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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165346
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ネット状固定材
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20241121BHJP
   B65D 5/50 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B65D81/05 200
B65D5/50 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081470
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 ちあき
(72)【発明者】
【氏名】上原 英明
【テーマコード(参考)】
3E060
3E066
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BC02
3E060CC14
3E060CC18
3E060CC70
3E060DA23
3E060DA30
3E060EA06
3E060EA09
3E066AA25
3E066BA06
3E066CA04
3E066HA01
3E066JA03
3E066KA02
3E066KA08
3E066MA09
3E066NA60
(57)【要約】
【課題】ボーガス紙等を使用することなく、簡単な作業で様々な形状の被梱包物を梱包箱の内部で移動しないように固定できるようにする。
【解決手段】ネット状に切り込まれて商品Gを押さえる覆圧板1の周囲に、コーナー部を挟んで端板2及び側板3が連なるネット状固定材において、端板2の端辺に端部コーナー片4が、側板3の端辺に側部コーナー片5がそれぞれ連設され、端部コーナー片4と側部コーナー片5とは、端板2と端部コーナー片4の境界との交点となる覆圧板1の角15aから斜めに延びる斜隅折曲線15を介して連なるものとする。梱包箱Bへの挿入に際し、覆圧板1から端板2及び側板3が連動して立ち上がり、端部コーナー片4及び側部コーナー片5が前記斜隅折曲線15に沿って折れ曲がった状態で、周縁が梱包箱Bの側壁21,22の内面に突っ張るように当接する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネット状に切り込まれた覆圧板(1)の周囲に、コーナー部を挟んで端板(2)及び側板(3)が連なる段ボールシートのブランクから成り、
被梱包物を収納した梱包箱(B)に上方から挿入すると、前記端板(2)及び前記側板(3)がそれぞれ前記覆圧板(1)から上向きとなって梱包箱(B)の側壁(21,22)の内面に沿い、
前記覆圧板(1)が柔軟に変形して被梱包物に押し付けられ、梱包箱(B)の内部での被梱包物の移動が阻止されるネット状固定材において、
前記端板(2)の端辺に端部コーナー片(4)が、前記側板(3)の端辺に側部コーナー片(5)がそれぞれ連設され、前記端部コーナー片(4)と前記側部コーナー片(5)とは、前記端板(2)と前記端部コーナー片(4)の境界との交点となる前記覆圧板(1)の角(15a)から斜めに延びる斜隅折曲線(15)を介して連なり、
梱包箱(B)への挿入に際し、前記覆圧板(1)から前記端板(2)及び前記側板(3)が連動して立ち上がり、前記端部コーナー片(4)及び前記側部コーナー片(5)が前記斜隅折曲線(15)に沿って折れ曲がった状態で、周縁が梱包箱(B)の側壁(21,22)の内面に突っ張るように当接することを特徴とするネット状固定材。
【請求項2】
前記ブランクの両端に位置する前記端板(2)にわたる方向に、段ボールの段目方向が向けられていることを特徴とする請求項1に記載のネット状固定材。
【請求項3】
前記覆圧板(1)が八角形状をなし、前記側部コーナー片(5)は、前記覆圧板(1)のコーナー部の斜辺となる底隅折曲線(14)に連なっていることを特徴とする請求項1に記載のネット状固定材。
【請求項4】
前記覆圧板(1)には、断続する線状の切込(1a)が互い違いに並んで平行に入れられるとともに、前記切込(1a)と交差する方向に延びる折曲線(1b)が入れられていることを特徴とする請求項1に記載のネット状固定材。
【請求項5】
前記覆圧板(1)には、前記切込(1a)及び前記折曲線(1b)が入れられるとともに、前記切込(1a)と平行して断続する多数のスロット状の穴(1c)が穿設されていることを特徴とする請求項4に記載のネット状固定材。
【請求項6】
前記端部コーナー片(4)と前記側部コーナー片(5)の端縁は、切込により二股に分かれ、これらの端縁に、梱包箱(B)の側壁(21,22)のコーナー部に臨む部分の内面に当接する突当縁(4a,5a)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のネット状固定材。
【請求項7】
前記覆圧板(1)には、前記側板(3)を介して沿当片(6)が連設され、
梱包箱(B)への挿入に際し、前記覆圧板(1)から前記側板(3)が斜めに立ち上がり、前記側板(3)から前記沿当片(6)が垂直上方へ折れ曲がって梱包箱(B)の側壁(22)の内面に沿うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のネット状固定材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、梱包箱に収容される様々な形状の被梱包物を押さえ付けて、梱包箱の内部で移動しないように固定するネット状固定材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用した通信販売が広く普及しており、その商品の発送に際しては、ボーガス紙と呼ばれる再生紙を丸めて商品と梱包箱との隙間に詰めたり、商品をプラスチックフィルム製の気泡緩衝材で包んで梱包箱に収納したりすることにより、商品の梱包箱の内部での移動を抑制して、輸送時の衝撃から商品を保護する梱包形態が採用されることが多い。
【0003】
ところが、このような梱包形態では、ボーガス紙や気泡緩衝材を商品と梱包箱との隙間が埋まるように詰めないと機能せず、各梱包ごとに多量に使用することになり、作業者によってその使用量にばらつきが生じるほか、同一作業者でもばらつきが生じ、緩衝機能が不十分になる場合がある。
【0004】
また、梱包箱から商品を取り出した消費者がボーガス紙や気泡緩衝材をゴミとして捨てる際、非常に嵩張るという不都合がある。
【0005】
一方、下記特許文献1には、図7に示すように、細かな切込51aによりネット状となった覆圧板51の周囲に、コーナー部を挟んで端板52及び側板53が連なる段ボールシートのブランクから成り、被梱包物を収納した梱包箱Bに上方から挿入すると、覆圧板51から端板52及び側板53がそれぞれ上方へ折れ曲がって梱包箱Bの側壁21,22の内面に沿い、覆圧板51が柔軟に変形して被梱包物に押し付けられ、梱包箱Bの内部での被梱包物の移動が阻止されるようにした位置決めパッドPが記載されている。
【0006】
この位置決めパッドPは、覆圧板51が長方形とされ、端板52と側板53とは、コーナー部で連なることなく、三角形状で両側縁が斜めに切断されたものとなっている。
【0007】
また、端板52及び側板53には、段階的に異なる大きさの梱包箱Bに対応可能とするため、それぞれ根元の折曲線に平行する寸法調整用の折曲線52a,52b及び折曲線53a,53bが覆圧板51からの延出方向に間隔をあけて入れられている。
【0008】
このような位置決めパッドPを使用すると、梱包箱Bに上方から挿入するだけで、様々な形状の被梱包物の梱包箱Bの内部での移動を抑制できるので、梱包資材としてのボーガス紙の使用を廃止して、ボーガス紙を丸める手間等を省くことができ、作業者によって梱包資材の使用量がばらつく問題を解消することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2015-113127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記のような位置決めパッドPは、端板52及び側板53の折曲線52a,52b及び折曲線53a,53bで段階的に規定された寸法に対応しない梱包箱Bに挿入すると、梱包箱Bに対してそれ自体の位置が定まらなくなり、被梱包物を梱包箱の内部で移動しないように固定できなくなる恐れがある。
【0011】
そこで、この発明は、ボーガス紙等を使用することなく、簡単な作業で様々な形状の被梱包物を梱包箱の内部で移動しないように固定できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、この発明は、ネット状に切り込まれた覆圧板の周囲に、コーナー部を挟んで端板及び側板が連なる段ボールシートのブランクから成り、
被梱包物を収納した梱包箱に上方から挿入すると、前記端板及び前記側板がそれぞれ前記覆圧板から上向きとなって梱包箱の側壁の内面に沿い、
前記覆圧板が柔軟に変形して被梱包物に押し付けられ、梱包箱の内部での被梱包物の移動が阻止されるネット状固定材において、
前記端板の端辺に端部コーナー片が、前記側板の端辺に側部コーナー片がそれぞれ連設され、前記端部コーナー片と前記側部コーナー片とは、前記端板と前記端部コーナー片の境界との交点となる前記覆圧板の角から斜めに延びる斜隅折曲線を介して連なり、
梱包箱への挿入に際し、前記覆圧板から前記端板及び前記側板が連動して立ち上がり、前記端部コーナー片及び前記側部コーナー片が前記斜隅折曲線に沿って折れ曲がった状態で、周縁が梱包箱の側壁の内面に突っ張るように当接するものを提供したのである。
【0013】
前記ブランクの両端に位置する前記端板にわたる方向に、段ボールの段目方向が向けられているものとしたのである。
【0014】
また、前記覆圧板が八角形状をなし、前記側部コーナー片は、前記覆圧板のコーナー部の斜辺となる底隅折曲線に連なっているものとしたのである。
【0015】
また、前記覆圧板には、断続する線状の切込が互い違いに並んで平行に入れられるとともに、前記切込と交差する方向に延びる折曲線が入れられているものとしたのである。
【0016】
さらに、前記覆圧板には、前記切込及び前記折曲線が入れられるとともに、前記切込と平行して断続する多数のスロット状の穴が穿設されているものとしたのである。
【0017】
また、前記端部コーナー片と前記側部コーナー片の端縁は、切込により二股に分かれ、これらの端縁に、梱包箱の側壁のコーナー部に臨む部分の内面に当接する突当縁が形成されているものとしたのである。
【0018】
また、前記覆圧板には、前記側板を介して沿当片が連設され、
梱包箱への挿入に際し、前記覆圧板から前記側板が斜めに立ち上がり、前記側板から前記沿当片が垂直上方へ折れ曲がって梱包箱の側壁の内面に沿うものとしたのである。
【発明の効果】
【0019】
この発明に係るネット状固定材では、ブランクと梱包箱の長さ方向及び幅方向の寸法関係において、ブランクが梱包箱より大きければ、被梱包物を収納した梱包箱に上方から挿入するだけで、覆圧板から端板及び側板が連動して斜めに立ち上がり、端部コーナー片及び側部コーナー片がそれぞれ梱包箱の側壁の内面に突っ張るように当接する。
【0020】
そして、覆圧板が柔軟に変形して被梱包物に押し付けられるので、簡単な作業で様々な形状の被梱包物を梱包箱の内部で移動しないように固定することができる。
【0021】
このため、梱包資材としてのボーガス紙の使用を廃止して、ボーガス紙を丸める手間等を省くことができ、梱包作業の効率化を図ることができる。また、作業者によって梱包資材の使用量がばらつくことがなく、緩衝性能が安定する。
【0022】
そのほか、開梱後にボーガス紙等の嵩張るゴミが大量に発生することもなく、被梱包物の受取人側の作業負荷も軽減され、廃棄物の減量化が図られるので、廃棄物の回収業者の作業効率も改善される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】この発明の基本実施形態に係る段ボールシートを材料としたネット状固定材のブランクを示す図
図2】同上の梱包箱への挿入過程を示す斜視図
図3】同上の梱包箱の内部で被梱包物を固定した状態を示す斜視図
図4】この発明の他のバリエーションとしてネット部分に穴が開いたネット状固定材のブランクを示す図
図5】この発明の他のバリエーションとして側板に沿当片を設けたネット状固定材のブランクを示す図
図6】同上の梱包箱の内部で被梱包物を固定した状態を示す斜視図
図7】特許文献1に記載の段ボールシートを材料とした位置決めパッドの梱包箱への挿入過程を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、ブランクの図面において、段ボールシートの中しんの段頂が延びる方向である段目方向は、半円又は円を描いた部分内の平行する複数条の直線で示す。
【0025】
<基本実施形態>
(ブランク)
図1に示すネット状固定材Sの段ボールシートから成るブランクは、全体として長方形状の輪郭をなし、八角形の覆圧板1の周囲に、各一対の幅方向の端板2と長さ方向の側板3とがコーナー部を挟んで連なる構成とされている。段ボールの段目方向は、ブランクの長さ方向(ブランクの両端に位置する端板2にわたる方向)に向けられている。ブランクの四隅には、隅部切込10が入れられている。
【0026】
覆圧板1は、長さ方向に延びて断続する線状の切込1aが幅方向に互い違いに並んで平行に入れられてネット状となっている。覆圧板1には、可撓性を高めるため、切込1aの端部間にわたって幅方向に延びる押罫の折曲線1bが入れられている。
【0027】
覆圧板1と端板2の境界には底端折曲線11が入れられ、端板2の端辺には端隅折曲線12を介して端部コーナー片4が、側板3の端辺には側隅折曲線13を介して側部コーナー片5がそれぞれ連設されている。端隅折曲線12は、底端折曲線11に対して垂直である必要はなく、若干傾斜していてもよい。
【0028】
側部コーナー片5は、覆圧板1にそのコーナー部の斜辺となる底隅折曲線14を介して連なり、端部コーナー片4と側部コーナー片5とは、底端折曲線11、端隅折曲線12及び底隅折曲線14の交点となる覆圧板1の角15aからブランクの隅部の隅部切込10に向かって斜めに延びる斜隅折曲線15を介して連なっている。覆圧板1のコーナー部の他の角13aは、側隅折曲線13の傾斜部と底隅折曲線14の接合点となっている。
【0029】
底端折曲線11、端隅折曲線12、側隅折曲線13、底隅折曲線14及び斜隅折曲線15は、折曲抵抗を軽減するため、切目と押罫とが交互に断続するリード罫とされている。また、端隅折曲線12は、底端折曲線11及び斜隅折曲線15とは逆方向へ折り曲げられるものとなっている。
【0030】
端部コーナー片4と側部コーナー片5の境界に臨む端縁は、斜隅折曲線15へ向かって深くなるように切り欠かれた隅部切込10により二股に分かれ、これらの端縁に、膨出弧状の突当縁4a,5aが形成されている。
【0031】
(梱包時の使用方法)
このようなネット状固定材Sを使用して、図2に示すように、例えば、円筒形の商品Gを梱包する際には、梱包箱Bの長さ方向及び幅方向の寸法よりも、ネット状固定材Sのブランクの長さ方向及び幅方向の寸法が大きいものとし、蓋フラップ23,24を開いた状態の梱包箱Bに商品Gを収納する。
【0032】
次に、図3に示すように、ネット状固定材Sを梱包箱Bに上方から挿入する。この挿入に際しては、ネット状固定材Sの両端の端板2を持ち上げるようにするとよい。
【0033】
梱包箱Bへの挿入に伴い、ネット状固定材Sは、最初に四隅の端部コーナー片4及び側部コーナー片5の突当縁4a,5aが梱包箱Bの側壁21,22のコーナー部に臨む部分の内面に当接し始める。
【0034】
そして、端部コーナー片4と側部コーナー片5とが斜隅折曲線15に沿って折れ曲がりつつ、覆圧板1から各一対の端板2及び側板3が連動して斜めに立ち上がり、周縁が梱包箱Bの側壁21,22の内面に突っ張るように沿い、ネット状の覆圧板1が柔軟に変形して商品Gに押し付けられ、梱包箱Bの内部での商品Gの移動が阻止される。
【0035】
なお、ここでは、商品Gとして円筒形のものを例示したが、梱包する商品Gの形状は、特に限定されることはない。
【0036】
(効果)
このように、上記ネット状固定材Sでは、ブランクと梱包箱Bの長さ方向及び幅方向の寸法関係において、ブランクが梱包箱Bより大きければ、商品Gを収納した梱包箱Bに上方から挿入するだけの簡単な作業で、様々な形状の商品Gを梱包箱Bの内部で移動しないようにしっかりと固定することができる。
【0037】
また、ブランクの両端に位置する端板2にわたる方向に、強度に優れた段ボールの段目方向が向けられているので、梱包箱Bへの挿入時に端板2が確実に立ち上がり、端部コーナー片4と側部コーナー片5とが斜隅折曲線15に沿って所定の方向へ折れ曲がり、覆圧板1による商品Gの固定力が発揮される。
【0038】
このため、梱包資材としてのボーガス紙の使用を廃止して、ボーガス紙を丸める手間等を省くことができ、梱包作業の効率化を図ることができ、作業者によって梱包資材の使用量がばらつくこともなく、緩衝性能が安定する。
【0039】
また、開梱後にボーガス紙等の嵩張るゴミが大量に発生することもなく、商品Gの受取人側の作業負荷も軽減され、廃棄物の減量化が図られるので、地方自治体や産業廃棄物処理業者等の廃棄物の回収業者の作業効率も改善される。
【0040】
<他のバリエーション>
(穴開きネット状固定材)
図4に示すネット状固定材Sは、段ボールシートから成るブランクにおいて、覆圧板1に、切込1a及び折曲線1bが入れられるとともに、切込1aと平行する方向に延びて断続するスロット状の穴1c(網掛け部)が互い違いに並んで穿設されたものである。
【0041】
このようなネット状固定材Sでは、覆圧板1の繋部が減少して可撓性が高まるので、梱包する商品Gが高低差の大きい形状である場合でも、覆圧板1が商品に柔軟にフィットし、梱包箱Bの内部での商品Gの移動が阻止される。
【0042】
(沿当片付きネット状固定材)
図5に示すネット状固定材Sは、段ボールシートから成るブランクにおいて、覆圧板1に、長さ方向となる側板3を介して沿当片6が連設され、側板3と沿当片6の境界に、切目と押罫とが交互に断続するリード罫の側沿折曲線16が入れられたものである。
【0043】
このようなネット状固定材Sでは、図6に示すように、梱包箱Bへの挿入に際して、覆圧板1から側板3が斜めに立ち上がるとともに、側板3から沿当片6が垂直上方へ折れ曲がって、梱包箱Bの側壁22の内面に沿当片6が全面的に密着する。
【0044】
これにより、梱包箱Bの側壁22に対するネット状固定材Sの突張力が向上し、梱包箱Bの内部におけるネット状固定材Sの安定感が高まり、梱包箱Bの内部における商品Gの移動を確実に阻止して、商品Gを保護することができる。
【0045】
<その他>
上記のようなネット状固定材S,S,Sに組み合わせる梱包箱Bとしては、商品Gを自動梱包する包装機械のラインにおいて、予め計測した商品Gの高さに基づき、蓋フラップ23,24の境界の切溝の深さを変化させ、箱内に無駄な空間が極力生じないように高さを調整できる高さ可変箱を適用すれば、組立状態の梱包箱Bの大きさが抑制され、輸送コストを削減することができる。
【符号の説明】
【0046】
~S ネット状固定材
1 覆圧板
1a 切込
1b 折曲線
1c 穴
2 端板
3 側板
4 端部コーナー片
4a 突当縁
5 側部コーナー片
5a 突当縁
6 沿当片
10 隅部切込
11 底端折曲線
12 端隅折曲線
13 側隅折曲線
13a 角
14 底隅折曲線
15 斜隅折曲線
15a 角
16 側沿折曲線
21,22 側壁
23,24 蓋フラップ
B 梱包箱
G 商品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7