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特開2024-165604照明装置及び当該照明装置を備える表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165604
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】照明装置及び当該照明装置を備える表示装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241121BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20241121BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
F21S2/00 480
G02F1/13357
G02F1/1333
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081932
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】木原 正行
【テーマコード(参考)】
2H189
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA54
2H189AA55
2H189AA71
2H189AA72
2H189HA16
2H391AA03
2H391AB04
2H391AC13
2H391AC23
2H391CA02
2H391CA08
3K244AA01
3K244BA31
3K244CA02
3K244DA01
3K244GA01
3K244GA02
3K244KA10
3K244KA18
(57)【要約】
【課題】支持部材を光学基板に固定する際に発生する光学基板の歪みを抑制した照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、光源を有し、光源と異なる位置に円状の平面形状を有する貫通孔及び平面視において貫通孔の外縁の第1地点より貫通孔の外側方向に延伸する第1スリット孔が形成された光源基板と、光源基板と対向する光学部材と、光学部材を支持する第1端を有する支持部と、支持部の第1端とは反対側の第2端より延伸する円柱状の貫通部と、平面視において貫通部の側面より突出する爪部と、を有する支持部材と、を備え、貫通孔は、貫通部に貫通されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を有し、前記光源と異なる位置に円状の平面形状を有する貫通孔及び平面視において前記貫通孔の外縁の第1地点より前記貫通孔の外側方向に延伸する第1スリット孔が形成された光源基板と、
前記光源基板と対向する光学部材と、
前記光学部材を支持する第1端を有する支持部と、前記支持部の前記第1端とは反対側の第2端より延伸する円柱状の貫通部と、平面視において前記貫通部の側面より突出する爪部と、を有する支持部材と、を備え、
前記貫通孔は、前記貫通部に貫通される、照明装置。
【請求項2】
平面視において、前記光源基板は、前記外縁の前記第1地点とは異なる第2地点より前記貫通孔の外側方向に延伸する第2スリット孔を有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
平面視において、前記第1地点及び前記第2地点は、前記貫通孔の中心に関して対称の位置となっている、請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
平面視において、前記第1スリット孔は、前記第1地点における前記貫通孔の接線に対し90度未満の角度で交わるように延伸する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
平面視において、前記第1スリット孔は、前記貫通孔に対して凹形状となるように屈曲する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
平面視において、前記第1スリット孔は、前記貫通孔に対して凸形状となるように屈曲する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
平面視において、前記第1スリット孔は、前記貫通孔に対して凹形状となるように屈曲する部分と、前記貫通孔に対して凸形状となるように屈曲する部分とを含む、請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
平面視において、前記第1スリット孔は、折れ線に沿った形状となっている、請求項4に記載の照明装置。
【請求項9】
平面視において、
前記光源基板は、前記複数の光源が第1方向に沿って並んだ複数の列を有し、
前記貫通孔は、前記複数の列のうち、隣接する2列の中間の位置に形成されており、
前記第1地点は、前記貫通孔の中心に対して前記第1方向の前記外縁の地点にあり、
前記第1スリット孔は、前記第1方向に向かって延伸する、請求項3に記載の照明装置。
【請求項10】
平面視において、
前記光源基板は、前記第1スリット孔から前記外縁に沿った一定の距離において、前記外縁から前記貫通孔の外側に向かって前記光源基板の一部が切り欠かれた切り欠き部を有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項11】
平面視において、
前記外縁は、前記第1地点と前記第2地点との間にある区間を含み、
前記光源基板は、前記区間より前記貫通孔の外側方向に延伸する補助スリット孔を有し、
前記補助スリット孔は、前記第1スリット孔及び前記第2スリット孔よりも延伸する長さが小さい、請求項2に記載の照明装置。
【請求項12】
前記光源は、ミニLEDである、請求項1に記載の照明装置。
【請求項13】
請求項1に記載の照明装置と、
前記照明装置からの光を利用して表示を行う表示パネルと、を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置及び当該照明装置を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、表示装置のバックライトとして用いられる照明装置では、複数の発光ダイオード(以下、LEDと記載)などの光源が配列された光源基板と光拡散シートなどの光学部材とが所定の間隔を空けて対向するように配置されている。例えば、特許文献1に開示された照明装置では、光源基板上に光源基板から突出する支持部を備えた支持部材が固定されており、支持部によって光学部材が支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/146918号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に開示された照明装置によれば、支持部材は支持部とは反対側に突出する固定部を有している。固定部は、基部と基部の先端に設けられた弾性係止片とを備えている。固定部は、光源基板に設けられた貫通孔に挿入され、弾性係止片によって光源基板上に係止される。それによって、ネジなどの締結部材を用いることなく、支持部材を光源基板の上に固定することを可能としている。
【0005】
しかしながら、弾性係止片を貫通孔に挿入する際には、貫通孔の周辺において光源基板に弾性的な負荷が加わり、光源基板に歪みが発生する。歪みは、貫通孔の周辺から光源基板の広範囲の領域に広がり、それによって光源に負荷がかかり、光源が損傷したり、光源の寿命が短くなったりするなどの影響が発生し、その結果、表示装置の表示品質が低下するおそれがある。
【0006】
そこで、本開示は上記問題に鑑み、支持部材を光源基板に固定する際に発生する光源基板の歪みを抑制した照明装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る照明装置は、光源を有し、光源と異なる位置に円状の平面形状を有する貫通孔及び平面視において貫通孔の外縁の第1地点より貫通孔の外側方向に延伸する第1スリット孔が形成された光源基板と、光源基板と対向する光学部材と、光学部材を支持する上面を有する支持部と、支持部の底面より延伸する円柱状の貫通部と、平面視において貫通部の側面より突出する弾性係止片と、を有する支持部材と、を備え、貫通孔は、貫通部に貫通されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る、表示装置の概略図である。
図2図1に示す表示装置の分解図である。
図3】実施形態1に係る、照明装置の分解図である。
図4図2のIV-IV断面の断面図である。
図5図4において、支持部材を光源基板に固定する前の場合を示す断面図である。
図6】実施形態1に係る、光源基板の貫通孔周辺の平面図である。
図7図2における、光源基板の支持部材周辺の平面図である。
図8】実施形態1の変形例1に係る、貫通孔周辺の平面図である。
図9】実施形態1の変形例2に係る、貫通孔周辺の平面図である。
図10】実施形態1の変形例3に係る、貫通孔周辺の平面図である。
図11】実施形態1の変形例4に係る、貫通孔周辺の平面図である。
図12】実施形態1の変形例5に係る、貫通孔周辺の平面図である。
図13】実施形態2に係る、貫通孔周辺の平面図である。
図14】実施形態2の変形例1に係る、貫通孔周辺の平面図である。
図15】実施形態2の変形例2に係る、貫通孔周辺の平面図である。
図16】実施形態3に係る、貫通孔周辺の平面図である。
図17】実施形態3の変形例に係る、貫通孔周辺の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同などの要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではなく、実施形態で説明される構成の全てが本開示の解決手段として必須であるとは限らない。
【0010】
<実施形態1>
図1は、本開示の実施形態1に係る、表示装置100の概略図である。以下の説明では、図1の左下側、右上側、左上側、右下側、上側、下側を、それぞれ、表示装置100の前側、後側、左側、右側、上側、下側とする。また、平面視とは、上下左右方向を平面とした場合の視点である。
【0011】
<表示装置>
本開示の表示装置100は、矩形板状の表示パネル101と、表示パネル101の外周に取り付けられたベゼル102と、を備えている。図1において、表示パネル101の前側の面が画像を表示する面である。表示装置100は、例えば、液晶表示装置であり、その場合、表示パネル101は液晶パネルである。
【0012】
図2は、図1に示す表示装置100の分解図である。表示装置100は、ベゼル102と、表示パネル101と、照明装置200と、を備えている。表示装置100において、表示パネル101の前側にはベゼル102が配置され、表示パネル101の後側には照明装置200が配置されている。ベゼル102は、矩形枠状であって、表示パネル101と照明装置200とを重ね合わせた状態で、それらを一体的に保持するようになっている。
【0013】
照明装置200の前側の面が光出射面である。照明装置200はバックライトであって、照明装置200の光出射面が表示パネル101の後側の面に対向しており、表示パネル101の後ろ側の面に向けて前側方向に光を照射する。表示パネル101は、照明装置200からの光を利用して画像表示を行う。
【0014】
<照明装置>
図3は、本開示の実施形態1に係る、照明装置200の分解図である。照明装置200は、光源基板300と、光源基板300の前側に配され光源基板300と対向する光学部材201と、光学部材201の前側に配されたフレーム202と、光源基板300の後側に配され光源基板300を収容するシャーシ203と、が重ね合わされた構成である。
【0015】
図4は、図2のIV-IV断面の断面図である。より具体的には、図4は、照明装置200の断面図である。以下の説明では、図4の左側、右側、上側、下側を、それぞれ、照明装置200の下側、上側、前側、後側とする。
【0016】
光源基板300の前側の面上には、複数の光源301が上下左右方向に所定の間隔を空けて配列されている。光源301は、前方向に光を出射する。複数の支持部材400は、光源基板300の前側の面において、複数の光源301の間の領域に前側に突出するように設けられている。
【0017】
光学部材201は、例えば、光拡散フィルム及びプリズムシートを重ねたものである。複数の光源301から出射された光が光学部材201を通過することによって、照明装置200は、前面の全領域において明るく均一な光を発することができる。
【0018】
シャーシ203は、光源基板300の後側の面に取り付けられ、光源基板300を収容する。シャーシ203は、例えば、箱状であり、光源基板300に対向するシャーシ主板2031と、シャーシ主板2031の各辺の外縁から、前側に延びたシャーシ側板2032と、シャーシ側板2032の前側の端辺から張り出したシャーシ受け板2033と、を有する。詳しくは後述するが、シャーシ受け板2033及び支持部材400の前側に光学部材201が重ねられる。
【0019】
フレーム202は、例えば、矩形枠状であり、光学部材201に対向するフレーム前板2021と、フレーム前板2021の各辺の外縁から後側に延びたフレーム側板2022と、を有する。詳しくは後述するが、フレーム202は、光学部材201とシャーシ203とを重ね合わせた状態で、一体的に保持するようになっている。
【0020】
光源基板300は、貫通孔302を有する。支持部材400は、貫通孔302を貫通して、光源基板300に固定されている。より詳しくは、支持部材400は、支持部第1端402及び支持部第2端403を両端とする支持部401と、支持部第2端403より延伸する貫通部404と、平面視で貫通部404の側面405より突出する爪部406と、を有する。貫通部404が貫通孔302を貫通し、支持部401及び爪部406が光源基板300の前側の面から突出している。
【0021】
爪部406は、貫通孔302の周辺において、光源基板300の前側の面に当接し、支持部401の前後方向における動きを規制する。実施形態1では、貫通部404の後側の端部に、平面視で、貫通部404の側面405より突出する突出部407が設けられている場合を示す。支持部材400は、貫通孔302の周辺において、爪部406と突出部407とで光源基板300を挟持し、光源基板300に固定されている。
【0022】
図4から分かるように、光源基板300がシャーシ203に収容されている場合において、支持部401の前側の先端である支持部第1端402と、シャーシ受け板2033の前側の面とは、平面視で、概ね同一の仮想平面上に位置している。光学部材201がシャーシ203の前側に重ねられた場合、光学部材201の外周がシャーシ受け板2033で支持されるとともに、光学部材201の内側領域は、支持部第1端402に支持される。それによって、光源基板300上に配された複数の光源301と、光学部材201との間を所定の間隔に保つことができ、照明装置200の前面から出射する光の均一性が低下することを抑制できる。
【0023】
フレーム202は、光学部材201とシャーシ203とを重ね合わせた状態で、光学部材201の外周の前面側に重なるように設置される。フレーム前板2021とシャーシ受け板2033とが光学部材201の外周を挟持するとともに、フレーム側板2022が光学部材201の外周側面を覆う。図示しないが、フレーム202とシャーシ203とは、締結部材などを用いて固定される。それによって、フレーム202は、光学部材201とシャーシ203とを重ね合わせた状態で、一体的に保持する。
【0024】
図5は、図4において、支持部材400を光源基板300に固定する前の場合を示す断面図である。なお、図5は、図4における1つの支持部材400の周辺を抜粋して拡大している。支持部材400は、支持部第1端402から、光源基板300の後側より貫通孔302に挿入される。爪部406は貫通部404の側面405より突出しており、爪部406の先端部は、平面視で、貫通孔302の外縁303よりも外側の位置に延びている。本実施形態では、爪部406は、例えば、貫通部404の前側の先端部の側面405から突出している。
【0025】
支持部401を貫通孔302に挿入して、爪部406を貫通孔302周辺の光源基板300の後側に当接させる。そこから、支持部材400に前方向への力を加えて、支持部材400を光源基板300の側に押し込む。そうすると、貫通孔302の周縁において、爪部406が光源基板300に負荷を加えつつ、爪部406が一時的に変形することで、平面視で、支持部材400が貫通孔302の径よりも小さくなり、貫通孔302を通り抜ける。そして、図4に示すように、支持部401と爪部406とが光源基板300の前側に移動し、貫通部404が貫通孔302を貫通した状態となる。本実施形態では、爪部406の先端部と、貫通部404の側面405との間に間隙が設けられている。それによって、爪部406が弾性的に変形しやすくなり、爪部406が貫通孔302を通り抜ける際に光源基板300に加わる負荷を低減している。また、支持部材400を、例えば、柔らかくて弾性変形しやすい樹脂材料で形成すれば、間隙を設けなくとも、爪部406が変形して貫通孔302を通り抜けることができる。
【0026】
本実施形態では、図4に示すように、貫通部404が貫通孔302を貫通した状態で、爪部406の先端に設けられた微小片4061が、貫通孔302の内側面に当接している。それによって、支持部材400と光源基板300との位置関係を保つことができる。
【0027】
貫通部404の後側の端部には、平面視で、貫通部404の側面405より突出する突出部407が設けられている。突出部407は、平面視で、貫通孔302の外縁303よりも外側の位置に延びており、支持部材400を光源基板300の側に押し込んで爪部406が貫通孔302を通り抜けた際に、光源基板300の後側の面に当接する。それによって、支持部材400が、光源基板300の前側に抜けてしまうことを抑制する。さらに、爪部406と突出部407とが光源基板300を挟持することで、支持部材400を光源基板300に固定する強度を向上させることができる。
【0028】
なお、本実施形態では、光源基板300の後側から挿入される支持部材400について例示したが、支持部材400は上述の構造に限られない。例えば、貫通部404の後側の端部に、突出部407ではなく、爪部406が設けられており、光源基板300の前側から貫通孔302に挿入される構造とすることもできる。その場合、支持部第2端403と爪部406とが光源基板300を挟持することで、支持部材400を光源基板300に固定する強度を向上させることができる。
【0029】
<第1スリット孔>
図6は、実施形態1に係る、貫通孔302周辺の平面図である。以下の説明では、図6の左側、右側、上側、下側を、それぞれ、光源基板300の左側、右側、上側、下側とする。また、平面視とは、上下左右方向を平面とした場合の視点である。
【0030】
貫通孔302は、例えば、平面視で円状の平面形状を有しており、光源301と異なる位置に設けられている。貫通孔302の外縁303は、図6に示されるように、例えば、貫通孔302の縁を構成する円周上の輪郭線である。
【0031】
第1スリット孔305は、所定の長さと所定の幅を有する長穴である。第1スリット孔305は、外縁303上の一地点である第1地点304より、中心308から見て貫通孔302の外側方向に延伸している。第1スリット孔305を設けることで、第1スリット孔305の周辺において光源基板300の強度が局所的に低下している。
【0032】
図7は、図2における、光源基板300の支持部材400周辺の平面図である。言い換えると、図5において、支持部材400を光源基板300に貫通させた後、光源基板300の前側から平面視で見た場合を示している。図7に示すように、爪部406は、平面視で、上方向または下方向に突出しており、爪部406の先端部は貫通孔302の外縁303の外側に位置している。
【0033】
図5図7から分かるように、平面視で、爪部406は、第1スリット孔305および第1スリット孔305に近接する貫通孔302の周縁部付近の領域を通過する。爪部406は、弾性変形しつつ、貫通孔302の周辺において光源基板300に後側から押す方向に負荷を加える。そうすると、爪部406が貫通孔302を通り抜ける際に貫通孔302周辺の光源基板300に発生する応力は、強度が局所的に低くなっている第1スリット孔305周辺に集中する。そのため、応力の発生する範囲が貫通孔302周辺から光源基板300の広範囲に広がらないようにすることができ、貫通孔302から離れた領域にまで光源基板300の歪みが広がることを抑制することができる。それによって、例えば、光源基板300の歪みによって生じた負荷が貫通孔302周辺に配置された光源301にかかり、光源301が損傷したり光源301の寿命が短縮したりすることを抑制できる。なお、第1スリット孔305の周辺に応力が集中するため、第1スリット孔305における、第1地点304とは反対側の終端は、例えば、図6に示すように、4つの光源301で囲まれた中央付近の位置のように光源301から離れた位置にあることが好ましい。
【0034】
また、第1スリット孔305によって光源基板300の強度が局所的に低下したことにより、爪部406が通過する領域において光源基板300が曲がりやすくなっている。よって、爪部406が貫通孔302を通過する際に、光源基板300が前方向に曲がって貫通孔302が一時的に拡がり、爪部406から加わる負荷を下げることで、光源基板300に発生する応力を低減することができる。したがって、例えば、光源301などの光源基板300上の実装部品を貫通孔302に近づけて設けることが可能となり、光源基板300の設計の自由度が向上する。
【0035】
支持部材400が有する爪部406の数に応じて、例えば、第1スリット孔305に加えて第2スリット孔307を設けてもよい。本実施形態では、図6および図7に示すように、支持部材400が2つの爪部406を有しており、それら2つの爪部406に対応させて、第1スリット孔305と第2スリット孔307とが設けられている。より詳しくは、第2スリット孔307が、平面視において、第1地点304とは異なる、外縁303上の第2地点306より貫通孔302の外側方向に延伸している。第1スリット孔305及び第2スリット孔307の両方を設けることによって、2つの爪部406がある場合においても、貫通孔302の周辺に発する応力を、第1スリット孔305及び第2スリット孔307の周辺に集中させることができ、応力の発生する範囲を狭くすることができる。なお、爪部406が3つ以上ある場合には、スリット孔を3つ以上設けてもよい。
【0036】
図6に示すように、本実施形態では、平面視において、第1地点304及び第2地点306は、貫通孔302の中心308に関して対称の位置となっている。言い換えると、第1地点304と第2地点306は、外縁303の円周上において、互いに最も離れた位置となっている。それによって、応力が集中する第1スリット孔305及び第2スリット孔307が設けられる位置を互いに離間することができ、貫通孔302の周辺において応力が集中する位置が偏って、局所的に光源基板300の歪みが大きくなることを抑制できる。
【0037】
図6に示すように、本実施形態では、平面視において、第1スリット孔305が、貫通孔302に対して凹形状となるように屈曲している場合を例示している。言い換えると、貫通孔302の中心308側から見て、第1スリット孔305が凹型の弧となるように屈曲している。それによって、第1スリット孔305の終端の位置を、貫通孔302に近づけることができ、貫通孔302の周辺において応力を集中させる範囲をさらに狭くすることができる。それによって、貫通孔302から離れた領域で光源基板300の歪みをさらに緩和することができる。なお、本実施形態では、第2スリット孔307も、貫通孔302に対して凹形状となるように屈曲しているが、いずれか一方のスリット孔が屈曲していてもよい。
【0038】
図8図12に、実施形態1の変形例1~5を示す。なお、図6及び図7と同様に、以下の説明では、図8図12の左側、右側、上側、下側を、それぞれ、光源基板300の左側、右側、上側、下側とする。また、平面視とは、上下左右方向を平面とした場合の視点である。
【0039】
<実施形態1の変形例1>
図8は、実施形態1の変形例1に係る、光源基板300の貫通孔302周辺の平面図である。変形例1では、第1スリット孔305は、平面視において、貫通孔302に対して凸形状となるように屈曲している。言い換えると、貫通孔302の中心308側から見て、第1スリット孔305が凸型の弧となるように屈曲している。図示しないが、光源301に給電するために光源基板300上に形成された配線、実装部品などの位置によっては、第1スリット孔305及び第1スリット孔305の終端を設けることが可能な位置が制限される場合がある。例えば、第1スリット孔305を、凸形状に屈曲させることで、配線、実装部品などを避けることが可能な場合があり、配線のパターンの設計に影響を及ぼすことなく、第1スリット孔305を形成することができる。なお、変形例1では、第2スリット孔307も、貫通孔302に対して凸形状となるように屈曲しているが、配線、実装部品などの位置に応じて適宜屈曲方向は変更してもよく、例えば、第1スリット孔305は凸形状に屈曲し、第2スリット孔307は凹形状に屈曲してもよい。
【0040】
<実施形態1の変形例2>
図9は、実施形態1の変形例2に係る、光源基板300の貫通孔302周辺の平面図である。変形例2では、平面視において、第1スリット孔305は、貫通孔302に対して凹形状となるように屈曲している凹型屈曲部分311と、貫通孔302に対して凸形状となるように屈曲している凸型屈曲部分312と、とを含んでいる。例えば、第1スリット孔305を凹形状又は凸形状に屈曲させても光源基板300上に形成された配線、実装部品などを避けられない場合においても、第1スリット孔305の屈曲形状を途中で変えることで配線、実装部品などを避けることが可能となる。なお、図8においては、第1スリット孔305が、1つの凹型屈曲部分311と1つの凸型屈曲部分312とを含む場合を例示しているが、凹型屈曲部分311及び凸型屈曲部分312のそれぞれを複数ずつ含んでいてもよい。また、第1スリット孔305全体の中で、凹型屈曲部分311及び凸型屈曲部分312が含まれる位置も任意に選択できる。なお、変形例2では、第2スリット孔307も、第1スリット孔305と同じ様に1つの凹型屈曲部分311と1つの凸型屈曲部分312とを含む場合を例示しているが、第1スリット孔305及び第2スリット孔307のそれぞれにおいて、凹型屈曲部分311及び凸型屈曲部分312が含まれる数及び含まれる位置などは任意に選択できる。
【0041】
<実施形態1の変形例3>
図10は、実施形態1の変形例3に係る、光源基板300の貫通孔302周辺の平面図である。変形例3では、平面視において、第1スリット孔305は、所定の長さの直線状に形成されている。第1地点304における、貫通孔302の外縁303の接線309に対し、第1スリット孔305は、第1角度310で交わるように延伸している。第1角度310の大きさは90度未満であり、接線309に対して第1スリット孔305は斜め方向に延伸している。それによって、第1スリット孔305を直線的に形成でき、加工のばらつきが低減して、貫通孔302周辺の配線、実装部品などへの影響を低減することができる。
【0042】
<実施形態1の変形例4>
図11は、実施形態1の変形例4に係る、光源基板300の貫通孔302周辺の平面図である。変形例4は、変形例3を一部変形したものであって、平面視で、第1スリット孔305が、折れ線に沿った形状となっている。言い換えると、第1地点304における、貫通孔302の外縁303の接線309に対し、第1スリット孔305が、第1角度310で交わるように延伸した後、終端に至るまでに1回折れ曲がっている。それによって、光源基板300上に形成された配線、実装部品などを、第1スリット孔305を途中で曲げることで避けることが可能となり、光源基板300の設計の自由度を高く保つことができる。なお、変形例4では、第2スリット孔307も、第1スリット孔305と同じ様に1回折れ曲がる場合を例示しているが、第1スリット孔305及び第2スリット孔307のそれぞれにおいて、折れ曲がる数、位置、方向などは任意に選択できる。
【0043】
<実施形態1の変形例5>
図12は、実施形態1の変形例5に係る、光源基板300の貫通孔302周辺の平面図である。変形例5では、平面視において、光源基板300が、複数の光源301が第1方向313に沿って並んだ複数の列を有している。貫通孔302は、光源301の複数の列のうち、隣接する2つの列の中間の位置に形成されている。第1地点304は、貫通孔302の中心308に対して、第1方向313の外縁303の地点にある。第1スリット孔305は第1地点304から、第1方向313に向かって延伸し、第1方向313に沿った直線上に形成されている。このような構成では、第1地点304の接線309に対して、第1スリット孔305が、直角に交わるように延伸することから、加工のばらつきを低減しつつ、加工時に光源基板300が破損する可能性を低くすることができる。
【0044】
変形例5は、上述の実施形態1及び変形例1~4と比較すると、第1スリット孔305の周辺における光源基板300の強度の低下が小さくなるため、応力を集中させる効果は低下してはいるものの、光源301の隣接する2つの列の中間の位置に第1スリット孔305が形成され、光源301と第1スリット孔305との間の距離が可能な限り離れているため、光源基板300の歪みによる光源301への影響は低減されている。
【0045】
<実施形態2>
図13は、実施形態2に係る、貫通孔302周辺の平面図である。実施形態2は、貫通孔302の外縁303の一部の領域の領域において、光源基板300が切り欠き部314を有する点で実施形態1と異なる。なお、図6及び図7と同様に、以下の説明では、実施形態2及び実施形態2の変形例1~2に対応する、図13図15の左側、右側、上側、下側を、それぞれ、光源基板300の左側、右側、上側、下側とする。また、平面視とは、上下左右方向を平面とした場合の視点である。
【0046】
図13に示すように、実施形態2では、平面視において、光源基板300は、第1スリット孔305から貫通孔302の外縁303に沿った一定の距離において、外縁303から貫通孔302の外側に向かって光源基板300の一部が切り欠かれた切り欠き部314を有している。なお、本実施形態では、同様に、第2スリット孔307から貫通孔302の外縁303に沿った一定の距離においても切り欠き部314が設けられている。図13において、切り欠き部314は、中心308から見て、外縁303の外側に向けて一定の部分を切り欠いた形状であり、切り欠き部314における外縁は、外縁303と同じ曲率を有する弧形状となっている。
【0047】
図5に示すように、支持部材400を貫通孔302に挿入する際に、支持部材400を平面方向に回すと、切り欠き部314に爪部406の一部が入り込み、爪部406の位置を第1スリット孔305及び第2スリット孔307のある位置に合わせることができる。それによって、爪部406の位置を、より確実に第1スリット孔305及び第2スリット孔307の近辺に合わせた上で、支持部材400を貫通孔302に挿入することができる。それによって、貫通孔302の周辺に発する応力を確実に第1スリット孔305及び第2スリット孔307の周辺に集中させることができ、応力の発生する範囲を狭くすることができる。
【0048】
光源基板300の一部が切り欠かれた切り欠き部314において、外縁303に沿った一定の距離に対応する切り欠き部314の幅は、平面視で、爪部406の突出方向に交差する方向の幅以上であることが好ましい。それによって、爪部406の一部が切り欠き部314に入り込みやすくなり、爪部406の位置を第1スリット孔305及び第2スリット孔307のある位置に合わせることがさらに容易となる。
【0049】
<実施形態2の変形例1および変形例2>
平面視において、切り欠き部314の形状は、爪部406などの形状に合わせて適宜変更することもできる。図14は、実施形態2の変形例1に係る、貫通孔302周辺の平面図である。実施形態2の変形例1では、切り欠き部314は、切り欠き部314の外縁が、図6の左右方向と同じ方向に沿って延びた所定の長さの直線となっている。また、図15は、実施形態2の変形例2に係る、貫通孔302周辺の平面図である。実施形態2の変形例2では、切り欠き部314は、切り欠き部314の外縁が、貫通孔302の外縁303が描く円の直径よりも長い長軸を有する楕円の円弧に沿った形状の所定の長さの曲線となっている。変形例2において、切り欠き部314の外縁を、例えば、楕円の円弧に沿った形状の曲線に代えて、スプライン曲線としてもよい。
【0050】
<実施形態3>
図16は、実施形態3に係る、貫通孔302周辺の平面図である。実施形態3は、第1スリット孔305及び第2スリット孔307に加えて、補助スリット孔316が設けられている点で実施形態1及び実施形態2と異なる。なお、図6及び図7と同様に、以下の説明では、実施形態3及びその変形例に対応する、図16及び図17の左側、右側、上側、下側を、それぞれ、光源基板300の左側、右側、上側、下側とする。また、平面視とは、上下左右方向を平面とした場合の視点である。
【0051】
図16に示すように、実施形態3では、平面視において、外縁303が、第1地点304と第2地点306との間にある区間315を含んでいる。区間315において、中心308から見た貫通孔302の外側方向に延伸する、補助スリット孔316が設けられている。補助スリット孔316は、所定の長さと所定の幅を有する長穴であり、第1スリット孔305及び第2スリット孔307よりも延伸する長さが短くなっている。補助スリット孔316を設けることにより、第1スリット孔305及び第2スリット孔の周辺に集中しきれなかった一部の応力を補助スリット孔316の周辺に補助的に集中させることができ、光源基板300の歪みが広がることをさらに抑制することができる。また、補助スリット孔316は、上述のように一部の応力を集中させるものであるため、光源基板300の強度が低下しすぎないように延伸する長さは短い方が好ましい。
【0052】
図16では、平面視において、複数の光源301が上下左右方向に沿って並んでおり、貫通孔302は隣接する4つの光源301の対角線上に中心308が位置するように配置されている。貫通孔302には、所定の距離の直線状の補助スリット孔316が2つ設けられている。2つの補助スリット孔316は、区間315の内、中心308を通り左右方向に延びた直線が外縁303と交わる2つの交点から左右方向に延伸している。補助スリット孔316が延伸する貫通孔302の左右方向には、光源301が配置されていない。したがって、補助スリット孔316に集中する一部の応力によって生じる補助スリット孔316の周辺の光源基板300の歪みが、光源301に及ぼす影響を低減することができる。
【0053】
<実施形態3の変形例>
図17は、実施形態3の変形例に係る、光源基板300の貫通孔302周辺の平面図である。図17に示す変形例では、図16と比較すると、区間315における、補助スリット孔316が設けられる位置が異なっている。
【0054】
図17では、平面視において、複数の光源301が上下左右方向に沿って並んでおり、貫通孔302は、隣接する2つの光源301の中間点に中心308が位置するように配置されている。貫通孔302には、所定の距離の直線状の補助スリット孔316が2つ設けられている。2つの補助スリット孔316は、貫通孔302に隣接する光源301の内、最も近接している2つの光源301がある方向とは異なる方向に延伸するような区間315の位置に設けられている。例えば、図17では、貫通孔302の左右方向に最も近接している2つの光源301が配置されている。よって、2つの補助スリット孔316は、平面視で、斜め方向に延伸するように区間315の位置に設けられ、貫通孔302に最も近接している2つの光源301の方向に延伸しないようにされている。したがって、補助スリット孔316に集中する一部の応力によって生じる補助スリット孔316の周辺の光源基板300の歪みが、貫通孔302に最も近接している光源301に及ぼす影響を低減することができる。
【0055】
<ミニLED>
なお、本開示は、光源301がミニLEDである場合に特に有用である。ミニLEDは、従来のLEDよりもサイズが小さいLEDであり、例えば、従来のLEDのサイズが一般的に20mm×30mm~40mm×50mm程度であるのに対して、ミニLEDのサイズは0.1mm×0.1mm~1mm×1mm程度である。同じ面積の光源基板であれば、従来のLEDより多くのミニLEDを実装することが可能であり、例えば、従来のLEDに対して、ミニLEDの実装密度は、6~80倍程度となる。よって、複数のミニLEDの間の領域は、従来のLEDに対して相対的に小さくなる。例えば、隣接する2つの従来のLEDの間の間隔が50mm~90mm程度であるのに対して、隣接する2つのミニLEDの間の間隔が10mm~20mm程度となる。よって、ミニLEDを用いた場合には、従来のLEDを用いた場合と比較して、貫通孔と光源との間の距離が小さくなる。したがって、本開示によって、スリット孔周辺の狭い範囲に応力を集中させて、貫通孔から光源基板に歪みが広がるのを緩和することが有効である。
【0056】
さらに、光源301にミニLEDを用いた場合、一般的に光源基板の厚さは、従来のLEDを用いた場合と比較して薄くなる。例えば、従来のLEDを用いた場合、光源基板の厚さは一般的に1.4mm~2.0mm程度であるのに対して、ミニLEDを用いた場合は、光源基板の厚さは0.6mm~1.2mm程度である。よって、ミニLEDを用いた場合は光源基板が薄くなり歪みやすくなるため、本開示によって、貫通孔から光源基板に歪みが広がるのを緩和することが特に有効である。
【0057】
なお、本開示は、上述の実施形態及び変形例の構成に限定されるものではなく、上述した実施形態及び変形例で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成できる構成で置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0058】
100:表示装置
101:表示パネル
102:ベゼル
200:照明装置
201:光学部材
202:フレーム
2021:フレーム前板
2022:フレーム側板
203:シャーシ
2031:シャーシ主板
2032:シャーシ側板
2033:シャーシ受け板
300:光源基板
301:光源
302:貫通孔
303:外縁
304:第1地点
305:第1スリット孔
306:第2地点
307:第2スリット孔
308:中心
309:接線
310:第1角度
311:凹型屈曲部分
312:凸型屈曲部分
313:第1方向
314:切り欠き部
315:区間
316:補助スリット孔
400:支持部材
401:支持部
402:支持部第1端
403:支持部第2端
404:貫通部
405:側面
406:爪部
4061:微小片
407:突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17