(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165484
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】中空樹脂粒子およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08F 255/02 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
C08F255/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081729
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】森本 亮平
【テーマコード(参考)】
4J026
【Fターム(参考)】
4J026AA12
4J026AA13
4J026AA54
4J026BA05
4J026BA07
4J026BA27
4J026DA13
4J026DB04
4J026DB12
4J026EA06
4J026FA07
4J026GA01
4J026GA02
4J026GA08
(57)【要約】
【課題】電気特性、耐熱性、塗膜とした場合の柔軟性に優れる中空樹脂粒子を提供する。
【解決手段】シェル部と、シェル部により囲われた中空部分とを有する中空樹脂粒子であって、シェル部が、ポリオレフィン樹脂(A)とビニル系樹脂(B)とを含み、
ポリオレフィン樹脂(A)が、オレフィン成分と、共重合成分としての不飽和カルボン酸成分を含有する、中空樹脂粒子である。オレフィン成分が、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを含有し、プロピレンの含有量が、オレフィン成分100質量%に対して、60質量%以上であることが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェル部と、シェル部により囲われた中空部分とを有する中空樹脂粒子であって、
シェル部が、ポリオレフィン樹脂(A)とビニル系樹脂(B)とを含み、
ポリオレフィン樹脂(A)が、オレフィン成分と、共重合成分としての不飽和カルボン酸成分を含有する、中空樹脂粒子。
【請求項2】
オレフィン成分が、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを含有し、プロピレンの含有量が、オレフィン成分100質量%に対して、60質量%以上である、請求項1記載の中空樹脂粒子。
【請求項3】
不飽和カルボン酸成分の含有量が、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンの合計100質量部に対して、0.1~10.0質量部である、請求項1または2に記載の中空樹脂粒子。
【請求項4】
ビニル系樹脂(B)が、共重合成分としての架橋性モノマーを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の中空樹脂粒子。
【請求項5】
プロピレン以外のオレフィンがエチレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンよりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の中空樹脂粒子。
【請求項6】
体積平均粒子径が0.05~20μmである、請求項1または2に記載の中空樹脂粒子。
【請求項7】
請求項1または2に記載の中空樹脂粒子の製造方法であって、以下の工程(I)および(II)を含むことを特徴とする製造方法。
(I)オレフィン成分と、共重合成分としての不飽和カルボン酸成分を含有するポリオレフィン樹脂を、
塩基性化合物および水性媒体と混合することにより、ポリオレフィン樹脂を水性分散液化する工程。
(II)上記(I)で得られたポリオレフィン樹脂の水性分散液の存在下に、ビニル系モノマーを重合する工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空樹脂粒子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
粒子内部に空隙を有する中空樹脂粒子は、低誘電特性、断熱性、光散乱性等に優れており、種々開発されている。中空樹脂粒子として、従来、シリカや金属酸化物等の無機物からなるものが用いられていたが、無機物は、密度が高く、軽量性が求められる用途の粒子には不適であるという問題があった。
【0003】
このような背景から、近年では、有機高分子からなる中空樹脂粒子の検討がなされている。例えば、特許文献1および2においては、アクリル系樹脂から成る中空樹脂粒子が提案されている。一般に、アクリル樹脂について、誘電率の数値が高いこと、また、耐熱性が不十分であることが知られている。このことから、特許文献1および2に記載のアクリル系中空樹脂粒子は、優れた電気特性または耐熱性の要求される目的に対しては不向きである。
【0004】
近年、中空樹脂微粒子を配合した塗料・インキの検討が為されている。例えば、特許文献3においては、中空樹脂粒子を配合した塗料が提案されている。しかしながら、特許文献3に記載の中空樹脂粒子を構成する樹脂成分は、柔軟性が十分でなく、中空樹脂粒子を添加した塗膜を折り曲げた際に、塗膜にヒビや白化が生じるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-33503号公報
【特許文献2】特開2013-221070号公報
【特許文献3】特開2018-123251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、これらの問題に鑑み、電気特性、耐熱性、塗膜とした場合の柔軟性に優れる中空樹脂粒子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、シェル部に、オレフィン成分と共重合成分としての不飽和カルボン酸成分とを含有するポリオレフィン樹脂、およびビニル系樹脂を含有する中空樹脂粒子が、電気特性、耐熱性、塗膜とした場合の柔軟性に優れることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、次のとおりである。
【0008】
(1)シェル部と、シェル部により囲われた中空部分とを有する中空樹脂粒子であって、
シェル部が、ポリオレフィン樹脂(A)とビニル系樹脂(B)とを含み、
ポリオレフィン樹脂(A)が、オレフィン成分と、共重合成分としての不飽和カルボン酸成分を含有する、中空樹脂粒子。
(2)オレフィン成分が、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを含有し、プロピレンの含有量が、オレフィン成分100質量%に対して、60質量%以上である、(1)の中空樹脂粒子。
(3)不飽和カルボン酸成分の含有量が、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンの合計100質量部に対して、0.1~10.0質量部である、(1)または(2)の中空樹脂粒子。
(4)ビニル系樹脂(B)が、共重合成分としての架橋性モノマーを含有することを特徴とする、(1)~(3)のいずれかの中空樹脂粒子。
(5)プロピレン以外のオレフィンがエチレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンよりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする、(1)~(4)のいずれかの中空樹脂粒子。
(6)体積平均粒子径が0.05~20μmである、(1)~(5)のいずれかの中空樹脂粒子。
(7)(1)~(6)のいずれかの中空樹脂粒子の製造方法であって、以下の工程(I)および(II)を含むことを特徴とする製造方法。
(I)オレフィン成分と、共重合成分としての不飽和カルボン酸成分を含有するポリオレフィン樹脂を、
塩基性化合物および水性媒体と混合することにより、ポリオレフィン樹脂を水性分散液化する工程。
(II)上記(I)で得られたポリオレフィン樹脂の水性分散液の存在下に、ビニル系モノマーを重合する工程。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電気特性、耐熱性、塗膜とした場合の柔軟性に優れる、中空樹脂粒子を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の中空樹脂粒子は、シェル部と、シェル部により囲われた中空部分とを有する。
さらに、シェル部が、ポリオレフィン樹脂(A)とビニル系樹脂(B)とを含み、ポリオレフィン樹脂(A)が、オレフィン成分と、共重合成分としての不飽和カルボン酸成分を含有する。
【0011】
本発明でいう中空とは、内部が樹脂以外の物質、例えば、気体や液体等で満たされている状態を意味し、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは、気体で満たされている状態を意味する。
【0012】
シェル部とシェル部により囲われた中空部分は、1つの中空領域からなるものであってもよいし、複数の中空領域からなるものであってもよい。
【0013】
シェル部とシェル部により囲われた中空部分は、多孔質構造からなるものであってもよい。多孔質構造である場合、中空部分が1つの中空領域(連続孔)からなる場合と複数の中空領域(独立孔)からなる場合とこれらの混合形態からなる場合があり得る。
【0014】
<ポリオレフィン樹脂(A)>
本発明の中空樹脂粒子を構成するポリオレフィン樹脂は、オレフィン成分と不飽和カルボン酸成分とを含有するものである。
【0015】
本発明において、ポリオレフィン樹脂は、オレフィン成分と、共重合成分としての不飽和カルボン酸成分とを含有し、不飽和カルボン酸成分の含有量が、オレフィン成分100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましく、0.5~7質量部であることがより好ましく、1~4質量部であることがより好ましい。ポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸成分の含有量がこの範囲を外れると、後述する中空樹脂粒子の製造において、粒子内部に中空部が形成されにくくなる。
【0016】
不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等、これらの無水物などが挙げられる。中でも、後述する樹脂の水性分散化において、樹脂を安定的に分散させるために、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。これらの不飽和カルボン酸は、ポリオレフィン樹脂中に2種類以上含まれていてもよい。
【0017】
不飽和カルボン酸成分は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されない。例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
【0018】
不飽和カルボン酸成分を未変性ポリオレフィン樹脂へ導入する方法は、特に限定されず、例えば、ラジカル発生剤存在下、未変性ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸とを、未変性ポリオレフィン樹脂の融点以上に加熱溶融し、反応させる方法や、未変性ポリオレフィン樹脂を有機溶剤に溶解した後、ラジカル発生剤の存在下で加熱、攪拌し反応させる方法等により、未変性ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸をグラフト共重合することができる。特に操作が簡便である点から、前者の方法が好ましい。
【0019】
グラフト共重合に使用するラジカル発生剤としては、例えば、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert-ブチルハイドロパーオキサイド、tert-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボナート、エチルエチルケトンパーオキサイド、ジ-tert-ブチルジパーフタレート等の過酸化物や、2,2′-アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物が挙げられる。これらは、反応温度によって、適宜、選択して使用すればよい。
【0020】
本発明におけるポリオレフィン樹脂は、重量平均分子量が、10,000以上、250,000未満であることが好ましく、15,000以上、150,000未満であることがより好ましく、20,000以上、60,000未満であることがさらに好ましい。ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が10,000未満であると、得られる中空樹脂粒子は、強度が低下する傾向がある。一方、ポリオレフィン樹脂は、重量平均分子量が250,000以上であると、後述する中空樹脂粒子の製造方法において、水性分散液化が困難となることがある。
【0021】
本発明において、オレフィン成分は、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを含有することが好ましい。プロピレンの含有量が、オレフィン成分100質量%に対して、60質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上99.5質量%以下であることがさらに好ましく、80質量%以上99質量%以下であることが特に好ましい。ポリオレフィン樹脂は、プロピレンの割合が60質量%を下回ると、得られる中空樹脂粒子の耐熱性が低下する傾向がある。
【0022】
プロピレン以外のオレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、イソブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、ノルボルネン類等のアルケン類や、ブタジエンやイソプレン等のジエン類が挙げられる。中でも、樹脂製造のし易さの点から、エチレンまたは1-ブテンが好ましく、エチレンがより好ましい。
【0023】
シェル中のポリオレフィン樹脂の含有割合は、本発明の効果をより発現させ得る点で、25質量%~95質量%であることが好ましく、35質量%~90質量%であることがより好ましく、40質量%~80質量%であることがさらに好ましく、45質量%~75質量%であることが特に好ましい。シェル中のポリオレフィン樹脂の含有割合が、この範囲を下回ると、中空樹脂粒子を添加した塗膜を折り曲げた際に、塗膜にヒビや白化が生じる傾向がある。また、シェル中のポリオレフィン樹脂の含有割合が、この範囲を上回ると、得られる中空樹脂粒子の耐熱性が低下する傾向がある。
【0024】
本発明におけるポリオレフィン樹脂は、結晶性を有するものであることが好ましい。本発明において、結晶性を有するとは、DSC(示差走査熱量計)を用いて、JIS K 7121に準拠して測定した場合において、昇温時に結晶融点(以下、融点という)を有し、融解熱量が0.1J/g以上であることをいう。
【0025】
<ビニル系樹脂>
本発明において、ビニル系樹脂(B)は、ビニル系単量体を重合することで得られる樹脂である。
【0026】
本発明において、ビニル系樹脂は、共重合成分としての架橋性モノマーを含有していることが好ましい。架橋性モノマーを共重合することにより、得られる中空樹脂粒子の耐熱性が向上する傾向がある。
【0027】
本発明において、架橋性モノマーは、重合性を示すビニル基を、1分子中に2つ以上の有するモノマーである。
【0028】
架橋性モノマーとしては、特に制限はないが、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル酸系モノマー;N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能(メタ)アクリルアミド系モノマー;ジアリルアミン、テトラアリロキシエタン等の多官能アリル系モノマー;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジアリルフタレート等のスチレン系架橋性モノマー;が挙げられる。本発明の効果をより発現し得る点で、架橋性モノマーとしては、スチレン系架橋性モノマーが好ましく、ジビニルベンゼンがより好ましい。架橋性モノマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0029】
本発明において、ビニル系樹脂は、共重合成分としての単官能ビニル系モノマーを含有してもよい。単官能ビニル系モノマーとしては、公知のものを用いることができ、例えば、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸系モノマー、ジエン系モノマー、(メタ)アクリルアミド系モノマーなどが挙げられる。
【0030】
スチレン系モノマーとしては、特に制限はないが、具体例としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、ビニルトルエン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、p-スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0031】
(メタ)アクリル酸系モノマーとしては、特に制限はないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸アリル、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリラート、(メタ)アクリル酸3-(トリメトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸3-(トリエトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸2,2,2-トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸2-(パーフルオロブチル)エチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。
【0032】
ジエン系モノマーとしては、特に制限はないが、例えば、ブタジエン、イソプレン、ファルネセン、ミルセン等が挙げられる。
【0033】
(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、特に制限はないが、例えば、(メタ)クリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる
【0034】
また、上記のビニル系モノマー以外にも、重合性を示すビニル系化合物であれば、特に制限なく用いることができ、例えば、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、1-ビニルイミダゾール、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、ケイ皮酸、マレイン酸アルキルエステル類、フマル酸アルキルエステル類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水アコニット酸などを用いることができる。
【0035】
本発明において、ビニル系樹脂は、ポリオレフィン樹脂と共有結合を形成していてもよい。
【0036】
本発明において、中空樹脂粒子のシェル部を構成するポリオレフィン樹脂/ビニル系樹脂の質量比は、97/3~15/85であることが好ましく、85/15~30/70であることがより好ましく、75/25~35/65であることがさらに好ましく、70/30~45/55であることが特に好ましい。ポリオレフィン樹脂/ビニル系樹脂の質量比がこの範囲内にあることで、誘電特性と柔軟性が共にいっそう優れる中空樹脂粒子を得ることができる。
【0037】
本発明の中空樹脂粒子の体積平均粒子径は0.05μm~20μmであることが好ましく、0.05μm~5μmであることがより好ましく、0.1μm~2μmがさらに好ましく、0.1μm~1μmが特に好ましい。中空樹脂粒子の体積平均粒子径が0.05μm未満になると、シェル部の厚みが相対的に薄くなるため、十分な強度を有する中空樹脂粒子とならないおそれがある。また、中空樹脂粒子の体積平均粒子径が20μmを超えると、バインダー樹脂中に中空樹脂粒子を添加して樹脂材料を得る用途において、樹脂材料の厚みを薄膜化することが困難となる。
【0038】
<中空樹脂粒子の製造方法>
本発明の中空樹脂粒子の製造方法は、ポリオレフィン樹脂を水性分散化する工程(I)と、ポリオレフィン樹脂の水性分散液の存在下に、ビニル系モノマーを重合して中空樹脂粒子の水性分散液を得る工程(II)とを含むことが好ましい。
【0039】
(工程(I))
工程(I)において、ポリオレフィン樹脂として、オレフィン成分と不飽和カルボン酸成分とを含有し、オレフィン成分が、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを含有し、プロピレンの含有量が、オレフィン成分100質量%に対して、60質量%以上であり、不飽和カルボン酸成分の含有量が、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンの合計100質量部に対して、0.1~10.0質量部である樹脂を使用することが好ましい。
【0040】
ポリオレフィン樹脂の水性分散化は、上述のポリオレフィン樹脂を、塩基性化合物および水性媒体と混合して、0.15MPa以上の加圧条件下で撹拌して行われる。0.15MPa以上に加圧する方法は、特に限定されないが、例えば、密閉容器中で加熱する方法が挙げられる。
【0041】
ポリオレフィン樹脂の水性分散化は、水性媒体として、水と有機溶剤の混合物を使用してもよく、有機溶剤の含有量は、水性媒体の50質量%以下であることが好ましく、1~45質量%であることがより好ましく、2~40質量%であることがさらに好ましい。有機溶剤の含有量が50質量%を超えると、使用する有機溶剤の種類によっては、ポリオレフィン樹脂の分散安定性が低下することがある。
【0042】
ポリオレフィン樹脂の水性分散化に使用する有機溶剤は、良好な水性分散液を得るという点から、20℃における水に対する溶解性が10g/L以上であることが好ましく、20g/L以上であることがより好ましく、50g/L以上であることがさらに好ましい。また、有機溶剤は、常圧時の沸点が250℃未満であることが好ましく、200℃未満であることがより好ましい。有機溶剤は、沸点が250℃を超えると、後述する脱溶剤工程において、除去が困難となることがある。
【0043】
有機溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec-アミルアルコール、tert-アミルアルコール、1-エチル-1-プロパノール、2-メチル-1-ブタノール、n-ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸-sec-ブチル、酢酸-3-メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、さらには、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル、1,2-ジメチルグリセリン、1,3-ジメチルグリセリン、トリメチルグリセリン等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で用いられてもよいし、2種以上を混合して用いられてもよい。
【0044】
上記の有機溶剤の中でも、樹脂の水性分散化促進に効果が高いという点から、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、これらの中でも水酸基を分子内に1つ有する有機溶剤がより好ましく、少量の添加で樹脂を水性分散化できる点から、n-プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、エチレングリコールアルキルエーテル類がさらに好ましい。
【0045】
また、ポリオレフィン樹脂の水性分散化に使用する塩基性化合物としては、アンモニア、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、イソブチルアミン、ジプロピルアミン、3-エトキシプロピルアミン、3-ジエチルアミノプロピルアミン、sec-ブチルアミン、プロピルアミン、n-ブチルアミン、2-メトキシエチルアミン、3-メトキシプロピルアミン、2,2-ジメトキシエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、ピロール、ピリジン等が挙げられる。また、塩基性化合物として、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の金属水酸化物も用いることができる。
【0046】
ポリオレフィン樹脂の水性分散化を終えた後に、水性分散液中に含有される、有機溶剤の一部または全部を、必要に応じて、一般に「ストリッピング」と呼ばれる脱溶剤処理によって除去してもよい。脱溶剤処理は、加熱や減圧などの方法によって実施することができる。脱溶剤処理により、ポリオレフィン樹脂の水性分散液中でビニル系モノマーを重合する際、用いる媒体を所望の組成にすることが容易となる。
【0047】
ポリオレフィン樹脂からなる粒子の体積平均粒子径は0.005μm~10μmであることが好ましく、0.005μm~3μmがより好ましく、0.01μm~1.5μmがさらに好ましく、0.05μm~0.8μmが特に好ましい。ポリオレフィン樹脂からなる粒子の体積平均粒子径がこの範囲内にあることによって、得られる中空樹脂粒子の体積平均粒子径が好ましい範囲内になり易い。
【0048】
(工程(II))
工程(II)においては、上記ポリオレフィン樹脂の水性分散液の存在下、ビニル系モノマーと重合開始剤を添加して、重合を行う。重合の方法は特に限定されず、例えば、分散重合または乳化重合が挙げられる。
【0049】
本発明において、分散重合とは、媒体にビニル系モノマーを溶解させ、重合開始剤を添加して重合させる方法である。
ポリオレフィン樹脂の水性分散液の存在下に、ビニル系モノマーを分散重合して中空樹脂粒子の水性分散液を得る工程においては、媒体として、ポリオレフィン樹脂、および、重合により生成するビニル系樹脂を溶解せず、原料のビニル系モノマーを溶解することのできるものを用いることが必要である。
【0050】
分散重合に用いられる媒体としては、特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec-アミルアルコール、tert-アミルアルコール、1-エチル-1-プロパノール、2-メチル-1-ブタノール、n-ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸-sec-ブチル、酢酸-3-メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体;N,N-ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピリジン等のアミン類;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン等の飽和炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン等の芳香族炭化水素類;その他、3-メトキシ-3-メチルブタノール、3-メトキシブタノール、アセトニトリル、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0051】
ポリオレフィン樹脂の水性分散液の存在下に、ビニル系モノマーの分散重合を行う場合、後述の界面活性剤および/または分散安定剤を用いることもできる。
【0052】
本発明において、乳化重合とは、媒体にビニル系モノマーを混合し、重合開始剤を添加して重合させる方法である。
ポリオレフィン樹脂の水性分散液の存在下に、ビニル系モノマーを乳化重合して中空樹脂粒子の水性分散液を得る工程においては、媒体として、ビニル系モノマーを溶解し難いものを用いることが必要である。
【0053】
乳化重合に用いられる媒体としては、特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec-アミルアルコール、tert-アミルアルコール、1-エチル-1-プロパノール、2-メチル-1-ブタノール、n-ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸-sec-ブチル、酢酸-3-メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体;N,N-ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピリジン等のアミン類;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン等の飽和炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン等の芳香族炭化水素類;その他、3-メトキシ-3-メチルブタノール、3-メトキシブタノール、アセトニトリル、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等が挙げられ、これらを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0054】
ポリオレフィン樹脂の水性分散液の存在下に、ビニル系モノマーの乳化重合を行う場合、後述の界面活性剤および/または分散安定剤を用いることもできる。
【0055】
発明において、ビニル系モノマーを重合する目的で使用する重合開始剤は、特に限定されず、公知のアゾ系化合物や過酸化物が使用可能である。
【0056】
例えば、アゾ系化合物としては、2,2′-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2′-アゾビス(2,3-ジメチルブチロニトリル)、2,2′-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)、2,2′-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2′-アゾビス(2,3,3-トリメチルブチロニトリル)、2,2′-アゾビス(2-イソプロピルブチロニトリル)、2,2′-アゾビス[N-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチルプロパンアミド]、2,2′-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]四水和物、4,4′-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2′-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩等が挙げられる。
【0057】
過酸化物としては、ジ-tert-ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert-ブチルヒドロパーオキシド、tert-ブチルクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジラウリルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキシド、ジ-tert-ブチルジパーフタレート、シクロヘキサノンパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキシド、過酢酸、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
【0058】
また、過酸化物は還元剤との組み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用することができる。この還元剤としては、特に限定されないが、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩;L-アスコルビン酸、酒石酸などのカルボン酸類;ジメチルアニリン等のアミン類;二酸化チオ尿素等が挙げられる。これらの還元剤は単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。還元剤の使用量は、過酸化物100質量部に対して1~1000質量部であることが好ましい。
【0059】
ビニル系モノマーの重合において、ビニル系モノマーおよび重合開始剤を添加する方法は、特に限定されず、一括添加してもよく、複数回に分けて分割添加してもよく、滴下してもよい。
ビニル系モノマーの重合雰囲気は、特に限定されないが、酸素による重合阻害を抑制する観点から、窒素等の不活性ガス雰囲気が好ましい。
【0060】
ビニル系モノマーの重合温度は、0~160℃が好ましく、25~130℃がより好ましい。重合温度が0℃を下回ると、重合速度が低下することがあり、生産性の観点から好ましくない。また、重合温度が160℃を超えると、得られるビニル系樹脂は、分子量が小さくなる傾向があり、これに起因して、得られる中空樹脂粒子のシェル部の強度が低下する傾向がある。
【0061】
ポリオレフィン樹脂の水性分散液、および中空樹脂粒子の水性分散液の製造方法において、界面活性剤および/または分散安定剤を用いることもできる。
界面活性剤および分散安定剤を用いる方法としては、媒体中に含ませる方法や、また、ポリオレフィン樹脂および/またはビニル系樹脂と化学的に結合させる方法が挙げられる。界面活性剤と、ポリオレフィン樹脂および/またはビニル系樹脂との結合の態様は、特に限定されないが、例えば、分子中にラジカル重合可能なビニル基をもつ、いわゆる反応性界面活性剤を、ポリオレフィン樹脂および/またはビニル系樹脂に、ラジカル重合により共重合させた態様等が挙げられる。また、分散安定剤と、ポリオレフィン樹脂および/またはビニル系樹脂との結合の態様も、特に限定されないが、例えば、分散安定剤を、オレフィン樹脂および/またはビニル系樹脂にグラフト共重合させた態様等が挙げられる。
【0062】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。
【0063】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられる。
【0064】
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレートなどの四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0065】
反応性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンKH-05、KH-10、KH-20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSR-10N、SR-20N、花王製ラテムルPD-104など)、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステル塩系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製アクアロンAR-10、AR-20など)、スルフォコハク酸エステル系(市販品としては、例えば、花王株式会社製ラテムルS-120、S-120A、S-180P、S-180A、三洋化成株式会社製エレミノールJS-2など)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩系もしくはポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル硫酸塩系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンHS-10、HS-20、HS-30、BC-10、BC-20、株式会社ADEKA製アデカリアソープSDX-222、SDX-223、SDX-232、SDX-233、SDX-259、SE-10N、SE-20N、など)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製アントックスMS-60、MS-2N、三洋化成工業株式会社製エレミノールRS-30など)、リン酸エステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製H-3330PL、株式会社ADEKA製アデカリアソープPP-70など)等のアニオン系反応性界面活性剤;およびポリオキシエチレンアルキルエーテル系(市販品としては、例えば、株式会社ADEKA製アデカリアソープER-10、ER-20、ER-30、ER-40、花王株式会社製ラテムルPD-420、PD-430、PD-450等)、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル系(市販品としては、第一工業製薬株式会社製アクアロンAN-10、AN-20等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系もしくはアルキルフェニルエステル系(市販品としては、例えば、第一工業製薬株式会社製アクアロンRN-10、RN-20、RN-30、RN-50、株式会社ADEKA製アデカリアソープNE-10、NE-20、NE-30、NE-40等)、(メタ)アクリレート硫酸エステル系(市販品としては、例えば、日本乳化剤株式会社製RMA-564、RMA-568、RMA-1114)等のノニオン系反応性界面活性剤等が挙げられる。
【0066】
分散安定剤としては、特に限定されるものではないが、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルピロリドン-酢酸ビニル)共重合体、ポリアクリル酸、デンプン、アラビアゴム、トラガントゴム、カゼイン、ゼラチン、デキストリン、カルボキシル化デンプン、カチオン化デンプン、デキストリン、エチルセルロース、カルボキシル化メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化セルロース等が挙げられる。
【0067】
上記の界面活性剤および分散安定剤は単独で、または2種類以上混合して用いることができる。
【0068】
<中空樹脂粒子の用途>
本発明中空樹脂粒子は、各種用途に採用することができる。当該用途としては、例えば、半導体部材用樹脂組成物、塗料組成物、化粧料、紙被覆組成物、断熱性組成物、光拡散性組成物、光拡散フィルム等が挙げられる。
【0069】
上記の半導体部材用樹脂組成物、塗料組成物、化粧料、紙被覆組成物、断熱性組成物、光拡散性組成物、光拡散フィルム等には、本発明の中空樹脂粒子以外の成分を含有してもよい。例えば、バインダー樹脂、溶剤、塗面調整剤、流動性調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、体質顔料、着色顔料、金属顔料、マイカ粉顔料、染料などが含まれていてもよい。
【実施例0070】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0071】
(1)ポリオレフィン樹脂の組成
オルトジクロロベンゼン(d4)中、140℃にて1H-NMR、13C-NMR分析(日本電子社製の分析装置、500MHz)を行い、求めた。13C-NMR分析では、定量性を考慮したゲート付きデカップリング法を用いて測定した。
また、不飽和カルボン酸成分の含有量は、ポリオレフィン樹脂の酸価、ポリオレフィン樹脂1g当りの不飽和カルボン酸の質量を後述の手法によって測定し、その値から、次式によって求めた。
不飽和カルボン酸成分の含有量(質量%)=(不飽和カルボン酸の質量)/(原料オレフィン樹脂の質量)×100
【0072】
<ポリオレフィン樹脂の酸価の測定法>
ポリオレフィン樹脂0.15gをテトラヒドロフラン(THF)20mL中で還流し、樹脂が完全に溶解したのを確認後、溶液を撹拌しながら温度を60℃に維持した。このポリオレフィン樹脂のTHF溶液にクレゾールレッド指示薬を数滴添加し、濃度0.1mol/Lの水酸化カリウムメタノール溶液で滴定した。この滴定量からポリオレフィン樹脂の酸価を算出した。
【0073】
<ポリオレフィン樹脂1g当りの不飽和カルボン酸の質量の算出>
不飽和カルボン酸の質量(mg/g)=(ポリオレフィン樹脂の酸価(mgKOH/g)/KOHの式量)×不飽和カルボン酸の分子量*
(*不飽和カルボン酸成分がジカルボン酸またはその無水物の場合、分子量に1/2を乗じた値を採用する。)
【0074】
(2)粒子の体積平均粒子径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用い、体積平均粒子径を求めた。体積粒子径算出に用いる樹脂の屈折率は1.50とした。
【0075】
(3)比誘電率
ポリアリレート樹脂(ユニチカ社製 ユニファイナー M-2000H)を、15質量%の固形分となるように、シクロヘキサノンに溶解させた。このポリアリレート樹脂のシクロヘキサノン溶液15gに、実施例および比較例にて得られた各粒子0.6gを加え、自転・公転ミキサー(THINKY社製 ARE-250)を用いて脱泡攪拌し、塗剤を調製した。
調製した塗剤を、厚さ5mmのガラス板上に、アプリケーターを用いてウエット厚250μmとなるように塗工した後、160℃にて40分間加熱し、シクロヘキサノンを除去した。室温まで冷却後、得られたフィルムの比誘電率を空洞共振法(測定周波数:5GHz)にて測定した。なお、中空樹脂粒子を含まないフィルムの比誘電率を測定したところ、2.6であった。
【0076】
(4)耐熱性
示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製 TG/DTA6200、AST-2)を用い、5%熱重量減少温度を測定することにより、耐熱性を評価した。サンプリング方法と温度条件は、以下のとおりとした。
白金製測定容器の底に、粒子10.5±0.5mgを隙間のないように充填し、測定用のサンプルとした。窒素ガス流量230mL/分のもと、アルミナを基準物質として、5%熱重量減少温度を測定した。TG/DTA曲線は、昇温速度10℃/分で30℃から500℃までサンプルを昇温させて得た。この得られた曲線から装置付属の解析ソフトを用いて、5%重量減少時の温度を算出し、耐熱性を評価した。実用性の観点から、当試験条件における5%重量減少時の温度は、300℃以上であることが好ましい。
【0077】
(5)塗膜の柔軟性
共重合ポリエステル樹脂(ユニチカ社製 エリーテル UE-9100)5gと、エポキシ系硬化剤(ナガセケムテックス社製 デナコール EX-614B)0.2gとを、トルエンとメチルエチルケトンの混合溶媒(混合質量比1:1)に溶解し、固形分25質量%の溶液を作製した。この溶液9gに、実施例および比較例にて得られた各粒子0.6gを加え、自転・公転ミキサー(THINKY社製 ARE-250)を用いて脱泡攪拌し、塗剤を調製した。
調製した塗剤を、二軸延伸ポリエステルフィルム(ユニチカ社製 エンブレット S-50、厚み50μm)のコロナ処理面上に、アプリケーターを用いてウエット厚150μmとなるように塗工した後、160℃にて40分間加熱し、トルエンおよびメチルエチルケトンを除去した。室温まで冷却後、得られたフィルムを塗工面が外側となるように折り返し、ゴム板で上下を挟んだ状態で10kgの荷重を積載した。1時間後、荷重を降ろしてフィルムを取り出し、折り目をつけた部分を元の状態に戻して、目視にて塗膜の外観を確認した。塗膜のヒビまたは白化の程度に基づき、下記の基準にて、塗膜の柔軟性を評価した。
○:ヒビまたは白化が見られない。
×:ヒビおよび/または白化が見られる。
【0078】
調製例1 ポリオレフィン樹脂「P-1」
プロピレン-エチレン共重合体(プロピレン/エチレン=97.9/2.1、質量比)280gを、4つ口フラスコ中において、窒素雰囲気下で加熱溶融させた。その後、系内温度を170℃に保って、撹拌下、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸10.0gと、ラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド6.0gとを、それぞれ1時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応生成物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、ポリオレフィン樹脂「P-1」を得た。
【0079】
調製例2 ポリオレフィン樹脂「P-2」
プロピレン-エチレン共重合体(プロピレン/エチレン=59.0/41.0、質量比)280gを、4つ口フラスコ中において、窒素雰囲気下で加熱溶融させた。その後、系内温度を170℃に保って、撹拌下、無水マレイン酸32.0gと、ラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド6.0gとをそれぞれ1時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応生成物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥して、ポリオレフィン樹脂「P-2」を得た。
【0080】
調製例3 ポリオレフィン樹脂「P-3」
プロピレン-ブテン共重合体(プロピレン/ブテン=81.6/18.4、質量比)を用いたこと以外は、調製例1と同様にしてポリオレフィン樹脂「P-3」を得た。
【0081】
調製例4 ポリオレフィン樹脂水性分散液「E-1」
ヒーターおよび圧力計付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60gのポリオレフィン樹脂「P-1」、69gのテトラヒドロフラン、24gのイソプロピルアルコール、15gのシクロヘキサン、6gのトリエチルアミン、3gのN,N-ジメチルエタノールアミンおよび123gの蒸留水を、上記のガラス容器内に仕込んだ。そして、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこで、この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を125℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却し、150gの蒸留水を追加した。この液を1Lナスフラスコに入れ、60℃に加熱した湯浴につけながらエバポレーターを用いて減圧し、210gの水性媒体を留去した。冷却後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.04mm、目開き0.045mm)で濾過し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散液「E-1」を得た。この水性分散液におけるポリオレフィン樹脂粒子の体積平均粒子径は0.23μmであった。
【0082】
調製例5 ポリオレフィン樹脂水性分散液「E-2」
ポリオレフィン樹脂「P-2」を用いたこと以外は、ポリオレフィン樹脂水性分散液「E-1」の調製方法と同様の方法で、ポリオレフィン樹脂水性分散液「E-2」を作製した。この水性分散液におけるポリオレフィン樹脂粒子の体積平均粒子径は0.10μmであった。
【0083】
調製例6 ポリオレフィン樹脂水性分散液「E-3」
ポリオレフィン樹脂「P-2」を用いたこと以外は、ポリオレフィン樹脂水性分散液「E-1」の調製方法と同様の方法で、ポリオレフィン樹脂水性分散液「E-3」を作製した。この水性分散液におけるポリオレフィン樹脂粒子の体積平均粒子径は0.19μmであった。
【0084】
実施例1
ガラス管に、オレフィン樹脂水性分散液「E-1」2g、ジビニルベンゼン(日鉄ケミカル&マテリアル社製 DVB-960)0.1g、スチレン(St)0.4g、重合開始剤として2,2′-アゾビス[N-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチルプロパンアミド](富士フイルム和光純薬社製、VA-086)2.6mg、蒸留水10.5gを仕込み、窒素置換してから、ガラス管を密封し、90℃のオイルバスを備えた振盪器で、100サイクル/分で振盪させながら、24時間、乳化重合を行った。重合後、常温まで冷却し、水性分散液を得た。
得られた水性分散液を純水で希釈した後、遠心分離により固形物を回収し、得られた固形物を純水に再分散させた。この、遠心分離と、得られた固形物の純水への再分散からなる一連の工程を、計3回繰り返した後、水性分散液を50℃で乾燥することで、中空樹脂粒子(H-1)を得た。この水性分散液における中空樹脂粒子(H-1)の体積平均粒子径は0.40μmであった。
【0085】
実施例2
ガラス管に、ポリオレフィン樹脂水性分散液「E-1」2g、スチレン0.4g、架橋性モノマーとしてエチレングリコールジメタクリレート0.1g、重合開始剤として2,2′-アゾビス[N-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチルプロパンアミド](富士フイルム和光純薬社製、VA-086)2.6mg、蒸留水10.5gを仕込み、窒素置換してから、ガラス管を密封し、90℃のオイルバスを備えた振盪器で、100サイクル/分で振盪させながら、24時間、乳化重合を行った。重合後、常温まで冷却し、水性分散液を得た。
得られた水性分散液を純水で希釈した後、遠心分離により固形物を回収し、得られた固形物を純水に再分散させた。この、遠心分離と、得られた固形物の純水への再分散からなる一連の工程を、計3回繰り返した後、水性分散液を50℃で乾燥することで、中空樹脂粒子(H-2)を得た。この水性分散液における中空樹脂粒子(H-2)の体積平均粒子径は0.43μmであった。
【0086】
実施例3
ポリオレフィン樹脂水性分散液「E-2」を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、中空樹脂粒子(H-3)を作製した。この水性分散液における中空樹脂粒子(H-3)の体積平均粒子径は0.16μmであった。
【0087】
実施例4
ポリオレフィン樹脂水性分散液「E-3」を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、中空樹脂粒子(H-4)を作製した。この水性分散液における中空樹脂粒子(H-4)の体積平均粒子径は0.34μmであった。
【0088】
比較例1
メタクリル酸メチル1.65g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.8g、トルエン2.4g、ポリスチレン(質量平均分子量300,000)0.126g、過酸化ラウロイル0.104gを混合し、油相を作製した。
次いで、純水38gと、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム0.045gを混合し、水相を作製した。
水相に油相を加え、超音波ホモジナイザー(Hielscher社製)を用いて分散液を作製し、得られた分散液を70℃で4時間加熱することで重合を行った。
得られた水性分散液を純水で希釈した後、遠心分離により固形物を回収し、得られた固形物を純水に再分散させた。この、遠心分離と、得られた固形物の純水への再分散からなる一連の工程を、計3回繰り返した後、水性分散液を50℃で乾燥することで、中空樹脂粒子(H-4)を得た。この水性分散液における中空樹脂粒子(H-4)の体積平均粒子径は0.42μmであった。
【0089】
実施例、比較例で得られた中空樹脂粒子、および評価について表1に示す。
【0090】
【表1】
実施例1~4で得られた中空樹脂粒子は、耐熱性、低誘電特性、塗膜の柔軟性に優れていた。
一方、比較例1で得られた中空樹脂粒子は、ポリオレフィン樹脂を含有するものではなく、ビニル系樹脂のみから構成されるため、塗膜としたときの柔軟性に劣っていた。