(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165609
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】カテーテル用シャフト
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
A61M25/00 624
A61M25/00 504
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081941
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134326
【弁理士】
【氏名又は名称】吉本 聡
(72)【発明者】
【氏名】河井 花奈美
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB13
4C267BB15
4C267BB40
4C267CC08
4C267EE03
4C267FF01
4C267GG04
4C267GG42
4C267HH04
4C267HH08
(57)【要約】
【課題】 カテーテル用シャフトに挿入されるガイドワイヤ等のデバイスの機能を損なうことなく、カテーテル用シャフトの基端側の剛性を高め、かつ長手方向の伸びを防止するとともに、先端側を曲げ易くしたカテーテル用シャフトを提供する。
【解決手段】 カテーテル用シャフト3は、長尺の内層6及び外層9からなる管状部材と、その管状部材内に配置されたブレード8と、管状部材内に配置され、管状部材の長手方向に延びる第1の素線7a及び7b並びに第2の素線5a及び5b素線と、を備えたものを対象として、特に、横断面視において点対称に配置された2本の第1の素線7a及び7bと、横断面視において第1の素線7a及び7bに対して90度回転した位置に、点対称に配置された2本の第2の素線5a及び5bと、を備え、第1の素線7a及び7bの先端位置7ad及び7bdは、第2の素線5a及び5bの先端位置5ad及び5bdよりも先端側に位置している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の管状部材と、
その管状部材内に配置されたブレードと、
前記管状部材内に配置され、前記管状部材の長手方向に延びる素線と、
を備えたカテーテル用シャフトにおいて、
前記素線は、
横断面視において点対称に配置された少なくとも2本の第1の素線と、
横断面視において前記第1の素線に対して所定角度回転した位置に点対称に配置された少なくとも2本の第2の素線と、を備え、
前記第1の素線の先端位置は、前記第2の素線の先端位置よりも先端側に位置していることを特徴とするカテーテル用シャフト。
【請求項2】
前記第1の素線の本数を2本とし、前記第2の素線を、横断面視において第1の素線に対して90度回転した位置に点対称に配置された2本としたことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル用シャフト。
【請求項3】
前記第1の素線及び前記第2の素線は、前記ブレードを構成する素線間に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカテーテル用シャフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の血管等の管腔内に挿入するカテーテルに使用されるカテーテル用シャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、患者の血管等の管腔内に挿入して使用されるカテーテルが知られており、手技を行なう医師は、カテーテルの内腔にガイドワイヤを挿入し、ガイドワイヤの先端をカテーテルの先端から突出させ、ガイドワイヤの先導によってカテーテルを病変部に到達させ、病変部に到達されたカテーテルの内腔を介してステント、塞栓コイル等のデバイスを病変部に配置してきた。
【0003】
また、特許文献1には、カテーテルの手元側の剛性を高めるために、被覆体3内に補強体6を備え、外層被覆体4内に補強層5を備えたカテーテル用チューブ(
図11(a)等参照)、外層被覆体4内に補強体6を備えたカテーテル用チューブ(
図11(b)等参照)、補強体6と補強層5とを一緒に編組して形成したカテーテル用チューブ(
図12(a)等参照)、及び被覆体3の上に補強層5を形成するとともに、補強層5の上に補強体6を形成したカテーテル用チューブ(
図12(b)等参照)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のカテーテル用チューブ(以下、「カテーテル用シャフト」と記す)においては、カテーテルの手元側の剛性は高くなるものの、先端側を曲げやすくするために先端部の外径及び内径を細くしているために、カテーテル用シャフトの内腔に挿入されるガイドワイヤ等のデバイスの外径をさらに細くしなければならないという問題があった。
【0006】
ガイドワイヤ等のデバイスの外径を細くするということは、それらデバイスのプッシャビリティー、トルク伝達性及び剛性が低くなることを意味し、結果的に、カテーテルを先導する機能が損なわれるという問題があった。
【0007】
本発明は、従来技術が有する上述した問題に対応してなされたものであり、カテーテル用シャフトに挿入されるガイドワイヤ等のデバイスの機能を損なうことなく、カテーテル用シャフトの基端側の剛性を高め、かつ長手方向の伸びを防止するとともに、先端側を曲げ易くしたカテーテル用シャフトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の第1の態様は、長尺の管状部材と、その管状部材内に配置されたブレードと、前記管状部材内に配置され、前記管状部材の長手方向に延びる素線と、を備えたカテーテル用シャフトにおいて、前記素線は、横断面視において点対称に配置された少なくとも2本の第1の素線と、横断面視において前記第1の素線に対して所定角度回転した位置に点対称に配置された少なくとも2本の第2の素線と、を備え、前記第1の素線の先端位置は、前記第2の素線の先端位置よりも先端側に位置していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様のカテーテル用シャフトにおいて、前記第1の素線の本数を2本とし、前記第2の素線を、横断面視において第1の素線に対して90度回転した位置に点対称に配置された2本としたことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様のカテーテル用シャフトにおいて、前記第1の素線及び前記第2の素線は、前記ブレードを構成する素線間に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、長尺の管状部材と、その管状部材内に配置されたブレードと、管状部材内に配置され、管状部材の長手方向に延びる素線と、を備えたカテーテル用シャフトにおいて、素線は、横断面視において点対称に配置された少なくとも2本の第1の素線と、横断面視において第1の素線に対して所定角度回転した位置に、点対称に配置された少なくとも2本の第2の素線と、を備え、第1の素線の先端位置は、第2の素線の先端位置よりも先端側に位置しているので、カテーテル用シャフトに挿入されるガイドワイヤ等のデバイスの機能を損なうことなく、カテーテル用シャフトの基端側の剛性を高め、かつ長手方向の伸びを防止するとともに、先端側を曲げ易くすることができる。
【0012】
また、本発明の第2の態様によれば、第1の態様のカテーテル用シャフトにおいて、第1の素線の本数を2本とし、第2の素線を、横断面視において第1の素線に対して90度回転した位置に点対称に配置された2本としたので、第1の態様のカテーテル用シャフトの効果に加え、簡易な構成によって、カテーテル用シャフトに挿入されるガイドワイヤ等のデバイスの機能を損なうことなく、カテーテル用シャフトの基端側の剛性を高め、かつ長手方向の伸びを防止するとともに、先端側を曲げ易くすることができる。
【0013】
さらに、本発明の第3の態様によれば、第1の態様または第2の態様のカテーテル用シャフトにおいて、第1の素線及び第2の素線は、ブレードを構成する素線間に配置されているので、第1の態様または第2の態様のカテーテル用シャフトの効果に加え、カテーテル用シャフトの基端側の剛性をさらに高め、かつ長手方向の伸びをさらに防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態のカテーテル用シャフトを備えたカテーテルの全体図である。
【
図2】
図1のA部拡大斜視図において、外層を除去して、ブレード及び素線の状態を示した図である。
【
図3】
図1のA部縦断面図に、第1の素線の状態を併せて示した図である。
【
図6】第2実施形態のカテーテル用シャフトの
図4相当図である。
【
図7】第2実施形態のカテーテル用シャフトの
図5相当図である。
【
図8】第3実施形態のカテーテル用シャフトの
図4相当図である。
【
図9】第3実施形態のカテーテル用シャフトの
図5相当図である。
【
図10】第4実施形態のカテーテル用シャフトの
図4相当図である。
【
図11】第4実施形態のカテーテル用シャフトの
図5相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
先ず、本発明の第1実施形態について説明する。なお、本実施形態に使用する図面は、理解を容易にするために誇張して表現されており、その寸法は実際の寸法とは異なる。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態のカテーテル用シャフトを備えたカテーテルの全体図であり、
図2は、
図1のA部拡大斜視図において、外層を除去して、ブレード及び素線の状態を示した図であり、
図3は、
図1のA部縦断面図に、第1の素線の状態を併せて示した図である。
【0017】
【0018】
図1に示すように、本実施形態のカテーテル1は、カテーテル用シャフト3と、カテーテル用シャフト3の先端に接合された先端チップ2と、カテーテル用シャフト3の基端に接合されたコネクタ4とから構成されている。
【0019】
カテーテル用シャフト3は、
図2乃至
図5に示すように、内層6と、その内層6の外周に巻回されたブレード(編組)8と、ブレード8を構成する素線間に配置された、第1の素線7及び第2の素線5と、内層6、ブレード8、第1の素線7及び第2の素線5を覆う外層9と、から構成されている。
【0020】
内層6は、樹脂材料によって形成された長尺の中空管状部材であり、内部にガイドワイヤや他の医療デバイスを挿入するためのルーメンG2を形成している。内層6を形成する樹脂材料は、生体適合性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、本実施形態では、PTFE(ポリテトラフルオロチレン)が使用されている。
【0021】
ブレード8は、
図2乃至
図5に示すように、横断面略円形の12本の第3の素線(8aa、8ab、8ac、8ad、8ae、8af、8ag、8ah、8aj、8ak、8am及び8an)と、第3の素線と同一径であり、かつ横断面略円形の12本の第4の素線(8ba、8bb、8bc、8bd、8be、8bf、8bg、8bh、8bj、8bk、8bm及び8bn)との合計24本(12本×12本)の素線が交互にメッシュ状に編み込まれて形成されている。
【0022】
具体的には、本実施形態のブレード8は、
図2に示すように、12本の第3の素線(8aa、8ab、8ac、8ad、8ae、8af、8ag、8ah、8aj、8ak、8am及び8an)のうち隣接する第3の素線8aa及び8ab、第3の素線8ac及び8ad、第3の素線8ae及び8af、第3の素線8ag及び8ah、第3の素線8aj及び8ak、並びに第3の素線8am及び8anをそれぞれ1組とするとともに、12本の第4の素線(8ba、8bb、8bc、8bd、8be、8bf、8bg、8bh、8bj、8bk、8bm及び8bn)のうち隣接する第4の素線8ba及び8bb、第4の素線8bc及び8bd、第4の素線8be及び8bf、第4の素線8bg及び8bh、第4の素線8bj及び8bk、並びに第4の素線8bm及び8bnをそれぞれ1組として、交互にメッシュ状に編み込まれている。
【0023】
なお、以下においては、第3の素線(8aa、8ab、8ac、8ad、8ae、8af、8ag、8ah、8aj、8ak、8am及び8an)を単に第3の素線(8aa-8an)と記し、第4の素線(8ba、8bb、8bc、8bd、8be、8bf、8bg、8bh、8bj、8bk、8bm及び8bn)を単に第4の素線(8ba-8bn)と記す。
【0024】
また、本実施形態のブレード8は、
図2に示すように、12本の第3の素線(8aa-8an)が、先端方向に向って右回りに巻回されており、12本の第4の素線(8ba-8bn)が、先端方向に向って左回りに巻回されている。
【0025】
また、本実施形態の第3の素線(8aa-8an)及び第4の素線(8ba-8bn)の材料は、生体適合性を有する金属または樹脂であれば特に限定されるものではないが、本実施形態では、ステンレス鋼(SUS304またはSUS316)が使用されている。
【0026】
本実施形態の第1の素線7を構成する2本の第1の素線7a及び7b(
図4及び
図5において斜線で図示している素線)は、
図2乃至
図5に示すように、各々が横断面略円形の素線からなり、横断面視においてカテーテル用シャフト3の中心に対して反対方向(カテーテル用シャフト3の中心に対して点対称)に配置されている(第1の素線7aがカテーテル用シャフト3の中心に対して0度の位置に配置されているとすれば、第1の素線7bは、カテーテル用シャフト3の中心に対して180度の位置に配置されている)。
【0027】
また、本実施形態の第1の素線7a及び7bは、
図2乃至
図5に示すように、ブレード8を構成する素線間に位置して、後述するコネクタ4から後述する先端チップ2までカテーテル用シャフト3の長手方向に沿って配置されている。
【0028】
また、本実施形態の第1の素線7a及び7bの材料は、生体適合性を有する金属または樹脂であれば特に限定されるものではないが、本実施形態では、ステンレス鋼(SUS304またはSUS316)が使用されている。
【0029】
本実施形態の第2の素線5を構成する2本の第2の素線5a及び5b(
図4及び
図5において格子線で図示している素線)は、
図2乃至
図5に示すように、各々が横断面略円形の素線からなり、横断面視においてカテーテル用シャフト3の中心に対して反対方向(カテーテル用シャフト3の中心に対して点対称)に配置されている(第2の素線5aがカテーテル用シャフト3の中心に対して0度の位置に配置されているとすれば、第2の素線5bは、カテーテル用シャフト3の中心に対して180度の位置に配置されている)。
【0030】
また、本実施形態の第2の素線5a及び5bは、横断面視において、第1の素線7a及び7bに対して、カテーテル用シャフト3の中心に対して90度回転した位置に配置されている。
【0031】
また、本実施形態の第2の素線5a及び5bは、
図2乃至
図5に示すように、ブレード8を構成する素線間に位置して、後述するコネクタ4から先端側に延び、カテーテル用シャフト3の長手方向に沿って配置されている。
【0032】
なお、本実施形態において、第1の素線7a及び7bの先端位置7ad及び7bd(後述する「先端チップ2」側が先端側を意味する)は、第2の素線5a及び5bの先端位置5ad及び5bdよりも先端側に位置している。
【0033】
また、本実施形態の第2の素線5a及び5bの材料は、生体適合性を有する金属または樹脂であれば特に限定されるものではないが、本実施形態では、ステンレス鋼(SUS304またはSUS316)が使用されている。
【0034】
外層9は樹脂材料によって形成された長尺の中空管部材であり、内層6、ブレード8、第1の素線7、及び第2の素線5を被覆している。外層9を形成する樹脂材料は、生体適合性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、ポリアミド、ポリアミドエラストマ、ポリエステル、ポリウレタン等が使用可能であり、本実施形態では、ポリアミドが使用されている。
【0035】
なお、内層6及び外層9が、本発明の「管状部材」を構成する。
【0036】
一方、カテーテル用シャフト3の先端に接合された先端チップ2は、カテーテル用シャフト3のルーメンG2に連通するルーメンG1を備えた筒状形状であり、カテーテル用シャフト3よりも十分に高い柔軟性を有しており、最先端部に向かって徐々に小径となるテーパ状の外周面を有している。
【0037】
先端チップ2を形成する樹脂材料も、生体適合性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、内層6及び外層9を形成する樹脂材料よりも柔軟性のある樹脂材料が使用され、本実施形態では、ポリウレタンエラストマーが使用されている。
【0038】
コネクタ4も樹脂材料からなり、カテーテル用シャフト3のルーメンG2に連通するルーメンを有し、カテーテル用シャフト3の基端に接合されている。
【0039】
本実施形態のカテーテル用シャフト3によれば、長尺の内層6及び外層9からなる管状部材と、その管状部材内に配置されたブレード8と、管状部材内に配置され、管状部材の長手方向に延びる第1の素線7a及び7b並びに第2の素線5a及び5b素線と、を備えたものを対象として、特に、横断面視において点対称に配置された2本の第1の素線7a及び7bと、横断面視において第1の素線7a及び7bに対して90度回転した位置に、点対称に配置された2本の第2の素線5a及び5bと、を備え、第1の素線7a及び7bの先端位置7ad及び7bdは、第2の素線5a及び5bの先端位置5ad及び5bdよりも先端側に位置しているので、カテーテル用シャフト3に挿入されるガイドワイヤ等のデバイスの機能を損なうことなく、カテーテル用シャフト3の基端側の剛性を高め、かつ長手方向の伸びを防止するとともに、先端側を曲げ易くすることができる。
【0040】
また、本実施形態のカテーテル用シャフト3によれば、第1の素線7a及び7bの本数を2本とし、第2の素線5a及び5bを、横断面視において第1の素線7a及び7bに対して90度回転した位置に点対称に配置された2本としたので、簡易な構成によって、カテーテル用シャフト3に挿入されるガイドワイヤ等のデバイスの機能を損なうことなく、カテーテル用シャフト3の基端側の剛性を高め、かつ長手方向の伸びを防止するとともに、先端側を曲げ易くすることができる。
【0041】
さらに、本実施形態のカテーテル用シャフト3によれば、第1の素線7a及び7b並びに第2の素線5a及び5bは、ブレード8を構成する素線間に配置されているので、カテーテル用シャフト3の基端側の剛性をさらに高め、かつ長手方向の伸びをさらに防止することができる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態に使用する図面も、理解を容易にするために誇張して表現されており、その寸法は実際の寸法とは異なる。
【0043】
また、以下、本発明の第2実施形態を説明するが、本実施形態のカテーテル10の全体図は、第1実施形態のカテーテル1と同様であるため説明を省略し、第1実施形態と共通する部分については、同じ符号を付し説明を省略する。
【0044】
本実施形態のカテーテル10は、第1実施形態のカテーテル1と比較して、第1の素線及び第2の素線の位置が異なる。
【0045】
すなわち、第1実施形態のカテーテル1の第1の素線7a及び7b並びに第2の素線5a及び5bは、ブレード8を構成する素線間に配置されていたのに対し、第2実施形態のカテーテル10の第1の素線及び第2の素線は、ブレード8を構成する素線の外側に配置されている。
【0046】
図6は、第2実施形態のカテーテル用シャフトの
図4相当図であり、
図7は、第2実施形態のカテーテル用シャフトの
図5相当図である。
【0047】
図1に示すように、本実施形態のカテーテル10は、カテーテル用シャフト13と、カテーテル用シャフト13の先端に接合された先端チップ2と、カテーテル用シャフト13の基端に接合されたコネクタ4とから構成されている。
【0048】
カテーテル用シャフト13は、
図6及び
図7に示すように、内層16と、その内層16の外周に巻回されたブレード(編組)18と、ブレード18を構成する素線の外側に配置された、第1の素線17及び第2の素線15と、内層16、ブレード18、第1の素線17及び第2の素線15を覆う外層19と、から構成されている。
【0049】
内層16は、樹脂材料によって形成された長尺の中空管状部材であり、内部にガイドワイヤや他の医療デバイスを挿入するためのルーメンG2を形成している。内層16を形成する樹脂材料は、第1実施形態の内層6と同様の材料を使用することができる。
【0050】
ブレード8は、
図6及び
図7に示すように、横断面略円形の12本の第3の素線(18aa、18ab、18ac、18ad、18ae、18af、18ag、18ah、18aj、18ak、18am及び18an)と、第3の素線と同一径であり、かつ横断面略円形の12本の第4の素線(18ba、18bb、18bc、18bd、18be、18bf、18bg、18bh、18bj、18bk、18bm及び18bn)との合計24本(12本×12本)の素線が交互にメッシュ状に編み込まれて形成されている。
【0051】
本実施形態においても、第1実施形態のブレード8と同様に、本実施形態のブレード18は、
図2に示すように、12本の第3の素線(18aa、18ab、18ac、18ad、18ae、18af、18ag、18ah、18aj、18ak、18am及び18an)のうち隣接する第3の素線18aa及び18ab、第3の素線18ac及び18ad、第3の素線18ae及び18af、第3の素線18ag及び18ah、第3の素線18aj及び18ak、並びに第3の素線18am及び18anをそれぞれ1組とするとともに、12本の第4の素線(18ba、18bb、18bc、18bd、18be、18bf、18bg、18bh、18bj、18bk、18bm及び18bn)のうち隣接する第4の素線18ba及び18bb、第4の素線18bc及び18bd、第4の素線18be及び18bf、第4の素線18bg及び18bh、第4の素線18bj及び18bk、並びに第4の素線18bm及び18bnをそれぞれ1組として、交互にメッシュ状に編み込まれている。
【0052】
なお、以下においては、第1実施形態と同様に、第3の素線(18aa、18ab、18ac、18ad、18ae、18af、18ag、18ah、18aj、18ak、18am及び18an)を単に第3の素線(18aa-18an)と記し、第4の素線(18ba、18bb、18bc、18bd、18be、18bf、18bg、18bh、18bj、18bk、18bm及び18bn)を単に第4の素線(18ba-18bn)と記す。
【0053】
また、本実施形態のブレード18は、
図2に示すように、12本の第3の素線(18aa-18an)が、先端方向に向って右回りに巻回されており、12本の第4の素線(18ba-18bn)が、先端方向に向って左回りに巻回されている。
【0054】
また、本実施形態の第3の素線(18aa-18an)及び第4の素線(18ba-18bn)の材料は、第1実施形態の第3の素線(8aa-8an)及び第4の素線(8ba-8bn)と同様の材料が使用可能である。
【0055】
本実施形態の第1の素線17を構成する2本の第1の素線17a及び17b(
図6及び
図7において斜線で図示している素線)は、
図6及び
図7に示すように、各々が横断面略円形の素線からなり、横断面視においてカテーテル用シャフト13の中心に対して反対方向(カテーテル用シャフト13の中心に対して点対称)に配置されている(第1の素線17aがカテーテル用シャフト13の中心に対して0度の位置に配置されているとすれば、第1の素線17bは、カテーテル用シャフト13の中心に対して180度の位置に配置されている)。
【0056】
また、本実施形態の第1の素線17a及び17bは、
図6及び
図7に示すように、ブレード8を構成する素線の外側(カテーテル用シャフト13の横断面視において放射方向外側)に位置して、コネクタ4から先端チップ2までカテーテル用シャフト3の長手方向に沿って配置されている。
【0057】
また、本実施形態の第1の素線17a及び17bの材料は、第1実施形態の第1の素線7a及び7bと同様の材料が使用可能である。
【0058】
本実施形態の第2の素線15を構成する2本の第2の素線15a及び15b(
図6及び
図7において格子線で図示している素線)は、
図6及び
図7に示すように、各々が横断面略円形の素線からなり、横断面視においてカテーテル用シャフト13の中心に対して反対方向(カテーテル用シャフト13の中心に対して点対称)に配置されている(第2の素線15aがカテーテル用シャフト13の中心に対して0度の位置に配置されているとすれば、第2の素線15bは、カテーテル用シャフト13の中心に対して180度の位置に配置されている)。
【0059】
また、本実施形態の第2の素線15a及び15bは、横断面視において、第1の素線17a及び17bに対して、カテーテル用シャフト13の中心に対して90度回転した位置に配置されている。
【0060】
また、本実施形態の第2の素線15a及び15bは、
図6及び
図7に示すように、ブレード18を構成する素線の外側(カテーテル用シャフト13の横断面視において放射方向外側)に位置して、コネクタ4から先端側に延び、カテーテル用シャフト13の長手方向に沿って配置されている。
【0061】
なお、本実施形態においても、第1の素線17a及び17bの先端位置(「先端チップ2」側が先端側を意味する)は、第2の素線15a及び15bの先端位置よりも先端側に位置している。
【0062】
また、本実施形態の第2の素線15a及び15bの材料は、第1実施形態の第2の素線5a及び5bと同様の材料が使用可能である。
【0063】
外層19は樹脂材料によって形成された長尺の中空管部材であり、内層16、ブレード18、第1の素線17及び第2の素線15を被覆している。外層19を形成する樹脂材料は、第1実施形態の外層9と同様の材料が使用可能である。
【0064】
なお、内層16及び外層19が、本発明の「管状部材」を構成する。
【0065】
本実施形態のカテーテル用シャフト13によれば、長尺の内層16及び外層19からなる管状部材と、その管状部材内に配置されたブレード18と、管状部材内に配置され、管状部材の長手方向に延びる第1の素線17a及び17b並びに第2の素線15a及び15b素線と、を備えたものを対象として、特に、横断面視において点対称に配置された2本の第1の素線17a及び17bと、横断面視において第1の素線17a及び17bに対して90度回転した位置に、点対称に配置された2本の第2の素線15a及び15bと、を備え、第1の素線17a及び17bの先端位置は、第2の素線15a及び15bの先端位置よりも先端側に位置しているので、カテーテル用シャフト13に挿入されるガイドワイヤ等のデバイスの機能を損なうことなく、カテーテル用シャフト13の基端側の剛性を高め、かつ長手方向の伸びを防止するとともに、先端側を曲げ易くすることができる。
【0066】
また、本実施形態のカテーテル用シャフト13によれば、第1の素線17a及び17bの本数を2本とし、第2の素線15a及び15bを、横断面視において第1の素線17a及び17bに対して90度回転した位置に点対称に配置された2本としたので、簡易な構成によって、カテーテル用シャフト13に挿入されるガイドワイヤ等のデバイスの機能を損なうことなく、カテーテル用シャフト13の基端側の剛性を高め、かつ長手方向の伸びを防止するとともに、先端側を曲げ易くすることができる。
【0067】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態に使用する図面も、理解を容易にするために誇張して表現されており、その寸法は実際の寸法とは異なる。
【0068】
また、以下、本発明の第3実施形態を説明するが、本実施形態のカテーテル20の全体図は、第1実施形態のカテーテル1と同様であるため説明を省略し、第1実施形態と共通する部分については、同じ符号を付し説明を省略する。
【0069】
本実施形態のカテーテル20は、第1実施形態のカテーテル1と比較して、第2の素線の本数が異なる。
【0070】
すなわち、第1実施形態のカテーテル1は、横断面視において点対称に配置された第2の素線が第2の素線5a及び5bの2本であったのに対し、本実施形態のカテーテル20は、横断面視において点対称に配置された第2の素線の本数が6本である。
【0071】
図8は、第3実施形態のカテーテル用シャフトの
図4相当図であり、
図9は、第3実施形態のカテーテル用シャフトの
図5相当図である。
【0072】
図1に示すように、本実施形態のカテーテル20は、カテーテル用シャフト23と、カテーテル用シャフト23の先端に接合された先端チップ2と、カテーテル用シャフト23の基端に接合されたコネクタ4とから構成されている。
【0073】
カテーテル用シャフト23は、
図8及び
図9に示すように、内層26と、その内層26の外周に巻回されたブレード(編組)28と、ブレード28を構成する素線間に配置された第1の素線27及び第2の素線25と、内層26、ブレード28、第1の素線27及び第2の素線25を覆う外層29と、から構成されている。
【0074】
内層26は、樹脂材料によって形成された長尺の中空管状部材であり、内部にガイドワイヤや他の医療デバイスを挿入するためのルーメンG2を形成している。内層26を形成する樹脂材料は、第1実施形態の内層6と同様の材料を使用することができる。
【0075】
ブレード28は、
図8及び
図9に示すように、横断面略円形の12本の第3の素線(28aa、28ab、28ac、28ad、28ae、28af、28ag、28ah、28aj、28ak、28am及び28an)と、第3の素線と同一径であり、かつ横断面略円形の12本の第4の素線(28ba、28bb、28bc、28bd、28be、28bf、28bg、28bh、28bj、28bk、28bm及び28bn)との合計24本(12本×12本)の素線が交互にメッシュ状に編み込まれて形成されている。
【0076】
本実施形態においても、第1実施形態のブレード8と同様に、本実施形態のブレード28は、
図2に示すように、12本の第3の素線(28aa、28ab、28ac、28ad、28ae、28af、28ag、28ah、28aj、28ak、28am及び28an)のうち隣接する第3の素線28aa及び28ab、第3の素線28ac及び28ad、第3の素線28ae及び28af、第3の素線28ag及び28ah、第3の素線28aj及び28ak、並びに第3の素線28am及び28anをそれぞれ1組とするとともに、12本の第4の素線(28ba、28bb、28bc、28bd、28be、28bf、28bg、28bh、28bj、28bk、28bm及び28bn)のうち隣接する第4の素線28ba及び28bb、第4の素線28bc及び28bd、第4の素線28be及び28bf、第4の素線28bg及び28bh、第4の素線28bj及び28bk、並びに第4の素線28bm及び28bnをそれぞれ1組として、交互にメッシュ状に編み込まれている。
【0077】
なお、以下においては、第1実施形態と同様に、第3の素線(28aa、28ab、28ac、28ad、28ae、28af、28ag、28ah、28aj、28ak、28am及び28an)を単に第3の素線(28aa-28an)と記し、第4の素線(28ba、28bb、28bc、28bd、28be、28bf、28bg、28bh、28bj、28bk、28bm及び28bn)を単に第4の素線(28ba-28bn)と記す。
【0078】
また、本実施形態のブレード28は、
図2に示すように、12本の第3の素線(28aa-28an)が、先端方向に向って右回りに巻回されており、12本の第4の素線(28ba-28bn)が、先端方向に向って左回りに巻回されている。
【0079】
また、本実施形態の第3の素線(28aa-28an)及び第4の素線(28ba-28bn)の材料は、第1実施形態の第3の素線(8aa-8an)及び第4の素線(8ba-8bn)と同様の材料が使用可能である。
【0080】
本実施形態の第1の素線27を構成する2本の第1の素線27a及び27b(
図8及び
図9において斜線で図示している素線)は、
図8及び
図9に示すように、各々が横断面略円形の素線からなり、横断面視においてカテーテル用シャフト23の中心に対して反対方向(カテーテル用シャフト23の中心に対して点対称)に配置されている(第1の素線27aがカテーテル用シャフト23の中心に対して0度の位置に配置されているとすれば、第1の素線27bは、カテーテル用シャフト23の中心に対して180度の位置に配置されている)。
【0081】
また、本実施形態の第1の素線27a及び27bは、
図8及び
図9に示すように、ブレード28を構成する素線間に位置して、コネクタ4から先端チップ2までカテーテル用シャフト23の長手方向に沿って配置されている。
【0082】
また、本実施形態の第1の素線27a及び27bの材料は、第1実施形態の第1の素線7a及び7bと同様の材料が使用可能である。
【0083】
本実施形態の第2の素線25を構成する6本の第2の素線25a、25b、25c、25d、25e及び15f(
図8及び
図9において格子線で図示している素線)は、
図8及び
図9に示すように、各々が横断面略円形の素線からなり、第2の素線25aと25d、第2の素線25bと25e、及び第2の素線25cと15fは、それぞれ横断面視においてカテーテル用シャフト23の中心に対して点対称に配置されている(例えば、第2の素線25aがカテーテル用シャフト23の中心に対して0度の位置に配置されているとすれば、第2の素線25dは、カテーテル用シャフト23の中心に対して180度の位置に配置されている)。
【0084】
また、本実施形態の第2の素線25a及び25dは、横断面視において、第1の素線27a及び27bに対して、カテーテル用シャフト23の中心に対して60度回転した位置に配置され、第2の素線25b及び25eは、横断面視において、第1の素線27a及び27bに対して、カテーテル用シャフト23の中心に対して90度回転した位置に配置され、本実施形態の第2の素線25c及び25fは、横断面視において、第1の素線27a及び27bに対して、カテーテル用シャフト23の中心に対して120度回転した位置に配置されている。
【0085】
また、本実施形態の第2の素線25a、25b、25c、25d、25e及び15fは、
図8及び
図9に示すように、ブレード28を構成する素線間に位置して、コネクタ4から先端側に延び、カテーテル用シャフト23の長手方向に沿って配置されている。
【0086】
なお、本実施形態においても、第1の素線27a及び27bの先端位置(「先端チップ2」側が先端側を意味する)は、第2の素線25a、25b、25c、25d、25e及び15fの先端位置よりも先端側に位置している。
【0087】
また、本実施形態の第2の素線25a、25b、25c、25d、25e及び15fの材料は、第1実施形態の第2の素線5a及び5bと同様の材料が使用可能である。
【0088】
外層29は樹脂材料によって形成された長尺の中空管部材であり、内層26、ブレード28、第1の素線27及び第2の素線25を被覆している。外層29を形成する樹脂材料は、第1実施形態の外層9と同様の材料が使用可能である。
【0089】
なお、内層26及び外層29が、本発明の「管状部材」を構成する。
【0090】
本実施形態のカテーテル用シャフト23によれば、長尺の内層26及び外層29からなる管状部材と、その管状部材内に配置されたブレード28と、管状部材内に配置され、管状部材の長手方向に延びる第1の素線27a及び27b並びに第2の素線25a、25b、25c、25d、25e及び15fと、を備えたものを対象として、特に、横断面視において点対称に配置された2本の第1の素線27a及び27bと、横断面視において第1の素線27a及び27bに対して所定角度回転した位置に、点対称に配置された6本の第2の素線25a、25b、25c、25d、25e及び15fと、を備え、第1の素線27a及び27bの先端位置は、第2の素線25a、25b、25c、25d、25e及び15fの先端位置よりも先端側に位置しているので、カテーテル用シャフト23に挿入されるガイドワイヤ等のデバイスの機能を損なうことなく、カテーテル用シャフト23の基端側の剛性を高め、かつ長手方向の伸びを防止するとともに、先端側を曲げ易くすることができる。
【0091】
また、本実施形態のカテーテル用シャフト23によれば、第1の素線27a及び27b並びに第2の素線25a、25b、25c、25d、25e及び15fは、ブレード28を構成する素線間に配置されているので、カテーテル用シャフト23の基端側の剛性をさらに高め、かつ長手方向の伸びをさらに防止することができる。
【0092】
(第4実施形態)
最期に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、本実施形態に使用する図面も、理解を容易にするために誇張して表現されており、その寸法は実際の寸法とは異なる。
【0093】
また、以下、本発明の第4実施形態を説明するが、本実施形態のカテーテル30の全体図は、第1実施形態のカテーテル1と同様であるため説明を省略し、第1実施形態と共通する部分については、同じ符号を付し説明を省略する。
【0094】
本実施形態のカテーテル30は、第1実施形態のカテーテル1と比較して、第1の素線の本数が異なる。
【0095】
すなわち、第1実施形態のカテーテル1は、横断面視において点対称に配置された第1の素線が第1の素線7a及び7bの2本であったのに対し、本実施形態のカテーテル30は、横断面視において点対称に配置された第1の素線の本数が6本である。
【0096】
図10は、第4実施形態のカテーテル用シャフトの
図4相当図であり、
図11は、第4実施形態のカテーテル用シャフトの
図5相当図である。
【0097】
図1に示すように、本実施形態のカテーテル30は、カテーテル用シャフト33と、カテーテル用シャフト33の先端に接合された先端チップ2と、カテーテル用シャフト33の基端に接合されたコネクタ4とから構成されている。
【0098】
カテーテル用シャフト33は、
図10及び
図11に示すように、内層36と、その内層36の外周に巻回されたブレード(編組)38と、ブレード38を構成する素線間に配置された第1の素線37及び第2の素線35と、内層36、ブレード38、第1の素線37及び第2の素線35を覆う外層39と、から構成されている。
【0099】
内層36は、樹脂材料によって形成された長尺の中空管状部材であり、内部にガイドワイヤや他の医療デバイスを挿入するためのルーメンG2を形成している。内層36を形成する樹脂材料は、第1実施形態の内層6と同様の材料を使用することができる。
【0100】
ブレード38は、
図10及び
図11に示すように、横断面略円形の12本の第3の素線(38aa、38ab、38ac、38ad、38ae、38af、38ag、38ah、38aj、38ak、38am及び38an)と、第3の素線と同一径であり、かつ横断面略円形の12本の第4の素線(38ba、38bb、38bc、38bd、38be、38bf、38bg、38bh、38bj、38bk、38bm及び38bn)との合計24本(12本×12本)の素線が交互にメッシュ状に編み込まれて形成されている。
【0101】
本実施形態においても、第1実施形態のブレード8と同様に、本実施形態のブレード38は、
図2に示すように、12本の第3の素線(38aa、38ab、38ac、38ad、38ae、38af、38ag、38ah、38aj、38ak、38am及び38an)のうち隣接する第3の素線38aa及び38ab、第3の素線38ac及び38ad、第3の素線38ae及び38af、第3の素線38ag及び38ah、第3の素線38aj及び38ak、並びに第3の素線38am及び38anをそれぞれ1組とするとともに、12本の第4の素線(38ba、38bb、38bc、38bd、38be、38bf、38bg、38bh、38bj、38bk、38bm及び38bn)のうち隣接する第4の素線38ba及び38bb、第4の素線38bc及び38bd、第4の素線38be及び38bf、第4の素線38bg及び38bh、第4の素線38bj及び38bk、並びに第4の素線38bm及び38bnをそれぞれ1組として、交互にメッシュ状に編み込まれている。
【0102】
なお、以下においては、第1実施形態と同様に、第3の素線(38aa、38ab、38ac、38ad、38ae、38af、38ag、38ah、38aj、38ak、38am及び38an)を単に第3の素線(38aa-38an)と記し、第4の素線(38ba、38bb、38bc、38bd、38be、38bf、38bg、38bh、38bj、38bk、38bm及び38bn)を単に第4の素線(38ba-38bn)と記す。
【0103】
また、本実施形態のブレード38は、
図2に示すように、12本の第3の素線(38aa-38an)が、先端方向に向って右回りに巻回されており、12本の第4の素線(38ba-38bn)が、先端方向に向って左回りに巻回されている。
【0104】
また、本実施形態の第3の素線(38aa-38an)及び第4の素線(38ba-38bn)の材料は、第1実施形態の第3の素線(8aa-8an)及び第4の素線(8ba-8bn)と同様の材料が使用可能である。
【0105】
本実施形態の第1の素線37を構成する6本の第1の素線37a、37b、37c、37d、37e及び37f(
図10及び
図11において斜線で図示している素線)は、
図10及び
図11に示すように、各々が横断面略円形の素線からなり、第1の素線37aと37d、第1の素線37bと37e、及び第1の素線37cと37fは、それぞれ横断面視においてカテーテル用シャフト33の中心に対して点対称に配置されている(例えば、第1の素線37aがカテーテル用シャフト33の中心に対して0度の位置に配置されているとすれば、第1の素線37dは、カテーテル用シャフト33の中心に対して180度の位置に配置されている)。
【0106】
また、本実施形態の第1の素線37a、37b、37c、37d、37e及び37fは、
図10及び
図11に示すように、ブレード38を構成する素線間に位置して、コネクタ4から先端チップ2までカテーテル用シャフト33の長手方向に沿って配置されている。
【0107】
また、本実施形態の第1の素線37a、37b、37c、37d、37e及び37fの材料は、第1実施形態の第1の素線7a及び7bと同様の材料が使用可能である。
【0108】
本実施形態の第2の素線35を構成する2本の第2の素線35a及び35b(
図10及び
図11において格子線で図示している素線)は、
図10及び
図11に示すように、各々が横断面略円形の素線からなり、横断面視においてカテーテル用シャフト33の中心に対して反対方向(カテーテル用シャフト33の中心に対して点対称)に配置されている(第1の素線35aがカテーテル用シャフト33の中心に対して0度の位置に配置されているとすれば、第1の素線35bは、カテーテル用シャフト33の中心に対して180度の位置に配置されている)。
【0109】
また、本実施形態の第2の素線35a及び35bは、横断面視において、第1の素線37a及び37dに対して、カテーテル用シャフト33の中心に対して120度回転した位置、第1の素線37b及び37eに対して、カテーテル用シャフト33の中心に対して90度回転した位置、及び第1の素線37c及び37fに対して、カテーテル用シャフト33の中心に対して60度回転した位置に配置されている。
【0110】
また、本実施形態の第2の素線35a及び35bは、
図10及び
図11に示すように、ブレード38を構成する素線間に位置して、コネクタ4から先端側に延び、カテーテル用シャフト33の長手方向に沿って配置されている。
【0111】
なお、本実施形態においても、第1の素線37a、37b、37c、37d、37e及び37fの先端位置(「先端チップ2」側が先端側を意味する)は、第2の素線35a及び35bの先端位置よりも先端側に位置している。
【0112】
また、本実施形態の第2の素線25a及び35bの材料は、第1実施形態の第2の素線5a及び5bと同様の材料が使用可能である。
【0113】
外層39は樹脂材料によって形成された長尺の中空管部材であり、内層36、ブレード38、第1の素線37及び第2の素線35を被覆している。外層39を形成する樹脂材料は、第1実施形態の外層9と同様の材料が使用可能である。
【0114】
なお、内層36及び外層39が、本発明の「管状部材」を構成する。
【0115】
本実施形態のカテーテル用シャフト33によれば、長尺の内層36及び外層39からなる管状部材と、その管状部材内に配置されたブレード38と、管状部材内に配置され、管状部材の長手方向に延びる第1の素線37a、37b、37c、37d、37e及び37f並びに第2の素線35a及び35bと、を備えたものを対象として、特に、横断面視において点対称に配置された6本の第1の素線37a、37b、37c、37d、37e及び37fと、横断面視において第1の素線37a、37b、37c、37d、37e及び37fに対して所定角度回転した位置に、点対称に配置された2本の第2の素線35a及び35bと、を備え、第1の素線37a、37b、37c、37d、37e及び37fの先端位置は、第2の素線35a及び35bの先端位置よりも先端側に位置しているので、カテーテル用シャフト33に挿入されるガイドワイヤ等のデバイスの機能を損なうことなく、カテーテル用シャフト33の基端側の剛性を高め、かつ長手方向の伸びを防止するとともに、先端側を曲げ易くすることができる。
【0116】
また、本実施形態のカテーテル用シャフト33によれば、第1の素線37a、37b、37c、37d、37e及び37f並びに第2の素線35a及び35bは、ブレード38を構成する素線間に配置されているので、カテーテル用シャフト33の基端側の剛性をさらに高め、かつ長手方向の伸びをさらに防止することができる。
【0117】
以上、本発明の各種実施形態のカテーテルについて説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
【0118】
例えば、上述の実施形態においては、第1の素線の本数及び第2の素線の本数を、2本または6本として説明してきたが、第1の素線の本数及び第2の素線の本数は、少なくとも2本であれば良い。
【0119】
また、上述の実施形態において、第1の素線及び第2の素線は、横断面略円形のいわゆる丸線を使用して説明したが、横断面が矩形状のいわゆる平線を使用しても良く、その他の横断面形状の素線を使用しても良い。
【0120】
ただし、第1の素線の横断面形状と第2の素線の横断面形状とが同一であれば、カテーテル用シャフトの製造を容易にすることができる。
【0121】
また、上記実施形態のカテーテル用シャフトのブレードを構成する素線の組み合わせについては、上記実施形態のように12本×12本に限られるものではなく、例えば、8本×8本、4本×4本等の対称の組み合わせであっても良く、12本×8本、8本×4本等の非対称の組み合わせであっても良い。さらに、第3の素線及び第4の素線の本数は、各々1本以上であれば良い。
【0122】
また、第3の素線の素線幅と第4の素線の素線幅は、上記実施形態のように同一幅であっても良く、一方の素線の幅を他方の素線の幅より大きくしても良い。
【0123】
また、第3の素線及び第4の素線は、同じ材料であっても良く、異なる材料であっても良い。
【0124】
また、上記実施形態では、第3の素線及び第4の素線は、横断面略円形のいわゆる丸線を使用したが、横断面が矩形状のいわゆる平線を使用しても良く、その他の横断面形状の素線を使用しても良い。
【0125】
例えば、第3の素線及び第4の素線を横断面矩形状の平線としても良く、第3の素線を横断面略円形の丸線とし、第4の素線を横断面矩形状の平線としても良く、その逆に、第3の素線を横断面矩形状の平線とし、第4の素線を横断面略円形の丸線としても良い。
【符号の説明】
【0126】
1,10,20,30・・・カテーテル
2・・・先端チップ
3,13,23,33・・・カテーテル用シャフト
4・・・コネクタ
5,15,25,35・・・第2の素線
7,17,27,37・・・第1の素線
8,18,28,38・・・ブレード
6,16,26,36・・・内層
9,19,29,39・・・外層
G1,G2・・・ルーメン