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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165616
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081961
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】大島 和真
(72)【発明者】
【氏名】西出 基
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA10
5F131AA32
5F131AA33
5F131AA34
5F131BA17
5F131BB04
5F131CA12
5F131DA32
5F131DA43
5F131DB02
5F131DB52
5F131DB62
5F131DB72
5F131DB76
5F131DC06
5F131GA14
5F131GA63
5F131GA92
5F131JA20
5F131JA23
5F131JA24
5F131JA26
5F131JA27
5F131JA32
5F131JA35
(57)【要約】
【課題】基板の搬出入時にインデクサブロック内の雰囲気が基板収納容器の内部空間に進入することを抑制する。
【解決手段】基板処理装置のインデクサブロックには、インデクサロボットが配置される。インデクサロボットは、キャリア8に対して、キャリア8の手前側の側面に設けられた容器開口81を介して基板9の搬出入を行う。キャリア8は、ロードポート上に配置される。キャリア8は、上下方向に配列された複数の基板9を内部空間80に収納する。ガス噴出部は、容器開口81の幅方向の一方側において容器開口81に隣接して設けられた噴出口72から、容器開口81に沿って遮蔽用ガスを噴出する。これにより、基板9の搬出入時にインデクサ空間の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを抑制することができる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
ロードポート上に配置されるとともに上下方向に配列された複数の基板を内部空間に収納する基板収納容器に対して、前記基板収納容器の手前側の側面に設けられた容器開口を介して基板の搬出入を行う第1搬送ロボットが配置されるインデクサブロックと、
基板を処理する処理ユニットおよび前記処理ユニットに対する基板の搬出入を行う第2搬送ロボットが配置される処理ブロックと、
前記容器開口の幅方向の一方側において前記容器開口に隣接して設けられた噴出口から前記容器開口に沿って遮蔽用ガスを噴出するガス噴出部と、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記インデクサブロック内に下向きの気流が形成されている基板処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記基板収納容器の奥側から前記内部空間に収納用ガスが供給される基板処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の基板処理装置であって、
前記遮蔽用ガスと前記収納用ガスとは同じ種類のガスであり、同一のガス供給源から供給される基板処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記ガス噴出部は、前記遮蔽用ガスを前記容器開口に沿って水平に噴出する基板処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記ガス噴出部は、前記容器開口に沿うとともに前記基板収納容器から手前側に離れる方向に前記遮蔽用ガスを噴出する基板処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記噴出口は、前記容器開口の側縁に沿って前記容器開口の上端部から下端部まで上下方向に延びる1つの噴出口である基板処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記噴出口は、前記容器開口の側縁に沿って上下方向に配列される複数の噴出孔を備え、
前記複数の噴出孔はそれぞれ、前記第1搬送ロボットによって前記基板収納容器に搬出入される際の基板の上下方向の位置とは異なる位置に配置される基板処理装置。
【請求項9】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記容器開口の前記幅方向の他方側において前記容器開口に隣接して設けられた排気口から排気を行うガス排出部をさらに備える基板処理装置。
【請求項10】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記ガス噴出部は、前記噴出口から噴出される前記遮蔽用ガスの流量を制御する流量制御部を備える基板処理装置。
【請求項11】
請求項10に記載の基板処理装置であって、
前記流量制御部による制御により、前記基板収納容器に対する基板の搬出入時における前記遮蔽用ガスの流量が、前記基板収納容器に対する基板の非搬出入時における前記遮蔽用ガスの流量よりも大きくされる基板処理装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1つに記載の基板処理装置であって、
他の容器開口を有する他の基板収納容器が、前記基板収納容器の前記幅方向の前記一方側において前記基板収納容器に隣接して配置され、
前記ガス噴出部は、前記他の容器開口の前記幅方向の前記他方側において前記他の容器開口に隣接して設けられた他の噴出口から前記他の容器開口に沿って前記遮蔽用ガスを噴出し、
前記噴出口および前記他の噴出口はそれぞれ、前記容器開口と前記他の容器開口との間に配置された噴出要素の前記幅方向の前記他方側の側面、および、前記幅方向の前記一方側の側面に設けられる基板処理装置。
【請求項13】
請求項12に記載の基板処理装置であって、
前記ガス噴出部は、前記噴出口から噴出される前記遮蔽用ガスの流量と、前記他の噴出口から噴出される前記遮蔽用ガスの流量とを個別に制御する流量制御部を備える基板処理装置。
【請求項14】
基板処理方法であって、
a)上下方向に配列された複数の基板を内部空間に収納する基板収納容器をロードポート上に載置する工程と、
b)前記基板収納容器の手前側の側面に設けられた容器開口を介して前記基板収納容器から基板を搬出する工程と、
c)前記容器開口を介して前記基板収納容器に前記基板を搬入する工程と、
を備え、
前記b)工程および前記c)工程が行われる際に、前記容器開口の幅方向の一方側において前記容器開口に隣接して設けられた噴出口から前記容器開口に沿って遮蔽用ガスが噴出される基板処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の基板処理方法であって、
前記b)工程と前記c)工程との間において、前記基板に対する所定の処理が行われる基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を処理する基板処理装置では、ロードポート上のFOUP(Front Opening Unified Pod)等に収納されている複数の基板が、インデクサブロックに設けられているロボットによって、FOUPの開口を介して搬出される。FOUPから搬出された基板は、処理ブロックにて様々な処理が施される。そして、処理済みの基板は、上記ロボットによってFOUP等に搬入されて収納される。
【0003】
このような基板処理装置では、FOUP内における基板上のめっき膜の酸化等を抑制するために、FOUP内に窒素ガス等を充填し、インデクサ空間の雰囲気がFOUP内に進入することを抑制している。例えば、特許文献1では、インデクサ空間に設けられたノズルから、FOUPの開口を介してFOUP内に向けて窒素ガスを吹き付けることにより、FOUP内に窒素ガスを充填することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-290102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の方法では、FOUPの内部空間に吹き付けるための多量の窒素ガスが必要となる。そこで、窒素ガスの使用量を低減しつつインデクサ空間の雰囲気がFOUP内に進入することを抑制する方法として、FOUPの開口の上方にガス噴出部を設け、当該ガス噴出部から下方へと窒素ガスを噴出することにより、FOUPの開口に沿って下方に流れる窒素ガスのシャワーを形成することが考えられる。しかしながら、当該窒素ガスのシャワーは、FOUPに対して基板を搬出入する際に基板の上面に上側から衝突し、周囲のインデクサ空間の雰囲気を巻き込んで当該上面に沿ってFOUP内へと流入するため、FOUP内の窒素ガス濃度が低下するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、基板の搬出入時にインデクサブロック内の雰囲気が基板収納容器内の内部空間に進入することを抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様1は、基板処理装置であって、前記基板処理装置は、ロードポート上に配置されるとともに上下方向に配列された複数の基板を内部空間に収納する基板収納容器に対して、前記基板収納容器の手前側の側面に設けられた容器開口を介して基板の搬出入を行う第1搬送ロボットが配置されるインデクサブロックと、基板を処理する処理ユニットおよび前記処理ユニットに対する基板の搬出入を行う第2搬送ロボットが配置される処理ブロックと、前記容器開口の幅方向の一方側において前記容器開口に隣接して設けられた噴出口から前記容器開口に沿って遮蔽用ガスを噴出するガス噴出部と、を備える。
【0008】
本発明の態様2は、態様1の基板処理装置であって、前記インデクサブロック内に下向きの気流が形成されている。
【0009】
本発明の態様3は、態様1(態様1または2、であってもよい。)の基板処理装置であって、前記基板収納容器の奥側から前記内部空間に収納用ガスが供給される。
【0010】
本発明の態様4は、態様3の基板処理装置であって、前記遮蔽用ガスと前記収納用ガスとは同じ種類のガスであり、同一のガス供給源から供給される。
【0011】
本発明の態様5は、態様1(態様1ないし4のいずれか1つ、であってもよい。)の基板処理装置であって、前記ガス噴出部は、前記遮蔽用ガスを前記容器開口に沿って水平に噴出する。
【0012】
本発明の態様6は、態様1(態様1ないし5のいずれか1つ、であってもよい。)の基板処理装置であって、前記ガス噴出部は、前記容器開口に沿うとともに前記基板収納容器から手前側に離れる方向に前記遮蔽用ガスを噴出する。
【0013】
本発明の態様7は、態様1(態様1ないし6のいずれか1つ、であってもよい。)の基板処理装置であって、前記噴出口は、前記容器開口の側縁に沿って前記容器開口の上端部から下端部まで上下方向に延びる1つの噴出口である。
【0014】
本発明の態様8は、態様1(態様1ないし6のいずれか1つ、であってもよい。)の基板処理装置であって、前記噴出口は、前記容器開口の側縁に沿って上下方向に配列される複数の噴出孔を備える。前記複数の噴出孔はそれぞれ、前記第1搬送ロボットによって前記基板収納容器に搬出入される際の基板の上下方向の位置とは異なる位置に配置される。
【0015】
本発明の態様9は、態様1(態様1ないし8のいずれか1つ、であってもよい。)の基板処理装置であって、前記基板処理装置は、前記容器開口の前記幅方向の他方側において前記容器開口に隣接して設けられた排気口から排気を行うガス排出部をさらに備える。
【0016】
本発明の態様10は、態様1(態様1ないし9のいずれか1つ、であってもよい。)の基板処理装置であって、前記ガス噴出部は、前記噴出口から噴出される前記遮蔽用ガスの流量を制御する流量制御部を備える。
【0017】
本発明の態様11は、態様10に記載の基板処理装置であって、前記流量制御部による制御により、前記基板収納容器に対する基板の搬出入時における前記遮蔽用ガスの流量が、前記基板収納容器に対する基板の非搬出入時における前記遮蔽用ガスの流量よりも大きくされる。
【0018】
本発明の態様12は、態様1ないし11のいずれか1つの基板処理装置であって、他の容器開口を有する他の基板収納容器が、前記基板収納容器の前記幅方向の一方側において前記基板収納容器に隣接して配置される。前記ガス噴出部は、前記他の容器開口の前記幅方向の前記他方側において前記他の容器開口に隣接して設けられた他の噴出口から前記他の容器開口に沿って前記遮蔽用ガスを噴出する。前記噴出口および前記他の噴出口はそれぞれ、前記容器開口と前記他の容器開口との間に配置された噴出要素の前記幅方向の前記他方側の側面、および、前記幅方向の前記一方側の側面に設けられる。
【0019】
本発明の態様13は、態様12の基板処理装置であって、前記ガス噴出部は、前記噴出口から噴出される前記遮蔽用ガスの流量と、前記他の噴出口から噴出される前記遮蔽用ガスの流量とを個別に制御する流量制御部を備える。
【0020】
本発明の態様14は、基板処理方法であって、a)上下方向に配列された複数の基板を内部空間に収納する基板収納容器をロードポート上に載置する工程と、b)前記基板収納容器の手前側の側面に設けられた容器開口を介して前記基板収納容器から基板を搬出する工程と、c)前記容器開口を介して前記基板収納容器に前記基板を搬入する工程と、を備える。前記b)工程および前記c)工程が行われる際に、前記容器開口の幅方向の一方側において前記容器開口に隣接して設けられた噴出口から前記容器開口に沿って遮蔽用ガスが噴出される。
【0021】
本発明の態様15は、態様14の基板処理方法であって、前記b)工程と前記c)工程との間において、前記基板に対する所定の処理が行われる。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、基板の搬出入時にインデクサブロック内の雰囲気が基板収納容器内に進入することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一の実施の形態に係る基板処理装置の平面図である。
図2】基板処理装置の内部を示す正面図である。
図3】キャリア近傍の部位の縦断面図である。
図4】キャリア近傍の部位の縦断面図である。
図5】キャリア近傍の部位の側面図である。
図6】キャリア近傍の部位の平面図である。
図7】インデクサブロックの側壁近傍の部位を示す側面図である。
図8】噴出口設置部の縦断面図である。
図9】基板の処理の流れを示す図である。
図10】キャリアおよびハンドを示す縦断面図である。
図11】キャリアおよびハンドを示す縦断面図である。
図12】キャリア近傍の部位の縦断面図である。
図13】キャリアおよびハンドを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る基板処理装置1の平面図である。図2は、基板処理装置1を、図1のII-II線から見た図である。なお、以下に参照する各図には、Z軸方向を鉛直方向(すなわち、上下方向)とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系が適宜付されている。なお、図1では、基板処理装置1の内部構造も実線にて示している。また、図2では、基板処理装置1の(+X)側の一部の図示を省略している。
【0025】
基板処理装置1は、複数の略円板状の半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)に連続して処理を行う装置である。基板処理装置1では、例えば、BEOL(Back End of Line)工程における基板9に対する洗浄処理が行われる。
【0026】
基板処理装置1は、インデクサブロック10と、処理ブロック20と、載置ユニット40と、を備える。インデクサブロック10および処理ブロック20はそれぞれ、インデクサセルおよび処理セルとも呼ばれる。また、インデクサブロック10は、Equipment Front End Module(EDEM)ユニット等とも呼ばれる。
【0027】
インデクサブロック10の(-X)側には、複数(例えば、4個)のロードポート11が配置される。すなわち、図1に示す例では、(-X)側から(+X)側に向かって、複数のロードポート11、インデクサブロック10、載置ユニット40および処理ブロック20が、この順に隣接して配置されている。
【0028】
複数のロードポート11は、インデクサブロック10の(-X)側の側壁13に沿ってY方向に配列される。複数のロードポート11はそれぞれ、キャリア8が載置される載置台である。キャリア8は、上下方向(すなわち、Z方向)に配列された複数の円板状の基板9を内部空間80に収納する基板収納容器である。キャリア8は、例えば、基板9を密閉空間に収納するFOUP(Front Opening Unified Pod)である。キャリア8は、FOUPには限定されず、例えば、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド等であってもよい。また、ロードポート11の数は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。
【0029】
各ロードポート11に対しては、複数の未処理の基板9(すなわち、基板処理装置1による処理が行われる前の基板9)を収納したキャリア8が、基板処理装置1の外部から、OHT(Overhead Hoist Transfer)等により搬入されて載置される。また、処理ブロック20における処理が終了した処理済みの基板9は、ロードポート11に載置されたキャリア8に収納される。処理済みの基板9が収納されたキャリア8は、OHT等によって基板処理装置1の外部に搬出される。すなわち、ロードポート11は、未処理の基板9および処理済みの基板9を集積する基板集積部として機能する。
【0030】
図3は、一のキャリア8近傍の部位を拡大して示す縦断面図である。インデクサブロック10の(-X)側の側壁13には、各ロードポート11上のキャリア8とX方向にて対向する位置に通過口131が設けられている。通過口131は、側壁13に沿って上下方向に移動可能なスライドドア132によって開閉される。図3では、スライドドア132が通過口131よりも下方へと移動し、通過口131が開放されている状態を示す。X方向に沿って見た場合の通過口131の形状は、例えば略矩形である。
【0031】
キャリア8の(+X)側の側面(すなわち、インデクサブロック10とX方向にて対向する側面)には、通過口131とX方向にて対向する容器開口81が設けられている。キャリア8の(+X)側は、キャリア8のうちインデクサブロック10に近い側であり、インデクサブロック10側から見た場合のキャリア8の手前側である。以下の説明では、キャリア8の(+X)側を「手前側」とも呼び、キャリア8の(-X)側(すなわち、キャリア8のうちインデクサブロック10から遠い側)を「奥側」とも呼ぶ。
【0032】
キャリア8の容器開口81は、図示省略の扉によって開閉される。図3では、当該扉がスライドドア132と共に容器開口81および通過口131よりも下方へと移動し、容器開口81が開放されている状態を示す。X方向に沿って見た場合の容器開口81の形状は、例えば略矩形である。
【0033】
図3に示すように、通過口131および容器開口81が開放されている状態では、キャリア8の内部空間80と、インデクサブロック10の内部空間(以下、「インデクサ空間100」とも呼ぶ。)とが、通過口131および容器開口81を介して連通している。そして、後述するインデクサロボット12により、通過口131および容器開口81を介して、キャリア8に対する基板9の搬出入が行われる。図3に示す例では、キャリア8の内部空間80に収納される基板9の数は25枚である。25枚の基板9は、互いに離間しつつ上下方向に配列される。なお、図3では、キャリア8内の複数の基板9のうち、一部の基板9の図示を省略している(後述する図5図7図10-13においても同様)。
【0034】
図4は、一のキャリア8近傍の部位を示す縦断面図である。図5は、当該キャリア8近傍の部位を、上述の側壁13よりも(+X)側から見た側面図である。図4および図5では、キャリア8以外の構成を併せて示す。また、図4では、断面よりも(+Y)側に位置する構成の一部も併せて示す。キャリア8の内部空間80では、各基板9は、キャリア8の内側面に設けられた基板支持部82によって支持される。基板支持部82は、キャリア8の(+Y)側の内側面、(-X)側の内側面、および、(-Y)側の内側面において略水平に突出する略平板状の凸部であり、基板9の下面の周縁部に下側から接触して基板9を支持する。
【0035】
キャリア8の内部空間80には、当該キャリア8が載置されているロードポート11から収納用ガスが供給されている。図4に示す例では、キャリア8の底部の(-Y)側(すなわち、奥側)に設けられた給気ポート83から、矢印R1にて示すように、収納用ガスが上方に向けて噴出される。給気ポート83から供給された収納用ガスは、キャリア8の内部空間80全体に広がり、キャリア8の底部の(+Y)側(すなわち、手前側)に設けられた排気ポート84から排出される。
【0036】
キャリア8では、給気ポート83から継続的に収納用ガスが供給されることにより、キャリア8の内部空間80に収納用ガスが満たされる。これにより、キャリア8の内部空間80が、インデクサ空間100に比べて低湿度雰囲気かつ低酸素雰囲気とされる。キャリア8に供給される遮蔽用ガスの流量は、例えば、キャリア8の内部空間80の圧力がインデクサ空間100の圧力よりも少し高くなるように制御される。
【0037】
収納用ガスは、インデクサ空間100の雰囲気とは異なる特性を有するガスである。例えば、収納用ガスの湿度は、インデクサ空間100の雰囲気の湿度よりも低い。または、収納用ガスの酸素濃度は、インデクサ空間100の雰囲気の酸素濃度よりも低い。本実施の形態では、収納用ガスは、インデクサ空間100の雰囲気よりも湿度および酸素濃度が低いガスである。収納用ガスとしては、例えば、クリーンドライエア(CDA)、または、不活性ガス(例えば、窒素(N)ガス)が利用可能である。
【0038】
基板処理装置1は、ガス噴出部71と、ガス排出部76とをさらに備える。図4および図5に示す例では、ガス噴出部71は、インデクサブロック10の(-X)側の側壁13において、通過口131の(+Y)側に隣接して設けられた噴出口72を備える。噴出口72は、キャリア8の容器開口81よりも(+X)側(すなわち、手前側)にてインデクサ空間100に配置され、容器開口81の(+Y)側に隣接する。
【0039】
図4および図5に示す例では、上下方向に略平行に伸びる略四角柱状の噴出要素である噴出口設置部73が、通過口131の(+Y)側においてインデクサ空間100に配置され、噴出口設置部73の(-Y)側の側面に噴出口72が設けられる。噴出口設置部73の(-Y)側の側面に設けられる噴出口72の数は、例えば1つであり、容器開口81の(+Y)側の側縁に沿って容器開口81の上端部から下端部まで上下方向に略平行に延びる。噴出口72の上端は、容器開口81の上端よりも上側に位置し、噴出口72の下端は、容器開口81の下端よりも下側に位置する。(-Y)側から見た噴出口72の形状は、例えば、上下方向に長い略長方形(すなわち、略矩形帯状)である。なお、噴出口設置部73および噴出口72の形状は、上記例には限定されず、適宜変更されてよい。
【0040】
ガス噴出部71は、噴出口72から略(-Y)方向に向けて遮蔽用ガスを噴出(すなわち、吐出)する。換言すれば、ガス噴出部71は、噴出口72から容器開口81に沿って側方へと遮蔽用ガスを噴出する。
【0041】
遮蔽用ガスは、インデクサ空間100の雰囲気とは異なる特性を有するガスである。例えば、遮蔽用ガスの湿度は、インデクサ空間100の雰囲気の湿度よりも低い。または、遮蔽用ガスの酸素濃度は、インデクサ空間100の雰囲気の酸素濃度よりも低い。本実施の形態では、遮蔽用ガスは、インデクサ空間100の雰囲気よりも湿度および酸素濃度が低いガスである。遮蔽用ガスとしては、例えば、CDAまたは窒素ガス等の不活性ガスが利用可能である。遮蔽用ガスは、例えば、収納用ガスと同じ種類のガスであり、図示省略の同一のガス供給源から供給される。本実施の形態では、収納用ガスおよび遮蔽用ガスはCDAである。
【0042】
あるいは、収納用ガスおよび/または遮蔽用ガスは、含有されるイオンの濃度がインデクサ空間100の雰囲気よりも高いガスであってもよい。この場合、例えば、ガス供給源において、イオナイザ等によってイオンがガスに付与されることにより、収納用ガスおよび/または遮蔽用ガスが生成される。
【0043】
図5に示す例では、噴出口72からの遮蔽用ガスの噴出方向は、矢印R2にて示すように略水平である。また、平面視における遮蔽用ガスの噴出方向R2は、Y方向(すなわち、容器開口81の幅方向)に略平行である。平面視における遮蔽用ガスの噴出方向R2は、容器開口81に沿う方向であれば、図6に例示するように、噴出口72から離れるに従ってキャリア8から手前側(すなわち、(+X)側)に離れる方向であってもよい。図6に示す例では、噴出口72からの遮蔽用ガスの噴出方向R2とY方向との間の平面視における角度θ(鋭角)は、30°以下であることが好ましい。
【0044】
基板処理装置1では、噴出口72からキャリア8の容器開口81に沿って噴出された遮蔽用ガスにより、容器開口81の(+X)側において、略(-Y)方向へと流れるガスカーテンが形成され、当該ガスカーテンにより容器開口81が(+X)側から遮蔽される。換言すれば、噴出口72から噴出された遮蔽用ガスにより形成された略膜状の気流により、容器開口81が(+X)側から覆われる。上述のガスカーテンは、容器開口81の(+X)側において容器開口81に近接して形成される。これにより、キャリア8内の収納用ガスよりも湿度および酸素濃度が高いインデクサ空間100の雰囲気が、キャリア8の内部空間80へと進入することが抑制される。
【0045】
図5に示す例では、ガス排出部76は、インデクサブロック10の(-X)側の側壁13において、通過口131の(-Y)側に隣接して設けられた排気口77を備える。排気口77は、キャリア8の容器開口81よりも(+X)側(すなわち、手前側)にてインデクサ空間100に配置され、容器開口81の(-Y)側に隣接する。
【0046】
図5に示す例では、上下方向に略平行に伸びる略四角柱状の排気要素である排気口設置部78が、通過口131の(-Y)側においてインデクサ空間100に配置され、排気口設置部78の(+Y)側の側面に排気口77が設けられる。排気口設置部78の(+Y)側の側面に設けられる排気口77の数は、例えば1つであり、容器開口81の(-Y)側の側縁に沿って容器開口81の上端部から下端部まで上下方向に略平行に延びる。排気口77の上端は、容器開口81の上端よりも上側に位置し、排気口77の下端は、容器開口81の下端よりも下側に位置する。(+Y)側から見た排気口77の形状は、例えば、上下方向に長い略長方形である。排気口77の当該形状は、例えば、(-Y)側から見た噴出口72の形状と略同じである。なお、排気口設置部78および排気口77の形状は、上記例には限定されず、適宜変更されてよい。
【0047】
ガス排出部76は、排気口77から周囲の雰囲気を吸引して、基板処理装置1の外部へと排出する。換言すれば、ガス排出部76は、排気口77から排気を行う。具体的には、ガス排出部76は、容器開口81の(+X)側における容器開口81近傍の雰囲気を、排気口77を介して吸引する。これにより、ガス噴出部71の噴出口72から噴出された遮蔽用ガスが、キャリア8の容器開口81に沿って側方へと(すなわち、(-Y)側へと)流れやすくなり、遮蔽用ガスのガスカーテンによる容器開口81の遮蔽が、より好適に実現される。
【0048】
なお、基板処理装置1では、容器開口81の(-Y)側に噴出口72が設けられ、容器開口81の(+Y)側に排気口77が設けられてもよい。すなわち、Y方向を「幅方向」と呼ぶと、ガス噴出部71の噴出口72は、容器開口81の幅方向の一方側において容器開口81に隣接して設けられ、ガス排出部76の排気口77は、容器開口81の幅方向の他方側において容器開口81に隣接して設けられる。
【0049】
図7は、インデクサブロック10の(-X)側の側壁13を(+X)側から見た側面図である。図7に示す例では、Y方向に並ぶ4つのキャリア8のうち、(-Y)側から1番目のキャリア8と2番目のキャリア8との間に、噴出口設置部73が配置される。噴出口設置部73では、(-Y)側の側面および(+Y)側の側面に、上述の噴出口72がそれぞれ設けられる。噴出口設置部73の(-Y)側の側面に設けられた噴出口72からは、(-Y)側から1番目のキャリア8の容器開口81に沿って遮蔽用ガスが噴出される。噴出口設置部73の(+Y)側の側面に設けられた噴出口72からは、(-Y)側から2番目のキャリア8の容器開口81に沿って遮蔽用ガスが噴出される。
【0050】
(-Y)側から1番目および2番目のキャリア8のうち、片方を単にキャリア8と呼び、もう片方を他のキャリア8と呼ぶと、他のキャリア8は、キャリア8の幅方向の一方側において当該キャリア8に隣接して配置される。噴出口設置部73は、キャリア8と他のキャリア8との間に配置され、噴出口設置部73の幅方向の他方側の側面には、当該キャリア8の容器開口81に沿って遮蔽用ガスを噴出する噴出口72が設けられる。また、噴出口設置部73の幅方向の一方側の側面には、上記他のキャリア8の容器開口81である他の容器開口81に沿って遮蔽用ガスを噴出する他の噴出口72が設けられる。当該他の噴出口72は、他の容器開口81の幅方向の他方側において当該他の容器開口81に隣接して設けられる。
【0051】
図7に示す例では、Y方向に並ぶ4つのキャリア8のうち、(-Y)側から3番目のキャリア8と4番目のキャリア8との間にも、上述の噴出口設置部73が配置される。噴出口設置部73では、(-Y)側の側面および(+Y)側の側面に、上述の噴出口72がそれぞれ設けられる。噴出口設置部73の(-Y)側の側面に設けられた噴出口72からは、(-Y)側から3番目のキャリア8の容器開口81に沿って遮蔽用ガスが噴出される。噴出口設置部73の(+Y)側の側面に設けられた噴出口72からは、(-Y)側から4番目のキャリア8の容器開口81に沿って収納用ガスが噴出される。
【0052】
図7に示す例では、Y方向に並ぶ4つのキャリア8のうち、(-Y)側から2番目のキャリア8と3番目のキャリア8の間に、排気口設置部78が配置される。排気口設置部78では、(-Y)側の側面および(+Y)側の側面に、上述の排気口77がそれぞれ設けられる。排気口設置部78の(-Y)側の側面に設けられた排気口77からは、(-Y)側から2番目のキャリア8の容器開口81の(+X)側における当該容器開口81近傍の雰囲気が排気される。排気口設置部78の(+Y)側の側面に設けられた排気口77からは、(-Y)側から3番目のキャリア8の容器開口81の(+X)側における当該容器開口81近傍の雰囲気が排気される。
【0053】
図7に示す例では、Y方向に並ぶ4つのキャリア8のうち、(-Y)側から1番目のキャリア8の(-Y)側にも、排気口設置部78が配置される。当該排気口設置部78では、(+Y)側の側面に上述の排気口77が設けられ、(-Y)側から1番目のキャリア8の容器開口81の(+X)側における当該容器開口81近傍の雰囲気が、当該排気口77から排気される。また、Y方向に並ぶ4つのキャリア8のうち、(-Y)側から4番目のキャリア8の(+Y)側にも、排気口設置部78が配置される。当該排気口設置部78では、(-Y)側の側面に上述の排気口77が設けられ、(-Y)側から4番目のキャリア8の容器開口81の(+X)側における当該容器開口81近傍の雰囲気が、当該排気口77から排気される。
【0054】
図8は、一の噴出口設置部73を拡大して示す縦断面図である。噴出口設置部73では、上下方向に略平行に伸びる略直方体状の本体部731の内部に、Y方向にて隣接する2つのバッファ空間732が設けられる。2つのバッファ空間732は、それぞれ上下方向に略平行に伸びる略直方体状の空間であり、隔壁733によって互いに独立している。本体部731の(-Y)側の側壁および(+Y)側の側壁にはそれぞれ、上述の噴出口72が設けられる。図8中の(-Y)側の噴出口72は、2つのバッファ空間732のうち(-Y)側のバッファ空間732と連通しており、(+Y)側の噴出口72は(+Y)側のバッファ空間732と連通している。
【0055】
各バッファ空間732は、配管734およびバルブ735を介してガス供給源736に接続される。ガス供給源736から送出された遮蔽用ガスは、配管734およびバルブ735を介してバッファ空間732に供給され、噴出口72から噴出される。なお、上述のように、遮蔽用ガスと収納用ガスとが同じ種類である場合、ガス供給源736から送出されたガスは、上述の給気ポート83を介して、収納用ガスとしてキャリア8の内部空間80に供給されてもよい。この場合、ガス供給源736は、例えばロードポート11の内部に設けられてもよい。
【0056】
噴出口設置部73では、2つのバルブ735の開閉および開度の調節は、独立して行うことが可能である。2つのバルブ735が流量制御部737によって個別に制御されることにより、(-Y)側の噴出口72から噴出される遮蔽用ガスの流量と、(+Y)側の噴出口72から噴出される遮蔽用ガスの流量とが、個別に制御される。流量制御部737としては、例えば、CPU、ROM、RAM、固定ディスク、ディスプレイ、入力部、読取装置、通信部およびバス等を含む一般的なコンピュータシステムが利用可能である。また、流量制御部737の機能の全部または一部は、専用の電気回路により実現されてもよく、複数のコンピュータにより実現されてもよい。
【0057】
図1および図2に示す基板処理装置1では、未処理の基板9が、キャリア8からインデクサブロック10および載置ユニット40を経由して処理ブロック20に受け渡される。また、処理ブロック20にて処理された処理済みの基板9は、載置ユニット40およびインデクサブロック10を経由してキャリア8へと受け渡される。インデクサブロック10のインデクサ空間100には、キャリア8への基板9の搬出入を行うインデクサロボット12が配置される。
【0058】
インデクサロボット12は、搬送アーム121と、ベース122と、アーム支持部123と、移動機構124とを備える。図2に示す例では、インデクサロボット12は5本の搬送アーム121を備える。5本の搬送アーム121は、上下方向に離間しつつ配列された状態でベース122上に取り付けられる。ベース122は、アーム支持部123に取り付けられる。アーム支持部123には、ベース122を上下方向を向く回転軸を中心として回転させる回転機構(図示省略)が設けられる。当該回転機構は、例えばモータを備える。移動機構124は、アーム支持部123をY方向(すなわち、複数のキャリア8が配列される方向)、および、Z方向(すなわち、上下方向)に移動する機構である。移動機構124は、例えば、モータにより駆動されるボールねじ機構を備える。
【0059】
各搬送アーム121の先端には、平面視において略U字状のハンドが設けられる。当該ハンドは、例えば、幅方向に広がる基部と、当該基部の幅方向両端部から幅方向に垂直な長手方向に略平行に延びる2本の爪部とを備える。各搬送アーム121は、ハンドにより1枚の基板9の下面を支持する。各搬送アーム121は、ベース122に設けられた駆動機構(図示省略)によって、水平方向に沿って移動する。換言すれば、ハンドは、進退自在、昇降自在かつ回転自在にインデクサロボット12に設けられる。インデクサロボット12では、複数の搬送アーム121は、互いに独立して移動可能であってもよく、複数の搬送アーム121のうち、一部または全部の搬送アーム121が、互いに独立することなく、まとめて移動されてもよい。また、搬送アーム121の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
【0060】
インデクサロボット12は、ハンドにより基板9を保持する搬送アーム121を、ロードポート11に載置されたキャリア8にアクセスさせることにより、キャリア8に対する基板9の搬出入を行う第1搬送ロボットである。また、インデクサロボット12は、キャリア8と載置ユニット40との間で基板9の受け渡しを行う。第1搬送ロボットである。インデクサロボット12において各構成を移動させる機構は、上述の例には限定されず、様々に変更されてよい。
【0061】
インデクサブロック10の天蓋部には、インデクサ空間100にガスを供給して下向きに流れる気流(いわゆる、ダウンフロー)を形成する気流形成部102が設けられる。これにより、インデクサ空間100におけるパーティクルの巻き上げ等が抑制される。気流形成部102としては、例えば、FFU(ファン・フィルタ・ユニット)が利用される。
【0062】
載置ユニット40は、インデクサブロック10と処理ブロック20との接続部に設けられる。載置ユニット40には、インデクサブロック10から処理ブロック20へと受け渡される未処理の基板9が、一時的に載置される。また、載置ユニット40には、処理ブロック20からインデクサブロック10へと受け渡される処理済みの基板9が、一時的に載置される。
【0063】
処理ブロック20には、基板9の搬送に利用される搬送路23と、搬送路23の周囲に配置される複数の処理ユニット21とが設けられる。図1に示す例では、搬送路23は、処理ブロック20のY方向の中央にてX方向に延びる。搬送路23の内部空間230には、各処理ユニット21に対する基板9の搬出入を行う第2搬送ロボットであるセンターロボット22が配置される。搬送路23の周囲には、例えば、12個の処理ユニット21が配置される。各処理ユニット21は、1枚の基板9に対して所定の処理(例えば、エッチング処理)を行う枚様式の処理装置である。なお、処理ユニット21において基板9に対して行われる処理は、様々に変更されてよい。
【0064】
次に、図9を参照しつつ、基板処理装置1における基板9の処理の流れの一例について説明する。基板9の処理が行われる際には、まず、複数のキャリア8が複数のロードポート11上にそれぞれ載置される(ステップS11)。各キャリア8の内部空間80には、複数の未処理の基板9が上述のように収納されている。キャリア8の容器開口81は、上述の扉によって閉鎖されている。ロードポート11上に載置されたキャリア8の内部空間80には、給気ポート83から収納用ガスが継続的に供給される。
【0065】
続いて、キャリア8の上記扉、および、インデクサブロック10のスライドドア132が開放され、図4および図5に示すように、インデクサ空間100とキャリア8の内部空間80とが、通過口131および容器開口81を介して連通する。また、ガス噴出部71の噴出口72から遮蔽用ガスの噴出が開始され、容器開口81の(+X)側に遮蔽用ガスのガスカーテンが形成される(ステップS12)。これにより、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することが抑制される。噴出口72から噴出される遮蔽用ガスの流量は、流量制御部737(図8参照)によって所定の第1流量に調節されている。基板処理装置1では、容器開口81が開放されている間、噴出口72からの遮蔽用ガスの噴出が継続される。また、基板処理装置1では、遮蔽用ガスの噴出開始と並行して、ガス排出部76の排気口77からの排気が開始される。排気口77からの排気は、噴出口72からの遮蔽用ガスの噴出が継続される間、同調に継続される。
【0066】
次に、図10に示すように、インデクサロボット12の5つのハンド125が(-X)方向へと移動し、通過口131および容器開口81を介してキャリア8の内部空間80に挿入され、5枚の未処理の基板9の下面にそれぞれ接触する。そして、5つのハンド125が上昇することにより、5枚の基板9が基板支持部82から上方へと離間し、インデクサロボット12によって保持される。その後、5つのハンド125が(+X)方向へと移動することにより、図11に示すように、インデクサロボット12によって保持された5枚の基板9が、容器開口81および通過口131を介してキャリア8から搬出される(ステップS13)。なお、図11では、キャリア8から搬出される前の基板9のキャリア8内における位置を二点鎖線にて示す。容器開口81および通過口131を通過する際の基板9の上下方向の位置は、キャリア8内にて保持された状態の基板9の位置よりも上側にずれている。
【0067】
基板処理装置1では、噴出口72から噴出された遮蔽用ガスが容器開口81の(+X)側にて側方へと流れているため、遮蔽用ガスが容器開口81の上側から下方へと流れる場合に比べて、基板9の搬出時における遮蔽用ガスとハンド125および基板9との衝突が抑制される。これにより、遮蔽用ガスが基板9の主面等に沿ってキャリア8の内部空間80へと流入することが抑制され、インデクサ空間100の雰囲気が遮蔽用ガスと共にキャリア8の内部空間80に進入することが抑制される。
【0068】
基板処理装置1では、キャリア8からの基板9の搬出が行われる際に、噴出口72から噴出される遮蔽用ガスの流量が流量制御部737(図8参照)によって増大され、上述の第1流量よりも多い第2流量とされる。具体的には、例えば、(-X)方向へと移動するハンド125の先端が噴出口72の側方(すなわち、X方向における噴出口72と略同じ位置)を通過する際に、上述の遮蔽用ガスの流量が第1流量から第2流量へと変更され、第2流量にて維持される。そして、基板9を保持したハンド125が(+X)方向へと移動し、基板9の(-X)側の端部が噴出口72の側方を通過した後、遮蔽用ガスの流量が第2流量から第1流量へと変更される。
【0069】
キャリア8から搬出された未処理の基板9は、インデクサロボット12により、図1および図2に示す載置ユニット40に搬入され、載置ユニット40内に載置される。載置ユニット40内の未処理の基板9は、センターロボット22によって載置ユニット40から搬出され、処理ユニット21に1枚ずつ搬入される。処理ユニット21では、基板9に対する所定の処理が行われる(ステップS14)。
【0070】
処理済みの基板9は、センターロボット22によって処理ユニット21から搬出され、載置ユニット40に搬入されて載置ユニット40内に載置される。載置ユニット40内の処理済みの基板9は、インデクサロボット12によって載置ユニット40から搬出され、通過口131および容器開口81を介してキャリア8内に搬入される(ステップS15)。基板9のキャリア8内への搬入時における基板9およびインデクサロボット12の移動経路は、キャリア8からの基板9の搬出時における当該移動経路と略同じであり、移動方向は反対である。
【0071】
具体的には、5枚の処理済みの基板9を図11と略同様に保持するインデクサロボット12の5つのハンド125が、(-X)方向へと移動し、通過口131および容器開口81を介してキャリア8の内部空間80に挿入される。そして、5つのハンド125が下降することにより、図10と略同様に、5枚の基板9の下面の周縁部が、キャリア8の基板支持部82に接触し、キャリア8によって保持される。その後、5枚の基板9からそれぞれ下方に離間した5つのハンド125は、(+X)方向へと移動し、容器開口81および通過口131を介して、キャリア8の外部へと退避する。
【0072】
基板処理装置1では、基板9の搬入時においても、基板9の搬出時と略同様に、遮蔽用ガスとハンド125および基板9との衝突が抑制されるため、インデクサ空間100の雰囲気が遮蔽用ガスと共にキャリア8の内部空間80に進入することが抑制される。
【0073】
基板処理装置1では、キャリア8に対する基板9の搬入が行われる際に、噴出口72から噴出される遮蔽用ガスの流量が流量制御部737(図8参照)によって増大され、上述の第1流量よりも多い第3流量とされる。具体的には、例えば、(-X)方向へと移動する基板9の(-X)側の端部が噴出口72の側方を通過する際に、遮蔽用ガスの流量が第1流量から第3流量へと変更され、第3流量にて維持される。そして、基板9をキャリア8内に載置したハンド125が(+X)方向へと移動し、ハンド125の先端がが噴出口72の側方を通過した後、遮蔽用ガスの流量が第3流量から第1流量へと変更される。
【0074】
上述のように、基板処理装置1では、キャリア8に対する基板9の搬出入時における遮蔽用ガスの流量(すなわち、第2流量および第3流量)が、キャリア8に対する基板9の非搬出入時における遮蔽用ガスの流量(すなわち、第1流量)よりも多くされる。これにより、容器開口81近傍における基板9の移動に伴う気流等の影響により、インデクサ空間100の雰囲気が容器開口81に到達することを好適に抑制することができる。その結果、キャリア8に対する基板9の搬出入時に、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを好適に抑制することができる。
【0075】
なお、第3流量は、第2流量と同じであってもよく、第2流量よりも多くても少なくてもよい。本実施の形態では、第3流量は第2流量よりも多くされる。これにより、基板9のキャリア8への搬入時において、インデクサ空間100の雰囲気が、(-X)方向に向かって移動する基板9およびハンド125と共にキャリア8の内部空間80へと押し込まれることを好適に抑制することができる。
【0076】
基板処理装置1では、収納予定の全ての処理済みの基板9がキャリア8に搬入されると、キャリア8の上記扉、および、インデクサブロック10のスライドドア132が閉鎖される。また、ガス噴出部71の噴出口72から遮蔽用ガスの噴出が停止される(ステップS16)。また、ガス排出部76の排気口77からの排気も停止される。
【0077】
以上に説明したように、基板処理装置1は、インデクサブロック10と、処理ブロック20と、ガス噴出部71とを備える。インデクサブロック10には、第1搬送ロボット(すなわち、インデクサロボット12)が配置される。インデクサロボット12は、基板収納容器(すなわち、キャリア8)に対して、キャリア8の手前側(上記例では、(+X)側)の側面に設けられた容器開口81を介して基板9の搬出入を行う。キャリア8は、ロードポート11上に配置される。キャリア8は、上下方向に配列された複数の基板9を内部空間80に収納する。処理ブロック20には、基板9を処理する処理ユニット21、および、処理ユニット21に対する基板9の搬出入を行う第2搬送ロボット(すなわち、センターロボット22)が配置される。
【0078】
ガス噴出部71は、容器開口81の幅方向(上記例では、Y方向)の一方側において容器開口81に隣接して設けられた噴出口72から、容器開口81に沿って遮蔽用ガスを噴出する。これにより、上述のように、基板9のキャリア8に対する搬出入時に、遮蔽用ガスと基板9との衝突が抑制されるため、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを抑制することができる。これにより、キャリア8の内部空間80を所望の雰囲気(例えば、インデクサ空間100の雰囲気よりも低湿度雰囲気かつ低酸素雰囲気)に維持することができる。
【0079】
基板処理装置1では、好ましくは、インデクサブロック10内に下向きの気流が形成されている。当該下向きの気流(すなわち、ダウンフロー)は、キャリア8に対する基板9の搬出入時に、基板9の上面に衝突して当該上面に沿ってキャリア8に向かって流れる。したがって、基板9のキャリア8に対する搬出入時にインデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを抑制することができる基板処理装置1の構造は、上記ダウンフローがインデクサブロック10内に形成される場合に特に適している。
【0080】
基板処理装置1では、キャリア8の奥側(上記例では、(-X)側)から内部空間80に収納用ガスが供給されることが好ましい。上述のように、基板処理装置1では、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを抑制することができるため、キャリア8の内部空間80における収納用ガス雰囲気を好適に維持することができる。
【0081】
より好ましくは、遮蔽用ガスと収納用ガスとは同じ種類のガスであり、同一のガス供給源から供給される。これにより、基板処理装置1の構造を簡素化することができる。
【0082】
上述のように、ガス噴出部71は、遮蔽用ガスを容器開口81に沿って水平に噴出することが好ましい。これにより、噴出された遮蔽用ガスが、搬出入時の基板9の主面に衝突することがさらに抑制され、基板9の主面に沿って側方へと滑らかに流れる。その結果、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを好適に抑制することができる。
【0083】
上述のように、ガス噴出部71は、容器開口81に沿うとともにキャリア8から手前側に離れる方向に遮蔽用ガスを噴出することが好ましい。これにより、インデクサ空間100からキャリア8に向かって流れる雰囲気が、噴出口72から噴出された遮蔽用ガスによって押し戻される。その結果、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを好適に抑制することができる。
【0084】
上述のように、噴出口72は、容器開口81の側縁に沿って容器開口81の上端部から下端部まで上下方向に延びる1つの噴出口であることが好ましい。これにより、容器開口81の上下方向のいずれの位置においても、遮蔽用ガスの略均等な流れを実現することができる。その結果、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを好適に抑制することができる。なお、上述の例では、Y方向から見た噴出口72の形状は略長方形であるが、例えば、容器開口81の上端部から下端部まで上下方向に延びる1つのスリット状であってもよい。あるいは、噴出口72は、それぞれが容器開口81の上端部から下端部まで上下方向に延びるとともに、X方向に互いに離間しつつ配列された複数のスリット状の開口を備えていてもよい。
【0085】
上述のように、基板処理装置1は、容器開口81の幅方向の他方側において容器開口81に隣接して設けられた排気口77から排気を行うガス排出部76をさらに備えることが好ましい。これにより、噴出口72から噴出された遮蔽用ガスが、キャリア8の容器開口81に沿って側方へと流れやすくなる。その結果、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを好適に抑制することができる。
【0086】
上述のように、ガス噴出部71は、噴出口72から噴出される遮蔽用ガスの流量を制御する流量制御部737を備えることが好ましい。これにより、遮蔽用ガスの流量を状況に合わせて適切な量とすることができるため、遮蔽用ガスの使用量を低減しつつ、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを好適に抑制することができる。
【0087】
好ましくは、流量制御部737による制御により、キャリア8に対する基板9の搬出入時における遮蔽用ガスの流量(上記例では、第2流量および第3流量)が、キャリア8に対する基板9の非搬出入時における遮蔽用ガスの流量(上記例では、第1流量)よりも大きくされる。これにより、遮蔽用ガスの使用量を好適に低減しつつ、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを好適に抑制することができる。
【0088】
基板処理装置1では、上述のように、他の容器開口81を有する他のキャリア8が、キャリア8の幅方向の一方側において当該キャリア8に隣接して配置される。ガス噴出部71は、当該他の容器開口81の幅方向の他方側において当該他の容器開口81に隣接して設けられた他の噴出口72から、当該他の容器開口81に沿って遮蔽用ガスを噴出することが好ましい。また、噴出口72および当該他の噴出口72はそれぞれ、容器開口81と他の容器開口81との間に配置された噴出要素(すなわち、噴出口設置部73)の幅方向の他方側の側面、および、幅方向の一方側の側面に設けられることが好ましい。これにより、ガス噴出部71の構造を簡素化することができる。
【0089】
より好ましくは、ガス噴出部71は、噴出口72から噴出される遮蔽用ガスの流量と、上記他の噴出口72から噴出される遮蔽用ガスの流量とを個別に制御する流量制御部737を備える。これにより、複数のキャリア8のそれぞれにおける基板9の搬出入の状況等に合わせて、遮蔽用ガスの流量を適切に制御することができる。その結果、遮蔽用ガスの使用量を好適に低減しつつ、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを好適に抑制することができる。
【0090】
上述の基板処理方法は、上下方向に配列された複数の基板9を内部空間80に収納する基板収納容器(すなわち、キャリア8)をロードポート11上に載置する工程(ステップS11)と、キャリア8の手前側(上記例では、(+X)側)の側面に設けられた容器開口81を介してキャリア8から基板9を搬出する工程(ステップS13)と、容器開口81を介してキャリア8に基板9を搬入する工程(ステップS15)と、を備える。そして、ステップS13およびステップS15が行われる際に、容器開口81の幅方向の一方側において容器開口81に隣接して設けられた噴出口72から容器開口81に沿って遮蔽用ガスが噴出される。これにより、上述のように、基板9のキャリア8に対する搬出入時に、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを抑制することができる。
【0091】
上述の基板処理方法では、ステップS13とステップS15との間において、基板9に対する所定の処理が行われる(ステップS14)。これにより、キャリア8内の未処理の基板9および処理済みの基板9に、インデクサ空間100の雰囲気によるめっき膜の酸化等の悪影響が生じることを抑制することができる。
【0092】
上述のように、ガス噴出部71では、噴出口72の形状は様々に変更されてよい。例えば、図12に示す噴出口72aは、容器開口81の側縁に沿って上下方向に略平行に配列される複数の噴出孔721を備える。複数の噴出孔721は、互いに離間しており、略等間隔に配置される。Y方向から見た各噴出孔721の形状は、例えば略円形である。噴出孔721の当該形状は、様々に変更されてよい。
【0093】
基板処理装置1では、複数の噴出孔721からキャリア8の容器開口81に沿って噴出された遮蔽用ガスにより、容器開口81の(+X)側において側方に流れるガスカーテンが形成され、当該ガスカーテンにより容器開口81が(+X)側から遮蔽される。これにより、上記と略同様に、基板9のキャリア8に対する搬出入時に、遮蔽用ガスと基板9との衝突が抑制されるため、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することを抑制することができる。
【0094】
図13は、キャリア8に対して搬出入される際の基板9と噴出口72aの複数の噴出孔721との位置関係を示す図である。複数の噴出孔721の上下方向(すなわち、Z方向)の位置はそれぞれ、5つのハンド125に保持された5枚の基板9の上下方向の位置と異なる。図13に示す例では、Y方向から見た場合の当該5枚の基板9は、複数の噴出孔721のいずれとも重なっておらず、当該5枚の基板9が位置する上下方向の領域では、基板9と噴出孔721とが1つずつ交互に上下方向に並ぶ。これにより、基板9の搬出入時における遮蔽用ガスと基板9との衝突がさらに抑制される。なお、5つのハンド125に保持された5枚の基板9の上下方向の位置は、二点鎖線にて示すキャリア8によって保持される際の当該5枚の基板9の上下方向の位置よりも上側である。
【0095】
以上に説明したように、図12および図13に示す例では、噴出口72aは、容器開口81の側縁に沿って上下方向に配列される複数の噴出孔721を備える。そして、複数の噴出孔721はそれぞれ、第1搬送ロボット(すなわち、インデクサロボット12)によって基板収納容器(すなわち、キャリア8)に搬出入される際の基板9の上下方向の位置とは異なる位置に配置される。これにより、基板9のキャリア8に対する搬出入時に、遮蔽用ガスと基板9との衝突がさらに抑制される。その結果、インデクサ空間100の雰囲気がキャリア8の内部空間80に進入することをさらに抑制することができる。
【0096】
上述の基板処理装置1および基板処理方法では、様々な変更が可能である。
【0097】
例えば、図8に示す噴出口設置部73では、(+Y)側の噴出口72から噴出される遮蔽用ガスの流量と、(-Y)側の噴出口72から噴出される遮蔽用ガスの流量とは、個別に制御される必要はなく、これら2つの流量は常に略同じであってもよい。噴出口設置部73に上述の複数の噴出孔721(図12および図13参照)が設けられる場合についても同様である。
【0098】
基板処理装置1では、噴出口72から噴出される遮蔽用ガスの流量は、キャリア8に対する基板9の搬出入時と非搬出入時とで同じであってもよい。この場合、流量制御部737は省略されてもよい。噴出口72aについても同様である。
【0099】
基板処理装置1では、キャリア8に対する基板9の搬入時以外(すなわち、基板9の非搬出入時)は、噴出口72,72aからの遮蔽用ガスの噴出は停止されてもよい。
【0100】
基板処理装置1では、必ずしも、(+Y)側および(-Y)側に噴出口72,72aを有する噴出口設置部73が設けられる必要はない。例えば、各キャリア8について、容器開口81の(+Y)側に、当該容器開口81に沿って遮蔽用ガスを噴出する噴出口72または噴出口72aが設けられ、容器開口81の(-Y)側に排気口77が設けられてもよい。
【0101】
基板処理装置1では、排気口77およびガス排出部76は必ずしも設けられる必要はなく、省略されてもよい。
【0102】
噴出口72からの遮蔽用ガスの噴出方向は、必ずしも水平である必要はなく、水平面に対して斜め上または斜め下に少し傾斜していてもよい。例えば、X方向から見た場合、噴出口72からの遮蔽用ガスの噴出方向とY方向との間の角度(鋭角)は、30°以下であることが好ましい。噴出口72aについても同様である。
【0103】
基板処理装置1では、収納用ガスと遮蔽用ガスとは同一のガス供給源から供給される必要はなく、異なるガス供給源から供給されてもよい。収納用ガスと遮蔽用ガスとは必ずしも同じ種類のガスである必要はなく、異なる種類のガスであってもよい。
【0104】
キャリア8の内部空間80に対する収納用ガスの供給は、必ずしも行われる必要はなく、省略されてもよい。
【0105】
インデクサブロック10では、インデクサ空間100におけるダウンフローの形成は、必ずしも行われる必要はなく、省略されてもよい。
【0106】
処理ユニット21は、複数の基板9に対して同時に処理を行うバッチ式の処理装置であってもよい。
【0107】
上述の基板処理装置1は、半導体基板以外に、液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等の平面表示装置(Flat Panel Display)に使用されるガラス基板、あるいは、他の表示装置に使用されるガラス基板の処理に利用されてもよい。また、上述の基板処理装置1は、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板および太陽電池用基板等の処理に利用されてもよい。
【0108】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0109】
1 基板処理装置
8 キャリア
9 基板
10 インデクサブロック
11 ロードポート
12 インデクサロボット
20 処理ブロック
21 処理ユニット
22 センターロボット
71 ガス噴出部
72,72a 噴出口
73 噴出口設置部
76 ガス排出部
77 排気口
80 (キャリアの)内部空間
81 容器開口
721 噴出孔
736 ガス供給源
737 流量制御部
S11~S16 ステップ
図1
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