(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165665
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】モータシステム、冷蔵庫、およびモータ駆動用ソフトウェア選択方法
(51)【国際特許分類】
H02P 29/00 20160101AFI20241121BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20241121BHJP
F25D 17/06 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H02P29/00
F25D11/00 101B
F25D17/06 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082039
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】武田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】金原 幸子
(72)【発明者】
【氏名】正久 昌利
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
5H501
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045LA10
3L045MA02
3L045NA01
3L045NA03
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA18
3L345AA30
3L345BB01
3L345CC01
3L345DD21
3L345EE04
3L345EE33
3L345EE49
3L345EE50
3L345EE53
3L345FF13
3L345FF41
3L345FF49
3L345KK01
3L345KK02
3L345KK03
3L345KK04
5H501AA08
5H501DD01
5H501GG03
5H501JJ03
5H501JJ04
5H501JJ17
5H501LL01
5H501LL22
5H501LL53
(57)【要約】
【課題】本開示は、モータの種類を入力の電流値によって判別可能な冷蔵庫を提供する。
【解決手段】本開示における冷蔵庫は、回転し、回転の速度をパルスの数で示すフィードバック信号を出力するモータを備えるモータシステム、モータの定められた回転数における入力の電流値を計測し、モータの種類を判別し、モータの種類に応じたモータを駆動させるソフトウェアを選択し、ソフトウェアを動作させる制御基板と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の電圧を入力し、あらかじめ定められた回転速度で回転するモータと、前記モータに入力される電流値を読み取り、前記電流値を用いて前記モータの種類を判別し、前記モータの種類に応じた前記モータを駆動させるソフトウェアを選択し、前記ソフトウェアを動作させる制御回路と、を備えるモータシステム。
【請求項2】
前記モータの回転数を検出する回転数検出部を備え、回転数検出部によって前記制御回路部に
前記モータの回転数に関する信号が送信され、前記制御回路は前記信号に基づいてパルス数と回転数を算出して、目的とする回転数に補正する信号を前記制御回路より前記モータに送信する請求項1のモータシステム。
【請求項3】
前記モータシステムが備えるモータの回転によって回転するファンと、
冷媒を循環させる圧縮機と、
前記ファンの下方に位置する冷却器と、前記ファンの回転によって前記冷却器と熱交換した冷気を吐出し、冷却する貯蔵室と、を備えた請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
機能または庫内温度に対応する回転数で前記モータを駆動させる請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
所定の電圧を入力し、あらかじめ定められた回転速度で回転するモータに入力される電流値を読み取る第一のステップ、前記電流値を用いて前記モータの種類を判別する第二のステップ、前記モータの種類に応じた前記モータを駆動させるソフトウェアを選択する第三のステップとを含むモータ駆動用ソフトウェア選択方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モータを備えるモータシステム、冷蔵庫、およびモータ駆動用ソフトウェア選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ファンと冷却器と冷蔵室などの収納室とを備える冷蔵庫を開示する。ファンが回転することで風が発生する。発生した風が冷却器に当たることで風は冷気となる。冷気は冷蔵庫内を巡回し、確収納室は冷却される。モータが回転することでファンが回転する。モータは冷蔵庫に備わる制御部によって制御され、制御部はモータを駆動させるための駆動用ソフトウェアを保持し、駆動用ソフトウェアを動作させることでモータを駆動させる。モータはセンサを備え、センサはモータの回転速度を検出し、検出した回転速度を、パルスを含むフィードバック信号として制御部に出力する。特許文献1では、フィードバック信号の1回転あたりのパルス数である第1のパルスを求め、第1のパルス数を用いてモータの種類を判別し、モータの種類に応じたモータを駆動させるソフトウェアを選択し、ソフトウェアを動作させる制御回路と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、冷蔵庫におけるモータの組立て工程に、メーカによって使い分けが可能なモータ駆動用ソフトウェア選択方法を提供することにより、モータの駆動用ソフトウェアの入れ替え作業の工数を抑制することを目的とする。特許文献1に記載されるモータシステムにおいては、モータ1回転あたりのパルス数のみを算出するため、選択肢が1つのみである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における冷蔵庫は、モータによって適切な冷却性能は異なる。そのため、モータごとに適切な回転数を設定する必要があり、本発明に関わるモータは、モータに入力される電流値を読み取り、前記電流値を用いてモータの種類を判別し、モータの種類に応じた駆動させるソフトウェアを選択し、モータを動作させる制御回路を備えるモータシステムを備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示におけるモータシステムは、あらかじめ定められた回転速度で回転するモータに入力される電流値が異なるモータに変更して組込むことに伴う、モータの駆動用ソフトウェアの入れ替え作業の工数を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】実施の形態にかかる冷却ファンモータ制御のフローチャート
【
図4】実施の形態にかかる冷却ファンモータの回転数特性を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、冷蔵庫におけるモータは各メーカによって提供されて冷蔵庫に組込まれている。各メーカによってモータの冷却性能や各特性は異なり、各々の使いこなしする必要がある。そのために、各モータ専用のソフトウェアを選択し、回転数制御をして駆動する技術があった。
【0009】
しかしながら、駆動用ソフトウェアを入れ替えるための工数を要するという問題があった。
発明者らが本開示に想到するに至った当時、特許文献1に記載されるソフトウェア選択方法としてフィードバック信号の1回転あたりのパルス数が異なるファンモータに変更して組込むことに伴う、モータの駆動用ソフトウェアの入替作業の工数を抑制することを目的とする。
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0011】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図2を用いて、実施の形態1を説明する。
【0013】
[1.構成]
[1-1.冷蔵庫の構成]
図1において、冷蔵庫1の断熱箱体2は、主に鋼板を用いた外箱3と、ABSなどの樹脂で成型された内箱4と、外箱3と内箱4との間の空間に充填発泡される例えば硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材5とからなり、周囲と断熱し、複数の貯蔵室に区分されている。
【0014】
断熱箱体2の最上部には冷蔵室6が設けられ、その冷蔵室6の下部に左右に並んで切替室7と製氷室8(図示せず)が断熱壁で仕切られて横並びに設けられている。その切替室7と製氷室8の下部に冷凍室9が設けられ、そして最下部に野菜室10が配置される構成となっている。
【0015】
冷蔵室6は、室内温度を通常1℃~5℃とし、切替室7は、室内温度を―18℃~5℃で、冷凍温度帯から冷蔵温度帯に切替えることができる。
【0016】
冷凍室9は、室内温度を通常-22℃~-15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば-30℃や-25℃の低温で設定されることもある。野菜室10は、冷蔵室5と同等もしくは若干高い温度設定の2℃~7℃としている。
【0017】
また、冷蔵室6の前面開口部にはヒンジ式の冷蔵室扉11が開閉自在に備えられ、ガスケット(図示しない)で扉と前面開口部との間をシールしている。
【0018】
また、切替室7と製氷室8との前面開口部には引出し式の切替室扉12、引出し式の製氷室扉(図示しない)が設けられ、ガスケット(図示しない)でシールされて、引出し切替室扉12を前方へ引き出すと上面を開口した切替室容器13が同時に引き出す構成となっている。
【0019】
また、冷凍室9の前面開口部には引出し式の冷凍室扉14が設けられ、冷凍室扉14のガスケット(図示しない)で前面開口部との間をシールしている。
【0020】
冷凍室9内には上面を開口した上下2段の上部冷凍室容器15と下部冷凍室容器16とを備え、上部冷凍室容器15は下部冷凍室容器16の上面開口周縁部に載った状態で、引出し式冷凍室扉14の前方への引出し動作に連動して、上部冷凍室容器15と下部冷凍室容器16とが引き出される構成となっている。
【0021】
また最下部の野菜室10の前面開口部には引出し式の野菜室扉17が設けられ、野菜室扉17のガスケット(図示しない)で前面開口部との間をシールしている。
【0022】
野菜室10内には上面を開口した野菜室容器18を備え、引出し式の野菜室扉17の引出し動作に連動して、野菜室容器18が引き出される構成となっている。
【0023】
冷凍室9の後方には冷気を生成する冷却室19が設けられている。
【0024】
冷凍サイクルを構成する冷却器20と圧縮機22が配設されており、冷却室19内の冷却器20の上方空間にはファン21を備えている。ファン21の運転により、冷却器20で熱交換した空気を冷蔵室6、切替室7、製氷室8、冷凍室9、そして野菜室10に送風し、送風する冷気量を調節制御して、各室を所定温度に冷却する。圧縮機22は、冷蔵室6の後方上部に配置している。
【0025】
図2は、制御回路の構成図である。モータシステム210はモータを駆動する駆動部211、モータシステム210の回転数を制御する制御部212、回転数を検出する回転数検出部213で構成されている。
【0026】
また、制御基板214は冷蔵庫全体の制御を行い、制御基板214は、モータシステム210の電流値を検出する電流値検出部215と、駆動部211を制御するモータ制御部216を有している。
【0027】
図3は、冷却ファンモータ制御のフローチャートである。駆動信号によって、所定の電圧を入力し駆動部211(モータ)を回転する(ステップS1)。そして駆動部211の電流値を電流値検出部215で検出する(ステップS2)。そして検出した電流値がX(A)かを検出(ステップS3)し、X(A)値であれば、メーカA用のソフトウェアを動作させる(ステップS4)。X(A)値でない場合は、別の電流値Y(A)かを検出(ステップS7)し、Y(A)値であれば、メーカB用のソフトウェアを動作させる(ステップS8)。
【0028】
メーカA用のソフトウェア動作またはメーカB用のソフトウェア動作の場合も、回転数を検出(ステップS5)し、目標の回転数になるように補正する(ステップS6)。
【0029】
また電流値がY(A)でない場合は、モータの異常検出と判断する(ステップS9)ことになる。
【0030】
図4は、冷却ファンモータの回転数特性を示す図であり、冷却ファンAと冷却ファンBとのそれぞれの電流値を示しており、冷却ファンAと冷却ファンBとは、同じ回転数で駆動しても、それぞれ異なる電流値(消費電力)となる。
【0031】
所定の回転数で駆動した場合の冷却ファンAと冷却ファンBとの各電流値が判別テーブルに記憶されており、電流値よりファンA、又はファンBの種類を判別できる。
【0032】
[1-2.効果等]
以上のように、本実施の形態において、所定の電圧を入力し、あらかじめ定められた回転速度で回転するモータ211と、モータ211に入力される電流値を読み取り、電流値を用いてモータ211の種類を判別し、モータ211の種類に応じたモータ211を駆動させるソフトウェアを選択し、ソフトウェアを動作させる制御回路214と、を備えるモータシステムである。
【0033】
これにより、あらかじめ定められた回転速度で回転するモータ211に入力される電流値が異なるモータに変更して組込むことに伴う、モータ211の駆動用ソフトウェアの入れ替え作業の工数を抑制できる。
【0034】
また、モータ211の回転数を検出する回転数検出部213を備え、回転数検出部213によって制御回路部212にモータ211の回転数に関する信号が送信され、制御回路212は信号に基づいてパルス数と回転数を算出して、目的とする回転数に補正する信号を制御回路212よりモータ211に送信するものである。
【0035】
これにより、目的の回転数でファン21を運転制御できる。
【0036】
また、モータシステムが備えるモータ211の回転によって回転するファン21と、冷媒を循環させる圧縮機22と、ファン21の下方に位置する冷却器20と、ファン21の回転によって冷却器20と熱交換した冷気を吐出し、冷却する冷凍室9と、を備えている。
【0037】
これにより、冷蔵庫の冷却ファン21として使用した場合に、モータ211の駆動用ソフトウェアの入れ替え作業の工数を抑制できる。
【0038】
また、所定の電圧を入力し、あらかじめ定められた回転速度で回転するモータ211に入力される電流値を読み取る第一のステップ、電流値を用いてモータ211の種類を判別する第二のステップ、モータ211の種類に応じたモータ211を駆動させるソフトウェアを選択する第三のステップとを含むモータ駆動用ソフトウェア選択方法であり、電流値の特性でソフトウェア側でファンの種類を判別することができ、作業工数を抑制し、異なるファンの特性に応じて目的の回転数でファンを運転することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本開示は、2種類の冷却ファンモータを選択する冷蔵庫に適応可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 冷蔵庫
2 断熱箱体
3 外箱
4 内箱
5 発泡断熱材
6 冷蔵室
7 切替室
8 製氷室
9 冷凍室
10 野菜室
11 冷蔵室扉
12 切替室扉
13 切替室容器
14 冷凍室扉
15 上部冷凍室容器
16 下部冷凍室容器
17 野菜室扉
18 野菜室容器
19 冷却室
20 冷却器
21 ファン