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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165440
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ヘッドレスト
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/80 20180101AFI20241121BHJP
   B60N 2/879 20180101ALI20241121BHJP
   A47C 7/38 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B60N2/80
B60N2/879
A47C7/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081652
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】三原 一寛
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084DD05
3B087DC05
(57)【要約】
【課題】デザインの自由度を高めつつ耐久性を向上させることのできるヘッドレストを提供する。
【解決手段】ヘッドレスト1は、乗り物用シートのシートバック100に支持されるステー2と、ステー2の一部を収容する収容空間を形成する収容部材10と、を備え、収容部材10は、乗り物用シートの前後方向に並んで配置される第1部材11及び第2部材12と、第1部材11と第2部材12との間を覆う第3部材13と、を含み、第3部材13は、乗り物用シートの左右方向に並んで配置された一対の側面部13bと、一対の側面部13bの乗り物用シートの上側における上端部15eを繋ぐ上面部13aと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物用シートのシートバックに支持されるステーと、
前記ステーの一部を収容する収容空間を形成する収容部材と、を備え、
前記収容部材は、前記乗り物用シートの前後方向に並んで配置される第1部材及び第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間を覆う第3部材と、を含み、
前記第3部材は、前記乗り物用シートの左右方向に並んで配置された一対の側面部と、前記一対の側面部の前記乗り物用シートの上側における端部を繋ぐ上面部と、を含む、ヘッドレスト。
【請求項2】
請求項1に記載のヘッドレストであって、
前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材は、それぞれ、互いに固着される固着部を備え、
前記第3部材の前記固着部は、前記第1部材の前記固着部及び前記第2部材の固着部よりも、前記収容空間の外側に配置されている、ヘッドレスト。
【請求項3】
請求項2に記載のヘッドレストであって、
前記第3部材の前記上面部の内面には前記ステー又は前記ステーに固着されたブラケットに当接する突出部が設けられる、ヘッドレスト。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のヘッドレストであって、
前記第3部材を覆って外表面の一部を構成するカバー部材を備える、ヘッドレスト。
【請求項5】
請求項4に記載のヘッドレストであって、
前記カバー部材は、前記一対の側面部を覆う一対の第1カバー部材と、前記上面部を覆う第2カバー部材と、を含む、ヘッドレスト。
【請求項6】
請求項5に記載のヘッドレストであって、
前記第1カバー部材の前記第2カバー部材側の端部は、前記第3部材の前記上面部と前記第2カバー部材の間に配置されている、ヘッドレスト。
【請求項7】
請求項6に記載のヘッドレストであって、
前記第3部材の前記上面部は、前記第1カバー部材の前記端部に当接する当接部と、前記当接部から前記第2カバー部材に向けて立ち上がった段部と、を含む、ヘッドレスト。
【請求項8】
請求項7に記載のヘッドレストであって、
前記乗り物用シートの上下方向において、前記第1カバー部材の前記端部の外表面の位置は、前記段部の外表面の位置よりも下側となっている、ヘッドレスト。
【請求項9】
請求項6に記載のヘッドレストであって、
前記第1カバー部材の前記端部には、第1孔部が設けられ、
前記第3部材の前記上面部には、第2孔部が設けられ、
前記第2カバー部材は、前記第1孔部及び前記第2孔部に挿通される突起を有する、ヘッドレスト。
【請求項10】
請求項9に記載のヘッドレストであって、
前記第3部材の前記側面部には第1係合孔部が設けられ、
前記第1カバー部材には、前記第1係合孔部と係合する第1係合爪部が設けられ、
前記第1係合爪部は、前記乗り物用シートの上下方向に対向配置された一対の爪により構成される、ヘッドレスト。
【請求項11】
請求項10に記載のヘッドレストであって、
前記第3部材の前記上面部には第2係合孔部が設けられ、
前記第2カバー部材には、前記第2係合孔部と係合する第2係合爪部が設けられ、
前記第2係合爪部は、前記乗り物用シートの左右方向に対向配置された一対の爪により構成される、ヘッドレスト。
【請求項12】
請求項4に記載のヘッドレストであって、
前記第3部材は、外周縁に沿って延びて形成された位置決め孔部と、前記位置決め孔部よりも前記外周縁から離れた位置に設けられた係合孔部と、を有し、
前記カバー部材には、前記位置決め孔部に挿通される位置決め突起と、前記係合孔部と係合する係合爪部とが設けられている、ヘッドレスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドレストに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、リアカバー及びフロントカバーが連結されて構成された本体部の内部にスピーカが設けられたヘッドレストが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-194953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の技術は、デザインの自由度を高めつつ耐久性を向上させることのできるヘッドレストを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の技術の一態様のヘッドレストは、乗り物用シートのシートバックに支持されるステーと、前記ステーの一部を収容する収容空間を形成する収容部材と、を備え、前記収容部材は、前記乗り物用シートの前後方向に並んで配置される第1部材及び第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間を覆う第3部材と、を含み、前記第3部材は、前記乗り物用シートの左右方向に並んで配置された一対の側面部と、前記一対の側面部の前記乗り物用シートの上側における端部を繋ぐ上面部と、を含む、ものである。
【発明の効果】
【0006】
本開示の技術によれば、デザインの自由度を高めつつ耐久性を向上させることのできるヘッドレストを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本開示の技術の一実施形態であるヘッドレスト1の概略構成を示す外観斜視図である。
図2図2は、図1に示すヘッドレスト1の分解斜視図である。
図3図3は、図2に示すステーユニット20に第1部材11が装着された状態を後方向Rrから見た図である。
図4図4は、図2に示すステーユニット20、第1部材11、第2部材12、及び第3部材13を示す図である。
図5図5は、第3部材13の上面部13aを下側から見た図である。
図6図6は、第1部材11、第2部材12、及び第3部材13の固着構造の要部断面図である。
図7図7は、第3部材13の側面部13bと第1カバー部材15との連結構造を示す分解図である。
図8図8は、第3部材13とカバー部材14の分解斜視図である。
図9図9は、第3部材13にカバー部材14を取り付けた状態の要部断面図である。
図10図10は、第2係合爪部16jの形状を示す拡大斜視図である。
図11図11は、第1係合爪部15jの形状を示す拡大断面図である。
図12図12は、第3部材13にカバー部材14を連結した状態を上面から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本開示の技術の一実施形態であるヘッドレスト1の概略構成を示す外観斜視図である。なお、以下の説明においては、図1に示したヘッドレスト1が装着された乗り物用シートに正規の姿勢にて座る乗員の前方を前方向Fと記載し、前方向Fの逆方向を後方向Rrと記載し、これらを併せて前後方向と記載する。また、乗員を後ろ側から見たときのその乗員に対し右方を右方向Rと記載し、その乗員の左方を左方向Lと記載し、これらを併せて左右方向と記載する。また、前後方向及び左右方向に垂直な方向であって、ヘッドレスト1からシート座面側に向かう方向を下方向Dと記載し、下方向Dの逆方向を上方向Uと記載する。また、ヘッドレスト1の前側の面を正面とも記載し、ヘッドレスト1の後ろ側の面を背面とも記載する。
【0009】
図1に示すように、ヘッドレスト1は、乗り物用シートのシートバック100の上端部100aに連結され、乗員の頭部の後方を支持するものである。上記の乗り物には、自動車、航空機、電車、又は船舶等が含まれる。ヘッドレスト1は、ステーユニット20と、ステーユニット20の前側に配置される図示省略のパッドと、外表面を構成する表皮5と、を備える。
【0010】
図2は、図1に示すヘッドレスト1の分解斜視図である。図2は、パッド、及び表皮5を除いた状態を示している。図2に示すように、ステーユニット20は、ステー2と、左右に並べて配置された一対のスピーカ3を含むスピーカユニット30と、ステー2に固着されたブラケット2cと、を備える。スピーカユニット30はブラケット2cに固着されている。ヘッドレスト1は、図1に示すように、ステー2の一対の脚部2bがシートバック100の上端部100aに挿入されて、シートバック100に取り付けられる。ステーユニット20の上端部分20a(図1参照)は、後述する収容部材10に収容される。収容部材10は、その前側及び下側の部分が図示省略の緩衝部材としてのパッドで覆われ、そのパッドと共に、全体が表皮5で覆われている。
【0011】
図2に示すように、収容部材10は、前後方向に並んで配置される第1部材11及び第2部材12と、第1部材11と第2部材12との間を覆う第3部材13と、を備える。ヘッドレスト1は、収容部材10のうちの第3部材13を覆ってヘッドレスト1の外表面の一部を構成するカバー部材14を備える。
【0012】
図3は、図2に示すステーユニット20に第1部材11が装着された状態を後方向Rrから見た図である。図4は、図2に示すステーユニット20、第1部材11、第2部材12、及び第3部材13を示す図である。図4において、第1部材11は、後方向Rrから見た状態を示している。図4において、ステーユニット20、第2部材12、及び第3部材13は、前方向Fから見た状態を示している。
【0013】
図3に示すように、ステー2は、逆U字状を成しており、例えば金属製のフレームで構成されている。ステー2の上端と脚部2bの基端部付近には、例えば金属製のブラケット2cが固着されている。ブラケット2cは、ステー2とは別体としているが、ステー2と一体化されていてもよい。
【0014】
図4に示すように、第1部材11の後側の面には、一対のスピーカ3のそれぞれに対応して設けられた枠状のスピーカパッド11pと、上側の左右端部と下側の左右端部にそれぞれ配置された合計4個の固着部11dと、上端部の左右中央に1つ配置され、下端部に2つ配置された合計3つの固着部11eと、が設けられている。本明細書において、固着部とは、他の部品と接着、溶接、ネジ止め、嵌合、又は係合等で固着される部分のことを言う。図4の例では、固着部11d及び固着部11eは、それぞれ、第1部材11の後側の面から後方向Rrに突出して設けられている。固着部11dは、例えば、第1部材11の後側の面から後方向Rrに突出した部分に、ステーユニット20側と反対側に向かって開口する開口部11h(図6参照)が設けられた構造とすることができる。固着部11dは、スピーカパッド11pの外側に配置されている。
【0015】
第1部材11は、軽量化及び強度向上のため、図2に示すように、その前面に、リブ11bを内側に形成した凹部11aを設けることが好ましい。また、第1部材11は、軽量化及び強度向上のため、その左右の側面に、リブを内側に形成した凹部を設けることが好ましい。
【0016】
図4に示すように、第2部材12の前側の面には、第1部材11の4つの固着部11dのそれぞれと固着される合計4つの固着部12dと、ブラケット2cを介して、第1部材11の3つの固着部11eのそれぞれと固着される3つの固着部12eと、が設けられている。図4の例では、固着部12d及び固着部12eは、それぞれ、第2部材12の前側の面から前方向Fに突出して設けられている。固着部12dは、例えば、第2部材12の前側の面から前方向Fに突出した部分に、左右方向に貫通するビス孔12h(図6参照)が設けられた構造とすることができる。
【0017】
第2部材12の前側の面には、図4に示したように、ステーユニット20におけるステー2及びブラケット2cと対面する位置にリブ12r(図の例では上下に延びる3本と、左右に延びる3本の計6本)を設けておくことが好ましい。また、第2部材12の外表面は表皮5で覆われるが、この表皮5の縫い代を収容するための窪み12oを第2部材12に設けておくことが好ましい。第2部材12において、上側2つの固着部12dの間の距離d1は、下側2つの固着部12dの間の距離d2よりも小さくなっている。第1部材11においても、上側2つの固着部11dの間の距離は、下側2つの固着部11dの間の距離よりも小さくなっている。ヘッドレスト1において上端部付近は荷重がかかりやすいため、上記のように上側の固着部の間隔を狭くすることで、第1部材11、第2部材12、及び第3部材13の強度向上を図ることができる。
【0018】
図4に示すように、ステーユニット20のブラケット2cには、第1部材11の3つの固着部11eのそれぞれと固着される合計3つの孔部2caが設けられている。3つの孔部2caのそれぞれに凸状の固着部11eが圧入され、その固着部11eの内部に、第2部材12の固着部12eが連結されることで、ステーユニット20の上端部分20aが第1部材11と第2部材12で挟持された状態となる。この状態では、ステーユニット20の上端部分20aのうち、前面と後面と下面が第1部材11及び第2部材12によって覆われ、左右の側面と上面とが露出した状態となる。つまり、この状態では、第1部材11と第2部材12とで区画される空間は、左方向Lと上方向Uと右方向Rとが開放された構成となっている。
【0019】
第3部材13は、第1部材11と第2部材12で区画される空間の開放された部分を覆う構成となっている。図2及び図4に示すように、第3部材13は、左右方向に並んで配置された一対の側面部13bと、この一対の側面部13bの上側における端部を繋ぐ上面部13aと、を有し、前後方向に見て逆U字形状を成している。第3部材13の側面部13bには、左右のスピーカ3に対応するスピーカ用開口13pが設けられている。第3部材13の内面におけるスピーカ用開口13pの周縁部は、ステーユニット20に向かって突出しており、この突出部分が第1部材11のスピーカパッド11pに嵌る構成となっている。したがって、ステーユニット20に第1部材11と第2部材12と第3部材13が装着された状態では、スピーカパッド11p及びスピーカ用開口13pを経由して、スピーカ3からの音を良好に出力することが可能となる。
【0020】
図2に示すように、カバー部材14は、一対の側面部13bのそれぞれに装着されて、側面部13bを覆う2つの第1カバー部材15と、上面部13aに装着されて上面部13aを覆う第2カバー部材16と、を含む。第1カバー部材15と第2カバー部材16のそれぞれの外表面には、表皮5が取付けられる。この表皮5は必須ではなく省略可能である。本形態では、特に限定されるものではないが、第3部材13は、前後方向にみたときに、その左右方向の中心を通り且つ上下方向に延びる直線を対称軸とした線対称の構成となっている。このため、2つの第1カバー部材15は、この対称軸で線対称の構成である。詳細は後述するが、第1カバー部材15の上面部13a側の端部は、上面部13aの上まで延びており、第2カバー部材16と上面部13aの間に配置されている。つまり、第1カバー部材15と第2カバー部材16は、第1カバー部材15が第2カバー部材16によって上面部13aへ押さえ付けられた状態で、第3部材13に装着されている。
【0021】
図2に示すように、第3部材13の側面部13bには、第1カバー部材15の第3部材13側の面に設けられた後述の第1係合爪部15j(図7参照)と係合する第1係合孔部13iが、側面部13bの前端縁、及び後端縁に沿って、図の例では6個、並べて設けられている。また、第3部材13の側面部13bには、第1部材11の固着部11d及び第2部材12の固着部12dと固着される固着部13dが2つ設けられている。図2の例では、2つの固着部13dは、スピーカ用開口13pを挟んで上下に並んで配置されている。固着部13dは、例えば、側面部13bに形成された左右方向に貫通するビス孔13dh(図6参照)とそのビス孔13dhの周辺部により構成される。
【0022】
図5は、第3部材13の上面部13aを下側から見た図である。図5に示すように、第3部材13の上面部13aの内面には、ステーユニット20の上側のブラケット2cに当接する突出部13eが設けられている。突出部13eは、前後方向に沿って延びる形状であり、図の例では5つの突出部13eが左右方向に並べて設けられている。5つの突出部13eは、左右方向に延びる横リブ13cによって、串刺し状につながっている。上面部13aには、第2カバー部材16の第3部材13側の面に設けられた後述の第2係合爪部16j(図8参照)と係合する第2係合孔部13jが、上面部13aの前端縁と後端縁のそれぞれに沿って2つずつ並べて設けられている。横リブ13cの左右両端部分は、上面部13aの後端縁に沿って並ぶ2つの第2係合孔部13jの壁面に連結されている。
【0023】
各突出部13eには、傾斜面13tが設けられている。第3部材13は、第1部材11及び第2部材12への取り付け状態においては、後端縁13rが前端縁よりも下側になるように傾斜して取り付けられる(図2参照)。第1部材11と第2部材12が装着されたステーユニット20に第3部材13が取り付けられた状態では、ブラケット2cと、第3部材13の突出部13eの傾斜面13tとが当接する。これにより、第3部材13は、上面部13aに受けた荷重を、ブラケット2cを介してステー2へと逃がすことができるようになっている。また、横リブ13cの左右両端部分が第2係合孔部13jの壁面に連結されていることで、上面部13aの強度向上が可能となる。
【0024】
図6は、第1部材11、第2部材12、及び第3部材13の固着構造の要部断面図である。図6は、前側から見て左下側の固着構造を示すが、他の3か所の固着構造は同様であるので、説明を省略する。第1部材11、第2部材12、第3部材13、及びステーユニット20の組み立ては、次のようにして行われる。まず、図3に示したようにステーユニット20の前側に第1部材11が装着され、その後、ステーユニット20の後ろ側に第2部材12が装着される。この状態では、図6に示すように、第1部材11における4つの固着部11dと、4つの固着部11dそれぞれに対応する第2部材12の固着部12dとが左右方向で重なる状態となる。
【0025】
なお、第1部材11の固着部11dのうち下側にあるものについては、図2に示すように、スピーカパッド11pに隣接して設けられており、前側にはスピーカパッド11pの枠が存在する。したがって、固着部11dと固着部12dとが左右方向で重なる状態において、固着部12dとスピーカパッド11pとの干渉を防ぐために、スピーカパッド11pにおける固着部12dと対応する領域(図2に示した破線で示す領域)には、固着部12dを受容可能な切り欠きを設けておくことが好ましい。
【0026】
ステーユニット20に第1部材11と第2部材12を装着した後、固着部11dと固着部12dとが重なる部分に、第3部材13の固着部13dを外側から重ね合わせる。そして、この重なっている3つの固着部11d,12d,13dにビスBを通して、第1部材11、第2部材12、及び第3部材13を締結する。このようにして、第1部材11、第2部材12、及び第3部材13は、左右において上下二か所止めにて確りと固着される。
【0027】
図7は、第3部材13の側面部13bと第1カバー部材15との連結構造を示す分解図である。図7において、第1カバー部材15は、第3部材13側の面(内面と記載)を見た状態を示している。図7に示すように、第3部材13の側面部13bには、第1係合孔部13iが6つ設けられている。一方、第1カバー部材15の内面には、第1係合孔部13iと係合する第1係合爪部15jが6つ設けられている。
【0028】
また、第3部材13の側面部13bには、前側及び下側の外周縁13kに沿って延びる細長い孔で構成された位置決め孔部13mが、例えば3つ設けられている。一方、第1カバー部材15の内面には、位置決め孔部13mに挿通される位置決め突起15mが設けられている。位置決め孔部13mは、第1係合孔部13iよりも、外周縁13kに接近した位置に設けられている。これにより、第1カバー部材15の前側及び下側の外周縁と第3部材13の外周縁13kとの距離を正確に保持できる。第1カバー部材15の内面には、上下方向に延びる3本のリブ15rが突設されている。これにより、第1カバー部材15は、補強されている。
【0029】
図6に示したように、第1部材11には、第1カバー部材15の位置決め突起15mを収容するためのスペースSPが設けられている。これにより、第1部材11、第2部材12、及び第3部材13が固着される部分の近傍において、第1カバー部材15を保持でき、安定した保持が可能となる。
【0030】
図8は、第3部材13とカバー部材14の分解斜視図である。図9は、第3部材13にカバー部材14を取り付けた状態の要部断面図である。図8に示すように、第3部材13の上面部13aには、4つの第2係合孔部13jに加えて、前側の外周縁13kに沿って延びる細長い孔で構成された位置決め孔部13mが例えば1つ設けられている。上面部13aにおいても、位置決め孔部13mは、第2係合孔部13jよりも、外周縁13kに接近した位置に設けられている。これにより、第2カバー部材16の前側の外周縁と第3部材13の前側の外周縁13kとの距離を正確に保持できる。
【0031】
図9に示すように、上面部13aは、第1カバー部材15の上端部15eに当接する当接部13fと、当接部13fから第2カバー部材16に向けて立ち上がった段部13gと、を含む構成となっている。すなわち、図8に示すように上方側から見たときに、左右両側の窪んだ当接部13fに第1カバー部材15の上端部15eが対応する構成となっている。当接部13fは、例えば、上下方向に交差する(好ましくは直交する)平面で構成される。図8に示すように、段部13gは、上面視で横H字状となっており、前後方向の略中央において、当接部13fが左右方向に入り込んだ構成となっている。前述してきた第2係合孔部13jと位置決め孔部13mは、段部13gを上下方向に貫通して構成されている。第3部材13の当接部13fのうち、前後方向において段部13gで挟まれている領域には、貫通孔で構成された第2孔部13hが設けられている。第1カバー部材15の上端部15eには、第2孔部13hに対応した貫通孔で構成された第1孔部15hが設けられている。
【0032】
第2カバー部材16の裏面16bには、これら第1孔部15h及び第2孔部13hに挿通される一対の突起16dが設けられている。また、第2カバー部材16の裏面16bには、第2係合孔部13jと係合する第2係合爪部16jと、位置決め孔部13mに挿通される位置決め突起16mと、が設けられている。第2カバー部材16の裏面16bには、突起16dの間に、2つの突起16dを連結すると共に、突起16mに連結する十字形状のリブ16rが突設されている。これにより、第2カバー部材16は、補強されている。
【0033】
図9に示すように、第1カバー部材15の第2カバー部材16側の上端部15eは、第3部材13の上面部13aと第2カバー部材16との間に配置されている。上下方向において、第1カバー部材15の上端部15eの外表面15esの位置は、段部13gの外表面13gsの位置よりも下側となっている。したがって、第2カバー部材16は、段部13gの外表面13gsの上に載るように配置されている。また、第1カバー部材15の外表面15esと第2カバー部材16の裏面16bとの間には、表皮5の端部を隠すことのできる隙間が形成されている。
【0034】
図10は、第2係合爪部16jの形状を示す拡大斜視図である。図11は、第1係合爪部15jの形状を示す拡大断面図である。カバー部材14(第1カバー部材15及び第2カバー部材16を含む)には、前述のごとく、第1係合爪部15j及び第2係合爪部16jが設けられている。第1係合爪部15jは、図11に示すように、先端に爪15iが設けられた一対の立脚部15kが上下方向に並んで対面配置された構成である。第2係合爪部16jは、図10に示すように、先端に爪15iが設けられた一対の立脚部15kが左右方向に並んで対面配置された構成である。第1係合爪部15jと第2係合爪部16jは、それぞれ、図11に示すように、爪15iの基端部15nが第1係合孔部13i(第2係合孔部13j)の内側部分に係合する構造となっている。なお、一対の爪15iを形成するために、カバー部材14には、立脚部15kの基端付近に成形孔14hが形成されている。カバー部材14の外表面を表皮5で覆う場合には、この成形孔14hの内部に表皮5が部分的に沈みこまないようにすることが好ましい。成形孔14hのサイズを、平面視において3mm×6mmとすることで、沈み込みを抑制しつつ、爪15iのたわみを確保できる。
【0035】
図12は、第3部材13にカバー部材14を連結した状態を上面から見た図である。図12において、カバー部材14の表皮5は取り除いた状態で示してある。図12に示すように、カバー部材14は、一対の第1カバー部材15及び第2カバー部材16が前述した連結構造によって第3部材13に確りと取り付けられている。すなわち、カバー部材14は、左右側及び上面側の16か所の係合爪部(第1係合爪部15j及び第2係合爪部16j)によって、第3部材13に連結されている。
【0036】
図12に示したように、上記の16か所の係合爪部は、その全てのものが乗り物用シートの前後方向に沿って配置されており、前後方向の剛性が高くなっている。更に、第2カバー部材16の裏面側には、ブラケット2cに当接する突出部13eが設けられている。これにより、後方からの衝撃を左右方向に分散することができる。
【0037】
以上述べた実施形態においては、カバー部材14が三分割された構成としたが、これに限るものでなく、例えば第1カバー部材15及び第2カバー部材16が一体化された1つの構成であってもよい。なお、カバー部材14が三分割された構成の場合は、3つの部材それぞれを第3部材13に係合する必要があるため、成形孔14hの数が多くなる傾向となる。このため、成形孔14hのサイズを上述したようにすることで、表皮5の耐久性向上とデザイン性向上を図ることができる。
【0038】
以上説明したように、ヘッドレスト1によれば、収容部材10が第1部材11と第2部材12と第3部材13を含んで構成され、第3部材13が一対の側面部13bと上面部13aとを含む。このため、例えば、第3部材13の前側及び下側の外周縁13kを部分的に外表面に露出させることで、第3部材13によって、ヘッドレスト1の右側面から上面を経由して左側面まで至る継ぎ目のない加飾ラインを実現できる。このような加飾ラインを第3部材13自体で実現できるため、加飾ラインに外部から力が加わった場合でも、加飾ラインが脱落するのを防げる。このように、デザインの自由度を高めつつ耐久性を向上させることができる。
【0039】
また、ヘッドレスト1によれば、第1部材11の固着部11dと第2部材12の固着部12dを重ねてから、これらの外側に第3部材13の固着部13dを重ねて、これら3つの固着部をビスB等で固着することで、収容部材10を形成できる。このため、製造を容易に行うことができる。また、第1部材11と第2部材12の少なくとも一方の外表面を覆う表皮5を設ける場合に、この表皮5の端末を第3部材13によって収容部材10の内側に配置できる。これにより、表皮5の端末の捲れを防いで耐久性を向上させることができる。また、デザイン性を向上させることができる。
【0040】
また、ヘッドレスト1によれば、例えば、第3部材13の上面部13aが外部から荷重を受けた場合に、その荷重を、上面部13aの内面に設けられた突出部13eを介してステー2に逃がすことができる。これにより、収容部材10が3つに分かれている構成であっても耐久性を向上させることができる。また、第2カバー部材16にはリブ16r(図8参照)が設けられているため、このリブ16rによっても荷重を逃がすことができ、耐久性を向上させることができる。
【0041】
また、ヘッドレスト1によれば、カバー部材が3つの部材に分割されているため、隣り合う部材同士の境界線をデザインの1つとすることが可能となり、デザイン性を向上させて商品性を向上させることができる。
【0042】
また、ヘッドレスト1によれば、第1カバー部材15の上端部15eと上面部13aと第2カバー部材16とが突起16dで連結される。このため、第1カバー部材15と第2カバー部材16の並ぶ方向におけるこれらの位置ずれを防ぐことができ、耐久性やデザイン性を向上させることができる。また、第2カバー部材16が荷重を受けた場合に、その荷重を第3部材13だけでなく第1カバー部材15にも逃がすことができ、耐久性を向上させることができる。また、第1カバー部材15の上端部15eに設けられる表皮5の端末を第2カバー部材16によって覆うことができるため、第1カバー部材15と第2カバー部材16の境界を綺麗に形成できる。
【0043】
また、ヘッドレスト1によれば、第1係合爪部15jが上下方向に並ぶ一対の爪15iにより構成されるため、シート上下方向への荷重によって第1カバー部材15が多少は動ける構成となる。しかし、第1カバー部材15の上端部15eと第3部材13とが第2カバー部材16の突起16dによって連結されていることで、第1カバー部材15のシート上下方向への移動が規制される。このため、第1カバー部材15と第2カバー部材16との位置ずれを防ぐことができる。また、第1係合爪部15jの一対の爪15iは、大きな荷重がかかりやすいシート前後方向への荷重に対しては変形しにくい構成となる。これらにより、耐久性を高めることができる。
【0044】
また、ヘッドレスト1によれば、大きな荷重がかかりやすいシート前後方向への荷重に対しては、第2カバー部材16の第2係合爪部16jが変形しにくい構成となる。これにより、耐久性を高めることができる。
【0045】
ここまでの説明では、ヘッドレスト1の一態様を示したが、図示のものに何ら制限を受けるものではなく、本開示の技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、ステーユニット20は、スピーカユニット30を含む構成としているが、スピーカユニット30は必須ではなく省略可能である。スピーカユニット30はサイズが大きいため、第1部材11と第2部材12でスピーカユニット30を挟み込んで収容する必要がある。このような制約があるヘッドレストにおいて、本開示の技術は特に有用となる。
【0046】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0047】
(1)
乗り物用シートのシートバック(シートバック100)に支持されるステー(ステー2)と、
前記ステーの一部を収容する収容空間を形成する収容部材(収容部材10)と、を備え、
前記収容部材は、前記乗り物用シートの前後方向に並んで配置される第1部材(第1部材11)及び第2部材(第2部材12)と、前記第1部材と前記第2部材との間を覆う第3部材(第3部材13)と、を含み、
前記第3部材は、前記乗り物用シートの左右方向に並んで配置された一対の側面部(側面部13b)と、前記一対の側面部の前記乗り物用シートの上側における端部を繋ぐ上面部(上面部13a)と、を含む、ヘッドレスト。
【0048】
(1)によれば、収容部材が第1部材と第2部材と第3部材を含んで構成され、第3部材が一対の側面部と上面部とを含む。このため、例えば、第3部材のシート前後方向の一端縁又は他端縁、或いは、両端縁を部分的に外表面に露出させることで、ヘッドレストの右側面から上面を経由して左側面まで至る継ぎ目のない加飾ラインを実現できる。また、このような加飾ラインを第3部材自体で実現できるため、加飾ラインに外部から力が加わった場合でも、加飾ラインが脱落するのを防げる。このように、デザインの自由度を高めつつ耐久性を向上させることができる。
【0049】
(2)
(1)に記載のヘッドレストであって、
前記第1部材、前記第2部材、及び前記第3部材は、それぞれ、互いに固着される固着部を備え、
前記第3部材の前記固着部(固着部13d)は、前記第1部材の前記固着部(固着部11d)及び前記第2部材の固着部(固着部12d)よりも、前記収容空間の外側に配置されている、ヘッドレスト。
【0050】
(2)によれば、第1部材の固着部と第2部材の固着部を重ねてから、これらの外側に第3部材の固着部を重ねて、これら3つの固着部をビス等で固着することで、収容部材を形成できる。このため、製造を容易に行うことができる。また、第1部材と第2部材の少なくとも一方の外表面を覆う表皮を設ける場合に、この表皮の端末を第3部材によって収容部材の内側に配置できる。これにより、表皮の端末の捲れを防いで耐久性を向上させることができる。また、デザイン性を向上させることができる。
【0051】
(3)
(2)に記載のヘッドレストであって、
前記第3部材の前記上面部の内面には前記ステー又は前記ステーに固着されたブラケット(ブラケット2c)に当接する突出部(突出部13e)が設けられる、ヘッドレスト。
【0052】
(3)によれば、例えば、第3部材の上面部が外部から荷重を受けた場合に、その荷重を、上面部の内面に設けられた突出部を介してステーに逃がすことができる。これにより、収容部材が3つに分かれている構成であっても耐久性を向上させることができる。
【0053】
(4)
(1)から(3)のいずれか1つに記載のヘッドレストであって、
前記第3部材を覆って外表面の一部を構成するカバー部材(カバー部材14)を備える、ヘッドレスト。
【0054】
(4)によれば、例えば第3部材が部分的に露出するようにカバー部材によって第3部材を覆うことで、第3部材の露出領域を加飾ラインとすることができる。第3部材そのものを加飾ラインとすることができるため、加飾ラインに外部から力が加わった場合でも、加飾ラインが外れるのを防げる。
【0055】
(5)
(4)に記載のヘッドレストであって、
前記カバー部材は、前記一対の側面部を覆う一対の第1カバー部材(第1カバー部材15)と、前記上面部を覆う第2カバー部材(第2カバー部材16)と、を含む、ヘッドレスト。
【0056】
(5)によれば、カバー部材が3つの部材に分割されているため、隣り合う部材同士の境界線をデザインの1つとすることが可能となり、デザイン性を向上させて商品性を向上させることができる。
【0057】
(6)
(5)に記載のヘッドレストであって、
前記第1カバー部材の前記第2カバー部材側の端部(上端部15e)は、前記第3部材の前記上面部と前記第2カバー部材の間に配置されている、ヘッドレスト。
【0058】
(6)によれば、例えば、第1カバー部材の端部と第3部材の上面部と第2カバー部材とを突起などで連結することで、第1カバー部材と第2カバー部材の並ぶ方向におけるこれらの位置ずれを防ぐことができ、耐久性やデザイン性を向上させることができる。また、第2カバー部材が荷重を受けた場合に、その荷重を第3部材だけでなく第1カバー部材にも逃がすことができ、耐久性を向上させることができる。また、第1カバー部材の端部に設けられる表皮の端末を第2カバー部材によって覆うことができるため、第1カバー部材と第2カバー部材の境界を綺麗に形成できる。
【0059】
(7)
(6)に記載のヘッドレストであって、
前記第3部材の前記上面部は、前記第1カバー部材の前記端部に当接する当接部(当接部13f)と、前記当接部から前記第2カバー部材に向けて立ち上がった段部(段部13g)と、を含む、ヘッドレスト。
【0060】
(7)によれば、第1カバー部材の上面が段部の上面よりも高い位置にくるのを防ぐことができるため、第1カバー部材と第2カバー部材を滑らかに繋ぐことができ、これらの境界における引掛り等を防いで耐久性を向上させたり、デザイン性を向上させたりすることができる。
【0061】
(8)
(7)に記載のヘッドレストであって、
前記乗り物用シートの上下方向において、前記第1カバー部材の前記端部の外表面(外表面15es)の位置は、前記段部の外表面(外表面13gs)の位置よりも下側となっている、ヘッドレスト。
【0062】
(8)によれば、第1カバー部材の端部の外表面と第3部材の段部の外表面との段差を利用することで、第1カバー部材と第2カバー部材を滑らかに繋いで配置できる。この結果、第1カバー部材と第2カバー部材の境界における引掛り等を防いで耐久性を向上させたり、デザイン性を向上させたりすることができる。
【0063】
(9)
(6)に記載のヘッドレストであって、
前記第1カバー部材の前記端部には、第1孔部(第1孔部15h)が設けられ、
前記第3部材の前記上面部には、第2孔部(第2孔部13h)が設けられ、
前記第2カバー部材は、前記第1孔部及び前記第2孔部に挿通される突起(突起16d)を有する、ヘッドレスト。
【0064】
(9)によれば、第1カバー部材と第2カバー部材の並ぶ方向におけるこれらの位置ずれを防ぐことができ、耐久性やデザイン性を向上させることができる。また、第2カバー部材が荷重を受けた場合に、その荷重を第3部材だけでなく第1カバー部材にも逃がすことができ、耐久性を向上させることができる。また、第1カバー部材の端部に設けられる表皮の端末を第2カバー部材によって覆うことができるため、第1カバー部材と第2カバー部材の境界を綺麗に形成できる。
【0065】
(10)
(9)に記載のヘッドレストであって、
前記第3部材の前記側面部には第1係合孔部(第1係合孔部13i)が設けられ、
前記第1カバー部材には、前記第1係合孔部と係合する第1係合爪部(第1係合爪部15j)が設けられ、
前記第1係合爪部は、前記乗り物用シートの上下方向に対向配置された一対の爪(爪15i)により構成される、ヘッドレスト。
【0066】
(10)によれば、シート上下方向への荷重によって第1カバー部材が多少は動ける構成となるが、第1カバー部材の端部と第3部材とが第2カバー部材の突起によって連結されていることで、第1カバー部材のシート上下方向への移動が規制される。このため、第1カバー部材と第2カバー部材との位置ずれを防ぐことができる。また、第1係合爪部の一対の爪は、大きな荷重がかかりやすいシート前後方向への荷重に対しては変形しにくい構成となる。これらにより、耐久性を高めることができる。
【0067】
(11)
(10)に記載のヘッドレストであって、
前記第3部材の前記上面部には第2係合孔部(第2係合孔部13j)が設けられ、
前記第2カバー部材には、前記第2係合孔部と係合する第2係合爪部(第2係合爪部16j)が設けられ、
前記第2係合爪部は、前記乗り物用シートの左右方向に対向配置された一対の爪(爪15i)により構成される、ヘッドレスト。
【0068】
(11)によれば、大きな荷重がかかりやすいシート前後方向への荷重に対しては、第2カバー部材の第2係合爪部が変形しにくい構成となる。これにより、耐久性を高めることができる。
【0069】
(12)
(4)に記載のヘッドレストであって、
前記第3部材は、外周縁(外周縁13k)に沿って延びて形成された位置決め孔部(位置決め孔部13m)と、前記位置決め孔部よりも前記外周縁から離れた位置に設けられた係合孔部(第1係合孔部13i、第2係合孔部13j)と、を有し、
前記カバー部材には、前記位置決め孔部に挿通される位置決め突起(突起15m、突起16m)と、前記係合孔部と係合する係合爪部(第1係合爪部15j、第2係合爪部16j)とが設けられている、ヘッドレスト。
【0070】
(12)によれば、カバー部材の外周縁と第1部材又は第2部材とを一定の距離で近づけて保持できるため、デザイン性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 ヘッドレスト
d1,d2 距離
2 ステー
2b 脚部
2ca,13m 孔部
2c ブラケット
3 スピーカ
5 表皮
10 収容部材
11 第1部材
11a 凹部
11b,12r,15r,16r リブ
11d,11e,12d,12e,13d 固着部
11p スピーカパッド
12 第2部材
13 第3部材
13a 上面部
13b 側面部
13c 横リブ
13e 突出部
13f 当接部
13g 段部
13h 第2孔部
13i 第1係合孔部
13dh ビス孔
13j 第2係合孔部
13k 外周縁
13p スピーカ用開口
13r 後端縁
13t 傾斜面
13gs,15es 外表面
14 カバー部材
14h 成形孔
15 第1カバー部材
15i 爪
15e,100a 上端部
15h 第1孔部
15j 第1係合爪部
15k 立脚部
15m,16d,16m 突起
15n 基端部
16 第2カバー部材
16b 裏面
16j 第2係合爪部
20 ステーユニット
20a 上端部分
30 スピーカユニット
100 シートバック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12