(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165369
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】マッサージ具
(51)【国際特許分類】
A61H 15/00 20060101AFI20241121BHJP
A61H 39/04 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
A61H15/00 320A
A61H39/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081516
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】500281648
【氏名又は名称】株式会社めいじ屋
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英次
【テーマコード(参考)】
4C100
4C101
【Fターム(参考)】
4C100AA12
4C100AF02
4C100AF03
4C100BB01
4C100CA01
4C100EA10
4C101BA01
4C101BC27
4C101BD02
4C101BD09
4C101BE02
(57)【要約】
【課題】使用者の状態に適応して押圧位置及び押圧力を好適に調整することができ、優れたマッサージ効果及び指圧的効果が得られるマッサージ具を提供する。
【解決手段】把持部材2に回動自在に支持される複数の回転押圧部材3を具備し、把持部材2は、使用者が把持する棒状の把持部10と、把持部10に一辺が沿うよう固定された支持板部13と、を有し、回転押圧部材3は、支持板部13に形成された軸受孔に挿通され回動自在に軸支される回転軸と、回転軸の両端に設けられ使用者に押し当てられる一対の球体16と、を有し、把持部10の両端には、使用者に押し当てられる固定押圧部4が設けられている。これにより、回動する複数の球体16を身体の対象部位に押し当てるマッサージと、把持部10の端部に設けられた固定押圧部4を対象部位に強く押し当てる指圧的なマッサージと、を希望に応じて選択して行うことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部材と、
前記把持部材に回動自在に支持される複数の回転押圧部材と、を具備し、
前記把持部材は、使用者が把持する棒状の把持部と、一辺が前記把持部に沿うように前記把持部に固定された支持板部と、を有し、
前記回転押圧部材は、前記支持板部に形成された軸受孔に挿通され回動自在に軸支される回転軸と、前記回転軸の両端に設けられ使用者に押し当てられる一対の球体と、を有し、
前記把持部の両端には、使用者に押し当てられる固定押圧部が設けられていることを特徴とするマッサージ具。
【請求項2】
前記支持板部は、前記把持部に対して外側の辺が凸状に形成されており、
前記回転押圧部材は、少なくとも3つ以上設けられ、
中央側の前記回転押圧部材は、両端側の前記回転押圧部材よりも外側に突出するよう設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ具。
【請求項3】
前記把持部の一端に設けられた前記固定押圧部は、前記把持部の他端に設けられた前記固定押圧部と異なる形態であることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ具。
【請求項4】
前記把持部の少なくとも一方の端部に設けられた前記固定押圧部は、球状の形態を成すことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ具。
【請求項5】
前記把持部の少なくとも一方の端部に設けられた前記固定押圧部は、弾性体から形成され、円錐台状の形態を成すことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ具。
【請求項6】
前記把持部材及び前記回転押圧部材は、檜材から形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載のマッサージ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ具に関し、特に、回動自在な球体を身体に押し当てて刺激を与えるマッサージ具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者が把持して使用するマッサージ具であって、回動自在に保持されたローラ等の押圧部材を肩、背、腰、腕、脚、頭及び顔等身体の所望の部位に押し当ててマッサージ効果及び指圧的効果等を与える各種形態のマッサージ具が提案され利用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、対象部位をマッサージする手動のマッサージ具であって、変動部と、変動部に接続された複数の作用部と、を含み、作用部は、転動することができ、且つ、初期状態である第1状態から、作用部同士の間隔が変動した第2状態に移行できるマッサージ具が開示されている。
【0004】
また例えば、特許文献2には、頂点部を押点とする金属棒状体のつぼ押し具を手持ちハンドル部とし、このハンドル部の先端を金属回転球体からなる美顔具の回転中心軸部に着脱自在に挿入可能とした、つぼ押し兼美顔具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-103666号公報
【特許文献2】特開2019-107256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
体感は、それぞれの使用者によって異なるものである。また、同じ使用者であっても、使用部位やその日の体調等によってマッサージ具から受ける感覚が変化することもある。よって、マッサージ具は、それぞれの使用者の体感に適応するよう好適な強さで変化し好適な範囲を移動する押圧力が必要である。
【0007】
しかしながら、従来技術のマッサージ具は、体感が異なるそれぞれの使用者及び対象部位に対してそれぞれの要望に適応する好適な押圧感を与えるよう押圧力を容易に調整できる構成ではなかった。
【0008】
具体的には、特許文献1に開示された従来技術のように、転動するリング状、ローラ状、車輪状若しくは球体状の作用部を有するマッサージ具は、作用部を使用者の顔、腕等に接触させ押圧移動することによりマッサージを行うことができる。しかしながら、このような回転する複数のローラ等を有する従来のマッサージ具では、対象部位を強い力で好適に押圧することが難しい場合がある。
【0009】
例えば、使用者が肩や背の凝り、張り若しくは痛み等を和らげるために、つぼ等を強く押す指圧的な感覚を求める場合等に、回転する複数の球体等では、押圧力が弱く治療部位を強く押せない。そのため、対象部位によっては、使用者が快適に感じる十分な治療効果が得られない。
【0010】
また、特許文献2に開示されたつぼ押し兼美顔具は、つぼ押し具の頂点部を押点としてつぼ押しが可能である。しかしながら、つぼ押しの押点は、1か所のみであり、対象部位に応じて押点の形状を変更して押圧力を調整することはできない。
【0011】
また、同文献に開示されたつぼ押し兼美顔具は、ハンドル部の先端を金属回転球体に挿入し、金属回転球体を転がすことによって肌及び顔筋に刺激を与えることができる。しかしながら、つぼ押し具の押点を利用する場合と、金属回転球体を利用する場合とで、金属回転球体を着脱する必要があり、その切り替えが容易ではない。また、回転する金属回転球体は、ハンドル部の先端に一つのみであるので、刺激を与える範囲が狭く、対象部位が首や背中等の広い範囲である場合には、使用者が快適に感じる好適なマッサージ感が得なれないことがある。
【0012】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用者の状態に適応して押圧位置及び押圧力を好適に調整することができ、優れたマッサージ効果及び指圧的効果が得られるマッサージ具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のマッサージ具は、把持部材と、前記把持部材に回動自在に支持される複数の回転押圧部材と、を具備し、前記把持部材は、使用者が把持する棒状の把持部と、一辺が前記把持部に沿うように前記把持部に固定された支持板部と、を有し、前記回転押圧部材は、前記支持板部に形成された軸受孔に挿通され回動自在に軸支される回転軸と、前記回転軸の両端に設けられ使用者に押し当てられる一対の球体と、を有し、前記把持部の両端には、使用者に押し当てられる固定押圧部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のマッサージ具は、把持部材に回動自在に支持される複数の回転押圧部材を具備する。把持部材は、使用者が把持する棒状の把持部と、一辺が把持部に沿うように把持部に固定された支持板部と、を有し、回転押圧部材は、支持板部に形成された軸受孔に挿通され回動自在に軸支される回転軸と、回転軸の両端に設けられ使用者に押し当てられる一対の球体と、を有する。そして、把持部材の把持部の両端には、使用者に押し当てられる固定押圧部が設けられている。このような構成により、使用者は、回動する複数の球体を身体の対象部位に押し当てるマッサージと、把持部の端部に設けられた固定押圧部を対象部位に強く押し当てる指圧的なマッサージと、を希望に応じて選択的に行うことができる。
【0015】
具体的には、使用者は、首、肩及び背等の対象部位に対して、複数の球体を当接させ、球体で対象部位を押圧しながら、球体を転がすように移動させるマッサージを行うことができる。これにより、対象部位の所望の範囲に対して、適切な強さの刺激を与え、対象部位を好適に揉み解すことができる。
【0016】
また、対象部位の凝り等を解すために、更に強力な押圧刺激を求める場合には、使用者は、把持部の端部の固定押圧部を、対象部位のつぼ等に対してピンポイントに強く押し当てることができる。これにより、複数の球体を押し当てる使用方法ではできなかった、対象部位に対してピンポイントに刺激を与えることが可能となる。そして、対象部位に対して、複数の球体を押し当てる使用方法では得られなかった強い押圧力を加えることができる。よって、回転する球体を利用するマッサージでは得られなかった、つぼ押し治療のような優れた効果が得られる。
【0017】
また、本発明のマッサージ具では、前記支持板部は、前記把持部に対して外側の辺が凸状に形成されており、前記回転押圧部材は、少なくとも3つ以上設けられ、中央側の前記回転押圧部材は、両端側の前記回転押圧部材よりも外側に突出するよう設けられても良い。これにより、球体が首、肩等の対応部位に当接した状態で、対象部位を好適な強さで押圧しながら、マッサージ具の角度を好適に変化させて、マッサージ具を容易に往復移動させることができる。
【0018】
また、本発明のマッサージ具では、前記把持部の一端に設けられた前記固定押圧部は、前記把持部の他端に設けられた前記固定押圧部と異なる形態であっても良い。これにより両端の固定押圧部は、対象部位に対して、それぞれ異なる感覚のマッサージ力、指圧力を与えることができる。よって、使用者は、対象部位及び希望する押圧感覚等に応じて、何れかの固定押圧部を選択して利用することができ、所望の指圧的効果を得ることができる。
【0019】
また、本発明のマッサージ具では、前記把持部の少なくとも一方の端部に設けられた前記固定押圧部は、球状の形態を成しても良い。このような形態の固定押圧部が設けられることにより、使用者の対象部位に対して、その使用者の体感に適応する好適な押圧感を与えることができ、優れたマッサージ効果及び指圧的効果が得られる。
【0020】
また、本発明のマッサージ具では、前記把持部の少なくとも一方の端部に設けられた前記固定押圧部は、弾性体から形成され、円錐台状の形態を成しても良い。これにより、使用者の対象部位に対して、その使用者の体感に適応する好適な押圧感を与えることができ、優れたマッサージ効果及び指圧的効果が得られる。
【0021】
また、本発明のマッサージ具では、前記把持部材及び前記回転押圧部材は、檜材から形成されても良い。これにより、適切な硬さで対象部位に接触して対象部位を押圧することができ、快適な押圧感覚が得られると共に、檜材特有の香気によりストレスをなくして心を落ち着かせるというマッサージ治療に適したリラックス効果も得られる。また、檜材は、殺菌性能、防虫性能に優れるという利点もある。また、檜材は、耐水性に優れているので、マッサージ具は、お湯等に濡れても問題なく利用できる。例えば、マッサージ具を入浴中に使用することもできる。これにより、浴槽内でマッサージを行いながら、押圧力によるマッサージ効果及び指圧的効果に加えて、一般的な入浴効果及び檜風呂の入浴効能として知られているリフレッシュ効果、癒し効果、疲労回復効果等の健康的、心理的に優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係るマッサージ具の概略を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るマッサージ具の概略を示す正面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るマッサージ具の概略を示す側面断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るマッサージ具の概略を示す底面図である。
【
図5】本発明の他の実施形態に係るマッサージ具の概略を示す斜視図である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係るマッサージ具の概略を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係るマッサージ具を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るマッサージ具1の概略を示す斜視図である。
図1を参照して、マッサージ具1は、使用者が手で持って自身の肩、背、腰、腕、脚、頭及び顔等に押し当てて使用するものであり、把持部材2と、把持部材2に回動自在に支持される複数の回転押圧部材3と、把持部材2に固定支持される固定押圧部4と、を具備する。
【0024】
把持部材2は、使用者が把持する部材であると共に、回転押圧部材3及び固定押圧部4を支持する部材である。把持部材2は、使用者が把持する略角棒状、略丸棒状その他各種棒状の形態を成す把持部10と、一辺が把持部10に沿うように把持部10に固定された略板状の支持板部13と、を有する。
【0025】
回転押圧部材3は、使用者の身体に回動自在に接触して押圧力を与える部材であり、身体に接触して回転する球体16を有し、把持部材2の支持板部13に回動自在に支持されている。
【0026】
固定押圧部4は、把持部材2に固定支持され、使用者の身体に接触して押圧力を与える部材である。具体的には、把持部材2の把持部10の両端には、使用者の身体の対象部位に押し当てられる固定押圧部4として弾性押圧体18及び弾性押圧体19が設けられている。
【0027】
このような構成により、使用者は、回動する複数の球体16を身体の対象部位に押し当てるマッサージと、把持部10の端部に設けられた固定押圧部4を対象部位に押し当てる強い押圧力の指圧的なマッサージと、を希望に応じて選択的に行うことができる。
【0028】
図2は、マッサージ具1の概略を示す正面図である。
図1及び
図2を参照して、固定押圧部4としての弾性押圧体18、19は、例えば、可撓性を有する合成樹脂材料、天然ゴム、合成ゴム等を含む素材等から形成され、例えば、略円錐台状、略楕円錐台状及び略角錐台等の形態を成し、上底面を外側として下底面が把持部10の端部に固定されている。また、弾性押圧体18、19は、例えば、略円柱状若しくは略角柱状等に形成されても良い。
【0029】
このような形態の弾性体からなる弾性押圧体18、19が設けられることにより、使用者の対象部位に対して、その使用者の体感に適応する好適な押圧感を与えることができる。即ち、使用者は、弾性押圧体18、19を、つぼ等に当てて、弾性押圧体18、19の好適な当接面形状と弾性力を利用した好適な押圧力で、つぼ等をゆっくりと押して離す動作を繰り返して行うことができる。これにより、対象部位に指圧のような押圧感を与えることができ、優れたマッサージ効果及び指圧的効果が得られる。
【0030】
図3は、マッサージ具1の概略を示す側面断面図であり、
図2に示すA-A線断面を示している。
図3に示すように、回転押圧部材3は、支持板部13に形成された軸受孔14に回動自在に軸支される回転軸17と、回転軸17の両端に設けられ使用者に押し当てられる一対の球体16と、を有する。
【0031】
軸受孔14は、支持板部13に形成された、例えば内径d1が約φ6mmからφ8mmの貫通孔である。回転軸17は、直径D2が約φ5mmからφ7mmであり、軸受孔14に挿通され、回動自在に軸支されている。
【0032】
球体16には、球体16の中心軸に略沿って、図示しない固定穴が形成されている。回転軸17の端部は、球体16の固定穴に嵌合され固定されている。よって、回転軸17の両端部に一対の球体16が設けられた回転押圧部材3は、回転軸17を回転中心として回動する。なお、球体16と回転軸17の固定には、接着剤若しくは粘着剤が用いられても良い。また、球体16と回転軸17の固定は、図示を省略するが、ねじ締結等による固定でも良い
【0033】
ここで、球体16の直径D1は、φ32mmからφ38mm、好ましくは、φ33mmからφ35mmである。球体16の径が小さいと使用者は痛みを感じやすく、大きいと押圧感が弱くなりマッサージ効果が得られない。上記サイズの球体16が採用されることにより、好適な押圧による好適な体感で血液流及びリンパ液流の促進等の優れたマッサージ効果が得られる。
【0034】
また、把持部材2の把持部10は、例えば、幅W1、W2が約23mmから26mmの略角棒状の素材から形成されても良い。把持部10が略角棒状の素材から形成される場合、把持部10の角部にはR面取りによるR5mm程度の丸み付けが施されている。これにより、使用者は、把持部材2を安全に把持することができ、好適な力で回転押圧部材3及び固定押圧部4を身体に押し付けることができる。
【0035】
支持板部13は、板状部材から形成されており、その厚さT1は、例えば、約8mmから10mmである。把持部材2を構成する略棒状の把持部10には、支持板部13の一辺が嵌め込まれる図示しない溝部が形成されても良い。即ち、略棒状の把持部材2には、その長手方向に沿って幅約8mmから10mmの溝部が形成されており、略板状に形成された支持板部13は、その一辺が把持部10の溝部に嵌め込まれ固定されている。このような構成により把持部材2の製造が容易になる。
【0036】
なお、把持部10と支持板部13の固定には、嵌合による締りの他、接着剤、粘着剤、ねじ等の締結部材その他固定具が用いられても良い。また、把持部材2は、把持部10と支持板部13が結合される構成ではなく、一つの材料から一体的に形成される構成でも良い。
【0037】
図4は、マッサージ具1の概略を示す底面図である。
図4を参照して、マッサージ具1には、3つの回転押圧部材3が設けられており、それぞれの回転押圧部材3には、2つの球体16が設けられている。
【0038】
即ち、マッサージ具1は、平行に設けられた3軸の回転押圧部材3と、それぞれの回転押圧部材3に一対設けられた、合計6つの球体16を有する。これにより、使用者に好適なマッサージ感を与えることができる。なお、回転押圧部材3の個数は3つが望ましいが、回転押圧部材3は4つ以上設けられても良い。
【0039】
図2を参照して、回転押圧部材3は、前述のとおり少なくとも3つ以上設けられ、中央側の回転押圧部材3aは、両端側の回転押圧部材3bよりも外側、即ち
図2においては下方、に突出するよう設けられている。
【0040】
具体的には、支持板部13には、把持部10に対して外側の辺、即ち
図2において下方の辺、が凸状に湾曲するよう湾曲部15が形成されている。これにより、中央側の回転押圧部材3aの球体16aは、両端側の回転押圧部材3bの球体16bよりも外側に突出するよう設けられている。
【0041】
なお、支持板部13は、中央側の回転押圧部材3aが、両端側の回転押圧部材3bよりも外側に突出するよう設けられる形態であれば良い。例えば、把持部10に対して外側の辺が中央近傍で略コ字状、略V字状等の凸形状に形成され、中央側の軸受孔14aが側面側の軸受孔14bよりも外側に形成されていれば良い。
【0042】
このように中央側の球体16aが外側に突出した構成により、中央側の球体16aが首、肩等の対応部位に当接した状態で、対象部位を好適な強さで押圧しながら、マッサージ具1の角度を好適に変化させて、マッサージ具1を容易に往復移動させることができる。そして、体感に適合した刺激で優れた血流促進等の好適なマッサージ効果が得られる。
【0043】
図1及び2を参照して、把持部10の両端には、斜め上方を向くよう傾斜する傾斜面11が形成されている。そして、弾性押圧体18、19は、それぞれの下底面が把持部10の傾斜面11に当接して固定され、上底面が斜め上方を向くよう傾斜している。
【0044】
このように弾性押圧体18、19が斜め上方に傾斜するよう設けられることにより、弾性押圧体18、19を対象部位に対して好適な角度で当接させることができ、好適な押圧刺激を与えることができる。よって、優れた指圧的効果が得られる。
【0045】
図2を参照して、把持部10の両端に設けられた固定押圧部4は、互いの形態が異なるものでも良い。即ち、把持部10の一端に設けられた弾性押圧体18は、把持部10の他端に設けられた弾性押圧体19と異なる形態であっても良い。
【0046】
例えば、弾性押圧体18及び弾性押圧体19が略円錐台状の形態である場合において、弾性押圧体18は、弾性押圧体19に比べて上底面の径が大きく、高さ寸法が小さくても良い。また、弾性押圧体18及び弾性押圧体19は、互いの形態が相違するよう、それぞれ他の形態に形成されても良い。
【0047】
このように、把持部10の両端に形態の異なる固定押圧部4、即ち弾性押圧体18及び弾性押圧体19が設けられることにより、両端の固定押圧部4は、対象部位に対して、それぞれ異なる感覚のマッサージ力、指圧力を与えることができる。よって、使用者は、対象部位に応じて、また、希望する押圧感覚等に応じて、弾性押圧体18及び弾性押圧体19の何れかの固定押圧部4を選択して利用することができ、所望の効果を得ることができる。
【0048】
ここで、マッサージ具1の把持部材2及び回転押圧部材3は、檜材から形成されても良い。把持部材2及び回転押圧部材3が檜材から形成されることにより、球体16は、適切な硬さで対象部位に接触して対象部位を押圧することができ、使用者は快適な押圧感覚が得られる。
【0049】
また、把持部材2及び回転押圧部材3が檜材から形成されることにより、檜材特有の香気により、ストレスをなくして心を落ち着かせるというマッサージ治療に適したリラックス効果も得られる。また、檜材は、殺菌性能、防虫性能に優れるという利点もある。
【0050】
また、檜材は、耐水性に優れているので、マッサージ具1は、お湯等に濡れても問題なく利用できる。そのため、マッサージ具1は、例えば、入浴中に使用されても良い。浴槽内でマッサージ具1を用いたマッサージが行われることにより、押圧力によるマッサージ効果及び指圧的効果に加えて、一般的な入浴効果及び檜風呂の入浴効能として知られているリフレッシュ効果、癒し効果、疲労回復効果等の健康的、心理的に優れた効果が得られる。
【0051】
次に、
図5及び
図6を参照して、実施形態を変形した例として、マッサージ具101について詳細に説明する。
図5は、本発明の他の実施形態に係るマッサージ具101の概略を示す斜視図である。
図6は、マッサージ具101の概略を示す正面図である。なお、既に説明した実施形態と同一若しくは同様の作用、効果を奏する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0052】
図5及び
図6を参照して、把持部10の少なくとも一方の端部には、固定押圧部4として、略球状の形態を成す固定球体20が設けられても良い。固定球体20は、例えば、略棒状の図示しない支持部材を介して把持部10の端部に固定されている。即ち、把持部10の端部及び固定球体20には、図示しない支持穴が形成されており、把持部10及び固定球体20の支持穴に支持部材が締り嵌めされている。
【0053】
固定球体20が固定される把持部10の端部には、凹状の凹曲面12が形成されても良い。即ち、把持部10の端部の凹曲面12は、内側に凹むよう曲面状に形成されている。これにより、把持部10の端部の凹曲面12に球形の固定球体20をしっかりと固定することができる。よって、固定球体20が把持部10の端部から外れてしまうことが抑制され、強い力で固定球体20を対象部位に押し付けるマッサージが可能となる。なお、把持部10と固定球体20の固定には、接着剤、粘着剤、締結部材等が利用されても良い。
【0054】
固定押圧部4として、このような固定球体20が設けられることにより、使用者の対象部位に対して、その使用者の体感に適応する好適な押圧感を与えることができ、優れたマッサージ効果及び指圧的効果が得られる。
【0055】
なお、固定押圧部4は、檜材から形成されても良い。そのため、例えば、マッサージ具101を、略全体が檜材から形成された構成とすることもできる。これにより、檜材の効能を利用した快適なマッサージ感が得られる。
【0056】
以上説明の如く、マッサージ具1、101によれば、回動自在な複数の球体16を対象部位に押し当てて転がすマッサージと、固定押圧部4としての弾性押圧体18、19若しくは固定球体20を対象部位に強く押し当てる指圧的なマッサージと、を希望に応じて選択的に行うことができる。
【0057】
具体的には、使用者は、首、肩及び背等の対象部位に対して、複数の球体16を当接させ、球体16で対象部位を押圧しながら、球体16を転がすように移動させるマッサージを行うことができる。これにより、対象部位の所望の範囲に対して、適切な強さの刺激を与え、対象部位を好適に揉み解すことができる。
【0058】
また、対象部位の凝り等を解すために、更に強力な押圧刺激を求める場合には、使用者は、把持部10の端部の固定押圧部4を、対象部位のつぼ等に対してピンポイントに強く押し当てることができる。これにより、複数の球体16を押し当てる使用方法ではできなかった、対象部位に対してピンポイントに刺激を与える指圧的なマッサージが可能となる。
【0059】
そして、固定押圧部4を利用したマッサージでは、複数の球体16を押し当てる使用方法では得られなかった強い押圧力を対象部位に与えることができる。よって、回転する球体16を利用するマッサージでは得られなかった、つぼ押し治療のような優れた効果が得られる。
【0060】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1、101 マッサージ具
2 把持部材
3 回転押圧部材
4 固定押圧部
10 把持部
11 傾斜面
12 凹曲面
13 支持板部
14 軸受孔
15 湾曲部
16 球体
17 回転軸
18 弾性押圧体
19 弾性押圧体
20 固定球体