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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165428
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20241121BHJP
   B60L 53/20 20190101ALI20241121BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20241121BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20241121BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B60L53/20
B60K11/04 G
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081626
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】馬場 智
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆弘
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
5H125
5H770
【Fターム(参考)】
3D038AB01
3D038AC04
3D038AC22
3D235AA02
3D235BB12
3D235BB22
3D235BB36
3D235CC13
3D235CC15
3D235DD35
3D235EE63
3D235FF12
3D235FF43
3D235HH02
5H125AA01
5H125AC12
5H125CD06
5H125FF03
5H125FF23
5H125FF24
5H770AA21
5H770BA02
5H770CA02
5H770CA06
5H770JA17W
5H770PA12
5H770QA28
5H770QA37
(57)【要約】
【課題】電力変換装置を収容する第1内部空間から電池ユニットを収容する第2内部空間に水が漏れ出ることを抑制する。
【解決手段】電力供給システム10は、電力変換装置15と、電力変換装置15と配線17を介して電気的に接続される電池ユニット16と、ケース20と、を備える。ケース20は、電力変換装置15を収容する第1内部空間S1と、電池ユニット16を収容する第2内部空間S2と、第1内部空間S1と第2内部空間S2との間を隔てる隔壁部と、隔壁部に形成されるとともに第1内部空間S1と第2内部空間S2とを連通させる連通孔34hと、を有する。配線17は、連通孔34hを介して第1内部空間S1と第2内部空間S2との間で延びている。第1ケース部21は、下方に向けて開口する開口部35hを有する。連通孔34hは、開口部35hよりも上方に位置する。電力供給システム10は、開口部35hを開閉可能な蓋部材57を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換装置と、前記電力変換装置と配線を介して電気的に接続される電池ユニットと、ケースと、を備え、車両に電力を供給する電力供給システムであって、
前記ケースは、前記電力変換装置を収容する第1内部空間と、前記電池ユニットを収容する第2内部空間と、前記第1内部空間と前記第2内部空間との間を隔てる隔壁部と、前記隔壁部に形成されるとともに前記第1内部空間と前記第2内部空間とを連通させる連通孔と、を有し、
前記配線は、前記連通孔を介して前記第1内部空間と前記第2内部空間との間で延びており、
前記ケースのうち、前記第1内部空間を区画する部分を第1ケース部とすると、
前記第1ケース部は、下方に向けて開口する開口部を有し、
前記連通孔は、前記開口部よりも上方に位置し、
前記開口部を開閉可能な蓋部材を備えることを特徴とする電力供給システム。
【請求項2】
前記連通孔は、前記第1ケース部の上壁に設けられている、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記第1ケース部は、前記電力変換装置を冷却する冷却水を前記第1内部空間の外部から内部へと供給するための供給口と、前記冷却水を前記第1内部空間の内部から外部へと排出するための排出口と、を有する、請求項1又は請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記電力変換装置は、前記電力変換装置から前記電池ユニットへの電力の供給実行と供給停止とを切り替えるリレーを有し、
前記リレーは、前記電力変換装置のうちの上部に位置する、請求項1又は請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記ケースのうち、前記第2内部空間を区画する部分を第2ケース部とすると、
前記隔壁部は、前記第1ケース部の一部と前記第2ケース部の一部とを構成するとともに、前記第1ケース部の上壁と前記第2ケース部の下壁とを連結させる、請求項1又は請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記第1ケース部の上壁、前記第2ケース部の下壁、及び前記隔壁部は、1つの部材で構成されている、請求項5に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力供給システムとしては、電力変換装置と、電力変換装置と配線を介して電気的に接続される電池ユニットと、ケースと、を備えるものが知られている。ケースは、例えば、電力変換装置を収容する第1内部空間と、電池ユニットを収容する第2内部空間と、を有する。
【0003】
また、特許文献1に記載のケースは、第1内部空間と第2内部空間との間を隔てる隔壁部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-65513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電力供給システムのケースとして特許文献1に記載のケースを採用すると、第1内部空間と第2内部空間とを連通させる連通孔を隔壁部に形成する必要がある。さらに、この連通孔を介して第1内部空間と第2内部空間との間で延びるよう配線を設ける。この場合、仮にケースの外部から第1内部空間に水が入ると、その水が第1内部空間から連通孔を介して第2内部空間に漏れ出るおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電力供給システムは、電力変換装置と、前記電力変換装置と配線を介して電気的に接続される電池ユニットと、ケースと、を備え、車両に電力を供給する電力供給システムであって、前記ケースは、前記電力変換装置を収容する第1内部空間と、前記電池ユニットを収容する第2内部空間と、前記第1内部空間と前記第2内部空間との間を隔てる隔壁部と、前記隔壁部に形成されるとともに前記第1内部空間と前記第2内部空間とを連通させる連通孔と、を有し、前記配線は、前記連通孔を介して前記第1内部空間と前記第2内部空間との間で延びており、前記ケースのうち、前記第1内部空間を区画する部分を第1ケース部とすると、前記第1ケース部は、下方に向けて開口する開口部を有し、前記連通孔は、前記開口部よりも上方に位置し、前記開口部を開閉可能な蓋部材を備えることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、第1内部空間に水が溜まったとしても、連通孔にまで水が至りにくい。蓋部材によって開口部が開放されることにより、第1内部空間からケースの外部に水を排出させることができる。こうして、第1内部空間に溜まった水は、連通孔を介して第2内部空間に漏れ出にくい。したがって、電力変換装置を収容する第1内部空間から電池ユニットを収容する第2内部空間に水が漏れ出ることを抑制できる。
【0008】
電力供給システムにおいて、前記連通孔は、前記第1ケース部の上壁に設けられていてもよい。
上記構成によれば、連通孔が第1ケース部の上壁以外の壁部に設けられる場合と比較して、連通孔の位置を高くできる。したがって、第1内部空間に水が溜まったとしても、連通孔にまで水がより至りにくくなるため、電力変換装置を収容する第1内部空間から電池ユニットを収容する第2内部空間に水が漏れ出ることをさらに抑制できる。
【0009】
電力供給システムにおいて、前記第1ケース部は、前記電力変換装置を冷却する冷却水を前記第1内部空間の外部から内部へと供給するための供給口と、前記冷却水を前記第1内部空間の内部から外部へと排出するための排出口と、を有してもよい。
【0010】
上記構成によれば、第1ケース部が供給口及び排出口を有さない場合と比較して、第1内部空間の内部と外部との間で冷却水を給排させている分だけ、第1内部空間に水が溜まる可能性が高い。こうした第1内部空間に水が溜まる可能性が高い電力供給システムにおいて、電力変換装置を収容する第1内部空間から電池ユニットを収容する第2内部空間に水が漏れ出ることを抑制できる。
【0011】
電力供給システムにおいて、前記電力変換装置は、前記電力変換装置から前記電池ユニットへの電力の供給実行と供給停止とを切り替えるリレーを有し、前記リレーは、前記電力変換装置のうちの上部に位置してもよい。
【0012】
上記構成によれば、リレーが電力変換装置のうちの下部に位置する場合と比較して、第1内部空間に溜まった水がリレーに至りにくい。したがって、リレーが被水することによって電池ユニットへの電力供給に影響が生じることを抑制できる。
【0013】
電力供給システムにおいて、前記ケースのうち、前記第2内部空間を区画する部分を第2ケース部とすると、前記隔壁部は、前記第1ケース部の一部と前記第2ケース部の一部とを構成するとともに、前記第1ケース部の上壁と前記第2ケース部の下壁とを連結させてもよい。
【0014】
上記構成によれば、第1ケース部の一部と第2ケース部の一部とを隔壁部をもって共通化できる。したがって、第1ケース部及び第2ケース部が別部材の隔壁部を備える場合と比較して、ケースの配置スペースを低減できる。
【0015】
電力供給システムにおいて、前記第1ケース部の上壁、前記第2ケース部の下壁、及び前記隔壁部は、1つの部材で構成されていてもよい。
上記構成によれば、上壁、下壁、及び隔壁部の各々が別部材である場合は、互いに一体化させる作業を要するが、そうした作業が上記構成では不要となる。したがって、ケースの製造に係る工数を低減できる。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、電力変換装置を収容する第1内部空間から電池ユニットを収容する第2内部空間に水が漏れ出ることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態における乗用車と電力供給システムを示す模式図である。
図2図2は、実施形態における電力供給システムを示す断面図である。
図3図3は、変更例における電力供給システムを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、電力供給システムを具体化した一実施形態について説明する。なお、本実施形態における電力供給システムは車両としての乗用車に搭載される。
<電力供給システムの搭載箇所>
図1に示すように、本実施形態における電力供給システム10は、車両としての乗用車11へ電力を供給するものである。本実施形態における乗用車11は、電気自動車である。電力供給システム10は、乗用車11の下方に位置する。なお、以下では、乗用車11の前、後、上、下、右、左を、単に前、後、上、下、右、左ともいう。乗用車11の前後方向を、単に前後方向ともいう。乗用車11の上下方向を、単に上下方向ともいう。乗用車11の左右方向を、単に左右方向ともいう。
【0019】
電力供給システム10は、車室12よりも下方に位置する。電力供給システム10は、前後方向における乗用車11の前輪13と後輪14との間に位置する。電力供給システム10は、乗用車11の外部に露出するように乗用車11の車体11aに固定されている。
【0020】
<電力供給システムの基本構成>
図2に示すように、電力供給システム10は、電力変換装置15と、電池ユニット16と、ケース20と、を備える。電池ユニット16は、電力変換装置15と配線17を介して電気的に接続されている。電池ユニット16は、例えば二次電池や電気二重層キャパシタなどである。配線17は、電力変換装置15から延びる第1配線17aと、電池ユニット16から延びる第2配線17bと、を含む。
【0021】
電力変換装置15には、不図示の外部電源から電力が供給される。この電力を利用して、電力変換装置15は電池ユニット16を充電する。外部電源は、例えば商用交流電源である。電力変換装置15は、不図示のAC/DCコンバータを有する。AC/DCコンバータは、例えば、外部電源から電力変換装置15に供給された電力を直流に変換する。電力変換装置15は、配線17を介して電池ユニット16に直流電力を供給する。電力変換装置15からの直流電力の供給によって、電池ユニット16の充電が行われる。
【0022】
電力変換装置15は、不図示の制御部を有する。制御部は、例えば、プロセッサと、記憶部と、を備える。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、及びDSP(Digital Signal Processor)を挙げることができる。記憶部は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部は、処理をプロセッサに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御装置は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御装置は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0023】
電力変換装置15は、リレー18を有する。電力変換装置15における制御部によって、リレー18のオン状態とオフ状態とが切り替えられる。リレー18がオン状態であるとき、電力変換装置15から電池ユニット16へ電力が供給される。リレー18がオフ状態であるとき、電力変換装置15から電池ユニット16への電力の供給が停止される。こうしてリレー18は、電力変換装置15から電池ユニット16への電力の供給実行と供給停止とを切り替える。本実施形態におけるリレー18は、電力変換装置15のうちの上部に位置する。
【0024】
図1に示すように、ケース20は、電力変換装置15及び電池ユニット16を収容する。ケース20が車体11aに固定されることによって、電力供給システム10が車体11aに固定されている。ケース20の内部において、電力変換装置15と電池ユニット16とは前後方向に互いに並んでいる。本実施形態における電力変換装置15は、電池ユニット16よりも前方に位置する。
【0025】
<ケース>
図2に示すように、ケース20は、電力変換装置15を収容する第1内部空間S1と、電池ユニット16を収容する第2内部空間S2と、を有する。ケース20のうち、第1内部空間S1を区画する部分を第1ケース部21とする。ケース20のうち、第2内部空間S2を区画する部分を第2ケース部22とする。ケース20は、例えば金属製である。
【0026】
<第1ケース部>
第1ケース部21は、第1側壁31と、第2側壁32と、一対の第3側壁33と、上壁34と、を有する。第1側壁31は、電力変換装置15よりも前方に位置する。第2側壁32は、電力変換装置15よりも後方に位置する。第1側壁31及び第2側壁32は、例えば、前後方向に直交するように延びる矩形平板状である。
【0027】
一対の第3側壁33のうち、一方は電力変換装置15よりも右方に位置し、他方は電力変換装置15よりも左方に位置する。なお、図2では、一対の第3側壁33のうち、電力変換装置15よりも右方に位置する第3側壁33のみを図示しており、電力変換装置15よりも左方に位置する第3側壁33の図示を省略している。一対の第3側壁33の各々は、例えば、左右方向に直交するように延びる矩形平板状である。
【0028】
第1ケース部21のうち、第1側壁31、第2側壁32、及び一対の第3側壁33で構成された部分は、上下方向に延びる矩形筒状である。この部分を第1筒部35ともいう。本実施形態における電力変換装置15は、第1側壁31、第2側壁32、及び一対の第3側壁33のうち、少なくとも1つに対して不図示のボルトなどで固定されている。
【0029】
上壁34は、電力変換装置15よりも上方に位置する。上壁34は、例えば、上下方向に直交するように延びる矩形平板状である。上壁34と電力変換装置15とは、上下方向に互いに離れている。上壁34は、第1側壁31、第2側壁32、及び一対の第3側壁33の各々の上端同士を繋いでいる。これにより、第1筒部35の上方への開口は上壁34によって覆われている。
【0030】
ケース20は、連通孔34hを有する。連通孔34hは、第1ケース部21の上壁34に設けられている。連通孔34hは、上壁34を上下方向に貫通する貫通孔である。連通孔34hは、例えば、丸孔である。上壁34を上下方向から見て、連通孔34hは上壁34の中央に形成されている。連通孔34hは、第1内部空間S1と第1ケース部21の外部とを連通させている。配線17は、連通孔34hを介して第1内部空間S1と第2内部空間S2との間で延びている。
【0031】
第1内部空間S1には端子台19が設けられている。端子台19は、例えば、第1ケース部21に固定されている。第1配線17aと第2配線17bとは、端子台19を介して接続されている。端子台19は、上下方向において連通孔34hと対向する位置に配置されている。上下方向から見て、端子台19は連通孔34hの開口の大きさよりも大きい。
【0032】
上壁34と端子台19との間には、第1シール部材41が設けられている。第1シール部材41は、例えば円環状である。第1シール部材41は、上壁34における連通孔34hの周りに設けられている。第1シール部材41は、上壁34と端子台19との間をシールしている。これにより、連通孔34hは、第1シール部材41と端子台19とによって第1ケース部21の内部から塞がれている。
【0033】
第1ケース部21は、第1供給口37と、第1排出口38と、を有する。本実施形態における第1供給口37及び第1排出口38の各々は、第1筒部35を貫通する貫通孔である。本実施形態における第1供給口37及び第1排出口38の各々は、第1側壁31に設けられている。
【0034】
第1供給口37には、第1供給管39が挿入されている。第1供給管39は、第1供給口37を介して、第1ケース部21の外部と第1内部空間S1との間で延びている。第1供給管39を介して、第1ケース部21の外部から第1内部空間S1へと冷却水が供給される。第1供給管39の下流端は、電力変換装置15に接続されている。これにより、第1供給管39を流れる冷却水は、第1供給管39から電力変換装置15に供給される。第1供給管39から電力変換装置15に供給された冷却水によって、電力変換装置15を構成する各種の電子部品が冷却される。したがって、第1供給口37は、電力変換装置15を冷却する冷却水を第1内部空間S1の外部から内部へと供給するための供給口に相当する。
【0035】
第1排出口38には、第1排出管40が挿入されている。第1排出管40は、第1排出口38を介して、第1ケース部21の外部と第1内部空間S1との間で延びている。第1排出管40を介して、第1内部空間S1から第1ケース部21の外部へと冷却水が排出される。第1排出管40の上流端は、電力変換装置15に接続されている。これにより、第1排出管40を流れる冷却水は、電力変換装置15から第1排出管40に排出される。電力変換装置15を構成する各種の電子部品を冷却した後の冷却水が、電力変換装置15から第1排出管40に排出される。したがって、第1排出口38は、冷却水を第1内部空間S1の内部から外部へと排出するための排出口に相当する。本実施形態において、第1供給口37を介して第1内部空間S1に供給される冷却水と、第1排出口38を介して第1内部空間S1から排出される冷却水と、は例えばLLCである。
【0036】
第1供給管39の上流端と第1排出管40の下流端とは、不図示のポンプと不図示のラジエータとに接続されていてもよい。ポンプの駆動によって、第1供給管39及び第1排出管40を冷却水が流れる。冷却水は、例えば、ラジエータを流れる際に乗用車11の走行風によって冷却される。冷却水は、例えば、ラジエータ、ポンプ、第1供給管39、電力変換装置15、及び第1排出管40の順で循環してもよい。
【0037】
第1ケース部21は、第1筒部35の下端から延びる第1フランジ部36を有する。第1フランジ部36は、例えば、下方から見て矩形枠状である。第1フランジ部36は、例えば、上下方向に直交するように延びている。第1フランジ部36のうち、第2側壁32の下端から延びる部分を第2フランジ部36aともいう。
【0038】
第1ケース部21は、下方に向けて開口する開口部35hを有する。開口部35hは、例えば、矩形状の開口である。開口部35hは、第1筒部35の内部である第1内部空間S1と第1ケース部21の外部とを連通させる。開口部35hは、第1筒部35の下端によって区画されている。連通孔34hは第1ケース部21の上壁34に設けられているため、連通孔34hは、開口部35hよりも上方に位置する。開口部35hの周りは、第1フランジ部36によって囲まれている。なお、第1ケース部21に形成される開口部35hの大きさは、電力変換装置15を第1ケース部21の内部から開口部35hを介してケース20の外部に取り出し可能な大きさに設定されている。
【0039】
<第2ケース部>
第2ケース部22は、上壁34と、第2側壁32と、第4側壁51と、一対の第5側壁52と、下壁53と、カバー部材54と、を有する。第2側壁32は、電池ユニット16よりも前方に位置する。第4側壁51は、電池ユニット16よりも後方に位置する。第4側壁51は、例えば、前後方向に直交するように延びる矩形平板状である。
【0040】
一対の第5側壁52のうち、一方は電池ユニット16よりも右方に位置し、他方は電池ユニット16よりも左方に位置する。なお、図2では、一対の第5側壁52のうち、電池ユニット16よりも右方に位置する第5側壁52のみを図示しており、電池ユニット16よりも左方に位置する第5側壁52の図示を省略している。一対の第5側壁52の各々は、例えば、左右方向に直交するように延びる矩形平板状である。第2ケース部22のうち、第2側壁32、第4側壁51、及び一対の第5側壁52で構成された部分は、上下方向に延びる矩形筒状である。この部分を第2筒部55ともいう。
【0041】
下壁53は、電池ユニット16よりも下方に位置する。下壁53は、本体部53aと、延設部53bと、第2フランジ部36aと、を有する。下壁53は、例えば、上下方向に直交するように延びる略矩形平板状である。第2フランジ部36aは、下壁53のうちで前方部分を構成する。延設部53bは、例えば、前後方向に直交するように延びる矩形平板状である。延設部53bは、本体部53aの前端と第2フランジ部36aの後端とを繋いでいる。
【0042】
第2フランジ部36aは、第2側壁32の下端と繋がっている。本体部53aは、第4側壁51の下端と繋がっている。本体部53a、延設部53b、及び第2フランジ部36aは、一対の第5側壁52と繋がっている。これにより、下壁53は、第2側壁32、第4側壁51、及び一対の第5側壁52の各々の下端同士を繋いでいる。第2筒部55の下方への開口は下壁53によって塞がれている。本実施形態における電池ユニット16は、第2側壁32、第4側壁51、一対の第5側壁52、及び下壁53のうち、少なくとも1つに対して不図示のボルトなどで固定されている。電池ユニット16の上端の高さと電力変換装置15の上端の高さとが互いに同じ高さになるように、電力変換装置15及び電池ユニット16の各々はケース20に固定されている。
【0043】
第2側壁32及び上壁34の各々は、第1ケース部21の一部と前記第2ケース部の一部とを構成する。そのため、第2側壁32及び上壁34は、第1内部空間S1と第2内部空間S2との間を隔てる隔壁部として機能する。言い換えると、ケース20は、隔壁部としての第2側壁32及び上壁34を有する。隔壁部としての第2側壁32は、第1ケース部21の上壁34と第2ケース部22の下壁53とを連結させる。連通孔34hは、隔壁部としての上壁34に形成される。
【0044】
第2ケース部22は、第2供給口61と、第2排出口62と、を有する。本実施形態における第2供給口61及び第2排出口62の各々は、第2筒部55を貫通する貫通孔である。本実施形態における第2供給口61及び第2排出口62の各々は、第4側壁51に設けられている。
【0045】
第2供給口61には、第2供給管63が挿入されている。第2供給管63は、第2供給口61を介して、第2ケース部22の外部と第2内部空間S2との間で延びている。第2供給管63を介して、第2ケース部22の外部から第2内部空間S2へと冷却水が供給される。第2供給管63の下流端は、電池ユニット16に接続されている。これにより、第2供給管63を流れる冷却水は、第2供給管63から電池ユニット16に供給される。第2供給管63から電池ユニット16に供給された冷却水によって、電池ユニット16の内部が冷却される。
【0046】
第2排出口62には、第2排出管64が挿入されている。第2排出管64は、第2排出口62を介して、第2ケース部22の外部と第2内部空間S2との間で延びている。第2排出管64を介して、第2内部空間S2から第2ケース部22の外部へと冷却水が排出される。第2排出管64の上流端は、電池ユニット16に接続されている。これにより、第2排出管64を流れる冷却水は、電池ユニット16から第2排出管64に排出される。電池ユニット16の内部を冷却した後の冷却水が、電池ユニット16から第2排出管64に排出される。
【0047】
本実施形態において、第2供給口61を介して第2内部空間S2に供給される冷却水と、第2排出口62を介して第2内部空間S2から排出される冷却水と、は例えば絶縁LLCである。なお、絶縁LLCは、通常のLLCと比較して、電気抵抗が高い性質を有するため絶縁性が高い。そのため、本実施形態において、電池ユニット16に対して給排される冷却水は、電力変換装置15に対して給排される冷却水よりも絶縁性が高い。
【0048】
第2供給管63の上流端と第2排出管64の下流端とは、不図示のポンプと不図示のラジエータとに接続されていてもよい。ポンプの駆動によって、第2供給管63及び第2排出管64を冷却水が流れる。冷却水は、例えば、ラジエータを流れる際に乗用車11の走行風によって冷却される。冷却水は、例えば、ラジエータ、ポンプ、第2供給管63、電池ユニット16、及び第2排出管64の順で循環してもよい。
【0049】
第2ケース部22は、上方に向けて開口する第2ケース開口部55hを有する。第2ケース開口部55hは、例えば、矩形状の開口である。第2ケース開口部55hは、第2筒部55の上端によって区画されている。第2ケース部22は、第4側壁51及び一対の第5側壁52の上端から延びる第3フランジ部56を有する。第3フランジ部56は、例えば、上下方向に直交するように延びている。
【0050】
カバー部材54は、第2ケース開口部55hよりも上方、且つ上壁34よりも上方に設けられている。カバー部材54は、カバー本体部54aと、カバー延設部54bと、カバーフランジ部54cと、を有する。カバー本体部54aは、上下方向に直交するように延びる矩形平板状である。上方から見て、カバー本体部54aは、第2ケース開口部55h及び上壁34に重なっている。カバーフランジ部54cは、例えば、上下方向に直交するように延びる矩形平板状である。カバーフランジ部54cは、上壁34及び第3フランジ部56に上下方向で重なっている。カバー延設部54bは、上下方向に延びている。カバー延設部54bは、カバー本体部54aの外周縁とカバーフランジ部54cの内周縁とを繋いでいる。
【0051】
電池ユニット16の上端の高さと電力変換装置15の上端の高さとが互いに同じ高さである。これにより、電力変換装置15及び電池ユニット16よりも上部に位置するカバー部材54をフラットな形状に近づけることができるため、カバー部材54よりも上部に位置する車室12の床部に電力供給システム10に起因する凸部が生じることを抑制できる。
【0052】
カバーフランジ部54cと上壁34及び第3フランジ部56との間には、第2シール部材42が設けられている。第2シール部材42は、例えば矩形の環状である。第2シール部材42は、カバーフランジ部54cと上壁34及び第3フランジ部56との間をシールしている。これにより、第2ケース部22の内部に第2内部空間S2が区画されている。
【0053】
第2内部空間S2のうち、カバー部材54と上壁34との間の部分は、第1ケース部21よりも上方に位置するとともに連通孔34hと上下方向に対向している。したがって、連通孔34hは、第1内部空間S1と第2内部空間S2とを連通させる。
【0054】
<ケースの構成部材と材質>
第1ケース部21の上壁34、第2ケース部22の下壁53、及び隔壁部としての上壁34及び第2側壁32は、1つの部材で構成されている。本実施形態においては、上壁34、下壁53、及び第2側壁32に加えて、第1側壁31、一対の第3側壁33、第4側壁51、一対の第5側壁52、第1フランジ部36、及び第3フランジ部56が、1つの部材としてのケース部材45で構成されている。すなわち、本実施形態のケース20は、ケース部材45とカバー部材54とから構成されている。ケース部材45は、例えば絞り加工によって形成されている。
【0055】
ケース部材45とカバー部材54とは、同じ金属から形成されていてもよいし、異なる金属から構成されてもよい。ケース部材45は、カバー部材54よりも剛性の高い金属から形成されていてもよい。この場合、電力変換装置15及び電池ユニット16が固定されるケース部材45の剛性を高めることができる。
【0056】
<蓋部材>
電力供給システム10は、開口部35hを開閉可能な蓋部材57を備える。蓋部材57は、例えば、上下方向に直交するように延びる矩形平板状である。蓋部材57は、第1フランジ部36及び開口部35hよりも下方に位置するとともに、本体部53aよりも前方に位置する。下方から見て、蓋部材57は、開口部35hと重なっている。
【0057】
蓋部材57は、例えば、ケース20に対して取り外し可能に固定されている。蓋部材57は、開口部35hを塞いだ状態でケース20に固定されている。作業者によって蓋部材57がケース20から取り外されることによって、開口部35hは、ケース20の外部に開放された状態となる。蓋部材57は、作業者によって、ケース20に対する取り付けと取り外しとが繰り返し行われることが可能である。
【0058】
蓋部材57と第1フランジ部36との間には、第3シール部材43が設けられている。第3シール部材43は、例えば矩形の環状である。第3シール部材43は、蓋部材57と第1フランジ部36との間をシールしている。これにより、開口部35hが蓋部材57によって塞がれた状態で、第1ケース部21の内部に第1内部空間S1が区画されている。
【0059】
[実施形態の作用]
本実施形態の作用を説明する。
仮に第1供給管39や第1排出管40から第1内部空間S1に冷却水が漏れ出ると、第1内部空間S1に冷却水が溜まるおそれがある。第1内部空間S1に冷却水が溜まった場合において、溜まった冷却水を水Wとして図2に二点鎖線で示す。水Wは、蓋部材57によって塞がれた開口部35hの上部であって、第1内部空間S1の下方から溜まっていく。連通孔34hは、開口部35hよりも上方に位置する。そのため、第1内部空間S1に水Wが溜まったとしても、連通孔34hにまで水Wが至りにくい。
【0060】
開口部35hは下方に向けて開口する。開口部35hを開閉可能な蓋部材57を備える。そのため、第1内部空間S1に水Wが溜まったとしても、蓋部材57によって開口部35hが開放されることにより、第1内部空間S1からケース20の外部に水Wを排出させることができる。
【0061】
[実施形態の効果]
本実施形態の効果を説明する。
(1)第1ケース部21は、下方に向けて開口する開口部35hを有する。連通孔34hは、開口部35hよりも上方に位置する。電力供給システム10は、開口部35hを開閉可能な蓋部材57を備える。そのため、第1内部空間S1に水Wが溜まったとしても、連通孔34hにまで水Wが至りにくい。蓋部材57によって開口部35hが開放されることにより、第1内部空間S1からケース20の外部に水Wを排出させることができる。こうして、第1内部空間S1に溜まった水Wは、連通孔34hを介して第2内部空間S2に漏れ出にくい。したがって、電力変換装置15を収容する第1内部空間S1から電池ユニット16を収容する第2内部空間S2に水Wが漏れ出ることを抑制できる。
【0062】
(2)連通孔34hは、第1ケース部21の上壁34に設けられている。そのため、連通孔34hが第1ケース部21の上壁34以外の壁部に設けられる場合と比較して、連通孔34hの位置を高くできる。したがって、第1内部空間S1に水Wが溜まったとしても、連通孔34hにまで水Wがより至りにくくなるため、電力変換装置15を収容する第1内部空間S1から電池ユニット16を収容する第2内部空間S2に水Wが漏れ出ることをさらに抑制できる。
【0063】
(3)第1ケース部21は、電力変換装置15を冷却する冷却水を第1内部空間S1の外部から内部へと供給するための第1供給口37と、冷却水を第1内部空間S1の内部から外部へと排出するための第1排出口38と、を有する。そのため、第1ケース部21が第1供給口37及び第1排出口38を有さない場合と比較して、第1内部空間S1の内部と外部との間で冷却水を給排させている分だけ、第1内部空間S1に水Wが溜まる可能性が高い。こうした第1内部空間S1に水Wが溜まる可能性が高い電力供給システム10において、電力変換装置15を収容する第1内部空間S1から電池ユニット16を収容する第2内部空間S2に水Wが漏れ出ることを抑制できる。
【0064】
(4)電力変換装置15は、電力変換装置15から電池ユニット16への電力の供給実行と供給停止とを切り替えるリレー18を有する。リレー18は、電力変換装置15のうちの上部に位置する。そのため、リレー18が電力変換装置15のうちの下部に位置する場合と比較して、第1内部空間S1に溜まった水Wがリレー18に至りにくい。したがって、リレー18が被水することによって電池ユニット16への電力供給に影響が生じることを抑制できる。
【0065】
(5)隔壁部としての第2側壁32は、第1ケース部21の一部と第2ケース部22の一部とを構成するとともに、第1ケース部21の上壁34と第2ケース部22の下壁53とを連結させる。そのため、第1ケース部21の一部と第2ケース部22の一部とを隔壁部としての第2側壁32をもって共通化できる。したがって、第1ケース部21及び第2ケース部22が別部材の第2側壁32を備える場合と比較して、ケース20の配置スペースを低減できる。
【0066】
(6)第1ケース部21の上壁34、第2ケース部22の下壁53、及び隔壁部としての第2側壁32は、1つの部材で構成されている。そのため、上壁34、下壁53、及び隔壁部としての第2側壁32の各々が別部材である場合は、互いに一体化させる作業を要するが、そうした作業が本実施形態では不要となる。したがって、ケース20の製造に係る工数を低減できる。
【0067】
(7)蓋部材57によって開口部35hが開放されることにより、ケース20の外部から第1内部空間S1に作業者がアクセス可能となる。そのため、第1内部空間S1内の電力変換装置15の点検等を行ったり、第1内部空間S1からケース20の外部に電力変換装置15を取り出して電力変換装置15を交換したりできる。したがって、第1内部空間S1からケース20の外部に水Wを排出するために開口部35hを用いることに加えて、第1内部空間S1への作業者のアクセスのために開口部35hを用いることができる。
【0068】
(8)電池ユニット16に対して給排される冷却水は、電力変換装置15に対して給排される冷却水よりも絶縁性が高い。そのため、仮に連通孔34hを介して第1内部空間S1から第2内部空間S2に冷却水が漏れ出ると、電池ユニット16の内部短絡が生じる可能性があり好ましくない。本実施形態によれば、電力変換装置15を収容する第1内部空間S1から電池ユニット16を収容する第2内部空間S2に冷却水が漏れ出ることを抑制することによって、電池ユニット16の内部短絡が生じることを抑制できる。
【0069】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0070】
図3に示すように、連通孔34hは、第1ケース部21の上壁34以外の壁部に設けられていてもよい。図3に示す例では、連通孔34hは、第2側壁32に設けられている。配線17は、第2側壁32に形成された連通孔34hを介して第1内部空間S1と第2内部空間S2との間で延びている。この変更例においても、連通孔34hは、開口部35hよりも上方に位置する。この変更例において、電力変換装置15及び電池ユニット16の少なくとも一方によって連通孔34hを塞いでもよい。
【0071】
○ 上記変更例において、電力供給システム10に端子台19を追加してもよい。この場合、端子台19は、電力変換装置15と第2側壁32との間に設けられる。第1シール部材41は、端子台19と第2側壁32との間に設けられることにより、端子台19と第2側壁32とをシールする。これにより、上記変更例における連通孔34hは、第1シール部材41と端子台19とによって第1ケース部21の内部から塞がれたものとなる。
【0072】
○ 実施形態において、電力供給システム10から端子台19を省略してもよい。この場合、端子台19と第1ケース部21とをシールする第1シール部材41を省略する。また、この場合、電力変換装置15及び電池ユニット16の少なくとも一方によって連通孔34hを塞いでもよい。
【0073】
○ 第1ケース部21に形成される開口部35hの大きさは、電力変換装置15を第1ケース部21の内部から開口部35hを介してケース20の外部に取り出し可能な大きさに限らない。例えば、第1ケース部21に形成される開口部35hの大きさは、開口部35hを介してケース20の外部から第1内部空間S1に作業者がアクセス可能な大きさに設定されていてもよい。要するに、第1ケース部21に形成される開口部35hの大きさは、第1内部空間S1に溜まった水Wが開口部35hを介してケース20の外部に排出可能な大きさ以上であればよい。
【0074】
○ 電力変換装置15は、蓋部材57に固定されていてもよい。
○ 電池ユニット16は、カバー部材54に固定されていてもよい。
○ 電力供給システム10は、第1内部空間S1に溜まった水Wの量を検出するセンサをさらに備えてもよい。この場合、例えば、センサによって検出された水Wの量が所定量以上になったことを条件に制御部によって通知が行われることによって、作業者に蓋部材57の開放を促してもよい。
【0075】
○ 電池ユニット16の上端の高さと電力変換装置15の上端の高さとは、互いに異なる高さであってもよい。
○ 第1ケース部21の上壁34、第2ケース部22の下壁53、及び隔壁部としての第2側壁32のうち、少なくとも2つが互いに異なる部材であってもよい。
【0076】
○ 隔壁部は、第1ケース部21の一部と第2ケース部22の一部とを構成するものに限らない。例えば、第1ケース部21と第2ケース部22の各々が別部材の隔壁部を有するとともに、これらの隔壁部によって第1内部空間S1と第2内部空間S2との間が隔てられていてもよい。
【0077】
○ 電力変換装置15におけるリレー18の位置は電力変換装置15の上部に限らない。例えば、リレー18は、電力変換装置15のうちの下部に位置していてもよい。
○ 電池ユニット16に対して給排される冷却水と、電力変換装置15に対して給排される冷却水とは同じ種類の冷却水であってもよい。
【0078】
○ 電力供給システム10から第2供給管63及び第2排出管64を省略してもよい。この場合、第2供給口61から第2内部空間S2に冷却水が供給されるとともに、第2内部空間S2の冷却水が第2排出口62からケース20の外部に排出されてもよい。
【0079】
○ 第2供給口61及び第2排出口62の少なくとも一方を、一対の第5側壁52、下壁53、及びカバー部材54のいずれか1つに設けてもよい。第2供給口61及び第2排出口62は、第4側壁51、一対の第5側壁52、下壁53、及びカバー部材54のうちで互いに異なる壁部に設けてもよい。第2ケース部22から第2供給口61及び第2排出口62を省略してもよい。
【0080】
○ 第1ケース部21内に漏水を検知する検知手段を備えるとともに、検知手段が漏水を検知した場合に制御部は上位システムに漏水を通知するように制御してもよい。検知手段は例えばセンサである。この場合、第1内部空間S1に水Wが漏れてから第2内部空間に水Wが浸入するまでの間に乗用車11の停止や異常状態への対応をすることができる。
【0081】
○ 電力供給システム10から第1供給管39及び第1排出管40を省略してもよい。この場合、第1供給口37から第1内部空間S1に冷却水が供給されるとともに、第1内部空間S1の冷却水が第1排出口38からケース20の外部に排出されてもよい。
【0082】
○ 第1供給口37及び第1排出口38の少なくとも一方を、一対の第3側壁33及び上壁34のいずれか1つに設けてもよい。第1供給口37及び第1排出口38は、第1側壁31、一対の第3側壁33、及び上壁34のうちで互いに異なる壁部に設けてもよい。第1ケース部21から第1供給口37及び第1排出口38を省略してもよい。
【0083】
○ 電力変換装置15は、電池ユニット16よりも後方に位置する。この場合、ケース20における第1ケース部21と第2ケース部22との位置関係を、実施形態から前後方向において逆にすればよい。
【0084】
○ 電力変換装置15と電池ユニット16とは左右方向に互いに並んでいてもよい。
○ 電力供給システム10は乗用車11以外の車両に搭載されてもよい。この場合の車両としては例えば産業車両が挙げられる。
【符号の説明】
【0085】
S1…第1内部空間、S2…第2内部空間、10…電力供給システム、11…車両としての乗用車、15…電力変換装置、16…電池ユニット、17…配線、18…リレー、20…ケース、21…第1ケース部、22…第2ケース部、32…隔壁部としての第2側壁、34…隔壁部としての上壁、34h…連通孔、35h…開口部、37…供給口としての第1供給口、38…排出口としての第1排出口、53…下壁、57…蓋部材。
図1
図2
図3