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特開2024-165676情報処理システム、制御方法、および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165676
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理システム、制御方法、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20241121BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20241121BHJP
【FI】
G06Q10/0639
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082060
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】古川 寛
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】介護スタッフのスキルの適切な評価が可能な、情報処理システムを提供する。
【解決手段】複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける介助スキル受付部と、受け付けられた、被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルに基づいて、スタッフごとに、各介助に対する介助スキルの高さを数値化した介助スキル値を算出する算出部と、算出された介助スキル値の合計をスタッフごとに算出し、算出された介助スキル値の合計を、介助スキル値の合計の算出に用いられた各介助スキル値が把握可能で、かつスタッフの間で比較可能に、スタッフにそれぞれ対応付けて出力する出力制御部と、を含む情報処理システム。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける介助スキル受付部と、
受け付けられた、前記被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルに基づいて、前記スタッフごとに、各介助に対する前記介助スキルの高さを数値化した介助スキル値を算出する算出部と、
算出された前記介助スキル値の合計を前記スタッフごとに算出し、算出された前記介助スキル値の合計を、当該介助スキル値の合計の算出に用いられた各介助スキル値が把握可能で、かつ前記スタッフの間で比較可能に、前記スタッフにそれぞれ対応付けて出力する出力制御部と、を有する情報処理システム。
【請求項2】
複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける介助スキル受付部と、
各被介護者の状態に基づいて、前記被介護者の状態に応じた前記介助スキルをもつ前記スタッフの、前記被介護者の状態ごとの必要人数を算出する必要スタッフ数算出部と、
受け付けられた、前記被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフの人数を算出する算出部と、
算出された、前記被介護者の状態ごとの必要人数と、算出された、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフの人数とを、前記被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する出力制御部と、を有する情報処理システム。
【請求項3】
複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける介助スキル受付部と、
各被介護者の状態に基づいて、前記被介護者の状態ごとに、前記被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数を算出する状態対応人数算出部と、
受け付けられた、前記被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、前記被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数のうち、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフにより対応されることができる人数を算出する算出部と、
算出された、各被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数と、前記被介護者の状態に対応する前記被介護者のうち、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフにより対応されることができる人数と、を前記被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する出力制御部と、を有する情報処理システム。
【請求項4】
前記介助スキルは、各被介護者に対し自己が対応できる介助ごとの介助レベルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
介助の指定を受け付ける指定受付部を有し、
前記出力制御部は、指定された介助について、各被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数と、当該被介護者の介助に対応可能な前記スタッフの人数と、を前記被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
情報処理システムにより実行される制御方法であって、
複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付けるステップ(a)と、
受け付けられた、前記被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルに基づいて、前記スタッフごとに、各介助に対する前記介助スキルの高さを数値化した介助スキル値を算出するステップ(b)と、
算出された前記介助スキル値の合計を前記スタッフごとに算出し、算出された前記介助スキル値の合計を、当該介助スキル値の合計の算出に用いられた各介助スキル値が把握可能で、かつ前記スタッフの間で比較可能に、前記スタッフにそれぞれ対応付けて出力するステップ(c)と、を有する制御方法。
【請求項7】
情報処理システムにより実行される制御方法であって、
複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付けるステップ(d)と、
各被介護者の状態に基づいて、前記被介護者の状態に応じた前記介助スキルをもつ前記スタッフの、前記被介護者の状態ごとの必要人数を算出するステップ(e)と、
受け付けられた、前記被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフの人数を算出するステップ(f)と、
算出された、前記被介護者の状態ごとの必要人数と、算出された、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフの人数とを、前記被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力するステップ(g)と、を有する制御方法。
【請求項8】
情報処理システムにより実行される制御方法であって、
複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付けるステップ(h)と、
各被介護者の状態に基づいて、前記被介護者の状態ごとに、前記被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数を算出するステップ(i)と、
受け付けられた、前記被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、前記被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数のうち、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフにより対応されることができる人数を算出するステップ(j)と、
算出された、各被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数と、前記被介護者の状態に対応する前記被介護者のうち、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフにより対応されることができる人数と、を前記被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力するステップ(k)と、を有する制御方法。
【請求項9】
前記介助スキルは、各被介護者に対し自己が対応できる介助ごとの介助レベルである、請求項6に記載の制御方法。
【請求項10】
介助の指定を受け付けるステップ(l)を有し、
前記ステップ(g)においては、指定された介助について、各被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数と、当該被介護者の介助に対応可能な前記スタッフの人数と、を前記被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する請求項7に記載の制御方法。
【請求項11】
請求項6~10のいずれか一項に記載の制御方法をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
我が国は、戦後の高度経済成長に伴う生活水準の向上、衛生環境の改善、および医療水準の向上等により、長寿命化が顕著となっている。このため、出生率の低下と相まって、高齢化率が高い高齢化社会になっている。このような高齢化社会では、病気、怪我、および加齢などにより、介護や看護等のケアを必要とする要介護者等の増加が想定される。
【0003】
介護サービス事業者にとって、介護スタッフのスキルをどのように評価するのかが課題である。介護スタッフのスキルを客観的かつ公平に評価することは、介護スタッフのモチベーションにも関わり、介護スタッフが介護サービス事業所で働き続けてくれるかに大きく関わる。
【0004】
特許文献1には、次の先行技術が開示されている。端末装置において名前ボタンのタッチがされた時刻を介護行為の開始時間として入力する。入力操作を次に進める操作である対応中画面のタッチがされた時刻を介護行為の終了時刻として入力する。介護記録の登録を指示する登録ボタンのタッチが行われた時刻を介護記録の入力操作が終了した時刻として入力する。これらの情報を含めて介護記録の情報を管理装置へ送信して登録する。これにより、スタッフにより専ら介護行為がされていた時間と、介護行為の入力操作がされていた時間とを分けて記録できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-111186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記先行技術は、介護行為がされていた時間に基づいて各スタッフを評価する。従って、介護時間に基づいて手際よく作業できているかどうかの観点から評価しているだけで、要介護者等の状態に合った介助ができるかどうかを評価できないという問題がある。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものである。すなわち、介護スタッフのスキルの適切な評価を可能にする、情報処理システム、制御方法、および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決される。
【0009】
(1)複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける介助スキル受付部と、受け付けられた、前記被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルに基づいて、前記スタッフごとに、各介助に対する前記介助スキルの高さを数値化した介助スキル値を算出する算出部と、算出された前記介助スキル値の合計を前記スタッフごとに算出し、算出された前記介助スキル値の合計を、当該介助スキル値の合計の算出に用いられた各介助スキル値が把握可能で、かつ前記スタッフの間で比較可能に、前記スタッフにそれぞれ対応付けて出力する出力制御部と、を有する情報処理システム。
【0010】
(2)複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける介助スキル受付部と、各被介護者の状態に基づいて、前記被介護者の状態に応じた前記介助スキルをもつ前記スタッフの、前記被介護者の状態ごとの必要人数を算出する必要スタッフ数算出部と、受け付けられた、前記被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフの人数を算出する算出部と、算出された、前記被介護者の状態ごとの必要人数と、算出された、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフの人数とを、前記被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する出力制御部と、を有する情報処理システム。
【0011】
(3)複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける介助スキル受付部と、各被介護者の状態に基づいて、前記被介護者の状態ごとに、前記被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数を算出する状態対応人数算出部と、受け付けられた、前記被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、前記被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数のうち、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフにより対応されることができる人数を算出する算出部と、算出された、各被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数と、前記被介護者の状態に対応する前記被介護者のうち、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフにより対応されることができる人数と、を前記被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する出力制御部と、を有する情報処理システム。
【0012】
(4)前記介助スキルは、各被介護者に対し自己が対応できる介助ごとの介助レベルである、上記(1)~(3)のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0013】
(5)介助の指定を受け付ける指定受付部を有し、
前記出力制御部は、指定された介助について、各被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数と、当該被介護者の介助に対応可能な前記スタッフの人数と、を前記被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する上記(2)に記載の情報処理システム。
【0014】
(6)情報処理システムにより実行される制御方法であって、複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付けるステップ(a)と、受け付けられた、前記被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルに基づいて、前記スタッフごとに、各介助に対する前記介助スキルの高さを数値化した介助スキル値を算出するステップ(b)と、算出された前記介助スキル値の合計を前記スタッフごとに算出し、算出された前記介助スキル値の合計を、当該介助スキル値の合計の算出に用いられた各介助スキル値が把握可能で、かつ前記スタッフの間で比較可能に、前記スタッフにそれぞれ対応付けて出力するステップ(c)と、を有する制御方法。
【0015】
(7)情報処理システムにより実行される制御方法であって、複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付けるステップ(d)と、各被介護者の状態に基づいて、前記被介護者の状態に応じた前記介助スキルをもつ前記スタッフの、前記被介護者の状態ごとの必要人数を算出するステップ(e)と、受け付けられた、前記被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフの人数を算出するステップ(f)と、算出された、前記被介護者の状態ごとの必要人数と、算出された、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフの人数とを、前記被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力するステップ(g)と、を有する制御方法。
【0016】
(8)情報処理システムにより実行される制御方法であって、複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付けるステップ(h)と、各被介護者の状態に基づいて、前記被介護者の状態ごとに、前記被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数を算出するステップ(i)と、受け付けられた、前記被介護者それぞれに対する自己の前記介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、前記被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数のうち、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフにより対応されることができる人数を算出するステップ(j)と、算出された、各被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数と、前記被介護者の状態に対応する前記被介護者のうち、各被介護者の状態に対応する前記介助スキルをもつ前記スタッフにより対応されることができる人数と、を前記被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力するステップ(k)と、を有する制御方法。
【0017】
(9)前記介助スキルは、各被介護者に対し自己が対応できる介助ごとの介助レベルである、上記(6)に記載の制御方法。
【0018】
(10)介助の指定を受け付けるステップ(l)を有し、前記ステップ(g)においては、指定された介助について、各被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数と、当該被介護者の介助に対応可能な前記スタッフの人数と、を前記被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する上記(7)に記載の制御方法。
【0019】
(11)上記(6)~(10)のいずれか一項に記載の制御方法をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【発明の効果】
【0020】
複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける。被介護者それぞれに対する自己の介助スキルに基づいて、スタッフごとに、各介助に対する介助スキル値を算出する。算出された介助スキル値の合計をスタッフごとに算出し、当該介助スキル値の合計の算出に用いられた各介助スキル値が把握可能で、かつスタッフの間で比較可能に、スタッフにそれぞれ対応付けて出力する。これにより、介護スタッフのスキルの適切な評価ができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】情報処理システムの全体構成を示す図である。
図2】管理サーバーの概略構成を示すブロック図である。
図3】状態管理テーブルの例を示す図である。
図4】制御部の機能を示すブロック図である。
図5】出力制御部により出力される、スタッフごとの介助スキル値の合計を示す図である。
図6】携帯端末の概略構成を示すブロック図である。
図7】スキル入力画面を示す図である。
図8】情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
図9】制御部の機能を示すブロック図である。
図10】出力制御部により出力される、被介護者の状態ごとの必要人数と、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数との棒グラフを示す図である。
図11】情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
図12】制御部の機能を示すブロック図である。
図13】出力制御部により出力される、各被介護者の状態に対応する被介護者の人数と、被介護者の状態に対応する被介護者の人数のうち、スタッフにより対応されることができる人数のグラフを示す図である。
図14】情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る、情報処理システム、制御方法、および制御プログラムについて説明する。なお、図面において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0023】
本明細書において、介護(介助)を受ける被介護者には、介護を必要とする者が広く含まれ、例えば、要介護者、要支援者、および患者が含まれる。介助には、例えば、排泄介助、入浴介助、食事介助、移乗介助、移動介助、および寝返り介助が含まれる。
【0024】
被介護者を介助するスタッフ50は、1つの介護サービス事業者と雇用契約のある者であり得る。以下、説明を簡単にするために、各スタッフ50は、1つの介護施設で被介護者を介護する者である場合を例に説明する。
【0025】
(第1実施形態)
図1は情報処理システム1の全体構成を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1は、管理サーバー10、固定端末20、および1つ以上の携帯端末30を有する。これらは、有線や無線によって、LAN(Local Area Network)、電話網またはデータ通信網等のネットワーク40を介して、相互に通信可能に接続される。ネットワーク40は、通信信号を中継する中継機を備えてもよい。図1に示す例では、携帯端末30は、管理サーバー10、および固定端末20が、アクセスポイント41を含む無線LAN等(例えばIEEE802.11規格によるLAN)のネットワーク40によって、相互に通信可能に接続されている。
【0026】
携帯端末30は、被介護者を介助するスタッフ50によりそれぞれ携帯され得る。
【0027】
情報処理システム1は管理サーバー10のみにより構成されてもよい。情報処理システム1は管理サーバー10および携帯端末30のみにより構成されてもよい。
【0028】
管理サーバー10および固定端末20は、例えば、老人福祉施設や病院等の建物に好適に配設される。管理サーバー10はクラウドサーバーにより構成されてもよい。
【0029】
(管理サーバー10)
図2は管理サーバー10の概略構成を示すブロック図である。管理サーバー10は、制御部11、通信部12、および記憶部13を備え、これらの構成要素はバスによって、相互に接続されている。
【0030】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、およびRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのメモリにより構成され、プログラムに従って管理サーバー10の各部の制御および演算処理を行う。制御部11の機能の詳細は後述する。
【0031】
通信部12は、ネットワーク40を介して、例えば、固定端末20、および携帯端末30を含む他の装置と通信するためのインターフェースであり、例えばLANカードであり得る。
【0032】
記憶部13は、HDDやSSD等により構成される。記憶部13は、各種プログラムおよび各種データを記憶する。記憶部13は、被介護者の氏名と、被介護者の状態とが対応付けされて登録された状態管理テーブルを記憶する。
【0033】
図3は、状態管理テーブルの例を示す図である。図3の例においては、ある1つの介護施設に入居し、介護される被介護者の氏名として、「東京太郎」、「大阪はな子」、および「北海道花子」が登録されている。被介護者である「東京太郎」の状態として「右半身麻痺」が登録されている。被介護者である「大阪はな子」の状態として「左半身麻痺」および「体位保持不可」が登録されている。
【0034】
状態管理テーブルにおける被介護者の氏名は、被介護者を特定可能なIDにより代替され得る。
【0035】
制御部11の機能について説明する。
【0036】
図4は、制御部11の機能を示すブロック図である。制御部11は、介助スキル受付部111、算出部112、および出力制御部113として機能する。
【0037】
介助スキル受付部111は、複数のスタッフ50から、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキル(スタッフ50自身の介助スキル、以下同じ。)を受け付ける。具体的には、介助スキル受付部111は、各携帯端末30へスキル入力画面100(図7参照)を送信して、各携帯端末30において表示させる。そして、介助スキル受付部111は、スキル入力画面100においてスタッフ50により入力される、各介助に関する介助スキルを各携帯端末30から通信部12により受信する。これにより、介助スキル受付部111は、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルをスタッフ50から受け付ける。各介助に関する自己の介助スキルとは、介助ごとに自己が対応できる介助レベルである。具体的には、各介助に関する自己の介助スキルとは、被介護者それぞれに対する各介助への対応可否の程度である。対応可否には、「1人でできる」(1人で対応可能)、「サポートが必要」(2人で対応可能)、および「教えて欲しい」(対応不可能)が含まれる。対応可否は、「1人でできる」(1人で対応可能)、および「教えて欲しい」(対応不可能)のみの2段階であってもよい。以下、説明を簡単にするために、対応可否は、「1人でできる」(1人で対応可能)、「サポートが必要」(2人で対応可能)、および「教えて欲しい」(対応不可能)の3段階である場合を例に説明する。
【0038】
自己が対応不可能な被介護者は、被介護者の状態に合った介助ができないとスタッフ50が判断する被介護者である。従って、例えば、「左半身麻痺」の被介護者に対する「食事」の介助については、サポートの有無にかかわらず対応不可と考えるスタッフ50は、当該被介助者への介助については「教えて欲しい」(対応不可能)を自己の介助スキルとして入力する。
【0039】
算出部112は、受け付けられた、被介護者それぞれに対する自己の介助スキルに基づいて、スタッフ50ごとに、各介助に関する介助スキルの高さを数値化した介助スキル値を算出する。具体的には、算出部112は、例えば、介護施設の入居者である被介護者が10人であり、「食事」の介助において自己が対応可能な被介護者の数が8人であるとする。すなわち、「食事」の介助において、対応可否として、「1人でできる」が受け付けられた被介護者が8人であるとする。この場合、算出部112は、「食事」に関する自己の介助スキル値を、8点(=8人/10人*10点)と算出する。自己が対応可能な被介護者の数とは、基本的には、介助ごとに、対応可否として、「1人でできる」が受け付けられた被介護者の数である。ただし、対応可否として「サポートが必要」が受け付けられた被介護者がx人いる場合は、自己が対応可能な被介護者の数に、x/2人を加え得る。施設の入居者すべてに対して自己が対応可能である介助については、介助スキル値が10点(満点)と算出される。そして、自己が対応可能な被介護者の、施設の全入居者に対する割合が減少するほど、介助スキル値は低い値に算出される。介助スキル値は、0点~10点の範囲の値をとり得る。
【0040】
出力制御部113は、算出された介助スキル値の合計をスタッフ50ごとに算出する。出力制御部113は、算出した介助スキル値の合計を、当該介助スキル値の算出に用いられた各介助スキル値を把握可能で、かつスタッフ50の間で比較可能に、スタッフ50にそれぞれ対応付けて出力する。具体的には、出力制御部113は、携帯端末30や固定端末20へ介助スキル値の合計をスタッフ50にそれぞれ対応付けて通信部12により送信することで出力する。出力制御部113は、管理サーバー10に接続された表示装置(図示せず)に介助スキル値の合計をスタッフ50にそれぞれ対応付けて表示することで介助方法を出力してもよい。出力制御部113は、管理サーバー10に接続された画像形成装置(図示せず)により介助スキル値の合計をスタッフ50にそれぞれ対応付けて用紙に画像形成して排出することで介助方法を出力してもよい。
【0041】
図5は、出力制御部113により出力される、スタッフ50ごとの介助スキル値の合計を示す図である。
【0042】
図5の例においては、スタッフ50ごとに、介助スキル値の合計が、当該介助スキル値の合計の算出に用いられた、各介助スキル値を把握可能に、棒グラフとして出力されている。また、各スタッフ50の介助スキル値の合計が、縦軸を共通にしてそれぞれ棒グラフで表示されることで、スタッフ50間で比較可能に出力されている。これにより、各スタッフ50の介助スキルを適切に評価できる。また、施設として、介助スキルが不足している介助を把握できる。また、被介護者ごとにどのスタッフ50にどこまでの介助を担当させることができるかを容易に決定できる。また、スタッフ50の育成計画の作成において、不足している介助を把握し補強するための判断材料を提供できる。
【0043】
(固定端末20)
固定端末20は、PC(Personal Computer)であり、制御部、記憶部、表示部、通信部、および入力部等を備える。制御部、記憶部、および通信部の機能は管理サーバー10の対応する構成要素の機能と同様であるため説明を省略する。
【0044】
入力部は、管理者による各種指示の操作や各種情報の入力を受け付ける。制御部は、入力部において各被介護者の状態を受け付け、被介護者の氏名と対応付けて管理サーバー10へ送信する。管理サーバー10は、固定端末20から受信した被介護者の状態および被介護者の氏名を、状態管理テーブルに登録する。表示部は、管理サーバー10との間で情報を送受信するための操作画面等の各種情報を表示する。
【0045】
(携帯端末30)
図6は、携帯端末30の概略構成を示すブロック図である。携帯端末30は、制御部31、無線通信部32、表示部33、入力部34、および音声入出力部45を備え、これらはバスにより相互に接続される。携帯端末30は、例えば、タブレット型コンピューター、スマートフォンまたは携帯電話等の、スタッフ50により携帯可能な通信端末機器によって構成され得る。
【0046】
制御部31は、管理サーバー10の制御部11の構成と同様に、CPU、RAM、ROMなどの基本構成を備える。
【0047】
無線通信部32は、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)などの規格による無線通信を行う機能を有し、アクセスポイント41を経由して、または直接に各装置と無線通信する。
【0048】
表示部33および入力部34は、タッチパネルであり、液晶などで構成される表示部33の表示面に、入力部34としてのタッチセンサーが設けられる。表示部33および入力部34によって、スキル入力画面100を表示する。
【0049】
図7は、スキル入力画面100を示す図である。図7には、施設のスタッフ50の1人であるスタッフAの携帯端末に表示されたスキル入力画面100が示されている。スキル入力画面100は、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付けるための画面である。
【0050】
図7の例においては、スキル入力画面100において、「食事介助」と「排泄介助」とに区分され、介助ごとに自己の介助スキルの入力を受け付ける。上述したように、自己の介助スキルは、被介護者それぞれに対する各介助への対応可否の程度である。スキル入力画面100において、被介護者として、「東京太郎様」、「大阪はな子様」、および「北海道花子様」が表示されている。そして、各被介護者に対し、「1人でできる」(1人で対応可能)、「サポートが必要」(2人で対応可能)、および「教えて欲しい」(対応不可能)の3段階で介助への対応可否の入力が可能になっている。例えば、「食事介助」に関して、スタッフAの介助スキルとして、「東京太郎様」に対しては、「1人でできる」が入力されている。また、「食事介助」に関して、スタッフAの介助スキルとして、「大阪はな子様」に対しては、「サポートが必要」が入力されている。
【0051】
音声入出力部35は、例えばスピーカーとマイクにより構成される。音声入出力部35は、無線通信部32を介して他の携帯端末30との間で介助者50相互間の音声通話を可能にする。
【0052】
制御部31は、管理サーバー10から受信したスキル入力画面100を表示部33に表示させて、スタッフ50によるスキル入力画面への入力を受け付ける。制御部31は、入力部34においてスタッフ50によりスキル入力画面100の表示の指示の入力を受け付けたときに、管理サーバー10からスキル入力画面100を取得して表示部33に表示させてもよい。
【0053】
制御部31は、スキル入力画面100へ入力された、各介助に関する介助スキルを、スタッフ50の氏名等と対応付けて、無線通信部32により管理サーバー10へ送信する。
【0054】
図8は、情報処理システム1の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、管理サーバー10の制御部11によりプログラムに従って実行され得る。
【0055】
制御部11は、各携帯端末30から、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける(S101)。
【0056】
制御部11は、受け付けられた、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルに基づいて、各介助に対する各スタッフ50の介助スキル値を算出する(S102)。
【0057】
制御部11は、介助スキル値の合計をスタッフ50ごとに算出し、当該合計における各介助スキル値を把握可能、かつスタッフ50間で比較可能に、スタッフ50に対応付けて出力する(S103)。
【0058】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態と第1実施形態とで異なる点は次の点である。本実施形態は、1の介護施設において、各被介護者の状態に基づいて、被介護者の状態に応じた介助スキルをもつスタッフの、被介護者の状態ごとの必要人数を算出する。被介護者それぞれに対する自己の介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数を算出する。そして、被介護者の状態ごとの必要人数と、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数とを、被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する。これ以外の点については、本実施形態は第1実施形態と同様であるため、重複となる説明は省略または簡略化する。
【0059】
図9は、制御部11の機能を示すブロック図である。制御部11は、介助スキル受付部111、必要スタッフ数算出部114、算出部112、および出力制御部113として機能する。
【0060】
介助スキル受付部111は、複数のスタッフ50から、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける。具体的には、介助スキル受付部111は、各携帯端末30へスキル入力画面100を送信して、各携帯端末30において表示させる。そして、介助スキル受付部111は、スキル入力画面100においてスタッフ50により入力される、各介助に関する介助スキルを各携帯端末30から通信部12により受信する。これにより、介助スキル受付部111は、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルをスタッフ50から受け付ける。上述したように、自己の介助スキルは、被介護者それぞれに対する各介助への対応可否の程度である。対応可否の程度は、「1人でできる」(1人で対応可能)、「サポートが必要」(2人で対応可能)、および「教えて欲しい」(対応不可能)の3段階であり得る。
【0061】
必要スタッフ数算出部114は、各被介護者の状態に基づいて、当該状態に応じた介助スキルをもつスタッフの、当該状態ごとの必要人数(以下、単に「被介護者の状態ごとの必要人数」とも称する)を算出する。必要スタッフ数算出部114は、記憶部13に記憶された状態管理テーブルを参照することで各被介護者の状態を取得し得る。被介護者の状態ごとの必要人数は、当該状態に該当する被介護者の人数ともいえる。従って、被介護者の状態ごとの必要人数は、当該状態に該当する被介護者の人数を算出することで算出され得る。
【0062】
算出部112は、被介護者それぞれに対する自己の介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数を算出する。具体的には、算出部112は、次のように、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数を算出する。説明を簡単にするために、「食事」の介助に関して、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数を算出する場合について説明する。状態管理テーブルを参照して「状態A」の被介護者を特定する。特定した「状態A」の被介護者の「食事」の介助が自己の介助スキルに含まれるスタッフ50の人数を算出する。ここで、対応可否の程度が「1人でできる」(1人で対応可能)であるスタッフ50については、「状態A」の被介護者の「食事」の介助が自己の介助スキルに含まれるスタッフ50の人数は1人としてカウントする。対応可否の程度が「サポートが必要」(2人で対応可能)であるスタッフ50については、「状態A」の被介護者の「食事」の介助が自己の介助スキルに含まれるスタッフ50の人数は0.5人としてカウントする。対応可否の程度が「教えて欲しい」(対応不可能)であるスタッフ50については、「状態A」の被介護者の「食事」の介助が自己の介助スキルに含まれるスタッフ50の人数は0人としてカウントする。「状態A」の被介護者の「食事」の介助が自己の介助スキルに含まれるスタッフ50の人数は、「状態A」の被介護者の「食事」の介助に対応する介助スキルをもつスタッフの人数に対応する。このような演算を「状態A」以外の状態に関しても実行する。
【0063】
出力制御部113は、被介護者の状態ごとの必要人数と、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数とを、被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する。
【0064】
図10は、出力制御部113により出力される、被介護者の状態ごとの必要人数と、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数との棒グラフを示す図である。図10の例においては、「食事」の介助における、被介護者の状態ごとの必要人数と、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数との棒グラフが示されている。なお、プルダウンメニューにおける選択により、「排泄」、「入浴」、「更衣」、および「整容」の介助ごとに、被介護者の状態ごとの必要人数と、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数との棒グラフを表示できる。
【0065】
図10のグラフにおいては、1つの介護施設において、横軸に沿って被介護者の状態が明示されている。また、被介護者の状態ごとに(被介護者の状態に対応づけて)、同じ介護施設において、被介護者の状態ごとの必要人数と、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数との棒グラフが示されている。
【0066】
図10のグラフは、1つの介護施設における、被介護者の状態に対応可能な介助スキルをもつスタッフの需給数を、被介護者の状態ごとに示していると言える。このような需給数を集計することで、当該介護施設において不足する介助スキル(具体的には、不足する、介助スキルをもつスタッフ人数)と充足する介助スキルを容易に把握できる。従って、介護施設が新たにスタッフ50を募集する場合、現在介助を提供している被介護者の状態に合わせた介助ができる介助スキルをもつスタッフを募集できる。これにより、施設に必要な介助スキルと応募者のもつ介助スキルのミスマッチを低減できる。
【0067】
出力制御部113は、指定受付部を構成し、プルダウンメニューにおける介助の指定により、「食事」、「排泄」、「入浴」、「更衣」、および「整容」といった介助の枠内で、それぞれ、介護施設がもつ介助スキルを可視化できる。
【0068】
また、被介護者の状態を比較的細かく分類して、被介護者の状態ごとの必要人数の棒グラフと、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数との棒グラフとを比較可能に表示できる。これにより、介護施設全体で、必要および/または不足する介助スキルを容易に把握できる。
【0069】
図11は、情報処理システム1の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、管理サーバー10の制御部11によりプログラムに従って実行され得る。
【0070】
制御部11は、各携帯端末30から、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける(S201)。
【0071】
制御部11は、各被介護者の状態に基づいて、当該状態に応じた介助スキルをもつスタッフの、当該状態ごとの必要人数を算出する(S202)。
【0072】
制御部11は、被介護者それぞれに対する自己の介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数を算出する(S203)。
【0073】
制御部11は、被介護者の状態ごとの必要人数と、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数とを、被介護者の状態それぞれ対応付けて出力する(S204)。
【0074】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態と第2実施形態とで異なる点は次の点である。本実施形態は、各被介護者の状態に基づいて、被介護者の状態ごとに、被介護者の状態に対応する被介護者の人数を算出する。被介護者それぞれに対する自己の介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、被介護者の状態に対応する被介護者の人数のうち、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフにより対応されることができる人数を算出する。各被介護者の状態に対応する被介護者の人数と、被介護者の状態に対応する被介護者のうち、スタッフにより対応されることができる人数とを、被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する。これ以外の点については、本実施形態は第2実施形態と同様であるため、重複となる説明は省略または簡略化する。
【0075】
図12は、制御部11の機能を示すブロック図である。制御部11は、介助スキル受付部111、状態対応人数算出部115、算出部112、および出力制御部113として機能する。
【0076】
介助スキル受付部111は、複数のスタッフ50から、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける。具体的には、介助スキル受付部111は、各携帯端末30へスキル入力画面100を送信して、各携帯端末30において表示させる。そして、介助スキル受付部111は、スキル入力画面100においてスタッフ50により入力される、各介護に関する介助スキルを各携帯端末30から通信部12により受信する。これにより、介助スキル受付部111は、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルをスタッフ50から受け付ける。上述したように、自己の介助スキルは、被介護者それぞれに対する各介助への対応可否の程度である。対応可否の程度は、「1人でできる」(1人で対応可能)、「サポートが必要」(2人で対応可能)、および「教えて欲しい」(対応不可能)の3段階であり得る。
【0077】
状態対応人数算出部115は、各被介護者の状態に基づいて、被介護者の状態ごとに、被介護者の状態に対応する被介護者の人数を算出する。状態対応人数算出部115は、記憶部13に記憶された状態管理テーブルを参照することで各被介護者の状態を取得し得る。
【0078】
算出部112は、被介護者それぞれに対する自己の介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、被介護者の状態に対応する被介護者の人数のうち、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフにより対応されることができる人数を算出する。具体的には、算出部112は、次のように、被介護者の状態に対応する被介護者の人数のうち、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフにより対応されることができる人数を算出する。説明を簡単にするために、「右半身麻痺」という被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフにより対応されることができる人数を算出する場合について説明する。状態管理テーブルを参照して「右半身麻痺」の被介護者を特定する。特定した「右半身麻痺」の被介護者の介助が自己の介助スキルに含まれるスタッフ50の人数を算出する。ここで、対応可否の程度が「1人でできる」(1人で対応可能)であるスタッフ50については、「右半身麻痺」の被介護者の介助が自己の介助スキルに含まれるスタッフ50の人数は1人としてカウントする。対応可否の程度が「サポートが必要」(2人で対応可能)であるスタッフ50については、「右半身麻痺」の被介護者の介助が自己の介助スキルに含まれるスタッフ50の人数は0.5人としてカウントする。対応可否の程度が「教えて欲しい」(対応不可能)であるスタッフ50については、「右半身麻痺」の被介護者の介助が自己の介助スキルに含まれるスタッフ50の人数は0人としてカウントする。「右半身麻痺」の被介護者の介助が自己の介助スキルに含まれるスタッフ50の人数は、「右半身麻痺」に対応する被介護者の人数のうち、「右半身麻痺」に対応する介助スキルをもつスタッフにより対応されることができる人数に対応する。このような演算を「右半身麻痺」以外の状態に関しても実行する。
【0079】
出力制御部113は、各被介護者の状態に対応する被介護者の人数と、被介護者の状態に対応する被介護者のうち、スタッフにより対応されることができる人数とを、被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する。
【0080】
図13は、出力制御部113により出力される、各被介護者の状態に対応する被介護者の人数と、被介護者の状態に対応する被介護者の人数のうち、スタッフにより対応されることができる人数のグラフを示す図である。
【0081】
図13の例においては、例えば、「右半身麻痺」という被介護者の状態に対応する被介護者(利用者)が10人であることが表示されている。また、「右半身麻痺」という状態の被介護者のうち、スタッフにより対応されることができる人数が5人であることが表示されている。
【0082】
図13のグラフは、介護施設における、被介護者の状態ごとの被介護者の人数のうち、当該状態に対応可能な介助スキルをもつスタッフにより対応可能な人数を、被介護者の状態ごとに示していると言える。このような需給数を集計することで、当該介護施設において不足する介助スキル(具体的には、不足する、介助スキルをもつスタッフ人数)と充足する介助スキルを容易に把握できる。従って、介護施設が新たにスタッフ50を募集する場合、現在介助を提供している被介護者の状態に合わせた介助ができる介助スキルをもつスタッフを募集できる。これにより、施設に必要な介助スキルと応募者のもつ介助スキルのミスマッチを低減できる。
【0083】
また、被介護者の状態を比較的細かく分類して、被介護者の状態ごとの必要人数の棒グラフと、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数との棒グラフとを比較可能に表示できる。これにより、介護施設全体で、必要および/または不足する介助スキルを容易に把握できる。
【0084】
図14は、情報処理システム1の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、管理サーバー10の制御部11によりプログラムに従って実行され得る。
【0085】
制御部11は、各携帯端末30から、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける(S301)。
【0086】
制御部11は、各被介護者の状態に基づいて、被介護者の状態ごとに、被介護者の状態に対応する被介護者の人数を算出する(S302)。
【0087】
制御部11は、被介護者それぞれに対する自己の介護スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、被介護者の状態に対応する被介護者の人数のうち、各被介護者の状態に対応する介護スキルをもつスタッフにより対応されることができる人数を算出する(S303)。
【0088】
制御部11は、被各被介護者の状態に対応する被介護者の人数と、被介護者の状態に対応する被介護者の人数のうち、スタッフにより対応されることができる人数とを、被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する(S304)。
【0089】
実施形態は、以下の効果を奏する。
【0090】
複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介護に関する自己の介助スキルを受け付ける。被介護者それぞれに対する自己の介助スキルに基づいて、スタッフごとに、各介護に対する介助スキル値を算出する。算出された介助スキル値の合計をスタッフごとに算出し、当該介助スキル値の合計の算出に用いられた各介助スキル値が把握可能で、かつスタッフの間で比較可能に、スタッフにそれぞれ対応付けて出力する。これにより、介護スタッフのスキルの適切な評価ができる。
【0091】
複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける。各被介護者の状態に基づいて、被介護者の状態に応じた介助スキルをもつスタッフの、被介護者の状態ごとの必要人数を算出する。被介護者それぞれに対する自己の介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数を算出する。そして、被介護者の状態ごとの必要人数と、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数とを、被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する。これにより、当該介護施設において不足する介助スキルと充足する介助スキルを容易に把握できる。従って、介護施設が新たにスタッフ50を募集する場合、現在介助を提供している被介護者の状態に合わせた介助ができる介助スキルをもつスタッフを募集できる。これにより、施設に必要な介助スキルと応募者のもつ介助スキルのミスマッチを低減できる。また、被介護者の状態を比較的細かく分類して、被介護者の状態ごとの必要人数の棒グラフと、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数との棒グラフとを比較可能に表示できる。これにより、介護施設全体で、必要および/または不足する介助スキルを容易に把握できる。
【0092】
複数のスタッフから、被介護者それぞれに対する各介助に関する自己の介助スキルを受け付ける。各被介護者の状態に基づいて、被介護者の状態ごとに、被介護者の状態に対応する被介護者の人数を算出する。被介護者それぞれに対する自己の介助スキルと、各被介護者の状態とに基づいて、被介護者の状態に対応する被介護者の人数のうち、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフにより対応されることができる人数を算出する。そして、各被介護者の状態に対応する被介護者の人数と、被介護者の状態に対応する被介護者のうち、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフにより対応されることができる人数と、を被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する。これにより、当該介護施設において不足する介助スキルと充足する介助スキルを容易に把握できる。従って、介護施設が新たにスタッフ50を募集する場合、現在介助を提供している被介護者の状態に合わせた介助ができる介助スキルをもつスタッフを募集できる。これにより、施設に必要な介助スキルと応募者のもつ介助スキルのミスマッチを低減できる。また、被介護者の状態を比較的細かく分類して、被介護者の状態ごとの必要人数の棒グラフと、各被介護者の状態に対応する介助スキルをもつスタッフの人数との棒グラフとを比較可能に表示できる。これにより、介護施設全体で、必要および/または不足する介助スキルを容易に把握できる。
【0093】
また、介助スキルを、各被介護者に対し自己が対応できる介助ごとの介助レベルとして受け付ける。これにより、要介護者等の状態に合った介助ができるかどうかの観点から被介護者による介助スキルを評価できる。
【0094】
また、介助の指定を受け付け、指定された介助について、各被介護者の状態に対応する前記被介護者の人数と、当該被介護者の介助に対応可能な前記スタッフの人数と、を被介護者の状態にそれぞれ対応付けて出力する。これにより、細分化された介助の枠内で、それぞれ、介護施設がもつ介助スキルを可視化できる。
【0095】
以上に説明した情報処理システム1の構成は、上述の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上述の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。また、一般的な情報処理システムが備える構成を排除するものではない。
【0096】
例えば、管理サーバー10が有する機能を、固定端末20またはいずれかの携帯端末30が備えるようにしてもよい。
【0097】
また、管理サーバー10、固定端末20、および携帯端末30は、それぞれ複数の装置により構成されてもよく、いずれか複数の装置が単一の装置として構成されてもよい。
【0098】
また、上述したフローチャートは、一部のステップを省略してもよく、他のステップが追加されてもよい。また各ステップの一部は同時に実行されてもよく、一つのステップが複数のステップに分割されて実行されてもよい。
【0099】
また、上述した情報処理システム1における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、USBメモリやDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、一機能としてその検出部等の装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 情報処理システム、
10 管理サーバー、
11 制御部、
111 介助スキル受付部、
112 算出部、
113 出力制御部、
114 必要スタッフ数算出部、
115 状態対応人数算出部、
12 通信部、
13 記憶部、
20 固定端末、
30 携帯端末、
31 制御部、
32 無線通信部、
33 表示部、
34 入力部、
35 音声入出力部、
40 ネットワーク、
41 アクセスポイント、
100 スキル入力画面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14