(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165524
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理装置及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241121BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241121BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20241121BHJP
G06F 21/33 20130101ALI20241121BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J29/42 F
B41J29/00 Z
H04N1/00 127A
G06F21/33
B41J29/38 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081790
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】森下 政裕
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061CL08
2C061CL10
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061CQ41
2C061HK19
2C061HN15
2C061HQ06
2C061HV22
2C061HV32
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AF06
(57)【要約】
【課題】ユーザが適切に運用することが可能な情報処理装置を提供すること。
【解決手段】制御部と表示部とを備え、前記制御部は、サーバからトークンを取得し、前記トークンを使用できる時間が判定時間以内である場合、前記表示部に、当該トークンの有効期限が間近であることを示す第1のメッセージを表示する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と表示部とを備え、
前記制御部は、
サーバからトークンを取得し、
前記トークンを使用できる時間が判定時間以内である場合、前記表示部に、当該トークンの有効期限が間近であることを示す第1のメッセージを表示する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1のメッセージにおいて、前記トークンの有効期限を更新する操作を行うか否かを選択可能に表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記トークンの有効期限を更新する操作を行わないことが選択された場合、前記トークンの有効期限が切れたときに当該トークンの有効期限を自動的に更新するか否かを選択可能に表示する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記トークンの有効期限が切れたときに当該トークンの有効期限を自動的に更新する場合、前記トークンの有効期限が切れたときに、予め取得した情報を用いて、当該トークンの有効期限を自動的に更新する請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記トークンの有効期限が切れたとき、当該トークンの有効期限をリモートで更新するために用いられる情報をユーザが使用する装置に送信する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、実行する日時が指定されるジョブが予約されたとき、当該日時が、前記トークンの有効期限よりも後の場合、予約された前記ジョブが失敗する可能性があることを示す第2のメッセージを前記表示部に表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ジョブを実行するとき、前記トークンの有効期限が切れていた場合、当該ジョブをリトライ可能ジョブとして記憶する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記リトライ可能ジョブを前記表示部に一覧表示し、ユーザによって選択された前記リトライ可能ジョブを実行する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記トークンの有効期限が更新されたとき、前記リトライ可能ジョブを実行する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、使用できる時間が判定時間以内である前記トークンが存在する場合、前記表示部に、使用できる時間が判定時間以内である前記トークンが存在することを示す識別子を表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、使用できる時間が判定時間以内である前記トークンが存在する場合、前記表示部に、使用できる時間が判定時間以内である前記トークンが存在することを示す第3のメッセージを表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記リトライ可能ジョブが存在する場合、前記表示部に表示する画面に、前記リトライ可能ジョブが存在することを示す識別子を表示する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記リトライ可能ジョブが存在する場合、前記表示部に表示する画面に、前記リトライ可能ジョブが存在することを示す第4のメッセージを表示する、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記第4のメッセージとともに、前記リトライ可能ジョブを一覧表示させるボタンを表示し、当該ボタンが選択された場合、前記リトライ可能ジョブを前記表示部に一覧表示する、請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
情報処理装置の表示制御方法であって、
サーバから取得したトークンを使用できる時間が判定時間以内である場合、表示部に、当該トークンの有効期限が間近であることを示す第1のメッセージを表示する、
表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の情報処理装置において、OAuth認証で使用されるトークンの有効期限を更新する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、例えば、ユーザが適切に運用することが可能な情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示に係る情報処理装置は、制御部と表示部とを備え、前記制御部は、サーバからトークンを取得し、前記トークンを使用できる時間が判定時間以内である場合、前記表示部に、当該トークンの有効期限が間近であることを示す第1のメッセージを表示することを特徴とする。
【0006】
本開示に係る情報処理装置の表示制御方法は、サーバから取得したトークンを使用できる時間が判定時間以内である場合、表示部に、当該トークンの有効期限が間近であることを示す第1のメッセージを表示する。
【0007】
本開示によれば、例えば、ユーザが適切に運用することが可能な情報処理装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態におけるシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態における画像形成装置の機能構成を示す図である。
【
図3】第1実施形態におけるユーザ情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図4】第1実施形態におけるサーバ情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図5】第1実施形態におけるトークン情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図6】第1実施形態におけるログイン情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図7】第1実施形態における設定情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図8】第1実施形態における処理の概要を示す図である。
【
図9】第1実施形態における手動更新処理のフロー図である。
【
図10】第1実施形態におけるメッセージ表示処理のフロー図である。
【
図11】第1実施形態における自動更新処理のフロー図である。
【
図12】第1実施形態における動作例を示す図である。
【
図13】第1実施形態における動作例を示す図である。
【
図14】第2実施形態における自動更新処理のフロー図である。
【
図15】第3実施形態における画像形成装置の機能構成を示す図である。
【
図16】第3実施形態における(a)日時指定送信ジョブ情報のデータ構成の例、(b)リトライ可能ジョブ情報のデータ構成の例を示す図である。
【
図17】第3実施形態におけるスキャンデータ送信・記憶処理のフロー図である。
【
図18】第3実施形態における日時指定送信ジョブ実行処理のフロー図である。
【
図19】第3実施形態におけるリトライ可能ジョブ実行処理のフロー図である。
【
図20】第3実施形態における動作例を示す図である。
【
図21】第3実施形態における動作例を示す図である。
【
図22】第4実施形態におけるリトライ可能ジョブ自動実行処理のフロー図である。
【
図23】第5実施形態において制御部によって実行される処理のフロー図である。
【
図24】第5実施形態における動作例を示す図である。
【
図25】第6実施形態において制御部によって実行される処理のフロー図である。
【
図26】第6実施形態における動作例を示す図である。
【
図27】第6実施形態の変形例の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した説明の技術的内容は、以下の記載に限定されるものではない。
【0010】
画像形成装置(MFP、Multi-Function Peripheral/Printer)等の情報処理装置は、電子メールを送信するジョブ等を実行するとき、外部のサーバであるリソースサーバによって管理されるリソースを使用する場合がある。リソースサーバによって管理されるリソースは、例えば、データや、当該リソースサーバによって提供される機能である。この場合、リソースサーバは、画像形成装置によってリソースが使用されるとき、当該画像形成装置のログインを許可し、リソースを画像形成装置に提供する。
【0011】
リソースサーバは、画像形成装置のログインを許可するとき、OAuth認証を用いることがある。OAuth認証では、リソースを使用する装置やユーザを認証するとき、認可サーバにより発行されたアクセストークン等のトークンが用いられる。トークンは、例えば、英数字により構成される文字列であり、リソースの使用が許可されている装置やユーザを識別するために用いられる情報である。画像形成装置は、予め認可サーバから取得したトークンを用いてリソースサーバにログインして、当該リソースサーバによって管理されるリソースを使用することで、リソースサーバを経由した電子メールの送信等のジョブを実行する。
【0012】
トークンには、有効期限が設定されている場合がある。なお、以下の説明では、トークンの有効期限は、当該トークンの使用が不可能となる日時を示すこととする。リソースサーバにログインする日時が、トークンの有効期限よりも後である場合、すなわち、トークンの有効期限が切れた場合、画像形成装置は、リソースサーバによって管理されるリソースを使用できなくなり、リソースサーバを経由したジョブを実行できなくなる。
【0013】
したがって、画像形成装置が適切に運用されるためには、トークンの有効期限が切れる前に、トークンの有効期限を更新されることで、トークンの有効期限が新たに設定される必要がある。ここで、画像形成装置は、画像形成装置を管理するユーザである管理者と、従業員等の画像形成装置を使用するユーザとの複数のユーザにより使用されることがある。管理者によってトークンの有効期限の更新が行われる運用がされている場合、当該管理者が不在であるときは、管理者はトークンの有効期限を更新できない。これにより、管理者以外のユーザは、トークンの有効期限が切れている場合、トークンの有効期限が更新されるまで、リソースサーバを経由したジョブの実行が不可能となる。このように、画像形成装置の管理者は、画像形成装置を適切に運用できない場合があるという課題があった。
【0014】
従来技術では、上述した課題については考慮されていなかった。また、特許文献1によれば、トークンの有効期限内にユーザによる操作が行われた場合に、トークンが自動更新される。しかし、管理者の操作ではなくユーザの操作によってトークンの有効期限が更新されるため、管理者の意図しない画像形成装置の運用が行われる可能性があった。
【0015】
このような事情に鑑み、例えば、アクセストークン、リフレッシュトークン等のトークンの有効期限が間近である場合に、トークンの有効期限が間近であることを示すメッセージを表示することで、ユーザに対する注意喚起を行い、ユーザに対してトークンの有効期限の更新を促すシステムについて、以下、実施形態として詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、課題を解決するための1つの方法であって、以下の開示の内容だけに限定されるものではない。
【0016】
[1.第1実施形態]
[1.1 全体構成]
図1は、システム1の全体構成を示す図である。システム1は、本開示の情報処理装置を適用した画像形成装置10と、サーバ装置20とが、ネットワークNWに接続されて構成される。ネットワークNWは、例えば、インターネット等のネットワークであるが、
図1に記載された各装置が相互に通信可能であれば、ネットワークNWは、どのようなネットワークであってもよい。
【0017】
画像形成装置10は、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、ファクス機能等を有する情報処理装置である。画像形成装置10は、一般的には、プリンタ、複合機、コピー機、ファクシミリ、画像処理処置、画像出力装置と称されてもよい。
【0018】
サーバ装置20は、トークンの発行及びリソースの提供を行う情報処理装置である。サーバ装置20は、トークンの発行及びリソースの提供が可能な構成であれば、どのように構成されてもよい。例えば、サーバ装置20は、トークンの発行を行う認可サーバとして動作するサーバ装置と、リソースの提供を行うリソースサーバとして動作するサーバ装置との、複数のサーバ装置により構成されてもよい。また、サーバ装置20は、ネットワークNWに複数接続されてもよい。
【0019】
[1.2 機能構成]
図2は、画像形成装置10の機能構成を示す図である。画像形成装置10は、例えば、制御部100、画像入力部120、画像形成部130、表示部140、操作部150、記憶部160、通信部190を備えて構成される。
【0020】
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御する。制御部100は、記憶部160に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現する。制御部100は、1又は複数の制御装置/演算装置(CPU(Central Processing Unit))により構成されてもよいし、SoC(System on a Chip)により構成されてもよい。
【0021】
制御部100は、記憶部160に記憶されたプログラムを実行することで、画像処理部102及びユーザ認証部104として機能する。
【0022】
画像処理部102は、画像処理を実行する。画像処理部102は、例えば、画像入力部120や通信部190を介して入力された原稿や画像に対して、鮮鋭化処理や、階調変換処理等の画像処理を実行する。
【0023】
ユーザ認証部104は、画像形成装置10を使用するユーザの認証を行う。ユーザ認証部104は、例えば、ユーザの認証に用いられる情報である認証情報をユーザから取得し、当該取得した認証情報と後述するユーザ情報に予め記憶された認証情報とが一致した場合、当該ユーザを、画像形成装置10を使用するユーザとして認証する。
【0024】
画像入力部120は、画像を画像形成装置10に入力する。画像入力部120は、例えば、原稿台に載置された原稿の画像を読み取るスキャナ装置や、USB(Universal Serial Bus)メモリに記憶された画像を読み出すためのインタフェース(端子)等により構成されてもよい。スキャナ装置は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等のイメージセンサによって画像を電気信号に変換し、電気信号を量子化及び符号化する装置である。
【0025】
画像形成部130は、記録用紙等の記録媒体に対して画像を形成(印刷)する。画像形成部130は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等の印刷装置により構成されてもよい。画像形成部130は、例えば、画像形成装置10に備えられた給紙トレイから記録用紙を給紙し、記録用紙の表面に画像を形成し、記録用紙を画像形成装置10に備えられた排紙トレイから排紙する。
【0026】
表示部140は、各種情報を表示する。表示部140は、例えば、LCD(Liquid crystal display)、有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示装置により構成されてもよい。
【0027】
操作部150は、画像形成装置10を使用するユーザによる操作指示を受け付ける。操作部150は、キースイッチ(ハードキー)やタッチセンサ等の入力装置により構成されてもよい。タッチセンサにおいて接触(タッチ)による入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。なお、画像形成装置10には、表示部140と、操作部150とが一体に形成されたタッチパネルが搭載されてもよい。
【0028】
記憶部160は、画像形成装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部160は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置(補助記憶装置)により構成されてもよい。
【0029】
記憶部160は、記憶領域として、画像データ記憶領域162と、ユーザ情報記憶領域164と、サーバ情報記憶領域166と、トークン情報記憶領域168と、ログイン情報記憶領域170と、設定情報記憶領域172とを確保する。
【0030】
画像データ記憶領域162は、画像入力部120を介して読み取られた原稿の画像のデータであるスキャンデータ等、画像形成部130によって形成されたり、通信部190によって送信されたりする画像のデータを記憶する。
【0031】
ユーザ情報記憶領域164は、画像形成装置10を使用するユーザに関する情報であるユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、例えば、
図3に示すように、ユーザを識別するユーザID(例えば、「admin」)と、パスワード(例えば、「abc123」)と、ユーザ名(例えば、「管理者A」)と、当該ユーザに付与された権限(例えば、「管理者」)と、当該ユーザの電子メールアドレス(例えば、「admin@example.co.jp」)とを含む。本実施形態では、ユーザID及び当該ユーザIDに紐づいているパスワードを認証情報という。また、本実施形態では、「管理者」の権限が付与されているユーザと、「管理者」の権限が付与されていないユーザとが存在することとする。
【0032】
サーバ情報記憶領域166は、サーバ装置20に関する情報であるサーバ情報を記憶する。サーバ情報は、例えば、
図4に示すように、サーバ装置20を識別するサーバID(例えば、「1」)と、当該サーバ装置20のアドレス(例えば、「https://aaa.example.net/auth」)と、当該サーバ装置20に対して画像形成装置10が要求するリソースを示す要求リソース(例えば、「メールの読み取り、作成、送信及び個人情報の表示」)とを含む。
【0033】
サーバ装置20のアドレスは、トークンの発行の要求が行われる際に、画像形成装置10によって接続される接続先(エンドポイント)を示す。サーバ装置20のアドレスは、例えば、URL(Uniform Resource Locator)であるが、接続先を特定する情報であれば、例えば、IPアドレス、ホスト名、ドメイン名等であってもよい。また、要求リソースは、リソースを特定可能な情報であれば、リソース名や、リソースに対応するコード又は数値等であってもよい。
【0034】
トークン情報記憶領域168は、トークンに関する情報であるトークン情報を記憶する。トークン情報は、例えば、
図5に示すように、サーバID(例えば、「1」)と、当該サーバIDに対応するサーバ装置20から取得したトークン(例えば、「abcdefghijklmnopqrstuv1234567890」)と、当該トークンの有効期限(例えば、「2023年4月1日 9時00分00秒」)を含む。
【0035】
ログイン情報記憶領域170は、サーバ装置20へのログインに関する情報であるログイン情報を記憶する。ログイン情報は、例えば、
図6に示すように、サーバID(例えば、「1」)と、当該サーバIDに対応するサーバ装置20にログインするユーザを識別するユーザID(例えば、「admin@aaa.example.net」)と、パスワード(例えば、「XYZ789」)とを含む。本実施形態では、ログインID及び当該ログインIDに紐づいているパスワードをログインユーザ情報という。
【0036】
設定情報記憶領域172は、画像形成装置10の設定に関する情報である設定情報を記憶する。設定情報は、例えば、
図7に示すように、設定名(例えば、「判定時間」)と、当該設定名に対応する設定値(例えば、「1週間」)とを含む。
【0037】
本実施形態では、設定情報として、判定時間の設定値が記憶される。判定時間は、トークンを使用できる時間に対して設定される時間である。トークンを使用できる時間は、当該トークンを使用可能な残りの時間であり、トークンの有効期限から現在の日時を減算することで求められる時間である。なお、判定時間は、予め定められていてもよいし、ユーザによって変更可能であってもよい。なお、以下の説明では、設定名「判定時間」に対して設定された設定値を、単に、判定時間と記載する。
【0038】
通信部190は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)を介して、サーバ装置20等の外部の装置と通信を行う。通信部190は、例えば、有線/無線LANで利用されるNIC(Network Interface Card)等の通信装置や、通信モジュール、他の装置と通信をする通信インタフェースにより構成されてもよい。
【0039】
[1.3 処理の流れ]
[1.3.1 処理の概要]
図8(a)は、画像形成装置10が実行する処理の流れの概要を示す図である。本実施形態では、まず、画像形成装置10は、サーバ装置20に接続し、トークンの発行を要求し(P1)、サーバ装置20からレスポンスD1を受信する(P2)。
図8(b)は、レスポンスD1の例を示す図である。レスポンスD1には、トークンD2や、トークンが使用できなくなるまでの秒数D3が含まれる。トークンD2は、例えば、アクセストークンである。また、トークンD2の有効期限は、例えば、トークンD2が発行された日時、又は、レスポンスD1が送信された日時に秒数D3を加算することで得られる。このようにして、画像形成装置10は、秒数D3を用いて、トークンD2の有効期限を算出する。
【0040】
画像形成装置10は、レスポンスD1に含まれるトークンD2と、トークンD2の有効期限とを含むトークン情報D11を、トークン情報記憶領域168に記憶する(P3)。
【0041】
また、画像形成装置10は、トークンを使用できる時間が、判定時間以内であるか否かを判定する(P4)。画像形成装置10は、トークンを使用できる時間が、判定時間以内である場合、トークンの有効期限が間近であることを示すメッセージを表示する。
【0042】
[1.3.2 画像形成装置の処理]
図9から
図11までは、画像形成装置10の制御部100によって実行される処理のフロー図である。なお、以下の処理の説明において、ユーザ情報、サーバ情報、設定情報は、予め、画像形成装置10の記憶部160に記憶されていることとする。
【0043】
[1.3.2.1 手動更新処理]
図9は、ユーザによって手動でトークンの有効期限が更新される場合に実行する手動更新処理の流れを示すフロー図である。
【0044】
はじめに、制御部100は、有効期限の更新の対象となるトークンを特定し、当該トークンの発行を要求するサーバ装置20を特定する(ステップS100)。例えば、制御部100は、トークンを必要とする処理の実行がユーザにより指示された場合や、有効期限を更新するトークンがユーザにより選択された場合、ユーザの操作に応じて、有効期限の更新の対象となるトークンに対応するサーバ装置20を特定する。
【0045】
つづいて、制御部100は、ログインユーザ情報の入力画面を表示部140に表示し(ステップS102)、当該入力画面を介してユーザにより入力されたログインユーザ情報を取得する(ステップS104)。
【0046】
つづいて、制御部100は、ステップS100において特定したサーバ装置20のアドレスを接続先として、ステップS104において取得したログインユーザ情報及び当該サーバ装置20に対応する要求リソースを送信する(ステップS106)。
【0047】
ここで、制御部100は、ステップS106の処理後、サーバ装置20へのログインが正常に完了した場合、当該サーバ装置20から、要求リソースの使用の許否を選択させる許可画面の表示に用いるデータを受信する。表示に用いるデータは、例えば、HTML(HyperText Markup Language)データである。制御部100は、表示に用いるデータに基づき、許可画面を表示部140に表示する(ステップS108)。
【0048】
つづいて、制御部100は、ユーザにより、許可画面を介して、リソースの使用を許可する操作がされたか否かを判定する(ステップS110)。
【0049】
制御部100は、リソースの使用を許可する操作がされた場合、当該リソースの使用が許可されたことを示す情報を、ステップS100において特定したサーバ装置20に送信する(ステップS110;Yes→ステップS112)。また、制御部100は、ステップS112の処理に対するレスポンスをステップS100において特定したサーバ装置20から受信し(ステップS114)、当該レスポンスに基づき、トークン情報を記憶する(ステップS116)。例えば、制御部100は、サーバ装置20から受信したレスポンスに含まれるトークンと、当該レスポンスに含まれる秒数に基づき算出した有効期限とを含むトークン情報とを、トークン情報記憶領域168に記憶する。これにより、制御部100は、トークンの有効期限を更新する。
【0050】
なお、制御部100は、ステップS110において、ユーザにより、リソースの使用を拒否する操作がされた場合は、ステップS112からステップS116までの処理を省略する(ステップS110;No)。
【0051】
[1.3.2.2 メッセージ表示処理]
図10は、トークンの有効期限が間近であることを示すメッセージを表示するメッセージ表示処理の流れを示すフロー図である。
【0052】
はじめに、制御部100は、トークン情報記憶領域168から、トークン情報を1件読み出す(ステップS150)。なお、以下のメッセージ表示処理の説明において、ステップS150において読み出したトークン情報に含まれるトークンを「対象トークン」と記載する。
【0053】
つづいて、制御部100は、対象トークンを使用できる時間が、判定時間以内であるか否かを判定する(ステップS152)。例えば、制御部100は、対象トークンの有効期限から、ステップS152の処理を行うときの日時(現在の日時)を減算することで、対象トークンを使用できる時間を算出する。制御部100は、対象トークンを使用できる時間が判定時間以内である場合、ステップS150において読み出したトークン情報に対応するログイン情報がログイン情報記憶領域170に記憶されているか否かを判定する(ステップS152;Yes→ステップS154)。トークン情報に対応するログイン情報は、当該トークン情報に含まれるサーバIDと同じサーバIDを含むログイン情報である。
【0054】
制御部100は、トークン情報に対応するログイン情報が記憶されていない場合、対象トークンの有効期限が間近であることを示すメッセージ(第1のメッセージ)を表示する(ステップS156)。このとき、制御部100は、ユーザに対して、対象トークンの有効期限を更新(即時更新)する操作を行うか否かをユーザに問い合わせる。
【0055】
制御部100は、ユーザによって、対象トークンの有効期限を更新する操作を行うことが選択された場合、
図9のステップS100に遷移する(ステップS158;Yes→ステップS100)。これにより、制御部100は、ユーザに対して、対象トークンの有効期限を手動で更新させる。
【0056】
一方、制御部100は、ユーザによって、対象トークンの有効期限を更新する操作を行わないことが選択された場合、ユーザに対して、対象トークンの有効期限の更新を予約するか否かを問い合わせる(ステップS158;No→ステップS160)。
【0057】
制御部100は、ユーザによりトークンの有効期限の更新を予約することが選択された場合(ステップS162;Yes)、ログインユーザ情報の入力画面を表示部140に表示する(ステップS164)。
【0058】
つづいて、制御部100は、入力画面を介して入力されたログインユーザ情報を取得する(ステップS166)。また、制御部100は、取得したログインユーザ情報を含むログイン情報を、ステップS150において読み出したトークン情報に対応するログイン情報として、ログイン情報記憶領域170に記憶する(ステップS168)。
【0059】
なお、制御部100は、対象トークンを使用できる時間が判定時間を超えている場合(ステップS152;No)、及び、ステップS150において読み出したトークン情報対応するログイン情報が記憶されていない場合(ステップS154;No)は、ステップS156からステップS168までの処理を省略する。また、制御部100は、ステップS162において、ユーザにより、トークンの有効期限の更新を予約が行われなかった場合、ステップS164からステップS168までの処理を省略する(ステップS164;No)。
【0060】
つづいて、制御部100は、トークン情報記憶領域168に記憶されたトークン情報を全て読み出したか否かを判定する(ステップS170)。制御部100は、トークン情報を全て読み出した場合、
図10に示した処理を終了する(ステップS170;Yes)。一方、制御部100は、トークン情報を全て読み出していない場合は、ステップS150に戻る(ステップS170;No→ステップS150)。このとき、制御部100は、ステップS150において、
図10に示した処理を開始してから読み出していないトークン情報を、1件読み出す。
【0061】
制御部100は、
図10に示した処理を定期的(例えば、毎日午前9時)に実行する。これにより、制御部100は、トークンを使用できる時間が判定時間以内である場合、定期的にメッセージを表示できる。
【0062】
[1.3.2.3 自動更新処理]
図11は、トークンの有効期限を自動的に更新する自動更新処理の流れを示すフロー図である。はじめに、制御部100は、トークン情報記憶領域168から、トークン情報を1件読み出し(ステップS180)、当該トークン情報に含まれるトークンの有効期限が切れたか否かを判定する(ステップS182)。
【0063】
制御部100は、トークンの有効期限が切れたと判定した場合、ステップS180において読み出したトークン情報に対応するログイン情報がログイン情報記憶領域170に記憶されているか否かを判定する(ステップS184)。
【0064】
制御部100は、ログイン情報が記憶されていると判定した場合、当該ログイン情報からログインユーザ情報を取得する(ステップS184;Yes→ステップS186)。また、制御部100は、ステップS180において読み出したトークン情報に対応するサーバ情報から、アドレス及び要求リソースを取得する(ステップS188)。なお、トークン情報に対応するサーバ情報は、当該トークン情報に含まれるサーバIDと同じサーバIDを含むサーバ情報である。
【0065】
つづいて、制御部100は、ステップS188において取得したアドレスを接続先として、ステップS188において取得したログインユーザ情報及び当該サーバ装置20に対応する要求リソースを送信する(ステップS190)。なお、制御部100は、ステップS190の処理において、ログインユーザ情報の入力画面にログインユーザ情報を自動的に入力したり、許可画面においてリソースの使用を許可する操作を自動的に行ったりすることで、サーバ装置20からレスポンスを受信するために必要な操作を自動的に行う。このとき、制御部100は、自動的に操作を行っている最中にトラブルが発生した場合、管理者の権限を有するユーザに対して、電子メールなどでトラブルが生じたことを通知してもよい。
【0066】
つづいて、制御部100は、ステップS190の処理に対するレスポンスをサーバ装置20から受信し(ステップS192)、当該レスポンスに基づき、トークン情報を記憶する(ステップS194)。また、制御部100は、ステップS180において読み出したトークン情報に対応するログイン情報を、ログイン情報記憶領域170から削除する(ステップS196)。
【0067】
なお、制御部100は、トークンの有効期限が切れていないと判定した場合(ステップS182;No)、及び、ステップS180において読み出したトークン情報に対応するログイン情報が記憶されていない場合(ステップS184;No)、ステップS186からステップS196までの処理を省略する。
【0068】
つづいて、制御部100は、トークン情報記憶領域168に記憶されたトークン情報を全て読み出したか否かを判定し(ステップS198)、トークン情報を全て読み出したと判定した場合、
図11に示した処理を終了する(ステップS198;Yes)。一方、制御部100は、トークン情報を全て読み出していないと判定した場合は、ステップS180に戻り(ステップS198;No→ステップS180)、ステップS180において、
図11に示した処理を開始してから読み出していないトークン情報を、1件読み出す。
【0069】
制御部100は、
図11に示した処理を定期的(例えば、毎日午前9時)に実行する。これにより、制御部100は、トークンの有効期限を自動的に更新できる。
【0070】
[1.4 動作例]
図12(a)は、トークンを使用できる時間が判定時間以内である場合に表示部140に表示される画面W100の表示例を示す図である。画面W100には、トークンの有効期限が間近であることを示すメッセージM100や、当該トークンの有効期限M102を含むポップアップウィンドウE100が表示される。
【0071】
ポップアップウィンドウE100には、トークンの有効期限を今すぐに更新することを指示するボタンB100と、トークンの有効期限をあとで更新することを指示するボタンB102とが含まれる。ユーザは、ボタンB100を選択することで、トークンの有効期限を、その場で画像形成装置10を操作することにより、即時更新できる。
【0072】
ボタンB100が選択された場合、
図12(b)に示すログインユーザ情報の入力画面W110が、表示部140に表示される。入力画面W110には、例えば、パスワードを入力するためのテキストボックスB110が含まれる。また、サーバ装置20へのログインが正常に完了した場合、
図12(c)に示す許可画面W120が、表示部140に表示される。許可画面W120には、要求リソースの名称や説明等の、要求リソースに関する情報を表示する領域E120と、要求リソースの使用を許可することを指示するボタンB120と、当該リソースの使用を拒否することを指示するボタンB122とが含まれる。ユーザはボタンB120を選択することで、トークンの有効期限を更新させることができる。
【0073】
なお、画像形成装置10は、ボタンB100がユーザによって選択されたとき、当該ユーザが管理者の権限を有するユーザではない場合や、当該ユーザが管理者の権限を有するか否かが判定できない場合、ユーザ認証部104によるユーザの認証を行ってもよい。ユーザ認証部104により管理者の権限を有するユーザを認証できた場合、画像形成装置10は、トークンの有効期限を更新可能としてもよい。
【0074】
図13(a)は、
図12(a)に示した画面W100において、ボタンB102が選択された場合に表示部140に表示される画面W130の画面例を示す図である。画面W130には、トークンの更新を予約するか否かを問い合わせるメッセージM130、トークンの更新を予約することを指示するボタンB130及びトークンの更新を予約しないことを指示するボタンB132を含むポップアップウィンドウE130が表示される。
【0075】
ユーザによってボタンB130が選択された場合、
図13(b)に示すような、ログインユーザ情報の入力画面W140が表示部140に表示される。ユーザは、ログインIDを入力するテキストボックスB140や、パスワードを入力するテキストボックスB142に値を入力し、OKボタンB144を選択することで、ログインユーザ情報を画像形成装置10に記憶させる。ユーザの操作により記憶されたログインユーザ情報は、画像形成装置10による自動更新処理の実行時に、サーバ装置20に送信される。
【0076】
なお、画面W130においてボタンB132が選択された場合、ポップアップウィンドウE130が非表示となり、トークンの有効期限の更新の予約は行われない。同様に、入力画面W140においてキャンセルボタンB146が選択された場合も、ポップアップウィンドウE140が非表示となり、トークンの有効期限の更新の予約は行われない。
【0077】
なお、制御部100は、メッセージを表示する方法以外の方法により、トークンの有効期限が間近であることを示してもよい。例えば、制御部100は、画像形成装置10の状態をランプの点灯状態により示す状態表示ランプを備えている場合、当該状態表示ランプを所定の色や点灯方法により点灯させることで、トークンの有効期限が間近であることを示してもよい。
【0078】
また、上述した説明では、トークンを使用できる時間を、当該トークンの有効期限から現在の日時を減算することにより算出することとして説明したが、上記方法以外の方法により算出されてもよい。例えば、トークンを使用できる時間は、サーバ装置20から取得されるレスポンスに含まれる、トークンが使用できなくなるまでの秒数から、当該トークンを取得してからの経過した秒数を減算することで算出されてもよい。この場合、例えば、画像形成装置10は、トークンとともに当該トークンが使用できなくなるまでの秒数をトークン情報として記憶し、トークンが使用できなくなるまでの秒数を適宜減算する処理を行えばよい。
【0079】
このように、本実施形態の画像形成装置は、トークンの有効期限が切れる前に、当該トークンの有効期限を定期的に確認し、トークンの有効期限が間近である場合に、メッセージを表示することで、ユーザへの注意喚起を行うことができる。ユーザは、メッセージを確認することで、トークンの有効期限が切れる前にトークンの有効期限を更新することができ、画像形成装置に対してリソースサーバを経由したジョブを滞りなく実行させることができる。これにより、ユーザは、画像形成装置を止めること無く、当該画像形成装置の運用を継続できる。
【0080】
また、リソースサーバを経由したジョブが滞りなく実行されるので、ユーザは、リソースサーバを経由したジョブが失敗したことに対する原因把握等の作業の発生や、当該作業に起因する遅延による売り上げの棄損等の損失が生じる可能性を減らすことができる。
【0081】
また、本実施形態の画像形成装置は、ログインユーザ情報を取得した上でトークンの有効期限を更新する。そのため、例えば、管理者の権限を有するユーザは、意図しないタイミングでトークンの有効期限が更新されてしまうことを避けることが可能となる。
【0082】
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態の画像形成装置10において、トークンの有効期限が切れた場合に、トークンの有効期限をリモートから更新可能とする実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の
図11を
図14に置き換えた実施形態である。なお、同一の処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0083】
[2.1 機能構成]
本実施形態の画像形成装置10は、画像形成装置10に対する操作を可能とする専用のウェブページ(以下、内部ページと記載する)の提供が可能であるとする。画像形成装置10は、他の装置から内部ページへのアクセスが要求された場合、当該他の装置に、内部ページの表示に用いられるデータを送信する。また、画像形成装置10は、他の装置から、ユーザによって内部ページに対して行われた操作の内容を示す情報を受信し、当該情報に基づき、当該ユーザによって行われた操作を、画像形成装置10に反映させる。なお、画像形成装置10に接続する装置は、例えば、PC、タブレット、スマートフォン等の一般的な情報処理装置や端末装置であってよい。
【0084】
[2.2 処理の流れ]
図14は、本実施形態の自動更新処理の流れを示すフロー図である。本実施形態では、制御部100は、ステップS180において読み出したトークン情報に対応するログイン情報が記憶されていない場合、管理者の権限を有するユーザに、トークンの有効期限が切れていることを通知する(ステップS184;No→ステップS200)。例えば、制御部100は、権限が「管理者」であるユーザの電子メールアドレスを宛先として、トークンの有効期限が切れていることを示すメッセージや、トークンを更新するために用いられる情報として、内部ページにアクセスするためのURLを本文に含めた電子メールを送信する。これにより、制御部100は、権限が「管理者」であるユーザが使用する装置に、トークンを更新するために用いられる情報を送信する。
【0085】
つづいて、制御部100は、他の装置によって内部ページへのアクセスが要求された場合、当該他の装置に、内部ページの表示に用いられるデータを送信する(ステップS202)。また、制御部100は、ユーザによって内部ページに対して行われた操作の内容を示す情報を受信する(ステップS204)。操作の内容を示す情報は、例えば、ユーザにより選択された内部ページのボタンを示す情報や、内部ページに含まれるテキストボックスに入力された文字列の情報である。
【0086】
つづいて、制御部100は、ステップS204において受信した情報に基づき、トークンの有効期限を更新する操作がされたか否かを判定する(ステップS206)。制御部100は、トークンの有効期限を更新する操作以外の操作がされたと判定した場合、当該操作を画像形成装置10に反映させて、ステップS204に戻る(ステップS206;No→ステップS204)。
【0087】
一方、制御部100は、トークンの有効期限を更新する操作がされたと判定した場合、当該トークンの発行を要求するサーバ装置20を特定する(ステップS206;Yes→ステップS208)。また、制御部100は、ステップS208において特定したサーバ装置20に、ログインユーザ情報及び当該サーバ装置20に対応する要求リソースを送信する(ステップS210)。なお、制御部100は、例えば、内部ページにログインユーザ情報を入力するテキストボックスを含めるようにして、当該テキストボックスに入力された文字列を、ログインユーザ情報として取得する。
【0088】
つづいて、制御部100は、ステップS210の処理に対するレスポンスをサーバ装置20から受信し(ステップS212)、当該レスポンスに基づき、トークン情報を記憶する(ステップS214)。
【0089】
なお、画像形成装置10は、内部ページを他の装置に表示させる代わりに、画像形成装置10の表示部140に表示される画面そのものを当該他の装置に表示させてもよい。この場合、制御部100は、ステップS200において、表示部140に表示される画面を表示させるためのデータを取得可能なURL等を、トークンをリモートで更新するために用いられる情報として、ユーザに通知すればよい。また、制御部100は、他の装置によって当該URLへのアクセスが要求されたとき、画像形成装置10に表示される画面を表示させるためのデータを、当該他の装置に送信すればよい。
【0090】
また、画像形成装置10をリモートで操作する別の例として、トークンの有効期限を更新するために行われる画像形成装置10に対するUIの操作を第1のユーザが行い、ログインユーザ情報のみを、管理者の権限を有する第2のユーザがリモートで入力できるようにしてもよい。例えば、画像形成装置10は、第1のユーザによってトークンの有効期限を更新する操作がされた場合、第2のユーザに電子メール等によって、ログインユーザ情報を問い合わせる。画像形成装置10は、第2のユーザによって送信されたログインユーザ情報をサーバ装置20に送信し、当該サーバ装置20からレスポンスを受信することで、トークンの有効期限を更新する。
【0091】
このように、本実施形態の画像形成装置は、トークンの有効期限が切れた場合であっても、管理者の権限を有するユーザに対して、タイムリーに、トークンの有効期限が切れたことを通知し、トークンの有効期限の更新を促すことができる。また、本実施形態の画像形成装置は、リモートでトークンの有効期限を更新可能とする。これにより、管理者の権限を有するユーザは、画像形成装置が設置された場所にいない場合であっても、画像形成装置の復帰を迅速に行うことが可能となり、画像形成装置が使用できない時間やジョブが実行できない時間を短くすることができる。このように、本実施形態の画像形成装置は、従来技術では実現できなかった、トークンの有効期限が切れたあとのリカバリーを、ユーザに対して適切に行わせることが可能となる。
【0092】
[3.第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態において説明した処理に加えて、ジョブを実行するタイミングが、トークンの有効期限よりも後である場合に、メッセージを表示する処理が実行される実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の
図2を
図15に置き換えた実施形態である。なお、同一の機能部には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0093】
画像形成装置によって実行されるジョブには、ユーザにより指定された日時にジョブを実行することが可能なジョブである日時指定ジョブがある。ユーザは、このような画像形成装置を使用することで、特定のジョブの実行を予約できる。
【0094】
ここで、一般的な画像形成装置では、リソースサーバが管理するリソースを使用する日時指定ジョブを実行する場合において、トークンの有効期限が切れているために当該リソースサーバにログインできないとき、当該日時指定ジョブの実行は失敗する。この場合、ユーザは、ジョブの実行の予約時に、指定した日時にジョブが実行されるものと思い込んでいたにも関わらず、実際には実行されていなかったという不利益を被ることとなる。
【0095】
そこで、本実施形態では、日時指定ジョブの実行日時がトークンの有効期限よりも後である場合、メッセージを表示することで、ユーザに対して、上記の不利益を回避可能にさせる。
【0096】
以下の説明では、日時指定ジョブの一例として、日時指定ジョブがスキャンデータを指定された送信先に、指定された送信日時に送信する日時指定送信ジョブである場合について説明する。すなわち、日時指定送信ジョブは、スキャンジョブの一種であって、特に、送信日時と送信先が指定されているジョブである。
【0097】
[3.1 機能構成]
本実施形態では、画像形成装置10の代わりに、画像形成装置12が用いられる。
図15は、画像形成装置12の機能構成を示す図である。画像形成装置12は、画像形成装置10と異なり、記憶部160に、日時指定送信ジョブ情報記憶領域174とリトライ可能ジョブ情報記憶領域176とが更に確保される。
【0098】
日時指定送信ジョブ情報記憶領域174は、日時指定送信ジョブに関する情報である日時指定送信ジョブ情報を記憶する。日時指定送信ジョブ情報は、
図16(a)に示すように、ジョブを識別するジョブID(例えば、「0011」)と、ジョブ種別(例えば、「スキャン」)と、当該ジョブの実行を指示したユーザを識別するユーザID(例えば、「userA」)と、当該ジョブに対応するスキャンデータの画像データ名(例えば、「0011.pdf」)、当該スキャンデータを送信する日時として指定された送信日時(例えば、「2022/12/14 18:00」)と、当該スキャンデータの送信先(例えば、「mori_email」)を含む。
【0099】
なお、スキャンデータは、画像データ記憶領域162に記憶され、画像データ名により識別されるものとする。また、送信先は、メールアドレス、FAX番号、送信先の装置のIP(Internet Protocol)アドレスや当該装置の名称等、送信先が特定できる情報であればどのような情報であってもよい。
【0100】
リトライ可能ジョブ情報記憶領域176は、リトライ可能ジョブに関する情報であるリトライ可能ジョブ情報を記憶する。リトライ可能ジョブは、日時指定ジョブのうち、実行が失敗したジョブであって、リトライ(再実行)が可能なジョブである。リトライ可能ジョブ情報は、
図16(b)に示すように、日時指定送信ジョブ情報に、状況(例えば、「NG800000」)の情報を含めて構成される。状況には、例えば、ジョブの状況やジョブの実行が失敗した理由を示すコードが記憶される。
【0101】
[3.2 処理の流れ]
画像形成装置12の制御部100は、第1実施形態の
図9から
図11までに示した処理に加えて、
図17から
図19に示した処理を実行する。
【0102】
[3.2.1 スキャンデータ送信・記憶処理]
図17は、スキャンデータ送信・記憶処理の流れを示すフロー図である。スキャンデータ送信・記憶処理は、ユーザによって、スキャン機能が使用されたことで、画像形成装置12によってスキャンデータが取得された後に実行される。
【0103】
はじめに、制御部100は、ユーザによって、スキャンデータを送信することが選択されたか否かを判定する(ステップS300)。
【0104】
制御部100は、スキャンデータを送信することが選択されたと判定した場合、ユーザにより指定された送信先の情報を取得する(ステップS302)。例えば、制御部100は、スキャンデータの送信先を入力する画面を表示部140に表示し、ユーザによって入力されたメールアドレスや、サーバ名や、他の装置のファイルパスを、スキャンデータの送信先の情報として取得する。
【0105】
つづいて、制御部100は、ユーザによって、スキャンデータの送信日時を指定する操作がされたか否かを判定する(ステップS304)。すなわち、ユーザによって、スキャンデータを指定の日時に送信するジョブの実行が予約されたか否かを判定する。
【0106】
制御部100は、スキャンデータの送信日時を指定する操作がされたと判定した場合、当該スキャンデータの送信日時を指定する画面である日時指定送信画面を表示する(ステップS304;Yes→ステップS306)。また、制御部100は、日時指定送信画面を介してユーザによって指定された送信日時を取得する(ステップS308)。
【0107】
つづいて、制御部100は、送信日時と、スキャンデータの送信に用いるトークンが記憶されたトークン情報に記憶された有効期限とを比較し、送信日時がトークンの有効期限よりも後であるか否かを判定する(ステップS310)。制御部100は、送信日時がトークンの有効期限よりも後である場合、スキャンデータの送信が失敗する可能性があることを示すメッセージ(第2のメッセージ)を、表示部140に表示する(ステップS310;Yes→ステップS312)。すなわち、制御部100は、ジョブの実行が失敗する可能性があることを示すメッセージを表示する。このとき、制御部100は、ユーザに対して、スキャンデータの送信が失敗する可能性があってもスキャンデータを送信するジョブの実行を予約するか否かを問い合わる。
【0108】
つづいて、制御部100は、ユーザによってスキャンデータを送信するジョブの実行を予約することが選択されたか否かを判定する(ステップS314)。制御部100は、ユーザによってスキャンデータを送信するジョブの実行を予約することが選択されなかったと判定した場合、ステップS306に戻る(ステップS314;No→ステップS306)。すなわち、制御部100は、ユーザに対して、送信日時を再設定させる。一方、制御部100は、ユーザによって、ジョブの実行が予約されたと判定した場合、スキャンデータを送信するジョブの情報を、日時指定送信ジョブとして日時指定送信ジョブ情報記憶領域174に記憶する(ステップS314;Yes→ステップS316)。
【0109】
なお、制御部100は、ステップS310において、送信日時がトークンの有効期限よりも前である場合、ステップS312及びステップS314の処理を省略する(ステップS310;No)。
【0110】
なお、制御部100は、ステップS304において、日時を指定する操作がされなかったと判定した場合は、ユーザにより指定された送信先にスキャンデータを送信する(ステップS304;No→ステップS318)。また、制御部100は、ステップS300において、スキャンデータを送信することが選択されなかった場合は、スキャンデータを、画像データ記憶領域162に記憶する(ステップS300;No→ステップS320)。
【0111】
[3.2.2 日時指定送信ジョブ実行処理]
図18は、日時指定送信ジョブを実行する処理の流れを示すフロー図である。はじめに、制御部100は、日時指定送信ジョブ情報記憶領域174に、実行対象の日時指定送信ジョブに対応する日時指定送信ジョブ情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS340)。実行対象の日時指定送信ジョブは、送信日時が現在の日時よりも前の日時指定送信ジョブである。
【0112】
制御部100は、日時指定送信ジョブ情報が記憶されていると判定した場合、現在の日時と、スキャンデータの送信に用いるトークンの有効期限とを比較し、当該トークンの有効期限が切れているか否かを判定する(ステップS342)。
【0113】
制御部100は、トークンの有効期限が切れていると判定した場合、実行対象の日時指定送信ジョブに対応する日時指定送信ジョブ情報を、リトライ可能ジョブ情報記憶領域176に記憶する(ステップS342;Yes→ステップS344)。
【0114】
一方、制御部100は、トークンの有効期限が切れていないと判定した場合は、実行対象の日時指定送信ジョブを実行する(ステップS342;No→ステップS346)。また、制御部100は、ステップS346において実行した日時指定送信ジョブに対応する日時指定送信ジョブ情報を、日時指定送信ジョブ情報記憶領域174から削除する(ステップS348)。
【0115】
制御部100は、
図18に示した処理を、定期的に(例えば、1分毎)実行することで、ユーザにより指定された送信日時にスキャンデータを送信する処理、又は、日時指定送信ジョブをリトライ可能ジョブとする処理を実行することができる。制御部100は、日時指定送信ジョブをリトライ可能ジョブとすることで、日時指定送信ジョブを待機状態にすることができる。
【0116】
[3.2.3 リトライ可能ジョブ実行処理]
図19は、リトライ可能ジョブを実行する処理の流れを示すフロー図である。はじめに、制御部100は、ユーザにより、リトライ可能ジョブ情報を表示する操作がされたか否かを判定する(ステップS370)。例えば、制御部100は、表示部140に、リトライ可能ジョブを一覧表示させるボタンを表示し、当該ボタンが選択された場合、リトライ可能ジョブ情報を表示する操作がされたと判定する。
【0117】
制御部100は、リトライ可能ジョブ情報を表示する操作がされた場合、リトライ可能ジョブ情報記憶領域176に記憶されたリトライ可能ジョブ情報の内容を選択可能に一覧表示する(ステップS370;Yes→ステップS372)。
【0118】
つづいて、制御部100は、ユーザによって、リトライ可能ジョブの実行を指示する操作がされたか否かを判定する(ステップS374)。リトライ可能ジョブの実行を指示する操作は、例えば、一覧表示されたリトライ可能ジョブ情報の内容を1又は複数選択し、スタートボタン等のジョブを実行させるボタンを選択する操作である。なお、制御部100は、リトライ可能ジョブの実行を指示する操作がされていないと判定した場合、ステップS374の処理を繰り返し実行する(ステップS374;No)。
【0119】
一方、制御部100は、リトライ可能ジョブを実行する操作がされたと判定した場合、リトライ可能ジョブの実行に用いるトークンの有効期限が切れているか否かを判定する(ステップS376)。制御部100は、トークンの有効期限が切れていると判定した場合、ユーザによって選択されたリトライ可能ジョブを実行できないことを示すメッセージを、表示部140に表示する(ステップS376;Yes→ステップS378)。一方、制御部100は、トークンの有効期限が切れていないと判定した場合、ユーザによって実行の指示の操作がされたリトライ可能ジョブを実行する(ステップS376;No→ステップS380)。また、制御部100は、ステップS380において実行したリトライ可能ジョブに対応するリトライ可能ジョブ情報をリトライ可能ジョブ情報記憶領域176から削除する(ステップS382)。
【0120】
なお、制御部100は、リトライ可能ジョブ情報を表示する操作がされていない場合は、ステップS372からステップS382までの処理を省略する(ステップS370;No)。
【0121】
[3.3 動作例]
図20(a)は、日時指定送信画面W300の表示例を示す図である。ユーザは、日時指定送信画面W300において、送信日時を選択するUIを含む領域E300内のUIを操作することで送信日時を選択し、OKボタンB300を選択することで、スキャンデータの送信日時を指定する。なお、日時指定送信画面W300には、送信日時を指定するか否かを選択するUIを含む領域E302が含まれてもよい。
【0122】
図20(b)は、送信日時がトークンの有効期限よりも後である場合に表示される画面W310の表示例を示す図である。画面W310には、スキャンデータの送信が失敗する可能性があることを示すメッセージM310を含むポップアップウィンドウE310が表示される。
【0123】
メッセージM310には、例えば、「送信日時がトークンの有効期限後の日時に設定されているため、正常に送信できない可能性があります。」といった、スキャンデータの送信が失敗する原因を示す文章が含まれてもよい。また、メッセージM310には、「OAuth認証に用いるトークンの有効期限後に実行されるジョブです。送信失敗する可能性がありますが、予約しますか?」といった、ユーザに対する問い合わせの文章が含まれてもよい。さらに、メッセージM310とともに、トークンの有効期限M312が表示されてもよい。
【0124】
また、メッセージM310とともに、スキャンデータを送信するジョブの実行を予約することを指示するボタンB310と、スキャンデータを送信するジョブの実行を予約しないことを指示するボタンB312とが表示されてもよい。ユーザは、ボタンB310を選択することで、スキャンデータの送信が失敗する可能性がある場合であっても、スキャンデータを送信するジョブの実行を予約することができる。なお、ボタンB312が選択された場合、ポップアップウィンドウE310は非表示となり、送信日時が再度設定可能となる。
【0125】
図21は、リトライ可能ジョブ情報を選択可能に一覧表示された画面W320の画面例を示す図である。画面W320には、例えば、リトライ可能ジョブ情報を一覧表示するリストL320が含まれる。リストL320には、リトライ可能ジョブ情報の内容が、項目として選択可能に表示される。例えば、項目D320には、リトライ可能ジョブ情報の内容として、ジョブの種類を示すアイコンと、送信先(宛先)と、送信日時(セット日時)と、状況とが含まれる。また、項目D320に示すように、スキャンデータのページ数が表示されてもよい。また、上述した内容以外にも、リストL320の項目には、ユーザID、ユーザ名、スキャンデータのファイル名等の情報が含まれてもよい。これにより、ユーザは、リトライ可能ジョブの詳細な情報を確認することができる。
【0126】
ユーザは、リストL320から1又は複数の項目を選択することで、リトライ可能ジョブ情報を選択する。また、ユーザは、送信ボタンB320を選択することで、選択したリトライ可能ジョブ情報に対応するリトライ可能ジョブを実行させることができる。
【0127】
なお、リトライ可能ジョブは、管理者の権限を有するユーザのみが実行可能であってもよい。また、リトライ可能ジョブは、画像形成装置12を使用するユーザによって予約された日時指定送信ジョブに対応するリトライ可能ジョブのみが実行可能であってもよい。
【0128】
また、上述した説明は、日時指定ジョブが日時指定送信ジョブである場合について説明したが、日時指定ジョブは、実行する日時が指定されるジョブであれば、どのようなジョブであってもよい。
【0129】
このように、本実施形態の画像形成装置は、日時指定ジョブが実行される前にトークンの有効期限が切れる場合、メッセージを表示することで、ユーザに対して注意喚起を行うことができる。ユーザは、日時指定ジョブが実行されない可能性があることを事前に把握し、トークンの有効期限の関係により、日時指定ジョブが実行されないといった不利益を被る可能性を低くすることができる。
【0130】
[4.第4実施形態]
第4実施形態は、第3実施形態において説明したリトライ可能ジョブを、トークンの有効期限が更新されたタイミングで自動的に実行する実施形態である。
【0131】
本実施形態では、画像形成装置12は、
図19に示したリトライ可能ジョブ実行処理の代わりに、
図22に示した、リトライ可能ジョブを自動的に実行する処理であるリトライ可能ジョブ自動実行処理を実行する。
【0132】
図22に示した処理について説明する。はじめに、制御部100は、トークンの有効期限が更新されたか否かを判定する(ステップS400)。
【0133】
制御部100は、トークンの有効期限が更新されていないと判定した場合は、
図22に示した処理を終了する(ステップS400;No)。一方、制御部100は、トークンの有効期限が更新されたと判定した場合、当該トークンを使用するリトライ可能ジョブに対応するリトライ可能ジョブ情報がリトライ可能ジョブ情報記憶領域176に記憶されているか否かを判定する(ステップS400;Yes→ステップS402)。
【0134】
制御部100は、リトライ可能ジョブ情報が記憶されていると判定した場合、当該リトライ可能ジョブ情報に基づき、リトライ可能ジョブを実行する(ステップS402;Yes→ステップS404)。また、制御部100は、ステップS404において実行したリトライ可能ジョブに対応するリトライ可能ジョブ情報を、リトライ可能ジョブ情報記憶領域176から削除する(ステップS406)。なお、制御部100は、有効期限が更新されたトークンを使用するリトライ可能ジョブに対応するリトライ可能ジョブ情報が記憶されていないと判定した場合、ステップS404及びステップS406の処理を省略する(ステップS402;No)。
【0135】
このように、本実施形態の画像形成装置は、トークンの有効期限が更新されたタイミングでリトライ可能ジョブを実行するため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0136】
[5.第5実施形態]
第5実施形態は、第1実施形態において説明した画像形成装置10において、第1のメッセージとは別に、有効期限が間近であるトークンが存在することを示す識別する情報である識別子(例えば、アイコン、数字、文字、記号、メッセージ等)を表示する実施形態である。
【0137】
[5.1 処理の流れ]
本実施形態では、制御部100は、第1実施形態の
図9から
図11までに示した処理に加えて、更に、
図23に示した処理を実行する。
【0138】
図23に示した処理について説明する。はじめに、制御部100は、表示部140にホーム画面を表示する(ステップS500)。ホーム画面は、使用する機能の選択操作を受け付けたり、画像形成装置10の状態を表示したりする画面である。制御部100は、例えば、画像形成装置10の電源が投入されたときや、待機(スリープ)状態から復旧したときや、ユーザによりホーム画面の表示の操作がされた場合に、ホーム画面を表示する。
【0139】
つづいて、制御部100は、トークン情報記憶領域168に記憶されたトークン情報を参照し、使用できる時間が、判定時間以内であるトークンが存在するか否かを判定する(ステップS502)。
【0140】
制御部100は、使用できる時間が判定時間以内であるトークンが存在すると判定した場合、有効期限が間近であるトークンが存在することを示す識別子を表示する(ステップS502;Yes→ステップS504)。本実施形態においては、識別子の一例として、図で示されたアイコンを例に説明する。なお、識別子は、ユーザが識別可能な表示であればよく、アイコン以外にも、文字、数字、記号等であってもよい。なお、制御部100は、使用できる時間が判定時間以内であるトークンが存在しないと判定した場合、ステップS504の処理を省略する(ステップS502;No)。
【0141】
つづいて、制御部100は、ユーザによりシステム情報画面を表示する操作がされたか否かを判定する(ステップS506)。システム情報画面は、画像形成装置10の詳細な情報を表示する画面である。システム情報画面には、画像形成装置10の詳細な情報として、例えば、画像形成装置10の状態を示す情報や、画像形成装置10の設定の内容を示す情報が表示されたり、ユーザに対するお知らせ(メッセージ)が一覧で表示されたりする。制御部100は、例えば、システム情報画面を表示させるためのボタンを表示部140に表示し、当該ボタンが選択された場合に、システム情報画面を表示する操作がされたと判定する。
【0142】
制御部100は、システム情報画面を表示する操作がされたと判定した場合、表示部140に、システム情報画面を表示する(ステップS506;Yes→ステップS508)。なお、制御部100は、システム情報画面を表示する操作以外の操作がされたと判定した場合、当該操作に応じた処理を実行する(ステップS506;No)。
【0143】
つづいて、制御部100は、使用できる時間が判定時間以内であるトークンが存在すると判定した場合、使用できる時間が判定時間以内であるトークンが存在することを示すメッセージ(第3のメッセージ)をシステム情報画面に表示する(ステップS510;Yes→ステップS512)。すなわち、第3のメッセージは、有効期限が間近であるトークンが存在することを示すメッセージである。なお、制御部100は、使用できる時間が判定時間以内であるトークンが存在しないと判定した場合、ステップS512の処理を省略する(ステップS510;No)。
【0144】
[5.2 動作例]
図24は、画像形成装置10の表示部140に表示される画面の画面例を示す図である。
図24(a)は、ホーム画面W500の画面例を示す図である。ホーム画面W500には、例えば、画像形成装置10の状態やユーザに対する通知の内容に対応するアイコンを表示する通知エリアE500が設けられてもよい。使用できる時間が判定時間以内であるトークンが存在する場合、通知エリアE500に、使用できる時間が判定時間以内であるトークンが存在することを示す識別子(例えば、アイコンC500)が表示される。ユーザは、
図12(a)に示したポップアップウィンドウE100を非表示にしても、アイコンC500を見ることで、使用できる時間が判定時間以内であるトークンが存在することを把握できる。
【0145】
図24(b)は、システム情報画面W510の画面例を示す図である。システム情報画面W510には、ユーザに対する通知の内容を表示する領域E510(お知らせエリア)が含まれる。使用できる時間が判定時間以内であるトークンが存在する場合、領域E510に、使用できる時間が判定時間以内であるトークンが存在することを示すメッセージM510が表示される。ユーザは、メッセージM510を見ることで、使用できる時間が判定時間以内であるトークンが存在することを把握できる。
【0146】
なお、アイコンC500は、ホーム画面以外の画面に表示されてもよいし、通知エリアE500以外の領域に表示されてもよい。アイコンC500が表示される画面や領域は、予め定められてもよいし、ユーザにより設定可能であってもよい。
【0147】
このように、本実施形態の画像形成装置によれば、有効期限が間近であるトークンが存在することを、識別子を表示することによって、より確実にユーザに把握させることが可能となる。
【0148】
[6.第6実施形態]
第6実施形態は、第3実施形態において説明した画像形成装置12において、リトライ可能ジョブがあることを示すアイコンやメッセージを更に表示する処理が実行される実施形態である。
【0149】
[6.1 処理の流れ]
本実施形態では、制御部100は、第1実施形態の
図9から
図11までに示した処理、及び、第3実施形態の
図17から
図19までに示した処理に加えて、更に
図25に示した処理を実行する。
【0150】
図25に示した処理について説明する。はじめに、制御部100は、ホーム画面を表示し(ステップS600)、リトライ可能ジョブ情報記憶領域176にリトライ可能ジョブ情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS602)。
【0151】
制御部100は、リトライ可能ジョブ情報が記憶されていると判定した場合、ホーム画面に、リトライ可能ジョブが存在することを示すアイコンを表示する(ステップS602;Yes→ステップS604)。なお、制御部100は、リトライ可能ジョブ情報が記憶されていないと判定した場合、ステップS604の処理を省略する(ステップS602;No)。
【0152】
つづいて、制御部100は、ユーザによりシステム情報画面を表示する操作がされたと判定した場合、表示部140にシステム情報画面を表示する(ステップS606;Yes→ステップS608)。なお、制御部100は、システム情報画面を表示する操作以外の操作がされたと判定した場合、当該操作に応じた処理を実行する(ステップS606;No)。
【0153】
つづいて、制御部100は、リトライ可能ジョブ情報記憶領域176にリトライ可能ジョブ情報が記憶されていると判定した場合、リトライ可能ジョブが存在することを示すメッセージ(第4のメッセージ)をシステム情報画面に表示する(ステップS610;Yes→ステップS612)。
【0154】
つづいて、制御部100は、ユーザにより、リトライ可能ジョブ情報を表示する操作がされたと判定した場合、リトライ可能ジョブ情報記憶領域176に記憶されたリトライ可能ジョブ情報を選択可能に一覧表示する(ステップS614;Yes→ステップS616)。例えば、制御部100は、ステップS614において、リトライ可能ジョブが存在することを示すメッセージとともに、リトライ可能ジョブ情報を確認させるための詳細ボタンを表示してもよい。この場合、制御部100は、ユーザにより詳細ボタンが選択されたとき、リトライ可能ジョブ情報を表示する操作がされたと判定する。なお、制御部100は、ユーザにより、リトライ可能ジョブ情報を表示する操作がされていないと判定した場合は、ステップS614の処理を繰り返して実行する(ステップS614;No)。
【0155】
つづいて、制御部100は、ユーザの操作に応じてリトライ可能ジョブを実行する(ステップS618)。ステップS618の処理は、
図19のステップS374からステップS380までの処理と同様の処理である。また、制御部100は、実行したリトライ可能ジョブに対応するリトライ可能ジョブ情報を、リトライ可能ジョブ情報記憶領域176から削除する(ステップS620)。
【0156】
[6.2 動作例]
図26(a)は、ホーム画面W600の画面例を示す図である。ホーム画面W600には、通知エリアE600が設けられてもよい。この場合、リトライ可能ジョブ情報がリトライ可能ジョブ情報記憶領域176に記憶されているとき、リトライ可能ジョブ情報が記憶されていること、すなわち、リトライ可能ジョブが存在することを示すアイコンC600が、通知エリアE600に表示される。これにより、ユーザは、アイコンC600を見ることで、リトライ可能ジョブが存在することを把握することができる。
【0157】
なお、アイコンC600は、ホーム画面以外の画面に表示されてもよいし、通知エリアE600以外の領域に表示されてもよい。アイコンC600が表示される画面や領域は、予め定められてもよいし、ユーザにより設定可能であってもよい。
【0158】
図26(b)は、システム情報画面W610の画面例を示す図である。システム情報画面W610には、ユーザに対する通知の内容を表示する領域E610(お知らせエリア)が含まれる。リトライ可能ジョブ情報が記憶されている(リトライ可能ジョブが存在する)場合、リトライ可能ジョブが存在することを示すメッセージM610が領域E610に表示される。これにより、ユーザは、メッセージM610を見ることで、リトライ可能ジョブが存在することを把握することができる。
【0159】
また、メッセージM610に加えて、詳細ボタンB610が表示されてもよい。この場合、ユーザによって詳細ボタンB610が選択されたとき、
図21に示した画面W320が表示される。ユーザは、画面W320を介してリトライ可能ジョブを実行することで、スキャンデータの再送信が可能となる。
【0160】
[6.3 本実施形態の変形例]
上述した説明では、画像形成装置12が、アイコンやメッセージを表示することで、リトライ可能ジョブ情報が記憶されている(リトライ可能ジョブが存在する)ことをユーザに知らせることについて説明した。ここで、画像形成装置12は、トークンの有効期限が原因で、実行が失敗する日時指定送信ジョブがある場合、ホーム画面にアイコンを表示したり、システム情報画面にメッセージを表示したりしてもよい。
【0161】
例えば、
図27(a)は、ホーム画面W620の通知エリアE620に、トークンの有効期限が原因で、実行が失敗する日時指定送信ジョブがあることを示すアイコンC620が表示された場合の画面例を示す図である。また、
図27(b)は、トークンの有効期限が原因で、実行が失敗する日時指定送信ジョブがあることを示すメッセージM630が、ユーザに対する通知の内容を表示する領域E630(お知らせエリア)に表示されているシステム情報画面W630の画面例を示す図である。ユーザは、アイコンC620やメッセージM630を見ることで、トークンの有効期限が原因で、実行が失敗する日時指定送信ジョブがあることを把握することができる。これにより、ユーザは、日時指定送信ジョブの送信日時を変更することができる。
【0162】
なお、メッセージM630に加えて、詳細ボタンB630が表示されてもよい。詳細ボタンB630が選択された場合、日時指定送信ジョブ情報を選択可能に一覧表示する画面が表示されてもよい。この場合、ユーザによって選択された日時指定送信ジョブ情報に対応する日時指定送信ジョブは、その場で実行されてもよいし、送信日時が変更可能であってもよい。
【0163】
このように、本実施形態の画像形成装置によれば、リトライ可能ジョブが存在することや、失敗する可能性がある日時指定送信ジョブがあることを、より確実にユーザに確認させることが可能となる。
【0164】
[7.変形例]
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。また、上述した各実施形態では、本開示の情報処理装置を画像形成装置に適用した場合について説明したが、本開示の情報処理装置は、トークンを用いてリソースサーバが管理するリソースを利用する装置であれば、どのような装置に適用されてもよい。例えば、本開示の情報処理装置は、リソースサーバが管理するリソースに基づく情報を表示する表示装置や、スキャンデータをリソースサーバに送信することが可能な画像読取装置に適用されてもよい。
【0165】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。例えば、第5実施形態と第6実施形態とが組み合わせられてもよい。この場合、画像形成装置は、トークンの有効期限までの時間が判定時間以内であること及びリトライ可能ジョブが存在することを、ホーム画面やシステム情報画面を見ることで知ることができる。また、第3実施形態と第4実施形態とを組み合わせて、リトライ可能ジョブが、ユーザの操作により実行されるか、トークンの有効期限の更新に基づき自動的に実行されるかが、選択可能であってもよい。
【0166】
また、上述した実施形態では、本開示の情報処理装置を画像形成装置に適用した場合について説明したが、本開示の情報処理装置は、サーバ装置や、スマートフォン等の端末装置に適用されてもよい。例えば、本開示を、上述した実施形態で説明した処理と同様の処理を実行するアプリとして実現し、当該アプリを端末装置で実行してもよい。
【0167】
上述した各装置で動作するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な非一時的記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)に記録され、提供されてもよい。また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0168】
プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標) Disc) 等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本開示の機能が実現される場合もある。
【0169】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【0170】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、例えば、集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサでもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。前述した電気回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、本開示の一以上の態様は当該技術による新たな集積回路を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0171】
1 システム
10、12 画像形成装置
100 制御部
102 画像処理部
104 ユーザ認証部
120 画像入力部
130 画像形成部
140 表示部
150 操作部
160 記憶部
162 画像データ記憶領域
164 ユーザ情報記憶領域
166 サーバ情報記憶領域
168 トークン情報記憶領域
170 ログイン情報記憶領域
172 設定情報記憶領域
174 日時指定送信ジョブ情報記憶領域
176 リトライ可能ジョブ情報記憶領域
190 通信部
20 サーバ装置