(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165584
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9035 20190101AFI20241121BHJP
【FI】
G06F16/9035
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081886
(22)【出願日】2023-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴村 真矢
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175GB03
5B175HB03
(57)【要約】
【課題】より良い情報を提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、特定部と、生成部と、提供部とを備える。特定部は、ユーザがウェブ上の対象に対して意図的に行った行為に関連する複数の関連情報を特定する。生成部は、深層学習において、複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込むことで生成した部分ベクトルに基づいて対象に関するユーザベクトルを生成する。提供部は、生成したユーザベクトルに基づいた情報を提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがウェブ上の対象に対して意図的に行った行為に関連する複数の関連情報を特定する特定部と、
深層学習において、前記複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込むことで生成した部分ベクトルに基づいて前記対象に関するユーザベクトルを生成する生成部と、
生成した前記ユーザベクトルに基づいた情報を提供する提供部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、
前記複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込んで生成した中間層の各データを集約することで前記部分ベクトルを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、
前記ユーザまたは前記対象の定常的な情報である定常情報をさらに特定し、
前記生成部は、
前記定常情報を畳み込むことで生成した定常ベクトルと、前記部分ベクトルとに基づいて前記ユーザベクトルを生成する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記関連情報は、
前記行為に応じて変動する情報である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提供部は、
前記ユーザベクトルに基づいて、前記ユーザが対象に対して前記行為を行うか否かを推定し、推定結果を前記情報として提供する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、
異なる前記対象に対する前記行為毎に前記ユーザベクトルを生成し、生成した前記ユーザベクトルを集約することで集約ユーザベクトルを生成し、
前記提供部は、
前記集約ユーザベクトルに基づいた情報を提供する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記生成部は、
非負スパースベクトル表現の前記部分ベクトルを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記行為は、
前記対象に対するクリック操作である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザがウェブ上の対象に対して意図的に行った行為に関連する複数の関連情報を特定する特定工程と、
深層学習において、前記複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込むことで生成した部分ベクトルに基づいて前記対象に関するユーザベクトルを生成する生成工程と、
生成した前記ユーザベクトルに基づいた情報を提供する提供工程と
を含む情報処理方法。
【請求項10】
ユーザがウェブ上の対象に対して意図的に行った行為に関連する複数の関連情報を特定する特定手順と、
深層学習において、前記複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込むことで生成した部分ベクトルに基づいて前記対象に関するユーザベクトルを生成する生成手順と、
生成した前記ユーザベクトルに基づいた情報を提供する提供手順と
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介した広告配信においては様々な指標が用いられている。例えば、CTR(Click Through Rate)や、CVR(Conversion Rate)等の様々な指標を予測し、予測結果に基づいて広告の配信先となるユーザを選定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、精度が高い指標に基づいたより良い情報を提供する点で改善の余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、より良い情報を提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、特定部と、生成部と、提供部とを備える。前記特定部は、ユーザがウェブ上の対象に対して意図的に行った行為に関連する複数の関連情報を特定する。前記生成部は、深層学習において、前記複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込むことで生成した部分ベクトルに基づいて前記対象に関するユーザベクトルを生成する。前記提供部は、生成した前記ユーザベクトルに基づいた情報を提供する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、より良い情報を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1Aは、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、
図1Aおよび
図1Bを用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理について説明する。
図1Aおよび
図1Bは、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。なお、
図1Aでは、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムSの動作例を示している。以下では、情報処理システムSが広告コンテンツ(単に「広告」ともいう)を対象として、その広告に関する各種の情報処理を行う場合を示す。なお、対象は広告に限らず、以下に示す処理が適用可能なコンテンツであればどのような対象であってもよい。
【0011】
図1Aに示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、配信サーバ50と、ユーザ端末100と、広告主端末200とを含む。
【0012】
図1Aにおいて、実施形態に係る情報処理システムSは、ユーザがウェブ上の対象(広告)に対して意図的に行った行為に関連する複数の関連情報を特定し、深層学習において、複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込むことで生成した部分ベクトルに基づいて対象に関するユーザベクトルを生成し、生成したユーザベクトルに基づいた情報を提供する。
【0013】
具体的には、まず、広告主端末200は、広告主の広告の配信を依頼する処理を行う(ステップS1)。例えば、広告主端末200は、広告主の操作に応じて広告の配信を配信サーバ20に依頼し、配信サーバ50は、広告主端末200からの依頼に応じて広告主の広告をユーザ端末100への配信対象に追加する。
【0014】
つづいて、ユーザ端末100は、配信サーバ50が提供するコンテンツ配信サービスをユーザが利用した際のユーザの操作に応じて、広告の配信要求を送信する(ステップS2)。例えば、ユーザ端末100は、配信サーバ50が提供する検索サービスを利用した際に、検索画面(クエリ入力画面や検索結果画面)に表示された広告コンテンツがユーザによってクリック操作された場合に、クリック操作された広告の配信要求を送信する。
【0015】
つづいて、配信サーバ50は、ユーザ端末100からの配信要求に応じて、要求された広告をユーザ端末100へ配信する(ステップS3)。また、配信サーバ50は、広告を配信した際に各種情報を取得し、情報処理装置1へ提供する(ステップS4)。なお、情報処理装置1へ提供する情報の詳細については、
図1Bで後述する。
【0016】
つづいて、情報処理装置1は、配信サーバ50から取得した情報に基づいて、対象に関するユーザベクトルを生成する(ステップS5)。ユーザベクトルは、例えば、対象である広告への興味の有無や、興味の度合いを示すベクトルである。つまり、ユーザベクトルは、ユーザがどのような広告(広告されている商品やサービス)に興味があるかを示すベクトルである。
【0017】
まず、情報処理装置1は、ユーザがウェブ上の広告に対して意図的に行った行為に関する複数の関連情報を特定する。具体的には、情報処理装置1は、表示された広告を選択するクリック操作が意図的に行った行為であるか否かを判定する。例えば、情報処理装置1は、広告が表示された領域の中央位置をクリック操作した場合には、かかるクリック操作が意図的な行為であると特定する。また、情報処理装置1は、配信された広告を見ている(表示されている)期間が一定以上経過した後にクリック操作された場合には、かかるクリック操作が意図的な行為であると特定する。また、情報処理装置1は、広告を配信(表示)した後に、すぐに(所定期間内)にクリック操作された場合、かかるクリック操作が意図的な行為ではない(誤って広告を選択した)と特定する。そして、情報処理装置1は、意図的に行った行為であると判定した場合、かかる行為に関連する関連情報を特定する。関連情報は、例えば、ユーザが選択した広告に紐づくサイトの識別情報や、広告を選択した際のユーザの入力情報(検索サービスなら検索キーワード)、オーディエンスカテゴリ(ユーザ情報から興味、関心、属性、ライフイベントごとに分類した分類情報)、ユーザが選択した広告のカテゴリや、タイトル(商品名やキャッチコピー等)の情報を含む。
【0018】
つづいて、情報処理装置1は、特定した複数の関連情報に基づいて上記ユーザベクトルを生成する。ここで、ユーザベクトルの生成方法について、
図1Bを用いて詳細に説明する。
図1Bでは、深層学習の一例である畳み込みニューラルネッワーク(CNN)のモデルを示している。
【0019】
図1Bに示すように、情報処理装置1は、深層学習のモデルを用いてユーザベクトルを生成する。具体的には、情報処理装置1は、入力層に入力された複数の関連情報に基づいて生成した部分ベクトルと、入力層に入力された複数の定常情報に基づいて生成した定常ベクトルとを集約することでユーザベクトルを生成する。
【0020】
まず、部分ベクトルの生成方法について説明する。部分ベクトルは、入力層に複数の関連情報を入力することで生成する。
図1Bでは、入力層(Input Layer)に、関連情報である、オーディエンスカテゴリ(ac_list)、検索キーワード(search_kw)、広告のカテゴリ(ad_categories)、広告のタイトル(ad_title)、広告のサイトID(site_id)を入力する例を示している。なお、
図1Bに示した関連情報は、一例であり、上記した行為(クリック操作)に応じて変動する情報であれば任意の情報を適用可能である。
【0021】
情報処理装置1は、CNNにおいて、複数の関連情報をそれぞれ畳み込むことで部分ベクトルを生成する。具体的には、情報処理装置1は、複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込んで生成した中間層の各データ(dence_3、dence_5、dence_7、dence_9、dence_11)を集約することで部分ベクトル(vec)を生成する。なお、部分ベクトルは、非負スパースベクトルで表現されることが好ましい。これにより、各関連情報に対応する中間層の各データが集約によって値がキャンセルされることを防ぐことができる。
【0022】
また、
図1Bでは、1つの広告に対するクリック操作に基づく部分ベクトルを生成する例を示しているが、例えば、情報処理装置1は、異なる複数の広告に対する行為毎に部分ベクトルを生成し、行為毎の部分ベクトルを集約した部分ベクトルを生成してもよい。
【0023】
次に、定常ベクトルの生成方法について説明する。定常ベクトルは、入力層に複数の定常情報を入力することで生成する。定常情報は、ユーザまたは広告の定常的な情報である。
図1Bでは、入力層(Input Layer)に、DSリソースレコード(ds)、性別(gender)、広告フォーマット(media_adformat)、インターネットのネットワーク回線(network)、OS(Operating System)タイプ(os_type)、広告スタイル(adstyle)、年齢(age)、ユーザの所在地域(area)、ユーザ端末100の機器種別(device)を入力する例を示している。なお、
図1Bに示した定常情報は、一例であり、ユーザまたは広告の定常的な情報であれば任意の情報を適用可能である。
【0024】
情報処理装置1は、複数の定常情報を畳み込むことで定常ベクトルを生成する。具体的には、情報処理装置1は、複数の定常情報を中間層において1つの値に畳み込むことで定常ベクトルを生成する。
【0025】
そして、情報処理装置1は、生成した定常ベクトルと、部分ベクトルに基づいてユーザベクトルを生成する。具体的には、情報処理装置1は、定常ベクトルと部分ベクトルとを集約することで出力層の値であるユーザベクトルを生成する。
【0026】
図1Aに戻る。
図1Aに示すように、情報処理装置1は、生成したユーザベクトルに基づいた情報を配信サーバ50や広告主端末200へ提供する(ステップS6)。例えば、配信サーバ50は、取得したユーザベクトルに基づいて、ユーザへ配信(検索画面に表示)する広告を選定する。また、情報処理装置1は、例えば、ユーザベクトルに基づいて、ユーザが広告を意図的に選択するクリック操作を行うか否かを推定し、推定結果(クリック操作を行う確率や、クリック操作を行うか否か)を配信サーバ50へ提供してもよい。
【0027】
このように、上述した実施形態では、複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込むことで生成した部分ベクトルに基づいてユーザベクトルを生成することで、各関連情報が深層学習における中間層において混在して埋もれにくくなるため、各関連情報が持つ特徴量をより反映したユーザベクトル(部分ベクトル)を生成できる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置1によれば、精度が高い指標(ユーザベクトル)を用いたより良い情報を提供することができる。
【0028】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、配信サーバ50と、ユーザ端末100と、広告主端末200とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0029】
情報処理装置1は、実施形態に係る情報処理方法を実行するサーバ装置である。情報処理装置1は、ユーザがウェブ上の対象(広告)に対して意図的に行った行為に関連する複数の関連情報を特定し、深層学習において、複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込むことで生成した部分ベクトルに基づいて対象に関するユーザベクトルを生成し、生成したユーザベクトルに基づいた情報を提供する。
【0030】
また、情報処理装置1は、配信サーバ50と、ユーザ端末100と、広告主端末200と連携し、配信サーバ50と、ユーザ端末100と、広告主端末200とに対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0031】
また、情報処理装置1は、配信サーバ50と、ユーザ端末100と、広告主端末200とに対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報処理装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、情報処理装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0032】
配信サーバ50は、ユーザに対して広告等の各種のコンテンツを配信するサーバ装置である。配信サーバ50は、依頼元(広告主や、サービス提供者)からコンテンツの配信の依頼を受け付け、依頼されたコンテンツをユーザに対して配信する。
【0033】
ユーザ端末100は、ユーザが所持する端末装置である。ユーザ端末100は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。ユーザ端末100は、情報処理装置1や配信サーバ50等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1や配信サーバ50等から提供される情報を受信したりする。
【0034】
広告主端末200は、広告の配信の依頼元である広告主によって利用される端末装置である。例えば、広告主端末200は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。また、広告主端末200は、広告主の操作に従って、配信サーバ50等の広告を配信する装置(広告配信装置)に広告を入稿する。
【0035】
次に、
図3を参照して、情報処理装置1の構成例について説明する。
【0036】
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。
図3に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、取得部31と、特定部32と、生成部33と、提供部34とを備える。記憶部4は、ユーザ情報41と、広告情報42と、広告主情報43とを記憶する。
【0037】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0038】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0039】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0040】
ユーザ情報41は、ユーザに関する情報である。
図4は、ユーザ情報41の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ情報41は、「ユーザID」、「属性情報」、「行為情報」、「ベクトル情報」等の項目を含む。
【0041】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「属性情報」は、ユーザの属性に関する情報である。属性情報は、例えば、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「行為情報」は、ユーザがウェブ上の対象に対して意図的に行った行為に関する情報である。行為情報は、例えば、上記した関連情報や、定常情報を含む。「ベクトル情報」は、上記したユーザベクトルの情報であり、後述する生成部33によって生成される。
【0042】
広告情報42は、広告主が入稿した広告に関する情報である。
図5は、広告情報42の一例を示す図である。
図5に示すように、広告情報42は、「広告ID」、「広告主ID」、「広告情報」等の項目を含む。
【0043】
「広告ID」は、広告を識別する識別情報である。「広告主ID」は、広告主を識別する識別情報である。「広告情報」は、広告に関する情報であり、広告の内容に関する情報(全体のデザインや、画像、テキスト等)や、広告する商品やサービスの情報を含む。
【0044】
広告主情報43は、広告主に関する情報である。
図6は、広告主情報43の一例を示す図である。
図6に示すように、広告主情報43は、「広告主ID」、「広告主情報」等の項目を含む。
【0045】
「広告主ID」は、広告主を識別する識別情報である。「広告主情報」は、広告主に関する情報であり、広告主の名称や、販売する商品やサービスのカテゴリ等を含む。
【0046】
次に、情報処理装置1の制御部3の各機能(取得部31、特定部32、生成部33および提供部34)について説明する。
【0047】
取得部31は、配信サーバ50から各種情報を取得する。具体的には、取得部31は、広告を配信したユーザの行為に関連する関連情報や、上記した定常情報を取得する。
【0048】
特定部32は、ユーザがウェブ上の広告に対して意図的に行った行為に関する複数の関連情報を特定する。具体的には、特定部32は、表示された広告を選択するクリック操作が意図的に行った行為であるか否かを判定する。例えば、特定部32は、広告が表示された領域の中央位置をクリック操作した場合には、かかるクリック操作が意図的な行為であると特定する。また、特定部32は、配信された広告を見ている(表示されている)期間が一定以上経過した後にクリック操作された場合には、かかるクリック操作が意図的な行為であると特定する。また、特定部32は、広告を配信(表示)した後に、すぐに(所定期間内)にクリック操作された場合、かかるクリック操作が意図的な行為ではない(誤って広告を選択した)と特定する。特定部32は、意図的に行った行為であると判定した場合、かかる行為に関連する関連情報を特定する。関連情報は、例えば、ユーザが選択した広告に紐づくサイトの識別情報や、広告を選択した際のユーザの入力情報(検索サービスなら検索キーワード)、オーディエンスカテゴリ(ユーザ情報から興味、関心、属性、ライフイベントごとに分類した分類情報)、ユーザが選択した広告のカテゴリや、タイトル(商品名やキャッチコピー等)の情報を含む。
【0049】
生成部33は、深層学習において、複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込むことで生成した部分ベクトルに基づいて広告に関するユーザベクトルを生成する。具体的には、生成部33は、関連情報に基づいて生成した部分ベクトルと、定常情報に基づいて生成した定常ベクトルとを集約することでユーザベクトルを生成する。
【0050】
提供部34は、生成したユーザベクトルに基づいた情報を配信サーバ50や広告主端末200へ提供する。例えば、配信サーバ50は、提供部34から取得したユーザベクトルに基づいて、ユーザへ配信(検索画面に表示)する広告を選定する。また、提供部34は、例えば、ユーザベクトルに基づいて、ユーザが広告を意図的に選択するクリック操作を行うか否かを推定し、推定結果(クリック操作を行う確率や、クリック操作を行うか否か)を配信サーバ50へ提供してもよい。
【0051】
次に、
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順について説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0052】
図7に示すように、制御部3は、まず、配信サーバ50から広告を配信したユーザに関する各種情報を取得する(ステップS101)。具体的には、制御部3は、上記した関連情報や定常情報を取得する。
【0053】
つづいて、制御部3は、配信された広告に対して意図的に行った行為(例えば、クリック操作)およびかかる行為に関する複数の関連情報を特定する(ステップS102)。
【0054】
つづいて、制御部3は、深層学習において、複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込むことで生成した部分ベクトルに基づいて広告に関するユーザベクトルを生成する(ステップS103)。
【0055】
つづいて、制御部3は、生成したユーザベクトルに基づいた情報を生成し配信サーバ50や広告主端末200へ提供し(ステップS104)、処理を終了する。
【0056】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0057】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0058】
例えば、
図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0059】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0060】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0061】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0062】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0063】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0064】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0065】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0066】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、特定部32と、生成部33と、提供部34とを備える。特定部32は、ユーザがウェブ上の対象に対して意図的に行った行為に関連する複数の関連情報を特定する。生成部33は、深層学習において、複数の関連情報をそれぞれ個別に畳み込むことで生成した部分ベクトルに基づいて対象に関するユーザベクトルを生成する。提供部34は、生成したユーザベクトルに基づいた情報を提供する。このような構成により、より良い情報を提供することができる。
【0067】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0068】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0069】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0070】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0071】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 取得部
32 特定部
33 生成部
34 提供部
41 ユーザ情報
42 広告情報
43 広告主情報
50 配信サーバ
100 ユーザ端末
200 広告主端末
S 情報処理システム