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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165490
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/516 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
H01R13/516
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081738
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 哲也
(72)【発明者】
【氏名】向島 伸幸
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE14
5E087FF08
5E087FF12
5E087GG15
5E087GG26
5E087GG31
5E087GG32
5E087HH04
5E087JJ09
5E087LL03
5E087LL04
5E087LL12
5E087LL17
5E087MM05
5E087RR06
5E087RR12
5E087RR26
(57)【要約】
【課題】一対のハーフカバーから構成されるカバーにおけるハウジングへの保持力を向上可能なコネクタを提供すること。
【解決手段】コネクタ1は、ハウジング2と、ハウジング2を覆うように装着されるカバー6と、を備える。カバー6は、閉状態にて互いに突き合わされてハウジング2を挟み込む一対のハーフカバーと、一対のハーフカバーを開閉自在に連結するヒンジ部80と、を有する。一対のハーフカバーの一方は、ハウジング2の外周面と当接する当て面74が設けられて、一対のハーフカバーの他方と係止される係止部73を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子と、前記端子を収容する端子収容室を有するハウジングと、前記ハウジングを覆うように装着されるカバーと、を備えたコネクタであって、
前記カバーは、
閉状態にて互いに突き合わされて前記ハウジングを挟み込む一対のハーフカバーと、
前記一対のハーフカバーを開閉自在に連結するヒンジ部と、を有し、
前記一対のハーフカバーの一方は、
前記ハウジングの外周面と当接する当て面が設けられて、前記一対のハーフカバーの他方と係止される係止部を有する、
コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタであって、
前記係止部は、
前記ハウジングの軸方向と交差する第1交差方向に延びる第1部分と、前記第1部分の両端部から前記軸方向及び前記第1交差方向と交差する第2交差方向に延びる第2部分と、からなり、前記軸方向からみたとき略U字状に形成され、
前記第2部分は、前記第1交差方向において互いに離れるように傾斜し、
前記当て面は、前記第2部分における前記第1交差方向において互いに対向する面に形成される、
コネクタ。
【請求項3】
端子と、前記端子を収容する端子収容室を有するハウジングと、前記ハウジングを覆うように装着されるカバーと、を備えたコネクタであって、
前記カバーは、
閉状態にて互いに突き合わされて前記ハウジングを挟み込む一対のハーフカバーと、
前記一対のハーフカバーを開閉自在に連結するヒンジ部と、を有し、
前記ハウジングは、
当該ハウジングの軸方向に延びる第1延在部と、前記軸方向と交差する第1交差方向に延びる第2延在部と、から構成される回転規制リブを有し、
前記一対のハーフカバーの一方には、前記回転規制リブが挿入される溝部が設けられる、
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、端子と、端子収容室を有するハウジングと、ハウジングを覆うように装着されるカバーと、を備えたコネクタが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。従来のコネクタは、カバーが一対のハーフカバーを有し、この一対のハーフカバーが互いに突き合わされて組み合わされることで、ハウジングを挟み込むようにしてハウジングに装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-131113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のコネクタは、一対のハーフカバーにそれぞれ係止部が設けられており、これらが係止されることで、互いに組み合わされるように構成されている。しかしながら、コネクタ(特にカバー)に外力が加わった場合、ハウジングに対してカバーが回転して、ハウジングへのカバーの装着状態が維持できないおそれがある。このため、ハウジングへのカバーの保持力の観点から、従来のコネクタには改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述した状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、一対のハーフカバーから構成されるカバーにおけるハウジングへの保持力を向上可能なコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタは、下記を特徴としている。
端子と、前記端子を収容する端子収容室を有するハウジングと、前記ハウジングを覆うように装着されるカバーと、を備えたコネクタであって、
前記カバーは、
閉状態にて互いに突き合わされて前記ハウジングを挟み込む一対のハーフカバーと、
前記一対のハーフカバーを開閉自在に連結するヒンジ部と、を有し、
前記一対のハーフカバーの一方は、
前記ハウジングの外周面と当接する当て面が設けられて、前記一対のハーフカバーの他方と係止される係止部を有する、
コネクタであること。
【0007】
また、前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタは、下記を特徴としている。
端子と、前記端子を収容する端子収容室を有するハウジングと、前記ハウジングを覆うように装着されるカバーと、を備えたコネクタであって、
前記カバーは、
閉状態にて互いに突き合わされて前記ハウジングを挟み込む一対のハーフカバーと、
前記一対のハーフカバーを開閉自在に連結するヒンジ部と、を有し、
前記ハウジングは、
当該ハウジングの軸方向に延びる第1延在部と、前記軸方向と交差する第1交差方向に延びる第2延在部と、から構成される回転規制リブを有し、
前記一対のハーフカバーの一方には、前記回転規制リブが挿入される溝部が設けられる、
コネクタであること。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一対のハーフカバーの一方が、ハウジングの外周面と当接する当て面が設けられて、一対のハーフカバーの他方と係止される係止部を有することで、カバー(一対のハーフカバー)に外力が生じた際に、ハウジングの外周面が当て面に当接するため、ハウジングに対するカバーの回転が抑制される。即ち、本発明によれば、従来に比べて、カバーにおけるハウジングへの保持力に優れる。
【0009】
また、本発明によれば、ハウジングが、異なる方向に延びる第1部分及び第2部分から構成される回転規制リブを有するとともに、一対のハーフカバーの一方に回転規制リブが挿入される溝部が設けられることで、カバー(一対のハーフカバー)に外力が生じた際に、回転規制リブと溝部とが互いに噛み合うため、ハウジングに対するカバーの回転が抑制される。即ち、本発明によれば、従来に比べて、カバーにおけるハウジングへの保持力に優れる。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るコネクタの斜視図である。
図2図2は、図1に示すコネクタにおけるハウジングへのカバーの組み付け前の態様を示す斜視図である。
図3図3は、図2に示すハウジング、サイドリテーナ、嵌合検知部材、端子付き電線、及びシール部材の分解斜視図である。
図4図4は、図3に示すハウジングの後方斜視図である。
図5図5は、図2のA-A断面図である。
図6図6は、図2に示すカバーの開状態を示す斜視図である。
図7図7は、図6に示すカバーの第1ハーフカバーの平面図である。
図8図8は、図6に示すカバーの第2ハーフカバーの平面図である。
図9図9は、図1に示すコネクタにおける第1回転規制リブと第1回転規制リブ用溝との係止態様を示す断面図である。
図10図10は、図1のB-B断面図である。
図11図11は、図1のC-C断面図である。
図12図12は、本発明の第2実施形態に係るコネクタにおけるハウジングの後方斜視図である。
図13図13は、図12に示すハウジングの下面図である。
図14図14は、本発明の第2実施形態に係るコネクタにおけるカバーの開状態を示す斜視図である。
図15図15は、図14に示すカバーの第1ハーフカバーの平面図である。
図16図16は、図14に示すカバーの第2ハーフカバーの平面図である。
図17図17は、本発明の第2実施形態に係るコネクタにおける図10に相当する図である。
図18図18は、本発明の第2実施形態に係るコネクタにおける第1回転規制リブと第1回転規制リブ用溝との係止態様を示す断面図である。
図19図19は、図12に示すハウジングにおける第1回転規制リブの第1変形例を示す平面図である。
図20図20は、図12に示すハウジングにおける第1回転規制リブの第2変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら本発明の各実施形態に係るコネクタについて説明する。
以下、説明の便宜上、図1等に示すように、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」を定義する。「前後方向」、「左右方向」及び「上下方向」は、互いに直交している。なお、前後方向は、本発明の「軸方向」に対応している。また、左右方向は、本発明の「第1交差方向」に対応している。また、上下方向は、本発明の「第2交差方向」に対応している。
【0013】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態に係るコネクタ1ついて、図1図11を参照して説明する。
【0014】
<コネクタ1の概略構成>
コネクタ1は、図3に示すように、筒状のハウジング2と、ハウジング2に装着されるサイドリテーナ3と、ハウジング2の外面にスライド可能に装着される嵌合検知部材4と、ハウジング2に収容される端子51(本例では、メス端子)と、ハウジング2を覆うように装着されるカバー6と、ハウジング2に装着される環状のシール部材7と、を備えて構成される。
本例において、コネクタ1は、前後方向に沿って相手側コネクタ(オスコネクタ、図示省略)と嵌合可能に構成されるメスコネクタである。
【0015】
<ハウジング2>
ハウジング2は、合成樹脂製であって、図3及び図4に示すように、筒状のインナハウジング11と、インナハウジング11の外周面と間隔を空けてこの外周面を覆う筒状のアウタハウジング12と、を一体に有している。インナハウジング11の外周面とアウタハウジング12の内周面との隙間には、相手側コネクタが有する相手側ハウジング(図示省略)が挿入される。
【0016】
インナハウジング11には、後方から複数(本例では、3つ)の端子51(端子付き電線5)がそれぞれ挿入される複数(本例では、3つ)の端子収容室13が形成されている。各端子収容室13は、インナハウジング11の前端部の開口を介して外部に開放され、この開口から相手側コネクタが有する相手側端子(オス端子、図示省略)が挿入されることになる。
【0017】
インナハウジング11は、アウタハウジング12の前端面よりも前方に突出するように形成され、アウタハウジング12に覆われたインナハウジング11の筒状の外周面にシール部材7が装着される。インナハウジング11は、アウタハウジング12から前方に突出した略矩形半筒状の前端部14の外周面に、サイドリテーナ3が装着される。
【0018】
ハウジング2には、上下方向に弾性変形可能に前方へ延びる片持ち梁状の係止ランス15が、端子収容室13内に下側から臨むように形成されている(図5参照)。係止ランス15には、端子収容室13に挿入された端子51が係止される(図5参照)。
【0019】
ハウジング2における上方の外周面には、ロック機構20が設けられている(図2及び図3参照)。ロック機構20は、弾性変形可能なハウジングアーム21と、弾性変形可能なロックアーム24と、を有している(図3及び図4参照)。
【0020】
ハウジングアーム21は、略矩形U字状に形成され、ハウジング2(インナハウジング11)の外周面に片持ち梁状に支持されて、インナハウジング11の外周面と略平行に前方に向かって延びる左右一対の弾性アーム片22と、各弾性アーム片22の前端部同士を左右方向に架橋する係止片23と、を一体に有している(図3及び図4参照)。係止片23には、コネクタ1と相手側コネクタとの嵌合完了状態において、相手側ハウジングの係止部(図示省略)が係止される。
【0021】
ハウジングアーム21は、一対の弾性アーム片22の前端部にそれぞれ片持ち梁状に支持され、後方に向かって延びる略矩形U字状のロックアーム24が連設されている(図3及び図4参照)。
【0022】
ロックアーム24は、係止片23と相手側ハウジングの係止部との係止解除時に押下されることになる係止解除操作部25を有している(図3図5参照)。係止解除操作部25は、ハウジング2(インナハウジング11)と上下方向に離間して、弾性アーム片22よりも上方に配置されている。係止解除操作部25が押下されて下方へ変位することで、係止片23にはロックアーム24を介して上方への係止解除力が付与される。
【0023】
ハウジング2は、ハウジングアーム21を左右方向に挟み込むように一対の保護壁部16が設けられている(図3図5参照)。一対の保護壁部16は、アウタハウジング12の上部に立設されて、ロック機構20を保護している。保護壁部16の前方には、梁部17が設けられている(図3図5参照)。この梁部17は、左右方向両端部が保護壁部16に連設されており、アウタハウジング12に対して隙間をあけて配置されている。ハウジング2は、アウタハウジング12、一対の保護壁部16、及び梁部17によって画成される空間に嵌合検知部材4が装着される。
【0024】
ロックアーム24の左右方向両側面には、それぞれ、対向する保護壁部16に向かって突出する被係止突起26が設けられている(図4参照)。被係止突起26には、後述する嵌合検知部材4の係止突起43が係止される。
【0025】
ハウジング2(インナハウジング11)の後端部における下端面には、下方へ突出する第1回転規制リブ18が設けられている(図4参照)。第1回転規制リブ18は、上下方向に延びる複数(本例では、3つ)の第1延在部18aと、左右方向に延びて複数の第1延在部18aの各下端部を一括して連結する第2延在部18bと、が一体に構成される。第1回転規制リブ18は、後述するカバー6(第2ハーフカバー70)の第1回転規制リブ用溝76に挿入される。
【0026】
ハウジング2(インナハウジング11)の後端部における左右方向両端面には、それぞれ、外方へ張り出された第2回転規制リブ19が設けられている(図4参照)。第2回転規制リブ19は、後述するカバー6(第1ハーフカバー60)の第2回転規制リブ用溝64に挿入される。
【0027】
<サイドリテーナ3>
サイドリテーナ3は、合成樹脂製であって、図3に示すように、左方が開口する略U字断面のリテーナ本体31と、リテーナ本体31の前端開口を塞ぐリテーナ前板部32と、を一体に有している(図6参照)。リテーナ前板部32には、複数の端子収容室13に対応して、複数(本例では、3つ)の挿入口33が形成されている。挿入口33は、サイドリテーナ3がハウジング2に装着されると、端子収容室13と連通し(図1参照)、相手側コネクタの相手側端子が挿入されることになる。
【0028】
リテーナ本体31は、上下方向に離間して対向するリテーナ上面部34及びリテーナ下面部35と、リテーナ上面部34の右端縁とリテーナ下面部35の右端縁とを連結するリテーナ湾曲面部36と、が一体に構成される。リテーナ上面部34の左端縁には、前後方向に沿って延びるリブ状のリテーナ突起(図示省略)が下方へ突設されている。
【0029】
サイドリテーナ3をインナハウジング11の前端部14へ装着する場合、サイドリテーナ3の左方の開口を僅かに拡げ、開口からサイドリテーナ3の内側に前端部14を挿入して、左右方向へ移動させる。サイドリテーナ3を左右方向へ移動させると、リテーナ突起が前端部14に設けられた係止溝(符号省略)に進入して係止され、これにより、サイドリテーナ3がハウジング2に装着される。ハウジング2にサイドリテーナ3が装着された状態において、端子収容室13からの端子51の意図せぬ離脱(抜け)等が抑制される。
【0030】
<嵌合検知部材4>
嵌合検知部材4は、合成樹脂製であって、図3に示すように、ハウジング2に後方から装着され、前後方向にスライド可能に構成される。嵌合検知部材4は、左右方向に対向する一対の側壁部41と、各側壁部41の各上端部の後方を架橋する支持壁部42と、を一体に有している。
【0031】
各側壁部41の対向面には、対向する側壁部41に向かって突出する係止突起43が設けられている。係止突起43は、嵌合検知部材4が仮係止位置にあるとき、ハウジング2の被係止突起26に係止される。支持壁部42の上端面には、嵌合検知部材4をスライドする際に操作されるスライド操作部44が突設されている。
【0032】
支持壁部42の左右方向略中央部には、前方に向かって延びるアーム片45が設けられている。アーム片45は、支持壁部42に片持ち梁状に支持され、下方に傾倒するように形成されている。アーム片45の前端部には、下方に延出する係止爪46が形成されている。アーム片45は、後端部を支点として、係止爪46が上方に搖動して弾性変形可能に構成される。係止爪46は、嵌合検知部材4が仮係止位置にあるとき、ハウジング2の係止片23の後方に位置し(図5参照)、嵌合検知部材4が本係止位置にあるとき、係止片23に係止される(図示省略)。
【0033】
<端子付き電線5>
端子付き電線5は、図3に示すように、端子51と、前端部に端子51が接続された電線52と、電線52に装着される環状のシール部材53と、を有している。なお、電線保護の観点から、例えば複数の電線52が一括して束ねられて、この束ねられた複数の電線52を覆うようにグロメット等(図示省略)が装着されてもよい。この場合、電線52は、ハウジング2近傍のグロメットも含めてカバー6に覆われることになる。
【0034】
<カバー6>
カバー6は、合成樹脂製であって、ハウジング2及び電線52を保護するため、ハウジング2の後側部分及びハウジング2近傍の電線52を覆うように後方から装着される(図1参照)。
カバー6は、図1図2及び図6に示すように、第1ハーフカバー60及び第2ハーフカバー70からなる一対のハーフカバーと、第1ハーフカバー60及び第2ハーフカバー70を開閉自在に連結するヒンジ部80と、により構成される。
【0035】
第1ハーフカバー60及び第2ハーフカバー70は、それぞれ、上下方向視略L字状の略矩形半筒状に形成されている。カバー6は、第1ハーフカバー60及び第2ハーフカバー70が互いに突き合わされて、第1ハーフカバー60の各係止部と第2ハーフカバー70の各係止部とが係止されることで(即ち、カバー6の閉状態において)、略L字状の略矩形筒状となるように形成される(図1及び図2参照)。
【0036】
第1ハーフカバー60は、図6及び図7に示すように(カバー6の開状態において)、左右方向に延びる第1半筒部61と、第1半筒部61における前端壁の左端部から前後方向に沿って前方に延びる第2半筒部62と、を一体に有している。
【0037】
第2半筒部62は、左右方向に離間し且つ対向する一対の壁部63から構成される。第2半筒部62には、ハウジング2の一対の第2回転規制リブ19に対応して、上下方向に延びる第2回転規制リブ用溝64が、一対の壁部63の基端部(後端部)に形成されている。一対の壁部63には、それぞれ、後述する第2ハーフカバー70の一対の係止突起75に対応して係止溝部65が形成されている。一対の壁部63の下端部には、それぞれ、左右方向において互いに近付くように延びる引掛部63aが形成されている。
【0038】
カバー6の開状態において第1半筒部61の右端部には、複数の電線52をカバー6の外部に導出する半円筒状の電線導出部66が形成されている。電線導出部66は、カバー6の閉状態において、後述する第2ハーフカバー70の電線導出部77と互いに突き合わされて電線導出口6aを画成する(図9及び図11参照)。
【0039】
第1半筒部61の前端壁及び後端壁における電線導出部66に対応する箇所には、それぞれ、後述する第2ハーフカバー70の一対の係止突起79に対応して、外方へ突出する係止部67が形成されている。
【0040】
第2ハーフカバー70は、図6及び図8に示すように、左右方向に延びる第1半筒部71と、第1半筒部71における前端壁の右端部から前後方向に沿って前方に延びる第2半筒部72と、を一体に有している。
【0041】
第2半筒部72の前後方向略中央部には、係止部73が形成されている。係止部73は、図6に示すように、左右方向に延びる第1部分73aと、第1部分73aの左右方向両端部からそれぞれ上下方向に延びる一対の第2部分73bと、を一体に有して、前後方向視略U字状に形成されている。一対の第2部分73bは、それぞれ、左右方向において互いに離れるように上方に向けて傾斜して延びており、対向面にハウジング2(インナハウジング11)の後端部の外周面と当接する当て面74が形成されている。一対の第2部分73bの各上端部には、それぞれ、外方に突出する係止突起75が設けられている。係止突起75は、カバー6の閉状態において、第1ハーフカバー60の係止溝部65に係止される(図10参照)。
【0042】
第2半筒部72には、ハウジング2の第1回転規制リブ18に対応して、左右方向に延びる第1回転規制リブ用溝76が、係止部73の後方に形成されている。
【0043】
カバー6の開状態において第1半筒部71の左端部には、複数の電線52をカバー6の外部に導出する半円筒状の電線導出部77が形成されている。電線導出部77は、カバー6の閉状態において、第1ハーフカバー60の電線導出部66と互いに突き合わされて電線導出口6aを画成する(図9及び図11参照)。
【0044】
第1半筒部71の前端壁及び後端壁における電線導出部77に対応する箇所には、それぞれ、上下方向に延びる壁部78が形成され、各壁部78の上端部には、それぞれ、前後方向において互いに近付くように突出する係止突起79が設けられている。係止突起79は、カバー6の閉状態において、第2ハーフカバー70の係止部67に係止される。
【0045】
ヒンジ部80は、薄肉状に形成され、カバー6の開状態における第1ハーフカバー60の左端部(カバー6の閉状態においては右端部)と第2ハーフカバー70の右端部とを連結している(図1図2及び図6参照)。これにより、カバー6は、ヒンジ部80を介して第1ハーフカバー60及び第2ハーフカバー70の開閉が自在となる。
【0046】
<コネクタ1を構成する各部材の組み付け手順>
コネクタ1を構成する各部材の組み付けるためには、まず、ハウジング2にシール部材7を装着し、ハウジング2の端子収容室13に、電線52が接続された端子51を後方から挿入する。これにより、端子51は、ハウジング2の係止ランス15に係止される。
なお、電線52に装着されたシール部材53も端子収容室13の後端部に収容され、これにより、端子収容室13は止水される。
【0047】
次いで、インナハウジング11の前端部14にサイドリテーナ3を装着する。これにより、端子51は、サイドリテーナ3に抜け止めされる。
なお、サイドリテーナ3は、インナハウジング11の前端部14に仮係止及び本係止可能に構成されてもよい。この場合、例えば、前端部14にサイドリテーナ3が仮係止された状態で、端子収容室13への端子51の挿入が行われ、その後、前端部14に対してサイドリテーナ3を本係止するようにスライドさせることになる。
【0048】
次いで、ハウジング2に嵌合検知部材4を後方から仮係止位置まで装着する。このとき、嵌合検知部材4の係止突起43が、ハウジング2の被係止突起26を前方に乗り越えて係止されることで、嵌合検知部材4がハウジング2に仮係止される(図2及び図5参照)。
【0049】
次いで、カバー6をハウジング2に装着する。具体的には、具体的には、カバー6を開状態にして(図6参照)、第1ハーフカバー60における第1半筒部61の引掛部63aを保護壁部16の上端部に掛けるように、第1ハーフカバー60をハウジング2の上方から組み付ける。
【0050】
その後、第2ハーフカバー70を第1ハーフカバー60と突き合わせるように、即ちカバー6が閉状態となるように変位させて、第1ハーフカバー60の係止溝部65に第2ハーフカバー70の係止突起75を係止させ(図10参照)、且つ、第1ハーフカバー60の係止部67に第2ハーフカバー70の係止突起79を係止させる(図11参照)。
【0051】
係止溝部65及び係止突起75と、係止部67及び係止突起79と、が係止されると、第1ハーフカバー60及び第2ハーフカバー70がハウジング2を上下方向に挟み込み、ハウジング2にカバー6が装着される。これにより、コネクタ1を構成する各部材の組み付けが完了し、コネクタ1が完成される。
【0052】
ハウジング2へのカバー6の装着完了状態においては、ハウジング2の第1回転規制リブ18がカバー6(第2ハーフカバー70)の第1回転規制リブ用溝76に挿入され(図9参照)、且つ、ハウジング2の第2回転規制リブ19がカバー6(第1ハーフカバー60)の第2回転規制リブ用溝64に挿入され(図示省略)、且つ、ハウジング2(インナハウジング11)の後端部が一対の当て面74に当接される(図10参照)。
【0053】
<コネクタ1と相手側コネクタとの嵌合手順>
コネクタ1と相手側コネクタとの嵌合は、嵌合検知部材4がハウジング2に仮係止された状態で行われる。コネクタ1と相手側コネクタとを嵌合するためには、まず、インナハウジング11の外周面とアウタハウジング12の内周面との間に、相手側ハウジングを挿入する。
【0054】
このとき、相手側ハウジングの係止部が、ハウジング2の係止片23を弾性変形させつつ下方から後方に乗り越えて、相手側ハウジングの係止部と係止片23とが係止される。これにより、嵌合検知部材4のアーム片45における係止爪46が、相手側ハウジングの係止部によって上方に持ち上げられて(即ち、アーム片45が弾性変形して)、係止片23の後端部への係止爪46の当接状態が解除される。
【0055】
この状態で、嵌合検知部材4を本係止位置へと変位させるように前方へ押し込むと、係止爪46が係止片23を上方から前方に乗り越えることで、アーム片45が弾性変形から復元し、係止爪46と係止片23とが係止される(図示省略)。これにより、コネクタ1と相手側コネクタとの嵌合が完了する。コネクタ1と相手側コネクタとの嵌合完了状態では、端子に相手側端子が挿入され、端子と相手側端子とが電気的に接続される。
【0056】
<コネクタ1と相手側コネクタとの嵌合解除手順>
コネクタ1と相手側コネクタとの嵌合を解除するためには、まず、嵌合検知部材4を後方へ引き込み、本係止位置から仮係止位置まで戻す。
【0057】
次いで、ハウジング2におけるロック機構20の係止解除操作部25を下方へ押下する。これにより、ロックアーム24が揺動され、ハウジングアーム21の係止片23が上方へ変位し、係止片23と相手側ハウジングの係止部との係止が解除される。この状態で、コネクタ1と相手側コネクタとを引き離すように移動させることで、コネクタ1と相手側コネクタとの嵌合が解除される。
【0058】
<作用・効果>
本実施形態によれば、第2ハーフカバー70が、ハウジング2の外周面と当接する当て面74が設けられて、第1ハーフカバー60の係止溝部65と係止される係止部73を有することで、カバー6に上下方向の外力が生じた際に、ハウジング2の外周面が当て面74に当接するため、ハウジング2に対するカバー6の回転が抑制される。即ち、本実施形態によれば、従来に比べて、カバー6におけるハウジング2への保持力に優れる。
【0059】
更に、本実施形態によれば、ハウジング2に第1回転規制リブ18及び第2回転規制リブ19が設けられるとともに、第1ハーフカバー60及び第2ハーフカバー70のそれぞれに第1回転規制リブ用溝76及び第2回転規制リブ用溝64が設けられることで、カバー6に上下方向を含む各方向の外力が生じた際に、第1回転規制リブ18と第1回転規制リブ用溝76、第2回転規制リブ19と第2回転規制リブ用溝64とが、それぞれ、互いに噛み合うため、ハウジング2に対するカバー6の回転が抑制される。
【0060】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態に係るコネクタ1Aついて、図12図18を参照して説明する。
コネクタ1,1Aの相違点は、ハウジング2,2A及びカバー6,6Aである。このため、以下の説明では、上記相違点を中心に説明する。なお、コネクタ1,1Aの同じ構成については、同様の符号を付している。
【0061】
<ハウジング2A>
ハウジング2Aは、合成樹脂製であって、図12及び図13に示すように、筒状のインナハウジング11と、インナハウジング11の外周面と間隔を空けてこの外周面を覆う筒状のアウタハウジング12と、を一体に有している。インナハウジング11の外周面とアウタハウジング12の内周面との隙間には、相手側コネクタが有する相手側ハウジング(図示省略)が挿入される。
【0062】
インナハウジング11には、後方から複数(本例では、3つ)の端子51(端子付き電線5)がそれぞれ挿入される複数(本例では、3つ)の端子収容室13が形成されている。各端子収容室13は、インナハウジング11の前端部の開口を介して外部に開放され、この開口から相手側コネクタが有する相手側端子(オス端子、図示省略)が挿入されることになる。
【0063】
インナハウジング11は、アウタハウジング12の前端面よりも前方に突出するように形成され、アウタハウジング12に覆われたインナハウジング11の筒状の外周面にシール部材7が装着される。インナハウジング11は、アウタハウジング12から前方に突出した略矩形半筒状の前端部14の外周面に、サイドリテーナ3が装着される。
【0064】
ハウジング2Aには、上下方向に弾性変形可能に前方へ延びる片持ち梁状の係止ランス15が、端子収容室13内に下側から臨むように形成されている(図示省略)。係止ランス15には、端子収容室13に挿入された端子51が係止される(図示省略)。
【0065】
ハウジング2Aにおける上方の外周面には、ロック機構20が設けられている(図12参照)。ロック機構20は、弾性変形可能なハウジングアーム21と、弾性変形可能なロックアーム24と、を有している(図12参照)。
【0066】
ハウジングアーム21は、略矩形U字状に形成され、ハウジング2A(インナハウジング11)の外周面に片持ち梁状に支持されて、インナハウジング11の外周面と略平行に前方に向かって延びる左右一対の弾性アーム片22と、各弾性アーム片22の前端部同士を左右方向に架橋する係止片23と、を一体に有している(図12参照)。係止片23には、コネクタ1Aと相手側コネクタとの嵌合完了状態において、相手側ハウジングの係止部(図示省略)が係止される。
【0067】
ハウジングアーム21は、一対の弾性アーム片22の前端部にそれぞれ片持ち梁状に支持され、後方に向かって延びる略矩形U字状のロックアーム24が連設されている(図12参照)。
【0068】
ロックアーム24は、係止片23と相手側ハウジングの係止部との係止解除時に押下されることになる係止解除操作部25を有している(図12参照)。係止解除操作部25は、ハウジング2A(インナハウジング11)と上下方向に離間して、弾性アーム片22よりも上方に配置されている。係止解除操作部25が押下されて下方へ変位することで、係止片23にはロックアーム24を介して上方への係止解除力が付与される。
【0069】
ハウジング2Aは、ハウジングアーム21を左右方向に挟み込むように一対の保護壁部16が設けられている(図12参照)。一対の保護壁部16は、アウタハウジング12の上部に立設されて、ロック機構20を保護している。保護壁部16の前方には、梁部17が設けられている(図12参照)。この梁部17は、左右方向両端部が保護壁部16に連設されており、アウタハウジング12に対して隙間をあけて配置されている。ハウジング2Aは、アウタハウジング12、一対の保護壁部16、及び梁部17によって画成される空間に嵌合検知部材4が装着される。
【0070】
ロックアーム24の左右方向両側面には、それぞれ、対向する保護壁部16に向かって突出する被係止突起26が設けられている(図12参照)。被係止突起26には、後述する嵌合検知部材4の係止突起43が係止される。
【0071】
ハウジング2A(インナハウジング11)の後端部における下端面には、下方へ突出する第1回転規制リブ18Aが設けられている(図12及び図13参照)。第1回転規制リブ18Aは、図13に示すように、下方視略T字状に形成され、前後方向に延びる第1延在部18aAと、左右方向に延びる第2延在部18bAと、が一体に構成される。第1回転規制リブ18Aは、後述するカバー6A(第2ハーフカバー70A)の第1回転規制リブ用溝76Aに挿入される。
【0072】
ハウジング2A(インナハウジング11)の後端部における左右方向両端面には、それぞれ、外方へ張り出された第2回転規制リブ19が設けられている(図12参照)。第2回転規制リブ19は、後述するカバー6A(第1ハーフカバー60A)の第2回転規制リブ用溝64に挿入される。
【0073】
(第1回転規制リブ18Aの第1変形例)
第1回転規制リブ18Aは、図19に示すように形成されていてもよい。具体的には、第1回転規制リブ18Aの第1変形例は、下方視略矩形m字状に形成され、前後方向に延びる複数(本例では3つ)の第1延在部18aAと、左右方向に延びて複数の第1延在部18aAの各前端部を一括して連結する第2延在部18bAと、が一体に構成される。
【0074】
(第1回転規制リブ18Aの第2変形例)
第1回転規制リブ18Aは、図20に示すように形成されていてもよい。具体的には、第1回転規制リブ18Aの第2変形例は、下方視略T字状に形成される第1延在部18aA及び第2延在部18bAと、第1延在部18aAの後端部から左右方向に沿って右方に延びる第3延在部18cAと、が一体に構成される。
【0075】
<カバー6A>
カバー6Aは、合成樹脂製であって、ハウジング2A及び電線52を保護するため、ハウジング2Aの後側部分及びハウジング2A近傍の電線52を覆うように後方から装着される。
カバー6Aは、図14に示すように、第1ハーフカバー60A及び第2ハーフカバー70Aからなる一対のハーフカバーと、第1ハーフカバー60A及び第2ハーフカバー70Aを開閉自在に連結するヒンジ部80と、により構成される。
【0076】
第1ハーフカバー60A及び第2ハーフカバー70Aは、それぞれ、上下方向視略L字状の略矩形半筒状に形成されている。カバー6Aは、第1ハーフカバー60A及び第2ハーフカバー70Aが互いに突き合わされて、第1ハーフカバー60Aの各係止部と第2ハーフカバー70Aの各係止部とが係止されることで(即ち、カバー6Aの閉状態において)、略L字状の略矩形筒状となるように形成される。
【0077】
第1ハーフカバー60Aは、図14及び図15に示すように(カバー6Aの開状態において)、左右方向に延びる第1半筒部61と、第1半筒部61における前端壁の左端部から前後方向に沿って前方に延びる第2半筒部62と、を一体に有している。
【0078】
第2半筒部62は、左右方向に離間し且つ対向する一対の壁部63から構成される。第2半筒部62には、ハウジング2の一対の第2回転規制リブ19に対応して、上下方向に延びる第2回転規制リブ用溝64が、一対の壁部63の基端部(後端部)に形成されている。一対の壁部63の下端部には、それぞれ、左右方向において互いに近付くように延びる引掛部63aが形成されている。
【0079】
カバー6Aの開状態において第1半筒部61の右端部には、複数の電線52をカバー6の外部に導出する半円筒状の電線導出部66が形成されている。電線導出部66は、カバー6の閉状態において、後述する第2ハーフカバー70Aの電線導出部77と互いに突き合わされて電線導出口6aを画成する。
【0080】
第1半筒部61の前端壁及び後端壁における電線導出部66に対応する箇所には、それぞれ、後述する第2ハーフカバー70Aの一対の係止突起79に対応して、外方へ突出する係止部67が形成されている。
【0081】
第2ハーフカバー70Aは、図14及び図16に示すように、左右方向に延びる第1半筒部71と、第1半筒部71における前端壁の右端部から前後方向に沿って前方に延びる第2半筒部72と、を一体に有している。
【0082】
第2半筒部72には、ハウジング2の第1回転規制リブ18に対応して、略T字状に窪む第1回転規制リブ用溝76Aが形成されている。
【0083】
カバー6Aの開状態において第1半筒部71の左端部には、複数の電線52をカバー6Aの外部に導出する半円筒状の電線導出部77が形成されている。電線導出部77は、カバー6Aの閉状態において、第1ハーフカバー60Aの電線導出部66と互いに突き合わされて電線導出口6aを画成する。
【0084】
第1半筒部71の前端壁及び後端壁における電線導出部77に対応する箇所には、それぞれ、上下方向に延びる壁部78が形成され、各壁部78の上端部には、それぞれ、前後方向において互いに近付くように突出する係止突起79が設けられている。係止突起79は、カバー6Aの閉状態において、第2ハーフカバー70Aの係止部67に係止される。
【0085】
ヒンジ部80は、薄肉状に形成され、カバー6の開状態における第1ハーフカバー60Aの左端部(カバー6Aの閉状態においては右端部)と第2ハーフカバー70Aの右端部とを連結している(図14参照)。これにより、カバー6Aは、ヒンジ部80を介して第1ハーフカバー60A及び第2ハーフカバー70Aの開閉が自在となる。
【0086】
<ハウジング2Aへのカバー6Aの装着完了状態>
ハウジング2Aへのカバー6Aの装着完了状態においては、ハウジング2Aの第1回転規制リブ18がカバー6A(第2ハーフカバー70A)の第1回転規制リブ用溝76Aに挿入され(図17及び図18参照)、且つ、ハウジング2の第2回転規制リブ19がカバー6A(第1ハーフカバー60A)の第2回転規制リブ用溝64に挿入される(図示省略)。
【0087】
<作用・効果>
本実施形態によれば、ハウジング2Aが、異なる方向に延びる第1延在部18aA及び第2延在部18bAから構成される第1回転規制リブ18Aを有するとともに、第2ハーフカバー70Aに第1回転規制リブ用溝76Aが設けられることで、カバー6Aに各方向の外力が生じた際に、第1回転規制リブ18Aと第1回転規制リブ用溝76Aとが互いに噛み合うため、ハウジング2Aに対するカバー6Aの回転が抑制される。即ち、本実施形態によれば、従来に比べて、カバー6Aにおけるハウジング2Aへの保持力に優れる。
【0088】
更に、本実施形態によれば、ハウジング2Aに第2回転規制リブ19が設けられるとともに、第1ハーフカバー60に第2回転規制リブ用溝64が設けられることで、カバー6Aに外力が生じた際に、第2回転規制リブ19と第2回転規制リブ用溝64とが互い噛み合うため、ハウジング2Aに対するカバー6Aの回転がより適正に抑制される。
【0089】
<他の形態>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0090】
ここで、上述した本発明に係るコネクタの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に纏めて列記する。
【0091】
[1]
端子(51)と、前記端子(51)を収容する端子収容室(13)を有するハウジング(2)と、前記ハウジング(2)を覆うように装着されるカバー(6)と、を備えたコネクタ(1)であって、
前記カバー(6)は、
閉状態にて互いに突き合わされて前記ハウジング(2)を挟み込む一対のハーフカバー(第1ハーフカバー60,第2ハーフカバー70)と、
前記一対のハーフカバー(第1ハーフカバー60,第2ハーフカバー70)を開閉自在に連結するヒンジ部(80)と、を有し、
前記一対のハーフカバーの一方(第2ハーフカバー70)は、
前記ハウジング(2)の外周面と当接する当て面(74)が設けられて、前記一対のハーフカバーの他方(第1ハーフカバー60)と係止される係止部(73)を有する、
コネクタ(1)。
【0092】
[2]
上記[1]に記載のコネクタ(1)において、
前記係止部(73)は、
前記ハウジング(2)の軸方向と交差する第1交差方向に延びる第1部分(73a)と、前記第1部分(73a)の両端部から前記軸方向及び前記第1交差方向と交差する第2交差方向に延びる第2部分(73b)と、からなり、前記軸方向からみたとき略U字状に形成され、
前記第2部分(73b)は、前記第1交差方向において互いに離れるように傾斜し、
前記当て面(74)は、前記第2部分(73b)における前記第1交差方向において互いに対向する面に形成される、
コネクタ(1)。
【0093】
上記[1]及び上記[2]の構成によれば、一対のハーフカバーの一方が、ハウジングの外周面と当接する当て面が設けられて、一対のハーフカバーの他方と係止される係止部を有することで、カバー(一対のハーフカバー)に外力が生じた際に、ハウジングの外周面が当て面に当接するため、ハウジングに対するカバーの回転が抑制される。即ち、本構成によれば、従来に比べて、カバーにおけるハウジングへの保持力に優れる。
【0094】
[3]
端子(51)と、前記端子(51)を収容する端子収容室(13)を有するハウジング(2)と、前記ハウジング(2A)を覆うように装着されるカバー(6A)と、を備えたコネクタ(1A)であって、
前記カバー(6A)は、
閉状態にて互いに突き合わされて前記ハウジング(2A)を挟み込む一対のハーフカバー(第1ハーフカバー60A,第2ハーフカバー70A)と、
前記一対のハーフカバー(第1ハーフカバー60A,第2ハーフカバー70A)を開閉自在に連結するヒンジ部(80)と、を有し、
前記ハウジング(2A)は、
当該ハウジング(2A)の軸方向に延びる第1延在部(18aA)と、前記軸方向と交差する第1交差方向に延びる第2延在部(18bA)と、から構成される回転規制リブ(第1回転規制リブ18A)を有し、
前記一対のハーフカバーの一方(第2ハーフカバー70A)には、前記回転規制リブ(第1回転規制リブ18A)が挿入される溝部(第1回転規制リブ用溝76A)が設けられる、
コネクタ(1A)。
【0095】
上記[3]の構成によれば、ハウジングが、異なる方向に延びる第1部分及び第2部分から構成される回転規制リブを有するとともに、一対のハーフカバーの一方に回転規制リブが挿入される溝部が設けられることで、カバー(一対のハーフカバー)に外力が生じた際に、回転規制リブと溝部とが互いに噛み合うため、ハウジングに対するカバーの回転が抑制される。即ち、本構成によれば、従来に比べて、カバーにおけるハウジングへの保持力に優れる。
【符号の説明】
【0096】
1,1A コネクタ
2,2A ハウジング
3 サイドリテーナ
4 嵌合検知部材
5 端子付き電線
6,6A カバー
7 シール部材
18,18A 第1回転規制リブ
18a,18aA 第1延在部
18b,18bA 第2延在部
18cA 第3延在部
19 第2回転規制リブ
20 ロック機構
51 端子
60,60A 第1ハーフカバー
64 第2回転規制リブ用溝
65 係止溝部
67 係止部
70,70A 第2ハーフカバー
73 係止部
73a 第1部分
73b 第2部分
74 当て面
75 係止突起
76,76A 第1回転規制リブ用溝
79 係止突起
80 ヒンジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20