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特開2024-165683情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165683
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0203 20230101AFI20241121BHJP
【FI】
G06Q30/0203
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082074
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大城 智朱希
(72)【発明者】
【氏名】横内 寿樹
(72)【発明者】
【氏名】駒宮 大己
(72)【発明者】
【氏名】上杉 堅生
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB02
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】任意の店舗の商圏エリアの解析において、他の店舗の影響を考慮した解析結果を容易に把握させること。
【解決手段】本実施形態に係る情報処理装置10は、受付部12aと、集計部12bと、判定部12cと、表示部12dとを有する。受付部12aは、複数の店舗の指定を受付ける。集計部12bは、受付部12aによって受付けられた複数の店舗それぞれについて、各エリアを出発地とする来訪者数をエリアごとに集計する。判定部12cは、集計部12bによって集計された来訪者数に基づき、各エリアの出発地の重畳度合を判定する。表示部12dは、判定部12cによって判定された出発地の重畳度合が、所定の条件を満たすエリアを強調して表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の店舗の指定を受付ける受付部と、
前記受付部によって受付けられた複数の店舗それぞれについて、各エリアを出発地とする来訪者数をエリアごとに集計する集計部と、
前記集計部によって集計された来訪者数に基づき、各エリアの出発地の重畳度合を判定する判定部と、
前記判定部によって判定された出発地の重畳度合が、所定の条件を満たすエリアを強調して表示する表示部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、各エリアにおける前記来訪者数の中で、最も大きい値の前記来訪者数と、前記最も大きい値の次に大きい値の前記来訪者数との差分が、所定の閾値よりも小さい場合に、重畳度合が高いと判定し、
前記表示部は、前記判定部により重畳度合が高いと判定されたエリアを強調して表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記複数の店舗の中から、特定の店舗の指定をさらに受付け、
前記判定部は、前記特定の店舗の前記来訪者数と、他の店舗の前記来訪者数との差分により、前記重畳度合を判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記複数の店舗の中から、特定の店舗の指定をさらに受付け、
前記判定部は、前記集計部によって集計された前記来訪者数と過去の来訪者数とから演算される来訪者数の変動率に基づき、前記特定の店舗の影響力が弱まっているエリアを判定し、
前記表示部は、前記判定部によって前記特定の店舗の影響力が弱まっているエリアを強調して表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
複数の店舗の指定を受付ける受付工程と、
前記受付工程によって受付けられた複数の店舗それぞれについて、各エリアを出発地とする来訪者数をエリアごとに集計する集計工程と、
前記集計工程によって集計された来訪者数に基づき、各エリアの出発地の重畳度合を判定する判定工程と、
前記判定工程によって判定された出発地の重畳度合が、所定の条件を満たすエリアを強調して表示する表示工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
複数の店舗の指定を受付ける受付手順と、
前記受付手順によって受付けられた複数の店舗それぞれについて、各エリアを出発地とする来訪者数をエリアごとに集計する集計手順と、
前記集計手順によって集計された来訪者数に基づき、各エリアの出発地の重畳度合を判定する判定手順と、
前記判定手順によって判定された出発地の重畳度合が、所定の条件を満たすエリアを強調して表示する表示手順と
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗ビジネスを展開する際に、来店する客の居住している範囲である商圏を分析する企業が増加している。商圏を分析することにより、出店する地域の特徴やターゲット層の趣味嗜好を把握することができるため、解析結果は出店する地域の選択などに活用される。
【0003】
また、既に出店した特定の店舗の商圏エリアを解析することにより、広告出稿時の効果予測や、競合他社の影響を把握することができるため、解析情報を基に今後の販売戦略の計画を立てることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“店舗ビジネスに欠かせない「商圏」範囲の設定方法とは―アントレSTYLE MAGAZINE”、[online]、[令和5年4月26日検索]、インターネット〈https://entrenet.jp/magazine/32609/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の技術では、任意の店舗の商圏エリアの解析において、他の店舗の影響を考慮した解析結果を容易に把握させることができないという課題がある。例えば、従来技術では、任意の店舗の商圏エリアの解析において、基準となる店舗と競合する他の店舗との競合具合について容易に把握させることができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、複数の店舗の指定を受付ける受付部と、受付部によって受付けられた複数の店舗それぞれについて、各エリアを出発地とする来訪者数をエリアごとに集計する集計部と、集計部によって集計された来訪者数に基づき、各エリアの出発地の重畳度合を判定する判定部と、判定部によって判定された出発地の重畳度合が、所定の条件を満たすエリアを強調して表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、任意の店舗の商圏エリアの解析において、他の店舗の影響を考慮した解析結果を容易に把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの概要を示す説明図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の記憶部に記憶されるデータの具体例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理により表示される画像の具体例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法の概要について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システムの概要を示す説明図である。図1に示す例において、情報処理装置10は、ネットワークNを介して、訪問者の情報等を取得し、指定を受付けた店舗の訪問者の重畳度合を利用者端末20に表示するサーバ装置であり、コンピュータやクラウドシステム等により実現される。また、利用者端末20は、ネットワークNを介して情報処理装置10と接続され情報の送受信が行われる情報処理端末であり、PC(Personal Computer)やスマートフォン等によって実現される。
【0011】
情報処理装置10は、複数の店舗の指定を受付け、受付けられた複数の店舗それぞれについて、各エリアを出発地とする来訪者数をエリアごとに集計する。そして、情報処理装置10は、集計された来訪者数に基づき、各エリアの出発地の重畳度合を判定し、判定された出発地の重畳度合が、所定の条件を満たすエリアを強調して表示する。
【0012】
まず、情報処理装置10は、複数の店舗の指定を受付ける。例えば、情報処理装置10は、利用者端末20を介して、出発地の重畳度合の解析が希望される複数の店舗の指定を外部から受付ける。
【0013】
続いて、情報処理装置10は、受付けられた複数の店舗それぞれについて、各エリアを出発地とする来訪者数をエリアごとに集計する。例えば、情報処理装置10は、外部から指定された複数の店舗それぞれについて、予め記憶された来訪者の出発地の情報を用いて、出発地のエリアごとに来訪者数を集計する。
【0014】
そして、情報処理装置10は、集計された来訪者数に基づき、各エリアの出発地の重畳度合を判定する。例えば、情報処理装置10は、エリアごとに集計された各店舗の来訪者数により、各店舗の来訪者数の差分を算出し、差分の値と閾値との比較により、各エリアの出発地の重畳度合を判定する。
【0015】
その後、情報処理装置10は、判定された出発地の重畳度合が、所定の条件を満たすエリアを強調して表示する。例えば、情報処理装置10は、指定された店舗付近を表す地図を、重畳度合が高いと判定されたエリアのみに色を付して表示することにより、重畳度合が高いエリアのみを強調して表示する。
【0016】
このようにして、情報処理装置10は、指定された複数の店舗について、訪問者の出発地の重畳度合を利用者端末20に表示する。その結果、情報処理装置10は、任意の店舗の商圏エリアの解析において、他の店舗の影響を考慮した解析結果を容易に利用者に把握させることができる。
【0017】
〔2.情報処理装置10の構成〕
次に、図2を参照し、図1に示した情報処理装置10の構成を説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理装置10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有する。また、情報処理装置10と利用者端末20とはネットワークNを介して有線又は無線により互いに通信可能に接続される。
【0018】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、利用者端末20との間で情報の送受信を行う。
【0019】
記憶部13は、例えば、RAM(Random Access Memory)やハードディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部13は、制御部12による各種処理に必要なデータ及びプログラムを格納するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、出発地情報記憶部13aと集計情報記憶部13bと判定情報記憶部13cとを有する。
【0020】
出発地情報記憶部13aは、指定された各店舗における訪問者それぞれの出発地に関する情報を記憶する。例えば、出発地情報記憶部13aは、指定候補となる店舗それぞれについて、店舗を訪れた来訪者が有するスマートフォン等から取得された来訪者についての情報により、来訪者の居住地を出発地として記憶する。なお、出発地には、来訪者の居住地や来訪者の滞在場所等が含まれてもよい。
【0021】
ここで、図3(A)を参照し、出発地情報記憶部13aに記憶されるデータの具体例について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置の記憶部に記憶されるデータの具体例を示す図である。図3(A)の例では、指定された店舗として「店舗A」と「店舗B」とが示され、「店舗A」に「来訪者1」と「来訪者2」とが示されている。そして、「来訪者1」の出発地として「○○町〇丁目」、「来訪者2」の出発地として「△△町△丁目」が示されている。出発地情報記憶部13aは、例えば、図3(A)の例のように、店舗ごとに来訪者とそれぞれの出発地とを紐づけて記憶する。
【0022】
集計情報記憶部13bは、後述する集計部12bによって集計された情報を記憶する。例えば、集計情報記憶部13bは、後述する集計部12bによって集計された、各エリアの、そのエリアを出発地とする各店舗の来訪者数の合計を記憶する。
【0023】
ここで、図3(B)を参照し、集計情報記憶部13bに記憶されるデータの具体例について説明する。図3(B)の例では、「○○町〇丁目」と「△△町△丁目」とがエリア(出発地)として示されており、「○○町〇丁目」を出発地とする来訪者について、「店舗A」における来訪者数が「100」であり、「店舗B」における来訪者数が「120」であることが示されている。集計情報記憶部13bは、例えば、図3(B)の例のように、エリア(出発地)ごとに店舗と来訪者数とを紐づけて記憶する。
【0024】
判定情報記憶部13cは、後述する判定部12cによって判定された情報を記憶する。例えば、判定情報記憶部13cは、後述する集計部12bによって判定された、各エリアの重畳度合の高低を記憶する。なお、判定情報記憶部13cは、重畳度合の判定に使用された来訪者数の差分や、来訪者数の閾値等について記憶してもよい。
【0025】
ここで、図3(C)を参照し、判定情報記憶部13cに記憶されるデータの具体例について説明する。図3(C)の例では、「○○町〇丁目」と「△△町△丁目」とがエリア(出発地)として示されており、「○○町〇丁目」の来訪者数の差分が「20」であり、「△△町△丁目」における来訪者数の差分が「50」であることが示されている。
【0026】
また、来訪者数の差分の閾値として「30」が示されており、「○○町〇丁目」の重畳度合が「高」であり、「△△町△丁目」の重畳度合が「低」であることが示されている。判定情報記憶部13cは、例えば、図3(C)の例のように、エリア(出発地)と、エリアごとに算出された来訪者の差分と、その差分の判定に使用される閾値とにより判定された重畳度合とを紐づけて記憶する。
【0027】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部12は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。制御部12は、受付部12aと、集計部12b、判定部12cと、表示部12dとを有する。
【0028】
受付部12aは、複数の店舗の指定を受付ける。例えば、受付部12aは、ネットワークNを介して、利用者端末20への入力により指定された複数の店舗を、出発地の重畳度合の解析対象の店舗として受付け、後述する集計部12bに通知する。
【0029】
また、受付部12aは、複数の店舗の中から、特定の店舗の指定をさらに受付けてもよい。例えば、受付部12aは、受付けられた複数の店舗の中から、解析の中心となる任意の店舗をさらに受付ける。
【0030】
集計部12bは、受付部12aによって受付けられた複数の店舗それぞれについて、各エリアを出発地とする来訪者数をエリアごとに集計する。そして、集計部12bは、集計された情報を集計情報記憶部13bに格納する。例えば、集計部12bは、受付部12aから通知された指定された店舗について、出発地情報記憶部13aに記憶された情報を参照し、各エリアを出発地とする来訪者数をエリアごとに集計し、集計情報記憶部13bに格納する。
【0031】
判定部12cは、集計部12bによって集計された来訪者数に基づき、各エリアの出発地の重畳度合を判定する。そして、判定部12cは、判定した情報を判定情報記憶部13cに格納する。例えば、判定部12cは、集計情報記憶部13bに記憶された情報を参照し、指定された複数の店舗についての来訪者数の差分を算出して、算出した差分の大きさに対応した重畳度合を判定する。
【0032】
また、判定部12cは、各エリアにおける来訪者数の中で、最も大きい値の来訪者数と、最も大きい値の次に大きい値の来訪者数との差分が、所定の閾値よりも小さい場合に、重畳度合が高いと判定してもよい。
【0033】
例えば、判定部12cは、指定された複数の店舗について、エリアごとに集計された来訪者数の中で、最も大きい値の来訪者数と、次に大きい値の来訪者数との差分を算出する。そして、判定部12cは、例えば、算出された差分と予め設定された閾値とを比較し、算出された差分の方が小さい場合に、対象のエリアの重畳度合が高いと判定する。
【0034】
ここで、予め設定された閾値は、重畳度合の高低を判別するために設定された任意の値であり、判定部12cは、閾値の値が低いほど、店舗間の来訪者数の差分が小さく、競合しているとされるエリアのみを重畳度合が高いエリアとして判別する。
【0035】
さらに、判定部12cは、特定の店舗の来訪者数と、他の店舗の来訪者数との差分により、重畳度合を判定してもよい。例えば、判定部12cは、受付部12aによって受付けられた特定の店舗の来訪者数と、特定の店舗以外の指定された店舗のそれぞれの来訪者数の中で、最も大きい値の来訪者数との差分を算出して、算出した差分の大きさに対応した重畳度合を判定する。
【0036】
また、判定部12cは、集計部12bによって集計された来訪者数と過去の来訪者数とから演算される来訪者数の変動率に基づき、特定の店舗の影響力が弱まっているエリアを判定してもよい。例えば、判定部12cは、特定の店舗について、集計情報記憶部13bに記憶された最新の来訪者数と、記憶部13に記憶された前回分の来訪者数とから、来訪者数の上昇率または下降率を算出する。そして、判定部12cは、例えば、来訪者数の下降率が高いエリアを、特定の店舗の影響力が弱まっているエリアとして判定する。
【0037】
なお、判定部12cは、例えば、特定の店舗の他に、比較対象の任意の一店舗の変動率もさらに算出し、特定の店舗の訪問者数の変動率と比較対象の店舗の変動率とから、総合的に特定の店舗の影響力が弱まっているエリアを判定してもよい。
【0038】
表示部12dは、判定部12cによって判定された出発地の重畳度合が、所定の条件を満たすエリアを強調して表示する。また、表示部12dは、判定部12cにより重畳度合が高いと判定されたエリアを強調して表示してもよい。さらに、表示部12dは、判定部12cによって特定の店舗の影響力が弱まっているエリアを強調して表示してもよい。
【0039】
例えば、表示部12dは、指定された店舗が示された地図に、予め設定された所定の条件(重畳度合が高い、特定の店舗の影響力が弱まっている等)を満たすエリアについて色を付した画像を利用者端末20の画面に表示することにより、所定の条件を満たすエリアを強調して表示する。なお、表示部12dは、例えば、来訪者数の差分の値や、特定の店舗の訪問者数の下降率等の値に応じて、グラデーションとなるようにそれぞれのエリアに色を付すことにより、該当エリアを強調して表示してもよい。
【0040】
〔3.情報処理の具体例〕
続いて、図4を参照し、実施形態に係る情報処理の具体例について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理の具体例を示す図である。以下では、情報処理装置10の情報処理について、複数の店舗の指定を受付けた後、重畳度合に関して所定の条件を満たすエリアを強調した画像が表示されるまでの具体的な処理について説明する。なお、以下の処理では、重畳度合が高いと判定されたエリアを強調して表示することが予め設定されている。
【0041】
まず、受付部12aは、解析対象の複数の店舗の指定として、「店舗A」と「店舗B」との指定を利用者端末20から受付ける。そして、集計部12bは、「店舗A」の「○○町〇丁目」を出発地とする来訪者数が「100人」、「店舗B」の「○○町〇丁目」を出発地とする来訪者数が「120人」と集計する。
【0042】
次に、判定部12cは、「○○町〇丁目」について、集計した来訪者数の差分(120-100=20)を算出し、差分「20」が閾値「30」よりも小さいことにより、「○○町〇丁目」は重畳度合が高いと判定する。その後、表示部12dは、「○○町〇丁目」に色を付した地図を利用者端末20に表示する。
【0043】
情報処理装置10は、前述した集計部12bから表示部12dまでの処理を各エリアに対して順に行うことにより、重畳度合が高いと判定されたエリアのみに色が付され強調された地図を、利用者端末20に表示することができる。
【0044】
ここで、図5を参照し、表示部12dによって、重畳度合に関して所定の条件を満たすエリアが強調された画像の一例について説明する。図5は、実施形態に係る情報処理により表示される画像の具体例を示す図である。図5では、「店舗A」と「店舗B」とが指定され、来訪者数の差分の大きさにより、各エリアの背景模様が異なる例が示されている。
【0045】
図5の例では、町丁目単位で区別された各エリアについて、「店舗A」と「店舗B」との来訪者数の差分の大きさに応じて異なる模様が付されており、模様が比較的濃いエリアは、来訪者数の差分が小さいエリアであることが示されている。つまり、情報処理装置10は、図5の例の画像を利用者端末20に表示することにより、模様が濃いエリアは、「店舗A」と「店舗B」との競合が激しいエリアであることを容易に利用者に把握させることができる。
【0046】
〔4.処理手順〕
次に、図6を参照して、情報処理装置10の処理について説明する。図6は、実施形態に係る処理手順の一例を示すフローチャートである。図6に示す例では、受付部12aは、利用者端末20等から複数の店舗の指定を受付ける。(ステップS101)。複数の店舗の指定を受付けていない場合(ステップS101;No)、受付部12aは、複数の店舗の指定を受付けるまで待機する。
【0047】
一方、受付部12aが複数の店舗の指定を受付けた場合(ステップS101;Yes)、集計部12bは、指定された各店舗について出発地ごとに来訪者数を集計する(ステップS102)。そして、判定部12cは、集計された来訪者数に基づき、出発地のエリアごとに重畳度合を判定する(ステップS103)。その後、表示部12dは、判定された重畳度合に応じて、予め設定された条件を満たすエリアを強調して表示し(ステップS104)、情報処理装置10は工程を終了する。
【0048】
〔5.効果〕
上述してきたように、本実施形態に係る情報処理装置10は、受付部12aと、集計部12bと、判定部12cと、表示部12dとを有する。受付部12aは、複数の店舗の指定を受付ける。集計部12bは、受付部12aによって受付けられた複数の店舗それぞれについて、各エリアを出発地とする来訪者数をエリアごとに集計する。
【0049】
判定部12cは、集計部12bによって集計された来訪者数に基づき、各エリアの出発地の重畳度合を判定する。表示部12dは、判定部12cによって判定された出発地の重畳度合が、所定の条件を満たすエリアを強調して表示する。
【0050】
これにより、情報処理装置10は、指定された各店舗の商圏エリアについて、来訪者の出発地の重畳度合に応じて強調した地図を表示することにより、任意の店舗の商圏エリアの解析において、他の店舗の影響を考慮した解析結果を容易に把握させることができるという効果を奏する。
【0051】
また、情報処理装置10の判定部12cは、各エリアにおける来訪者数の中で、最も大きい値の来訪者数と、最も大きい値の次に大きい値の来訪者数との差分が、所定の閾値よりも小さい場合に、重畳度合が高いと判定する。また、表示部12dは、判定部12cにより重畳度合が高いと判定されたエリアを強調して表示する。
【0052】
これにより、情報処理装置10は、各店舗のそれぞれのエリアについての来訪者数の中で、最も大きい値と2番目に大きい値との差が比較的小さく、競合しているとされるエリアを容易に把握させることができるという効果を奏する。
【0053】
さらに、情報処理装置10の受付部12aは、複数の店舗の中から、特定の店舗の指定をさらに受付け、判定部12cは、特定の店舗の来訪者数と、他の店舗の来訪者数との差分により、重畳度合を判定する。これにより、情報処理装置10は、任意の店舗について、指定された他の店舗との訪問者の重畳度合を、各エリアについて把握させることができる。
【0054】
また、情報処理装置10の受付部12aは、複数の店舗の中から、特定の店舗の指定をさらに受付け、判定部12cは、集計部12bによって集計された来訪者数と過去の来訪者数とから演算される来訪者数の変動率に基づき、特定の店舗の影響力が弱まっているエリアを判定し、表示部12dは、判定部12cによって特定の店舗の影響力が弱まっているエリアを強調して表示する。これにより、情報処理装置10は、任意の店舗について、来訪者数が減少し影響力が弱まっているとされるエリアを容易に把握させることができるという効果を奏する。
【0055】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置10は、例えば図7に示すようなコンピュータ1000によって実現される。図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080、がバス1090により接続された形態を有する。
【0056】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えば、CPU、MPU、ASIC、FPGA等により実現される。
【0057】
一次記憶装置1040は、RAM等の演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。
【0058】
さらに、二次記憶装置1050は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
【0059】
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェースであり、例えば、USBやDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。
【0060】
また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0061】
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
【0062】
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
【0063】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disc)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
【0064】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0065】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0066】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0067】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0068】
この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0069】
さらに、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、情報処理装置10の各機能の全部又は一部を利用者端末20が行うようにしてもよい。
【0070】
また、上述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0071】
さらに、上述してきた「部(Section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0072】
10 情報処理装置
11 通信部
12 制御部
12a 受付部
12b 集計部
12c 判定部
12d 表示部
13 記憶部
13a 出発地情報記憶部
13b 集計情報記憶部
13c 判定情報記憶部
20 利用者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7