(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165660
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/195 20060101AFI20241121BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20241121BHJP
B41J 2/18 20060101ALI20241121BHJP
B41J 2/17 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B41J2/195
B41J2/01 401
B41J2/18
B41J2/17
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082027
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 真次
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA28
2C056EB07
2C056EB15
2C056EB30
2C056EC07
2C056EC15
2C056EC29
2C056EC40
2C056FA04
2C056FA13
2C056HA15
2C056HA29
2C056HA44
2C056KB16
(57)【要約】
【課題】下流のヘッドの温度を調整する技術を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、第1ヘッド200Aと、第2ヘッド200Bと、インクタンクから第1ヘッド200Aにインクを供給する第1経路302と、第1ヘッド200Aを経由したインクを第2ヘッド200Bに供給する第2経路306と、第2ヘッド200B内のインクの温度を検出する第1温度検出部330Bと、第2ヘッド200B内のインクの温度が予め決められた温度以上であることに基づいて、第1経路302に流すインクの量を調整する制御部とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ヘッドと、
第2ヘッドと、
インクタンクから前記第1ヘッドにインクを供給する第1経路と、
前記第1ヘッドを経由した前記インクを前記第2ヘッドに供給する第2経路と、
前記第2ヘッド内のインクの温度を検出する第1温度検出部と、
前記第2ヘッド内のインクの温度が予め決められた温度以上であることに基づいて、前記第1経路に流す前記インクの量を調整する制御部とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1ヘッドに流入する前の前記インクの温度を検出する第2温度検出部をさらに備え、
前記第2ヘッド内のインクの温度が前記予め決められた温度以上であることに基づいて、前記第1経路に流す前記インクの量を調整することは、
前記第1温度検出部により検出した第1温度と、前記第2温度検出部により検出した第2温度とを比較することと、
前記第1温度および前記第2温度の差が予め決められた第1温度差以上であることに基づいて、前記第1経路に流す前記インクの量を調整することとを含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2経路を流れる前記インクの温度を検出する第3温度検出部をさらに備え、
前記第2ヘッド内のインクの温度が前記予め決められた温度以上であることに基づいて、前記第1経路に流す前記インクの量を調整することは、
前記第1温度検出部により検出した第1温度と、前記第3温度検出部により検出した第3温度とを比較することと、
前記第1温度および前記第3温度の差が予め決められた第2温度差以上であることに基づいて、前記第1経路に流す前記インクの量を調整することとを含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1経路に流す前記インクの量を調整することは、前記第1経路に前記インクを流す時間を調整することを含む、請求項1~3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1経路に流す前記インクの量を調整することは、前記第1経路に流す前記インクの流速を調整することを含む、請求項1~3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2ヘッドから印刷に使用されなかった前記インクを回収するための第3経路をさらに備え、
前記第1経路に流す前記インクの量を調整することは、前記第1経路及び前記第3経路の間の前記インクの圧力差を調整することを含む、請求項1~3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1経路に流す前記インクの量を調整することは、
前記第2ヘッド内のインクの温度の変化に基づいて、前記第2ヘッド内のインクの将来の温度を予測することと、
予測された前記第2ヘッド内のインクの将来の温度に基づいて、前記第1経路に流す前記インクの流量を調整することとを含む、請求項1~3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
第1ヘッドと、
第2ヘッドと、
インクタンクから前記第1ヘッドにインクを供給する第1経路と、
前記第1ヘッドを経由した前記インクを前記第2ヘッドに供給する第2経路と、
前記第2ヘッド内のインクの温度を検出する第1温度検出部と、
前記第2経路を流れる前記インクを冷却する温度調整部と、
前記第2ヘッド内のインクの温度が予め決められた温度以上であることに基づいて、前記温度調整部により、前記第2経路を流れる前記インクを冷却する制御部とを備える、画像形成装置。
【請求項9】
前記温度調整部は、ファンを含む、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記温度調整部は、ペルチェ素子を含む、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記温度調整部は、水冷装置を含む、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第1ヘッド及び/又は前記第2ヘッドは、前記インクの冷却中に、ノズルから前記インクを垂らさない、請求項8~11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第1ヘッド及び/又は前記第2ヘッドは、前記インクの冷却中に、ノズルから前記インクを垂らす、請求項8~11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記温度調整部により、前記第2経路を流れる前記インクを冷却することは、
前記第2ヘッド内のインクの温度の変化に基づいて、前記第2ヘッド内のインクの将来の温度を予測することと、
予測された前記第2ヘッド内のインクの将来の温度に基づいて、前記温度調整部による前記インクの冷却動作を調整することとを含む、請求項8~11のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関し、より特定的には、ヘッド内のインクの温度調整技術に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのインクジェットプリンターは、インク循環路によって連結された複数のヘッドを備える。このような構造を持つインクジェットプリンターにおいて、インクは、上流のヘッドを介して、下流のヘッドに供給される。インクは、各ヘッドにおいて加熱される。下流のヘッドに流入するインクは、上流のヘッドで一度加熱されており、上流のヘッドに流入するインクよりも温度が高くなる。その結果、下流のヘッド内のインクの温度が想定よりも高くなりすぎることがある。下流のヘッド内のインクが高温になりすぎると、印刷画像の劣化及びインクジェットプリンターの異常停止等を引き起こす可能性がある。そこで、下流のヘッド内のインクの温度を調整するための技術が必要とされている。
【0003】
ヘッド内のインクの温度調整に関し、例えば、特開2023-000148号公報(特許文献1)は、ヘッド冷却装置を開示している。当該ヘッド冷却装置は、「熱回収部と、放熱器と、給気部と、切替処理部と、を備える。熱回収部は、インクを吐出する記録ヘッドで発生する熱を冷媒にて回収する。放熱器は、冷媒の熱を放熱する。給気部は、放熱器が配置される放熱空間に、外気からなる第1空気と第1空気よりも高温の第2空気とを選択的に供給する。切替処理部は、給気部から放熱空間への空気の供給状態を、切替条件に応じて切り替える」というものである([要約]参照)。
【0004】
また、ヘッドの温度調整に関する他の技術が、例えば、特許文献2~特許文献4に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2023-000148号公報
【特許文献2】特開2021-146545号公報
【特許文献3】特開2011-255580号公報
【特許文献4】特開2020-179534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1~4に開示された技術は、複数のヘッドがインク経路により直列に接続されている場合に、下流のヘッドの温度を調整するのに適していない。または、特許文献1~4に開示された技術によると、下流のヘッドの温度を調整するために高価な装備を必要とする。したがって、下流のヘッドの温度を調整する別の技術が必要とされている。
【0007】
本開示は、上記のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、下流のヘッドの温度を調整する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施の形態に従うと、画像形成装置が提供される。画像形成装置は、第1ヘッドと、第2ヘッドと、インクタンクから第1ヘッドにインクを供給する第1経路と、第1ヘッドを経由したインクを第2ヘッドに供給する第2経路と、第2ヘッド内のインクの温度を検出する第1温度検出部と、第2ヘッド内のインクの温度が予め決められた温度以上であることに基づいて、第1経路に流すインクの量を調整する制御部とを備える。
【0009】
ある局面において、画像形成装置は、第1ヘッドに流入する前のインクの温度を検出する第2温度検出部をさらに備える。第2ヘッド内のインクの温度が予め決められた温度以上であることに基づいて、第1経路に流すインクの量を調整することは、第1温度検出部により検出した第1温度と、第2温度検出部により検出した第2温度とを比較することと、第1温度および第2温度の差が予め決められた第1温度差以上であることに基づいて、第1経路に流すインクの量を調整することとを含む。
【0010】
ある局面において、画像形成装置は、第2経路を流れるインクの温度を検出する第3温度検出部をさらに備える。第2ヘッド内のインクの温度が予め決められた温度以上であることに基づいて、第1経路に流すインクの量を調整することは、第1温度検出部により検出した第1温度と、第3温度検出部により検出した第3温度とを比較することと、第1温度および第3温度の差が予め決められた第2温度差以上であることに基づいて、第1経路に流すインクの量を調整することとを含む。
【0011】
ある局面において、第1経路に流すインクの量を調整することは、第1経路にインクを流す時間を調整することを含む。
【0012】
ある局面において、第1経路に流すインクの量を調整することは、第1経路に流すインクの流速を調整することを含む。
【0013】
ある局面において、画像形成装置は、第2ヘッドから印刷に使用されなかったインクを回収するための第3経路をさらに備える。第1経路に流すインクの量を調整することは、第1経路及び第3経路の間のインクの圧力差を調整することを含む。
【0014】
ある局面において、第1経路に流すインクの量を調整することは、第2ヘッド内のインクの温度の変化に基づいて、第2ヘッド内のインクの将来の温度を予測することと、予測された第2ヘッド内のインクの将来の温度に基づいて、第1経路に流すインクの流量を調整することとを含む。
【0015】
他の実施の形態に従うと、別の画像形成装置が提供される。別の画像形成装置は、第1ヘッドと、第2ヘッドと、インクタンクから第1ヘッドにインクを供給する第1経路と、第1ヘッドを経由したインクを第2ヘッドに供給する第2経路と、第2ヘッド内のインクの温度を検出する第1温度検出部と、第2経路を流れるインクを冷却する温度調整部と、第2ヘッド内のインクの温度が予め決められた温度以上であることに基づいて、温度調整部により、第2経路を流れるインクを冷却する制御部とを備える。
【0016】
ある局面において、温度調整部は、ファンを含む。
ある局面において、温度調整部は、ペルチェ素子を含む。
【0017】
ある局面において、温度調整部は、水冷装置を含む。
ある局面において、第1ヘッド及び/又は第2ヘッドは、インクの冷却中に、ノズルからインクを垂らさない。
【0018】
ある局面において、第1ヘッド及び/又は第2ヘッドは、インクの冷却中に、ノズルからインクを垂らす。
【0019】
ある局面において、温度調整部により、第2経路を流れるインクを冷却することは、第2ヘッド内のインクの温度の変化に基づいて、第2ヘッド内のインクの将来の温度を予測することと、予測された第2ヘッド内のインクの将来の温度に基づいて、温度調整部によるインクの冷却動作を調整することとを含む。
【発明の効果】
【0020】
ある実施の形態に従うと、下流のヘッドの温度を調整することができる。
この開示内容の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本開示に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施の形態に従う画像形成装置10の構成の一例を示す。
【
図2】画像形成装置10が備えるヘッドユニット124の構成の一例を示す。
【
図3】1つのセット220を構成する各ヘッド200の周辺の構成の一例を示す。
【
図4】画像形成装置10による第2ヘッド200Bの冷却手順の一例を示す図である。
【
図5】画像形成装置10による第2ヘッド200Bの冷却手順の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。また、各実施の形態及び各変形例等は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0023】
<A.装置構成>
図1は、本実施の形態に従う画像形成装置10の構成の一例を示す。画像形成装置10は、例えば、インクジェットプリンターである。
図1を参照して、本実施の形態に従う画像形成装置10の構成の一例について説明する。
【0024】
画像形成装置10は、給紙部110と、画像形成部120と、排紙部130とを備える。画像形成装置10は、印刷ジョブを投入されると、画像形成部120により、給紙部110から供給される媒体113に画像を印刷する。画像形成装置10は、画像を印刷された媒体113を排紙部130に排紙する。
【0025】
給紙部110は、画像を印刷するための媒体113を格納する。また、給紙部110は、画像形成部120に媒体113を供給する。給紙部110は、給紙トレー111と、搬送部112とを備える。給紙トレー111は、画像を印刷される媒体113を格納する。給紙トレー111は、1種類以上の媒体を載置可能に構成される。また、給紙トレー111は、給紙トレー111に載置された媒体113の量に応じて上下動してもよい。給紙トレー111の最上の媒体113は、給紙トレー111の上下動により、搬送部112による搬送位置に移動する。搬送部112は、給紙トレー111から画像形成部120に媒体113を搬送する。搬送部112は、複数のローラー及びこれらのローラーに担持された輪状のベルトから構成され得る。また、搬送部112は、給紙トレー111上の媒体113を搬送部112のベルトに受け渡すための機構を備え得る。搬送部112は、複数のローラーを駆動させて、ベルト上の媒体113を画像形成部120に搬送する。
【0026】
画像形成部120は、給紙部110から供給された媒体113に画像を印刷する。また、画像形成部120は、画像を印刷された媒体113を排紙部130に排紙する。画像形成部120は、受け渡しユニット121と、画像形成ドラム122と、加熱部123と、1つ以上のヘッドユニット124と、照射部125と、搬送部126と、制御部127とを備える。画像形成部120は、ヘッドユニット124のクリーニング機構等の
図1に示される構成以外の任意の構成を含み得る。受け渡しユニット121は、搬送部112により搬送された媒体113を受け取り、画像形成ドラム122に媒体113を渡す。画像形成ドラム122は、円筒状の外周面に沿って媒体113を担持する。加熱部123は、画像形成ドラム122に担持された媒体113を加熱する。1つ以上のヘッドユニット124は、画像形成ドラム122に担持された媒体113にインクを吐出して画像を形成する。照射部125は、媒体113上に吐出されたインクを硬化させるためのエネルギー線を媒体113に照射する。搬送部126は、エネルギー線の照射を受けた媒体113を画像形成ドラム122から排紙部130に搬送する。制御部127は、画像形成装置10を制御する。制御部127は、印刷処理の制御、及び、後述するヘッド200の冷却処理の制御を行い得る。
【0027】
排紙部130は、画像形成部120から搬送されてくる印刷済みの媒体113を受け取る。排紙部130は、印刷済みの媒体113を載置するための排紙トレー131を備える。
【0028】
ある局面において、給紙部110、画像形成部120及び排紙部130は、別々の装置として構成されてもよい。この場合、画像形成装置10は、画像形成システムであると言える。また、他の局面において、給紙部110、画像形成部120及び排紙部130は、1つの装置として構成されてもよい。
【0029】
図1に示される画像形成装置10は、一例に過ぎず、本開示の技術を適用可能な画像形成装置の構成はこれに限られない。ある局面において、画像形成装置10は、ベルト上を搬送される媒体113に画像を印刷する構成を備えてもよい。
【0030】
図2は、画像形成装置10が備えるヘッドユニット124の構成の一例を示す。
図2には、上方から見たヘッドユニット124の構成の一例が示される。ここでの上方とは、画像形成ドラム122の外周面と対向するヘッドユニット124の一面(下面)側をヘッドユニット124の下方とした場合の上方である。
【0031】
ヘッドユニット124は、画像形成ドラム122の外周面に沿うよう配置される。ヘッドユニット124は、予め決められた距離だけ画像形成ドラム122から離れた位置に設けられる。ヘッドユニット124は、複数のヘッド200を有する。ヘッド200は、一例として、複数列に配置されたノズルを備えてもよい。
【0032】
各ヘッド200は、ヘッドユニット124の基部210に取り付けられている。ヘッド200は、それぞれが複数のノズルを備える。ヘッド200上の複数のノズルは、ヘッドユニット124の下面に露出するよう設けられる。ヘッド200は、複数のノズルの各々からインクを吐出する。吐出されたインクは、画像形成ドラム122上の媒体113に画像を形成する。各ヘッド200は、一例として、2つのヘッド200が1つのセット220を構成するように、ヘッドユニット124上に配置されてもよい。さらに、各セット220は、互いに千鳥状に配置されてもよい。
【0033】
図3は、1つのセット220を構成する各ヘッド200の周辺の構成の一例を示す。各セット220を構成する2つのヘッド200は、インク経路を介して直列に接続される。これ以降、上流のヘッド200を第1ヘッド200Aと呼ぶ。また、下流のヘッド200を第2ヘッド200Bと呼ぶ。
【0034】
(a.上流及び下流のヘッドの周辺の構成)
第1ヘッド200Aは、制御基板310Aと、吐出部320Aと、温度検出部330Aとを備える。第2ヘッド200Bは、制御基板310Bと、吐出部320Bと、温度検出部330Bとを備える。また、画像形成装置10は、第1経路302の途中またはその周囲に、温度検出部340を備えてもよい。さらに、画像形成装置10は、第2経路306の途中またはその周囲に、温度調整部342及び温度検出部344を備えてもよい。
【0035】
制御基板310Aは、第1ヘッド200Aによるインクの吐出制御等を行う。例えば、制御基板310Aは、吐出部320Aが備えるピエゾ素子にかかる電圧を制御し得る。同様に、制御基板310Bは、第2ヘッド200Bによるインクの吐出制御等を行う。例えば、制御基板310Bは、吐出部320Bが備えるピエゾ素子にかかる電圧を制御し得る。
【0036】
吐出部320Aは、インクをノズルから吐出する。一例として、吐出部320A内の各ノズルはピエゾ素子によって構成されてもよい。この場合、電圧によりピエゾ素子が変形することで、インクはノズルから押し出される。吐出部320Aは、インクを加熱するためのヒーターを備え得る。ヒーターは、インクを印刷に適した温度まで加熱する。吐出部320Bも吐出部320Aと同様の構成及び機能を備える。
【0037】
温度検出部330Aは、第1ヘッド200A内のインクの温度を検出する。より具体的には、温度検出部330Aは、第1ヘッド200A内のインクの温度を示す信号を制御部127に出力する。制御部127は、温度検出部330Aから取得した信号により、第1ヘッド200A内のインクの温度を検出し得る。吐出部320Aは、制御基板310Aよりもインクの温度に大きな影響を与える。そのため、温度検出部330Aは、吐出部320A付近に設けられてもよい。同様に、温度検出部330Bは、第2ヘッド200B内のインクの温度を検出する。より具体的には、温度検出部330Bは、第2ヘッド200B内のインクの温度を示す信号を制御部127に出力する。また、温度検出部330Bは、吐出部320B付近に設けられてもよい。
【0038】
温度検出部340は、第1ヘッド200Aに流入する前のインク(第1経路302内のインク)の温度を検出する。より具体的には、温度検出部340は、第1ヘッド200Aに流入する前のインクの温度を示す信号を制御部127に出力する。制御部127は、温度検出部340から取得した信号により、第1ヘッド200Aに流入する前のインクの温度を検出し得る。
【0039】
温度検出部344は、第2経路306内のインクの温度を検出する。より具体的には、温度検出部344は、第2経路306内のインクの温度を示す信号を制御部127に出力する。制御部127は、温度検出部340から取得した信号により、第2経路306内のインクの温度を検出し得る。第2経路306内のインクの温度は、実質的に、第1ヘッド200A内のインクの温度と等しい又は近い温度である。
【0040】
温度調整部342は、第2経路306を流れるインクの温度を調整する。ある実施の形態に従うと、温度調整部342は、ファン、ヒートシンク、ペルチェ素子、水冷装置、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。一例として、制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度に基づいて、温度調整部342を制御し得る。
【0041】
第1経路302は、インクタンクと第1ヘッド200Aとを接続する。第1経路302は、ヘッドインレット等を介してインクタンク(図示せず)と繋がっている。ヘッドインレットは、インクを一時的に貯蔵する。インクは、第1経路302を介して、インクタンクから第1ヘッド200Aに流入する。
【0042】
第2経路306は、第1ヘッド200Aと第2ヘッド200Bとを接続する。第1ヘッド200Aに流入したインクの一部は、第1ヘッド200Aでの印字処理に使用される。第1ヘッド200Aに流入したインクの残りは、第2経路306を介して、第2ヘッド200Bに流入する。
【0043】
第3経路308は、第2ヘッド200Bと例えば下流のヘッドアウトレット等とを接続する。第2ヘッド200Bに流入したインクの一部は、第2ヘッド200Bでの印字処理に使用される。第2ヘッド200Bに流入したインクの残りは、第3経路308を介して回収される。
【0044】
画像形成装置10は、さらに、インクの圧力調整部(図示せず)を備える。制御部127は、圧力調整部を制御して、第1ヘッド200A及び第2ヘッド200Bに流入するインクの量を調整する。一例として、制御部127は、第1ヘッド200A及び第2ヘッド200Bにインクを流入させる時間を調整し得る。また、他の例として、制御部127は、第1ヘッド200A及び第2ヘッド200Bに流入するインクの流速を調整し得る。また、制御部127は、第1経路302及び第3経路308の圧力差を調整することにより、第1ヘッド200A及び第2ヘッド200Bに流入するインクの量を調整し得る。
【0045】
(b.直列に接続されたヘッドの課題)
上記の通り、インクタンクのインクは、第1ヘッド200Aを一度経由してから第2ヘッド200Bに供給される。このとき、インクは、第1ヘッド200A内で一度加熱される。そのため、第2ヘッド200Bに流入するインクの温度は、第1ヘッド200Aに流入するインクの温度よりも高くなる可能性がある。また、画像形成装置によっては、インクが80度程度まで加熱されることがある。このような場合、厳密なインクの温度管理が要求される。
【0046】
図3を例に説明すると、温度352は、第1ヘッド200Aに流入する前のインクの温度である。第1ヘッド200A内のインクの温度354は、第1ヘッド200A内でインクが加熱されるため、温度352よりも高くなる。第2経路306内のインクの温度356は、温度354とほぼ等しい。第2ヘッド200B内のインクの温度358は、第2ヘッド200B内でインクが再加熱されるため、温度354及び温度356よりも高くなることがある。第1ヘッド200A内のインクの温度354が印刷に適した温度だとした場合、第2ヘッド200B内のインクの温度358は高すぎる可能性がある。
【0047】
上記の課題を解決するために、本実施の形態に従う画像形成装置10は、インクの流量を調整することで、第2ヘッド200B内のインクの温度を適切な温度に保つ。より具体的には、制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度が予め決められた温度以上であることに基づいて、第1経路302に流すインクの量を調整する。画像形成装置10は、インクの流量を調整することで、第2ヘッド200B内のインクの温度を下げることができる。制御部127は、温度検出部330Bにより、第2ヘッド200B内のインクの温度を検知し得る。
【0048】
ある局面において、制御部127は、次の手順により、制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度が予め決められた温度以上であるか否かを判定し得る。制御部127は、温度検出部330B(第1温度検出部)により検出した第1温度と、温度検出部340(第2温度検出部)により検出した第2温度とを比較する。制御部127は、第1温度および第2温度の差が予め決められた第1温度差以上であるか否かを判定する。制御部127は、第1温度および第2温度の差が予め決められた第1温度差以上であることに基づいて、第1経路302に流すインクの量を調整する。実際には、画像形成装置10の周囲の環境によってインクの温度は変化する。そこで、画像形成装置10は、第1温度(第2ヘッド200B内のインクの温度)と、第2温度(第1ヘッド200Aに流入する前のインクの温度)との温度差を求める。画像形成装置10は、当該温度差により、周囲の環境によらず、第2ヘッド200B内のインクが過剰に加熱されているか否かを適切に判定し得る。
【0049】
他の局面において、制御部127は、次の手順により、第2ヘッド200B内のインクの温度が予め決められた温度以上であるか否かを判定し得る。制御部127は、温度検出部330B(第1温度検出部)により検出した第1温度と、温度検出部344(第3温度検出部)により検出した第3温度とを比較する。制御部127は、第1温度および第3温度の差が予め決められた第2温度差以上であるか否かを判定する。制御部127は、第1温度および第3温度の差が予め決められた第2温度差以上であることに基づいて、第1経路302に流すインクの量を調整する。実際には、画像形成装置10の周囲の環境によってインクの温度は変化する。そこで、画像形成装置10は、第1温度(第2ヘッド200B内のインクの温度)と、第3温度(第1ヘッド200Aから出た直後のインクの温度)との温度差を求める。画像形成装置10は、当該温度差により、周囲の環境によらず、第2ヘッド200B内のインクが過剰に加熱されているか否かを適切に判定し得る。
【0050】
他の局面において、第2ヘッド200B内のインクの温度が高くなりすぎた場合、制御部127は、第1経路302にインクを流す時間を調整し得る。制御部127は、第1経路302にインクを流す時間を長くすることで、第2ヘッド200Bに流入するインク量を増加させ得る。より多くのインクが第2ヘッド200Bに流入することで、第2ヘッド200B内のインクの温度は低下する。
【0051】
他の局面において、第2ヘッド200B内のインクの温度が高くなりすぎた場合、制御部127は、第1経路302に流すインクの流速を調整し得る。制御部127は、第2ヘッド200Bに流入するインクの流速を速くすることで、第2ヘッド200Bに流入するインク量を増加させ得る。より多くのインクが第2ヘッド200Bに流入することで、第2ヘッド200B内のインクの温度は低下する。
【0052】
他の局面において、制御部127は、第1経路302及び第3経路308の間のインクの圧力差を調整することにより、第1経路302に流すインクの量を調整し得る。制御部127は、1つ以上の圧力調整部を用いて、第1経路302及び第3経路308の間のインクの圧力差を変更してもよい。
【0053】
他の局面において、制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの将来の温度を予測し、当該予測に基づいて、第1経路302に流すインクの流量を適宜変化させ得る。より具体的には、第1経路302に流すインクの量が変化すると、第2ヘッド200B内のインクの温度も変化し得る。制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度の変化を監視する。制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度の変化に基づいて、第2ヘッド200B内のインクの将来の温度を予測する。例えば、制御部127は、数秒後又は数分後の第2ヘッド200B内のインクの温度を予測し得る。制御部127は、予測された第2ヘッド200B内のインクの将来の温度に基づいて、第1経路302に流すインクの量を調整する。例えば、制御部127は、予測される第2ヘッド200B内のインクの将来の温度が十分に低いことに基づいて、第1経路302に流すインクの量を減少させてもよい。こうすることで、制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度が過剰に低くなることを抑制し得る。
【0054】
画像形成装置10は、インクの流量を調整する代わりに、温度調整部342を制御して、第2ヘッド200B内のインクの温度を適切な温度に保ってもよい。より具体的には、制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度が予め決められた温度以上であることに基づいて、温度調整部342により、第2経路306を流れるインクを冷却する。画像形成装置10は、第2経路306を流れるインクを冷却することで、第2ヘッド200B内のインクの温度を下げることができる。ある実施の形態に従うと、温度調整部342は、ファン、ヒートシンク、ペルチェ素子、水冷装置、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0055】
ある局面において、第1ヘッド200A及び/又は第2ヘッド200Bは、インクの冷却中に、ノズルからインクを垂らさなくてもよい。すなわち、画像形成装置10は、インクの冷却中に印刷処理を停止してもよい。
【0056】
他の局面において、第1ヘッド200A及び/又は第2ヘッド200Bは、インクの冷却中に、ノズルからインクを垂らしてもよい。画像形成装置10は、ノズルからインクを垂らすことによって、より短時間で各ヘッド内のインクの温度を下げることができる。
【0057】
他の局面において、制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの将来の温度を予測し、当該予測に基づいて、温度調整部342によるインクの冷却動作を適宜調整し得る。より具体的には、温度調整部342が動作すると、第2ヘッド200B内のインクの温度が変化し得る。制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度の変化を監視する。制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度の変化に基づいて、第2ヘッド200B内のインクの将来の温度を予測する。例えば、制御部127は、数秒後又は数分後の第2ヘッド200B内のインクの温度を予測し得る。制御部127は、予測された第2ヘッド200B内のインクの将来の温度に基づいて、温度調整部342によるインクの冷却動作を調整する。例えば、制御部127は、予測される第2ヘッド200B内のインクの将来の温度が十分に低いことに基づいて、温度調整部342によるインクの冷却動作を弱めてもよい。こうすることで、制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度が過剰に低くなることを抑制し得る。
【0058】
ある局面において、画像形成装置10は、インクの流量の調整機能と、温度調整部342によるインクの冷却機能とを組み合わせて使用してもよい。画像形成装置10は、これらの機能を組み合わせることにより、第2ヘッド200Bに流入するインクの温度をより効果的に下げることができる。
【0059】
<B.インクの冷却手順>
次に、
図4及び
図5を参照して、画像形成装置10によるインクの冷却処理の手順について説明する。なお、本明細書において、インクの冷却とは、インクを流す経路の冷却及びインクを含むヘッド200の冷却を包含する。例えば、第2ヘッド200B内のインクを冷却することは、第2ヘッド200Bを冷却することを包含する。第2経路406内のインクを冷却することは、第2経路406を冷却することを包含する。ある局面において、制御部127は、プロセッサ(図示せず)と、ストレージ(図示せず)と、メモリー(図示せず)とを備えてもよい。また、制御部127は、
図4及び
図5の処理を行うためのプログラムをストレージからメモリーに読み込んで、当該プログラムをプロセッサにより実行してもよい。他の局面において、当該処理の一部または全部は、当該処理を実行するように構成された回路素子の組み合わせとしても実現され得る。
【0060】
図4は、画像形成装置10による第2ヘッド200Bの冷却手順の一例を示す図である。ステップS410において、制御部127は、温度検出部340により、第1経路302に流入するインクの温度を取得する。ある局面において、制御部127は、温度検出部344により、第2経路306に流入するインクの温度を取得してもよい。ステップS420において、制御部127は、温度検出部330Bにより、第2ヘッド200B内のインクの温度を取得する。
【0061】
ステップS430において、制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度は予め決められた第1温度以上か否かを判定する。ある局面において、制御部127は、第1経路302に流入するインクの温度と第2ヘッド200B内のインクの温度との温度差に基づいて、上記判定を行ってもよい。他の局面において、制御部127は、第2経路306に流入するインクの温度と第2ヘッド200B内のインクの温度との温度差に基づいて、上記判定を行ってもよい。制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度は予め決められた第1温度以上であると判定した場合(ステップS430にてYES)、制御をステップS440に移す。そうで無い場合(ステップS430にてNO)、制御部127は、制御をステップS420に移す。
【0062】
ステップS440において、制御部127は、循環するインク量を調整する。より具体的には、制御部127は、第1経路302に流すインクの量を調整する。ある局面において制御部127は、第1経路302に流すインクの流速を速くしてもよい。他の局面において、制御部127は、第1経路302にインクを流す時間を長くしてもよい。他の局面において、制御部127は、第1経路302及び第3経路308の間のインクの圧力差を調整することで、第1経路302に流すインクの量を調整し得る。
【0063】
ある局面において、制御部127は、インクの流量を調整する代わりに、温度調整部342により、第2経路306内のインクを冷却してもよい。また、他の局面において、制御部127は、インクの流量を調整すると共に、温度調整部342により、第2経路306内のインクを冷却してもよい。
【0064】
ステップS450において、制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度は予め決められた第2温度以下か否かを判定する。第2温度は、ステップS430における第1温度よりも低い温度である。すなわち、制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度が十分に下がったか否かを判定する。制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度は予め決められた第2温度以下であると判定した場合(ステップS450にてYES)、制御をステップS460に移す。そうで無い場合(ステップS450にてNO)、制御部127は、制御をステップS440に移す。
【0065】
ステップS460において、制御部127は、循環するインク量を元に戻す。より具体的には、制御部127は、第1経路302に流すインクの量を通常の量になるように調整する。また、制御部127は、インクの冷却に温度調整部342を使用していた場合、温度調整部342を停止させる。
【0066】
図5は、画像形成装置10による第2ヘッド200Bの冷却手順の他の例を示す図である。
図5の処理は、
図4の処理と異なり、第2ヘッド200B内のインクの将来の温度を予測する処理を含む。ステップS510~S540までの処理は、ステップS410~S440までの処理と等しいため、説明を繰り返さない。
【0067】
ステップS550において、制御部127は、温度検出部330Bにより、第2ヘッド200B内のインクの温度を再度取得する。
【0068】
ステップS560において、制御部127は、第2ヘッド200B内のインクの温度の変化を予測する。より具体的には、制御部127は、ステップS520にて取得した温度と、ステップS550にて取得した温度とを比較することで、第2ヘッド200B内のインクの温度の変化を予測し得る。例えば、制御部127は、数秒後又は数分後の第2ヘッド200B内のインクの温度の変化を予測し得る。
【0069】
ステップS570において、制御部127は、予測結果に基づいて、循環するインク量(第1経路302に流すインク量)を調整する。より具体的には、制御部127は、ステップS560にて、ステップS520にて取得した温度とステップS550にて取得した温度との差分を算出している。制御部127は、当該差分と、ステップS540以降のインクの循環量とに基づいて、インクの循環量に対するインクの温度変化量を算出し得る。制御部127は、インクの循環量に対するインクの温度変化量に基づいて、循環するインク量(第1経路302に流すインク量)を調整し得る。
【0070】
ある局面において、制御部127は、インクの冷却に温度調整部342を使用していたとする。この場合、制御部127は、温度調整部342の動作量に対するインクの温度変化量を算出し得る。制御部127は、温度調整部342の動作量に対するインクの温度変化量に基づいて、温度調整部342の動作量を調整し得る。一例として、温度調整部342がファンを含む場合、制御部127は、ファンの回転数を調整し得る。
【0071】
他の局面において、制御部127は、インクの量を調整すると共にインクの冷却に温度調整部342を使用していたとする。この場合、制御部127は、インクの循環量及び温度調整部342の動作量に対するインクの温度変化量を算出し得る。制御部127は、インクの循環量及び温度調整部342の動作量に対するインクの温度変化量に基づいて、インクの循環量及び温度調整部342の動作量を調整し得る。
【0072】
以上説明した通り、本実施の形態に従う画像形成装置10は、第2ヘッド200B内のインクの温度が予め決められた温度以上であることに基づいて、第1経路302に流すインクの量(インクの循環量)を調整する。または、画像形成装置10は、第2ヘッド200B内のインクの温度が予め決められた温度以上であることに基づいて、温度調整部342により、第2経路306を流れるインクを冷却する。また、画像形成装置10は、第2ヘッド200B内のインクの温度が予め決められた温度以上であることに基づいて、上記の2つの機能を組み合わせてインクを冷却し得る。これにより、画像形成装置10は、第2ヘッド200B内のインクの温度が必要以上に高くなることを抑制し得る。さらに、画像形成装置10は、第2ヘッド200B内のインクの将来の温度を予測し、当該予測結果に基づいて、インクの循環量及び/又は温度調整部342の動作量を調整し得る。これにより、画像形成装置10は、第2ヘッド200B内のインクの温度が必要以上に低くなることを抑制し得る。
【0073】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された開示内容は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0074】
10 画像形成装置、110 給紙部、111 給紙トレー、112,126 搬送部、113 媒体、120 画像形成部、121 受け渡しユニット、122 画像形成ドラム、123 加熱部、124 ヘッドユニット、125 照射部、127 制御部、130 排紙部、131 排紙トレー、200 ヘッド、200A 第1ヘッド、200B 第2ヘッド、210 基部、220 セット、302 第1経路、306 第2経路、308 第3経路、310A,310B 制御基板、320A,320B 吐出部、330A,330B,340,344 温度検出部、342 温度調整部、352,354,356,358 温度。