が可能なもの)を用いて定期的に周囲にある携帯端末との距離を測定する。ここで、第1携帯端末20aから予め設定された範囲内に、ユーザーBの携帯端末である第2携帯端末20bを検出した場合、第1携帯端末20aは無線通信によって第2携帯端末20bの在室情報23bを取得する。この際の範囲は一例として第1携帯端末20aを中心とした半径5mを想定するが、管理区域01が狭い場合にはより小さな範囲としても良く、逆に管理区域01が広い場合にはより大きな範囲としても良い。また在室情報の取得に使用する無線通信は、モバイル回線、BLE、UWBなど、第1携帯端末20aと第2携帯端末20bが通信できる方式であればどのようなものでも良い。
【0021】
接近判断部21a,21bは、携帯端末20a,20b同士の接近の有無を、携帯端末20a,20bが搭載するTOF(Time of Flight)センサの測距機能によって判断することが好ましい。TOFセンサを用いることで、例えば光学的な測距と比較して利用者が携帯端末を収納する場所の自由度が上がるという利点がある。なお、TOFによる測距はTOFセンサを用いることに限られない。携帯端末20a,20b同士の接近の有無を、TOFによる測距が可能な他の方式、例えばBLEあるいはUWBなどを用いて測距することによって判断するようにしてもよい。
【0022】
次に、第1携帯端末20aは取得した第2携帯端末20bの在室情報23bから、第2携帯端末20bが「在室中」状態かどうかを判断する。第2携帯端末20bが「在室中」であった場合、取得した在室情報23bと第2携帯端末20bとの測距情報を無線通信および有線通信によって入退室管理サーバー30に送信する。この際の通信はモバイル回線と広域LANの組み合わせを想定するが、各携帯端末と入退室管理サーバー30が通信可能な方式であればどのようなものでも良い。
【0023】
入退室管理サーバー30の在室判断部31は受信した第2携帯端末20bの在室情報23bを確認し、自身の記憶している情報と矛盾がなければ、第1携帯端末20a内部の在室情報23aを「在室中」状態に変更するように指示を送る。
【0024】
このように、本実施の形態では、認証部11によって第1携帯端末20aの認証情報22aを認証した後、在室判断部31に「在室中」と判断された第2携帯端末20bと第1携帯端末20aとが接近したと判断された場合、在室判断部31は第1携帯端末20aを「在室中」と判断する。
ここで、本実施の形態の入退管理方法は、管理区域01内への入場時に利用者が所持する携帯端末20a,20bから読取装置が読み取った認証情報を認証する認証ステップと、携帯端末20a,20b同士の接近の有無を判断する接近判断ステップと、管理区域01内への在室状態を判断する在室判断ステップと、を備え、認証ステップによって携帯端末20a,20bのうちの第1携帯端末20aの認証情報を認証した後、在室判断ステップで「在室中」と判断された携帯端末のうちの第2携帯端末20bと第1携帯端末20aとが接近したと判断された場合、在室判断ステップは第1携帯端末20aを「在室中」と判断するものである。
また、本実施の形態の入退管理プログラムは、管理区域01内への入場時に利用者が所持する携帯端末20a,20bから読取装置が読み取った認証情報を認証する認証ステップと、携帯端末20a,20b同士の接近の有無を判断する接近判断ステップと、管理区域01内への在室状態を判断する在室判断ステップと、をコンピュータに実行させる入退管理プログラムであって、認証ステップによって携帯端末20a,20bのうちの第1携帯端末20aの認証情報を認証した後、在室判断ステップで「在室中」と判断された携帯端末のうちの第2携帯端末20bと第1携帯端末20aとが接近したと判断された場合、在室判断ステップは第1携帯端末20aを「在室中」と判断するものである。
このような本実施の形態によれば、ユーザーが管理区域01に実際に入場したのか、管理区域01の前を通り過ぎただけなのかを判別することが可能となる。
【0025】
次に、実施の形態1において入退管理システム1が「在室しているユーザーを管理する」機能において、ユーザーの管理区域01からの退場を判定する動作について説明する。
図4は、入退管理システム1がユーザーの管理区域01からの退場を判定する際の動作を示すシーケンスである。
【0026】
ユーザーAが「在室中」の状態で入退室検出装置10に近づくと、当該装置の認証部11は
図2と同様のシーケンスで第1携帯端末20aと無線で通信し、管理区域01の入り口の扉40を開錠する。また、入退室管理サーバー30の在室判断部31は第1携帯端末20aを「在室不確定」状態として記憶する。
【0027】
その後、第1携帯端末20aは
図3のシーケンスと同様の、無線を用いた定期的な測距を実施する。当該の測距において、予め設定された時間が経過するまで、予め設定された範囲内に在室情報が「在室中」の携帯端末を一度も検出しなかった場合、第1携帯端末20aは周囲に「在室中」の携帯端末が存在しないことを入退室管理サーバー30に通知する。一例として、この際の時間は1分、範囲は第1携帯端末20aを中心とした半径5mを想定するが、管理区域が狭い場合にはより短い時間、より小さな範囲としても良く、逆に管理区域が広い場合にはより長い時間、より大きな範囲としても良い。
【0028】
第1携帯端末20aから上記通知を受信した入退室管理サーバー30の在室判断部31は、第1携帯端末20aを「不在」として記憶し、さらに第1携帯端末20aに内部の在室情報23aを「不在」状態に変更するように指示を送る。
【0029】
このように、管理区域01内からの出場時に在室判断部31に「在室中」と判断されている第1携帯端末20aから読み取った認証情報22aを認証した後、接近判断部21aが第1携帯端末20aと第2携帯端末20bとが一定期間接近していないと判断した場合、在室判断部31は第1携帯端末20aを「不在」と判断する。これにより、退場した可能性のある第1携帯端末20aについて、接近判断部21aが周囲に「在室中」の携帯端末が存在しないことを検出することで、第1携帯端末20aが管理区域01から実際に退場したのか、すぐに再入場する等して実際には退場しなかったのかを判別することが可能となる。
【0030】
次に、実施の形態1において長時間「在室不確定」状態にある携帯端末の状態を確定させる動作について説明する。
【0031】
図5は、第1携帯端末20aが管理区域01に入場した後、予め定められた時間以上「在室不確定」状態であった場合の動作を示すシーケンスである。上記の時間は一例として3分間を想定するが、管理区域01が狭い場合にはより短い時間としても良く、逆に管理区域01が広い場合にはより長い時間としても良い。
【0032】
図5のシーケンスにおいて、第1携帯端末20aが管理区域01に入場し、定期的に測距を開始するまでの流れは
図3のシーケンスと同様である。その後、第1携帯端末20aが「在室中」状態の携帯端末を一定時間(一例として3分)以上検出できなかった場合、第1携帯端末20aは定期的に行う測距の範囲を拡大する。一例として、測距の範囲を半径5mから、3倍の半径15mに拡大することを想定するが、管理区域01が狭い場合にはより小さい倍率としても良く、管理区域01が広い場合にはより大きな倍率としても良い。
【0033】
測距の範囲を拡大した結果として「在室中」状態の第2携帯端末20bを検出した場合、入退管理システム1は
図3のシーケンスと同様の流れで第1携帯端末20aを「在室中」状態とする。
【0034】
一方、測距の範囲を拡大してさらに定められた時間測距を行っても「在室中」状態の携帯端末を検出できない場合、入退室管理サーバー30の在室判断部31は第1携帯端末20aを「不在」状態として記憶し、さらに第1携帯端末20aに内部の在室情報23aを「不在」状態に変更するように指示を送る。上記の時間は一例として3分間を想定するが、管理区域01が狭い場合にはより短い時間としても良く、逆に広い場合にはより長い時間としても良い。
【0035】
このように、第1携帯端末20aが在室判断部31に「在室不確定」と一定時間判断されている場合、接近判断部21aは、第1携帯端末20aと第2携帯端末20bとが接近したと判断される距離を広げる。これにより、第1携帯端末20aが「在室中」であるか「不在」であるかを確定させることができる。
【0036】
次に、実施の形態1において特定の「不在」状態の携帯端末を「在室不確定」状態を経由せずに「在室」状態として登録する動作について説明する。
図6は、「不在」状態の第1携帯端末20aを「在室不確定」状態を経由せずに「在室」状態として登録する際のシーケンスである。
【0037】
あるユーザーAが入退室検出装置10に近づくと、当該装置の認証部11は第1携帯端末20aと第1の無線(BLEあるいはUWBなど)で通信し、第1携帯端末20aから認証情報22aを取得するとともに、第2の無線(BLEあるいはUWBなど、測距が可能なもの)を用いて第1携帯端末20aと入退室検出装置10が最も近づいた時点の距離を計測する。ここで、第1の無線と第2の無線は同一の方式でも異なる方式でも良い。一例として、第1の無線と第2の無線の両方で、情報の送受信に加えてTOF(Time of Flight)による測距を行うことができるUWBを用いる構成が考えられる。
【0038】
なお、上記の距離の計測において一度しか計測を行わない場合、ユーザーがゆっくりと携帯端末を入退室検出装置10に近づけた場合に、携帯端末が近づく前に計測が行われてしまい、最も近づいた時点で計測できない可能性がある。そこで上記の距離の計測にあたっては、1秒間隔で複数回の距離計測を行い、最も小さい値を採用する。また、確実に最短距離での計測を行うため、携帯端末上で何らかの操作が行われた場合に距離計測を行う方式を採用しても良い。例えば携帯端末上で専用のアプリを起動し、アプリ上でボタンを押下した時点で距離計測を行う方法が考えられる。
【0039】
次に、入退室検出装置10は自身の読取装置と第1携帯端末20aとの距離が予め設定した閾値以下であれば、第1携帯端末20aを至近距離で検出したとして、入退室管理サーバー30に認証情報22aに加えて至近距離で検出したことを示す情報を送信する。一例として、この際の距離の閾値は5cmを想定するが、より判定を厳密に行いたい場合は閾値を小さく設定しても良く、逆に判定を緩めたい場合は閾値を大きく設定しても良い。
【0040】
その後、入退室管理サーバー30が認証情報22aの確認および扉40の開錠を行う流れは
図2のシーケンスと同様であるが、ここで入退室検出装置10から第1携帯端末20aを至近距離で検出したことを示す情報が入退室管理サーバー30に送信されている場合は、入退室管理サーバー30の在室判断部31は第1携帯端末20aを「在室中」として記憶し、さらに第1携帯端末20aに内部の在室情報23aを「在室中」状態に変更するように指示を送る。
【0041】
このように、近接読取距離内で第1携帯端末20aから読取装置が認証情報22aを読み取り認証部11によって第1携帯端末20aの認証情報22aを認証した場合、在室判断部31は第1携帯端末20aを「在室中」と判断する。これにより、入場時に至近距離で携帯端末を認証することで「在室中」を確定させることを可能とし、特に最初に入場する人物あるいは管理者などの携帯端末の状態を「在室中」に確定させることが可能となる。
【0042】
入退管理システム1の実施の形態1では、最初の「在室中」状態の携帯端末を
図6のシーケンスで登録することを想定する。一例として、管理区域01に最初に入場して作業するユーザーが、管理区域01への入場時に自身の携帯端末を入退室検出装置10の5cm以内に接近させ、
図6のシーケンスによって「在室中」状態とするユースケースを想定する。この場合、管理区域01に2番目以降に入場するユーザーは、携帯端末をポケット等に格納したまま
図2のシーケンスで管理区域01に入場したとしても、その後最初に入場したユーザーに接近することにより、
図3のシーケンスを経由して「在室」状態として扱われる。
【0043】
次に、実施の形態1において特定の「在室」状態の携帯端末を「在室不確定」状態を経由せずに「不在」状態とする動作について説明する。
図7は第1携帯端末20aを「在室不確定」状態を経由せずに「不在」状態とする際のシーケンスである。
【0044】
あるユーザーAが入退室検出装置10に近づくと、当該装置の認証部11は第1携帯端末20aと第1の無線(BLEあるいはUWBなど)で通信し、第1携帯端末20aから認証情報22aを取得するとともに、第2の無線(BLEあるいはUWBなど、測距が可能なもの)を用いて第1携帯端末20aと入退室検出装置10の読取装置が最も近づいた時点の距離を計測する。ここで、第1の無線と第2の無線は
図6のシーケンスと同様の方式とする。また、最も近づいた時点の距離を計測するために複数回の距離計測を実施する点も同様とする。
【0045】
次に、入退室検出装置10は自身の読取装置と第1携帯端末20aとの距離が予め設定した閾値以下であれば、第1携帯端末20aを至近距離で検出したとして、入退室管理サーバー30に認証情報22aに加えて至近距離で検出したことを示す情報を送信する。一例として、この際の距離の閾値は5cmを想定するが、より判定を厳密に行いたい場合は閾値を小さく設定しても良く、逆に判定を緩めたい場合は閾値を大きく設定しても良い。
【0046】
その後、入退室管理サーバー30が認証情報22aの確認および扉40の開錠を行う流れは
図2のシーケンスと同様であるが、ここで入退室検出装置10から第1携帯端末20aを至近距離で検出したことを示す情報が入退室管理サーバー30に送信されており、かつ第1携帯端末20aが「在室中」状態である場合は、入退室管理サーバー30は第1携帯端末20aを「不在」として記憶し、さらに第1携帯端末20aに内部の在室情報を「不在」状態に変更するように指示を送る。
【0047】
入退管理システム1の実施の形態1では、最後の「在室中」状態の携帯端末のユーザーが管理区域を退場する場合に、
図7のシーケンスで「不在」とすることを想定する。一例として、管理区域01を最後に退場するユーザーが、管理区域01からの退場時に自身の携帯端末を入退室検出装置10の読取装置の5cm以内に接近させ、
図7のシーケンスによって「不在」状態とするユースケースを想定する。この場合、最後のユーザーが退出した時点でシステムは即座に在室人数が0人であることを検出でき、在室人数が0人になった場合に自動的に管理区域01を施錠するような処理を実行可能となる。
【0048】
このように、在室判断部31に「在室中」と判断されている第1携帯端末20aから近接読取距離内で読取装置が読み取った認証情報22aを認証した場合、在室判断部31は第1携帯端末20aを「不在」と判断する。これにより、退場時に至近距離で携帯端末を認証することで「不在」を確定させることを可能とし、特に最後に退場する人物の状態を確定させることで、「在室中」の携帯端末がなくなった時点で即時管理区域01を施錠するような運用が可能となる。
【0049】
図8に、実施の形態1における入退管理システム1の使用イメージを示す。入退管理システム1は主にオフィスビルの一室などでの使用を想定する。通常、オフィスで作業するユーザーは一定の距離内に集まって作業を行うため、ユーザーは特に意識しなくても入場後に既に在室中の携帯端末に接近することとなり、入り口の入退室検出装置10と入場済みの携帯端末の測距による二段階の在室確認が行われる。
【0050】
なお、
図1の接近判断部21a,21bは、携帯端末20a,20bにあるとは限らず、入退室管理サーバー30上にあってもよい。また、認証部11は、入退室検出装置10にあるとは限らず、入退室管理サーバー30上にあってもよい。
【0051】
実施の形態2.
次に、
図9から
図13を参照して、実施の形態2について説明するが、前述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通する説明を簡略化または省略する。また、前述した要素と共通または対応する要素には、同一の符号を付す。
【0052】
図9は実施の形態2におけるハンズフリー型の入退管理システム2の構成図である。実施の形態2におけるハンズフリー型入退管理システム(以下、実施の形態2における入退管理システム2)は、実施の形態1におけるハンズフリー型入退管理システムの構成に加えて各携帯端末の在室判定に用いるマスター携帯端末50を有する点を除き、実施の形態1におけるハンズフリー型入退管理システムと同等の機能を持つ。また、マスター携帯端末50は在室情報53として、マスター携帯端末専用の「在室中マスター」「不在マスター」のいずれかの状態を持つものとする。また、マスター携帯端末50は、接近判断部51と、認証情報52とを有する。
【0053】
実施の形態2における入退管理システム2において、権限のあるユーザーを入場させるまでのシーケンスは実施の形態1と同様のシーケンス(
図2)である。
図10に、実施の形態2における入退管理システム2がユーザーAの携帯端末である第1携帯端末20aを「在室中」と判断するまでのシーケンスを示す。
【0054】
実施の形態2における入退管理システム2において、管理区域01に入場したユーザーAの携帯端末である第1携帯端末20aは実施の形態1と同様に定期的な測距を行い、予め定められた範囲内に携帯端末が存在した場合に当該携帯端末の在室情報を取得するが、実施の形態1と異なり、第1携帯端末20aは取得した在室情報が「在室中マスター」でない場合には何もしない。
【0055】
「在室中マスター」の在室情報を有するのは管理区域01内にあるマスター携帯端末50のみであるため、第1携帯端末20aはマスター携帯端末50に接近した場合のみ、
図3のシーケンスと同様の流れで「在室中」状態となる。
【0056】
第2携帯端末20bがマスター携帯端末である場合には、以下のようになる。第2携帯端末20b以外に在室判断部31が「在室中」と判断している他の携帯端末が無い場合から接近判断部21aが、第2携帯端末20bと第1携帯端末20aとが接近して在室判断部31が第1携帯端末20aを「在室中」と判断した場合において、認証部11が第3携帯端末を認証した後に接近判断部21bが第2携帯端末20bと第3携帯端末とが接近したと判断した場合、在室判断部31は第3携帯端末を「在室中」と判断し、認証部11が第3携帯端末を認証した後に接近判断部21aが第1携帯端末20aと第3携帯端末とが接近したと判断した場合、在室判断部31は第3携帯端末を「在室中」と判断しない。このように、入り口の認証部11で認証後に、特定の携帯端末(マスター端末)に近づいた場合のみ「在室中」とすることで、管理区域01が狭い場合にシステムを簡素化することを可能とする。マスター端末は、例えば管理区域01への最初の入場者が持ち込み、最後の退場者が持ち出すといった運用を前提とする。
【0057】
図11に、マスター携帯端末50を「在室中マスター」状態に変更する際のシーケンスを示す。実施の形態2の入退管理システム2において、マスター携帯端末50の在室情報は初期状態では「不在マスター」であるものとする。「不在マスター」状態のマスター携帯端末50を入退室検出装置10の読取装置に予め設定された閾値以下まで近づけることで、マスター携帯端末50の在室情報が「在室中マスター」として登録されるものとする。登録におけるシーケンスは、登録対象がマスター携帯端末50であることを除き、
図6に記載の第1携帯端末20aを「在室中」として登録する際のシーケンスと同様である。
【0058】
実施の形態2の入退管理システム2におけるマスター携帯端末50は、管理区域01における最初の作業者が管理区域01への入場時に
図11のシーケンスによって「在室中マスター」状態に変更し、その後管理区域01の中心に近い場所に固定されることを想定している。管理区域01が10m四方以下の空間である場合、管理区域01に入場した携帯端末は全て
図10のシーケンスを経由して「在室中」となるため、システムの動作を単純化することが可能である。また、
図10のシーケンスにおいて第1携帯端末20aが測距を行う範囲を広げることで、ある程度まで管理区域01が広くなったケースでも対応が可能である。一方で、管理区域01が広すぎる場合は実施の形態2ではマスター携帯端末50を全ての携帯端末が測距できる場所に設置できない可能性がある。例えば各携帯端末が測距できる距離の上限が20mであった場合、管理区域01が40m四方を超えるケースでは実施の形態2では検出漏れが発生するため、実施の形態1がより適切となる。
【0059】
図12に、「在室中マスター」状態のマスター携帯端末50を「不在マスター」状態に変更する際のシーケンスを示す。「在室中マスター」状態のマスター携帯端末50を入退室検出装置10の読取装置に予め設定された閾値以下まで近づけることで、マスター携帯端末50の在室情報が「不在マスター」として登録されるものとする。登録におけるシーケンスは、登録対象がマスター携帯端末50であることを除き、
図7に記載の第1携帯端末20aを「不在」として登録する際のシーケンスと同様である。
【0060】
実施の形態2の入退管理システム2では、管理区域01の最後の退場者がマスター携帯端末50を回収し、
図11のシーケンスで「不在マスター」とすることを想定する。また、マスター携帯端末50の回収漏れを防止するため、「不在マスター」の端末が残った状態で他の「在室中」状態の携帯端末の数が0となった場合に、最後に「不在」状態になった携帯端末に対してマスター携帯端末50を回収するように警告を出す機能を追加しても良い。
【0061】
図13に、実施の形態2における入退管理システム2の使用イメージを示す。管理区域内の作業エリアに「在室中マスター」状態としたマスター携帯端末50を設置することで、管理区域や作業エリアが狭い場合には、より単純な構成で実施の形態1と同様の効果を実現可能となる。
【0062】
図14は、実施の形態における携帯端末、入退室検出装置10、入退室管理サーバー30の機能を実現する構成の一例を示す図である。携帯端末、入退室検出装置10、入退室管理サーバー30の各機能は、例えば、処理回路により実現される。処理回路は、専用ハードウェア600であってもよい。処理回路は、プロセッサ601およびメモリ602を備えていてもよい。処理回路の一部が専用ハードウェア600として形成され、且つ、当該処理回路は更にプロセッサ601およびメモリ602を備えていてもよい。
図14に示す例において、処理回路の一部は専用ハードウェア600として形成されている。また、
図14に示す例において、処理回路は、専用ハードウェア600に加えて、プロセッサ601およびメモリ602を更に備えている。
【0063】
一部が少なくとも1つの専用ハードウェア600である処理回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0064】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ601および少なくとも1つのメモリ602を備える場合、携帯端末、入退室検出装置10、入退室管理サーバー30の各部の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。
【0065】
ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ602に格納される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。プロセッサ601は、メモリ602に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ601は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ602には、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROMおよびEEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、または磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクおよびDVD等が該当する。
【0066】
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、携帯端末、入退室検出装置10、入退室管理サーバー30の機能を実現することができる。なお、携帯端末、入退室検出装置10、入退室管理サーバー30の各機能は、複数の機器が連携することで実現されてもよいし、単一の機器によって実現されてもよい。また、携帯端末、入退室検出装置10、入退室管理サーバー30の各機能の少なくとも一部は、外部ネットワーク上のサーバ等に実装されていてもよい。
【0067】
なお、上述した複数の実施の形態が有する特徴のうち、組み合わせることが可能な二つ以上の特徴を組み合わせて実施してもよい。
【0068】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0069】
(付記1)
管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証部と、
携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断部と、
前記管理区域内への在室状態を判断する在室判断部と、を備え、
前記認証部によって前記携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、前記在室判断部に「在室中」と判断された前記携帯端末のうちの第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近したと判断された場合、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「在室中」と判断する入退管理システム。
(付記2)
前記管理区域内からの出場時に前記在室判断部に「在室中」と判断されている前記第1携帯端末から読み取った前記認証情報を認証した後、前記接近判断部が前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とが一定期間接近していないと判断した場合、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「不在」と判断する付記1に記載の入退管理システム。
(付記3)
前記在室判断部に「不在」と判断されている前記第1携帯端末から読み取った前記認証情報を認証した後、前記接近判断部に前記第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近したと判断されるまで、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「在室不確定」と判断する付記1または付記2に記載の入退管理システム。
(付記4)
前記第1携帯端末が前記在室判断部に「在室不確定」と一定時間判断されている場合、前記接近判断部は前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とが接近したと判断される距離を広げる付記1から付記3のいずれか一項に記載の入退管理システム。
(付記5)
近接読取距離内で前記第1携帯端末から前記読取装置が前記認証情報を読み取り前記認証部によって前記第1携帯端末の前記認証情報を認証した場合、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「在室中」と判断する付記1から付記4のいずれか一項に記載の入退管理システム。
(付記6)
前記在室判断部に「在室中」と判断されている前記第1携帯端末から前記近接読取距離内で読み取った前記認証情報を認証した場合、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「不在」と判断する付記5に記載の入退管理システム。
(付記7)
前記第2携帯端末以外に前記在室判断部が「在室中」と判断している他の携帯端末が無い場合から前記接近判断部が、前記第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近して前記在室判断部が前記第1携帯端末を「在室中」と判断した場合において、
前記認証部が第3携帯端末を認証した後に前記接近判断部が前記第2携帯端末と前記第3携帯端末とが接近したと判断した場合、前記在室判断部は前記第3携帯端末を「在室中」と判断し、
前記認証部が第3携帯端末を認証した後に前記接近判断部が前記第1携帯端末と前記第3携帯端末とが接近したと判断した場合、前記在室判断部は前記第3携帯端末を「在室中」と判断しない付記1から付記6のいずれか一項に記載の入退管理システム。
(付記8)
前記接近判断部は、前記携帯端末同士の接近の有無をTOFによる測距によって判断する付記1から付記7のいずれか一項に記載の入退管理システム。
(付記9)
前記接近判断部は、前記携帯端末同士の接近の有無を前記携帯端末が搭載するTOFセンサの測距機能によって判断する付記8に記載の入退管理システム。
(付記10)
管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証ステップと、
携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断ステップと、
前記管理区域内への在室状態を判断する在室判断ステップと、を備え、
前記認証ステップによって前記携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、前記在室判断ステップで「在室中」と判断された前記携帯端末のうちの第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近したと判断された場合、前記在室判断ステップは前記第1携帯端末を「在室中」と判断する入退管理方法。
(付記11)
管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証ステップと、
携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断ステップと、
前記管理区域内への在室状態を判断する在室判断ステップと、をコンピュータに実行させる入退管理プログラムであって、
前記認証ステップによって前記携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、前記在室判断ステップで「在室中」と判断された前記携帯端末のうちの第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近したと判断された場合、前記在室判断ステップは前記第1携帯端末を「在室中」と判断する入退管理プログラム。
【符号の説明】
【0070】
01 管理区域、 1 入退管理システム、 2 入退管理システム、 10 入退室検出装置、 11 認証部、 20a 第1の携帯端末、 20b 第2の携帯端末、 21a 接近判断部、 21b 接近判断部、 22a 認証情報、 22b 認証情報、 23a 在室情報、 23b 在室情報、 30 入退室管理サーバー、 31 在室判断部、 32 認証データベース、 40 扉、 41 電気錠、 42 コントローラ、 50 マスター携帯端末、 51 接近判断部、 52 認証情報、 53 在室情報、 600 専用ハードウェア、 601 プロセッサ、 602 メモリ
【手続補正書】
【提出日】2023-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証部と、
携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断部と、
前記管理区域内への在室状態を判断する在室判断部と、を備え、
前記認証部によって前記携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、前記在室判断部に「在室中」と判断された前記携帯端末のうちの第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近したと判断された場合、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「在室中」と判断する入退管理システム。
【請求項2】
前記管理区域内からの出場時に前記在室判断部に「在室中」と判断されている前記第1携帯端末から読み取った前記認証情報を認証した後、前記接近判断部が前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とが一定期間接近していないと判断した場合、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「不在」と判断する請求項1に記載の入退管理システム。
【請求項3】
前記第1携帯端末から読み取った前記認証情報を認証した後、前記接近判断部に前記第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近したと判断されるまで、前記在室判断部は前記第1携帯端末を「在室不確定」と判断する請求項1または請求項2に記載の入退管理システム。
【請求項4】
前記第1携帯端末が前記在室判断部に「在室不確定」と一定時間判断されている場合、前記接近判断部は前記第1携帯端末と前記第2携帯端末とが接近したと判断される距離を広げる請求項3に記載の入退管理システム。
【請求項5】
前記管理区域内への入場時に近接読取距離内で前記第2携帯端末から前記読取装置が前記認証情報を読み取り前記認証部によって前記第2携帯端末の前記認証情報を認証した場合、前記在室判断部は前記第2携帯端末を「在室中」と判断する請求項1または請求項2に記載の入退管理システム。
【請求項6】
前記在室判断部に「在室中」と判断されている前記第2携帯端末から前記近接読取距離内で読み取った前記認証情報を認証した場合、前記在室判断部は前記第2携帯端末を「不在」と判断する請求項5に記載の入退管理システム。
【請求項7】
前記第2携帯端末以外に前記在室判断部が「在室中」と判断している他の携帯端末が無い場合から前記接近判断部が、前記第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近して前記在室判断部が前記第1携帯端末を「在室中」と判断した場合において、
前記認証部が第3携帯端末を認証した後に前記接近判断部が前記第2携帯端末と前記第3携帯端末とが接近したと判断した場合、前記在室判断部は前記第3携帯端末を「在室中」と判断し、
前記認証部が第3携帯端末を認証した後に前記接近判断部が前記第1携帯端末と前記第3携帯端末とが接近したと判断した場合、前記在室判断部は前記第3携帯端末を「在室中」と判断しない請求項1または請求項2に記載の入退管理システム。
【請求項8】
前記接近判断部は、前記携帯端末同士の接近の有無をTOFによる測距によって判断する請求項1または請求項2に記載の入退管理システム。
【請求項9】
前記接近判断部は、前記携帯端末同士の接近の有無を前記携帯端末が搭載するTOFセンサの測距機能によって判断する請求項8に記載の入退管理システム。
【請求項10】
コンピュータが、管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証ステップと、
前記コンピュータが、携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断ステップと、
前記コンピュータが、前記管理区域内への在室状態を判断する在室判断ステップと、を備え、
前記コンピュータが、前記認証ステップによって前記携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、前記在室判断ステップで「在室中」と判断された前記携帯端末のうちの第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近したと判断された場合、前記在室判断ステップは前記第1携帯端末を「在室中」と判断する入退管理方法。
【請求項11】
管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証ステップと、
携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断ステップと、
前記管理区域内への在室状態を判断する在室判断ステップと、をコンピュータに実行させる入退管理プログラムであって、
前記認証ステップによって前記携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、前記在室判断ステップで「在室中」と判断された前記携帯端末のうちの第2携帯端末と前記第1携帯端末とが接近したと判断された場合、前記在室判断ステップは前記第1携帯端末を「在室中」と判断する入退管理プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示に係る入退管理システムは、管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証部と、携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断部と、管理区域内への在室状態を判断する在室判断部と、を備え、認証部によって携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、在室判断部に「在室中」と判断された携帯端末のうちの第2携帯端末と第1携帯端末とが接近したと判断された場合、在室判断部は第1携帯端末を「在室中」と判断するものである。
本開示に係る入退管理方法は、コンピュータが、管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証ステップと、コンピュータが、携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断ステップと、コンピュータが、管理区域内への在室状態を判断する在室判断ステップと、を備え、コンピュータが、認証ステップによって携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、在室判断ステップで「在室中」と判断された携帯端末のうちの第2携帯端末と第1携帯端末とが接近したと判断された場合、在室判断ステップは第1携帯端末を「在室中」と判断するものである。
本開示に係る入退管理プログラムは、管理区域内への入場時に利用者が所持する携帯端末から読取装置が読み取った認証情報を認証する認証ステップと、携帯端末同士の接近の有無を判断する接近判断ステップと、管理区域内への在室状態を判断する在室判断ステップと、をコンピュータに実行させる入退管理プログラムであって、認証ステップによって携帯端末のうちの第1携帯端末の認証情報を認証した後、在室判断ステップで「在室中」と判断された携帯端末のうちの第2携帯端末と第1携帯端末とが接近したと判断された場合、在室判断ステップは第1携帯端末を「在室中」と判断するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
あるユーザーAが入退室検出装置10に近づくと、入退室検出装置10の認証部11はユーザーAの携帯端末である第1携帯端末20aと無線で通信し、第1携帯端末20aから認証情報22aを取得する。認証情報22aの形態としては証明書、暗号鍵など複数の候補が存在し、いずれを使用しても良い。また、無線通信としては、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)(登録商標)あるいはUWB(Ultra Wide Band)(登録商標)を用いることができる。