(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165599
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】トレーニング器具
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
A63B69/36 532Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081925
(22)【出願日】2023-05-17
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】522045268
【氏名又は名称】株式会社イブキ
(74)【代理人】
【識別番号】100138221
【弁理士】
【氏名又は名称】影山 剛士
(74)【代理人】
【識別番号】100177987
【弁理士】
【氏名又は名称】河野上 真緒
(72)【発明者】
【氏名】牧 利一
(72)【発明者】
【氏名】平井 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】尾本 さよ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ゴルフ等のスキル向上に必要な動作を自然に習得することが可能なトレーニング器具及びシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一態様における、湾曲形状を有する板材を備えるトレーニング器具1であって、前記板材は、地面Gとの接地点Fを有し、前記接地点を支点として所定方向に揺動する。前記トレーニング器具はゴルフスイングの動作の向上を目的に使用される。前記所定方向は、ユーザが前記板材の上面に直立したときに、当該ユーザが向く方向に対して直交する方向である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲形状を有する板材を備えるトレーニング器具であって、
前記板材は、
地面との接地点を有し、
前記接地点を支点として所定方向に揺動する、トレーニング器具。
【請求項2】
請求項1に記載のトレーニング器具であって、
前記トレーニング器具はゴルフスイングの動作の向上を目的に使用される、
トレーニング器具。
【請求項3】
請求項1に記載のトレーニング器具であって、
前記所定方向は、ユーザが前記板材の上面に直立したときに、当該ユーザが向く方向に対して直交する方向である、トレーニング器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツのスキル向上を図るユーザに対して提供されるトレーニング器具に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、スポーツ、特にゴルフのスキル向上を図るユーザ、に対して様々なトレーニング器具及びトレーニング方法が提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1において、実際のゴルフコースをシミュレーションしながら、ユーザがゴルフ練習を可能とするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術をはじめ、従来のゴルフ練習法として、ゴルフクラブをスイングしたり、ボールを打つことを基調とした実践的な練習方法が広く普及している。しかしながら、ゴルフのスイングの上達のためには、ゴルフクラブをスイングすることよりむしろ、力みのないしなやかな体の使い方を身に着けることが重要である。
【0006】
力みの無くすことで、インナーマッスル主体の動作を自然と身に着けることができ、このような動作により、体の軸を使ったゴルフスイングを実現することができる。
【0007】
そこで、本発明は、ゴルフ等のスキル向上に必要な動作を自然に習得することが可能なトレーニング器具及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様における、湾曲形状を有する板材を備えるトレーニング器具であって、前記板材は、地面との接地点を有し、前記接地点を支点として所定方向に揺動する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ゴルフ等のスキル向上に必要な動作を自然に習得することが可能なトレーニング器具及びシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る、トレーニング器具の一例を説明する図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係る、トレーニング器具の他の一例を説明する図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係る、トレーニング器具のさらに他の一例を説明する図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係る、トレーニング器具のさらに他の一例を説明する図である。
【
図5】本発明の第二実施形態に係る、トレーニング方法を提供するシステムを説明する図である。
【
図6】本発明の第二実施形態に係る、サーバ端末の機能構成を説明する図である。
【
図7】本発明の第二実施形態に係る、サーバ端末に格納されるユーザデータの例を説明する図である。
【
図8】本発明の第二実施形態に係る、サーバ端末に格納されるトレーニング器具データの例を説明する図である。
【
図9】本発明の第二実施形態に係る、トレーニング方法の例を説明するフローチャート図である。
【
図10】本発明の第二実施形態に係る、トレーニング方法の他の例を説明するフローチャート図である。
【
図11】本発明の第二実施形態に係る、トレーニング器具が配置された施設を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本発明の必須の構成要素であるとは限らない。
【0012】
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る、トレーニング器具の一例を説明する図である。
【0013】
図1に示すように、トレーニング器具1は、湾曲形状を有する板材11を備える。板材11は、地面Gとの接地点Fを有し、接地点Fを支点として所定方向に揺動する。
【0014】
まず、ユーザは、トレーニング器具1の板材11の上部に、所定の間隔を置いて足を置き、略直立する。ここで、板材の上部に、足を載置する位置を示すよう、マークやガイドを付しておくこともできる。
【0015】
トレーニング器具1は、ユーザが直立したときに正面を向く方向と直行する方向(
図1に示す左右方向)に揺動する構造を有する。ユーザは、正面を向きながら、腰を左右に突き出すように動かすことで、トレーニング器具1は左右方向に揺動する。この運動を繰り返すことで、ユーザは体の軸を意識しつつ、左右方向のしなやかな動きを体感し、習得することができる。
【0016】
ここで、トレーニング器具1の板材11について、曲率半径の異なる形状の板材を備えるトレーニング器具1を複数用意することで、ユーザは、一定の体の動作に対する異なる揺動を体感することができ、体が揺動に適応していくことで、体幹を鍛えつつ、しなやかな体の動作を体得することができる。また、トレーニング器具1は、横幅150cm、高さ25cm高さ/横幅比1/6、少なくとも、横幅は100cm以上または120cm上であると好ましい。さらに、高さ/横幅比は、少なくとも、1/4.5以上、1/5以上であることが好ましい。高さ/横幅比が1/4.5未満であると、傾斜が急でありバランスがとりにくいこと、また、所定の横幅がなく、高さの比が足りない場合には、ゴルフの体重移動を再現した場合にバランスが崩れ、膝が曲がってしまい、期待するトレーニング効果が得られにくくなる。具体的には腹斜筋のストレッチが不十分で、ゴルフのスイングとして理想的な身体の動きが身につきにくい。
【0017】
図2は、本発明の第一実施形態に係る、トレーニング器具の他の一例を説明する図である。
【0018】
本例のトレーニング器具2は、グリップ21と、グリップ21と接続するケーブル22と、ケーブル22のグリップ21と接続する端部とは異なる端部に備えられる接続器具23と、を有する。
【0019】
グリップ21は、ゴム製や樹脂製とすることができるが特定の材料ものに限定されない。また、グリップ21内部にシャフトを備えることもできる。また、ユーザの手のサイズに応じて、異なるサイズのグリップを適用することもできる。
【0020】
ケーブル22は、紐状のチューブタイプ、平らな形状を有するバンドタイプ等が挙げられ、いずれも伸縮性のある材料からなる。グリップ21とケーブル22とは金属製のフックやカラビナ等の接続器具を介して接続するが、一体型構造とすることもできる。また、接続器具23についても金属製のフックやカラビナとすることができるが、ケーブル22と一体型の構造とすることもできる。接続器具23は、トレーニング器具2を屋内外の柱等の構造物に取り付けることを目的としており、後述のトレーニングブース4に備えられるフック等の所定の箇所に取り付けることも可能である。
【0021】
ユーザは、トレーニング器具2を、固定された構造物等の所望の位置に取り付け、グリップ21を把持しながら、スイング動作を行うことで、伸縮性のあるケーブル22の作用により、一定の負荷をかけながらストレッチ運動を行うことができる。これにより、しなやかな動作を体得しながらスイングを習得することができる。
【0022】
図3は、本発明の第一実施形態に係る、トレーニング器具の他の一例を説明する図である。
【0023】
図3に示すトレーニング器具3は、
図2に示したトレーニング器具2の変形例でもあり、特にグリップ31が2本のサブグリップ31A、31Bで構成されている点を特徴とする。サブグリップ31A、32Bは接続部32Cにより接続され、グリップ31として、一体構造をなす。
【0024】
ケーブル32は、
図2の例と同様、紐状のチューブタイプ、平らな形状を有するバンドタイプ等が挙げられ、いずれも伸縮性のある材料からなる。グリップ31とケーブル32とは金属製のフックやカラビナ等の接続器具を介して接続するが、一体型構造とすることもできる。また、接続器具33についても金属製のフックやカラビナとすることができるが、ケーブル32と一体型の構造とすることもできる。接続器具33は、トレーニング器具2を屋内外の柱等の構造物に取り付けることを目的としており、後述のトレーニングブース4に備えられるフック等の所定の箇所に取り付けることも可能である。
【0025】
ユーザは、トレーニング器具3を、固定された構造物等の所望の位置に取り付け、グリップ31A、31Bを各々片手で把持しながら、スイング動作を行うことで、伸縮性のあるケーブル32の作用により、一定の負荷をかけながらストレッチ運動を行うことができる。これにより、しなやかな動作を体得しながらスイングを習得することができる。
【0026】
以上のように、トレーニング器具1乃至トレーニング器具3のいずれかを用いることにより、ユーザは、ゴルフクラブをスイングすることなく、また、ゴルフボールを打つことなく、ゴルフの正しいスイングを、体のボディメイキングを行いつつ、しなやかな動作を伴いながら自然な形で体得することができる。また、上記例においては、ゴルフのスイング等のスキル向上の用途にトレーニング器具を用いることについて説明したが、野球、テニス等、用具を用いたスイングを伴うスポーツのスキル向上の用途に用いることもできる。さらに、スポーツのスキル向上に限らず、体幹トレーニングや姿勢改善の用途に用いることもできる。
【0027】
図4は、本発明の第一実施形態に係る、トレーニング器具のさらに他の一例を説明する図である。
【0028】
図4示すトレーニングブース4は、所定のトレーニングスペースを規定するための構造物41と、構造物41に備えられた取付器具42とを有する。
【0029】
構造物41は、角型の鋼材等で組み立て可能な、格子状の骨組み構造を有するものであり、三次元の空間を規定する。構造物41は簡易的に組み立て可能であることが好ましく、例えば、オフィス空間の一角に、トレーニング用ブースとして配置されることを想定している。構造物41は、最低限、三次元の空間を規定するものであればよいが、側壁や天井を設けることもできる。
【0030】
構造物41には、トレーニング器具3やトレーニング器具5を取り付けるための、取付器具42(例えば、金属製のフック等)を備えることができる。ユーザは、トレーニング器具3やトレーニング器具5を保管するために、取付器具42に各々の器具のケーブルを掛けたり、または、トレーニング器具3やトレーニング器具5を使用する際に、各々の器具の接続器具を取付器具42に取り付けることができる。なお、ユーザは、
図4に例示されているトレーニング器具に限らず、トレーニングブース4において、他のトレーニング器具を使用することもできる。
【0031】
図5は、本発明の第二実施形態に係る、トレーニング方法を提供するシステムを説明する図である。
【0032】
本システム1は、トレーニング施設内において提供されるトレーニング施設端末及び/またはトレーニングを行うユーザが所有するユーザ端末からの入力情報を受け付け、入力情報を基に解析を行い、ユーザに向けて出力処理を行う、サーバ端末100、上記ユーザ端末200A、200B、及び上記トレーニング施設端末300A、300Bを含む。なお、説明の便宜上、各端末を単一または特定数のものとして記載しているが、各々数は制限されない。
【0033】
サーバ端末100、ユーザ端末200A、200B、及びトレーニング施設端末300A、300Bは、ネットワークNW1を介して各々接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0034】
サーバ端末100は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0035】
ユーザ端末200A、200B及びトレーニング施設端末300A、300Bは、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォンや携帯電話、PDA等により構成しても良い。
【0036】
また、トレーニング施設において提供されるトレーニング器具400A、400Bには、タグが付されていてもよい。タグは、例えばRFIDやNFC(Near Field Communication)等に基づくタグであってよい。例えば、タグはユーザ端末200A、200Bと通信可能に設けられ得る。具体的には、タグ31にユーザ端末200A、200Bをかざすことで、タグのユーザ端末200A、200Bによる読み取りと識別処理が行われる。ここでいう識別処理とは、ユーザ端末200A、200Bによりタグが付されたトレーニング器具400A、400Bの(器具ID等の)識別に係る処理を意味する。ユーザ端末200A、200Bによるタグの識別処理の結果は、サーバ端末100に送信され得る。ここでトレーニング施設に備えられたトレーニング端末300A、300Bにより、トレーニング器具400A、400Bの識別が行われ、識別処理の結果がサーバ端末100に送信されることとしてもよい。
【0037】
または、トレーニング器具400A、400Bには、通信部(トランスミッター)が付されていてもよい。この場合、通信部は、トレーニング器具に付された加速度センサ等により測定されたデータ等、トレーニング器具の動作に係る情報を、Bluetooth(登録商標)による通信等を経由して、ユーザ端末200A、200Bまたはトレーニング施設端末300A、300Bに送信され得る。
【0038】
本実施形態では、システム1は、サーバ端末100、ユーザ端末200A、200B及びトレーニング施設端末300A、300Bを備え、各端末のユーザが各々の端末を利用して、サーバ端末100に対する操作を行う構成として説明するが、サーバ端末100がスタンドアローンで構成され、サーバ端末自身に、各ユーザが直接操作を行う機能を備えても良い。以下、必要に応じ、ユーザ端末200A、200B、及びトレーニング施設端末300A、300Bを総称して、各々ユーザ端末200及びトレーニング施設端末300として説明する。また、トレーニング器具400A、400Bについても、トレーニング器具400として総称する。
【0039】
図6は、
図5のサーバ端末100の機能ブロック構成図である。サーバ端末100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0040】
通信部110は、ネットワークNW1を介してユーザ端末200、トレーニング施設端末300と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0041】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、トレーニングを行うユーザに関連する各種データを格納する、ユーザデータ格納部121、及びトレーニング器具に関する情報を格納する、器具データ格納部122を有する。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120またはサーバ端末100外に構築されていてもよい。
【0042】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ端末100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、各端末からの情報を受け付ける情報受付部131と、ユーザに関連する各種データを参照し、処理する、ユーザ情報処理部132と、トレーニング器具情報に関連する各種データを参照し、処理する、器具情報処理部133とを有する。この情報受付部131、ユーザ情報処理部132、及び器具情報処理部133は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるサーバ端末100により実行される。
【0043】
情報受付部131は、ユーザ端末200及びトレーニング施設端末300から通信部110を介して情報を受付ける。例えば、ユーザ端末200またはトレーニング施設端末300からは、いずれのトレーニング器具を使用しているかを示す情報や、ゴルフのスキルに関する入力情報を受信する。
【0044】
ユーザ情報処理部132は、ユーザ端末200及びトレーニング施設端末300から受信したユーザに関連する各種データ(例えば、後述するユーザデータ1000等)を参照し、所定の処理を行う。
【0045】
器具情報処理部133は、トレーニング器具情報等に関連する各種データ(例えば、後述する器具データ2000)を参照し、所定の処理を行う。
【0046】
また、制御部130は、図示しない、画面生成部を有することもでき、求めに応じて、ユーザ端末200のユーザーインターフェースを介して表示される画面情報を生成する。例えば、記憶部120に格納された(図示しない)画像及びテキストデータを素材として、所定のレイアウト規則に基づいて、各種画像及びテキストをユーザーインターフェースの所定の領域に配置することで、ユーザーインターフェースを生成する。画像生成部に関連する処理は、GPU(Graphics Processing Unit)によって実行することもできる。
【0047】
図7は、サーバ端末100に格納されるユーザデータの一例を示す図である。
【0048】
図7に示すユーザデータ1000は、トレーニングを行うユーザに関連する各種データを格納する。
図7において、説明の便宜上、一ユーザ(例えば、ユーザ単位)(ユーザID「10001」で識別されるユーザ)の例を示すが、複数のユーザの情報を格納することができる。ユーザに関連する各種データとして、例えば、ユーザに関する基本情報(例えば、ユーザ名、氏名、住所、連絡先(メールアドレス、電話番号)、性別、生年月日等)、トレーニング情報(例えば、ユーザがトレーニング施設にチェックイン/チェックアウトした日時、ユーザがトレーニングに使用した器具、回数等の履歴等)、ゴルフスキル情報(例えば、ユーザのゴルフスコア、飛距離の履歴等)、及びトレーニングメニュー情報(例えば、ユーザが希望するトレーニングメニュー、推奨されるトレーニングメニュー等)等を含むことができるがこれに限定されない。
【0049】
図8は、サーバ端末100に格納される器具データの一例を示す図である。
【0050】
器具データ2000は、トレーニング器具に関連する各種データを格納する。
図8において、説明の便宜上、一トレーニング器具(例えば、器具単位)(器具ID「20001」で識別される器具)の例を示すが、複数の器具の情報を格納することができる。トレーニング器具に関連する各種データとして、例えば、基本情報(例えば、器具名、施設名、器具の詳細等)、トレーニング情報(例えば、器具を使用したユーザのID、各々のユーザのその器具を利用したトレーニングの履歴等)、及びゴルフスキル情報(例えば、器具を使用したユーザのゴルフスコア、飛距離の履歴等)等を含むことができるがこれに限定されない。
【0051】
<処理の流れ>
図9以降の図を参照しながら、本実施形態のシステム1が実行する、トレーニング方法の処理の流れについて説明する。
図9は、本発明の第二実施形態に係る、トレーニング方法の一例を示すフローチャートである。
【0052】
まず、ステップS101の処理として、ユーザは、ユーザ端末200のウェブブラウザまたはアプリケーション等を利用して、ユーザに関する基本情報(例えば、氏名、住所、連絡先、性別、生年月日等)を所定のフォーム等を介して入力する。ユーザが所定の情報を入力すると、サーバ端末100の制御部130の情報受付部131は、ユーザ端末200から、通信部110を介して、ユーザにより入力された基本情報を受信する。制御部130のユーザ情報処理部132は、受信した基本情報を、ユーザデータ1000として、記憶部120のユーザデータ格納部121に格納する。なお、本処理は、ユーザがトレーニング施設端末300に同様の内容を入力することにより行われてもよく、トレーニング施設の担当者等のユーザにより入力されてもよい。
【0053】
続いて、ステップS102の処理として、例えば、ユーザは、スマートフォン等のユーザ端末200を、
図11に示すユーザが利用するトレーニング施設の入口等に設置されたカードリーダ500にかざすことで、トレーニング施設の解錠操作を行い、トレーニング施設に入室する。解錠操作は、様々な方法が考えられ、カードキーを利用した解錠方法、ユーザ端末200に内蔵されたアプリケーションを利用した解錠方法等の方法が挙げられ、特定のものに限定されない。ユーザが入室すると、サーバ端末100の制御部130の情報受付部131は、ユーザ端末200またはカードリーダ500から、通信部110を介して、ユーザの入室情報を受信する。制御部130のユーザ情報処理部132は、受信した入室情報を、ユーザデータ1000として、記憶部120のユーザデータ格納部121に格納する。なお、本処理は、カードキー等によらない操作によって、ユーザがトレーニング施設に入室したことを管理できればよく、例えば、ユーザがユーザ端末200により、トレーニング施設の受付に設置されたQRコード(登録商標)を読み取る等の所定の方法や、ユーザまたはトレーニング施設の担当ユーザ等がトレーニング施設端末300に所定の入力操作を行うことにより入室記録を行うこととしてもよい。
【0054】
続いて、ステップS103の処理として、例えば、ユーザは、トレーニング施設内のトレーニングを利用したトレーニングを行う都度、スマートフォン等のユーザ端末200により、
図11に示すユーザが利用するトレーニング器具400に付されたタグを読み取ることで、ユーザ端末200は、利用するトレーニング器具400の認識処理を行い、また、トレーニング器具400に付された加速度センサによって検知される、トレーニング器具400の動作に係る情報(例えば、トレーニング器具の動作の反復回数、負荷等)を収集する。ここで、
図11に示すように、ユーザは、トレーニングメニューとして推奨された順序として、トレーニング器具400A、400B、400C、400Ⅾの順にトレーニングを行い、トレーニング器具の各々とペアリングされたユーザ端末200により、トレーニング器具の利用記録及びトレーニング器具の動作情報を収集し、これらの情報をサーバ端末100に送信する。制御部130のユーザ情報処理部132は、受信したトレーニング器具の利用記録及びトレーニング器具の動作情報を、ユーザデータ1000として、記憶部120のユーザデータ格納部121に格納する。なお、本処理は、ユーザ端末200による処理に代えて、トレーニング施設端末300による処理とすることもできる。
【0055】
続いて、ステップS104の処理として、例えば、ユーザは、スマートフォン等のユーザ端末200を、
図11に示すユーザが利用するトレーニング施設の出口等に設置されたカードリーダ500にかざすことで、トレーニング施設の解錠操作を行い、トレーニング施設を退室する。解錠操作は、様々な方法が考えられ、カードキーを利用した解錠方法、ユーザ端末200に内蔵されたアプリケーションを利用した解錠方法等の方法が挙げられ、特定のものに限定されない。ユーザが退室すると、サーバ端末100の制御部130の情報受付部131は、ユーザ端末200またはカードリーダ500から、通信部110を介して、ユーザの退室情報を受信する。制御部130のユーザ情報処理部132は、受信した退室情報を、ユーザデータ1000として、記憶部120のユーザデータ格納部121に格納する。なお、本処理は、カードキー等によらない操作によって、ユーザがトレーニング施設を退室したことを管理できればよく、例えば、ユーザがユーザ端末200により、トレーニング施設の受付に設置されたQRコード(登録商標)を読み取る等の所定の方法や、ユーザまたはトレーニング施設の担当ユーザ等がトレーニング施設端末300に所定の入力操作を行うことにより退室記録を行うこととしてもよい。
【0056】
本実施形態によれば、入退室記録及びトレーニング器具の利用履歴を管理することにより、各ユーザのトレーニングの状況及び内容を確認することができ、ユーザが推奨されたトレーニングメニューを実行しているか、についても確認することもできる。
【0057】
図10は、本発明の第二実施形態に係る、トレーニング方法の他の一例を示すフローチャートである。
【0058】
まず、ステップS201の処理として、ユーザは、ユーザ端末200のウェブブラウザまたはアプリケーション等を利用して、ユーザのゴルフスキルに関する情報(例えば、ゴルフのラウンドスコア、飛距離に関する情報等)を所定のフォーム等を介して入力する。ユーザが所定の情報を入力すると、サーバ端末100の制御部130の情報受付部131は、ユーザ端末200から、通信部110を介して、ユーザにより入力されたゴルフスキルに関する情報を受信する。制御部130のユーザ情報処理部132は、受信したゴルフスキルに関する情報を、ユーザデータ1000として、記憶部120のユーザデータ格納部121に格納する。なお、本処理は、ユーザがトレーニング施設端末300に同様の内容を入力することにより行われてもよく、トレーニング施設の担当者等のユーザにより入力されてもよい。
【0059】
次に、ステップS202の処理として、サーバ端末100の制御部130のユーザ情報処理部132は、記憶部120のユーザデータ格納部121に格納された、ユーザのゴルフスキルデータ及びトレーニング器具データを参照し、ユーザのトレーニング履歴(例えば、入退室情報に基づいたトレーニング時間/頻度、ユーザが利用したトレーニング器具、トレーニング器具の反復回数、負荷の遷移等)とゴルフスキルスコアの履歴(例えば、ユーザのゴルフスコアの増減、飛距離の推移等)とを比較し、相関を分析する。例えば、ユーザが、週に1回バランストレーニング器具1を利用して30回の反復運動を実施し、その後ゴルフスキルとして飛距離が10メートル延びたという相関が認められる場合、バランストレーニング器具1を利用したトレーニングが飛距離向上に効果的であると分析することができる。ここで、器具情報処理部133は、記憶部120のトレーニング器具データ格納部122に格納された、器具毎に管理される、複数のユーザのトレーニング情報を入力情報として、ゴルフスキルスコア情報を出力情報として機械学習することにより学習モデルを生成することもできる。ユーザ情報処理部132及びトレーニング器具情報処理部133は各々、分析されたトレーニング情報及び生成された学習モデルを、ユーザデータ格納部121及び器具データ格納部122に格納する。
【0060】
次に、ステップS203の処理として、サーバ端末100の制御部130のトレーニング器具情報処理部133は、記憶部120のユーザデータ格納部121に格納されたトレーニング情報を参照し、ユーザに推奨するトレーニングメニューを決定する。例えば、トレーニング器具情報処理部133は、上記のように、飛距離向上等のゴルフスキルの向上と相関性の高い、バランストレーニング器具1を利用したトレーニングメニューを決定し、提案することができる。トレーニングメニューとして、利用するトレーニング器具の選定のほか、トレーニング器具を利用したトレーニング時間、回数及び/または頻度、利用するトレーニング器具の組合せ、順番等が挙げられる。また、ユーザによる目標の入力に基づいて、トレーニングメニューを決定することもできる。例えば、ユーザが「飛距離を伸ばしたい」という目標入力に基づいて、バランストレーニング器具1の利用を推奨したり、「スコアを伸ばしたい」という目標入力に基づいて、ストレッチトレーニング器具2の利用を推奨したりすることができる。
【0061】
また、器具情報処理部133は、記憶部120の器具データ格納部122に格納されたトレーニング情報を参照し、ユーザに推奨するトレーニングメニューを決定することもできる。例えば、器具情報処理部133は、複数のユーザから取得されたトレーニング情報及びゴルフスキル情報に基づいて生成された学習モデルに基づき、ユーザに対し推奨するトレーニングメニューを決定することができる。これにより、ユーザにとって効果的なトレーニングメニューの精度の向上が図ることができる。例えば、学習結果として、飛距離向上のために、ストレッチトレーニング器具2を利用したトレーニングが効果的である、と判定された場合に、器具情報処理部133は、ユーザに対し、ストレッチトレーニング器具2を利用したトレーニングメニューを推奨することができる。また、上記同様に、ユーザによる目標の入力に基づいて、トレーニングメニューを決定することもできる。例えば、ユーザが「飛距離を伸ばしたい」という目標入力に基づいて、ストレッチトレーニング器具2の利用を推奨したり、「スコアを伸ばしたい」という目標入力に基づいて、ストレッチトレーニング器具3の利用を推奨したりすることができる。
【0062】
また、器具情報処理部133は、ユーザデータ格納部121に格納されたトレーニング情報及び器具データ格納部122に格納されたトレーニング情報を組み合わせることで、機械学習に基づいて決定された、汎用的に適用可能なトレーニングメニューを、個別のユーザデータに基づいてパーソナライズさせたうえで、ユーザに対して提案することもできる。
【0063】
ユーザ端末200は、推奨されるトレーニングメニューを、ウェブブラウザまたはアプリケーションを介してユーザに対して表示させることができる。または、トレーニング施設に配置されたトレーニング端末300を介して表示させることもできる。
【0064】
以上により、本実施形態において、トレーニング器具から取得された各ユーザのトレーニング情報を分析することで、ユーザに対して精度の高いトレーニングメニューを提案することができる。その他、ユーザは、トレーニング履歴を参照することで、トレーニングの自己管理を行うこともできる。
【0065】
以上、発明に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行って実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行ったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 トレーニング器具 2 トレーニング器具 3 トレーニング器具 4 トレーニングブース 5 トレーニング器具