(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165492
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20241121BHJP
G06Q 20/08 20120101ALI20241121BHJP
【FI】
G06Q20/40
G06Q20/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081741
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】西浦 正
(72)【発明者】
【氏名】田中 梨子
(72)【発明者】
【氏名】中野 愛日
(72)【発明者】
【氏名】根岸 寛昭
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA21
5L020AA72
5L055AA21
5L055AA72
(57)【要約】
【課題】虹彩認証に基づく決済を実施することで、決済処理を簡素化することが可能な情報処理方法等を提供すること。
【解決手段】虹彩認証に基づく決済処理システム100は、ユーザの虹彩データを取得し、取得した前記虹彩データによる認証に成功した場合に、テンポラリコードを発行し、発行した前記テンポラリコードによる認証に成功した場合に、決済処理を実行する。好適には、虹彩認証に基づく決済処理システム100は、前記虹彩データによる認証に成功した場合に、店舗内又は店舗の入り口付近に設けた虹彩読み取り装置1によりテンポラリな2次元コードを紙媒体に発行し、店舗内POS端末3により読み取った前記2次元コードによる認証に成功した場合に、決済処理を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの虹彩データを取得し、
取得した前記虹彩データによる認証に成功した場合に、テンポラリコードを発行し、
発行した前記テンポラリコードによる認証に成功した場合に、決済処理を実行する
情報処理方法。
【請求項2】
前記虹彩データによる認証に成功した場合に、店舗内又は店舗の入り口付近に設けた虹彩読み取り装置によりテンポラリな2次元コードを紙媒体に発行し、
店舗内POS端末により読み取った前記2次元コードによる認証に成功した場合に、決済処理を実行する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記ユーザには複数のクレジットカードが紐づけられており、
前記ユーザに対応する前記クレジットカードを選択可能に出力する
請求項1または請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
選択された前記クレジットカードに対する決済処理を実行する
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記虹彩読み取り装置による前記虹彩データの取得に際し、前記虹彩読み取り装置の撮像範囲に関して、少なくともユーザの顔全体が撮像範囲の所定以上を占める状態からユーザの虹彩が撮像範囲の所定以上を占める状態に変化させる過程で得られる複数の画像を表示する
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記2次元コードに加えて、ユーザの顔画像を紙媒体に印刷する
請求項2又は5に記載のいずれかの情報処理方法。
【請求項7】
前記2次元コードの再発行処理を受け付け、
前記虹彩データを再度取得して再度テンポラリな2次元コードを再発行し、
発行済みの前記2次元コードを無効化する
請求項2又は5に記載のいずれかの情報処理方法。
【請求項8】
ユーザの虹彩データを取得し、
取得した前記虹彩データによる認証に成功した場合に、テンポラリコードを発行し、
生成した前記テンポラリコードによる認証に成功した場合に、決済処理を実行する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
店舗ゲートに設けた虹彩読み取り装置と、決済サーバとを備える情報処理システムであって、
前記虹彩読み取り装置は、
ユーザの虹彩データを取得する撮像部と、
該撮像部より取得した前記虹彩データの読み取りに成功した場合に、前記決済サーバに前記虹彩データを送信する通信部とを備え、
前記決済サーバは、制御部を備え、
該制御部は、前記読み取り装置から送信された前記虹彩データに対する認証に成功した場合に、前記読み取り装置にテンポラリな2次元コードを送信し、
前記虹彩読み取り装置は、
前記通信部により、前記決済サーバから送信された前記2次元コードを受信し、
受信した該2次元コードを紙媒体に印刷する発行部を備え、
前記決済サーバの前記制御部は、
店舗に設置されたPOS端末が前記紙媒体をスキャンして読み取った前記2次元コード及び決済データを受信し、
受信した前記2次元コードの認証に成功した場合に、前記決済データに基づき決済処理を実行する
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触型決済が普及している。特許文献1には、掌への反射光を用いて手の形、サイズ及び静脈データを取得して、ユーザを認証する掌形認証システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術を用いて、掌形認証に基づく決済を実施するためには、店舗の出入口及びレジ等に掌形認証に使用する機器を複数設置する必要がある。
【0005】
本開示の一様態に係る情報処理方法は、虹彩認証に基づく決済を実施することで、決済処理を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一様態に係る情報処理方法は、ユーザの虹彩データを取得し、取得した前記虹彩データによる認証に成功した場合に、テンポラリコードを発行し、発行した前記テンポラリコードによる認証に成功した場合に、決済処理を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、決済処理を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】虹彩認証に基づく決済処理システムの概要を示す説明図である。
【
図2】虹彩読み取り装置の構成例を示す説明図である。
【
図3】虹彩読み取り装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】決済サーバの構成例を示すブロック図である。
【
図5】ユーザDB及びユーザ認証DBの構成例を示す説明図である。
【
図6】店内POS端末の構成例を示すブロック図である。
【
図7】実施形態1に係るテンポラリな2次元コードを含む紙媒体の発行処理を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態1に係るタッチパネルに表示される画面例を示す説明図である。
【
図9】2次元コード情報の取得から決済処理までを示すフローチャートである。
【
図10】実施形態2に係るテンポラリな2次元コードを含む紙媒体の発行処理を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態2に係るタッチパネルに表示されるユーザ画像の一例を示す説明図である。
【
図12】実施形態3に係るテンポラリな2次元コードを含む紙媒体の発行処理を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態3に係るタッチパネルに表示される画面例を示す説明図である。
【
図14】実施形態4に係るテンポラリな2次元コードを含む紙媒体の発行処理を示すフローチャートである。
【
図15】発行される紙媒体の内容例を示す説明図である。
【
図16】再発行処理の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
図1は、虹彩認証に基づく決済処理システムの概要を示す説明図である。虹彩認証に基づく決済処理システム100は、ユーザの虹彩データを取得し、虹彩データの認証に成功した場合に、後述するテンポラリコードを発行し、発行したテンポラリコードの認証に成功した場合に、決済処理を実行する情報処理システムである。虹彩認証に基づく決済処理システム100を利用することで、ユーザは、クレジットカード等を使用することなく、非接触型決済を実行できる。虹彩認証に基づく決済処理システム100は、虹彩読み取り装置1と、決済サーバ2と、店内POS端末3とを含む。虹彩読み取り装置1と、決済サーバ2と、店内POS端末3とは、ネットワークNを介して相互にデータを送受信できる。
【0010】
図2は、虹彩読み取り装置の構成例を示す説明図である。虹彩読み取り装置1は、店舗内又は店舗の入り口付近等に配置される。虹彩読み取り装置1は、床部5と、一対の側壁6A、6Bとを有する撮像ブース4を備える。床部5は、平面視で長方形である。側壁6A、6Bは、床部5の2つの長辺に沿って、床部5に対して垂直に立ち上がる壁である。
【0011】
側壁6Aの、側壁6Bに対向する面には、カメラ14、タッチパネル15及び発行部16が配置されている。カメラ14は、カメラレンズ14aを備える。カメラ14は、側壁6Aの中央上部に配置されている。タッチパネル15は、カメラ14の下方に配置されている。タッチパネル15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の電子ディスプレイを含む。カメラ14及びタッチパネル15は、矩形である。発行部16は、タッチパネル15の下方に配置される。発行部16は、矩形の溝16aを備える。
【0012】
床部5には、マーカ18が設けられてもよい。マーカ18は、例えば人の足跡の形状を有する。マーカ18は、カメラ14の正面上の床部5に位置する。
【0013】
床部5の長辺のいずれか一方が店舗の壁面と接している場合に、店舗の壁面が側壁6Aの代わりに使用されてもよい。この場合、カメラ14と、タッチパネル15と、発行部16とは、店舗の壁面に配置される。
【0014】
ユーザは、側壁6A、6Bの間を通過できる。床部5は、撮像ブース4においてユーザが通過する通路の床となる。カメラ14は、撮像ブース4を通過するユーザの顔の高さ付近に配置される。
【0015】
カメラ14は、ユーザの顔を認識した場合に、カメラレンズ14aの高さ及び向きを自動調節して、ユーザの虹彩画像を取得する機能を有する。カメラ14は、大人から子どもまで身長の異なるユーザの虹彩画像を取得可能に構成されている。
【0016】
タッチパネル15は、入力部及び表示部を含む。タッチパネル15は、ユーザによる入力を受け付け、及び、各種の情報を表示する機能を有する。発行部16は、溝16aからテンポラリコードが印刷された紙媒体を発行する。テンポラリコードについては後述する。発行される紙媒体は、感熱紙等で構成される。
【0017】
マーカ18は、ユーザの目印となる。カメラ14は、マーカ18の上に立ったユーザを認識して、ユーザの虹彩画像を取得してもよい。
【0018】
なお、撮像ブース4は、床部5の4方を囲む側壁と、床部5の短辺側の2つの側壁にそれぞれ設けられたドアを有してもよい。なお、撮像ブース4の形状は一例であり、他の形状であってもよい。
【0019】
図3は、虹彩読み取り装置の構成例を示すブロック図である。虹彩読み取り装置1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、カメラ14と、タッチパネル15と、発行部16と、読み取り部17とを含み、これらはバスを介して接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pを実行する。これにより、制御部11は、虹彩読み取り装置1が行うべき種々の制御処理及び情報処理を実行する。記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク又はSSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、制御部11が実行する制御プログラム12P(プログラム製品)及び制御プログラムの実行に必要な各種データ等を予め取得している。また、記憶部12は、制御部11が制御プログラムを実行する際に発生するデータ等を予め記憶する。
【0020】
通信部13は、例えばBluetooth(登録商標)又はWi-fi等の無線通信を行うためのインターフェースであり、無線通信によって外部装置(例えば決済サーバ2)との間で情報の送受信を行う。なお、通信部13は、ケーブルを介した有線通信によって外部装置との間で情報の送受信を行うためのインターフェースであってもよい。
【0021】
カメラ14は、虹彩読み取り装置1によるユーザの虹彩画像を取得するための撮像装置である。カメラ14は、マーカ18に立ったユーザを認識して、ユーザの虹彩画像を取得する。制御部11は、カメラ14による撮像を行い、得られたデータに対して各種の画像処理を行い、ユーザの虹彩画像を取得する。
【0022】
タッチパネル15は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を備え、制御部11からの指示に従って各種の情報を表示する。
【0023】
発行部16は、紙媒体を収容する収容部と、紙媒体にテンポラリコードを印刷する印刷部と、テンポラリコードが印刷された紙媒体を排出する溝16aとを備える。テンポラリな2次元コードの印刷には、インクジェット方式と、レーザープリンタ方式とを含む既存の印刷手法が用いられる。また、使用する記録媒体は、紙媒体だけでなく、磁気カード及びICカードでもよく、スマートフォンにデータを送信する形式等であってもよい。
【0024】
テンポラリとは、制限時間及び制限回数等の意味を含む。具体的には、テンポラリコードは、発行から一定期間(例えば2時間)に限り使用できる。なお、本実施形態では、テンポラリコードに制限時間が設定された実施例についてのみ記載するが、テンポラリコードに制限回数(例えば1回)、又は、制限時間及び制限回数の両方が設定されてもよい。
【0025】
コードとは、バーコード及び2次元コード等を含む。バーコードは、太さの異なるバー及びスペースの組み合わせを有し、一方向のみに情報を備える。使用されるバーコードには、JANコード及びITFコード等が含まれる。2次元コードは、縦及び横の2方向に情報を備える。使用される2次元コードには、Qマトリクス型2次元コード及びスタック型2次元コード等が含まれる。Qマトリクス型2次元コードには、QRコード(登録商標)及びDataMatrix等が含まれる。スタック型2次元コードには、PDF417及びCODE49等が含まれる。本実施形態では、テンポラリコードのうち、テンポラリな2次元コードを用いて説明する。
【0026】
読み取り部17は、CD(Compact Disc)―ROM、DVD(Digital Versatile Disc)―ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はSD(Secure Digital)カード等を含む可搬型記憶媒体1aに記憶された情報を読み取る。記憶部12に記憶される制御プログラム12P及びデータは、制御部11が読み取り部17を介して可搬型記憶媒体1aから読み取って記憶部12に記憶してもよい。また、記憶部12に記憶される制御プログラム12P及びデータは、制御部11が通信部13を介してネットワークN経由で外部装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。更に、制御部11が半導体メモリ1bから制御プログラム12P及びデータを読み出してもよい。
【0027】
図4は、決済サーバの構成例を示すブロック図である。決済サーバ2は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、読み取り部24とを含み、これらはバスを介して接続されている。制御部21は、CPU、MPU又はGPU等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部21は、記憶部22に記憶してある制御プログラム22Pを実行すると共に、バスを介して決済サーバ2を構成するハードウェア各部の動作を制御する。これにより、制御部21は、決済サーバ2が行うべき種々の制御処理及び情報処理を実行する。記憶部22は、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク又はSSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部22は、制御部21が実行する制御プログラム22P(プログラム製品)及び制御プログラム22Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。記憶部22は、制御部21が制御プログラム22Pを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。また、記憶部22は、制御プログラム22Pのほかに、後述するユーザDB22a及びユーザ認証DB22bを記憶する。
【0028】
通信部23は、有線通信又は無線通信によってネットワークNに接続するためのインターフェースであり、ネットワークN経由で外部装置との間で情報の送受信を行う。また、通信部23は、無線通信又は有線通信によって外部装置(虹彩読み取り装置1及び店内POS端末3)との間で情報の送受信を直接行うためのインターフェースを有する構成でもよい。
【0029】
読み取り部24は、CD―ROM、DVD―ROM、USBメモリ又はSDカード等を含む可搬型記憶媒体2aに記憶された情報を読み取る。記憶部22に記憶される制御プログラム22P(プログラム製品)及びデータは、制御部21が読み取り部24を介して可搬型記憶媒体2aから読み取って記憶部22に記憶してもよい。また、記憶部22に記憶される制御プログラム22P及びデータは、制御部21が通信部23を介してネットワークN経由で外部装置からダウンロードして記憶部22に記憶してもよい。更に、制御部21が半導体メモリ2bから制御プログラム22P及びデータを読み出してもよい。
【0030】
図5は、ユーザDB及びユーザ認証DBの構成例を示す説明図である。
図5Aは、ユーザDB22aの構成例を示す。ユーザDB22aは、ユーザの初期登録情報を記憶する。ユーザDB22aは、ユーザID列と、氏名列と、虹彩情報列と、クレジットカード情報列とを含む。ユーザID列は、ユーザを一意に特定可能なユーザIDを記憶する。ユーザIDは、複数の文字及び数字を含む。氏名列は、ユーザの氏名を記憶する。虹彩情報列は、ユーザの虹彩特徴量を記憶する。ユーザの虹彩特徴量は、ユーザの虹彩画像から虹彩エリアを抽出し、抽出した虹彩エリアを微小ブロック化し、各ブロックから輝度変化等を抽出することで得られる。虹彩特徴量は、ユーザごとに異なり経年変化もしない。よって、虹彩特徴量は、ユーザを一意に特定できる。クレジットカード情報列は、ユーザが登録したクレジットカードブランド及びカード番号を記憶する。ユーザが複数のクレジットカード情報を登録した場合、クレジットカード情報列は、複数のクレジットカードブランド及びカード番号を記憶する。本実施形態では、ユーザDB22aにクレジットカード情報が登録された実施例について記載する。なお、デビットカード、電子マネー、スマートフォン決済等のキャッシュレス決済に関する情報がユーザDB22aに記憶されていてもよい。
【0031】
図5Bは、ユーザ認証DB22bの構成例を示す。虹彩読み取り装置1より取得したユーザの虹彩特徴量が、ユーザDB22aに記憶された虹彩特徴量と一致した場合に、ユーザ認証DB22bは、種々の情報を記憶する。種々の情報の保存期間は、任意に設定される。ユーザ認証DB22bは、認証ID列、ユーザID列、テンポラリコード情報列及び生成日時列等を含む。なお、ユーザ認証DB22bには、クレジットカード情報及びユーザの顔画像等の情報が記憶されてもよい。認証ID列は、認証DB22bのレコードを特定するために付与される識別子である。認証IDは、複数の文字及び数字を含む。ユーザID列は、ユーザDB22aに記憶されたユーザIDと同様である。テンポラリコードの情報列は、発行されたテンポラリな2次元コードに含まれる識別情報(以下、2次元コード情報と記載)を記憶する。2次元コード情報は、認証ID及びユーザID等を組み合わせて、所定のルールに従い数値化して、2進数に変換することで得られる。なお、2次元コード情報の作成方法は、これに限定されない。生成日時列は、2次元コード情報を生成した日時を記憶する。
【0032】
図6は、店内POS端末の構成例を示すブロック図である。店内POS端末3は、店舗で使用される一般的なコードリーダ(例えばQRコードリーダ)である。店内POS端末3は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、コードリーダ34と、表示部35とを含み、これらはバスを介して接続されている。制御部31は、CPU、MPU又はGPU等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部31は、記憶部32に記憶してある制御プログラム32Pを実行する。これにより、制御部31は、店内POS端末3が行うべき種々の制御処理及び情報処理を実行する。記憶部32は、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク又はSSD等を含む。記憶部32は、制御部31が実行する制御プログラム32P(プログラム製品)及び制御プログラムの実行に必要な各種データ等を予め取得している。また、記憶部32は、制御部31が制御プログラムを実行する際に発生するデータ等を予め記憶する。
【0033】
通信部33は、有線通信又は無線通信によってネットワークNに接続するためのインターフェースであり、ネットワークN経由で外部装置(虹彩読み取り装置1及び決済サーバ2)との間で情報の送受信を行う。また通信部33は、無線通信又は有線通信によって外部装置との間で情報の送受信を直接行うためのインターフェースを有する構成でもよい。
【0034】
コードリーダ34は、LED(Light Emitting Diode)等の照明光と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサとを備える。コードリーダ34は、テンポラリな2次元コードに含まれる2次元コード情報を読み取る。また、コードリーダ34は、合計金額及び店舗情報を含む決済データ(以下、決済データと記載)を取得する。決済データは、製品名及び製品価格等のデータであってもよい。制御部31は、取得した2次元コード情報及び決済データを決済サーバ2に送信する。
【0035】
表示部35は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を含む電子ディスプレイである。表示部35は、制御部31からの指示に従って各種の情報を表示する。表示部35は、タッチパネルにして、ユーザからの入力を受け付けてもよい。
【0036】
以下に、本実施形態の虹彩認証に基づく決済処理システム100における各装置が行う処理について説明する。
【0037】
図7は、実施形態1に係るテンポラリな2次元コードを含む紙媒体の発行処理を示すフローチャートである。はじめに、カメラ14は、カメラレンズ14aに視線を合わせたユーザを認識する(ステップS101)。カメラ14は、ユーザの虹彩画像を取得する(ステップS102)。制御部11は、カメラ14から取得したユーザの虹彩画像に画像処理を施し、ユーザの虹彩特徴量を抽出する(ステップS103)。制御部11は、抽出した虹彩特徴量を決済サーバ2に送信する(ステップS104)。
【0038】
決済サーバ2の制御部21は、虹彩読み取り装置1が送信した虹彩特徴量を受信する(ステップS105)。制御部21は、虹彩読み取り装置1より送信されたユーザの虹彩特徴量が、ユーザDB22aに記憶された虹彩特徴量と一致するか否かを判定する(ステップS106)。なお、制御部21は、送信されたユーザの虹彩特徴量と、ユーザDB22aに記憶された虹彩特徴量との類似度が所定範囲内であれば、一致すると判定してもよい。制御部21は、送信されたユーザの虹彩特徴量が、ユーザDB22aに記憶された虹彩特徴量と一致すると判定した場合に(ステップS106 YES)、虹彩特徴量に対応したユーザIDを特定する(ステップS107)。制御部21は、認証IDを新たに生成する(ステップS108)。制御部21は、ユーザ認証DB22bに認証IDを記憶する(ステップS109)。制御部21は、認証IDに対応付けて、S107で特定したユーザIDを、ユーザ認証DB22bに記憶する(ステップS110)。制御部21は、認証ID及びユーザIDに対応した2次元コード情報を生成する(ステップS111)。制御部21は、ユーザ認証DB22bに2次元コード情報及び生成日時を記憶する(ステップS112)。制御部21は、記憶した2次元コード情報に対応するテンポラリな2次元コードを生成する(ステップS113)。制御部21は、虹彩読み取り装置1にテンポラリな2次元コードを送信する(ステップS114)。
【0039】
虹彩読み取り装置1の制御部11は、決済サーバ2が送信したテンポラリな2次元コードを受信する(ステップS115)。制御部11は、タッチパネル15にテンポラリな2次元コードを表示する(ステップS116)。
【0040】
図8は、実施形態1に係るタッチパネルに表示される画面例を示す説明図である。虹彩読み取り装置1より取得したユーザの虹彩特徴量が、ユーザDB22aに記憶された虹彩特徴量と一致した場合に、表示画面d01は、タッチパネル15に表示される。表示画面d01は、テンポラリな2次元コードd11と、メッセージd12とを含む。テンポラリな2次元コードd11は、店内POS端末3に読み取らせるコードである。
図8では、テンポラリな2次元コードをQRコードで示しているが、その他のコードでもよい。
【0041】
制御部11は、発行部16の印刷部において収容部から取り出した紙媒体にテンポラリな2次元コードを印刷する(ステップS117)。制御部11は、発行部16の溝16aからテンポラリな2次元コードが印刷された紙媒体を排出し(ステップS118)、処理を終了する。
【0042】
送信されたユーザの虹彩特徴量が、ユーザDB22aに記憶された虹彩特徴量と一致しないと判定した場合に(ステップS106 NO)、制御部21は、送信された虹彩特徴量がユーザDB22aの虹彩特徴量と一致しなかった旨の通知(以下、不可通知と記載)を虹彩読み取り装置1に送信する(ステップS119)。その場合、虹彩読み取り装置1の制御部11は、決済サーバ2が送信した不可通知を受信する(ステップS120)。制御部11は、タッチパネル15に不可通知を表示(ステップS121)し、処理を終了する。なお、タッチパネル15に不可通知を表示した場合に、制御部11は、ユーザの初期登録を受け付けてもよい。
【0043】
なお、虹彩読み取り装置1は、カメラ14から取得したユーザの虹彩画像を決済サーバ2に送信してもよい。その場合、決済サーバ2は、虹彩読み取り装置1が送信したユーザの虹彩画像から虹彩特徴量を抽出する。
【0044】
図9は、2次元コード情報の取得から決済処理までを示すフローチャートである。はじめに、店内POS端末3のコードリーダ34は、テンポラリな2次元コードに含まれる2次元コード情報及び決済データを取得する(ステップS122)。制御部31は、決済サーバ2に2次元コード情報及び決済データを送信する(ステップS123)。2次元コード情報及び決済データは、別々のタイミングで送受信してもよい。
【0045】
決済サーバ2の制御部21は、店内POS端末3が送信した2次元コード情報及び決済データを受信する(ステップS124)。制御部21は、取得した2次元コード情報が、ユーザ認証DB22bに記憶される2次元コード情報と一致するか否かを判定する(ステップS125)。取得した2次元コード情報が、ユーザ認証DB22bに記憶される2次元コード情報と一致すると判定した場合に(ステップS125 YES)、制御部21は、2次元コード情報に対応する認証IDと、ユーザIDと、生成日時とを含むレコードを特定する(ステップS126)。
【0046】
制御部21は、特定した生成日時が使用可能な制限時間の範囲内であるか否かを判定する(ステップS127)。具体的には、制御部21は、現在時刻を特定する。制御部21は、特定した現在時刻と、ユーザ認証DB22bに記憶される生成日時とを比較する。上記の比較により、制御部21は、現在時刻が使用可能な制限時間の範囲内であるか否かを判定する。特定した生成日時が使用可能な制限時間の範囲内であると判定した場合に(ステップS127 YES)、制御部21は、ユーザDB22aに記憶されるクレジットカード情報に基づいて、受信した決済データに対する決済処理を実行する(ステップS128)。制御部21は、決済完了画面を生成し、店内POS端末3に送信する(ステップS129)。
【0047】
店内POS端末3の制御部31は、決済サーバ2が送信した決済完了画面を受信する(ステップS130)。制御部31は、表示部35に決済完了画面を表示し(ステップS131)、処理を終了する。
【0048】
取得した2次元コード情報が、ユーザ認証DB22bに記憶される2次元コード情報と一致しないと判定した場合に(ステップS125 NO)、制御部21は、2次元コード情報が認証DB22bに記憶されていない旨の通知(以下、使用不可通知と記載)を虹彩読み取り装置1に送信する(ステップS132)。その場合、虹彩読み取り装置1の制御部11は、決済サーバ2が送信した使用不可通知を受信する(ステップS133)。制御部11は、タッチパネル15に使用不可通知を表示(ステップS134)し、処理を終了する。
【0049】
特定した生成日時が使用可能な制限時間の範囲内でないと判定した場合に(ステップS127 NO)、制御部21は、2次元コード情報が制限時間の範囲外で使用できない旨の通知(以下、期限切れ通知と記載)を虹彩読み取り装置1に送信する(ステップS135)。その場合、虹彩読み取り装置1の制御部11は、決済サーバ2が送信した期限切れ通知を受信する(ステップS136)。制御部11は、タッチパネル15に期限切れ通知を表示(ステップS137)し、処理を終了する。なお、制御部11は、タッチパネル15に期限切れ通知に加えて、ユーザに再発行を促す通知を表示してもよい。
【0050】
なお、選択されたクレジットカードによる決済は、決済サーバ2ではなく、クレジットカード会社の決済サーバで実行されてもよい。その場合に、ステップS128において、決済サーバ2は、決済処理として決済データをクレジットカード会社等のサーバに送付する。
【0051】
以上より、実施形態1によれば、虹彩認証に基づく決済処理システム100は、ユーザの虹彩特徴量を取得し、取得した虹彩特徴量の認証に成功した場合に、テンポラリな2次元コードを発行し、発行したテンポラリな2次元コードの認証に成功した場合に、決済処理を実行できる。
【0052】
(実施形態2)
実施形態2は、虹彩読み取り装置によるユーザの虹彩データの取得の際に、少なくともユーザの上半身から目までの画像をタッチパネル15に複数表示する形態に関する。実施形態2の情報処理方法は、実施形態1の情報処理方法と同様の装置を用いて実現されるため、構成についての詳細な説明は省略する。
【0053】
図10は、実施形態2に係るテンポラリな2次元コードを含む紙媒体の発行処理を示すフローチャートである。
図10に示す処理は、
図7に示す処理において、ステップS101~S105の代わりにステップS201~S209を追加したものである。
図7と同様のステップについては、説明を省略する。はじめに、虹彩読み取り装置1のカメラ14は、カメラレンズ14aに視線を合わせたユーザを認識する(ステップS201)。カメラ14は、2回の撮像を行い、ユーザの虹彩画像及びユーザの身体を含む画像を取得する(ステップS202)。ユーザの虹彩画像は、虹彩特徴量の抽出に使用される。ユーザの身体を含む画像は、タッチパネル15に表示する複数の画像を取得するために使用される。制御部11は、ユーザの身体を含む画像からタッチパネル15に表示する画像の領域を特定する(ステップS203)。例えば、タッチパネル15に表示する画像が、上半身、顔、目元及び目の4つの領域であれば、制御部11は、ユーザの身体を含む画像から当該4つの領域を特定する。なお、各領域の特定は、パターンマッチング又は機械学習モデルを用いて実行すれば良い。タッチパネル15に表示する画像は、任意に設定される。制御部11は、ユーザの身体を含む画像から特定した領域を含む画像を切り取る(ステップS204)。例えば、制御部11は、ユーザの身体を含む画像から、上半身、顔、目元及び目の領域を含む画像をそれぞれ切り取る。制御部11は、切り取った画像に拡大及び縮小等の画像編集を行い、複数の画像を取得する(ステップS205)。制御部11は、タッチパネル15に複数の画像を表示する(ステップS206)。タッチパネル15に複数の画像を表示する時間は、任意に設定される。
【0054】
なお、タッチパネル15に表示する画像は、ユーザの身体を含む画像から得られる画像ではなく、カメラ14がユーザの虹彩画像を取得する過程で得られる画像でもよい。この場合に、カメラ14がユーザの虹彩画像を取得する際に、カメラ14の撮像範囲に関して、少なくともユーザの顔全体が撮像範囲の所定以上を占める状態からユーザの虹彩が撮像範囲の所定以上を占める状態まで変化させる過程で得られる複数の画像を、制御部11は、タッチパネル15に表示する。所定以上とは、例えば、ユーザの顔全体又は虹彩含む領域が、カメラ14の撮像範囲内で8割以上を占める状態を指す。所定以上を満たす割合は、任意に設定される。
【0055】
図11は、実施形態2に係るタッチパネルに表示されるユーザ画像の一例を示す説明図である。表示画面d02は、ユーザの虹彩画像を取得する際に、タッチパネル15に表示される画面である。表示画面d02は、ユーザ画像d21を含む。ユーザ画像d21は、少なくともユーザの上半身から目までの画像を複数表示する。なお、ユーザ画像d21は、カメラ14の撮像範囲に関して、ユーザの顔全体が撮像範囲の所定以上を占める状態からユーザの虹彩が撮像範囲の所定以上を占める状態まで変化させる間に生じる画像を複数表示してもよい。
図11の例では、左から順に上半身、顔、目元及び目の画像が表示される。
【0056】
制御部11は、カメラ14から取得したユーザの虹彩画像に画像処理を施し、ユーザの虹彩特徴量を抽出する(ステップS207)。制御部11は、抽出した虹彩特徴量を決済サーバ2に送信する(ステップS208)。
【0057】
決済サーバ2の制御部21は、虹彩読み取り装置1が送信した虹彩特徴量を受信する(ステップS209)。制御部21がユーザの虹彩特徴量を受信した後の手順は、実施形態1と同様(ステップS106~S121)のため、説明を省略する。
【0058】
なお、タッチパネル15に表示されたユーザの画像と、カメラ14で撮影されたユーザとが異なる場合に、制御部11は、タッチパネル15を介して再度撮像処理を受け付けてもよい。
【0059】
以上のように、実施形態2によれば、虹彩認証に基づく決済処理システム100は、ユーザの虹彩データを取得する際に、少なくともユーザの上半身から目までの画像をタッチパネル15に複数表示する。ユーザは、自身の虹彩画像に基づいて、虹彩特徴量の取得からテンポラリな2次元コードの発行までの処理が実行されていることを確認できる。
【0060】
(実施形態3)
実施形態3は、テンポラリな2次元コードの発行の際に、ユーザに紐づけられた複数のクレジットカードを選択できる形態に関する。本実施形態の情報処理方法は、実施形態1の情報処理方法と同様の装置を用いて実現されるため、構成についての詳細な説明は省略する。
【0061】
図12は、実施形態3に係るテンポラリな2次元コードを含む紙媒体の発行処理を示すフローチャートである。
図12に示す処理は、
図7に示す処理において、ステップS106~S121の代わりにステップS306~S328を追加したものである。
図7と同じステップについては、説明を省略する。また、
図12では、
図7中のステップS101~S105の図示を省略している。送信されたユーザの虹彩特徴量が、ユーザDB22aに記憶された虹彩特徴量と一致すると判定した場合に(ステップS306 YES)、制御部21は、虹彩特徴量に対応したユーザID及び複数のクレジットカード情報を特定する(ステップS307)。制御部21は、認証IDを新たに生成する(ステップS308)。制御部21は、ユーザ認証DB22bに認証IDを記憶する(ステップS309)。制御部21は、認証IDに対応付けて、S307で特定したユーザIDを、ユーザ認証DB22bに記憶する(ステップS310)。制御部21は、複数のクレジットカード情報を虹彩読み取り装置1に送信する(ステップS311)。
【0062】
虹彩読み取り装置1の制御部11は、決済サーバ2が送信した複数のクレジットカード情報を受信する(ステップS312)。制御部11は、複数のクレジットカード情報をタッチパネル15に表示する(ステップS313)。
【0063】
図13は、実施形態3に係るタッチパネルに表示される画面例を示す説明図である。
図13Aは、タッチパネル15に複数のクレジットカード情報を表示する画面例である。表示画面d03は、タッチパネル15に表示される画面である。表示画面d03は、決済手段を選択させるメッセージd31と、決済選択ボタンd32、d33及びd34とを含む。決済選択ボタンd32、d33及びd34は、ユーザ決済DB22bに記憶された複数のクレジットカード情報を含む。複数のクレジットカード情報は、例えばカードブランド名及びクレジット番号の下3桁で表示される。
【0064】
制御部11は、タッチパネル15を介して、ユーザによるクレジットカード情報の選択を受け付ける(ステップS314)。制御部11は、選択されたクレジットカード情報を決済サーバ2に送信する(ステップS315)。
【0065】
決済サーバの制御部21は、虹彩読み取り装置1から選択されたクレジットカード情報を受信する(ステップS316)。制御部21は、ユーザ認証DB22bに選択されたクレジットカード情報を記憶する(ステップS317)。制御部21は、認証ID、ユーザID及びクレジットカード情報に対応する2次元コード情報を生成する(ステップS318)。制御部21は、ユーザ認証DB22bに2次元コード情報及び生成日時を記憶する(ステップS319)。制御部21は、2次元コード情報に対応するテンポラリな2次元コードを生成する(ステップS320)。制御部21は、虹彩読み取り装置1にテンポラリな2次元コード及び選択されたクレジットカード情報を送信する(ステップS321)。
【0066】
虹彩読み取り装置1の制御部11は、決済サーバ2が送信したテンポラリな2次元コード及び選択されたクレジットカード情報を受信する(ステップS322)。制御部11は、テンポラリな2次元コード及びユーザがS314で選択した決済手段をタッチパネル15に表示する(ステップS323)。
【0067】
図13Bは、虹彩読み取り装置1のタッチパネル15が表示する画面例である。表示画面d04は、ユーザが決済手段を選択した場合に、タッチパネル15に表示される画面である。表示画面d04は、テンポラリな2次元コードd41と、選択された決済手段d42と、メッセージd43とを含む。テンポラリな2次元コードd04は、店内POS端末3に読み取らせるコードである。選択された決済手段d42は、ユーザがS314で選択した決済手段である。
図13Bでは、テンポラリな2次元コードをQRコードで示しているが、その他のコードでもよい。
【0068】
制御部11は、発行部16の印刷部において収容部から取り出した紙媒体にテンポラリな2次元コードを印刷する(ステップS324)。制御部11は、発行部16の溝16aからテンポラリな2次元コードが印刷された紙媒体を排出し(ステップS325)、処理を終了する。なお、ユーザがタッチパネル15に表示されたクレジットカード情報を変更したい場合に、制御部11は、タッチパネル15を介してユーザによるクレジットカード情報の変更を受け付けてもよい。
【0069】
なお、ユーザが選択した、クレジットカードによる決済は、決済サーバ2ではなく、クレジットカード会社の決済サーバで実行されてもよい。その場合に、
図9のステップS128において、決済サーバ2は、決済処理として決済データをユーザが選択したクレジットカード会社等のサーバに送付する。具体的には、ユーザがクレジットカードブランドCを選択した場合に、決済サーバ2は、クレジットカードブランドCを管理する当該サーバに決済データを送信する。
【0070】
送信されたユーザの虹彩特徴量が、ユーザDB22aに記憶された虹彩特徴量と一致しないと判定された場合(ステップS306 NO)の処理は、実施形態1と同様のため省略する。
【0071】
以上のように、実施形態3によれば、虹彩認証に基づく決済処理システム100は、テンポラリな2次元コードの発行の際に、ユーザに紐づけられた複数のクレジットカードを選択可能にすることで、ユーザの希望に合わせて決済手段を変更できる。
【0072】
(実施形態4)
実施形態4は、テンポラリな2次元コードに加えて、ユーザの顔画像も併せて紙媒体に印刷する形態に関する。実施形態4では、テンポラリな2次元コード及びユーザの顔画像が紙媒体に印刷される。ユーザが紙媒体を紛失した場合、第三者による不正利用のリスクが生じる。紙媒体にユーザの顔画像を含めることで、第三者は、テンポラリな2次元コードの不正利用が難しくなる。よって、紙媒体に印刷されるユーザの顔画像は、紙媒体のセキュリティ面を向上させることができる。本実施形態の情報処理方法は、
図1に示す実施形態1の情報処理方法と同様の装置を用いて実現されるため、構成についての詳細な説明は省略する。
【0073】
図14は、実施形態4に係るテンポラリな2次元コードを含む紙媒体の発行処理を示すフローチャートである。
図14に示す処理は、
図10に示す処理において、ステップS116~S118の代わりにステップS401~S403を追加したものである。
図7と同じステップについては、説明を省略する。また、
図14では、
図10中のステップS201~S115の図示を省略している。実施形態4では、ユーザの身体を含む画像からユーザの顔画像を取得する。取得される画像は、顔画像に限定されない。なお、実施形態4では、タッチパネル15に複数の画像を表示しなくてもよい。
図10のステップS208以降において、決済サーバ2における処理が完了するまで、制御部11は、ユーザの顔画像を記憶部12に一時的に記憶する。
【0074】
図10中のステップS201~S115が完了した後、制御部11は、テンポラリな2次元コード、及び、記憶部12に記憶されたユーザの顔画像をタッチパネル15に表示する(ステップS401)。なお、ユーザがタッチパネル15に表示された顔画像を変更したい場合に、制御部11は、タッチパネル15を介して、再度撮像処理の要求を受け付けてもよい。
【0075】
制御部11は、発行部16の印刷部において収容部から取り出した紙媒体にテンポラリな2次元コード及びユーザの顔画像を印刷する(ステップS402)。制御部11は、発行部16の溝16aからテンポラリな2次元コード及びユーザの顔画像が印刷された紙媒体を排出し(ステップS403)、処理を終了する。また、紙媒体の発行後、記憶部22に記憶されたユーザの顔画像は、任意のタイミングで消去される。
【0076】
図15は、発行される紙媒体の内容例を示す説明図である。紙媒体d05は、虹彩読み取り装置1より取得したユーザの虹彩特徴量が、ユーザDB22aに記憶された虹彩特徴量と一致した場合に、発行部16の溝16aから発行される。紙媒体d05には、テンポラリな2次元コードd51と、ユーザの顔画像d52とが印刷されている。テンポラリな2次元コードd51は、店内POS端末3に読み取らせるコードである。ユーザの顔画像d52は、虹彩読み取り装置1により取得される。
図15の例では、上から順にテンポラリな2次元コード及びユーザの顔画像が紙媒体に印刷される。
図15では、テンポラリな2次元コードをQRコードで示しているが、その他のコードでもよい。
【0077】
以上のように、実施形態4では、虹彩認証に基づく決済処理システム100は、テンポラリな2次元コードに加えて、ユーザの顔画像を紙媒体に印刷する。ユーザの顔画像が紙媒体に印刷されることで、第三者は、テンポラリな2次元コードの不正利用が難しくなる。よって、紙媒体に印刷されるユーザの顔画像は、紙媒体のセキュリティ面を向上させることができる。
【0078】
(実施形態5)
実施形態5は、テンポラリな2次元コードの再発行処理を受け付けて、テンポラリな2次元コードを再発行し、発行済みの2次元コードを無効化する形態に関する。ユーザは、テンポラリな2次元コードを紛失した場合に、虹彩読み取り装置1より再発行処理を実施できる。ユーザは、再発行処理の実施により発行済みの2次元コードを無効化することで、第三者による不正利用を防止できる。また、ユーザは、店舗に長時間滞在して、テンポラリな2次元コードが使用不可となった場合に、再発行処理により利用可能な新規のテンポラリな2次元コードを発行できる。
【0079】
図16は、再発行処理の手順例を示すフローチャートである。
図16に示す処理は、
図7に示す処理において、ステップS101~S113の代わりにステップS501~S516を追加したものである。
図7と同じステップについては、説明を省略する。また、
図16では、
図7中のステップS114~S118及びS119~S121の図示を省略している。虹彩読み取り装置1の制御部11は、タッチパネル15を介して、ユーザの再発行処理の要求を受け付ける(ステップS501)。カメラ14は、カメラレンズ14aに視線を合わせたユーザを認識する(ステップS502)。カメラ14は、ユーザの虹彩画像を取得する(ステップS503)。制御部11は、カメラ14から取得したユーザの虹彩画像に画像処理を施し、ユーザの虹彩特徴量を抽出する(ステップS504)。制御部11は、再発行処理の要求及び虹彩特徴量を決済サーバ2に送信する(ステップS505)。
【0080】
決済サーバ2の制御部21は、虹彩読み取り装置1が送信した再発行処理の要求及び虹彩特徴量を受信する(ステップS506)。制御部21は、虹彩読み取り装置1より送信されたユーザの虹彩特徴量が、ユーザDB22aに記憶された虹彩特徴量と一致するか否かを判定する(ステップS507)。送信されたユーザの虹彩特徴量が、ユーザDB22aに記憶された虹彩特徴量と一致すると判定した場合に(ステップS507 YES)、制御部21は、虹彩特徴量に対応したユーザIDを特定する(ステップS508)。制御部21は、特定したユーザIDと同一のユーザIDを含むレコードをユーザ認証DB22bから検索する(ステップS509)。制御部21は、検索したレコードに含まれる生成日時が使用可能な制限時間の範囲内であるか否かを判定する(ステップS510)。生成日時が使用可能な制限時間の範囲内であると判定した場合に(ステップS510 YES)、制御部21は、認証ID及びユーザIDに対応した2次元コード情報を新たに生成する(ステップS511)。制御部21は、ユーザ認証DB22bに記憶されている既存の2次元コード情報及び生成日時に、新規の2次元コード情報及び生成日時を上書きして記憶する(ステップS512)。制御部21は、記憶した2次元コード情報に対応するテンポラリな2次元コードを生成する(ステップS513)。制御部21が、虹彩読み取り装置1にテンポラリな2次元コードを送信するより後の手順は実施形態1と同様(ステップS114~ステップS118)のため、説明を省略する。なお、既存の2次元コード情報及び生成日時等に関する無効化処理は、上述した形式に限るものではない。制御部21は、2次元コードと含めて既存のレコードを消去し、新たな認証ID、ユーザID、2次元コード情報及び生成日時を、ユーザ認証IDに記憶するようにしてもよい。
【0081】
生成日時が使用可能な制限時間の範囲内でないと判定した場合に(ステップS510 NO)、制御部21は、認証IDを新たに生成する(ステップS514)。制御部21は、ユーザ認証DB22bに認証IDを記憶する(ステップS515)。制御部21は、認証IDに対応付けて、S508で特定したユーザIDを、ユーザ認証DB22bに記憶する(ステップS516)。制御部21が、新規の2次元コード情報を生成するより後の手順は、ステップS510がYESの場合と同様のため、説明を省略する。
【0082】
送信されたユーザの虹彩特徴量が、ユーザ認証DB22bに記憶された虹彩特徴量と一致しない場合(ステップS507 NO)の処理は、実施形態1と同様(ステップS119~S121)のため省略する。
【0083】
以上のように、実施形態5では、虹彩認証に基づく決済処理システム100は、ユーザの虹彩特徴量が存在し、かつ、2次元コード情報が制限時間の範囲内の場合に、テンポラリな2次元コードを再発行できる。ユーザは、発行済みの2次元コードを無効化できるため、第三者による不正利用を防止できる。また、虹彩認証に基づく決済処理システム100は、ユーザの虹彩特徴量が存在し、かつ、2次元コード情報が制限時間の範囲外の場合にも、テンポラリな2次元コードを再発行できる。ユーザは、店舗等に長時間滞在することでテンポラリな2次元コードが使用不可となった場合に、再度テンポラリな2次元コードを利用できる。
【0084】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0085】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることができる。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることができる。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0086】
100 :虹彩認証に基づく決済処理システム
1 :虹彩読み取り装置
1a :可搬型記憶媒体
1b :半導体メモリ
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :カメラ
15 :タッチパネル
16 :発行部
17 :読み取り部
18 :マーカ
12P :制御プログラム
14a :カメラレンズ
16a :溝
2 :決済サーバ
2a :可搬型記憶媒体
2b :半導体メモリ
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
24 :読み取り部
22P :制御プログラム
22a :ユーザDB
22b :ユーザ認証DB
3 :店内POS端末
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :コードリーダ
35 :表示部
32P :制御プログラム
N :ネットワーク
4 :撮像ブース
5 :床部
6A :側壁
6B :側壁