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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165521
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】タイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/12 20060101AFI20241121BHJP
   B60C 11/00 20060101ALI20241121BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B60C11/12 B
B60C11/00 D
B60C11/12 C
B60C11/03 Z
B60C11/03 300B
B60C11/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081785
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直也
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BA01
3D131BB01
3D131BB11
3D131BC12
3D131BC18
3D131BC19
3D131BC31
3D131BC33
3D131EB07U
3D131EB11V
3D131EB11X
3D131EB18X
3D131EB19X
3D131EB20X
3D131EB28V
3D131EB28X
3D131EB31V
3D131EB31X
3D131EB48V
3D131EB48X
3D131EB82V
3D131EB82X
3D131EB83V
3D131EB83X
3D131EB85V
3D131EB85X
3D131EB86X
3D131EB87V
3D131EB87X
3D131EB90U
3D131EC15X
(57)【要約】
【課題】 氷上性能と耐久性能とを高次元で両立し得るタイヤを提供する。
【解決手段】 本発明は、トレッド部2を有するタイヤ1である。トレッド部2は、接地面2sを形成するキャップゴム2Gを含んでいる。キャップゴム2Gは、ガラス転移温度が-45℃以下のゴム組成物から形成されている。接地面2sには、複数のサイプ3が設けられている。単位面積S当たりの複数のサイプ3のそれぞれの長手方向の形状に沿った長さLの合計値ΣL(mm)を単位面積S(mm2)で除した値ΣL/S(mm/mm2)をサイプ密度Dとしたときに、キャップゴム2Gの-1℃におけるゴム硬度Hをサイプ密度Dで除した値H/Dが、400~700である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、接地面を形成するキャップゴムを含み、
前記キャップゴムは、ガラス転移温度が-45℃以下のゴム組成物から形成され、
前記接地面には、複数のサイプが設けられ、
単位面積当たりの前記複数のサイプのそれぞれの長手方向の形状に沿った長さの合計値(mm)を前記単位面積(mm2)で除した値(mm/mm2)をサイプ密度としたときに、前記キャップゴムの-1℃におけるゴム硬度を前記サイプ密度で除した値が、400~700である、
タイヤ。
【請求項2】
前記トレッド部は、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝と、タイヤ軸方向に延びる複数の横溝と、前記複数の周方向溝と前記複数の横溝とで区分された複数のブロックとを備え、
前記接地面は、前記複数のブロックのそれぞれのタイヤ半径方向の外表面で構成される、請求項1に記載のタイヤ。
【請求項3】
前記トレッド部のランド比が、58%以上である、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項4】
前記単位面積において、
前記複数のブロックのエッジ成分であるブロックエッジ成分の合計値は、前記複数のサイプのエッジ成分であるサイプエッジ成分の合計値の50%~80%である、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項5】
前記複数の周方向溝は、最もトレッド端側に配されたショルダー周方向溝を含み、
前記複数のブロックは、前記ショルダー周方向溝と前記トレッド端との間に位置する第1ショルダーブロックを含み、
前記第1ショルダーブロックの前記ショルダー周方向溝側の端面には、少なくとも1つの第1面取部が設けられる、請求項2に記載のタイヤ。
【請求項6】
前記第1面取部は、階段状に延びる段差部を含む、請求項5に記載のタイヤ。
【請求項7】
前記第1ショルダーブロックには、一端が前記横溝に連通し、他端が前記第1ショルダーブロック内で終端する1本の第1ショルダーサイプが設けられる、請求項5に記載のタイヤ。
【請求項8】
前記単位面積において、
前記複数のサイプは、タイヤ周方向のエッジ成分である周方向サイプエッジ成分の合計値が、タイヤ軸方向のエッジ成分である軸方向サイプエッジ成分の合計値よりも小さい、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のタイヤ。
【請求項9】
前記周方向サイプエッジ成分の合計値は、前記軸方向サイプエッジ成分の合計値の25%~60%である、請求項8に記載のタイヤ。
【請求項10】
前記複数のサイプは、前記複数のサイプのそれぞれの長手方向の両端を直線状につなぐ中心線に対しジグザグ状に延びる複数のジグザグサイプを含み、
前記複数のジグザグサイプのそれぞれは、前記中心線に対して一方向に傾斜する第1辺と、前記第1辺に連なり他方向に傾斜する第2辺と、前記第1辺と前記第2辺との交点ではないそれぞれの端点をつなぐ第3辺とにより構成された複数の三角形状部を形成し、
前記単位面積当たりの前記複数の三角形状部の合計面積は、前記単位面積の15%以下である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレッド部を有するタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、氷上性能と耐久性とを両立したタイヤが種々提案されている。例えば、下記特許文献1は、平均サイプ密度と、ゴム組成物の損失正接やモジュラスとを特定した空気入りタイヤを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/012985号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、氷上性能と耐久性能との両立に対する市場からの要望は年々高まっており、特許文献1のタイヤにおいても、更なる改善が望まれていた。
【0005】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、氷上性能と耐久性能とを高次元で両立し得るタイヤを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、接地面を形成するキャップゴムを含み、前記キャップゴムは、ガラス転移温度が-45℃以下のゴム組成物から形成され、前記接地面には、複数のサイプが設けられ、単位面積当たりの前記複数のサイプのそれぞれの長手方向の形状に沿った長さの合計値(mm)を前記単位面積(mm2)で除した値(mm/mm2)をサイプ密度としたときに、前記キャップゴムの-1℃におけるゴム硬度を前記サイプ密度で除した値が、400~700である、タイヤである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のタイヤは、上述の構成を備えることにより、氷上性能と耐久性能とを高次元で両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のタイヤのトレッド部の一実施形態を示す展開図である。
図2】第1ショルダーブロックの拡大図である。
図3】第2ショルダーブロックの拡大図である。
図4】第1クラウンブロックの拡大図である。
図5】第2クラウンブロックの拡大図である。
図6】他の実施形態の第2クラウンブロックの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1は、本実施形態のタイヤ1のトレッド部2を示すトレッド展開図である。図1に示されるように、本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2を有している。トレッド部2は、接地面2sを形成するキャップゴム2Gを含むのが望ましい。
【0010】
キャップゴム2Gは、好ましくは、ガラス転移温度が-45℃以下のゴム組成物から形成されている。ここで、ガラス転移温度は、GARO社製のイプレクサーシリーズを用い、周波数10Hz、初期歪10%、振幅±0.5%及び昇温速度2℃/minの条件下で、損失正接tanδの温度分布曲線を測定し、測定された温度分布曲線における最も大きいtanδ値に対応するtanδピーク温度として求められた。
【0011】
このようなキャップゴム2Gは、低温時の柔軟性に優れており、タイヤ1の氷上性能を向上させることができる。なお、ガラス転移温度が-45℃以下のゴム組成物は、例えば、ゴム成分に含まれるブタジエンゴムの含有量を増やす、又はオイルの含有量を減らすといった調整をすることで生成することができる。
【0012】
本実施形態の接地面2sには、複数のサイプ3が設けられている。ここで、サイプ3は、幅が1.5mm未満の切れ込みである。このような接地面2sは、サイプ3のエッジ効果により、タイヤ1の氷上性能を向上させることができる。
【0013】
キャップゴム2Gの-1℃におけるゴム硬度Hをサイプ密度Dで除した値H/Dは、好ましくは、400~700である。ここで、-1℃におけるゴム硬度Hは、JIS K 6253に準拠して、-1℃の条件でタイプAデュロメータを用いて測定された硬度である。また、サイプ密度Dは、単位面積S当たりの複数のサイプ3のそれぞれの長手方向の形状に沿った長さL(mm)の合計値ΣL(mm)を単位面積S(mm2)で除した値ΣL/S(mm/mm2)である。
【0014】
このような値H/Dは、接地面2sの局所的な硬さを示す指標であり、値H/Dが400以上であることで、接地面2sの局所的な変形が抑制され、トレッド部2の欠けや亀裂の発生が抑制されるので、タイヤ1の耐久性能を向上させることができる。値H/Dが700以下であることで、接地面2sが局所的に路面に追従するように変形させることができ、タイヤ1の氷上性能を向上させることができる。このため、本実施形態のタイヤ1は、氷上性能と耐久性能とを高次元で両立することができる。
【0015】
より好ましい態様として、トレッド部2は、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝4と、タイヤ軸方向に延びる複数の横溝5とを備えている。このようなトレッド部2は、周方向溝4及び横溝5により排水することができ、タイヤ1のウェット性能を向上させることができる。
【0016】
複数の周方向溝4は、それぞれ、タイヤ周方向にジグザグ状に延びるのが望ましい。複数の横溝5は、それぞれ、タイヤ軸方向にジグザグ状に延びるのが望ましい。このような周方向溝4及び横溝5は、屈曲部間で高い雪柱せん断力を生じさせることができ、タイヤ1の雪上性能を向上させることができる。
【0017】
本実施形態のトレッド部2は、一対のトレッド端Teと、一対のトレッド端Teのタイヤ軸方向の中心位置であるタイヤ赤道Cとを有している。ここで、一対のトレッド端Teは、それぞれ、タイヤ1が空気入りタイヤである場合、正規状態の空気入りタイヤに正規荷重の70%が負荷されキャンバー角0°で平面に接地したときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置である。
【0018】
「正規状態」とは、空気入りタイヤが正規リムにリム組みされ、かつ、正規内圧に調整された無負荷の状態である。以下、特に言及しない場合、タイヤ1が空気入りタイヤである場合、タイヤ1の各部の寸法等は、この正規状態で測定された値である。
【0019】
「正規リム」は、空気入りタイヤが基づいている規格を含む規格体系が有る場合、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば"Measuring Rim" である。「正規リム」は、空気入りタイヤが基づいている規格を含む規格体系が無い場合、リム組み可能であって、エア漏れを生じさせないリムのうち、最もリム径が小さく、その中で最もリム幅が小さいリムである。
【0020】
「正規内圧」は、空気入りタイヤが基づいている規格を含む規格体系が有る場合、各規格がタイヤ毎に定める空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。「正規内圧」は、空気入りタイヤが基づいている規格を含む規格体系が無い場合、メーカー等がタイヤ毎に定める空気圧である。
【0021】
「正規荷重」は、空気入りタイヤが基づいている規格を含む規格体系が有る場合、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。「正規荷重」は、空気入りタイヤが基づいている規格を含む規格体系が無い場合、空気入りタイヤを使用する上で適用可能な最大の荷重としてメーカー等がタイヤ毎に定める荷重である。
【0022】
本実施形態の複数の周方向溝4は、最もトレッド端Te側に配されたショルダー周方向溝4Aと、一対のショルダー周方向溝4Aの間に配されたクラウン周方向溝4Bとを含んでいる。クラウン周方向溝4Bは、例えば、タイヤ赤道Cをジグザグ状に横断するように延びている。
【0023】
本実施形態のトレッド部2は、複数の周方向溝4と複数の横溝5とで区分された複数のブロック6を備えている。このようなトレッド部2は、ブロック6のエッジ効果により、タイヤ1の氷上性能を向上させることができる。
【0024】
接地面2sは、例えば、模様構成単位であるパターンがタイヤ周方向に並べられた複数のピッチを有している。単位面積Sは、例えば、1ピッチの接地面2sの面積であってもよい。このような接地面2sは、タイヤ1の転動時の性能のバラつきを抑制し、タイヤ1の氷上性能を向上させることに役立つ。
【0025】
本実施形態の接地面2sは、複数のブロック6のそれぞれのタイヤ半径方向の外表面で構成されている。単位面積Sは、例えば、1つのブロック6の外表面の面積であってもよい。このような接地面2sは、ブロック6毎に値H/Dを適切な範囲に維持することができるので、接地面2sの全域でバランスよくタイヤ1の氷上性能と耐久性能とを向上させることができる。
【0026】
トレッド部2のランド比は、好ましくは、58%以上である。ここで、ランド比は、溝及びサイプ3を全て埋めた仮想接地面の全面積Saに対するブロック6の外表面の面積の合計値ΣSの比率ΣS/Saである。ランド比が58%以上であることで、接地面2sに作用する接地圧を低減することができ、タイヤ1の耐久性能を向上させることに役立つ。
【0027】
単位面積Sにおいて、複数のブロック6のエッジ成分であるブロックエッジ成分Beの合計値ΣBeは、好ましくは、複数のサイプ3のエッジ成分であるサイプエッジ成分Seの合計値ΣSeの50%~80%である。
【0028】
ブロックエッジ成分Beの合計値ΣBeがサイプエッジ成分Seの合計値ΣSeの50%以上であることで、排水性を向上しつつ、剛性を高めることができ、タイヤ1のウェット性能と耐久性能とを両立することができる。
【0029】
ブロックエッジ成分Beの合計値ΣBeがサイプエッジ成分Seの合計値ΣSeの80%以下であることで、ブロック6内の剛性差を低減し、ブロック6の欠けを抑制することができるので、タイヤ1の耐久性能を向上させることができる。
【0030】
単位面積Sにおいて、複数のサイプ3は、タイヤ周方向のエッジ成分である周方向サイプエッジ成分Se1の合計値ΣSe1が、タイヤ軸方向のエッジ成分である軸方向サイプエッジ成分Se2の合計値ΣSe2よりも小さいのが望ましい。このようなサイプ3は、氷上路面のトラクション性能及び旋回性能に効果的に作用する軸方向サイプエッジ成分Se2が多いので、タイヤ1の氷上性能を向上させることができる。
【0031】
周方向サイプエッジ成分Se1の合計値ΣSe1は、好ましくは、軸方向サイプエッジ成分Se2の合計値ΣSe2の25%~60%である。周方向サイプエッジ成分Se1の合計値ΣSe1が軸方向サイプエッジ成分Se2の合計値ΣSe2の25%以上であることで、ブロック6がタイヤ軸方向に長い横長形状となることを抑制し、周方向断面積を確保してブロック6の欠けを抑制することができる。
【0032】
周方向サイプエッジ成分Se1の合計値ΣSe1が軸方向サイプエッジ成分Se2の合計値ΣSe2の60%以下であることで、軸方向サイプエッジ成分Se2を増加させ、タイヤ1の氷上性能を向上させることができる。
【0033】
複数のブロック6は、ショルダー周方向溝4Aとトレッド端Teとの間に位置するショルダーブロック6Aと、ショルダー周方向溝4Aとクラウン周方向溝4Bとの間に位置するクラウンブロック6Bとを含むのが望ましい。
【0034】
ショルダーブロック6Aは、例えば、第1ショルダーブロック6Cと第2ショルダーブロック6Dとがタイヤ周方向に交互に配されている。クラウンブロック6Bは、例えば、第1クラウンブロック6Eと第2クラウンブロック6Fとがタイヤ周方向に交互に配されている。
【0035】
図2は、第1ショルダーブロック6Cの拡大図である。図1及び図2に示されるように、本実施形態の第1ショルダーブロック6Cには、一端が横溝5に連通し、他端が第1ショルダーブロック6C内で終端する1本の第1ショルダーサイプ3Aが設けられている。
【0036】
本実施形態の第1ショルダーサイプ3Aは、タイヤ周方向に沿って、他のサイプ3に連通することなく直線状に延びている。このような第1ショルダーサイプ3Aは、排水性を向上しつつ、タイヤ1に作用する頻度の高い前後力に対するせん断剛性を高めることができ、タイヤ1のウェット性能と耐久性能とを両立することができる。
【0037】
第1ショルダーブロック6Cには、ショルダー周方向溝4Aから第1ショルダーサイプ3Aと交差する方向に延び、第1ショルダーブロック6C内で終端する少なくとも1本の、本実施形態では3本の第2ショルダーサイプ3Bが設けられている。第2ショルダーサイプ3Bは、例えば、屈曲するように延びている。
【0038】
第1ショルダーブロック6Cには、第1ショルダーサイプ3Aと交差する方向で、両端が第1ショルダーブロック6C内で終端する少なくとも1本の、本実施形態では3本の第3ショルダーサイプ3Cが設けられている。第3ショルダーサイプ3Cは、第2ショルダーサイプ3Bの延長線上に設けられるのが望ましい。第3ショルダーサイプ3Cは、例えば、直線状に延びている。
【0039】
これにより、本実施形態の複数のサイプ3は、第1ショルダーブロック6Cに設けられた第1ショルダーサイプ3A、第2ショルダーサイプ3B及び第3ショルダーサイプ3Cを含んでいる。第1ショルダーサイプ3Aは、例えば、第2ショルダーサイプ3Bと第3ショルダーサイプ3Cとの間に位置している。
【0040】
このような第1ショルダーサイプ3A、第2ショルダーサイプ3B及び第3ショルダーサイプ3Cは、剛性を維持しつつ互いに協働してエッジ効果を発揮することができ、タイヤ1の氷上性能と耐久性能とを両立させることに役立つ。
【0041】
第1ショルダーブロック6Cのショルダー周方向溝4A側の端面には、少なくとも1つの、本実施形態では1つの第1面取部7が設けられている。このような第1面取部7は、第1ショルダーブロック6Cの欠けを抑制し、タイヤ1の耐久性能を向上させることができる。
【0042】
第1面取部7は、階段状に延びる段差部を含むのが望ましい。本実施形態の第1面取部7の段差部は、2段で構成されている。このような第1面取部7は、第1ショルダーブロック6Cの高い剛性を維持しつつ欠けを抑制することができ、タイヤ1の耐久性能を向上させることに役立つ。
【0043】
少なくとも1つの、本実施形態では2つの第2ショルダーサイプ3Bは、第1面取部7に連通している。このような第1面取部7は、変形量が大きい第2ショルダーサイプ3Bとショルダー周方向溝4Aとの連通部分の剛性変化を緩和し、第1ショルダーブロック6Cの欠けを抑制することができる。
【0044】
図3は、第2ショルダーブロック6Dの拡大図である。図1及び図3に示されるように、本実施形態の第2ショルダーブロック6Dには、一端が横溝5に連通し、他端が第2ショルダーブロック6D内で終端する1本の第4ショルダーサイプ3Dが設けられている。
【0045】
本実施形態の第4ショルダーサイプ3Dは、タイヤ周方向に沿って、他のサイプ3に連通することなく直線状に延びている。このような第4ショルダーサイプ3Dは、排水性を向上しつつ、タイヤ1に作用する頻度の高い前後力に対するせん断剛性を高めることができ、タイヤ1のウェット性能と耐久性能とを両立することができる。
【0046】
第2ショルダーブロック6Dには、ショルダー周方向溝4Aから第4ショルダーサイプ3Dと交差する方向に延び、第2ショルダーブロック6D内で終端する少なくとも1本の、本実施形態では2本の第5ショルダーサイプ3Eが設けられている。第5ショルダーサイプ3Eは、例えば、屈曲するように延びている。
【0047】
第2ショルダーブロック6Dには、第4ショルダーサイプ3Dと交差する方向で、両端が第2ショルダーブロック6D内で終端する少なくとも1本の、本実施形態では2本の第6ショルダーサイプ3Fが設けられている。第6ショルダーサイプ3Fは、第5ショルダーサイプ3Eの延長線上に設けられるのが望ましい。第6ショルダーサイプ3Fは、例えば、直線状に延びている。
【0048】
第2ショルダーブロック6Dには、第5ショルダーサイプ3Eと平行に設けられ、第5ショルダーサイプ3Eよりも長手方向の形状に沿った長さLが大きい少なくとも1本の、本実施形態では1本の第7ショルダーサイプ3Gが設けられている。第7ショルダーサイプ3Gは、例えば、屈曲するように延びている。
【0049】
これにより、本実施形態の複数のサイプ3は、第2ショルダーブロック6Dに設けられた第4ショルダーサイプ3D、第5ショルダーサイプ3E、第6ショルダーサイプ3F及び第7ショルダーサイプ3Gを含んでいる。第4ショルダーサイプ3Dは、例えば、第5ショルダーサイプ3Eと第6ショルダーサイプ3Fとの間に位置している。
【0050】
このような第4ショルダーサイプ3D、第5ショルダーサイプ3E、第6ショルダーサイプ3F及び第7ショルダーサイプ3Gは、剛性を維持しつつ互いに協働してエッジ効果を発揮することができ、タイヤ1の氷上性能と耐久性能とを両立させることに役立つ。
【0051】
第2ショルダーブロック6Dの鋭角な角部には、第2面取部8が設けられるのが望ましい。このような第2面取部8は、第2ショルダーブロック6Dの欠けを抑制し、タイヤ1の耐久性能を向上させることができる。
【0052】
図4は、第1クラウンブロック6Eの拡大図である。図1及び図4に示されるように、本実施形態の第1クラウンブロック6Eには、一端が横溝5に連通し、他端が第1クラウンブロック6E内で終端する1本の第1クラウンサイプ3Hが設けられている。
【0053】
本実施形態の第1クラウンサイプ3Hは、第1クラウンブロック6Eの中央付近を、他のサイプ3に連通することなく直線状に延びている。このような第1クラウンサイプ3Hは、剛性を維持しつつエッジ効果を奏することができ、タイヤ1の氷上性能と耐久性能とを向上させることに役立つ。
【0054】
第1クラウンブロック6Eには、ショルダー周方向溝4Aから第1クラウンサイプ3Hと交差する方向に延び、第1クラウンブロック6E内で終端する少なくとも1本の、本実施形態では1本の第2クラウンサイプ3Iが設けられている。第2クラウンサイプ3Iは、例えば、直線状に延びている。
【0055】
第1クラウンブロック6Eには、クラウン周方向溝4Bから第1クラウンサイプ3Hと交差する方向に延び、第1クラウンブロック6E内で終端する少なくとも1本の、本実施形態では1本の第3クラウンサイプ3Jが設けられている。第3クラウンサイプ3Jは、例えば、屈曲するように延びている。
【0056】
第1クラウンブロック6Eには、第1クラウンサイプ3Hと交差する方向に延び、第1クラウンブロック6Eを横断する少なくとも1本の、本実施形態では2本の第4クラウンサイプ3Kが設けられている。第4クラウンサイプ3Kは、例えば、ショルダー周方向溝4A又は横溝5からクラウン周方向溝4Bまで連通している。第4クラウンサイプ3Kは、例えば、直線状に延びている。
【0057】
これにより、本実施形態の複数のサイプ3は、第1クラウンブロック6Eに設けられた第1クラウンサイプ3H、第2クラウンサイプ3I、第3クラウンサイプ3J及び第4クラウンサイプ3Kを含んでいる。第1クラウンサイプ3Hは、例えば、第2クラウンサイプ3Iと第3クラウンサイプ3Jとの間に位置している。
【0058】
このような第1クラウンサイプ3H、第2クラウンサイプ3I、第3クラウンサイプ3J及び第4クラウンサイプ3Kは、剛性を維持しつつ互いに協働してエッジ効果を発揮することができ、タイヤ1の氷上性能と耐久性能とを両立させることに役立つ。
【0059】
第1クラウンブロック6Eの鋭角な角部には、第3面取部9が設けられるのが望ましい。このような第3面取部9は、第1クラウンブロック6Eの欠けを抑制し、タイヤ1の耐久性能を向上させることができる。
【0060】
図5は、第2クラウンブロック6Fの拡大図である。図1及び図5に示されるように、本実施形態の第2クラウンブロック6Fには、一端がショルダー周方向溝4Aに連通し、他端が第2クラウンブロック6F内で終端する1本の第5クラウンサイプ3Lが設けられている。
【0061】
本実施形態の第5クラウンサイプ3Lは、第2クラウンブロック6Fの中央付近を、他のサイプ3に連通することなく直線状に延びている。このような第5クラウンサイプ3Lは、剛性を維持しつつエッジ効果を奏することができ、タイヤ1の氷上性能と耐久性能とを向上させることに役立つ。
【0062】
第2クラウンブロック6Fには、ショルダー周方向溝4A又は横溝5から第5クラウンサイプ3Lと交差する方向に延び、第2クラウンブロック6F内で終端する少なくとも1本の、本実施形態では3本の第6クラウンサイプ3Mが設けられている。第6クラウンサイプ3Mは、例えば、直線状に延びている。
【0063】
第2クラウンブロック6Fには、クラウン周方向溝4B又は横溝5から第5クラウンサイプ3Lと交差する方向に延び、第2クラウンブロック6F内で終端する少なくとも1本の、本実施形態では3本の第7クラウンサイプ3Nが設けられている。第7クラウンサイプ3Nは、例えば、直線状に延びている。
【0064】
これにより、本実施形態の複数のサイプ3は、第2クラウンブロック6Fに設けられた第5クラウンサイプ3L、第6クラウンサイプ3M及び第7クラウンサイプ3Nを含んでいる。第5クラウンサイプ3Lは、例えば、第6クラウンサイプ3Mと第7クラウンサイプ3Nとの間に位置している。
【0065】
このような第5クラウンサイプ3L、第6クラウンサイプ3M及び第7クラウンサイプ3Nは、剛性を維持しつつ互いに協働してエッジ効果を発揮することができ、タイヤ1の氷上性能と耐久性能とを両立させることに役立つ。
【0066】
第2クラウンブロック6Fの横溝5側の端面には、少なくとも1つの、本実施形態では1つの第4面取部10が設けられている。このような第4面取部10は、第2クラウンブロック6Fの欠けを抑制し、タイヤ1の耐久性能を向上させることができる。
【0067】
第4面取部10は、階段状に延びる段差部を含むのが望ましい。本実施形態の第4面取部10の段差部は、1段で構成されている。このような第4面取部10は、第2クラウンブロック6Fの高い剛性を維持しつつ欠けを抑制することができ、タイヤ1の耐久性能を向上させることに役立つ。
【0068】
少なくとも1つの、本実施形態では1つの第6クラウンサイプ3Mは、第4面取部10に連通している。このような第4面取部10は、変形量が大きい第6クラウンサイプ3Mと横溝5との連通部分の剛性変化を緩和し、第2クラウンブロック6Fの欠けを抑制することができる。
【0069】
図1ないし図5に示されるように、本実施形態の複数のブロック6のそれぞれは、一端が周方向溝4又は横溝5に連通し、他端が各ブロック6内で終端する1本の縦サイプと、縦サイプと交差する方向に延びる複数の横サイプとが設けられている。このようなブロック6は、縦サイプと横サイプとが協働して、タイヤ1の氷上性能と耐久性能とを両立させることができる。
【0070】
ここで、縦サイプは、第1ショルダーサイプ3A、第4ショルダーサイプ3D、第1クラウンサイプ3H及び第5クラウンサイプ3Lである。また、横サイプは、第2ショルダーサイプ3B、第3ショルダーサイプ3C、第5ショルダーサイプ3E、第6ショルダーサイプ3F、第7ショルダーサイプ3G、第2クラウンサイプ3I、第3クラウンサイプ3J、第4クラウンサイプ3K、第6クラウンサイプ3M及び第7クラウンサイプ3Nである。
【0071】
図6は、他の実施形態の第2クラウンブロック6Fの拡大図である。上述の実施形態と同一の要素には、同一の符号が付され、その説明が省略される。図1及び図6に示されるように、この実施形態の第2クラウンブロック6Fには、ショルダー周方向溝4Aからショルダー周方向溝4Aに直交する方向に延び、第2クラウンブロック6F内で終端する1本の第5クラウンサイプ3Lが設けられている。
【0072】
この実施形態の複数のサイプ3は、複数のサイプ3のそれぞれの長手方向の両端を直線状につなぐ中心線に対しジグザグ状に延びる複数のジグザグサイプ11を含んでいる。このようなジグザグサイプ11は、長手方向の形状に沿った長さLを大きくすることができ、エッジ効果を増やして、タイヤ1の氷上性能を向上させることができる。
【0073】
この実施形態の第2クラウンブロック6Fには、ショルダー周方向溝4A又は横溝5から第5クラウンサイプ3Lに向けて延び、第2クラウンブロック6F内で終端する3つの第1ジグザグサイプ11Aが設けられている。
【0074】
この実施形態の第2クラウンブロック6Fには、クラウン周方向溝4B又は横溝5から第5クラウンサイプ3Lに向けて延び、第2クラウンブロック6F内で終端する3つの第2ジグザグサイプ11Bが設けられている。
【0075】
これにより、この実施形態の複数のジグザグサイプ11は、第2クラウンブロック6Fに設けられた第1ジグザグサイプ11A及び第2ジグザグサイプ11Bを含んでいる。第5クラウンサイプ3Lは、例えば、第1ジグザグサイプ11Aと第2ジグザグサイプ11Bとの間に位置している。
【0076】
複数のジグザグサイプ11のそれぞれは、例えば、複数の三角形状部11dを形成している。ここで、三角形状部11dは、中心線に対して一方向に傾斜する第1辺11aと、第1辺11aに連なり他方向に傾斜する第2辺11bと、第1辺11aと第2辺11bとの交点ではないそれぞれの端点をつなぐ第3辺11cとにより構成されている。この実施形態の三角形状部11dは、第1辺11aと第2辺11bとのなす角度が120°以下であり、その面積が3mm2以下の三角形として定義される。
【0077】
単位面積S当たりの複数の三角形状部11dの合計面積は、好ましくは、単位面積Sの15%以下である。三角形状部11dの合計面積が単位面積Sの15%以下であることで、三角形状部11dによる局所的な剛性低下を抑制し、第2クラウンブロック6Fの剛性分布を均一化することができ、タイヤ1の氷上性能と耐久性能とを両立することに役立つ。
【0078】
図6では、第2クラウンブロック6Fを例示してジグザグサイプ11の説明がされたが、ジグザグサイプ11は、第1ショルダーブロック6C、第2ショルダーブロック6D及び第1クラウンブロック6Eにも同様に設けられるのが望ましい。
【0079】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施され得る。
【実施例0080】
図1に示される基本パターンを有するタイヤが、表1の仕様に基づき試作された。試作されたタイヤを用いて、氷上性能と耐久性能とのテストが行われ、それらの合計で示される総合性能が評価された。主な共通仕様とテスト方法は、以下のとおりである。
【0081】
<共通仕様>
タイヤサイズ : 185/85R16 105/103 LT
リムサイズ : 16×5.5J
テスト車両 : 小型四輪駆動車
【0082】
<氷上性能>
試作タイヤがテスト車両の全輪に装着され、路面温度が-1℃の氷上路面でアンチロックブレーキシステムを作動させて20km/hから制動したときの制動距離が測定された。測定は、3回ずつ行われ、その平均値が求められた。結果は、比較例1を100とする指数で示され、数値が大きいほど制動距離が短く、氷上性能に優れていることを示す。
【0083】
<耐久性能>
試作タイヤがテスト車両の全輪に装着され、岩や瓦礫を含む岩場路面を100km走行したときのブロックの欠けた部分の面積が測定された。結果は、比較例1を100とする指数で示され、数値が大きいほど欠けた面積が小さく、耐久性能に優れていることを示す。
【0084】
テストの結果が、表1に示される。
【表1】
【0085】
テストの結果、実施例のタイヤは、比較例のタイヤに対し、氷上性能と耐久性能との合計値で評価される総合性能に優れており、氷上性能と耐久性能とを高次元で両立していることが確認された。
【0086】
[付記]
本発明は、次のとおりである。
【0087】
[本発明1]
トレッド部を有するタイヤであって、
前記トレッド部は、接地面を形成するキャップゴムを含み、
前記キャップゴムは、ガラス転移温度が-45℃以下のゴム組成物から形成され、
前記接地面には、複数のサイプが設けられ、
単位面積当たりの前記複数のサイプのそれぞれの長手方向の形状に沿った長さの合計値(mm)を前記単位面積(mm2)で除した値(mm/mm2)をサイプ密度としたときに、前記キャップゴムの-1℃におけるゴム硬度を前記サイプ密度で除した値が、400~700である、
タイヤ。
【0088】
[本発明2]
前記トレッド部は、タイヤ周方向に延びる複数の周方向溝と、タイヤ軸方向に延びる複数の横溝と、前記複数の周方向溝と前記複数の横溝とで区分された複数のブロックとを備え、
前記接地面は、前記複数のブロックのそれぞれのタイヤ半径方向の外表面で構成される、本発明1に記載のタイヤ。
【0089】
[本発明3]
前記トレッド部のランド比が、58%以上である、本発明2に記載のタイヤ。
【0090】
[本発明4]
前記単位面積において、
前記複数のブロックのエッジ成分であるブロックエッジ成分の合計値は、前記複数のサイプのエッジ成分であるサイプエッジ成分の合計値の50%~80%である、本発明2又は3に記載のタイヤ。
【0091】
[本発明5]
前記複数の周方向溝は、最もトレッド端側に配されたショルダー周方向溝を含み、
前記複数のブロックは、前記ショルダー周方向溝と前記トレッド端との間に位置する第1ショルダーブロックを含み、
前記第1ショルダーブロックの前記ショルダー周方向溝側の端面には、少なくとも1つの第1面取部が設けられる、本発明2ないし4のいずれかに記載のタイヤ。
【0092】
[本発明6]
前記第1面取部は、階段状に延びる段差部を含む、本発明5に記載のタイヤ。
【0093】
[本発明7]
前記第1ショルダーブロックには、一端が前記横溝に連通し、他端が前記第1ショルダーブロック内で終端する1本の第1ショルダーサイプが設けられる、本発明5又は6に記載のタイヤ。
【0094】
[本発明8]
前記単位面積において、
前記複数のサイプは、タイヤ周方向のエッジ成分である周方向サイプエッジ成分の合計値が、タイヤ軸方向のエッジ成分である軸方向サイプエッジ成分の合計値よりも小さい、本発明1ないし7のいずれか1項に記載のタイヤ。
【0095】
[本発明9]
前記周方向サイプエッジ成分の合計値は、前記軸方向サイプエッジ成分の合計値の25%~60%である、本発明8に記載のタイヤ。
【0096】
[本発明10]
前記複数のサイプは、前記複数のサイプのそれぞれの長手方向の両端を直線状につなぐ中心線に対しジグザグ状に延びる複数のジグザグサイプを含み、
前記複数のジグザグサイプのそれぞれは、前記中心線に対して一方向に傾斜する第1辺と、前記第1辺に連なり他方向に傾斜する第2辺と、前記第1辺と前記第2辺との交点ではないそれぞれの端点をつなぐ第3辺とにより構成された複数の三角形状部を形成し、
前記単位面積当たりの前記複数の三角形状部の合計面積は、前記単位面積の15%以下である、本発明1ないし9のいずれかに記載のタイヤ。
【符号の説明】
【0097】
1 タイヤ
2 トレッド部
2G キャップゴム
2s 接地面
3 サイプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6