(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165422
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20241121BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20241121BHJP
G06F 3/04847 20220101ALI20241121BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F3/14 360A
G06F3/04847
G06F3/041 550
G06F3/041 590
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081612
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 泰文
【テーマコード(参考)】
5B069
5E555
【Fターム(参考)】
5B069CA00
5B069KA02
5E555AA26
5E555BA03
5E555BA05
5E555BB03
5E555BB05
5E555BC08
5E555CA13
5E555CB13
5E555DA05
5E555DB03
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】タッチパネルを備える少なくとも2つの電子機器において、電子機器における画面配置を、シームレスに設定を実現することができる情報処理システム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】実施形態の情報処理システムは、それぞれがタッチパネルを備える少なくとも2つの電子機器と、ユーザが前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルを同時に接触したことを示す接触情報を前記少なくとも2つの電子機器の間で送受信し、前記接触情報に基づいて、前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれの前記タッチパネルに対する画面の割り当てを設定する設定部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがタッチパネルを備える少なくとも2つの電子機器と、
ユーザが前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルを同時に接触したことを示す接触情報を前記少なくとも2つの電子機器の間で送受信し、
前記接触情報に基づいて、前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれの前記タッチパネルに対する画面の割り当てを設定する設定部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記接触情報は、前記ユーザが前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれの前記タッチパネルに同時に接触した数を示す接触数、前記ユーザが前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれの前記タッチパネルに同時に接触した位置を示す位置座標のうち、少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記接触情報に基づいて、前記電子機器を連携する連携情報を決定する決定部と、をさらに備え、
前記連携情報は、前記電子機器間における画面共有、あるいは、前記電子機器間におけるマウス操作共有のうち、少なくとも1つを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記2つの電子機器は、それぞれ独立した動作を処理するOS(Operating System)を記憶する記憶部を備える、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
それぞれがタッチパネルを備える少なくとも2つの電子機器において、実行される情報処理方法であって、
ユーザが前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルを同時に接触したことを示す接触情報を前記少なくとも2つの電子機器の間で送受信し、
前記接触情報に基づいて、前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれの前記タッチパネルに対する画面の割り当てを設定する過程と、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、広く使用されるようになったデスクトップ型、ラップトップ型、タブレット型等のPC(以下、PC端末)は、USB Type-Cのインタフェースを標準的に持ち合わせている。例えば、PC端末とモニタ等、電子機器間との接続は、USB Type-Cケーブルで接続できる形態も普及してきている。
【0003】
加えて、近年のテレワークスタイルの拡大により一人がモバイル端末を複数台もつケースも多くなっている(据え置き用とモバイル用で1台ずつ等)。PC端末はそれぞれが独立して動作しているため、画面拡張等は、PC端末間のUSBホスト同士をUSBケーブル接続して、一方のPC端末をモニタとして使用したり、またキーボード/マウス操作共有(以下、PC連携)したりする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、ユーザは、PC端末側と他のPC端末側とにUSBケーブルを接続後、ディスプレイの配置設定について、物理的な配置に合わせて、PC端末を操作して変更する必要がある。また、例えば、ユーザは、PC連携をするためにPC端末を操作して設定する必要があり、その設定作業について、更なる改善が求められている。
【0006】
したがって、本発明が解決する課題の一例は、タッチパネルを備える少なくとも2つの電子機器において、電子機器における画面配置を、シームレスに設定を実現することができる情報処理システム及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様は、それぞれがタッチパネルを備える少なくとも2つの電子機器と、ユーザが前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルを同時に接触したことを示す接触情報を前記少なくとも2つの電子機器の間で送受信し、前記接触情報に基づいて、前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれの前記タッチパネルに対する画面の割り当てを設定する設定部と、を備える情報処理システムである。
【0008】
また、前記接触情報は、前記ユーザが前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれの前記タッチパネルに同時に接触した数を示す接触数、前記ユーザが前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれの前記タッチパネルに同時に接触した位置を示す位置座標のうち、少なくとも1つを含んでも良い。
【0009】
さらに、前記接触情報に基づいて、前記電子機器を連携する連携情報を決定する決定部と、をさらに備え、前記連携情報は、前記電子機器間における画面共有、あるいは、前記電子機器間におけるマウス操作共有のうち、少なくとも1つを含んでも良い。
【0010】
また、前記2つの電子機器は、それぞれ独立した動作を処理するOS(Operating System)を記憶する記憶部を備えても良い。
【0011】
また、本発明の第2態様は、それぞれがタッチパネルを備える少なくとも2つの電子機器において、実行される情報処理方法であって、ユーザが前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルを同時に接触したことを示す接触情報を前記少なくとも2つの電子機器の間で送受信し、前記接触情報に基づいて、前記少なくとも2つの電子機器のそれぞれの前記タッチパネルに対する画面の割り当てを設定する過程と、を含む情報処理方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、タッチパネルを備える少なくとも2つの電子機器において、電子機器における画面配置を、シームレスに設定を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る第1電子機器のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る第1電子機器の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理システムをユーザが操作する一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る電子機器が検出する接触数に対応する連携情報の一例を示すテーブルである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理システムが画面配置を設定するための一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理システムをユーザが電子機器を操作する一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理システムが画面配置を設定する一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理システムで実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る電子機器で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、変形例1に係る電子機器が備える表示面の接触領域を説明するための図である。
【
図12】
図12は、変形例1に係る電子機器が検出する接触領域に対応する画面配置の一例を示すテーブルである。
【
図13】
図13は、変形例2に係る情報処理システムをユーザが電子機器を操作する一例を示す模式図である。
【
図14】
図14は、変形例2に係る情報処理システムが画面配置を設定するための一例を示す模式図である。
【
図15】
図15は、変形例2に係る情報処理システムが画面配置を設定するための一例を示す模式図である。
【
図16】
図16は、変形例2に係る情報処理システムで実行される処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の実施形態は、第1電子機器と、USBType-Cケーブルが接続された第2電子機器との間で、表示画面の画面配置を行う形態について説明する。ただし、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、実施形態で明示しない種々の変形例や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本実施形態を、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、各図は、図中に示す構成要素のみを備えるという趣旨ではなく、他の機能等を含むことができる。
【0015】
図1は、本実施形態に係る第1電子機器と、第2電子機器と、を含む情報処理システムの構成図である。情報処理システム100は、第1電子機器10と、USB(Universal Serial Bus) Type-Cケーブル30を介して接続する第2電子機器20で構成される。第1電子機器10は、例えば、クラムシェル型のパーソナルコンピュータとして構成されている。第2電子機器20は、タブレット端末として構成されている。
【0016】
第1電子機器10及び第2電子機器20は、表示面にタッチパネルを備える。ユーザは、表示面へのタッチ操作により第1電子機器10及び第2電子機器20を操作することができる。また、表示面として、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等を用いる。また、第1電子機器10及び第2電子機器20をあわせて電子機器ともいう。
【0017】
さらに、第1電子機器10及び第2電子機器20は、それぞれ独立した動作を処理するOS(Operating System)を記憶する記憶部を備える。なお、第1電子機器10及び第2電子機器20は、上記例には限定されず、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ、オールインワン型のパーソナルコンピュータ、映像電子機器、テレビジョン受像機及びゲーム機等であっても良く、表示画面にタッチパネルを備えれば良い。
【0018】
USB Type-Cケーブル30は、第1電子機器10と、第2電子機器20と、を接続し、第2電子機器20をモニタとして使用したり、またキーボード/マウス操作共有(以下、PC連携)を可能にしたりするケーブルである。USB Type-Cケーブル30は、Type-Cコネクタを有する。
【0019】
図2は、実施形態に係る第1電子機器10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。ここで例示する第1電子機器10は、汎用コンピュータと同様の構成を有し、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、ROM(Read Only Memory)23、補助記憶装置24及び外部I/F25がバス26により相互に接続されている。また、第2電子機器20も第1電子機器10と同様なハードウェア構成であるため説明を省略する。
【0020】
CPU21は、ROM23や補助記憶装置24に記憶されたプログラムに従いRAM22をワーキングエリアとして所定の演算処理を行う。補助記憶装置24は、不揮発性メモリであり、CPU21の処理に必要な各種データを記憶する。補助記憶装置24は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成される。外部I/F25は、例えば、USB Type-Cケーブル3を介して第2電子機器20と所定の規格に準じた通信を確立するためのデバイスである。外部I/F25は、例えば、USB Type―Cコネクタを用いる。
【0021】
図3は、実施形態に係る第1電子機器10の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態に係る第1電子機器10は、検出部31、送信部32、受信部33、判定部34、決定部35及び設定部36を備える。検出部31、送信部32、受信部33、判定部34、決定部35及び設定部36は、例えば、
図2に例示するような第1電子機器10のハードウェア要素とソフトウェア要素(ROM23や補助記憶装置24に記憶されたプログラム等)との協働により構成され得る。また、第2電子機器20も第1電子機器10と同様な機能構成であるため説明を省略する。なお、第1電子機器10及び第2電子機器20の機能構成は上記に限定されるものではない。
【0022】
検出部31は、ユーザが、第1電子機器10が備えるタッチパネルを接触したことを示す接触情報を検出する。例えば、ユーザがユーザの指で第1電子機器10の表示面に接触すると、検出部31は、ユーザが、第1電子機器10が備えるタッチパネルを接触したことを示す接触情報を検出する。接触情報には、ユーザが少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルに同時に接触した数を示す接触数、ユーザが少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルに同時に接触した位置を示す位置座標のうち、少なくとも1つを含む。
【0023】
具体的には、検出部31は、ユーザが、第1電子機器10が備えるタッチパネルを接触した接触数を検出する。例えば、ユーザがユーザの1本の指で第1電子機器10の表示面に接触すると、検出部31は、ユーザが、第1電子機器10が備えるタッチパネルを1本の指で接触したことを検出する。
【0024】
また、具体的には、検出部31は、ユーザが、第1電子機器10が備えるタッチパネルを接触した位置を示す位置座標を検出する。例えば、ユーザがユーザの指で第1電子機器10の表示面の右側に接触すると、検出部31は、ユーザが、第1電子機器10が備えるタッチパネルの右側を指で接触したことを検出する。
【0025】
送信部32は、検出部31が検出した接触情報を他の電子機器に送信する。例えば、他の電子機器が第2電子機器20の場合、送信部32は、検出部31が検出した接触情報を第2電子機器20に送信する。
【0026】
送信部32は、後述する判定部34が、他の電子機器が送信する検出した接触情報を受信したと判定すると、検出部31が検出した接触情報を他の電子機器に再送信する。この再送信処理は、例えば、他の電子機器が、送信部32により送信された接触情報を受信できていない場合を想定される。そのため、送信部32は、接触情報を他の電子機器に再送信する。
【0027】
受信部33は、他の電子機器が送信する検出した接触情報を受信する。例えば、他の電子機器が第2電子機器20の場合、受信部33は、第2電子機器20が送信する、第2電子機器20の検出部31が検出した接触情報を受信する。
【0028】
判定部34は、受信部33が、他の電子機器が送信する接触情報を一定時間待つ間に受信したかを判定する。ここで、一定時間とは、予め定められた規定時間であり、規定時間は、電子機器毎に任意に設定することができる。
【0029】
決定部35は、電子機器間で送受信した接触情報に基づいて、電子機器を連携する連携情報を決定する。設定部36は、ユーザが少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルを同時に接触したことを示す接触情報を少なくとも2つの電子機器の間で送受信し、接触情報に基づいて、少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルに対する画面配置を設定する。以下、画面配置は、画面の割り当てともいう。ここで、
図4から
図6を用いて、決定部35が決定する処理内容及び設定部28が設定する処理内容について説明する。
【0030】
図4は、実施形態に係る情報処理システム100をユーザが操作する一例を示す模式図である。
図5は、実施形態に係る電子機器が検出する接触数に対応する連携情報の一例を示すテーブルである。
図6は、実施形態に係る情報処理システム100が画面配置を設定するための一例を示す模式図である。
【0031】
図4には、第1電子機器10、第2電子機器20、USB Type-Cケーブル30、ユーザが操作する手40、第1電子機器10の表示面101、第2電子機器20の表示面201、ユーザの手40により表示面101を触れられた位置を示す第1位置41、ユーザの手40により表示面201を触れられた位置を示す第2位置42及び第3位置43を示す。第1位置41は、表示面101の右側に位置する。また、第2位置42及び第3位置43は、表示面201の左側に位置する。
【0032】
図5に示す連携情報は、電子機器間における画面共有、あるいは、電子機器間におけるマウス操作共有のうち、少なくとも1つを含む情報である。例えば、
図5に示すように、連携情報は、第1電子機器10及び第2電子機器20の接触数がともに1つである場合、マウス操作共有となる。
【0033】
また、例えば、
図5に示すように、連携情報は、第1電子機器10及び第2電子機器20の接触数のうち、少なくとも1つの電子機器の接触数が2つ以上の場合、画面共有となる。例えば、画面共有の場合、第2電子機器20の接触数が2つ以上の場合は、第1電子機器10はプライマリ、第2電子機器20はセカンダリとなる。また、画面共有の場合、第1電子機器10の接触数が2つ以上かつ第2電子機器20の接触数が1つの場合は、第1電子機器10はセカンダリ、第2電子機器20はプライマリとなる。
【0034】
例えば、決定部35は、
図4に示す模式図を例にすると、第1電子機器10の検出部31が検出した接触情報に含まれる、1つの接触数と、第2電子機器20の検出部31が検出した接触情報に含まれる、2つの接触数と、に基づいて、
図5に示すテーブルを参照し、連携情報を決定する。この場合の連携情報は、第1電子機器10の接触数は1つ、第2電子機器20の接触数は2つであることから、第1電子機器10と第2電子機器20における連携情報は画面共有とし、かつ、第1電子機器10の画面はプライマリ、第2電子機器20の画面は、セカンダリと決定する。
【0035】
そして、設定部36は、
図6に示すように、決定部35が決定した連携情報に基づいて、第1電子機器10の表示面101の画面配置をプライマリ、第2電子機器20の表示面201の画面配置をセカンダリと設定する。
【0036】
続いて、連携情報がマウス操作共有となる場合について、
図7及び
図8を用いて説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理システム100をユーザが電子機器を操作する一例を示す模式図である。
図8は、実施形態に係る情報処理システム100が画面配置を設定する一例を示す模式図である。
図7には、第1電子機器10、第2電子機器20、USB Type-Cケーブル30、ユーザが操作する手40、第1電子機器10の表示面101、第2電子機器20の表示面201、ユーザの手40により表示面101を触れられた位置を示す第4位置44、ユーザの手40により表示面201を触れられた位置を示す第5位置45を示す。第4位置44は、表示面101の上側に位置する。また、第5位置45は、表示面201の下側に位置する。
【0037】
例えば、決定部35は、
図7に示す模式図を例にすると、第1電子機器10の検出部31が検出した接触情報に含まれる、1つの接触数と、第2電子機器20の検出部31が検出した接触情報に含まれる、1つの接触数と、に基づいて、
図5に示すテーブルを参照し、連携情報を決定する。この場合の連携情報は、第1電子機器10及び第2電子機器20の接触数は1つずつであることから、第1電子機器10と第2電子機器20はマウス操作共有と決定する。
【0038】
そして、設定部36は、
図8に示すように、決定部35が決定した連携情報に基づいて、例えば、第2電子機器20の表示面201に第1電子機器10と共有されたマウスの入力位置を示すカーソル51を設定する。
【0039】
図9は、実施形態に係る情報処理システム100で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。なお、第1電子機器10で実行される処理と、第2電子機器20で実行される処理について、機能構成が同様な構成であるため、第2電子機器20で実行される処理の説明は省略する。なお、第2電子機器20で実行される処理のうち、ステップS211からステップS216の処理は、第1電子機器10で実行される処理の、ステップS111からステップS116に対応する。
【0040】
まず、ステップS111において、第1電子機器10の検出部31は、ユーザが、第1電子機器10が備えるタッチパネルを接触したことを示す接触情報を検出する(ステップS111)。続いて、ステップS112において、検出部31は、ユーザが、第1電子機器10が備えるタッチパネルを接触した接触数を検出する(ステップS112)。続いて、ステップS113において、検出部31は、ユーザが、第1電子機器10が備えるタッチパネルを接触した位置を示す位置座標を検出する(ステップS113)。
【0041】
続いて、ステップS114において、送信部32は、検出部31が検出した接触情報を第2電子機器20に送信し、受信部33は、第2電子機器20が送信する、第2電子機器20の検出部31が検出した接触情報を受信する。つまり、送信部32及び受信部33は、ユーザがタッチパネルを接触したことを示す接触情報を電子機器間で送受信する(ステップS114)。
【0042】
続いて、ステップS115において、決定部35は、電子機器間で送受信した接触情報に基づいて、電子機器を連携する連携情報を決定する(ステップS115)。続いて、ステップS116において、設定部36は、電子機器間で送受信した接触情報に基づいて、電子機器の画面配置を設定する(ステップS116)。以後、検出部31が接触情報を検知する度に、本処理は第1電子機器10で実行される。
【0043】
次に、
図10は、実施形態に係る電子機器で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図10に示す処理の内容については、上述した
図9のステップS114からステップS115の間における処理の流れについて説明する。なお、
図10の処理は、第1電子機器10が行う処理として説明するが、第2電子機器20が行う処理としても読み替えは可能であるため、第2電子機器20が行う処理は説明を省略する。
【0044】
まず、第1電子機器10の送信部32は、検出部31が検出した接触情報を第2電子機器20に送信する(ステップS301)。続いて、第1電子機器10の判定部34は、第1電子機器10の受信部33が、第2電子機器20が送信する接触情報を一定時間待つ間に受信したかを判定する(ステップS302)。ここで、判定部34が、受信部33により、第2電子機器20が送信する接触情報を一定時間待つ間に受信していないと判定する(ステップS302:No)と、第1電子機器10は、第1電子機器10と第2電子機器20との間では連携しないと判断し、本処理は終了する。
【0045】
他方で、判定部34が、受信部33により、第2電子機器20が送信する接触情報を一定時間待つ間に受信したと判定する(ステップS302:Yes)と、第1電子機器10は、ステップ303へ進む。ステップS303において、第1電子機器10の送信部32は、第1電子機器10の検出部31が検出した接触情報を第2電子機器20に再送信する(ステップS303)。ステップS303の処理が終了すると、第1電子機器10は、
図9に示すステップS115へ進む。
【0046】
以上説明したように、本発明の一態様に係る情報処理システム100は、それぞれがタッチパネルを備える少なくとも2つの電子機器と、ユーザが少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルを同時に接触したことを示す接触情報を少なくとも2つの電子機器の間で送受信し、接触情報に基づいて、少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルに対する画面の割り当てを設定する設定部36と、を備える。
【0047】
これにより、本実施形態によれば、少なくとも2つの電子機器の画面配置を設定することで、例えば、ユーザは、タッチパネルを触れるという簡単な操作で、ユーザが少なくとも2つのタッチパネルを同時に接触したことを示す接触した接触情報を、電子機器の間で送受信し、画面配置を設定することができる。したがって、タッチパネルを備える少なくとも2つの電子機器において、電子機器における画面配置を、シームレスに設定を実現することができる。
【0048】
また、接触情報は、ユーザが少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルに同時に接触した数を示す接触数、ユーザが少なくとも2つの電子機器のそれぞれのタッチパネルに同時に接触した位置を示す位置座標のうち、少なくとも1つを含む。これにより、ユーザは、タッチパネルの接触方法を変更することで、ユーザの好みに応じた電子機器の表示面の画面配置を設定することができる。
【0049】
さらに、接触情報に基づいて、電子機器を連携する連携情報を決定する決定部35と、をさらに備え、連携情報は、電子機器間における画面共有、あるいは、電子機器間におけるマウス操作共有のうち、少なくとも1つを含む。これにより、ユーザの好みに応じた電子機器の表示面の画面配置を設定することができる。
【0050】
また、2つの電子機器は、それぞれ独立した動作を処理するOS(Operating System)を記憶する記憶部を備える。これにより、複数のOSを備えた電子機器間においても、電子機器における画面配置を、シームレスに設定を実現することができる。
【0051】
(変形例1)
上述した実施形態では、情報処理システム100が行う処理として、画面配置について設定する形態に説明した。変形例1においては、画面配置の方向について設定する形態について、
図11及び
図12を用いて説明する。
図11は、変形例1に係る電子機器が備える表示面の接触領域を説明するための図である。
図12は、変形例1に係る電子機器が検出する接触領域に対応する画面配置の一例を示すテーブルである。
【0052】
図11には、表示面の接触領域について、4分割している状態を示す。それぞれ領域番号について、右上は領域番号1、左上は領域番号2、左下は領域番号3、右下は領域番号4と設定する。なお、表示面の接触領域についての分割方法はこれに限定されない。
【0053】
図12は、
図11で設定した領域番号について、第1電子機器10及び第2電子機器20に割り当て、画面配置方向を示したテーブルである。なお、
図12に示すテーブルは、上述した
図5に示す連携情報のいずれの状態の場合にも適用する。すなわち、連携情報は、電子機器間における画面共有、あるいは、電子機器間におけるマウス操作共有のうち、少なくとも1つを含む。
【0054】
例えば、ユーザが第1電子機器10の領域番号1と、第2電子機器20の領域番号2と、に接触した場合、決定部35は、第1電子機器10の画面位置を左方向、第2電子機器20の画面位置を右方向と決定する。また、ユーザが第1電子機器10の領域番号1と、第2電子機器20の領域番号4と、に接触した場合、決定部35は、第1電子機器10の画面位置を下方向、第2電子機器20の画面位置を上方向と決定する。
【0055】
また、例えば、ユーザが第1電子機器10の領域番号2と、第2電子機器20の領域番号1と、に接触した場合、決定部35は、第1電子機器10の画面位置を右方向、第2電子機器20の画面位置を左方向と決定する。また、ユーザが第1電子機器10の領域番号2と、第2電子機器20の領域番号3と、に接触した場合、決定部35は、第1電子機器10の画面位置を下方向、第2電子機器20の画面位置を上方向と決定する。
【0056】
さらに、例えば、ユーザが第1電子機器10の領域番号3と、第2電子機器20の領域番号2と、に接触した場合、決定部35は、第1電子機器10の画面位置を上方向、第2電子機器20の画面位置を下方向と決定する。また、ユーザが第1電子機器10の領域番号3と、第2電子機器20の領域番号4と、に接触した場合、決定部35は、第1電子機器10の画面位置を右方向、第2電子機器20の画面位置を左方向と決定する。
【0057】
また、例えば、ユーザが第1電子機器10の領域番号4と、第2電子機器20の領域番号1と、に接触した場合、決定部35は、第1電子機器10の画面位置を上方向、第2電子機器20の画面位置を下方向と決定する。また、ユーザが第1電子機器10の領域番号4と、第2電子機器20の領域番号3と、に接触した場合、決定部35は、第1電子機器10の画面位置を左方向、第2電子機器20の画面位置を右方向と決定する。
【0058】
以上説明したように、本発明の一態様に係る情報処理システム100は、連携情報として、電子機器間における画面共有、あるいは、電子機器間におけるマウス操作共有のうち、少なくとも1つを含む。
【0059】
これにより、本実施形態によれば、電子機器の表示面に接触領域を設定することで、例えば、ユーザは、タッチパネルを触れるという簡単な操作で、画面配置の方向を設定することができる。したがって、タッチパネルを備える少なくとも2つの電子機器において、電子機器における画面配置を、シームレスに設定を実現することができる。
【0060】
(変形例2)
変形例2では、ユーザが接触するそれぞれの電子機器の接触位置に基づいて、表示面の画面相対位置を設定する形態について、
図13から
図15を用いて説明する。
図13は、変形例2に係る情報処理システム100をユーザが電子機器を操作する一例を示す模式図である。
図14及び
図15は、変形例2に係る情報処理システム100が画面配置を設定するための一例を示す模式図である。
【0061】
図13には、第1電子機器10、第2電子機器20、USB Type-Cケーブル30、ユーザが操作する手40、第1電子機器10の表示面101、第2電子機器20の表示面201、ユーザの手40により表示面101を触れられた位置を示す第6位置46、ユーザの手40により表示面201を触れられた位置を示す第7位置47及び第8位置48、第1電子機器10の上端及び第2電子機器20の状態を揃えた状態を示す仮想線61を示す。第6位置46は、表示面101において、上下位置の略中央、第7位置47及び第8位置48は、表示面201において、上下位置の略下側に位置する。
【0062】
以後、
図13に示す電子機器の画面配置の状態のように、第1電子機器10の上端及び第2電子機器20の上端を揃えた状態に画面配置をする設定について詳細に説明する。
【0063】
まず、決定部35が連携情報として画面共有を決定した後に、実際の表示面位置に合わせて画面配置をさらに決定する。例えば、画面配置が左右の場合、接触位置の上下方向の仮想表示面上の位置を比較する。仮想表示面上の位置とは、上述した仮想線61を基準とした位置である。
【0064】
図13に示すように、表示面の配置が左右の場合、決定部35は、接触領域の位置の上下方向における仮想線61を基準として、ユーザが表示面を接触した接触位置を比較する。
図14に示すように、例えば、仮想線61を基準として、第1電子機器10の表示面101の接触位置461の高さをY1、第2電子機器20の表示面201の接触位置471の高さをY2とした場合、Y1<Y2である。この場合、決定部35は、第2電子機器20の表示面設定上の位置を(Y2-Y1)の距離だけ移動させる。
【0065】
第2電子機器20の表示面設定上の位置を移動させることで、
図15に示すように、第1電子機器10の表示面101の接触位置461の高さをY1、第2電子機器20の表示面201の接触位置471の高さをY1となり、接触領域の高さと表示面設定の配置が一致する。なお、表示面の拡大率が異なる場合は、拡大率の違いを考慮し、移動しても良い。また、
図13の第2電子機器20の表示面201に示す、触れられた位置が第7位置47及び第8位置48が複数存在する場合は、その位置の平均値を算出し、触れられた位置の高さとしても良い。
【0066】
図16は、変形例2に係る情報処理システム100で実行される処理の一例を示すシーケンス図である。なお、ステップS111からステップS116においては、
図9に示す処理と同様であるため、第1電子機器10で実行される処理の説明は省略する。なお、第2電子機器20で実行される処理の内、ステップS211からステップS217の処理は、第1電子機器10で実行される処理の、ステップS111からステップS117に対応する。
【0067】
ステップS117において、決定部35は、実際の表示面位置に合わせて画面配置をさらに決定する(ステップS117)。これにより、情報処理システム100は、表示面の相対位置が異なる電気機器間においても、画面配置を設定することができる。
【0068】
(変形例3)
例えば、第1電子機器10が実行する処理と、第2電子機器20が実行する処理について、より信頼性を高めるために、認証方式を導入しても良い。認証方式でやり取りする情報は、例えば、電子機器間でお互いの端末情報を送受信し、記憶するペアリング情報である。情報処理システム100は、ペアリング情報を用いて、予め設定された端末情報を用いることで、より信頼性を高めることができる。
【0069】
(変形例4)
上述した実施形態では、第1電子機器10と、第2電子機器20を、物理的にUSB Type-Cケーブル30をお互い接続して画面配置を行う形態について説明したが、これに限定されない。例えば、第1電子機器10と第2電子機器20を、無線通信を用いて接続しても良い。無線通信は、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の無線通信である。
【0070】
(変形例5)
上記機能を実現するプログラムは、例えば、CPU21に搭載された記憶素子に予め記憶された状態で提供され得るが、これに限定されるものではない。プログラムは、例えば、CD-ROM等の適宜な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよいし、インターネット等のコンピュータネットワークを介して提供されてもよい。
【0071】
なお、上述した実施形態は、上述した装置が有する構成の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施形態に係るいくつかの変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0072】
(変形例6)
上述の実施形態では、
図3においては単一のプロセッサにて、機能的構成要素31~36を実現するものとして説明したが、これに限られないものとする。例えば、複数の独立したプロセッサを組み合わせて機能的構成要素31~36を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしてもよい。
【0073】
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
10…第1電子機器、20…第2電子機器、21…CPU、22…RAM
23…ROM、24…補助記憶装置、25…外部I/F
30…USB Type-Cケーブル、31…検出部、32…送信部、33…受信部
34…判定部、35…決定部、36…設定部、100…情報処理システム