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  • 特開-情報処理装置 図1
  • 特開-情報処理装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165573
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 15/78 20060101AFI20241121BHJP
   G06F 3/00 20060101ALI20241121BHJP
   G06F 8/656 20180101ALI20241121BHJP
【FI】
G06F15/78 513
G06F3/00 A
G06F8/656
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081863
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 豪志
【テーマコード(参考)】
5B062
5B376
【Fターム(参考)】
5B062EE01
5B376CA23
5B376CA25
5B376CA63
(57)【要約】
【課題】マイクロコンピュータに対する操作性を向上させる情報処理装置を提供する。
【解決手段】実施形態の情報処理装置は、複数の第1基板を接続可能な第2基板を有する情報処理装置である。前記第1基板は、プロセッサーを備える。前記第2基板は、複数の前記第1基板から選択された一の前記第1基板と、マイクロコンピュータと接続する接続切替部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1基板を接続可能な第2基板を有する情報処理装置であって、
前記第1基板は、プロセッサーを備え、
前記第2基板は、複数の前記第1基板から選択された一の前記第1基板と、マイクロコンピュータと接続する接続切替部を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第2基板は、前記マイクロコンピュータと接続する前記第1基板の切り替えを指示する通知を受け付けた場合に、前記接続切替部に接続の切り替えを指示する切替信号を出力する第1マイクロコンピュータを備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1基板は、前記マイクロコンピュータのファームウェアを出力し、
前記接続切替部は、前記第1マイクロコンピュータの前記ファームウェアのアップデート中に、前記第1マイクロコンピュータと異なる第2マイクロコンピュータと、前記第1基板とを接続させることはできない、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2基板は、複数の前記マイクロコンピュータを有し、
前記第1基板は、それぞれ異なる前記マイクロコンピュータと接続し、
前記接続切替部は、前記マイクロコンピュータの接続先を、一の前記第1基板に切り替える、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1基板は、前記マイクロコンピュータを識別可能な識別情報を有するデータを前記マイクロコンピュータのそれぞれに出力し、
前記マイクロコンピュータは、前記識別情報に基づいて、自装置に対する前記データであるかを判定する、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置は、複数のマイクロコンピュータを有する基板と、各マイクロコンピュータに対応付けられたプロセッサーボードとを有する場合が有る。操作者は、各マイクロコンピュータにファームウェア等をアップデートする場合、それぞれのプロセッサーボードを操作することで、各マイクロコンピュータにデータを送信している。
【0003】
操作者は、各マイクロコンピュータをアップデートする場合、プロセッサーボードを操作するために、各プロセッサーボードに操作装置や表示装置の外部機器を接続する必要があった。
【0004】
しかしながら、操作者は、複数のマイクロコンピュータをアップデートする毎に、外部機器を抜挿して、接続先を変更するのは煩雑であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、マイクロコンピュータに対する操作性を向上させる情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、複数の第1基板を接続可能な第2基板を有する情報処理装置である。前記第1基板は、プロセッサーを備える。前記第2基板は、複数の前記第1基板から選択された一の前記第1基板と、マイクロコンピュータと接続する接続切替部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置の一例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置が実行するアップデート処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、情報処理装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、情報処理装置の一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置1の一例を示す図である。例えば、情報処理装置1は、スーパーマーケットなどの店舗においてPOS(Point Of Sales)端末を管理する店舗サーバである。
【0010】
情報処理装置1は、第1CPU(Central Processing Unit)ボード10と、第2CPUボード20と、ベースボード30とを備える。第1CPUボード10は、第1接続部40を介して、ベースボード30と接続する。第2CPUボード20は、第2接続部50を介して、ベースボード30と接続する。これら複数のCPUボードのそれぞれは、第1基板の一例である。
【0011】
なお、情報処理装置1は、第1CPUボード10と、第2CPUボード20との2つのCPUボードに限らず、3つ以上のCPUボードを有していてもよい。また、ベースボード30は、第1CPUボード10と、第2CPUボード20と、の2つに限らず、3つ以上のCPUボードと接続していてもよい。
【0012】
第1CPUボード10は、ベースボード30に実装された第1マイクロコンピュータ31を対応付けられた基板である。さらに詳しくは、第1CPUボード10は、第1マイクロコンピュータ31と接続された基板である。
【0013】
第1CPUボード10は、CPU11と、端子部12と、PCH(Platform Controller Hub)13とを備える。CPU11は、第1CPUボード10を制御するプロセッサーである。
【0014】
端子部12は、外部機器に接続される端子である。例えば、端子部12は、USB(Universal Serial Bus)などの規格に準拠した端子である。
【0015】
PCH13は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置に対する書き込みや読み出しの制御や、入出力制御などを実行するチップセットである。そして、PCH13は、第1接続部40を介して、ベースボード30との通信を実行する。
【0016】
また、第1CPUボード10は、ファームウェア等のデータをマイクロコンピュータに送信する場合、マイクロコンピュータを識別可能な識別情報を有するデータをマイクロコンピュータのそれぞれに出力する。そして、第1マイクロコンピュータ31及び第2マイクロコンピュータ32は、識別情報に基づいて、自装置に対するデータであるかを判定する。
【0017】
第1接続部40は、第1CPUボード10と、ベースボード30との間の通信を実行するインターフェースである。例えば、第1接続部40は、PCIe(Peripheral Component Interconnect-Express)などの規格に準拠した通信を実行する。
【0018】
例えば、第1接続部40は、第1マイクロコンピュータ31と第2マイクロコンピュータ32とのファームウェアを出力する。
【0019】
第2CPUボード20は、ベースボード30に実装された第2マイクロコンピュータ32を対応付けられた基板である。言い換えると、第2CPUボード20は、第2マイクロコンピュータ32と接続された基板である。また、第2CPUボード20は、第1CPUボード10と略同一の機能を有する。
【0020】
さらに詳しくは、第2CPUボード20は、CPU21と、端子部22と、PCH23とを備える。CPU21は、第2CPUボード20を制御するプロセッサーである。
【0021】
端子部22は、外部機器に接続される端子である。例えば、端子部22は、USBなどの規格に準拠した端子である。
【0022】
PCH23は、HDDやSSD等の記憶装置に対する書き込みや読み出しの制御や、入出力制御などを実行するチップセットである。そして、PCH23は、ベースボード30との通信を実行する。
【0023】
第2接続部50は、第2CPUボード20と、ベースボード30との間の通信を実行するインターフェースである。例えば、第2接続部50は、PCIeなどの規格に準拠した通信を実行する。
【0024】
このように、第1CPUボード10と第2CPUボード20とは、それぞれ異なるマイクロコンピュータに接続される。
【0025】
ベースボード30は、複数のCPUボードが接続可能な基板である。ベースボード30は、第2基板の一例である。ベースボード30は、第1ハブ部33、第2ハブ部34、スイッチ部35、第1マイクロコンピュータ31、及び第2マイクロコンピュータ32を備える。すなわち、ベースボード30は、複数のマイクロコンピュータを有する。
【0026】
第1ハブ部33は、第1CPUボード10と、ベースボード30に実装された各マイクロコンピュータとの間を中継するハブである。さらに詳しくは、第1ハブ部33は、US(UpStream)ポート、第1DS(DownStream)ポート、及び第2DSポートを有する。
【0027】
USポートは、第1接続部40を介して、第1CPUボード10と接続するポートである。
【0028】
第1DSポートは、第1マイクロコンピュータ31と接続するポートである。例えば、第1ハブ部33は、第1CPUボード10が接続された場合に、第1DSポートを介して第1マイクロコンピュータ31に通知する。
【0029】
第2DSポートは、スイッチ部35と接続するポートである。例えば、第1ハブ部33は、第2DSポートを介して、ファームウェアなどのデータをスイッチ部35に出力する。第1ハブ部33は、スイッチ部35の接続状態に応じて、第2マイクロコンピュータ32と接続される。
【0030】
第2ハブ部34は、第2CPUボード20と、スイッチ部35との間を中継するハブである。
【0031】
さらに詳しくは、第2ハブ部34は、USポート、及びDSポートを有する。USポートは、第2接続部50を介して、第2CPUボード20と接続するポートである。DSポートは、スイッチ部35と接続するポートである。第2ハブ部34は、スイッチ部35の接続状態に応じて、第2マイクロコンピュータ32と接続される。
【0032】
スイッチ部35は、複数のCPUボードから選択された一のCPUボードと、第2マイクロコンピュータ32と接続する。スイッチ部35は、接続切替部の一例である。すなわち、スイッチ部35は、第2マイクロコンピュータ32の接続先を、第1CPUボード10に切り替える。さらに詳しくは、スイッチ部35は、第1マイクロコンピュータ31から出力される切替信号に基づいて、第2マイクロコンピュータ32の接続先を切り替える。
【0033】
例えば、スイッチ部35は、切替信号が接続先の切り替え有効を示している場合に、第1ハブ部33と第2マイクロコンピュータ32とを接続する。言い換えると、第1接続部40及び第1ハブ部33を介して、第1CPUボード10から入力されたデータを、スイッチ部35は、第2マイクロコンピュータ32に出力する。
【0034】
また、スイッチ部35は、切替信号が接続先の切り替え無効を示している場合に、第2ハブ部34と第2マイクロコンピュータ32とを接続する。言い換えると、第2接続部50及び第2ハブ部34を介して、第2CPUボード20から入力されたデータを、スイッチ部35は、第2マイクロコンピュータ32に出力する。
【0035】
第1マイクロコンピュータ31は、ベースボード30に実装されたマイクロコンピュータである。第1マイクロコンピュータ31は、第1CPUボード10から出力されたファームウェアにより、インストールされているファームウェアをアップデートする。
【0036】
また、第1マイクロコンピュータ31は、第2マイクロコンピュータ32と接続するCPUボードの切り替えを指示する通知を第1CPUボード10から受け付けた場合に、スイッチ部35に接続の切り替えを指示する切替信号を出力する。また、第1マイクロコンピュータ31は、第2マイクロコンピュータ32と接続するCPUボードの切り替えを戻す通知を第1CPUボード10から受け付けた場合に、切替信号の出力を停止する。言い換えると、第1マイクロコンピュータ31は、接続先の切り替え無効を示す切替信号を出力する。
【0037】
また、第1マイクロコンピュータ31は、アップデートの最中、切替信号として初期値を出力する。言い換えると、第1マイクロコンピュータ31は、第2マイクロコンピュータ32の接続先の切り替え無効を示す切替信号を出力する。したがって、スイッチ部35は、第1マイクロコンピュータ31のファームウェアのアップデート中に、第2マイクロコンピュータ32と、第1CPUボード10とを接続させることはできない。
【0038】
第2マイクロコンピュータ32は、ベースボード30に実装されたマイクロコンピュータである。第1マイクロコンピュータ31は、第1CPUボード10から出力されたファームウェアにより、インストールされているファームウェアをアップデートする。
【0039】
次に、第1の実施形態に係る情報処理装置1が実行するアップデート処理について説明する。
【0040】
アップデート処理は、第1CPUボード10から出力されたデータを用いて、第1マイクロコンピュータ31及び第2マイクロコンピュータ32のファームウェアをアップデートする処理である。
【0041】
図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置1が実行するアップデート処理の一例を示すフローチャートである。
【0042】
第1CPUボード10は、端子部12に外部機器が接続されたことを検出する(ステップS1)。
【0043】
第1CPUボード10のCPU11は、第1マイクロコンピュータ31に対して、第2マイクロコンピュータ32の接続先の切り替えを通知する(ステップS2)。
【0044】
第1マイクロコンピュータ31は、第2マイクロコンピュータ32の接続先を切り替える切替信号をスイッチ部35に送信する(ステップS3)。すなわち、第1マイクロコンピュータ31は、切り替え有効を示す切替信号をスイッチ部35に送信する。これにより、スイッチ部35は、第1ハブ部33と第2マイクロコンピュータ32とを接続する。
【0045】
第1CPUボード10のCPU11は、第1接続部40、第1ハブ部33、及びスイッチ部35を介して、ファームウェアのデータを第2マイクロコンピュータ32に送信する(ステップS4)。
【0046】
第2マイクロコンピュータ32は、ファームウェアのデータを用いて、ファームウェアを書き換える(ステップS5)。すなわち、第2マイクロコンピュータ32は、ファームウェアをアップデートする。
【0047】
第1CPUボード10のCPU11は、第2マイクロコンピュータ32の接続先を切り替える切替信号をスイッチ部35に送信する(ステップS6)。
【0048】
第1マイクロコンピュータ31は、第2マイクロコンピュータ32の接続先を切り替える切替信号をスイッチ部35に送信する(ステップS7)。すなわち、第1マイクロコンピュータ31は、切り替え無効を示す切替信号をスイッチ部35に送信する。これにより、スイッチ部35は、第2ハブ部34と第2マイクロコンピュータ32とを接続する。
【0049】
第1CPUボード10のCPU11は、第1接続部40、第1ハブ部33、及びスイッチ部35を介して、ファームウェアのデータを第1マイクロコンピュータ31に送信する(ステップS8)。
【0050】
第1マイクロコンピュータ31は、ファームウェアのデータを用いて、ファームウェアを書き換える(ステップS9)。すなわち、第1マイクロコンピュータ31は、ファームウェアをアップデートする。
【0051】
以上により、情報処理装置1は、アップデート処理を終了する。
【0052】
以上のように、第1の実施形態に係る情報処理装置1は、第2マイクロコンピュータ32とをアップデートする場合に、第2マイクロコンピュータ32の接続先を、第2CPUボード20から第1CPUボード10に切り替える。したがって、操作者は、第1CPUボード10に接続させていた外部機器を用いて、第2CPUボード20のアップデートを行うことができる。すなわち、操作者は、外部機器の抜挿を行う必要がない。よって、情報処理装置1は、マイクロコンピュータに対する操作性を向上させることができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1 情報処理装置
10 第1CPU(Central Processing Unit)ボード
11 CPU
12 端子部
13 PCH(Platform Controller Hub)
20 第2CPUボード
21 CPU
22 端子部
23 PCH
30 ベースボード
31 第1マイクロコンピュータ
32 第2マイクロコンピュータ
33 第1ハブ部
34 第2ハブ部
35 スイッチ部
40 第1接続部
50 第2接続部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開2014-093075号公報
図1
図2