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特開2024-165640使用済み衛生用品の処理装置用分離機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165640
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】使用済み衛生用品の処理装置用分離機
(51)【国際特許分類】
   B09B 5/00 20060101AFI20241121BHJP
   B09B 3/70 20220101ALI20241121BHJP
   B01F 29/63 20220101ALI20241121BHJP
   B01F 23/53 20220101ALI20241121BHJP
   B01F 35/53 20220101ALI20241121BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20241121BHJP
   B01F 35/75 20220101ALI20241121BHJP
   B02C 17/00 20060101ALI20241121BHJP
   B09B 101/67 20220101ALN20241121BHJP
【FI】
B09B5/00 Z ZAB
B09B3/70
B01F29/63
B01F23/53
B01F35/53
B01F35/71
B01F35/75
B02C17/00 D
B09B101:67
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082002
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】507394639
【氏名又は名称】株式会社サムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阪田 勇
(72)【発明者】
【氏名】岡野 公美
(72)【発明者】
【氏名】鴨沢 卓郎
(72)【発明者】
【氏名】阪田 乾仁
(72)【発明者】
【氏名】阪田 光子
【テーマコード(参考)】
4D004
4D063
4G035
4G036
4G037
【Fターム(参考)】
4D004AA06
4D004AA07
4D004AA12
4D004BA07
4D004BA09
4D004CA10
4D004CA15
4D004CA34
4D004CA46
4D004CB28
4D004CC03
4D004CC11
4D004DA03
4D004DA20
4D063FF02
4D063FF26
4D063FF37
4D063GA10
4G035AB43
4G035AE13
4G036AA04
4G036AA06
4G037AA02
4G037AA03
4G037AA11
4G037EA05
(57)【要約】
【課題】本発明は、使用済み衛生用品を効率よく解体して、処理する時間を短縮することができる使用済み衛生用品の処理装置用分離機を提供する。
【解決手段】本発明の使用済み紙衛生用品の処理装置用分離機3は、筐体6に固定された外胴分離槽7内に回転可能に支持されて、投入された使用済み紙おむつ2を処理液34とともに回転・撹拌する内胴分離槽8を備え、使用済み紙おむつ2を構成する複数種の素材に分離する使用済み紙おむつの処理装置用分離機3であって、内胴分離槽8には、該内胴分離槽8内の下部側33から少なくとも内胴分離槽8内の処理液34の液面9近傍より上方の上部側36に使用済み衛生用品2を掻き上げて、内胴分離槽8内の上部側36から下部側33に向けて落下させて、使用済み衛生用品2に衝撃力を加える掻き上げ突起10を、内胴分離槽8の内壁11に設けたことを特徴とする。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に固定された外胴分離槽内に回転可能に支持されて、投入された使用済み衛生用品を処理液とともに回転・撹拌する内胴分離槽を備え、前記使用済み衛生用品を、該衛生用品を構成する複数種の素材に分離する使用済み衛生用品の処理装置用分離機であって、
前記内胴分離槽内の下部側から少なくとも前記内胴分離槽内の前記処理液の液面近傍より上方の上部側に前記使用済み衛生用品を掻き上げて、前記内胴分離槽内の上部側から下部側に向けて落下させて、前記使用済み衛生用品に衝撃力を加える掻き上げ突起を、前記内胴分離槽の内壁に設けたことを特徴とする使用済み衛生用品の処理装置用分離機。
【請求項2】
前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の回転方向前方側であって、前記内胴分離槽の回転中心側に向けて延設されて前記使用済み衛生用品を前記内胴分離槽の下部側から上部側に持ち上げる掻き上げ面と、該掻き上げ面の前記内胴分離槽の回転中心側の先端側に設けられて前記使用済み衛生用品を引っ掛ける引掛け角部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の使用済み衛生用品の処理装置用分離機。
【請求項3】
前記内胴分離槽内に投入された使用済み衛生用品に少なくとも水とカルシウム化合物と殺菌剤とからなる分解水を供給する分解水供給部と、
前記外胴分離槽の下部側と連通され前記外胴分離槽内の前記分解水とともに汚物を含む排水を排出する排出部と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の使用済み衛生用品の処理装置用分離機。
【請求項4】
前記処理液の液面が、前記内胴分離槽の回転中心より下部側であり、
前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の下部側位置から少なくとも前記処理液の液面より上部側から前記使用済み衛生用品が前記処理液の液面上に前記使用済み衛生用品を落下させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の使用済み衛生用品の処理装置用分離機。
【請求項5】
前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の最下部側から回転方向に60度の位置から150度の位置の間で、前記使用済み衛生用品を前記処理液の液面に落下させることを特徴とする請求項4に記載の使用済み衛生用品の処理装置用分離機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転する分離槽内で、処理液を供給しながら衛生用品を構成する素材に使用済み衛生用品を分解する使用済み衛生用品の処理装置用分離機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、衛生用品として尿取りパッドや使い捨ての紙おむつが使用されている。衛生用品である紙製のおむつは、パルプ等からなる吸収体と、吸収体が吸収した水分を保持する高分子吸収体(高分子ポリマー)と、これらを包む防水材(プラスチック)などの素材から構成されている。また、尿取りパッド等もパルプからなる吸収体と、吸収体が吸収した水分を保持する高分子吸収体(高分子ポリマー)と、これらを包む防水材(プラスチック)などの素材から構成されている。これらの使用した後の使用済み紙おむつや尿取りパッド等の衛生用品は、現状では一般廃棄物として処理(処分)されている。
【0003】
しかし、これらの使用済み紙おむつや尿取りパッド等の衛生用品をそのまま一般廃棄物として、例えば焼却処分すると有害物質が生成されたり、埋め立て処分すると感染物質等により土壌が悪化する可能性がある。
【0004】
そこで、衛生的、環境的な観点から、衛生用品を素材ごとに分解して処理する衛生用品の処理装置が、特許文献1で提案されている。特許文献1で提案されている使用済み紙おむつの処理装置では、回転するドラム内で、使用済み紙おむつを処理液と混合させることで、パルプ、高分子ポリマー、プラスチック等の素材に解体している。
【0005】
特許文献1に記載の処理装置では、回転ドラム内に使用済み紙おむつを投入した状態で、所定濃度の処理液を処理室内に所定量供給し、使用済み紙おむつを処理液にドラム内で浸漬させた後にドラムを回転させて使用済み紙おむつを各素材に解体している。回転ドラムを回転させて解体される紙おむつには、展開状態の紙おむつを体に装着した後に体の両側でテープにより連結するいわゆるテープ型のものと、下着のように予めパンツ状に形成したパンツ型とがある。回転ドラム内では、テープ型の紙おむつ、パンツ型の紙おむつが混在した状態で処理液に浸漬され解体される。
【0006】
また、特許文献1に記載の処理装置では、回転ドラムの内壁に複数の撹拌突起を設けることにより、使用済み紙おむつを引っ掛けて解体するとともに撹拌している。この撹拌用の突起は、回転ドラムの軸方向に沿って長尺で、回転ドラムの内壁から周方向に等間隔で複数個形成されている。
【0007】
そして、回転ドラムの回転により撹拌突起が、回転ドラムの下部側から使用済みおむつを引っ掛けて掻き上げ、撹拌突起が回転ドラムの上部側に位置したときに、撹拌突起に引っ掛けられた使用済み紙おむつが回転ドラムの下部側に落下することで使用済み紙おむつを解体している。使用済み紙おむつが回転ドラムの上部側に位置した撹拌突起から下部側に落下することで使用済み紙おむつが回転ドラム内の処理液の液面上に衝突して、使用済み紙おむつが解体される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3569260号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、使用済み紙おむつを回転ドラムの下部側から上部側に掻き上げて、回転ドラムの下部側に落下させる際に、撹拌突起により確実に掻き上げられずに使用済み紙おむつが回転ドラムの下部側に停滞すると、使用済み紙おむつの解体に時間がかかり、使用済み紙おむつの処理時間(解体時間)がかかるという問題を有している。
【0010】
また、撹拌突起から回転ドラムの下部側に落下する距離(高さ)が短いと、撹拌突起に引っ掛けられた使用済み紙おむつが直ぐに回転ドラムの下部側に落下してしまう。この場合、回転ドラム内の処理液の液面に衝突したときの使用済み紙おむつへの衝撃力が小さいので、使用済み紙おむつを効率よく解体することができない。
【0011】
そこで、本発明は、使用済み衛生用品を効率よく解体して、処理する時間を短縮することができる使用済み衛生用品の処理装置用分離機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の態様は、筐体に固定された外胴分離槽内に回転可能に支持されて、投入された使用済み衛生用品を処理液とともに回転・撹拌する内胴分離槽を備え、前記使用済み衛生用品を、該衛生用品を構成する複数種の素材に分離する使用済み衛生用品の処理装置用分離機であって、前記内胴分離槽には、該内胴分離槽内の下部側から少なくとも前記内胴分離槽内の前記処理液の液面近傍より上方の上部側に前記使用済み衛生用品を掻き上げて、内胴分離槽内の上部側から下部側に向けて落下させて、前記使用済み衛生用品に衝撃力を加える掻き上げ突起を、前記内胴分離槽の内壁に設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の態様は、前記掻き上げ突起には、前記内胴分離槽の回転方向前方側であって、前記内胴分離槽の回転中心側に向けて延設されて前記使用済み衛生用品を前記内胴分離槽の下部側から上部側に持ち上げる掻き上げ面と、該掻き上げ面の前記内胴分離槽の回転中心側の先端側に設けられて前記使用済み衛生用品を引っ掛ける引掛け角部と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の態様は、前記内胴分離槽内に投入された使用済み衛生用品に少なくとも水とカルシウム化合物と殺菌剤とからなる分解水を供給する分解水供給部と、前記外胴分離槽の下部側と連通され前記外胴分離槽内の前記分解水とともに前記汚物を含む排水を排出する排出部と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の第4の態様は、前記処理液の液面が、前記内胴分離槽の回転中心より下部側であり、前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の下部側位置から少なくとも前記処理液の液面より上部側であって、前記使用済み衛生用品が前記処理液の液面上に前記使用済み衛生用品を落下させることを特徴とする。
【0016】
本発明の第5の態様は、前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の下部側から回転方向に60度の位置から150度の位置の間で、前記使用済み衛生用品を前記処理液の液面に落下させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、内胴分離槽内の下部側から少なくとも内胴分離槽内の処理液の液面近傍より上方の上部側に使用済み衛生用品を掻き上げて、内胴分離槽内の上部側から下部側に向けて落下させて、使用済み衛生用品に衝撃力を加える掻き上げ突起を内胴分離槽の内壁に設けたことにより、使用済み紙おむつを効率よく解体して、処理する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明に係る使用済み衛生用品の処理装置用分離機が用いられた使用済み衛生用品の処理装置を示す概略構成図。
図2図2は、本発明に係る使用済み衛生用品の処理装置用分離機を示す背面図。
図3図3は、本発明に係る使用済み衛生用品の処理装置用分離機を示す正面図。
図4図4は、本発明に係る使用済み衛生用品の処理装置用分離機を示し、一部を破断した側面図。
図5図5は、本発明に係る使用済み衛生用品の処理装置用分離機の内胴分離槽を支持する軸支持部を示す断面図。
図6図6は、分離機の内胴分離槽内に使用済み紙おむつを投入し、処理液を供給した分解初期時の状態を示す説明図。
図7図7は、本発明に係る使用済み衛生用品の処理装置用分離機の内胴分離槽内に設けられた掻き上げ突起を示す斜視図。
図8図8は、掻き上げ突起を示し、内胴分離槽の軸方向に対して交差する方向に切断した断面図。
図9図9は、分解初期時の内胴分離槽内の使用済み紙おむつの状態を示す説明図。
図10図10は、分解終了期時の内胴分離槽内の使用済み紙おむつの状態を示す説明図。
図11図11は、掻き上げ突起の他の形状の例を示す斜視図。
図12図12は、掻き上げ突起の他の形状の例を示す斜視図。
図13図13は、掻き上げ突起の他の形状の例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る使用済み衛生用品の処理装置用分離機の実施の形態について説明する。使用済み衛生用品の処理装置(以下、「処理装置」という)は、使用済み衛生用品としての例えば使用済み紙おむつを構成する複数種の素材と、使用済み紙おむつに吸収されている汚物とを分離し、分離した素材を回収する。
【0020】
本実施の形態において処理される衛生用品としての使用済み紙おむつは、表面材、漏れ防止のギャザー、吸水材、防水材、その他によって構成されている。表面材は、ポリエステルやポリプロピレンの不織布などが使用されている。漏れ防止ギャザーは不織布と伸縮素材が使用されている。吸水材は、吸水紙、綿状パルプ、高分子吸収材などの組み合わせで構成されている。防水材は、紙おむつの外側を覆う防水シートで合成繊維等からなる不織布が使用されている。その他に、紙おむつを止める粘着テープ、止着材等が使用されている。
【0021】
本実施の形態において、素材とは、紙おむつの高分子吸収体、表面材、立体ギャザー等に用いられているプラスチック、吸水紙等に用いられているパルプ、粘着テープやゴム等のその他を意味する。また、本実施の形態において処理される使用済み紙おむつには、いわゆるテープ型の紙おむつ、パンツ型の紙おむつが含まれる。
【0022】
また、本実施の形態における処理装置に用いられる処理液としての分解水は、分解剤としての石灰と、消毒剤(殺菌剤)としての次亜塩素酸と、水とを混合したものであり、処理する使用済み紙おむつの種類、処理する使用済み紙おむつの量によって、石灰、次亜塩素酸、水の配合量が設定されている。また、必要に応じて、洗浄剤や漂白剤等の添加剤を加えてもよい。
【0023】
なお、分解水として石灰と水とを混合したものを用い、消毒剤としての次亜塩素酸は、石灰と水とを混合した分解水とは別に処理装置に供給してもよい。本実施の形態では、分解剤としての石灰と、水と、消毒剤としての次亜塩素酸とを混合したものを分解水としている。以下、本実施の形態の分離機が用いられた処理装置について説明する。本実施の形態では、衛生用品として使用済み紙おむつを処理する例について説明する。
【0024】
[処理装置1]
図1は、分離機3が用いられた処理装置1の全体の構成を示す。同図に示すように、処理装置1は、使用済み衛生用品としての使用済み紙おむつ2を紙おむつを構成する素材に分解する分離機3と、分離機3内の分解水とともに汚物を含む排水を外部へ排出する排出部4と、分離機3によって分離された素材が投入され乾燥させることで紙おむつを構成する少なくともパルプとプラスチックを選別する選別機5とを備えている。
【0025】
[本実施の形態の分離機3の特徴]
本実施の形態の分離機3は、筐体6に固定された外胴分離槽7内に回転可能に支持されて、投入された使用済み衛生用品を処理液34とともに回転・撹拌する内胴分離槽8を備えている。内胴分離槽8内で、使用済み紙おむつ2は、紙おむつを構成する複数種の素材に分離される。
【0026】
また、本実施の形態の分離機3は、内胴分離槽8に、この内胴分離槽8内の下部側から少なくとも内胴分離槽8内の処理液34の液面9近傍より上方の上部側36に使用済みおむつ2を掻き上げて、内胴分離槽8内の上部側36から下部側33に向けて落下させて、使用済み衛生用品に衝撃力を加える掻き上げ突起10が内胴分離槽8の内壁11に設けられている。以下、本実施の形態の処理装置1に用いられた分離機3について説明する。
【0027】
[分離機3]
図1図4に示すように、分離機3は、床67上に置かれた基台68上に防振部材69を介して設置されており、基台68上の筐体6に固定された外胴分離槽7と、外胴分離槽7内に回転自在に配置された内胴分離槽8と、処理液34を外胴分離槽7内に供給する処理液供給部14と、処理液34とともに汚物を含む排水を排出する排出部4とで構成されている。外胴分離槽7は、円筒状で、一方の端面に筐体6に設けた投入・取出口15に連通する開口部16が形成され、他方の端面は裏面板17により閉塞されている。投入・取出口15が投入・取出扉18によって閉じている状態では、外胴分離槽7は内部が密封されている。
【0028】
内胴分離槽8は、外胴分離槽7の内径より小さい内径の円筒形状で、外周面(側面)全体に小径の穴が、パンチング等によって形成されている。内胴分離槽8の一方の端面が筐体6の前面側に位置し、他方の端面が筐体6の後面側に位置している。内胴分離槽8の一方の端面側には、筐体6の投入・取出口15と連通する開口部19が形成されている。内胴分離槽8の他方の端面側からは、回転駆動軸20が外胴分離槽7の裏面板17を貫通して後面側に向けて突出している。裏面板17を貫通し後面側に向けて突出した回転駆動軸20は、裏面板17の後面側に設けられた軸支持部21によって回転可能に支持されている。
【0029】
図5に示すように、軸支持部21は、外胴分離槽7の裏面板17に支持フレーム22で固定された筒状のベアリングケース23と、このベアリングケース23の裏面板17側と後面側で回転駆動軸20を回転可能に支持するベアリング24、25とで形成されている。ベアリングケース23は、裏面板17側の前側ケース26と、後面側の後側ケース27とで形成され、これらの前側ケース26と後側ケース27とは、中央部分で連結されて一体化されている。これらの前側ケース26と後側ケース27の内部に回転駆動軸20が挿通されている。
【0030】
前側ケース26の内側にスリーブ28を介して回転駆動軸20の裏面板17側を回転可能に支持するベアリング24が設けられ、後側ケース27の内側には回転駆動軸20の後面側を回転可能に支持するベアリング25が設けられている。前側ケース26から突出し、裏面板17を貫通した回転駆動軸20の先端部には、内胴分離槽8の背面側中央部が連結されている。また、後側ケース27から突出した回転駆動軸20の先端側にはプーリ29が取り付けられている。プーリ29には、モータ30からの回転駆動力が伝達されている。
【0031】
モータ30は、図1図2に示すように、分離機3内の上部側であって回転駆動軸20の直上に配置され、筐体6に固定されている。このモータ30の駆動軸31と、回転駆動軸20の先端に取り付けられたプーリ29との間に、伝達ベルト32が巻きかけられている。そして、モータ30の回転駆動力が、伝達ベルト32、プーリ29を介して回転駆動軸20に伝達されて、内胴分離槽8が外胴分離槽7内で回転し、内胴分離槽8内に投入された使用済み紙おむつ2を処理液34とともに撹拌する。
【0032】
図6に示すように、内胴分離槽8に、この内胴分離槽8内の下部側33から少なくとも内胴分離槽8内の処理液34の液面9の近傍より上方の上部側36に使用済み紙おむつ2を掻き上げて、内胴分離槽8内の上部側36から下部側33に向けて落下させて、使用済み紙おむつ2に衝撃力を加える掻き上げ突起10が、内胴分離槽8の内壁11に設けられている。
【0033】
掻き上げ突起10は、内胴分離槽8の回転軸方向に沿って長尺状で、内胴分離槽8の回転軸方向に向かって内壁11から突出して設けられている。また、この掻き上げ突起10は、内胴分離槽8の周方向に等間隔で6カ所に設けられている。掻き上げ突起10には、内胴分離槽8の回転方向前方側であって、内胴分離槽8の回転中心37側に向けて延設されて使用済み紙おむつを内胴分離槽8の下部側33から上部側36に持ち上げる掻き上げ面12と、この掻き上げ面12の内胴分離槽8の回転中心37側の先端側に設けられて使用済み紙おむつ2を引っ掛ける引掛け角部13とを有している。
【0034】
掻き上げ突起10は、内胴分離槽8の回転軸に対して交差した断面が、台形形状に形成され、内胴分離槽8の回転方向Aの前方側には、内壁11への取付部38が形成され、この取付部38から内胴分離槽8の軸方向に向けて後述する掻き上げ面12が設けられている。また、内胴分離槽8の回転方向の後方側には、内壁11への取付部39が形成され、この取付部39から内胴分離槽8の軸方向に向けて支持部40が形成されている。さらに、掻き上げ面12と支持部40とは、連結頂部41で連結されている。
【0035】
そして、処理液34の液面9は、内胴分離槽8の回転中心37より下部側33であり、掻き上げ突起10は、前記内胴分離槽8の下部側33の位置から少なくとも処理液34の液面9より上部側36であって、処理液34の液面9上に使用済み紙おむつ2を落下させる。具体的には、掻き上げ突起10は、内胴分離槽8の下部側33から回転方向に略30度の位置から略160度の位置の間で、使用済み紙おむつ2を処理液34の液面35に落下させる。
【0036】
使用済み紙おむつ2は、一般家庭や、病院、老人ホーム等から集積された後に、図1に示すように、計量コンベア42によって計量されて所定量の重さの一塊とされる。この一塊とされた使用済み紙おむつ2が、投入機43によって吊り下げられ、分離機3の前面側まで移動され、投入・取出口15から筐体6の内部、すなわち内胴分離槽8内に投入される。使用済み紙おむつ2が投入された内胴分離槽8内には、処理液供給部14によって分解水、洗剤が供給される。
【0037】
処理液供給部14は、分解水タンク44と、洗剤タンク45と、分解水供給口46と、供給ポンプ47と、管路48、49とで構成されている。分解水タンク44には、所定の割合に調合された分解水と水と殺菌剤とを混合した処理液34としての分解水が貯留されている。この分解水は、ポンプ47によって内胴分離槽8内に供給される。内胴分離槽8内に分解水が供給される際には、内胴分離槽8は、所定の回転数で回転している。
【0038】
使用済み紙おむつ2が投入され、所定の回転数で回転駆動している状態で処理液が供給された内胴分離槽8内では、使用済み紙おむつ2が、紙おむつを構成する素材として、パルプ、高分子ポリマー、プラスチック、その他に分離され、加えて高分子ポリマーも分解されて内部から汚物(汚水)が分離される。内胴分離槽8内で使用済み紙おむつ2を分解処理した後の分解水(排液)は排出部4に排出される。このとき、分解水に溶けることのない固形物(溶けなかったパルプ、プラスチック)は内胴分離槽8内に残り、分解水に溶けたパルプや汚物(汚水)は、排出部4に排出される。
【0039】
排出部4は、外胴分離槽7内の分解水が排出される排水受け槽50と、排水を濾過して一旦貯留する排水ピット51と、排水受け槽50と排水ピット51とを連通し排水を排水ピット51に流す排水管52とで構成されている。そして、排水受け槽50内には、供給された分解水によって使用済み紙おむつ2から分解され、高分子ポリマーに含まれていた汚物(尿等の汚水)、付着していた汚物、パルプが混在した分解水が排出される。排水受け槽50内に排水されたパルプを含む分解水は、排水管52を通って排水ピット51に貯留される。排水ピット51に貯留された分解水中には、パルプが大量に含まれており、図示しないパルプ回収装置によってパルプが分解水と分離されて回収される。
【0040】
分解水に溶けることがなく内胴分離槽8内に残った固形物(溶けなかったパルプ、プラスチック)は、内胴分離槽8への分解水の供給を停止した後に、内胴分離槽8を回転させることにより、パルプとプラスチックに残っていた水分が脱水される。この脱水によってパルプとプラスチックから取り出された分解水は排出部4に排出される。脱水後の固形物、すなわち分解水に溶けることのなかった固形物であるパルプとプラスチックは、投入・取出口15からコンベア42によって選別機5へと送られる。
【0041】
選別機5は、筐体53内に固定、支持された外胴選別槽54と、外胴選別槽54内に回転可能に配置された内胴選別槽55と、外胴選別槽54の下部に設けられた取出搬送部56と、筐体53の上部に配置されて外胴選別槽54内に乾燥風を供給する乾燥風供給部57とで構成されている。
【0042】
外胴選別槽54は、円筒形状で一方の端面が筐体53の一面側の内面に密着され、他方の端面側が筐体53の他面側の内面に密着された状態で筐体53に固定されている。一方の端面には、筐体53の投入口58に連通する投入側の開口部が形成され、他方の端面には、筐体53の取出口59に連通する取出側の開口部が形成されている。この外胴選別槽54内には、乾燥風供給部57から乾燥風が導入され、内胴選別槽55内のパルプとプラスチックとが乾燥される。
【0043】
内胴選別槽55は、外胴選別槽54より若干小径の円筒形状で、軸方向の両端面は開口され、外胴選別槽54の両端の開口部とそれぞれ連通されている。また、内胴選別槽55は、周方向の側面にパンチング等によって形成された複数の貫通穴が全体的に形成されている。そして、外胴選別槽54内に乾燥風供給部57から導入された乾燥風によって回転する内胴選別槽55内のパルプとプラスチックが乾燥される。
【0044】
乾燥風供給部57は、ヒータ60と、ファン61と、乾燥風導入路62と、乾燥風排出路63とで構成されている。ヒータ60は、複数の熱交換用のパイプで形成され、このパイプには高温の蒸気が供給されている。パイプの周囲を外気が通過することによって外気が加熱されて乾燥風が生成され、この乾燥風が乾燥風導入路62によって外胴選別槽54内に送り込まれる。ファン61は、外胴選別槽54内の乾燥風を乾燥風排出路63を通して吸い出してダクト64内へ送風する。ダクト64には、バグフィルタを有するパルプ回収装置65が接続されている。ファン61が、外胴選別槽54内から乾燥風を排出(吸い出す)することにより、ヒータ60に外気が導入され、ヒータ60によって外気が加熱されることにより乾燥風が生成されて、外胴選別槽54内に供給される。
【0045】
これにより、回転する内胴選別槽55内のパルプとプラスチックとから水分が蒸発しパルプとプラスチックが乾燥されて選別される。また、ファン61によって外胴選別槽54内から吸い出された乾燥風は、ダクト64を介してパルプ回収装置65に送られ、バグフィルタによって乾燥風に含まれるパルプが回収される。
【0046】
パルプとプラスチックとが乾燥されると、パルプとプラスチックは分離されて選別される。選別されたパルプとプラスチックのうちパルプは、取出搬送部66によって外部に取り出され、プラスチックは、取出口56から外部に取り出される。
【0047】
次に、分離機3による使用済み紙おむつ2の処理について説明する。内胴分離槽8内に所定の重量の使用済み紙おむつ2を投入した後に、処理液34を処理液供給部14によって内胴分離槽8内に供給するとともに、内胴分離槽8を所定の回転数で回転させる。使用済み紙おむつ2が投入された内胴分離槽8を回転させながら、処理液34を内胴分離槽8内に供給すると、内胴分離槽8の回転により使用済み紙おむつ2が掻き上げ突起10によって内胴分離槽8内の下部側33から上部側36へ掻き上げられる。
【0048】
図6に示すように、内胴分離槽8内に使用済み紙おむつ2を所定量投入した状態では、処理液34の液面9より上部側36まで使用済み紙おむつ2が位置している。この状態から、内胴分離槽8を所定の回転数で回転させると、図9に示すように、分解初期時には、使用済み紙おむつ2は、掻き上げ面12に当接し、引掛け角部13に引っ掛けられた状態で、内胴分離槽8の下部側33から、内胴分離槽8の上部側36まで掻き上げられる。上部側36まで掻き上げられた使用済み紙おむつ2は、掻き上げ面12から滑り落ちて液面9上に落下する。このとき、使用済み紙おむつ2は、液面9及び液面9近傍に浮遊している使用済み紙おむつ2に衝突して衝撃力が加わる。使用済み紙おむつ2に衝撃力が加わることで、紙おむつを構成している表面材、漏れ防止のギャザー、吸水材、防水材、その他に使用済み紙おむつ2が物理的に分解されるとともに、処理液34がこれらの構成部材に染み込んでいく。
【0049】
図9に示す状態から内胴分離槽8を所定時間回転させて内胴分離槽8内で使用済み紙おむつ2を処理液34とともに撹拌すると、図10に示すように、分解終了期時には、使用済み紙おむつ2は、小形に分解されて、紙おむつを構成する部材となるため、紙おむつが分解して小さくなるとともに、使用済み紙おむつ2に処理液34が染みこむため、処理液34の液面9は下部側33に下がる。使用済み紙おむつ2の分解初期時では、下部側33を初期位置とすると、約90度の位置の処理液34の液面9位置から上部側36の略150度の位置まで使用済み紙おむつ2は掻き上げられて、上部側36の約150度の位置から液面9上に落下する。また、分解終了期時では、使用済み紙おむつ2は形状がさらに小さくなり、下部側33を初期位置とすると、約60度の位置の処理液34の液面35位置から上部側36の略150度の位置から液面35上に落下する。なお、使用済み紙おむつ2が分解されて小形になると、上部側36の略150度の位置より小さな角度の位置から液面35に向けて落下する。
【0050】
使用済み紙おむつ2の分解処理が終了すると、内胴分離槽8内から、処理液34を排出部4へ排出する。排出された処理液34(排液)には、使用済み紙おむつ2から分解され、高分子ポリマーに含まれていた汚物(尿等の汚水)、付着していた汚物、パルプが混在しており、排水受け槽50に排水される。排水受け槽50内に排水されたパルプを含む分解水は、排水管52を通って排水ピット51に貯留される。排水ピット51に貯留された分解水中には、パルプが大量に含まれており、図示しないパルプ回収装置によってパルプが分解水と分離されて回収される。
【0051】
処理液34に溶けることがなく内胴分離槽8内に残った固形物(溶けなかったパルプ、プラスチック)は、内胴分離槽8への分解水の供給を停止した後に、内胴分離槽8を回転させることにより、パルプとプラスチックに残っていた水分が脱水される。脱水後の固形物、すなわち処理液34に溶けることのなかった固形物であるパルプとプラスチックは、投入・取出口15からコンベア42によって選別機5へと送られる。
【0052】
選別機5へ送られた固形物(パルプ、プラスチック)は、回転する内胴選別槽55内で、パルプとプラスチックとから水分が蒸発しパルプとプラスチックが乾燥されて選別される。また、ファン61によって外胴選別槽54内から吸い出された乾燥風は、ダクト64を介してパルプ回収装置65に送られ、バグフィルタによって乾燥風に含まれるパルプが回収される。
【0053】
以上説明したように、本実施の形態に係る使用済み衛生用品の処理装置用分離機3によれば、内胴分離槽8内の下部側33から少なくとも内胴分離槽8内の処理液34の液面9近傍より上方の上部側36に使用済み紙おむつ2を掻き上げて、内胴分離槽8内の上部側36から下部側33に向けて落下させて、使用済み紙おむつ2に衝撃力を加える掻き上げ突起10を、内胴分離槽8の内壁11に設けたことにより、使用済み紙おむつ2を効率よく解体して、処理する時間を短縮することができる。
【0054】
また、本実施の形態に係る使用済み衛生用品の処理装置用分離機3によれば、掻き上げ突起10の掻き上げ面12の先端側に引掛け角部13を設けたことにより、使用済み紙おむつ2を確実に引っ掛けることができ、より多くの使用済み紙おむつ2を下部側33から上部側36に掻き上げることができるので、下部側33に滞留する使用済み紙おむつ2の量を減らすことができ、使用済み紙おむつ2を効率よく解体することができる。
【0055】
さらに、掻き上げ突起10によって、使用済み紙おむつ2を上部側36から下部側33に落下させて、液面9、35上に衝突させるので、使用済み紙おむつ2に処理液34としての分解水が充分に染み込み、分解水に浸漬される。この場合、パンツ型の使用済み紙おむつ2であっても、使用済み紙おむつ2を液面9、35に衝突させることで、分解することができ、処理液34を充分に浸漬させることで使用済み紙おむつ2を素材ごとに確実に分離することができる。
【0056】
また、上記実施の形態では、内胴分離槽8に回転駆動力を付与するモータ30を、筐体6の上部でかつ中央部分に設けたことにより、筐体6の下部側に広い空間を設けることができるので、内胴分離槽8内の排液を排出する配管等の設置の自由度を向上することができるとともに、軸支持部21のメンテナンス時にもモータ30が邪魔になることがなく、メンテナンス性を向上することができる。
【0057】
なお、上記の実施形態では、使用済み衛生用品として使用済み紙おむつ2を例にとって説明したが、尿取りパッド等の吸水材(高分子ポリマー)を使用する衛生用品を処理する場合にも、本発明の分離機3を用いることができる。
【0058】
また、上記実施の形態では、掻き上げ突起10の内胴分離機8の回転方向Aの前方側に掻き上げ面12を設けたが、内胴分離槽8の回転方向が逆回転(回転方向Aの反対方向)の場合には、支持部40の逆回転方向の前方側に設けてもよい。この場合、支持部40の内胴分離機の回転軸方向の先端部と連結頂部41との連続部分に引掛け角部13を設けてもよい。
【0059】
さらに、上記実施形態では、掻き上げ突起10は、断面形状が台形形状に形成されているが、必ずしも台形形状でなくともよく、掻き上げ面12が内胴分離槽8の回転方向Aの前方側に設けられていればよい。また、支持部40は、掻き上げ面12と同様の形状でなくてもよく、掻き上げ面12を支持する形状であればいずれの形状でもよい。以下に図11図13に示す掻き上げ突起の他の形状について説明する。
【0060】
図11に示す掻き上げ突起70は、内胴分離槽8の回転軸に対して交差する方向に切断した断面形状が三角形状で、内胴分離槽8の回転方向Aの前方側に掻き上げ面71が設けられ、内胴分離槽8の回転軸方向の先端部に引掛け角部72が設けられている。
【0061】
図12に示す掻き上げ突起73は、内胴分離槽8の回転軸に対して交差する方向に切断した断面形状は台形形状で、内胴分離槽8の回転方向Aの前方側に掻き上げ面74が設けられている。この掻き上げ突起73の連結頂部75は、山形状に形成されており、各山の先端に引掛け角部76がそれぞれ形成されている。
【0062】
図13に示す掻き上げ突起81は、内胴分離槽8の回転軸に対して交差する方向に切断した断面形状が三角形状で、内胴分離槽8の回転方向Aの前方側に掻き上げ面77が設けられており、連結頂部78には、V形状の溝79が設けられている。この溝79の縁部と掻き上げ面77との連続部分に引掛け角部80が設けられている。
【0063】
上述の通り、本発明の実施の形態を開示したが、当業者によって本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が請求項に含まれることが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係る使用済み衛生用品の処理装置用分離機は、使用済み紙おむつの処理以外に、高分子ポリマー等によって尿等の汚物を吸収させる衛生用品、例えば生理用ナプキン、尿取りパッド等を処理する際にも利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 使用済み衛生用品の処理装置
2 使用済み紙おむつ
3 分離機
6 筐体
7 外胴分離槽
8 内胴分離槽
9 35 液面
10 掻き上げ突起
11 内壁
12 掻き上げ面
13 引掛け角部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2023-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の態様は、筐体に固定された外胴分離槽内に回転可能に支持されて、投入された使用済み衛生用品を処理液とともに回転・撹拌する内胴分離槽を備え、前記使用済み衛生用品を、該衛生用品を構成する複数種の素材に分離する使用済み衛生用品の処理装置用分離機であって、前記内胴分離槽内の下部側から少なくとも前記内胴分離槽内の前記処理液の液面近傍より上方の上部側に前記使用済み衛生用品を掻き上げて、前記内胴分離槽内の上部側から下部側に向けて落下させて、前記使用済み衛生用品に衝撃力を加える掻き上げ突起を、前記内胴分離槽の内壁に設け、前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の回転方向前方側であって、前記内胴分離槽の回転中心側に向けて延設されて前記使用済み衛生用品を前記内胴分離槽の下部側から上部側に持ち上げる掻き上げ面と、該掻き上げ面の前記内胴分離槽の回転中心側の先端側に設けられて前記使用済み衛生用品を引っ掛ける引掛け角部と、を有することを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本発明の第の態様は、前記内胴分離槽内に投入された使用済み衛生用品に少なくとも水とカルシウム化合物と殺菌剤とからなる分解水を供給する分解水供給部と、前記外胴分離槽の下部側と連通され前記外胴分離槽内の前記分解水とともに汚物を含む排水を排出する排出部と、を有することを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明の第の態様は、前記処理液の液面が、前記内胴分離槽の回転中心より下部側であり、前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の下部側位置から少なくとも前記処理液の液面より上部側から前記使用済み衛生用品が前記処理液の液面上に前記使用済み衛生用品を落下させることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明の第の態様は、前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の最下部側から回転方向に60度の位置から150度の位置の間で、前記使用済み衛生用品を前記処理液の液面に落下させることを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に固定された外胴分離槽内に回転可能に支持されて、投入された使用済み衛生用品を処理液とともに回転・撹拌する内胴分離槽を備え、前記使用済み衛生用品を、該衛生用品を構成する複数種の素材に分離する使用済み衛生用品の処理装置用分離機であって、
前記内胴分離槽内の下部側から少なくとも前記内胴分離槽内の前記処理液の液面近傍より上方の上部側に前記使用済み衛生用品を掻き上げて、前記内胴分離槽内の上部側から下部側に向けて落下させて、前記使用済み衛生用品に衝撃力を加える掻き上げ突起を、前記内胴分離槽の内壁に設け
前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の回転方向前方側であって、前記内胴分離槽の回転中心側に向けて延設されて前記使用済み衛生用品を前記内胴分離槽の下部側から上部側に持ち上げる掻き上げ面と、該掻き上げ面の前記内胴分離槽の回転中心側の先端側に設けられて前記使用済み衛生用品を引っ掛ける引掛け角部と、を有することを特徴とする使用済み衛生用品の処理装置用分離機。
【請求項2】
前記内胴分離槽内に投入された使用済み衛生用品に少なくとも水とカルシウム化合物と殺菌剤とからなる分解水を供給する分解水供給部と、
前記外胴分離槽の下部側と連通され前記外胴分離槽内の前記分解水とともに汚物を含む排水を排出する排出部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の使用済み衛生用品の処理装置用分離機。
【請求項3】
前記処理液の液面が、前記内胴分離槽の回転中心より下部側であり、
前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の下部側位置から少なくとも前記処理液の液面より上部側から前記使用済み衛生用品が前記処理液の液面上に前記使用済み衛生用品を落下させることを特徴とする請求項1に記載の使用済み衛生用品の処理装置用分離機。
【請求項4】
前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の最下部側から回転方向に60度の位置から150度の位置の間で、前記使用済み衛生用品を前記処理液の液面に落下させることを特徴とする請求項に記載の使用済み衛生用品の処理装置用分離機。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の第1の態様は、筐体に固定された外胴分離槽内に回転可能に支持されて、投入された使用済み衛生用品を処理液とともに回転・撹拌する内胴分離槽を備え、前記使用済み衛生用品を、該衛生用品を構成する複数種の素材に分離する使用済み衛生用品の処理装置用分離機であって、
前記内胴分離槽内の下部側から少なくとも前記内胴分離槽内の前記処理液の液面近傍より上方の上部側に前記使用済み衛生用品を掻き上げて、前記内胴分離槽内の上部側から下部側に向けて落下させて、前記使用済み衛生用品に衝撃力を加える掻き上げ突起を、前記内胴分離槽の内壁に設け、
前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の回転方向前方側であって、前記内胴分離槽の回転中心側に向けて延設されて前記使用済み衛生用品を前記内胴分離槽の下部側から上部側に持ち上げる掻き上げ面と、該掻き上げ面の前記内胴分離槽の回転中心側の先端側に設けられて前記使用済み衛生用品を引っ掛ける引掛け角部と、を有し、前記内胴分離槽内に投入された使用済み衛生用品に少なくとも水とカルシウム化合物と殺菌剤とからなる分解水を供給する分解水供給部と、
前記外胴分離槽の下部側と連通され前記外胴分離槽内の前記分解水とともに汚物を含む排水を排出する排出部と、を有することを特徴とする使用済み衛生用品の処理装置用分離機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明の第の態様は、前記処理液の液面が、前記内胴分離槽の回転中心より下部側であり、前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の下部側位置から少なくとも前記処理液の液面より上部側から前記使用済み衛生用品が前記処理液の液面上に前記使用済み衛生用品を落下させることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明の第の態様は、前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の最下部側から回転方向に60度の位置から150度の位置の間で、前記使用済み衛生用品を前記処理液の液面に落下させることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に固定された外胴分離槽内に回転可能に支持されて、投入された使用済み衛生用品を処理液とともに回転・撹拌する内胴分離槽を備え、前記使用済み衛生用品を、該衛生用品を構成する複数種の素材に分離する使用済み衛生用品の処理装置用分離機であって、
前記内胴分離槽内の下部側から少なくとも前記内胴分離槽内の前記処理液の液面近傍より上方の上部側に前記使用済み衛生用品を掻き上げて、前記内胴分離槽内の上部側から下部側に向けて落下させて、前記使用済み衛生用品に衝撃力を加える掻き上げ突起を、前記内胴分離槽の内壁に設け、
前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の回転方向前方側であって、前記内胴分離槽の回転中心側に向けて延設されて前記使用済み衛生用品を前記内胴分離槽の下部側から上部側に持ち上げる掻き上げ面と、該掻き上げ面の前記内胴分離槽の回転中心側の先端側に設けられて前記使用済み衛生用品を引っ掛ける引掛け角部と、を有し、前記内胴分離槽内に投入された使用済み衛生用品に少なくとも水とカルシウム化合物と殺菌剤とからなる分解水を供給する分解水供給部と、
前記外胴分離槽の下部側と連通され前記外胴分離槽内の前記分解水とともに汚物を含む排水を排出する排出部と、を有することを特徴とする使用済み衛生用品の処理装置用分離機。
【請求項2】
前記処理液の液面が、前記内胴分離槽の回転中心より下部側であり、
前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の下部側位置から少なくとも前記処理液の液面より上部側から前記使用済み衛生用品が前記処理液の液面上に前記使用済み衛生用品を落下させることを特徴とする請求項1に記載の使用済み衛生用品の処理装置用分離機。
【請求項3】
前記掻き上げ突起は、前記内胴分離槽の最下部側から回転方向に60度の位置から150度の位置の間で、前記使用済み衛生用品を前記処理液の液面に落下させることを特徴とする請求項に記載の使用済み衛生用品の処理装置用分離機。