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特開2024-165480情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165480
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241121BHJP
   G06F 16/9035 20190101ALI20241121BHJP
【FI】
G06Q30/0601
G06F16/9035
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081720
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武井 聡水
(72)【発明者】
【氏名】深谷 太一
【テーマコード(参考)】
5B175
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175HA01
5L030BB33
5L049BB33
(57)【要約】
【課題】利用者が利用者端末を切り替える可能性を予測して、当該の予測に応じてコンテンツを配信することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本開示に係る情報処理装置は、利用者が利用している利用者端末に関する情報を示す端末情報と、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報と、を取得する取得部と、利用者情報と行動情報に基づいて、利用者が利用者端末または通信キャリアを変更する確率を示すスイッチスコアを推定する推定部と、スイッチスコアに基づいて、コンテンツの配信対象となる利用者を決定する決定部と、配信対象に決定された利用者の利用者端末にコンテンツを配信する配信部と、を備える。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が利用している利用者端末に関する情報を示す端末情報と、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報と、を取得する取得部と、
前記利用者情報と前記行動情報に基づいて、利用者が利用者端末または通信キャリアを変更する確率を示すスイッチスコアを推定する推定部と、
前記スイッチスコアに基づいて、コンテンツの配信対象となる利用者を決定する決定部と、
配信対象に決定された利用者の利用者端末にコンテンツを配信する配信部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記端末情報に基づいて、利用者が利用者端末を切り替えたか否かを判定し、利用者ごとに切り替え前後の利用者端末と通信キャリアの対応関係を示す表を生成する判定部と、をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
判定部は、切替後の利用者端末の利用開始日より前に利用履歴があり、切替後の利用者端末の利用開始から所定の日数以内に利用が終了する利用者端末を当該切替後の利用者端末の切替前の利用者端末として判定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
利用者が利用している利用者端末に関する情報を示す端末情報と、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報と、を取得するステップと、
前記利用者情報と前記行動情報に基づいて、利用者が利用者端末または通信キャリアを変更する確率を示すスイッチスコアを推定するステップと、
前記スイッチスコアに基づいて、コンテンツの配信対象となる利用者を決定するステップと、
配信対象に決定された利用者の利用者端末にコンテンツを配信するステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項5】
利用者が利用している利用者端末に関する情報を示す端末情報と、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報と、を取得するステップと、
前記利用者情報と前記行動情報に基づいて、利用者が利用者端末または通信キャリアを変更する確率を示すスイッチスコアを推定するステップと、
前記スイッチスコアに基づいて、コンテンツの配信対象となる利用者を決定するステップと、
配信対象に決定された利用者の利用者端末にコンテンツを配信するステップと、
をコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの端末を買い替えるサイクルが早まってきている。利用者がスマートフォンなどの端末を切り替えることを予測することができれば、自社の端末の購入を促す広告や、自社の通信キャリアの継続利用を促す広告を配信することができる。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、携帯キャリアが提供するアプリケーションを利用する顧客であって、当該アプリケーションにおいて提供される顧客情報を管理するサービスに登録された顧客の電話番号を示す電話番号リストを取得することなどを行って、顧客の携帯電話の電話番号が有効なものであるかを定期的に管理し、最新の情報を事業者に通知することができる顧客情報管理サーバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-53791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の顧客情報管理サーバは、顧客の携帯電話の電話番号が有効なものであるかを管理することができるものの、顧客が端末を切り替えることや、通信キャリアを切り替えることを予測することができなかった。
【0006】
本開示は上記課題を鑑み、利用者が利用者端末を切り替える可能性を予測して、当該の予測に応じてコンテンツを配信することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る情報処理装置は、利用者が利用している利用者端末に関する情報を示す端末情報と、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報と、を取得する取得部と、前記利用者情報と前記行動情報に基づいて、利用者が利用者端末または通信キャリアを変更する確率を示すスイッチスコアを推定する推定部と、前記スイッチスコアに基づいて、コンテンツの配信対象となる利用者を決定する決定部と、配信対象に決定された利用者の利用者端末にコンテンツを配信する配信部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、利用者が利用者端末を切り替える可能性を予測して、当該の予測に応じてコンテンツを配信することができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の第一態様の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理の第二態様の第一段階を説明する図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理の第二態様の第二段階を説明する図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理の第二態様の第三段階を説明する図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理の第二態様の第四段階を説明する図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理の第二態様の第五段階において生成される情報の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理の第二態様のフローを示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態に係る情報処理装置の行動情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る情報処理装置の端末情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係る情報処理装置のモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図14図14は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図15図15は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。
図16図16は、実施形態に係る事業者端末の構成例を示す図である。
図17図17は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図18図18は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0011】
(実施形態)
〔1.実施形態に係る情報処理〕
〔1-1.実施形態に係る情報処理の一例〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図1では、実施形態に係る情報処理が情報処理装置100と、利用者端末200と、事業者端末300と、により実行される例を示す。以下、実施形態に係る情報処理についてステップごとに順を追って説明する。
【0012】
まず、情報処理装置100は、利用者端末200から利用者情報と行動情報と端末情報を取得する(ステップS1)。ここで、利用者情報は、例えば、利用者が所定の情報サービスを利用する際に、情報サービスの提供事業者に提供する利用者に関する情報である。また、行動情報は、利用者の所定の情報サービスの利用によって生じる利用者の所定の情報サービスを用いた行動を示す情報である。また、端末情報は、利用者の所有する利用者端末200に関する情報である。例えば、図1に示すように、情報処理装置100は、利用者U1からU6の利用者端末200Aから200Fから、利用者情報と、行動情報と、端末情報を取得する。なお、図1に示す利用者U1からU6、及び利用者端末200Aから200Fは例示であって、情報処理装置100は、これ以上の数の利用者の利用者端末200から利用者情報と、行動情報と、端末情報を取得してよい。
【0013】
次に、情報処理装置100は、事業者端末300からコンテンツと配信対象情報を受け付ける(ステップS2)。例えば、情報処理装置100は、事業者端末300から事業者M1が入力したコンテンツを受け付ける。また、情報処理装置100は、事業者M1が事業者端末300に入力したコンテンツの配信対象情報を事業者端末300から受け付ける。なお、ここで、配信対象情報は、事業者が入力したコンテンツの配信対象となる利用者に関する情報を示し、例えば、配信対象となる利用者のスイッチスコアの値であってよい。
【0014】
次に、情報処理装置100は、利用者ごとに利用者のスイッチスコアを推定する(ステップS3)。ここで、スイッチスコアとは、利用者が利用者端末200または通信キャリアを切り替える確率を示し、例えば、0から1の数値によって表される。例えば、情報処理装置100は、利用者情報と行動情報に基づいて、利用者情報と行動情報に対するスイッチスコアの関係を学習させた学習済みモデルを用いて、利用者ごとに利用者情報と行動情報を学習済みモデルに入力することにより、利用者のスイッチスコアを推定する。
【0015】
次に、情報処理装置100は、利用者ごとに推定されたスイッチスコアに基づいて、コンテンツの配信対象となる利用者を決定する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、事業者から受け付けた配信対象情報に含まれる配信対象となる利用者のスイッチスコアの値に基づいて、当該のスイッチスコアの値以上のスイッチスコアと推定された利用者をコンテンツの配信対象として決定する。図1に示す実施例を用いて具体的に説明すると、図1に示す例においては、利用者IDがUID#1、UID#2、UID#3、UID#4、UID#5、UID#6の利用者に対してスイッチスコアの値がそれぞれ0.4、0.3、0.2、0.7、0.8、0.6と推定されたことが示されている。そして、事業者M1から受け付けたコンテンツの配信対象情報に含まれる配信対象となる利用者のスイッチスコアの値が0.6であるとする。この場合、情報処理装置100は、スイッチスコアの値が0.6以上の利用者IDがUID#4、UID#5、UID#6の利用者を配信対象に決定する。
【0016】
次に、情報処理装置100は、配信対象に決定された利用者の利用者端末200にコンテンツを配信する(ステップS5)。すなわち、情報処理装置100は、後述して説明するコンテンツ記憶部125から事業者M1が入力したコンテンツのデータを読み出して、読み出したコンテンツのデータを配信対象に決定された利用者の利用者端末200に配信する。例えば、情報処理装置100は、図1に示される上述の実施例で言うと、配信対象に決定された利用者IDがUID#4、UID#5、UID#6の利用者である利用者U4、U5、U6の利用者端末200D、200E、200Fにコンテンツを配信する。
【0017】
これによれば、利用者情報と行動情報に基づいて、利用者が利用者端末200または通信キャリアを切り替える確率を推定して、推定された確率に基づいて、コンテンツを配信する利用者を決定し、決定された利用者にコンテンツを配信することができる。したがって、利用者が利用者端末を切り替える可能性を予測して、当該の予測に応じてコンテンツを配信することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0018】
〔1-2.実施形態に係る情報処理の他の例〕
情報処理装置100は、端末情報に基づいて、利用者が利用者端末200を切り替えたか否かを判定し、利用者ごとに切り替え前後の利用者端末200と通信キャリアの対応関係を示す表を生成する。
【0019】
この情報処理について順を追って説明する。まず、情報処理装置100は、図1に示したステップS1と同じ処理を実行する。ステップS1は、上述した処理と同じであるから説明を省略する。
【0020】
次に、情報処理装置100は、端末情報記憶部123から取得可能な全期間の端末情報を抽出する(ステップS2-1)。このような処理について、図2を用いて説明する。図2は、実施形態に係る情報処理の第二態様の第一段階を説明する図である。例えば、情報処理装置100が、利用者端末200からの端末情報の取得を2020年8月27日から開始したとする。この場合、図2に示すように、情報処理装置100は、対象期間の2020年8月27日からデータ作成日、言い換えると本処理の実施日までに取得された端末情報を端末情報記憶部123から抽出する。
【0021】
次に、情報処理装置100は、利用者IDごとに、所定の日数以上の利用が続いている通信キャリアと利用者端末200の組み合わせを全て取り出す(ステップSa-1)。このような処理について、図3を用いて説明する。図3は、実施形態に係る情報処理の第二態様の第二段階を説明する図である。図3においては、対象期間の2020年8月27日からデータ作成日までの間における、利用者U1の端末情報の時系列に沿った変遷が示されている。具体的には、利用者U1が、端末モデルが端末モデルAであり、通信キャリアがキャリアAである端末Xを7日以上に亘って利用した後に、端末モデルが端末モデルBであり、通信キャリアがキャリアAである端末Yを7日以上に亘って利用し、さらに端末モデルが端末モデルBであり、通信キャリアがキャリアBである端末Zを7日以上に亘って利用したことが示されている。このように、情報処理装置100は、ステップS2-1において抽出した端末情報から、利用者IDごとに、所定の日数以上の利用が続いている通信キャリアと利用者端末200の組み合わせを抽出する。
【0022】
次に、情報処理装置100は、ステップS2-2において抽出された端末の中から、ある端末を「切替後端末」として着目し、利用開始日を抽出する(ステップSa-2)。このような処理について、図4を用いて説明する。図4は、実施形態に係る情報処理の第二態様の第三段階を説明する図である。例えば、情報処理装置100は、図3に示す端末Yを切替後端末として着目する。そして、図4に示すように、情報処理装置100は、端末Yの利用開始日である2021年4月5日を端末情報記憶部123から抽出する。
【0023】
次に、情報処理装置100は、切替後の利用者端末200の利用開始日より前に利用履歴があり、切替後の利用者端末200の利用開始から所定の日数以内に利用が終了する利用者端末200を当該切替後の利用者端末200の切替前の利用者端末200として判定する(ステップSa-3)。このような処理について、図5を用いて説明する。図5は、実施形態に係る情報処理の第二態様の第四段階を説明する図である。例えば、情報処理装置100は、切替後端末の利用開始日である2021年4月5日より前に利用があり、切替後端末の利用開始から7日以内に利用が終了する端末である端末Xを切替前端末として抽出する。
【0024】
次に、情報処理装置100は、利用者ごとに、切替前後の利用者端末200と通信キャリアの組み合わせを示す表を生成する(ステップSa-4)。例えば、情報処理装置100は、図6に示すような表を生成する。図6は、実施形態に係る情報処理の第二態様の第五段階において生成される情報の一例を示す図である。図6に示すように、利用者ごとに、切り替え前後の利用者端末200と通信キャリアの組み合わせを示す表を生成する。図6においては、例えば、利用者IDがD000001の利用者の切り替え日が2021年1月7日であり、切替前キャリアがキャリアAであり、切替前端末メーカーがメーカーAであり、切替前端末モデルが端末Sであり、切替後キャリアがキャリアDであり、切替後端末メーカーがメーカーAであり、切替後端末モデルが端末Aである例が示されている。
【0025】
以上のように説明した処理について、図7に示すフローチャートを用いて整理して説明する。図7は、実施形態に係る情報処理の第二態様のフローを示すフローチャートである。図7に示すように、情報処理装置100は、データ更新日に取得できる全期間のデータを取得する(ステップS1)。次に、情報処理装置100は、利用者ID単位で、利用が所定の日数(例えば、7日)以上続いている通信キャリアと利用者端末200の組み合わせをすべて取り出す(ステップS2)。次に、情報処理装置100は、ある利用者端末200を「切替後端末」として着目し、利用開始日を抽出する(ステップS3)。次に、情報処理装置100は、切替後端末の利用開始日より前に利用があり、切替後端末の利用開始から所定の日数(例えば、7日)以内に利用が終了する利用者端末200を、その利用者端末200の切替前端末とする(ステップS4)。次に、情報処理装置100は、切替前後の対応関係をあらわす表を作成する(ステップS5)。
【0026】
これによれば、端末情報に基づいて、利用者が利用者端末200を切り替えたか否かを判定し、利用者ごとに切り替え前後の利用者端末200と通信キャリアの対応関係を示す情報を生成することができる。そのため、利用者端末200を切り替えた利用者の利用者情報と、行動情報に基づいて、利用者端末200を切り替える利用者の特徴を、学習用モデルに学習させることができる。したがって、利用者が利用者端末200を切り替える可能性を予測して、当該の予測に応じてコンテンツを配信することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0027】
〔2.情報処理システムの構成〕
次に、図8を用いて実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。図8は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図8に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置100と、利用者端末200と、事業者端末300と、ネットワークNを有する。以下、これらの構成について簡単に順を追って説明する。
【0028】
情報処理装置100は、例えばPC(Personal Computer)、WS(Work Station)、サーバの機能を備えるコンピュータなどの情報処理装置であってよい。情報処理装置100は、例えば、利用者端末200や事業者端末300からネットワークNを介して送信されてきた情報に基づいて処理を行う。
【0029】
利用者端末200は、利用者が利用する情報処理装置である。利用者端末200は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置であってよい。なお、図1に示す例においては、利用者端末200がスマートフォンである場合を示している。
【0030】
事業者端末300は、事業者が利用する情報処理装置である。事業者端末300は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、デスクトップ型PC、ノート型PC、携帯電話機、PDA等の情報処理装置であってよい。なお、図1に示す例においては、事業者端末300がノート型PCである場合を示している。
【0031】
ネットワークNは、情報処理装置100と、利用者端末200と、事業者端末300を有線、又は無線により相互に通信可能に接続する。ネットワークNが有線の場合は、IEEE802.3に規定されるイーサネット(登録商標)(ETHERNET(登録商標))により実現されてよい。また、ネットワークNが無線の場合は、IEEE802.11に規定される無線LAN(Local Area Network)により実現されてよい。
【0032】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図9を用いて、情報処理装置100の構成について説明する。
【0033】
図9は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図9に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、を有する。
【0034】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末200などとの間で情報の送受信を行う。
【0035】
(記憶部120について)
記憶部120は、主記憶装置と外部記憶装置とを備える。主記憶装置は、制御部130が実行するプログラム、あるいは制御部130が処理するデータを記憶する。主記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。外部記憶装置は、制御部130が処理するデータを保存する。外部記憶装置は、例えば、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)、磁気テープ、光ディスク等によって実現されてよい。
【0036】
図9に示すように、記憶部120は、利用者情報記憶部121と、行動情報記憶部122と、端末情報記憶部123と、モデル記憶部124と、コンテンツ記憶部125と、を有する。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0037】
(利用者情報記憶部121について)
利用者情報記憶部121は、利用者に関する情報、すなわち、利用者情報を記憶する。利用者情報は、例えば、利用者が所定の情報サービスを利用する際に、情報サービスの提供事業者に提供する利用者に関する情報である。ここで、図10を用いて、利用者情報記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。図10は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0038】
図10に示す例において、利用者情報記憶部121は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「職業」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0039】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「生年月日」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の生年月日に関する情報である。「性別」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の性別に関する情報である。「職業」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の職業に関する情報である。
【0040】
すなわち、図4においては、利用者ID「UID#1」により識別された利用者の生年月日が「生年月日#U1」であり、性別が「女性」であり、職業が「職業#U1」であることを示している。
【0041】
なお、利用者情報記憶部121に記憶される情報は、「利用者ID」、「生年月日」、「性別」、「職業」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者に関係する情報が記憶されてよい。
【0042】
(行動情報記憶部122について)
行動情報記憶部122は、利用者の行動を示す情報、すなわち、行動情報を記憶する。なお、行動情報は、利用者の所定の情報サービスの利用によって生じる利用者の所定の情報サービスを用いた行動を示す情報である。ここで、図11を用いて、行動情報記憶部122が記憶する情報の一例を説明する。図11は、実施形態に係る情報処理装置の行動情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0043】
図11に示す例において、行動情報記憶部122は、「利用者ID」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「路線検索履歴」、「掲示板投稿履歴」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0044】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「検索履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者が検索に使用した検索クエリと入力時刻とを含む情報である。「閲覧履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の閲覧サイトと閲覧時刻とを含む情報である。「購入履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の電子商取引サービスのサイトや所定のサービス契約のサイトなどにおける購入商品、又は購入サービスと購入時刻とを含む情報である。「路線検索履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の路線検索結果と検索時刻とを含む情報である。「掲示板投稿履歴」は、「利用者ID」に紐付けられた利用者の掲示板投稿と投稿時刻とを含む情報である。
【0045】
すなわち、図5においては、利用者ID「UID#1」により識別された利用者の検索履歴が「検索履歴#U1」であり、利用者の閲覧履歴が「閲覧履歴#U1」であり、購入履歴が「購入履歴#U1」であり、路線検索履歴が「路線検索履歴#U1」であり、掲示板投稿履歴が「掲示板投稿履歴#U1」であることを示している。
【0046】
なお、行動情報記憶部122に記憶される情報は、「利用者ID」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「路線検索履歴」、「掲示板投稿履歴」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の利用者の行動に関係する情報が記憶されてよい。
【0047】
(端末情報記憶部123について)
端末情報記憶部123は、利用者端末に関する情報を示す端末情報を記憶する。ここで、図12を用いて、端末情報記憶部123が記憶する情報の一例を説明する。図12は、実施形態に係る情報処理装置の端末情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0048】
図12に示す例において、端末情報記憶部123は、「利用者ID」、「取得日時」、「端末モデル」、「メーカー」、「キャリア」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0049】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子であり、文字列や番号などによって表される。「取得日時」は、「利用者ID」により識別される利用者の利用者端末200から端末情報を取得した日時を示す。「端末モデル」は、「利用者ID」により識別される利用者の利用者端末200の型番を示し、例えば、文字列や番号によって表されてよい。「メーカー」は、「利用者ID」により識別される利用者の利用者端末200を製造したメーカーに関する情報である。「キャリア」は、「利用者ID」により識別される利用者の利用者端末200において契約している通信キャリアに関する情報である。
【0050】
すなわち、図12においては、利用者ID「UID#1」により識別される利用者の利用者端末200から取得日時「ACTM#1」に端末情報を取得し、当該の利用者端末200の端末モデルが「MDL#1」であり、当該の利用者端末200を製造したメーカーが「MK#1」であり、当該の利用者端末200の契約している通信キャリアがキャリア「CR#1」であるとして記憶されている例が示している。
【0051】
なお、端末情報記憶部123に記憶される情報は、「利用者ID」、「取得日時」、「端末モデル」、「メーカー」、「キャリア」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の端末情報に関係する情報が記憶されてよい。
【0052】
(モデル記憶部124について)
モデル記憶部124は、スイッチスコアを推定する機械学習モデルに関係する情報を記憶する。ここで、図13を用いて、モデル記憶部124が記憶する情報の一例を説明する。図13は、実施形態に係る情報処理装置のモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0053】
図13に示す例において、モデル記憶部124は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0054】
「モデルID」は、機械学習モデルを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「モデルデータ」は、機械学習モデルのモデルデータを示す。例えば、機械学習モデルは、決定木やニューラルネットワークなどであってよい。
【0055】
すなわち、図13において、モデルID「M#1」で識別されるモデルは、機械学習モデルM#1を示す。また、モデルデータ「MDT#1」は、機械学習モデルM#1のモデルデータを示す。
【0056】
ここで、機械学習モデルが決定木である場合は、決定木の分岐点となる説明変数の内容や水準などが記憶される。機械学習モデルがニューラルネットワークである場合は、モデルデータ「MDT#1」には、例えば、ニューラルネットワークを構成する複数の層のそれぞれに含まれるノードが互いにどのように結合するかという結合情報や、結合されたノード間で入出力される数値に掛け合わされる結合係数などの各種情報が含まれる。
【0057】
なお、モデル記憶部124に記憶される情報は、「モデルID」、「モデルデータ」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の機械学習モデルに関係する情報が記憶されてよい。
【0058】
(コンテンツ記憶部125について)
コンテンツ記憶部125は、事業者から受け付けたコンテンツに関係する情報を記憶する。ここで、図14を用いて、コンテンツ記憶部125が記憶する情報の一例を説明する。図14は、実施形態に係る情報処理装置のコンテンツ記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0059】
図14に示す例において、コンテンツ記憶部125は、「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「配信対象情報」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0060】
「事業者ID」は、事業者を識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツID」は、事業者から受け付けたコンテンツを識別する識別子であり文字列や番号などによって表される。「コンテンツデータ」は、「事業者ID」により識別される事業者が配信を希望する「コンテンツID」により識別されるコンテンツのデータである。「配信対象情報」は、「コンテンツID」により識別されるコンテンツの配信対象となる利用者に関する情報を示し、例えば、配信対象となる利用者のスイッチスコアの値によって指定されてよい。
【0061】
すなわち、図14においては、事業者ID「MID#1」により識別される事業者から、コンテンツID「CTID#1」によって識別されるコンテンツのデータとして、コンテンツデータ「CDDT#1」を受け付けて、当該のコンテンツの配信対象として配信対象情報「DT#1」が示す配信対象が指定されたことが一例として示されている。
【0062】
なお、コンテンツ記憶部125に記憶される情報は、「事業者ID」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」、「配信対象情報」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意のコンテンツに関係する情報が記憶されてよい。
【0063】
(制御部130について)
次に、図9に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、情報処理装置100を制御するコントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100の記憶部120に記憶されている各種プログラムを読み出して、RAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array))等の集積回路により実現されてもよい。
【0064】
制御部130は、図3に示すように、取得部131と、受付部132と、判定部133と、学習部134と、推定部135と、決定部136と、配信部137と、を有する。制御部130は、記憶部120からプログラムを読み出して、RAMを作業領域として実行することで、これらの機能を実現して、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。以下、これらの処理を、順を追って説明する。
【0065】
(取得部131について)
取得部131は、各種の情報を取得する。例えば、取得部131は、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の行動を示す行動情報と、利用者の使用する利用者端末200に関する情報を示す端末情報と、を取得する。ここで、利用者情報は、利用者に関する情報であって、例えば、利用者が所定の情報サービスを利用する際に、情報サービスの提供事業者に提供する情報である。また、行動情報は、利用者の所定の情報サービスの利用によって生じる利用者の所定の情報サービスを用いた行動を示す情報である。また、端末情報は、利用者の所有する利用者端末200に関する情報である。
【0066】
取得部131は、利用者情報を取得したら、取得した利用者情報を利用者IDに対応付けて利用者情報記憶部121に記憶する。また、取得部131は、行動情報を取得したら、取得した行動情報を利用者IDに対応付けて行動情報記憶部122に記憶する。また、取得部131は、端末情報を取得したら、取得した端末情報を利用者IDに対応付けて端末情報記憶部123に記憶する。なお、取得部131は、所定日時ごとに利用者情報と、行動情報と、端末情報のうちの少なくとも一つ又は全部を取得してもよいし、利用者が情報処理装置100にアクセスする度に利用者情報と、行動情報と、端末情報のうちの少なくとも一つ又は全部を取得してもよい。
【0067】
(受付部132について)
受付部132は、事業者端末300から各種の情報を受け付ける。例えば、事業者端末300から事業者が入力したコンテンツを受け付ける。また、受付部132は、事業者が事業者端末300に入力したコンテンツの配信対象の利用者に関する情報を示す配信対象情報を受け付ける。なお、ここで、配信対象情報は、事業者のコンテンツの配信対象となる利用者のスイッチスコアの値を示すものであってよい。受付部132は、コンテンツと配信対象情報を受け付けたら、コンテンツを入力した事業者の事業者IDと、コンテンツと、配信対象情報を対応付けてコンテンツ記憶部125に記憶する。
【0068】
また、受付部132は、事業者端末300から事業者が指定した切替後の利用者端末200または通信キャリアの指定を受け付ける。すなわち、受付部132は、推定部135によって推定する利用者が利用者端末200または通信キャリアを切り替える確率を示すスイッチスコアにおいて、切替後の利用者端末200または通信キャリアを指定を受け付ける。
【0069】
(判定部133について)
判定部133は、利用者が利用者端末200を切替えたか否かを判定する。具体的には、判定部133は、端末情報に基づいて、利用者が利用者端末200を切り替えたか否かを判定し、利用者ごとに切り替え前後の利用者端末200と通信キャリアの対応関係を示す表を生成する。まず、判定部133は、利用者ID単位で、利用が所定の日数(例えば、7日)以上続いている通信キャリアと利用者端末200の組み合わせをすべて端末情報記憶部123から取り出す。次に、判定部133は、ある利用者端末200を切替後端末として着目し、利用開始日を抽出する。次に、判定部133は、切替後端末の利用開始日より前に利用があり、切替後端末の利用開始から所定の日数(例えば、7日)以内に利用が終了する利用者端末200を、その利用者端末200の切替前端末とする。判定部133は、これら処理を他の利用者の端末情報についても同様に実行する。次に、判定部133は、切替前後の対応関係をあらわす表を生成する。
【0070】
(学習部134について)
学習部134は、利用者情報と行動情報に対する利用者が利用者端末200または通信キャリアを切替える確率を示すスイッチスコアとの関係を学習モデルに学習させる。ここで、学習モデルは、例えば、LightGBM(Light Gradient Boosting Machine)やDNN(Deep Neural Network)であってよい。なお、学習に用いる利用者情報、及び行動情報に含まれる特徴量としては、例えば、性別、年齢、特定の通信キャリアの検索の有無、特定の通信キャリアの通信プランの検索の有無、特定の通信キャリアのドメインへのページ遷移の有無、特定の端末モデルの検索の有無などが含まれていてよい。また、学習部134は、学習モデルに判定部133によって生成された切替前後の対応関係をあらわす表の情報を学習用のデータとして与えて学習させる。また、端末モデルごとに利用者情報と、行動情報を抽出して、端末モデルごとに学習モデルを学習させて、端末モデルごとに学習済みモデルを生成してもよい。
【0071】
(推定部135について)
推定部135は、利用者情報と行動情報に基づいて、利用者が利用者端末200または通信キャリアを変更する確率を示すスイッチスコアを推定する。ここで、スイッチスコアとは、利用者が利用者端末200または通信キャリアを切り替える確率を示し、例えば、0から1の数値によって表される。例えば、推定部135は、利用者情報と行動情報に対するスイッチスコアの関係を学習させた学習済みモデルを用いて、利用者ごとに利用者情報と行動情報を学習済みモデルに入力することにより、利用者ごとにスイッチスコアを推定する。
【0072】
なお、推定部135は、受付部132が受け付けた切替後の利用者端末200と通信キャリアの指定に沿って、切替後の利用者端末200または通信キャリアに切り替える確率を示すスイッチスコアを推定してもよい。すなわち、例えば、受付部132が切替後の端末モデルとして、端末モデルAの指定を受け付けた場合であれば、推定部135は、利用者ごとに端末モデルAに切り替える確率を示すスイッチスコアを推定する。また、例えば、受付部132が切替後の通信キャリアとして、キャリアDの指定を受け付けた場合であれば、利用者ごとに端末モデルDに切り替える確率を示すスイッチスコアを推定する。
【0073】
(決定部136について)
決定部136は、スイッチスコアに基づいて、コンテンツの配信対象となる利用者を決定する。例えば、決定部136は、事業者から受け付けた配信対象情報に含まれる配信対象となる利用者のスイッチスコアの値に基づいて、当該のスイッチスコアの値以上のスイッチスコアと推定された利用者をコンテンツの配信対象として決定する。なお、決定部136は、配信対象情報に含まれる配信対象となる利用者のスイッチスコアの値以下の利用者を配信対象から除外し、その他の利用者をコンテンツの配信対象として決定してもよい。
【0074】
(配信部137について)
配信部137は、配信対象に決定された利用者の利用者端末200にコンテンツを配信する。すなわち、配信部137は、コンテンツ記憶部125からコンテンツのデータを読み出して、読み出したコンテンツのデータを配信対象に決定された利用者の利用者端末200に配信する。
【0075】
〔4.利用者端末の構成〕
次に、図15を用いて、実施形態に係る利用者端末200の構成について説明する。図15は、実施形態に係る利用者端末の構成例を示す図である。図15に示すように、利用者端末200は、通信部210と、入力部220と、出力部230と、制御部240を有する。
【0076】
通信部210は、例えば、NIC、無線LANカード等によって実現される。そして、通信部210は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0077】
入力部220は、利用者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部220は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部230)を介して利用者からの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部220は、利用者端末200に設けられたボタンや、利用者端末200に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0078】
出力部230は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット型端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。つまり、利用者端末200は、入力部220がタッチパネルである場合は、出力部230である表示画面により利用者の入力を受け付け、利用者への出力も行う。また、出力部230は、スピーカーであってもよく、スピーカーにより音声を出力してよい。
【0079】
制御部240は、例えば、CPUやMPU等によって、利用者端末200に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部240は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0080】
図15に示すように、制御部240は、受付部241と、提供部242と、を有する。
【0081】
受付部241は、利用者の操作を受け付ける。例えば、受付部241は、利用者の所定の情報サービスのサイトにおける操作を受け付ける。例えば、受付部241は、検索サービスのサイトにおける検索クエリの入力操作を受け付ける。また、例えば、受付部241は、電子商取引サービスのサイトにおける商品の購入の操作を受け付ける。また、例えば、受付部241は、路線検索サービスのサイトにおける路線検索の入力操作を受け付ける。
【0082】
提供部242は、情報処理装置100から配信されたコンテンツを利用者に提供する。例えば、提供部242は情報処理装置100から配信されたコンテンツが動画である場合、出力部230に動画を出力させてコンテンツを利用者に提供する。また、例えば、提供部242は情報処理装置100から配信されたコンテンツが音声である場合、出力部230にコンテンツの音声を出力させることで、コンテンツを利用者に提供してよい。また、例えば、提供部242は情報処理装置100から配信されたコンテンツがテキストデータである場合、出力部230にテキストを表示させることで、コンテンツを利用者に提供してよい。
【0083】
〔5.事業者端末の構成〕
次に、図16を用いて、実施形態に係る事業者端末300の構成について説明する。図16は、実施形態に係る事業者端末の構成例を示す図である。図16に示すように、事業者端末300は、通信部310と、入力部320と、出力部330と、制御部340と、を有する。
【0084】
通信部310は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部310は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100との間で各種の情報の送受信を行う。
【0085】
入力部320は、事業者から各種の操作情報が入力される。例えば、入力部320は、事業者端末300に接続されたキーボードやマウスから事業者の各種操作を受け付けてもよい。また、入力部320は、タッチパネルにより表示面(例えば出力部330)を介して事業者から各種操作を受け付けてもよい。
【0086】
出力部330は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等によって実現される表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。なお、事業者端末300の入力部320が、タッチパネルを介して事業者から各種操作を受け付ける場合は、出力部330である表示画面により利用者の入力を受け付け、さらに利用者への出力も行う。また、出力部230は、スピーカーであり、スピーカーにより音声を出力してよい。
【0087】
制御部340は、例えば、CPUやMPU等によって、事業者端末300に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部340は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0088】
図10に示すように、制御部340は、受付部341を有する。
【0089】
受付部341は、事業者からコンテンツを受け付ける。コンテンツは、例えば、事業者の商品やサービスを広告する文字、音声、静止画像、動画像などを含むデータであってよい。また、受付部341は、コンテンツに加えて、配信対象情報として、例えば、コンテンツの配信対象となる利用者のスイッチスコアの値を受け付ける。すなわち、受付部341は、事業者を識別する事業者IDと、コンテンツを示すデータと、配信対象情報と、を事業者から受け付ける。
【0090】
〔6.情報処理のフロー〕
次に、図17を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。図17は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。以下、図17に示すフローチャートに沿って、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。
【0091】
まず、情報処理装置100は、利用者情報と行動情報と端末情報を取得する(ステップS101)。次に、情報処理装置100は、コンテンツと配信対象情報を受け付ける(ステップS102)。そして、情報処理装置100は、利用者ごとに利用者のスイッチスコアを推定する(ステップS103)。そして、情報処理装置100は、スイッチスコアに基づいて、コンテンツの配信対象となる利用者を決定する(ステップS104)。そして、情報処理装置100は、配信対象に決定された利用者の利用者端末200にコンテンツを配信する(ステップS105)。
【0092】
これによれば、利用者情報と行動情報に基づいて、利用者が利用者端末200または通信キャリアを切り替える確率を推定して、推定された確率に基づいて、コンテンツを配信する利用者を決定し、決定された利用者にコンテンツを配信することができる。したがって、利用者が利用者端末を切り替える可能性を予測して、当該の予測に応じてコンテンツを配信することができる情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することができる。
【0093】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図18に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図18は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0094】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが記憶される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0095】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0096】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0097】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0098】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0099】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、情報処理装置100の制御部130の機能を実現する。
【0100】
〔8.構成と効果〕
本開示に係る情報処理装置100は、利用者が利用している利用者端末に関する情報を示す端末情報と、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報と、を取得する取得部131と、利用者情報と行動情報に基づいて、利用者が利用者端末200または通信キャリアを変更する確率を示すスイッチスコアを推定する推定部135と、スイッチスコアに基づいて、コンテンツの配信対象となる利用者を決定する決定部136と、配信対象に決定された利用者の利用者端末200にコンテンツを配信する配信部137と、を備える。
【0101】
この構成によれば、利用者情報と行動情報に基づいて、利用者が利用者端末200または通信キャリアを切り替える確率を推定して、推定された確率に基づいて、コンテンツを配信する利用者を決定し、決定された利用者にコンテンツを配信することができる。したがって、利用者が利用者端末200を切り替える可能性を予測して、当該の予測に応じてコンテンツを配信することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0102】
本開示に係る情報処理装置100は、端末情報に基づいて、利用者が利用者端末200を切り替えたか否かを判定し、利用者ごとに切り替え前後の利用者端末と通信キャリアの対応関係を示す表を生成する判定部133と、をさらに備える。
【0103】
この構成によれば、端末情報に基づいて、利用者が利用者端末200を切り替えたか否かを判定し、利用者ごとに切り替え前後の端末と通信キャリアの対応関係を示す情報を生成することができる。そのため、利用者端末200を切り替えた利用者の利用者情報と、行動情報に基づいて、利用者端末200を切り替える利用者の特徴を、学習用モデルに学習させることができる。したがって、利用者が利用者端末200を切り替える可能性を予測して、当該の予測に応じてコンテンツを配信することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0104】
本開示に係る情報処理装置100の判定部133は、切替後の利用者端末200の利用開始日より前に利用履歴があり、切替後の利用者端末200の利用開始から所定の日数以内に利用が終了する利用者端末200を当該切替後の利用者端末200の切替前の利用者端末200として判定する。
【0105】
この構成によれば、端末情報に基づいて、正確に利用者が利用者端末200を切り替えたか否かを判定することができる。したがって、利用者が利用者端末200を切り替える可能性を予測して、当該の予測に応じてコンテンツを配信することができる情報処理装置100を提供することができる。
【0106】
本開示に係る情報処理方法は、利用者が利用している利用者端末200に関する情報を示す端末情報と、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報と、を取得するステップと、利用者情報と行動情報に基づいて、利用者が利用者端末200または通信キャリアを変更する確率を示すスイッチスコアを推定するステップと、スイッチスコアに基づいて、コンテンツの配信対象となる利用者を決定するステップと、配信対象に決定された利用者の利用者端末200にコンテンツを配信するステップと、を含む。
【0107】
この構成によれば、利用者情報と行動情報に基づいて、利用者が利用者端末200または通信キャリアを切り替える確率を推定して、推定された確率に基づいて、コンテンツを配信する利用者を決定し、決定された利用者にコンテンツを配信することができる。したがって、利用者が利用者端末200を切り替える可能性を予測して、当該の予測に応じてコンテンツを配信することができる情報処理方法を提供することができる。
【0108】
本開示に係る情報処理プログラムは、利用者が利用している利用者端末200に関する情報を示す端末情報と、利用者に関する情報を示す利用者情報と、利用者の所定の情報サービスにおける行動を示す行動情報と、を取得するステップと、利用者情報と行動情報に基づいて、利用者が利用者端末200または通信キャリアを変更する確率を示すスイッチスコアを推定するステップと、スイッチスコアに基づいて、コンテンツの配信対象となる利用者を決定するステップと、配信対象に決定された利用者の利用者端末200にコンテンツを配信するステップと、をコンピュータに実行させる。
【0109】
この構成によれば、利用者情報と行動情報に基づいて、利用者が利用者端末200または通信キャリアを切り替える確率を推定して、推定された確率に基づいて、コンテンツを配信する利用者を決定し、決定された利用者にコンテンツを配信することができる。したがって、利用者が利用者端末200を切り替える可能性を予測して、当該の予測に応じてコンテンツを配信することができるプログラムを提供することができる。
【0110】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0111】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部131は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0112】
1 情報処理システム
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報記憶部
122 行動情報記憶部
123 端末情報記憶部
124 モデル記憶部
125 コンテンツ記憶部
130 制御部
131 取得部
132 受付部
133 判定部
134 学習部
135 推定部
136 決定部
137 配信部
200 利用者端末
210 通信部
220 入力部
230 出力部
240 制御部
241 受付部
242 提供部
300 事業者端末
310 通信部
320 入力部
330 出力部
340 制御部
341 受付部
N ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18