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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165413
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】塗料吐出量測定システム
(51)【国際特許分類】
   B05B 7/14 20060101AFI20241121BHJP
   B05B 12/08 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B05B7/14
B05B12/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081596
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000117009
【氏名又は名称】旭サナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 雅希
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 克海
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 善貴
(72)【発明者】
【氏名】星野 幸一
(72)【発明者】
【氏名】西尾 達哉
【テーマコード(参考)】
4F033
4F035
【Fターム(参考)】
4F033QA01
4F033QB02Y
4F033QB05
4F033QB12Y
4F033QB18
4F033QD04
4F033QD11
4F033QE06
4F033QF01X
4F033QF07Y
4F033QH02
4F033QH08
4F033QK02X
4F033QK09X
4F033QK12X
4F035AA03
4F035BB21
(57)【要約】
【課題】塗装不良の発生を抑制しつつ、作業負担の軽減を図る。
【解決手段】塗料吐出量測定システムは、塗料を噴射する塗装ガンと、塗料経路を介して塗装ガンに対して塗料を供給する塗料供給装置と、塗料経路を通過する塗料を検出する光電センサを有する検出装置と、光電センサの検出値に基づいて、塗料経路を通過する塗料の吐出量が正常であるか否かを判定する制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料を噴射する塗装ガンと、
塗料経路を介して前記塗装ガンに対して前記塗料を供給する塗料供給装置と、
前記塗料経路を通過する前記塗料を検出する光電センサを有する検出装置と、
前記光電センサの検出値に基づいて、前記塗料経路を通過する前記塗料の吐出量が正常であるか否かを判定する制御部と、を備える、
塗料吐出量測定システム。
【請求項2】
前記光電センサは、検出光を発光する発光部と、発光部から発光された検出光を受光する受光部と、を有し、
前記検出装置は、前記発光部及び前記受光部をそれぞれ収容する複数の収容部を更に有し、
各前記収容部にエアを供給するためのエア経路を更に備える、
請求項1に記載の塗料吐出量測定システム。
【請求項3】
前記発光部と前記受光部とは、前記塗料経路に対して直交するように配置される、
請求項1又は2に記載の塗料吐出量測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、塗料吐出量測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗装ガンに例えば粉体塗料を定量供給するための粉体塗料供給装置が知られている。粉体塗料供給装置は、粉体塗料を定量排出するスクリューフィーダ―ユニットと、スクリューフィーダ―ユニットから排出された粉体塗料を吸引して塗装ガンに供給するインジェクターユニットと、を含んで構成されている。
【0003】
ところで、従来構成では、塗装作業中において塗料吐出量の検出又は監視は行われていないため、設定吐出量に対して実際の塗料吐出量に変化が生じた場合に、当該変化を即時発見することが困難であった。塗料吐出量の変化は、粉体塗料が流れるホースの折れや破損等の不具合によって生じる場合があり、この不具合は塗装不良を引き起こす原因となり、生産効率に悪影響を及ぼすことがある。
【0004】
また、実際の塗料吐出量が設定吐出量と一致しているか否かは、例えば計量カップを用いた測定によって確認を行う方法があるが、作業者にとって多大な手間を要し負担となる。したがって、従来構成では、塗装不良の発生を抑制しつつ、作業負担の軽減を図る点において課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-025429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、塗装不良の発生を抑制しつつ、作業負担の軽減を図る塗料吐出量測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の塗料吐出量測定システムは、塗料を噴射する塗装ガンと、塗料経路を介して前記塗装ガンに対して前記塗料を供給する塗料供給装置と、前記塗料経路を通過する前記塗料を検出する光電センサを有する検出装置と、前記光電センサの検出値に基づいて、前記塗料経路を通過する前記塗料の吐出量が正常であるか否かを判定する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による塗料吐出量測定システムの一例を模式的に示す図
図2】一実施形態による塗料吐出量測定システムについて、検出装置の一例を概略的に示す断面図
図3】一実施形態による塗料吐出量測定システムについて、収容部にエアが供給される状態の一例を拡大して示す断面図
図4】一実施形態による塗料吐出量測定システムの電気的構成の一例を示すブロック図
図5】一実施形態による塗料吐出量測定システムについて、正常時及び異常時における光電センサの検出値の変化を示す図
図6】一実施形態による塗料吐出量測定システムについて、入力電流の違いによる光電センサの検出値への影響を調べた試験結果を示す図
図7】一実施形態による塗料吐出量測定システムについて、塗料の吐出量の測定で行われる処理の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図では、説明の便宜上、必要に応じて各構成の寸法を適宜拡大している場合があり、各構成同士の寸法比は実際と同一であるとは限らない。
【0010】
図1に示す塗料吐出量測定システム1は、例えば粉体塗料の吐出量を測定できるシステムである。以下の説明では、塗料吐出量測定システム1を、単にシステム1と称する場合がある。塗料吐出量測定システム1は、塗装ガン10、塗料供給装置20、検出装置30、及び制御盤40を備えている。塗装ガン10は、例えば図示しないレシプロケータの先端部に装着されており、例えば粉体塗料等の塗料を噴射し、静電引力によって被塗物に自動で塗料を塗布するいわゆる自動ガンである。塗装ガン10は、その内部に高電圧を塗料に印加するための図示しない高電圧発生装置が設けられている。
【0011】
塗料供給装置20は、塗料タンク201に収容された塗料を受けて、その塗料を塗装ガン10に対して供給する。塗料タンク201には、例えば流動エア201aが供給されており、流動エア201aによって塗料タンク201内の塗料がほぐされるとともに除湿される。塗料供給装置20は、スクリューフィーダユニット21及びインジェクタ22を有して構成されている。スクリューフィーダユニット21は、塗料タンク201の下流側に位置している。スクリューフィーダユニット21は、周知の構成であるため、詳細な説明は省略するが、モータ211の駆動によって図示しないスクリューの羽根が回転することで、塗料を定量的に排出する。モータ211の回転速度の変化に応じてスクリューの羽根の回転速度が変化することで、任意に設定された吐出量での塗料の定量供給が行われる。
【0012】
インジェクタ22は、スクリューフィーダユニット21から排出された塗料を吸引して塗料経路51を介して塗装ガン10に供給する。塗料経路51は、インジェクタ22から塗装ガン10に至る経路である。塗料経路51は、インジェクタ22と塗装ガン10との間に設けられた塗料ホース511や塗料ホース511の途中に設けられた検出装置30等を含んで構成される。インジェクタ22には、例えば搬送エア22aが供給されており、搬送エア22aによってスクリューフィーダユニット21から塗料が吸引される。そして、吸引された塗料は、塗料経路51を通って塗装ガン10に供給される。
【0013】
また、システム1は、図1に示すように、エア供給機構60を備えている。エア供給機構60は、エア経路61及びエア供給弁62を有している。エア経路61は、例えばコンプレッサ等のエア供給源601から検出装置30に至る経路である。検出装置30は、エア経路61からエアが供給される。エア経路61は、例えばエアホースで構成されている。エア供給弁62は、例えば電磁的に開閉可能なエア用の開閉弁で構成されており、エア経路61を開閉する。
【0014】
検出装置30は、塗料経路51を通過する塗料を自動で検出する機能を有する。検出装置30は、塗料供給装置20の下流側に位置している。検出装置30は、図2に示すように、本体部31及び光電センサ32を有している。本体部31は、検出装置30の外郭を構成している。本体部31は、例えば十字状に形成されている。本体部31は、塗料流通孔311、収容部312、連通孔313、及びエア供給孔314を有している。塗料流通孔311は、本体部31の下流側の面を構成する第1面31aと本体部31の上流側の面を構成する第2面31bとの間で、本体部31を貫いて形成されている。塗料流通孔311は、塗料が通過可能に構成されており、塗料経路51の一部を構成している。
【0015】
収容部312は、塗料流通孔311を挟んで両側に複数設けられている。つまり、複数の収容部312は、塗料流通孔311を挟んで互いに対向して設けられている。この場合、複数の収容部312は、塗料流通孔311に対して直交して配置されている。直交とは、完全な直交である90°で交わることに加えて、例えば90°±5°程度で交わることも含む。収容部312は、例えば略矩形状に形成されている。
【0016】
連通孔313は、塗料流通孔311と収容部312とを連通している。連通孔313は、複数の収容部312に対応して複数設けられている。断面視において収容部312の中心と連通孔313の中心とは一致している。連通孔313の内径は、収容部312の内径よりも小さく設定されている。
【0017】
エア供給孔314は、収容部312と本体部31の外部とを連通して形成されている。エア供給孔314は、複数の収容部312に対応して複数設けられている。複数のエア供給孔314は、それぞれエア経路61に接続されている。エア供給孔314は、エア供給源601からエア経路61を通ったエアを収容部312内に供給するためのものである。
【0018】
本実施形態では、エア供給孔314の内径は、連通孔313の内径よりも大きく設定されている。したがって、収容部312からのエアの排出量よりも収容部312へのエアの供給量が多くなるように構成されている。このため、エア供給孔314から供給されるエアによって、収容部312内は陽圧状態に保たれている。そして、図3の黒矢印で示すように、収容部312から連通孔313を通って塗料流通孔311の内部に微量のエアが注入されることで、塗料流通孔311を流れる塗料が収容部312内に侵入することが抑制される。
【0019】
光電センサ32は、図2に示すように、本体部31の内部に設けられており、塗料流通孔311つまり塗料経路51を通過する塗料を検出する。光電センサ32は、例えばアクティブ型の赤外線センサで構成されている。光電センサ32は、例えば近赤外線光が用いられる。光電センサ32は、発光部321及び受光部322を有している。発光部321は、検出光である近赤外線光を発光する。受光部322は、発光部321から発光された近赤外線光を受光する。発光部321及び受光部322は、それぞれ収容部312に収容されており、互いに対向している。発光部321及び受光部322は、塗料流通孔311に対して直交して配置されている。本実施形態では、塗料流通孔311、収容部312、及び連通孔313によって光路が形成されている。
【0020】
ここで、塗料流通孔311を流れる塗料が存在していると、発光部321から出射された近赤外線光の受光部322への入射が阻害される。このため、受光部322に入射される光量の変化を検出することで、塗料流通孔311を流れる塗料の吐出量を求めることができる。吐出量とは、インジェクタ22から吐出されて塗料経路51を通過する塗料の単位時間当たりの質量を意味する。なお、本実施形態では、光電センサ32に赤外線センサを用いており、検出値の再現性があり分解能が高いため、塗料の吐出量を精度良く測定できる。
【0021】
制御盤40は、操作表示部41、制御部42、及び記憶部43を有している。操作表示部41は、例えば制御盤40の外面に設けられている。操作表示部41は、例えばタッチパネルディスプレイを含んで構成できる。操作表示部41は、作業者からの入力操作を受け付けるとともに、各種情報を提示する機能を有する。操作表示部41は、例えば周囲に対して音声を発する機能を有する図示しないスピーカを有していても良い。
【0022】
制御部42は、システム1全体の制御を司る。制御部42は、例えばCPUや、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリ等の記憶領域等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。記憶領域は、検出装置30を塗料吐出量測定システム1に適用させるためのプログラムを記憶している。制御部42の各処理は、CPUがプログラムを実行することにより実現される。記憶部43は、制御部42によって参照又は更新されシステム1で用いられる各種の情報を記憶可能に構成されている。記憶部43は、例えばHDD、SSD、半導体メモリ、磁気ディスク等の周知の記憶媒体で構成できる。図4に示すように、塗装ガン10、モータ211、エア供給弁521、光電センサ32、操作表示部41、及び記憶部43は、それぞれ制御部42に電気的に接続されている。
【0023】
次に、図5も参照して、光電センサ32の検出値と塗料の吐出量との関係について説明する。図5における縦軸は光電センサ32の検出値を示しており、横軸は塗料の吐出量を示している。検出値は、例えば受光部322の受光信号に基づく出力電圧を示す。図5に示すように、正常時における光電センサ32の検出値は、塗料の吐出量が増加するにつれて減少することがわかる。つまり、正常時では、光電センサ32の検出値と塗料の吐出量とは、負の相関がある。一方、例えば塗料ホース511に破れが発生している等の異常時における光電センサ32の検出値は、正常時に対して変化が生じている。この場合、光電センサ32の検出値と塗料の吐出量との相関関係が成立しない。したがって、光電センサ32の検出値の変化を監視することで異常の有無を判断できる。
【0024】
本実施形態では、制御部42は、光電センサ32の検出値を取得し、取得した検出結果を記憶部43に記憶する。また、制御部42は、光電センサ32の検出値を取得し、操作表示部41を介して取得した検出結果を作業者に報知できる。これにより、作業者は、検出結果を確認することで、異常の有無を判断できる。そして、異常の発生を即時に発見することで、メンテナンス等の対策を講じることで、塗装不良の発生を抑制できる。
【0025】
また、本実施形態では、制御部42は、光電センサ32の検出値に基づいて、塗料経路51を通過する塗料の吐出量が正常であるか否かを自動で判定する。具体的には、制御部42は、光電センサ32の検出値と理論値との差が所定値未満である場合に、正常と判定する。換言すれば、制御部42は、光電センサ32の検出値と理論値との差が所定値以上である場合に、異常と判定する。理論値とは、例えばシステム1の導入後又はメンテナンス後等の正常時における光電センサ32の検出値を意味する。理論値は、記憶部43に記憶しておくことができる。所定値は、例えば使用する塗料の種類やインジェクタ22に供給される搬送エア22aの風量等の諸条件に応じて任意に設定できる。
【0026】
ここで、光電センサ32として赤外線センサを用いた場合、光電センサ32の光量は、光電センサ32への入力電流を調整することで変化する。具体的には、光電センサ32の光量は、入力電流を大きくするほど明るくなる。本願発明者は、光電センサ32への入力電流つまり光電センサ32の光量が光電センサ32の検出値に与える影響に関する検証試験を行った。検証試験では、入力電流C1及び入力電流C2の2仕様を用いた。入力電流C1と入力電流C2との関係はC1<C2であり、C1は15mA、C2は30mAに設定した。
【0027】
図6に示すように、塗料の吐出量が基準値V0例えば200g/min以下では、入力電流C1にした方が入力電流C2にした場合よりも吐出量の変化に対する光電センサ32の検出値の比つまり傾きが大きく感度が高いことがわかる。一方、塗料の吐出量が基準値V0よりも大きい場合は、入力電流C2にした方が入力電流C1にした場合よりも感度が高いことがわかる。したがって、塗装作業において設定される塗料の吐出量の設定値が基準値V0以下の場合は、入力電流を小さくつまり光電センサ32の光量を暗くした方が高精度の検出が可能であり、塗料の吐出量の設定値が基準値V0よりも大きい場合は、入力電流を大きくつまり光電センサ32の光量を明るくした方が高精度の検出が可能であるといえる。
【0028】
そこで、制御部42は、塗料の吐出量の設定値が予め定められた基準値以下である場合に、設定値が基準値よりも大きい場合と比べて光電センサ32の入力電流を小さく設定する。また、制御部42は、塗料の吐出量の設定値が予め定められた基準値よりも大きい場合に、設定値が基準値以下である場合と比べて光電センサ32の入力電流を大きく設定する。これにより、光電センサ32の検出値の変化つまり塗料の吐出量の変化を精度良く検出できる。よって、塗装不良の発生を抑制できる。なお、基準値は、例えば使用する塗料の種類やインジェクタ22に供給される搬送エア22aの風量等の諸条件に応じて任意に設定できる。
【0029】
また、制御部42は、塗料の吐出量の設定値が予め定められた基準値より小さい場合に、設定値が基準値以上の場合と比べて光電センサ32の入力電流を小さく設定しても良く、制御部42は、塗料の吐出量の設定値が予め定められた基準値以上の場合に、設定値が基準値より小さい場合と比べて光電センサ32の入力電流を大きく設定しても良い。
【0030】
次に、図7を参照して、塗料の吐出量の測定において制御部42で実行される制御内容の一例を説明する。制御部42は、塗料供給装置20を駆動させて塗装ガン10へ塗料が供給されると(図7のスタート)、ステップS11において光電センサ32を駆動させる。
【0031】
次に、制御部42は、ステップS12において、光電センサ32が検出した検出値を取得する。その後、制御部42は、ステップS13において、予め記憶部43に記憶された理論値と取得した検出値との差が所定値以上であるか否かを判定する。理論値と検出値との差が所定値以上であった場合(ステップS13でYES)、制御部42は、ステップS4に処理を移行させる。
【0032】
制御部42は、ステップS14において、例えば理論値と検出値との差が所定値以上であることを示す判定情報を操作表示部41に表示させることで判定結果を報知して、一連の処理を終了する(図7のエンド)。判定情報には、塗料の吐出量が異常であることを示す情報を含めても良い。
【0033】
以上説明した実施形態によれば、塗料吐出量測定システム1は、塗装ガン10と、塗料供給装置20と、検出装置30と、制御部42と、を備える。塗装ガン10は、塗料を噴射する。塗料供給装置20は、塗料経路51を介して塗装ガン10に対して塗料を供給する。検出装置30は、塗料経路51を通過する塗料を検出する光電センサ32を有する。制御部42は、光電センサ32の検出値に基づいて、塗料経路51を通過する塗料の吐出量が正常であるか否かを判定する。
【0034】
これによれば、光電センサ32の検出値の変化に基づいて塗料の吐出量の変化を監視できる。そして、塗料の吐出量の変化を監視することで、例えば塗料経路51内の詰まり等に起因した異常を早期に発見できる。これにより、塗装不良の発生を抑制できる。また、例えば計量カップ等を用いた塗料吐出量の確認作業を行う必要がなくなるため、作業負担の軽減を図ることができる。
【0035】
光電センサ32は、検出光を発光する発光部321と、発光部321から発光された検出光を受光する受光部322と、を有する。検出装置30は、発光部321及び受光部322をそれぞれ収容する複数の収容部312を更に有する。そして、塗料吐出量測定システム1は、各収容部312にエアを供給するためのエア経路61を更に備える。
【0036】
これによれば、エア経路61から供給されるエアによって、収容部312に収容された発光部321及び受光部322周辺に塗料が付着することを抑制できる。これにより、光電センサ32による安定した検出を保つことができるため、塗装不良の発生を抑制できるとともに、メンテナンス性を向上できる。
【0037】
発光部321と受光部322とは、塗料経路51に対して直交するように配置される。これによれば、塗料経路51を流れる塗料を光電センサ32によって精度良く検出できる。結果として、塗装不良の発生をより一層抑制できる。
【0038】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0039】
1…塗料吐出量測定システム、10…塗装ガン、20…塗料供給装置、30…検出装置、312…収容部、32…光電センサ、321…発光部、322…受光部、51…塗料経路、61…エア経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7