(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016568
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】装飾品の留め具及び装飾品
(51)【国際特許分類】
A44C 25/00 20060101AFI20240131BHJP
A44B 99/00 20100101ALI20240131BHJP
【FI】
A44C25/00 B
A44B99/00 611B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118800
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】390031417
【氏名又は名称】株式会社ミキモト装身具
(74)【代理人】
【識別番号】100123881
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100080931
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 敬
(72)【発明者】
【氏名】高塩 宗子
(72)【発明者】
【氏名】塚本 匡俊
(72)【発明者】
【氏名】中村 明日美
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA01
3B114AA06
3B114AA11
3B114AA14
3B114AA23
3B114EB00
(57)【要約】
【課題】装飾品の留め具において、相手方部材を連結及び開放する動作を操作性良く行うことができるようにする。
【解決手段】装飾品の留め具を、それぞれ回動可能な第1回動部材20及び第2回動部材30が連動して動作することにより開放状態と閉塞状態との間で遷移可能とし、上記閉塞状態において、第1回動部材20及び第2回動部材30は、第2突起部22と第3突起部23との間に形成された凹部25に第4突起部31が収容された状態で停止しており、この状態で操作部33に対して矢印A方向の操作が行われると、該操作の進行に応じて、第4突起部31が第3突起部23の側面23aに当接した状態でバネ40の付勢力に抗して第2回動部材30が回動し、第4突起部31が第3突起部23の頂部23bに達すると、バネ40の付勢力により第1回動部材20が回動して上記開放状態へ移行するようにした。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周から相手方部材を挿入するための開口部を備える筐体と、
前記筐体の内部にある第1回動軸を中心に回動可能に配置された第1回動部材と、
前記筐体の内部にある、前記第1回動軸と平行な第2回動軸を中心に回動可能に配置され、付勢部材を介して前記第1回動部材と接続された第2回動部材とを備え、
前記第1回動部材は、第1突起部、第2突起部及び第3突起部を、前記第2回動部材と対向する側にこの順で備え、前記第1突起部及び前記第2突起部により前記相手方部材を収容する収容部を形成し、
前記第2回動部材は、操作部と、前記第1回動部材と対向する側に形成された第4突起部とを備え、
前記第1回動部材及び前記第2回動部材は、連動して動作することにより、前記開口部から挿入される前記相手方部材を前記収容部へ出し入れ可能な開放状態と、前記収容部に収容された相手方部材を前記収容部から脱落しないように保持する閉塞状態との間を遷移可能であり、
前記閉塞状態において、前記第1回動部材及び前記第2回動部材は、前記第1回動部材の前記第2突起部と前記第3突起部との間に形成された凹部に、前記第2回動部材の前記第4突起部が収容された状態で停止しており、
前記閉塞状態において前記操作部に対して前記第2回動部材を第1方向に回動させる操作が行われると、該操作の進行に応じて、前記第4突起部が前記第3突起部の側面に当接した状態で前記付勢部材の付勢力に抗して前記第2回動部材が回動し、前記第4突起部が前記第3突起部の頂部に達すると、前記付勢部材の付勢力により前記第1回動部材が回動して前記開放状態へ移行することを特徴とする、装飾品の留め具。
【請求項2】
請求項1に記載の装飾品の留め具であって、
前記閉塞状態から前記開放状態へ移行する際の、前記付勢部材の付勢力による前記第1回動部材の回動は、前記筐体に設けられたストッパに衝突して停止されることを特徴とする装飾品の留め具。
【請求項3】
請求項2に記載の装飾品の留め具であって、
前記ストッパは、前記筐体の側壁であることを特徴とする装飾品の留め具。
【請求項4】
請求項1に記載の装飾品の留め具であって、
前記第3突起部の、前記第4突起部と対向する側の側面に段差部が形成されていることを特徴とする装飾品の留め具。
【請求項5】
請求項4に記載の装飾品の留め具であって、
前記閉塞状態から前記開放状態へ移行する際に、前記第2回動部材の回動に伴って前記第4突起部が前記第3突起部の段差部を乗り越えたとき、前記付勢部材の付勢力により前記第1回動部材がわずかに回動することにより、前記第4突起部が、前記第3突起部の、前記段差部よりも前記頂部に近い側の側面と当接し、この状態で前記操作部に対して前記第2回動部材を前記第1方向にさらに回動させる操作が行われると、該操作の進行に応じて、前記第4突起部が前記第3突起部の側面に当接した状態で、前記付勢部材の付勢力に抗してさらに前記第2回動部材が回動することを特徴とする、装飾品の留め具。
【請求項6】
請求項1に記載の装飾品の留め具であって、
前記第2回動軸は前記開口部の近傍に設けられ、前記第2回動部材の操作部は、前記筐体の側壁の、概ね前記開口部を設けた位置の反対側の位置から突出するように設けられていることを特徴とする装飾品の留め具。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装飾品の留め具を備える装飾品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、装飾品の留め具及び装飾品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネックレス等の、紐状部の両端を連結して環状にできる装飾品に用いる留め具として、紐状部の一端に設けられ、他端に設けるパーツを脱落しないように保持する閉塞状態と、当該パーツを出し入れ可能な開放状態とをとることができ、これらの状態の間を指での操作により遷移可能な留め具が知られている。
【0003】
このような留め具としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
特許文献1には、それぞれ板状の第1回転部材30及び第2回転部材40と、第2回転部材40を回転方向一方へ付勢する付勢部材70とを用い、指での操作により当該文献の
図4に示す閉塞状態と、
図7に示す開放状態との間を遷移可能な装身具用連結具が記載されている。
【0004】
また、装身具用のものではないが、特許文献2の
図7には、自動販売機の扉ロックに用いる装置として、それぞれ回動可能な操作レバー6b及びロックレバー6cと、操作レバー6bとロックレバー6cの脚部間に張架した駆動ぱね(引っ張りばね)6dとを備えるラッチ装置6が開示されている。このラッチ装置6は、ロックバー9に押し込むことにより、ロックバー9がロックレバー6cを押して、ロックバー9を掛止する施錠状態に移行させ、また、ハンドル3の操作により操作レバー6bを回動させることによりロックバー9の掛止を釈放する解錠状態とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-65572号公報
【特許文献2】特許第4524654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の留め具では、閉塞状態と開放状態との間を遷移させる際に、両方向において留め具自体を指で操作する必要がある(特許文献1の
図8、
図10等参照)。従って、装身具を装着しようとする場合、留め具に固定する相手方のパーツをフックに掛けた後で開放状態から閉塞状態へ移行させる操作を行う必要があり、操作性が悪いという問題があった。
【0007】
一方、特許文献2に記載のラッチ装置では、施錠の際にはラッチ装置6をロックバー9に押し込む一動作での施錠が可能である。しかし、特許文献2に記載のラッチ装置は自動販売機の扉のような大型の装置に用いるものであり、装身具のような小型の物を連結、開放するために用いることは全く考慮されていない。このため、小型の物を連結、開放する場合の操作性についても全く考慮されていない。
【0008】
この発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、装飾品の留め具において、相手方部材を連結及び開放する動作を操作性良く行うことができるようにすることを目的とする。なお、この発明は、紐状部の両端を連結する場合に限られず、任意の装飾品の留め具に対して任意の相手方部材を連結及び開放する場合に適用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の装飾品の留め具は、外周から相手方部材を挿入するための開口部を備える筐体と、上記筐体の内部にある第1回動軸を中心に回動可能に配置された第1回動部材と、上記筐体の内部にある、上記第1回動軸と平行な第2回動軸を中心に回動可能に配置され、付勢部材を介して上記第1回動部材と接続された第2回動部材とを備える。
上記第1回動部材は、第1突起部、第2突起部及び第3突起部を、上記第2回動部材と対向する側にこの順で備え、上記第1突起部及び上記第2突起部により上記相手方部材を収容する収容部を形成する。
上記第2回動部材は、操作部と、上記第1回動部材と対向する側に形成された第4突起部とを備える。
上記第1回動部材及び上記第2回動部材が連動して動作することにより、当該留め具は、上記開口部から挿入される上記相手方部材を上記収容部へ出し入れ可能な開放状態と、上記収容部に収容された相手方部材を上記収容部から脱落しないように保持する閉塞状態との間を遷移可能である。
上記閉塞状態において、上記第1回動部材及び上記第2回動部材は、上記第1回動部材の上記第2突起部と上記第3突起部との間に形成された凹部に、上記第2回動部材の上記第4突起部が収容された状態で停止している。
上記閉塞状態において上記操作部に対して上記第2回動部材を第1方向に回動させる操作が行われると、その操作の進行に応じて、上記第4突起部が上記第3突起部の側面に当接した状態で上記付勢部材の付勢力に抗して上記第2回動部材が回動し、上記第4突起部が上記第3突起部の頂部に達すると、上記付勢部材の付勢力により上記第1回動部材が回動して上記開放状態へ移行する。
【0010】
さらに、上記閉塞状態から上記開放状態へ移行する際の、上記付勢部材の付勢力による上記第1回動部材の回動が、上記筐体に設けられたストッパに衝突して停止されるとよい。
また、上記ストッパが、上記筐体の側壁であるとよい。
また、上記第3突起部の、上記第4突起部と対向する側の側面に段差部が形成されているとよい。
【0011】
さらに、上記閉塞状態から上記開放状態へ移行する際に、上記第2回動部材の回動に伴って上記第4突起部が上記第3突起部の段差部を乗り越えたとき、上記付勢部材の付勢力により上記第1回動部材がわずかに回動することにより、上記第4突起部が、上記第3突起部の、上記段差部よりも上記頂部に近い側の側面と当接し、この状態で上記操作部に対して上記第2回動部材を上記第1方向にさらに回動させる操作が行われると、その操作の進行に応じて、上記第4突起部が上記第3突起部の側面に当接した状態で、上記付勢部材の付勢力に抗してさらに上記第2回動部材が回動するようにするとよい。
また、上記第2回動軸が上記開口部の近傍に設けられ、上記第2回動部材の操作部は、上記筐体の側壁の、概ね上記開口部を設けた位置の反対側の位置から突出するように設けられているとよい。
【0012】
また、この発明の装飾品は、上記のいずれかの装飾品の留め具を備える装飾品である。 また、この発明は、上記のように装飾品の留め具あるいは装飾品のように物の発明として実施する他、方法あるいはその他の態様の発明としても実施可能である。
【発明の効果】
【0013】
以上のような本発明によれば、装飾品の留め具において、相手方部材を連結及び開放する動作を操作性良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】この発明の第1実施形態の装飾品の留め具の構成を、留め具と相手方部材とが分離された状態で示す斜視図である。
【
図2】この発明の第1実施形態の装飾品の留め具の構成を、留め具と相手方部材とが連結された状態で示す斜視図である。
【
図3】
図1及び
図2に示した留め具を備える装飾品の構成例を示す図である。
【
図4】
図1及び
図2に示した留め具の閉塞状態の構成を、筐体蓋を取り除いた状態で示す平面図である。
【
図5】
図1及び
図2に示した留め具の、閉塞状態から開放状態へ移行する途中の状態の構成を、筐体蓋を取り除いた状態で示す平面図である。
【
図6】
図1及び
図2に示した留め具の、開放状態の構成を、筐体蓋を取り除いた状態で示す平面図である。
【
図7】第3突起部23の側面23aの形状について説明するための
図4と対応する図である。
【
図8】第3突起部23の頂部23bの形状について説明するための
図6と対応する図である。
【
図9】この発明の第2実施形態の装飾品の留め具の閉塞状態の構成を、筐体蓋を取り除いた状態で示す平面図である。
【
図10】
図9に示した留め具の、閉塞状態から開放状態へ移行する途中の状態の構成を、筐体蓋を取り除いた状態で示す平面図である。
【
図11】
図9に示した留め具の開放状態の構成を、筐体蓋を取り除いた状態で示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔第1実施形態:
図1乃至
図8〕
この発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、この発明の第1実施形態の装飾品の留め具の外観及び用途について説明する。
図1及び
図2はそれぞれ、この発明の第1実施形態の装飾品の留め具の構成を、留め具と相手方部材とが分離された状態及び連結された状態で示す斜視図である。
図3は、
図1及び
図2に示した留め具を備える装飾品の構成例を示す図である。
図4乃至
図6はそれぞれ、
図1及び
図2に示した留め具の構成を筐体蓋を取り除いた状態で示す平面図であり、
図4は閉塞状態を、
図5は閉塞状態から開放状態へ移行する途中の状態を、
図6は開放状態を示す。
【0016】
第1実施形態の留め具100は、
図1に示すように開口部13とリング16を備える扁平な筐体10を備え、筐体10の側面から操作部33が突出している。
筐体10は筐体本体11と筐体蓋12を備え、筐体10内には、
図4乃至
図6に表れる第1回動部材20及び第2回動部材30が設けられている。筐体10の側面には、側壁14を、4か所の間隙15a~15dを有するように設けている。
図1に示す状態では、間隙15bから第2回動部材30の一部が見えている。また、操作部33は、間隙15aを通して筐体10の外部へ突出している、第2回動部材30の一部である(
図4~
図6参照)。
【0017】
相手方部材200は、留め具100に対して連結可能なパーツであり、筐体10の厚さよりも若干広い間隔を開けて平行に配置された2枚の板を連結した形状の外装201と、当該2枚の板の間に設けたバー210及び接続部220とを備える。
この相手方部材200のバー210を開口部13に挿入して、開口部13に露出する第1回動部材20の第2突起部22に突き当てることにより、開口部13を閉塞し、
図2に示すように留め具100の開口部13内にバー210を保持させて、留め具100と相手方部材200とを連結することができる。
また、
図2の状態から操作部33を矢印A方向(第1方向)に操作することにより、開口部13を開放しバー210を開口部13から自由に抜き出せるようにすることができる。すなわち、留め具100と相手方部材200との連結を解除することができる。
【0018】
このような留め具100は例えば、
図3に示すように、ネックレス1のような装飾品の紐状部300の一端に留め具100を取り付け、他端に相手方部材200を取り付け、紐状部300の両端を連結及び連結解除するために用いることができる。留め具100のリング16と、相手方部材200の接続部220は、紐状部300を取り付けるために用いる取り付け部である。紐状部300は、
図3では糸に真珠を通して連ねたものとして示しているが、チェーンであってもよいし、ペンダントトップを備えていてもよい。形状や材質は任意である。
【0019】
もちろん、他の装飾品について適当な部分を連結及び連結解除するために用いることもできる。また、留め具100は、人が身に付ける程度のサイズの装飾品に用いることが好適ではあるが、これに限られない。また、装飾品以外の対象を連結及び連結解除するために用いることも、妨げられない。
このような留め具100と相手方部材200はそれぞれ金属で構成することができるが、これには限られず樹脂、セラミック、木材等の他の材質とすることももちろん可能である。留め具100と相手方部材200とで材質が異なっていてもよいし、留め具100や相手方部材200を構成する部品ごとに材質が異なっていてもよい。
【0020】
次に、
図4乃至
図6を主に参照しつつ、留め具100の内部構造について説明する。
図4乃至
図6は、留め具100を、筐体蓋12を取り除いた状態で筐体蓋12側から見た状態を示す。
図4乃至
図6に示すように、筐体10の内部には、それぞれ平板状で扁平な第1回動部材20及び第2回動部材30が配置されている。第1回動部材20は第1回動軸26を中心に回動可能であり、第2回動部材30は第2回動軸32を中心に可動可能である。第1回動軸26及び第2回動軸32は互いに平行で、
図1にも表れるように両端が筐体本体11及び筐体蓋12にそれぞれ固定され、第1回動部材20及び第2回動部材30は、透孔をその固定された軸に通すように配置されている。
【0021】
また、第1回動部材20は、第2回動部材30と対向する側の側面に、第1突起部21、第2突起部22、第3突起部23の3つの突起部をこの順で備える。また、バネ40を固定するための棒状のバネ固定部27も備えている。
第1突起部21と第2突起部22の間には、相手方部材200のバー210を受け入れるための収容部24が形成されている。第2突起部22は、開放状態においては
図6に示すようにその一部が開口部13内に露出し、筐体10の外から開口部13に挿入されるバー210を第2突起部22に突き当てることができるようにしている。第1突起部21は、開放状態においては開口部13内にほとんど露出せず、閉塞状態においては
図4に示すように開口部13内に進入して開口部13の出口を覆うように第2回動部材30に突き当たり、収容部24のバー210が収容部24から脱落しないように保持する。
【0022】
また、第2突起部22と第3突起部23との間には、閉塞状態において
図4に示すように第2回動部材30側の第4突起部31を収容するための凹部25が形成されている。なお、凹部25は、
図4ではそのほぼ全体が第4突起部31と接しているが、このことは必須ではない。凹部25に求められる機能や形状については後述する。また、第3突起部23の側面23a及び頂部23bに求められる機能や形状についても後述する。
【0023】
一方、第2回動部材30は、第1回動部材20と対向する側の側面に上述した第4突起部31を備える他、筐体10の外部に露出し使用者が操作できるようにした操作部33と、バネ40を固定するための棒状のバネ固定部34を備える。
第2回動軸32は、開口部13から離れた位置に設ける必要性はない。また、閉塞状態において第1突起部21が突き当たる位置は大きく動かない方が安定性が高いことを考えると、第2回動軸32はその位置付近、すなわち開口部13の出口付近にあることが好ましい。また、バネ40により第2回動部材30に十分な回転モーメントを与えられるようにするという観点で、第2回動軸32をバネ固定部34から離れた位置に設けることが好ましい。さらに、操作部33が第2回動軸32から離れた位置にあると、開放時の操作があまり細かくならず、ある程度大きな操作とすることができ、操作性の点で好ましい。
【0024】
この実施形態における第2回動軸32は、これらのことを考慮して筐体10の端部である開口部13の出口近傍に設けている。また、操作部33は、開口部13を設けた位置の概ね反対側において側壁14間に設けられた間隙15aを通して筐体10の外部に露出させている。間隙15aは、第2回動軸32からなるべく離れた位置であると捉えることもできる。
【0025】
第2回動部材30はバネ固定部34付近で大きく屈曲した形状であるが、この屈曲は必須ではない。第2回動軸32と操作部33とをなるべく離しつつ、第1回動部材20及びバネ40と干渉しないように形状を設定した結果である。また、この実施形態の第2回動部材30形状では、
図6に示すように開放状態において第2回動部材30の屈曲部が側壁14の位置まで外側にせり出すので、当該屈曲部との干渉を避けるために側壁14に間隙15bを設けている。
側壁14には、他にも2つの間隙15c,15dを設けているが、これらは筐体10の軽量化を図るためのものであり、設けなくても機能面で支障はない。
【0026】
バネ40は、両端がバネ固定部27及びバネ固定部34にそれぞれ固定され、第1回動部材20と第2回動部材30とを接続する。バネ40は、閉塞状態において自然状態よりもやや伸ばされ、第1回動部材20を時計回りに、第2回動部材30を反時計回りに回動させる付勢力を両回動部材に及ぼす付勢部材である。また、開放状態においては自然状態であってもよいが、開放状態においても自然状態よりやや伸ばされているとよい。この実施形態ではバネ40をつるまきバネとしているが、両回動部材に対しこの実施形態と同じ向きの付勢力を及ぼせるのであれば、バネの形状は問わない。また、ゴム紐等、バネ以外の付勢部材を用いてもよい。
【0027】
次に、
図7及び
図8も参照し、留め具100の動作も踏まえつつ、留め具100の各部の構成や機能についてさらに説明する。
図7は、第3突起部23の側面23aの形状について説明するための
図4と対応する図である。
図8は、第3突起部23の頂部23bの形状について説明するための
図6と対応する図である。
【0028】
まず、閉塞状態から開放状態へ移行する際の動作に関連する事項を説明する。
図4に示す閉塞状態では、上述のように第1回動部材20の第1突起部21が第2回動部材30に突き当たって筐体10の開口部13の出口を閉塞している。このとき収容部24には相手方部材200のバー210が収容されていることが想定されるが、バー210の有無は、閉塞状態から開放状態への移行の動作に影響を与えない。
【0029】
なお閉塞状態においては、バネ40により、第1回動部材20を時計回りに、第2回動部材30を反時計回りに回動させる付勢力が与えられている。しかし、第1回動部材20の第2突起部22の図で右側の面と、第2回動部材30の第4突起部31の図で左側の面とが当接しているため、これらが障害となって、上記付勢力があっても両回動部材はいずれも回動できない。逆に言えば、第2突起部22と第4突起部31とは、両回動部材が付勢力に従って回動できない程度に当接していればよく、その全体が当接していることは必須ではない。第2突起部22と第4突起部31とが一部で離れていても、接触箇所が1又は複数の点のみであってもよい。
【0030】
また、この実施形態では閉塞状態において第4突起部31の図で右側の面が第3突起部23の図で左側の側面23aとも当接しており、全体として第4突起部31が凹部25と噛み合うようになっている。しかし、閉塞状態において第3突起部23と側面23aとが当接することは必須ではない。
図4の配置であれば、バネ40が第2回動部材30に与える回転モーメントが第1回動部材20に与える回転モーメントよりも大きいので、第4突起部31と側面23aとが当接していなくても、第4突起部31は第2突起部22に押し当てられ、ある程度安定した閉塞状態を形成することができる。
【0031】
ただし、第3突起部23と側面23aとが当接していないと、閉塞状態のままバー210が収容部24から引き出す操作がなされた場合、バー210が第1突起部21に突き当てられることに応じて第1回動部材20が時計回りに回動する余地があることとなり、閉塞状態の安定性が弱くなる。従って、閉塞状態において、第4突起部31は側面23aとも当接しており、第1回動部材20に外力が加わっても第1回動部材20が容易に時計回りに回動できないようになっていることが好ましい。
【0032】
以上のような閉塞状態で使用者が操作部33を矢印A方向に向けて動かすと、第2回動部材30と第1回動部材20とが連動して動作し、留め具100を
図5の状態を経て
図6に示す開放状態に移行させることができる。
その過程において、まず第2回動部材30が操作部33の操作に応じて時計回りに回動する。これに応じて、第4突起部31の先端が、第3突起部23の側面23aに接触しつつ頂部23bに向けて移動する。
図5は、第4突起部31の先端が頂部23bの直前に達した状態を示すものである。
【0033】
図4から
図5の状態において、第1回動部材20はバネ40の付勢力により時計回り方向に付勢されているので、常に第1回動部材20と第2回動部材30とが接触された状態が維持される。なお、第4突起部31のうちこの側面23aとの接触箇所に若干丸みを帯びさせると、多数回の操作に伴う摩耗を防止すると共に、操作感を滑らかにすることができる。
【0034】
ここで、
図7は、
図4に対し破線の円Xを追記したものである。円Xは、中心が第2回動軸32の中心に位置し、半径が、第2回動軸32の中心から
図5において第3突起部23の側面23aと接触する第4突起部31の端部までの距離と等しい。
図7に示すように、側面23aの位置及び形状を、閉塞状態において概ね円X上に位置するように定めると、操作部33の操作に伴って第2回動部材30が時計回りに回動しても、第1回動部材20の位置は変化しない。そうすると、第2回動部材30の回動に伴ってその分だけバネ40が伸ばされることになる。すなわち、操作部33の操作はバネ40を伸ばしながら、バネ40の付勢力に抗して行われ、第2回動部材30はバネ40の付勢力に抗して回動することになる。
このため、操作部33に一定の力を加えつつ操作しなければ閉塞状態から開放状態へ移行させることができず、誤操作や意図しない衝撃により留め具100を開放してしまうことを防止できる。
【0035】
なお仮に、側面23aが、頂部23bに近づくにつれ円Xの内側に入るような形状であるとすると、第4突起部31との接触部がカムフォロワとして機能し、第2回動部材30の反時計回りの回動につれて第1回動部材20も反時計回りに回動することになる。しかし、
図4の閉塞状態においては、第2突起部22と第4突起部31との当接により、第1回動部材20の反時計回りの回動は規制されている。このため、そもそも第2回動部材30が時計回りに回動できず、開放動作が行えなくなってしまう。従って、側面23aがこのような形状であると不都合である。
【0036】
逆に、側面23aが、頂部23bに近づくにつれ円Xの外側に出るような形状であると、第2回動部材30の時計回りの回動につれて第1回動部材20も時計回りに回動することになる。そうすると、第1回動部材20が回動しない場合と比べて、操作部33の操作に応じてバネ40が伸びる度合いが小さくなる。従って、操作部33の操作に要する力も小さくなる。この力があまり小さすぎると誤開放のリスクがあるが、側面23aの形状により、第2回動部材30の回動に応じた第1回動部材20の回動度合いを調整することで、開放時の操作に要する力や操作感を調整することができる。
【0037】
いずれにしろ、第2回動部材30の回動により第4突起部31の先端が第3突起部23の頂部23bに達すると、その時点で、第1回動部材20の時計回りの回転を阻止する部材が無くなるので、バネ40の付勢力により第1回動部材20が勢いをつけて時計回りに回動する。
【0038】
この実施形態においては、この回動は、第1回動部材20の第1突起部21の外側が筐体10の側壁14に衝突することで、
図6に示す状態で停止され、留め具100が開放状態に移行する。ここでは側壁14がストッパとして機能する。そして、第1回動部材20及び側壁14を金属等の固い材質とすることで、この衝突によりカチッと音を出させることができ、使用者が、開放状態への移行を認識し易くすることができる。
【0039】
実際に相手方部材200を留め具100から取り外すためには、留め具100を開放状態へ移行させた後で相手方部材200のバー210を開口部13から引き出す必要があるので、音で開放状態への移行を認識できるとその引き出すタイミングを容易に把握でき、操作性を向上させることができる。また、側壁14をストッパとして用いることで、筐体10自体の他にストッパを設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
【0040】
なお、開放状態において、第4突起部31の先端は第3突起部23の頂部23bと当接している。そして、開放状態へ移行した後も操作部33の矢印A方向への移動を継続できてしまうと、第4突起部31の先端が頂部23bからバネ固定部27側へ落ちてしまうリスクがあり、好ましくない。
そこで、操作部33の可動範囲を、側壁14により規制している。すなわち、操作部33が概ね間隙15aの端部まで移動した時に第4突起部31の先端が第3突起部23の頂部23bに達し、それ以上は操作部33を矢印A方向に移動できないようにしている。
【0041】
ただし、開放状態において操作部33及び第1突起部21の外側面が側壁14に接触していることは必須ではない。閉塞状態から開放状態への移行時に操作部33が側壁14に接触した後、使用者が手を離すとバネ40の付勢力により第2回動部材30が若干反時計回りに回動して操作部33が側壁14から離れてもよい。同様に、第1突起部21の外側面が側壁14に衝突した後、第1回動部材20がバネ40の付勢力により若干時計回りに回動され、第1突起部21の外側面が側壁14から離れてもよい。
【0042】
次に、
図6に示す開放状態から
図4に示す閉塞状態へ移行する際の動作に関連する事項を説明する。
既に述べたように、開放状態において相手方部材200のバー210を
図6に矢印Bで示すように開口部13に挿入し、開口部13の奥側に位置する第2突起部22に突き当てることにより、留め具100を閉塞状態に移行させてバー210を収容部24に保持することができる。
このとき、バー210から第2突起部22に加えられた力により、第1回動部材20が反時計回りに回動し、これに連動して第2回動部材30も動作し、
図5に示す状態を経て、
図4に示す閉塞状態へ移行する。
【0043】
ここで、
図8は、
図6に対し破線の円Yを追記したものである。円Yは、中心が第1回動軸26の中心に位置し、半径が、第1回動軸26の中心から
図6において第3突起部23の頂部23bが第4突起部31と接触する位置までの距離と等しい。
図8に示すように、頂部23bの位置及び形状を、開放状態において概ね円Y上に位置するように定めると、バー210の第2突起部22への突き当てに伴って第1回動部材20が反時計回りに回動しても、第2回動部材30の位置は変化しない。そうすると、第1回動部材20の回動に伴ってバネ40が伸ばされることになる。従って、バー210に一定の力を加えつつ押し込まなければ開放状態から閉塞状態へ移行させることができず、誤操作や意図しない衝撃により留め具100を閉塞してしまうことを防止できる。
【0044】
なお仮に、頂部23bが、図で左側に向かうにつれ円Yの外側に出ていくような形状であると、第3突起部23の頂部23bと第4突起部31(の頂部)とが接触している状態では、第1回動部材20の反時計回りの回動につれてこの接触箇所がカムフォロワとして機能し第2回動部材30が時計回りに回動することになる。しかし、開放状態において操作部33と側壁14との間に遊びがない場合には、第2回動部材30は時計回りに回動できないため、閉塞動作が行えなくなってしまう。従って、頂部23bがこのような形状であると不都合である。しかし、操作部33と側壁14との間に遊びがあるなら、その遊びの分は頂部23bが円Yの外側に出ていてもよい。
【0045】
逆に、頂部23bが、図で左側に向かうにつれ円Yの内側に入るような形状であると、第3突起部23の頂部23bと第4突起部31(の頂部)とが接触している状態では、第1回動部材20の反時計回りの回動につれて第2回動部材30も反時計回りに回動することになる。そうすると、第2回動部材30が回動しない場合と比べて、バー210の第2突起部22への突き当てに応じてバネ40が伸びる度合いが小さくなる。従って閉塞状態への移行に要する力は小さくなる。この力があまり小さすぎると誤閉塞のリスクがあるが、頂部23bの形状により、
図7を用いて説明した場合と同様、閉塞時の操作に要する力や操作感を調整することができる。
なお、意図せず閉塞状態になることがあっても、操作部33を操作して一旦開放状態に移行させてから相手方部材200を挿入、保持させれば大きな問題はないので、上述した誤開放の場合に比べれば、誤閉塞防止の必要性は小さいと言える。
【0046】
いずれにしろ、第1回動部材20の回動により第4突起部31が第3突起部23の頂部23bの端に達すると、第2回動部材30の反時計回りの回転を阻止する部材が無くなるので、バネ40の付勢力により第2回動部材30が勢いをつけて反時計回りに回動し、
図4に示す状態で停止して、留め具100が閉塞状態に移行する。
この実施形態の装飾品の留め具100は、以上のような構成及び動作により、相手方部材200を連結及び開放する動作を操作性良く行うことができる。
【0047】
〔第2実施形態:
図9乃至
図11〕
次に、この発明の第2実施形態の装飾品の留め具について、
図9乃至
図11を用いて説明する。
図9乃至
図11はそれぞれ、第2実施形態の留め具の構成を筐体蓋を取り除いた状態で示す、
図4乃至
図6と対応する平面図である。
図9は閉塞状態を、
図10は閉塞状態から開放状態へ移行する途中の状態を、
図11は開放状態を示す。
【0048】
この第2実施形態の留め具100は、第3突起部23の、第4突起部31と当接する側面に段差部28を設け、閉塞状態から開放状態への移行及び開放状態から閉塞状態への移行をそれぞれ2段階で行えるようにした点が第1実施形態と異なるのみである。そこで、この相違点に関連する事項のみ説明し、第1実施形態と共通のまたは対応する箇所には、第1実施形態と同じ符号を用いる。
【0049】
図9乃至
図11に示すように、第2実施形態の留め具100では、第3突起部23の側面に段差部28を設けている。そして、この段差部28により、第4突起部31と当接する側面が、凹部25の底に近い第1側面23cと、頂部23bに近い第2側面23dとに分割されている。
そして、
図9に示す閉塞状態においてはこれらのうち第1側面23cのみが第4突起部31と当接している。なお、この当接が必須ではないのは第1実施形態における側面23aの場合と同様である。
【0050】
この閉塞状態で使用者が操作部33を矢印A方向に向けて動かすと、留め具100を
図10に示す中間状態を経て
図11に示す開放状態に移行させることができる。
その過程において、まず第2回動部材30が操作部33の操作に応じて時計回りに回動する。これに応じて、第4突起部31の先端が、第3突起部23の第1側面23cに接触しつつ、バネ40による付勢力に抗して段差部28に向けて移動する。第1側面23cの形状が、
図7と同様な円X上にあるか又は段差部28に近づくにつれ円Xの外側に出るような形状であるとよいことは、第1実施形態の場合と同様である。
【0051】
そして、第4突起部31の先端が段差部28を乗り越えると、第4突起部31の先端と第2側面23dとの間に隙間があるため、この隙間を埋めるように第1回動部材20がわずかに時計回りに回動し、第4突起部31の先端と、第3突起部23の第2側面23dとが当接する。この状態が
図10に示す状態である。なお、第2側面23dの形状に求められる条件は、比較する円の直径が、第2側面23dと接触する第4突起部31の端部を基準に定められることを除けば、第1側面23cの場合と同様である。
その後、第2回動部材30の回動により第4突起部31の先端が第3突起部23の頂部23bに達すると、その時点で、バネ40の付勢力により第1回動部材20が勢いをつけて時計回りに回動して、第1実施形態の場合と同様に開放状態に移行する。
【0052】
この第2実施形態においては、第4突起部31の先端が段差部28を乗り越える際に、操作部33の操作に対して一定の抵抗を与えることができ、使用者に対して、閉塞状態から開放状態への移行を2段階で行うような操作感を与えることができる。このことにより、移行の途中で操作を停止する機会を提供することができる。
また、使用者から見て、操作範囲の中間位置を把握できるため、開放のためにどの程度操作部33を移動させればよいかが分かりやすくなる。さらに、第1実施形態のように一段階の操作で開放できる場合に比べ、衝撃や意図しない操作部33への接触等による誤開放のリスクも軽減できる。一方、段差部28による抵抗はさほど大きなものではないので、段差部28を乗り越えた時に必ずしも操作を一旦停止する必要はなく、全体として操作性を悪くすることはない。
【0053】
開放状態から閉塞状態への移行についても同様であり、
図11に示す状態から、第1回動部材20の回動により第4突起部31が第3突起部23の頂部23bの端に達すると、バネ40の付勢力により第2回動部材30が勢いをつけて反時計回りに回動するが、このとき一旦
図10の位置で停止する。その後さらに第1回動部材20が回動されると、
図9に示す閉塞状態に移行する。
【0054】
従って、開放状態から閉塞状態へ移行させる場合にも、操作を停止する機会を提供することができる。
なお、ここでは段差部28を1つだけ設けた例について説明したが、段差部28を2以上設けて第3突起部23の側面を3以上の領域に区切り、3段階以上の操作感を与えるようにしてもよい。
【0055】
〔変形例〕
以上で実施形態の説明を終了するが、この発明において、留め具100や相手方部材200の具体的な構成及び用途、具体的な動作の手順、部品の具体的な形状や材質、配置等は、上述の各実施形態で説明したものに限られない。
【0056】
例えば、上述した実施形態では操作部33が筐体10の側面から突出している例について説明したが、これに限られない。
操作部33が筐体蓋12を通して
図1の上側に突出していたり、筐体本体11を通して
図1の下型に突出していたりしてもよい。この場合、第2回動部材30に立体的な構造を設け、第4突起部31を備える平板状の部分から、操作部自体を筐体10の厚み方向に立ち上げたり、筐体10の厚み方向に立ち上がる軸に対して操作部を接続したりしてもよい。
また、第2回動部材30にバネ固定部34付近の屈曲部を設けずに概ね真っすぐ伸ばして間隙15bから操作部33を突出させるようにしてもよい。操作感としては上述した実施形態の構成が優れているが、操作部33から、第2回動部材30を回動させるような操作を行うことができれば、上述した実施形態のような留め具100の開放は可能である。
【0057】
また、開放状態への移行の際に、第1回動部材20の回動を外壁等のストッパにより停止させることは必須ではない。例えば、
図6の状態で、第3突起部23の頂部23bの、第4突起部31と接している箇所の図で右側に、突起部等によるストッパを設け、そのストッパにより第1回動部材20の回動を
図6の位置で停止させることも考えられる。
【0058】
また、相手方部材200は、
図2に示すように留め具100に結合された状態で筐体10の外部に突出している必要はない。相手方部材200が、開口部13に完全に収容されてしまうようなサイズであってもよい。
また、留め具100が
図1に示すような略円盤状である必要はなく、より細長い形状であってもよい。また、留め具100や相手方部材200が扁平な形状である必要もない。例えば、留め具100の筐体10が球状や回転楕円体状であってもよい。
【0059】
第1回動部材20及び第2回動部材30が平板状である必要もなく、無視できない程度の厚みを有する部材であってもよい。さらに、第1回動部材20及び第2回動部材30は、留め具100内部の特定の平面上において、
図4乃至
図6を用いて説明した機能を実現できるような形状及び配置を有していれば足りるので、それ以外の、例えば
図4乃至
図6の紙面に垂直な方向において別目的の立体構造を有していてもよい。上述した操作部の変形例も、その一例である。
【0060】
また、以上説明してきた各実施形態及び変形例の構成は、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせて実施可能であり、また、一部のみを取り出して実施することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1…ネックレス、10…筐体、11…筐体本体、12…筐体蓋、13…開口部、14…側壁、15a~15d…間隙、16…リング、20…第1回動部材、21…第1突起部、22…第2突起部、23…第3突起部、23a…側面、23b…頂部、23c…第1側面、23d…第2側面、24…収容部、25…凹部、26…第1回動軸、27…バネ固定部、28…段差部、30…第2回動部材、31…第4突起部、32…第2回動軸、33…操作部、34…バネ固定部、40…バネ、100…留め具、200…相手方部材、201…外装、210…バー(挿入部)、220…接続部、300…チェーン部