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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165385
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】充電コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241121BHJP
   H01R 35/04 20060101ALI20241121BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20241121BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20241121BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J7/00 P
H01R35/04 A
B60L50/60
B60L53/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081535
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡本 拓馬
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5H125AA01
5H125AC12
5H125FF12
(57)【要約】
【課題】充電ケーブルのねじれを解消することができ、かつあらゆる充電設備において適用可能である充電コネクタを提供する。
【解決手段】バッテリーからの電力を用いて動作する移動体に搭載された当該バッテリーの充電に用いられる充電コネクタ100であって、当該バッテリーに接続される第1コネクタ20と、充電ケーブル40を介して充電設備に接続される第2コネクタ30と、を備え、第1コネクタ20は円形の第1接点部21を有し、第2コネクタ30は、第1接点部21と接続可能な円形の第2接点部31を有し、第2コネクタ30は、第1接点部21と第2接点部31とが接続されていない状態において、第2接点部31の中心を回転軸として、第1コネクタ20に対して回転可能に設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーからの電力を用いて動作する移動体に搭載された前記バッテリーの充電に用いられる充電コネクタであって、
前記バッテリーに接続される第1コネクタと、
充電ケーブルを介して充電設備に接続される第2コネクタと、を備え、
前記第1コネクタは、円形の第1接点部を有し、
前記第2コネクタは、前記第1接点部と接続可能な円形の第2接点部を有し、
前記第2コネクタは、前記第1接点部と前記第2接点部とが接続されていない状態において、前記第2接点部の中心を回転軸として、前記第1コネクタに対して回転可能に設けられている、充電コネクタ。
【請求項2】
前記第1コネクタは、同心円状に設けられた複数の前記第1接点部を有し、
前記第2コネクタは、複数の前記第1接点部にそれぞれ対応する、同心円状に設けられた複数の前記第2接点部を有する、請求項1に記載の充電コネクタ。
【請求項3】
前記回転軸は、前記移動体に対する前記充電コネクタの挿入方向に沿って延在しており、
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの少なくとも一方は、前記回転軸の軸方向に沿って移動可能に設けられている、請求項1または請求項2に記載の充電コネクタ。
【請求項4】
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの少なくとも一方には、前記軸方向に沿って前記第1コネクタと前記第2コネクタとが互いに離れる方向へ付勢する付勢部材が設けられている、請求項3に記載の充電コネクタ。
【請求項5】
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの少なくとも一方は、前記軸方向に沿って延在するガイド部を有する、請求項3に記載の充電コネクタ。
【請求項6】
前記第1コネクタは、前記第2コネクタ側に突出する突起を有し、
前記第2コネクタには、前記突起が挿入可能な孔が形成され、
前記第1接点部と前記第2接点部とが接続された状態において、前記突起が前記孔に挿入される、請求項1または請求項2に記載の充電コネクタ。
【請求項7】
前記充電コネクタは、さらに、
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの少なくとも一方の前記軸方向に沿った移動を制御するロック部を有する、請求項3に記載の充電コネクタ。
【請求項8】
前記ロック部は、前記軸方向に直交する面に沿って突出する係合部を有し、
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタの少なくとも一方は、前記軸方向に直交する面に沿って突出する凸部を有し、
前記第1接点部と前記第2接点部とが接続されている状態において、前記係合部の前記充電設備側の面と、前記凸部の前記移動体側の面とが当接する、請求項7に記載の充電コネクタ。
【請求項9】
前記ロック部は、前記軸方向に直交する面に平行して延在する軸部を有し、
前記ロック部は、前記係合部が前記凸部から離れる方向へ前記軸部を中心に回転可能である、請求項8に記載の充電コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリーが搭載された電気自動車などの移動体が知られている。そして、このようなバッテリーの充電に用いられる充電器に関する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、充電ケーブルのねじれを解消するため、外部電源側に接続される第一導線と、車両側に接続される第二導線とが、回転接点を介して回転自在に接続される充電ケーブルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-1530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の充電ケーブルでは、車両とコンセントとの接続状態、漏電の有無、および断線の有無などの検知が行われるコントロールボックス内に、回転接点が設けられている。このため、コントロールボックスを備えていない充電設備においては、特許文献1に記載の充電ケーブルを用いることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る充電コネクタは、
バッテリーからの電力を用いて動作する移動体に搭載された前記バッテリーの充電に用いられる充電コネクタであって、
前記バッテリーに接続される第1コネクタと、
充電ケーブルを介して充電設備に接続される第2コネクタと、を備え、
前記第1コネクタは、円形の第1接点部を有し、
前記第2コネクタは、前記第1接点部と接続可能な円形の第2接点部を有し、
前記第2コネクタは、前記第1接点部と前記第2接点部とが接続されていない状態において、前記第2接点部の中心を回転軸として、前記第1コネクタに対して回転可能に設けられている。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、充電ケーブルのねじれを解消することができ、かつあらゆる充電設備において適用可能である充電コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本開示の実施形態に係る充電コネクタの構成を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す第1コネクタの詳細な構成を示す斜視図である。
図3図3は、図2に示すIII-III線断面図である。
図4図4は、図1に示す第2コネクタの詳細な構成を示す斜視図である。
図5図5は、図4に示すV-V線断面図である。
図6図6は、本開示の実施形態に係る充電コネクタが非充電状態である場合における、第1コネクタと第2コネクタとの位置関係を示す図である。
図7図7は、本開示の実施形態に係る充電コネクタの充電可能状態を示す斜視図である。
図8図8は、第1コネクタの突起と、第2コネクタの孔との位置関係の一例を示す斜視図である。
図9図9は、第1コネクタの突起と、第2コネクタの孔との位置関係の他の一例を示す斜視図である。
図10図10は、本開示の実施形態に係る充電コネクタにおいて、第2コネクタの孔に第1コネクタの突起が挿入された状態における第1接点部と第2接点部との位置関係を示す断面図である。
図11図11は、本開示の実施形態に係る充電コネクタの充電可能状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の充電コネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0009】
以下の説明では、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」および「下」という語句を用いることがあるが、これらの方向は、説明の便宜上、設定された相対的な方向である。各図において、「F」が「前」であり、「B」が「後」であり、「L」が「左」であり、「R」が「右」であり、「U」が「上」であり、「D」が「下」である。
【0010】
[全体構成]
図1は、本開示の実施形態に係る充電コネクタ100の構成を示す斜視図である。充電コネクタ100は、バッテリーからの電力を用いて動作する電気自動車、電動航空機または電動カートなどの移動体に搭載された当該バッテリーの充電に用いられる。充電コネクタ100は、図1に示すように、本体部10と、本体部10の内部に設けられた第1コネクタ20と、本体部10の内部に設けられた第2コネクタ30と、を備える。
【0011】
第1コネクタ20は、移動体のバッテリー(図示せず)に接続される。第2コネクタ30は、充電ケーブル40を介して、充電設備(図示せず)に接続される。以下、充電コネクタ100に対してバッテリーが位置する方向を前方向とし、充電コネクタ100に対して充電設備が位置する方向を後方向とする。充電ケーブル40は、電力線および通信線を含む複数の電線41と、これら複数の電線41が内部に配線された絶縁部42と、を有する。図1では、一例として、5本の電線41が示されている。
【0012】
第1コネクタ20および第2コネクタ30の各々は、前後方向に沿って延在する円筒形のプラグインコネクタであり、内部に1つまたは複数の接点部を有する。
【0013】
また、第1コネクタ20は、本体部10に対して前後方向に移動可能に設けられている。第1コネクタ20が後方へ移動することによって、第1コネクタ20の内部の接点部と第2コネクタ30の内部の接点部とが接続され、バッテリーへの充電を行うことが可能になる。以下、バッテリーへの充電を行うことが可能な状態を、「充電可能状態」と称する。
【0014】
また、第1コネクタ20が前方向へ移動することによって、第1コネクタ20の内部の接点部と第2コネクタ30の内部の接点部とが離れ、バッテリーへの充電を行うことができない状態となる。以下、このような状態を、「非充電状態」と称する。
【0015】
[第1コネクタの構成]
図2は、図1に示す第1コネクタ20の詳細な構成を示す斜視図である。図3は、図2に示すIII-III線断面図である。第1コネクタ20は、複数の第1接点部21を有する。図2では、一例として、第1接点部21である5つの第1接点部21A,21B,21C,21D,21Eが示されている。これら5つの第1接点部21は、それぞれ、前後方向に沿って延在する円筒形であり、第1接点部21A,21B,21C,21D,21Eの順で半径方向へ向かって同心円状に設けられている。
【0016】
第1コネクタ20の外周には、前後方向に直交する面、すなわち上下方向と左右方向とによって規定される面に沿って外方に向けて突出する複数の凸部22が設けられている。図2に示す例では、凸部22として4つの凸部22A,22B,22C,22Dが設けられている。これら4つの凸部22A,22B,22C,22Dは、円周方向に沿って互いに90°の間隔をあけて設けられている。各凸部22には、後方へ向けて突出する突起23が設けられている。
【0017】
また、図3に示すように、第1コネクタ20は、第1接点部21に接する第1ガイド部24を有する。より詳細には、例えば、各第1接点部21の内周および外周の両方には、前後方向に沿って延在する円筒形の第1ガイド部24が接している。第1ガイド部24が接している第1接点部21の後方端部は、当該第1ガイド部24の後方端部よりも後方へ延在している。
【0018】
再び図1を参照して、本体部10の内部には、第1コネクタ20の複数の凸部22のうちの少なくとも1つが摺動可能に収納される第1凹部11が形成されている。図1では、一例として、第1コネクタ20の下側に設けられた凸部22Cが、第1凹部11の内部に収納されている。第1凹部11の前後方向の長さは、凸部22Cの前後方向の長さよりも長い。このため、第1コネクタ20は、本体部10に保持された状態で、本体部10に対して前後方向へ移動することができる。
【0019】
図1は、第1コネクタ20の凸部22Cが第1凹部11の前方側に位置する状態を示している。このような状態では、第1コネクタ20の内部に設けられた第1接点部21は、後述する第2コネクタ30の内部に設けられた第2接点部31に接続されていない。すなわち、図1は、充電コネクタ100の非充電状態を示している。
【0020】
[第2コネクタの構成]
図4は、図1に示す第2コネクタ30の詳細な構成を示す斜視図である。図5は、図4に示すV-V線断面図である。第2コネクタ30は、複数の第2接点部31を有する。図5では、一例として、第2接点部31である5つの第2接点部31A,31B,31C,31D,31Eが示されている。これら5つの第2接点部31は、それぞれ、前後方向に沿って延在する円筒形であり、第2接点部31A,31B,31C,31D,31Eの順で半径方向へ向かって同心円状に設けられている。また、これら5つの第2接点部31は、図1に示す5本の電線41にそれぞれ対応する。
【0021】
また、図5に示すように、第2コネクタ30は、第2接点部31に接する第2ガイド部34を有する。より詳細には、例えば、第2接点部31A,31B,31C,31Dの各々の外周に、前後方向に沿って延在する円筒形の第2ガイド部34が接している。各第2ガイド部34の前方端部は、当該第2ガイド部34が接している第2接点部31の前方端部よりも前方へ延在している。
【0022】
また、第2コネクタ30は、さらに、第2接点部31Eの外周に設けられた円筒形のフランジ部32を有する。図4に示すように、フランジ部32には、後方へ向けて窪んだ複数の孔33が、当該フランジ部32の周方向に沿って形成されている。
【0023】
再び図1を参照して、本体部10の内部には、第2コネクタ30のフランジ部32の外周の少なくとも一部が摺動可能に収納される第2凹部12が形成されている。第2コネクタ30は、フランジ部32が第2凹部12に収納された状態で、前後方向に延びる回転軸Sを中心に回転可能に設けられている。回転軸Sは、図5に示すように、同心円状に設けられた複数の第2接点部31の中心を通る。
【0024】
このように、第2コネクタ30が本体部10に対して回転可能に設けられていることにより、充電ケーブル40にねじれが生じた場合であっても、充電コネクタ100の内部において、充電ケーブル40に接続された第2コネクタ30が回転する。このため、充電ケーブル40のねじれを解消することができる。
【0025】
また、上記のように、複数の第1接点部21および複数の第2接点部31が円筒形であるため、第2コネクタ30の回転角度に関わらず、第1接点部21と第2接点部31とを接続させることができる。
【0026】
なお、第2接点部31の数は5つに限定されない。例えば、図1に示す電線41が10本設けられている場合には、第2コネクタ30は、これら10本の電線41にそれぞれ対応する10個の第2接点部31を有する。また、この場合、第1コネクタ20は、10個の第2接点部31にそれぞれ接続される10個の第1接点部21を有する。
【0027】
[非充電状態の説明]
図6は、本開示の実施形態に係る充電コネクタ100が非充電状態である場合における、第1コネクタ20と第2コネクタ30との位置関係を示す図である。非充電状態では、第1コネクタ20の第1接点部21は、第2コネクタ30の第2ガイド部34の一部と重なっている。
【0028】
また、第1コネクタ20と第2コネクタ30との間には、第1コネクタ20と第2コネクタ30とを互いに離れる方向へ付勢する第1ばね(付勢部材)61が設けられている。図6および図7に示す例では、第1ばね61は、第1コネクタ20の凸部22Dと第2コネクタ30のフランジ部32とを連結している。
【0029】
また、充電コネクタ100は、さらに、本体部10における前方側の端部に設けられ、第1コネクタ20の前後方向の移動を制御するロック部50を備える。より詳細には、ロック部50は、左右方向に延在する軸部51を介して、本体部10に対して回転可能に取り付けられている。
【0030】
また、ロック部50のうち、第1コネクタ20を向く面には、下方へ向けて突出した係合部52が設けられている。充電コネクタ100の非充電状態において、例えば、第1コネクタ20の上端に設けられた凸部22Aの後面と、ロック部50の係合部52の前面とが当接する。これにより、第1コネクタ20の後方への移動が制限される。このように、ロック部50によって第1コネクタ20の前後方向の移動が制限されている状態を「ロック状態」と称する。一方、第1コネクタ20の前後方向の移動が制限されていない状態を「ロック解除状態」と称する。
【0031】
[非充電状態から充電可能状態への移行]
図7は、本開示の実施形態に係る充電コネクタ100の充電可能状態を示す斜視図である。本体部10のうち、ロック部50の後方側端部50aの下面が位置する部分には、第3凹部13(図1参照)が形成されている。また、第3凹部13の内部には、第2ばね62が設けられている。ロック部50は、作業者によって後方側端部50aが押下されると、後方側端部50aの下面によって第2ばね62を圧縮しながら、矢印A1に示す方向、すなわちロック部50の前方側端部50bが上方へ移動する方向へ軸部51を中心に回転する。
【0032】
これにより、第1コネクタ20の凸部22Aと、ロック部50の係合部52とが離れ、第1コネクタ20の前後方向への移動が可能な状態となる。このような状態において、作業者が移動体のバッテリーに対して第1コネクタ20の前方側端部を挿入すると、第1コネクタ20は、第1コネクタ20と第2コネクタ30との間に設けられた第1ばね61を圧縮させながら第2コネクタ30側へ移動する。
【0033】
このとき、上記のとおり、第1コネクタ20の第1接点部21(図3参照)が第2コネクタ30の第2ガイド部34(図5参照)の一部と重なっているため、第1コネクタ20は、第1接点部21と第2ガイド部34とが重なる状態を維持しながら後方へ移動する。すなわち、第1コネクタ20は、第1接点部21の中心と第2接点部31の中心とが一致する状態を維持しながら、後方へ移動することができる。
【0034】
図8および図9は、第1コネクタ20の突起23と、第2コネクタ30の孔33との位置関係の一例を示す斜視図である。図8に示すように、ロック解除状態において第1コネクタ20が第2コネクタ30側へ移動すると、第1コネクタ20の突起23が第2コネクタ30のフランジ部32に当接する。
【0035】
そして、第1コネクタ20が第2コネクタ30側へさらに移動すると、フランジ部32の孔33に突起23が挿入されるように、第2コネクタ30の全体が回転軸Sを中心にフランジ部32の周方向に沿って回転する。そして、図9に示すように、孔33に突起23が挿入されると、第2コネクタ30の回転が制限される。
【0036】
図10は、本開示の実施形態に係る充電コネクタ100において、第2コネクタ30の孔33に第1コネクタ20の突起23が挿入された状態における第1接点部21と第2接点部31との位置関係を示す断面図である。図10に示すように、孔33に突起23が挿入されるところまで第1コネクタ20が移動すると、第1接点部21と第2接点部31とが重なる。
【0037】
すなわち、5つの第1接点部21A,21B,21C,21D,21Eが、5つの第2接点部31A,31B,31C,31D,31Eにそれぞれ接続される。これにより、充電コネクタ100による充電が可能となる。また、このような状態では、上記のように、第2コネクタ30の孔33に第1コネクタ20の突起23が挿入されて、第2コネクタ30の回転が制限されるため、第1接点部21と第2接点部31との接続状態を安定させることができる。
【0038】
図11は、本開示の実施形態に係る充電コネクタ100の充電可能状態を示す斜視図である。充電可能状態では、第1コネクタ20の凸部22Aが、ロック部50の係合部52よりも後方に位置する。このような状態において、作業者がロック部50の後方側端部50aを押下する力を緩めると、第2ばね62の弾性力によってロック部50の全体が矢印A2に示す方向へ回転する。これにより、図11に示すように、凸部22Aの前面が係合部52の後面に当接し、第1コネクタ20の前方への移動が制限される。
【0039】
このように、第1コネクタ20を前方へ付勢する第1ばね61が設けられていても、充電可能状態においては、ロック部50が第1コネクタ20の前方への移動を制限する。このため、第1接点部21と第2接点部31との接続状態をより一層安定させることができる。
【0040】
[充電可能状態から非充電状態への移行]
バッテリーへの充電完了後、作業者がロック部50の後方側端部50aを再び押下したとする。この場合、ロック部50は、後方側端部50aの下面によって第2ばね62を圧縮させながら、軸部51を中心に矢印A1の方向へ回転する。これにより、第1コネクタ20の凸部22Aとロック部50の係合部52とが離れ、ロック解除状態となる。
【0041】
このように、ロック解除状態となり、かつ第1コネクタ20の前方端部が移動体のバッテリーから外されると、第1コネクタ20は、第1ばね61の弾性力を受けることによって前方へ移動する。この結果、第1コネクタ20の第1接点部21と第2コネクタ30の第2接点部31との接続が自動的に解除され、図7に示すような非充電状態へ移行する。
【0042】
なお、上述した例では、第1コネクタ20が前後方向へ移動する構成について説明したが、このような構成に限定されず、例えば、第1コネクタ20の代わりに第2コネクタ30が前後方向に移動可能な構成であってもよい。
【0043】
また、第1コネクタ20は、第1ガイド部24を備えない構成であってもよい。また、第2コネクタ30は、第2ガイド部34を備えない構成であってもよい。
【0044】
また、充電可能状態において、第1コネクタ20の突起23が第2コネクタ30の孔33に挿入される構成に限定されず、充電可能状態において第2コネクタ30の回転が制限される他の構成が採用されてもよい。
【0045】
上述したように、本実施形態に係る充電コネクタ100は、バッテリーに接続される第1コネクタ20と、充電ケーブル40を介して充電設備に接続される第2コネクタ30と、を備える。第1コネクタ20は、円形の第1接点部21を有する。第2コネクタ30は、第1接点部21と接続可能な円形の第2接点部31を有する。また、第2コネクタ30は、第1接点部21と第2接点部31とが接続されていない非充電状態において、第2接点部31の中心を回転軸として、第1コネクタ20に対して回転可能に設けられている。
【0046】
このような構成により、非充電時において充電ケーブル40がねじれた場合であっても、充電コネクタ100の内部において、充電ケーブル40に接続された第2コネクタ30が回転する。このため、コントロールボックスを備えていないような、あらゆる充電設備であっても、充電ケーブル40のねじれを解消することができる。
【0047】
また、第1接点部21および第2接点部31が円形であることにより、第2コネクタ30の回転角度に関わらず、第1接点部21と第2接点部31とを接続させることができる。
【0048】
ところで、作業者が充電コネクタ100を手に持った状態で移動することにより、充電コネクタ100の付近において充電ケーブル40のねじれが生じる可能性が高い。上述した特許文献1に記載の充電ケーブルでは、コントロールボックスに回転接点が設けられているため、コントロールボックスと充電コネクタとの間における充電ケーブルのねじれを解消することが困難な場合がある。これに対して、本開示に係る充電コネクタ100は、充電コネクタ100の内部において第2コネクタ30が回転するため、充電コネクタ100の付近において生じる充電ケーブル40のねじれをより確実に解消することができる。
【0049】
また、本実施形態に係る充電コネクタ100において、第1コネクタ20は、同心円状に設けられた複数の第1接点部21を有する。また、第2コネクタ30は、複数の第1接点部21にそれぞれ対応する、同心円状に設けられた複数の第2接点部31を有する。
【0050】
このような構成により、複数の第1接点部21および複数の第2接点部31が設けられている場合であっても、第2コネクタ30の回転角度に関わらず、各第1接点部21を対応する第2接点部31に接続することができる。
【0051】
また、第1接点部21を、対応する第2接点部31に接続させるための方法として、スイッチの切り替え等の電気的制御を行う方法が考えられる。しかしながら、本開示に係る充電コネクタ100は、上記のような構成により、電気的な制御を行う制御機器を設けることなく、各第1接点部21を対応する第2接点部31に接続させることができる。
【0052】
また、本実施形態に係る充電コネクタ100において、第2コネクタ30の回転軸Sは、移動体に対する充電コネクタ100の挿入方向に沿って延在している。また、第1コネクタ20および第2コネクタ30の少なくとも一方は、当該回転軸Sの軸方向である前後方向に沿って移動可能に設けられている。
【0053】
このような構成により、例えば、充電コネクタ100を移動体に接続することにより、第1コネクタ20と第2コネクタ30とを互いに近づけて、第1接点部21と第2接点部31とを接続させることができる。すなわち、充電コネクタ100を移動体に接続することにより、非充電状態から充電可能状態へ容易に切り替えることができる。
【0054】
また、本実施形態に係る充電コネクタ100において、第1コネクタ20および第2コネクタ30の少なくとも一方には、前後方向に沿って第1コネクタ20と第2コネクタ30とが互いに離れる方向へ移動するように付勢する第1ばね61が設けられている。
【0055】
このような構成により、例えば、充電コネクタ100を移動体のバッテリーから離すことにより、第1コネクタ20が前方へ移動して第2コネクタ30から離れるため、第1接点部21と第2接点部31との接続状態を自動的に解除することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る充電コネクタ100において、第1コネクタ20は、前後方向に沿って延在する第1ガイド部24を有する。また、第2コネクタ30は、前後方向に沿って延在する第2ガイド部34を有する。
【0057】
このような構成により、例えば、第1接点部21の中心と第2接点部31の中心とが一致する状態を維持しながら、第1コネクタ20を前後方向に沿って移動させることができる。
【0058】
また、本実施形態に係る充電コネクタ100において、第1コネクタ20は、第2コネクタ30側に突出する突起23を有する。第2コネクタ30には、突起23が挿入可能な孔33が形成されている。そして、第1接点部21と第2接点部31とが接続された状態において、突起23が孔33に挿入される。
【0059】
このような構成により、充電時において、第2コネクタ30が第1コネクタ20に対して回転することを制限し、第1接点部21と第2接点部31との接続状態を安定させることができる。
【0060】
また、本実施形態に係る充電コネクタ100は、さらに、第1コネクタ20および第2コネクタ30の少なくとも一方の前後方向に沿った移動を制御するロック部50を有する。
【0061】
このような構成により、第1接点部21と第2接点部31との接続状態を、さらに安定させることができる。また、例えば、第1コネクタ20および第2コネクタ30を互いに離れる方向へ付勢する第1ばね61が設けられていても、ロック部50によって、第1コネクタ20が第2コネクタ30から離れることを防ぐことができる。
【0062】
また、本実施形態に係る充電コネクタ100において、ロック部50は、前後方向に直交する面に沿って突出する係合部52を有する。また、第1コネクタ20は、前後方向に直交する面に沿って突出する凸部22Aを有する。そして、第1接点部21と第2接点部31とが接続されている状態において、係合部52の前面と凸部22Aの後面とが当接する。
【0063】
このような構成により、第1接点部21と第2接点部31との接続状態を、より一層安定させることができる。
【0064】
また、本実施形態に係る充電コネクタ100において、ロック部50は、前後方向に直交する面に平行して延在する軸部51を有する。また、ロック部50は、係合部52が第1コネクタ20の凸部22Aから離れる方向へ、軸部51を中心に回転可能である。
【0065】
このような構成により、ロック部50を回転させることで、係合部52と凸部22Aとが離れるため、第1コネクタ20を移動可能な状態にすることができる。このため、例えば、第1コネクタ20および第2コネクタ30を互いに離れる方向へ付勢する第1ばね61が設けられている場合、ロック部50を回転させる操作を行うことで、第1コネクタ20を第2コネクタ30から離すことができる。
【0066】
以上、本開示の実施形態について説明をしたが、本開示の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本開示の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0067】
10 本体部
11 第1凹部
12 第2凹部
13 第3凹部
20 第1コネクタ
21,21A,21B,21C,21D,21E 第1接点部
22,22A,22B,22C,22D 凸部
23 突起
24 第1ガイド部
30 第2コネクタ
31,31A,31B,31C,31D,31E 第2接点部
32 フランジ部
33 孔
34 第2ガイド部
40 充電ケーブル
41 電線
42 絶縁部
50 ロック部
50a 後方側端部
50b 前方側端部
51 軸部
52 係合部
61 第1ばね(付勢部材)
62 第2ばね
100 充電コネクタ
図1
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