(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165688
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】保護治具およびコネクタ付き保護治具
(51)【国際特許分類】
H01R 43/00 20060101AFI20241121BHJP
H01R 43/20 20060101ALN20241121BHJP
【FI】
H01R43/00 B
H01R43/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082083
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 貴則
(72)【発明者】
【氏名】小川 曜史
(72)【発明者】
【氏名】ファムヴァン コア
【テーマコード(参考)】
5E051
5E063
【Fターム(参考)】
5E051BA06
5E051BB04
5E063HA05
5E063HB14
5E063HB19
5E063XA01
(57)【要約】
【課題】電線に傷がつくことを抑制できる保護治具およびコネクタ付き保護治具を提供する。
【解決手段】保護治具10は、ハウジング61の挿入孔63に通される電線90A,90Bを保護する治具である。保護治具10は、挿入孔63を区画する壁面の角部77と対向して配置される覆い部27を備えている。コネクタ付き保護治具100は、コネクタ60と、保護治具10と、を具備している。コネクタ60は、収容空間64および挿入孔63を有しているハウジング61と、挿入孔63から収容空間64に収容されるモジュール62と、を備える。モジュール62から電線90A,90Bが延び、電線90A,90Bが挿入孔63に通される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの挿入孔に通される電線を保護する保護治具であって、
前記挿入孔を区画する壁面の角部と対向して配置される覆い部を備えている、保護治具。
【請求項2】
前記覆い部は、前記電線と接触可能な位置に、曲面状のR部を有している、請求項1に記載の保護治具。
【請求項3】
前記覆い部は、前記壁面との間に隙間を開けて対向している、請求項1に記載の保護治具。
【請求項4】
前記覆い部から離れた位置に、前記ハウジングに接触可能に配置され、前記覆い部と前記壁面との間の隙間を維持する隙間維持部を備えている、請求項3に記載の保護治具。
【請求項5】
前記隙間維持部は、前記ハウジングの端部に接触可能な第1隙間維持部と、前記第1隙間維持部よりも前記覆い部に近い位置に配置された第2隙間維持部と、を有している、請求項4に記載の保護治具。
【請求項6】
コネクタと、保護治具と、を具備し、
前記コネクタは、収容空間および前記収容空間と連通する挿入孔を有しているハウジングと、前記収容空間に収容されるモジュールと、を備え、
前記挿入孔は、前記ハウジングの第1面に開口する第1開口と、前記ハウジングにおける前記第1面と交差する方向を向いた第2面に開口する第2開口と、を有し、
前記モジュールは前記第1開口から前記第2開口を経て前記収容空間に収容され、前記モジュールから延びる電線は前記挿入孔に通され、
前記ハウジングは、前記挿入孔において、前記第1開口と前記第2開口との間に介在する壁部を有し、
前記壁部は、前記第2開口に連なる壁面の端縁に、角部を有し、
前記保護治具は、前記角部と対向して配置される覆い部を備えている、コネクタ付き保護治具。
【請求項7】
前記モジュールは、前記第2開口から上方に引き出される引出位置から前記収容空間に収容される収容位置へと移動可能とされ、
前記覆い部は、前記電線と接触可能な曲面状のR部を有し、前記R部から上方へ向けて次第に厚肉となるように傾斜した傾斜面を有している、請求項6に記載のコネクタ付き保護治具。
【請求項8】
前記覆い部は、前記壁面との間に隙間を開けて対向する、請求項6に記載のコネクタ付き保護治具。
【請求項9】
前記壁面は、シール部材が接するシール面である、請求項8に記載のコネクタ付き保護治具。
【請求項10】
前記保護治具は、
前記第2開口を上方に開口させた状態で前記ハウジングを固定する台座部と、
前記覆い部を含む本体部と、
前記台座部と前記本体部との間に設けられ、前記覆い部が前記ハウジングの上方に退避した退避位置から前記収容空間で前記角部と対向する対向位置へと変位するように、前記本体部を支持する支持部と、を備えている、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載のコネクタ付き保護治具。
【請求項11】
前記台座部および前記支持部は、ベース面に設けられ、前記ベース面の面方向に互いの相対的な位置を変更可能とされている、請求項10に記載のコネクタ付き保護治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、保護治具およびコネクタ付き保護治具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されたコネクタは、ユニット収容空間を有しているハウジングと、ユニット収容空間に収容される端子ユニットと、を備えている。端子ユニットは、ケーブル(以下、電線という)の端部に取り付けられている。ハウジングは、ユニット収容空間と直角に連通するケーブル収容空間を有している。電線は、ケーブル収容空間およびユニット収容空間の順に通され、ケーブル収容空間からユニット収容空間にかけて屈曲して配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ケーブル収容空間を区画する壁面がユニット収容空間を区画する壁面と交差する角部には、バリ等を含むエッジが形成され得る。電線をケーブル収容空間からユニット収容空間に引き出す際に、角部に電線の屈曲部分が接触すると、電線に傷がつく懸念がある。
【0005】
そこで、本開示は、電線に傷がつくことを抑制できる保護治具およびコネクタ付き保護治具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の保護治具は、ハウジングの挿入孔に通される電線を保護する保護治具であって、前記挿入孔を区画する壁面の角部と対向して配置される覆い部を備えている保護治具である。
【0007】
本開示のコネクタ付き保護治具は、コネクタと、保護治具と、を具備し、前記コネクタは、収容空間および前記収容空間と連通する挿入孔を有しているハウジングと、前記収容空間に収容されるモジュールと、を備え、前記挿入孔は、前記ハウジングの第1面に開口する第1開口と、前記ハウジングにおける前記第1面と交差する方向を向いた第2面に開口する第2開口と、を有し、前記モジュールは前記第1開口から前記第2開口を経て前記収容空間に収容され、前記モジュールから延びる電線は前記挿入孔に通され、前記ハウジングは、前記挿入孔において、前記第1開口と前記第2開口との間に介在する壁部を有し、前記壁部は、前記第2開口に連なる壁面の端縁に、角部を有し、前記保護治具は、前記角部と対向して配置される覆い部を備えている、コネクタ付き保護治具である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、電線に傷が付くことを抑制できる保護治具およびコネクタ付き保護治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1の保護治具の上方にハウジングが配置された状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の保護治具の台座部にハウジングが固定され、ハウジングの後方にモジュールが配置された状態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の保護治具の本体部が退避位置から対向位置に変位する過程で、第1隙間維持部の摺接面に第1被維持部が接触した状態を示す側面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1の保護治具の覆い部が壁部のシール面および角部に対向して配置された状態を示す拡大断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態1の保護治具の覆い部が壁部のシール面および角部に対向して配置され、モジュールが第2開口からハウジングの上方に引き出された状態を示す側面図である。
【
図6】
図6は、実施形態1の保護治具の覆い部に設けられたR部に電線が接触して配置される状態を示す拡大断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態1の保護治具の覆い部に設けられたR部に電線が接触し、モジュールが姿勢変換されて収容空間に収容される状態を示す断面図である。
【
図8】
図8は、実施形態1のコネクタ付き保護治具において、保護治具に第1態様のコネクタを組み付けた状態を示す平面図である。
【
図9】
図9は、実施形態1のコネクタ付き保護治具において、保護治具に第2態様のコネクタを組み付けた状態を示す平面図である。
【
図10】
図10は、実施形態1のコネクタ付き保護治具に適用可能な第1態様のコネクタの断面図である。
【
図11】
図11は、実施形態1のコネクタ付き保護治具に適用可能な第1態様のコネクタの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の保護治具は、
(1)ハウジングの挿入孔に通される電線を保護する保護治具であって、前記挿入孔を区画する壁面の角部と対向して配置される覆い部を備えている。
例えば、ハウジングの挿入孔に電線を通す作業を行うときに、保護治具の覆い部が角部と対向する位置に配置されることで、電線が角部と接触することを回避できる。その結果、電線に傷がつくことを抑制できる。
【0011】
(2)上記(1)に記載の保護治具において、前記覆い部は、前記電線と接触可能な位置に、曲面状のR部を有していることが好ましい。
電線が覆い部に接触するとしても、曲面状のR部に電線が接触するため、電線に傷がつくことを効果的に抑制できる。
【0012】
(3)上記(1)または(2)に記載の保護治具において、前記覆い部は、前記壁面との間に隙間を開けて対向していることが好ましい。
覆い部が壁面と接触することを回避できるので、壁面に傷がつくことを抑制できる。
【0013】
(4)上記(3)に記載の保護治具において、前記覆い部から離れた位置に、前記ハウジングに接触可能に配置され、前記覆い部と前記壁面との間の隙間を維持する隙間維持部を備えていることが好ましい。
隙間維持部が覆い部と壁面との間の隙間を維持することで、ハウジングの壁面に傷がつくことをより確実に抑制できる。
【0014】
(5)上記(4)に記載の保護治具において、前記隙間維持部は、前記ハウジングの端部に接触可能な第1隙間維持部と、前記第1隙間維持部よりも前記覆い部に近い位置に配置された第2隙間維持部と、を有していることが好ましい。
第1隙間維持部がハウジングの端部に対応して配置されるため、覆い部によって第1隙間維持部の形状の自由度が制限されることを防止でき、第1隙間維持部の形状の自由度を高めることができる。第2隙間維持部が第1隙間維持部に比べて覆い部に近い位置に配置されているため、覆い部と壁面との間に隙間が形成される状態をより確実に維持できる。
【0015】
本開示のコネクタ付き保護治具は、
(6)コネクタと、保護治具と、を具備し、前記コネクタは、収容空間および前記収容空間と連通する挿入孔を有しているハウジングと、前記収容空間に収容されるモジュールと、を備え、前記挿入孔は、前記ハウジングの第1面に開口する第1開口と、前記ハウジングにおける前記第1面と交差する方向を向いた第2面に開口する第2開口と、を有し、前記モジュールは前記第1開口から前記第2開口を経て前記収容空間に収容され、前記モジュールから延びる電線は前記挿入孔に通され、前記ハウジングは、前記挿入孔において、前記第1開口と前記第2開口との間に介在する壁部を有し、前記壁部は、前記第2開口に連なる壁面の端縁に、角部を有し、前記保護治具は、前記角部と対向して配置される覆い部を備えている。
第1開口と第2開口とが互いに交差する方向を向き、第1開口と第2開口との間に介在する壁部の壁面が角部を有しているため、角部にエッジが残る可能性がある。しかし、覆い部が角部と対向して配置されることで、電線が角部と接触することを回避できる。その結果、電線に傷がつくことを抑制できる。
【0016】
(7)上記(6)に記載のコネクタ付き保護治具において、前記モジュールは、前記第2開口から上方に引き出される引出位置から前記収容空間に収容される収容位置へと移動可能とされ、前記覆い部は、前記電線と接触可能な曲面状のR部と、前記R部から上方へ向けて次第に厚肉となるように傾斜した傾斜面と、を有していることが好ましい。
モジュールが引出位置にあるときに、電線がモジュールに追従して傾斜面に近づく方向に円滑に変位することができる。また、覆い部が上方に向けて厚肉となるため、覆い部の剛性を高めることができる。
【0017】
(8)上記(6)または(7)に記載のコネクタ付き保護治具において、前記覆い部は、前記壁面との間に隙間を開けて対向することが好ましい。
覆い部が壁面に接触することを回避できるため、壁面に傷がつくことを抑制できる。
【0018】
(9)上記(8)に記載のコネクタ付き保護治具において、前記壁面は、シール部材が接するシール面であることが好ましい。
覆い部がシール面と対向して配置されることにより、シール面に傷がつくことを抑制でき、シール面による防水性を維持することができる。
【0019】
(10)上記(6)から(9)のいずれかに記載のコネクタ付き保護治具において、前記保護治具は、前記第2開口を上方に開口させた状態で前記ハウジングを固定する台座部と、前記覆い部を含む本体部と、前記台座部と前記本体部との間に設けられ、前記覆い部が前記ハウジングの上方に退避した退避位置から前記収容空間で前記角部と対向する対向位置へと変位するように、前記本体部を支持する支持部と、を備えていることが好ましい。
本体部が退避位置にあるときに、ハウジングを台座部に固定し、モジュールを第1開口から第2開口に向けて挿入孔に通すことができる。本体部を対向位置に変位させた後、モジュールを第2開口から上方に引き上げることができる。本体部が対向位置にあるときに、覆い部が角部と対向して配置されることで、モジュールから延びる電線が角部と接触することを回避できる。その後、モジュールを下方に押し込んで収容空間に収容させることができる。
【0020】
(11)上記(10)に記載のコネクタ付き保護治具において、前記台座部および前記支持部は、ベース面に設けられ、前記ベース面の面方向に互いの相対的な位置を変更可能とされていることが好ましい。
例えば、台座部からの電線の延び方向を異にする、複数種のコネクタに対し、台座部および支持部の相対的な位置を変更することによって、各コネクタを保護治具に個別に組み付け、覆い部を角部と対向する位置に至らすことができる。つまり、複数種のコネクタに対して共通(1つ)の保護治具で対応することができる。
【0021】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0022】
<実施形態1>
実施形態1の保護治具10は、ハウジング61の挿入孔63に通される電線90A,90Bを保護する治具である。電線90A,90Bは、モジュール62から延び、モジュール62に先導されつつ挿入孔63に通される。ハウジング61とモジュール62は、コネクタ60を構成している。コネクタ60は、図示しない相手コネクタに嵌合可能とされている。実施形態1のコネクタ付き保護治具100は、コネクタ60と、保護治具10と、を具備している。なお、以下の説明において、前後方向については、特に断りがない限り、モジュール62および電線90A,90Bが挿入孔63に通される際の挿入方向先方を前方とする。上下方向は、
図8および
図9を除く各図の上方を上方とする。
図1、
図2、
図8および
図9において、前方、右方および上方は、それぞれ、符号X、符号Yおよび符号Zで表される。これらの方向は、保護治具10を使用する際またはコネクタ60が車両等に搭載された際の方向とは必ずしも一致しない。
【0023】
(ハウジング等)
ハウジング61は、合成樹脂製であって、筒状に形成されている。
図1に示すように、ハウジング61は、例えば、側面視でL字形に形成されている。
図6に示すように、ハウジング61は、内部に、挿入孔63および収容空間64を有している。挿入孔63は、ハウジング61の上部の領域に形成されている。
図1および
図6に示すように、挿入孔63の一端は、ハウジング61の後面である第1面67に開口する第1開口65とされている。挿入孔63の他端は、ハウジング61の上面である第2面68に開口する第2開口66とされている。第1面67と第2面68とは互いに交差する方向を向いている。
【0024】
ハウジング61は、挿入孔63に、第1開口65と同径で第1開口65から前方に凹む第1凹部69を有している。
図10に示すように、第1凹部69には、ゴム栓97が収容される。ゴム栓97は、シリコンゴム等のゴム製である。電線90A,90Bは、ゴム栓97に個別に貫通している。ゴム栓97の外周面は、第1凹部69の内周面に密着する。これにより、電線90A,90Bとハウジング61との間の防水を図ることができる。ゴム栓97は、ハウジング61に取り付けられるカバー98によって、ハウジング61から後方への抜け出しが規制される。
【0025】
図11に示すように、ハウジング61は、後部の左右方向の端部側面に、カバー98を係止する係止部72と、係止部72よりも後方でカバー98とハウジング61とのがた付きを抑える第1被維持部73と、を有している。また、ハウジング61は、後部の上面の左右中間部に、側面視で凹状をなす第2被維持部74を有している。第1被維持部73および第2被維持部74は、それぞれ、保護治具10の後述する第1隙間維持部32および第2隙間維持部33に接触可能とされている。
【0026】
図1および
図6に示すように、ハウジング61は、挿入孔63に、第2開口66と同径で第2開口66から下方に凹む第2凹部71を有している。
図10に示すように、第2凹部71には、シールリング等のシール部材96を介して、蓋部材95が嵌め込まれる。シール部材96は、シリコンゴム等のゴム製であって環状をなし、第2凹部71の内周面と蓋部材95の外周面との間に圧縮して挟み込まれる。第2凹部71の内部は、シール部材96と蓋部材95とによって液密に閉塞される。
【0027】
図4および
図6に示すように、ハウジング61は、第1開口65と第2開口66との間に介在する壁部75を有している。壁部75は、第1凹部69と第2凹部71とを区画している。壁部75の前側の壁面は、第2開口66に連なる第2凹部71の内周面の一部であって、シール部材96の外周面が密着するシール面76になっている(
図10を参照)。壁部75のシール面76は、例えば、上下方向に沿って垂直に配置されている。壁部75のシール面76は、挿入孔63の第1開口65側の内壁上面と交差する端縁に、例えば、側断面視で直角をなす角部77を有している。すなわち、壁部75は、挿入孔63を区画する壁部であって、壁部75の表面は、挿入孔63を区画する壁面の一例である。また、ハウジング61は、挿入孔63の内壁下面に、第1開口65側から第2開口66に向けて次第に上方に傾斜するガイド面78を有している。
【0028】
図6に示すように、収容空間64は、ハウジング61の下部に形成されている。収容空間64は、上下方向に延び、ハウジング61の下方に開放されている。収容空間64の上端側は、ハウジング61の内部において、挿入孔63の前端側と交差して連通している。ハウジング61は、収容空間64および挿入孔63よりも前方に、弾性変形可能なロックアーム81を有している。ロックアーム81は、図示しない相手コネクタを係止し、コネクタ60と相手コネクタとの嵌合状態を保持する。ハウジング61の前端部には、ロックアーム81とそのロックアーム81の周りを包囲する包囲壁82とからなるロック構造部83が設けられている。
【0029】
本実施形態1の保護治具10を適用可能なコネクタ60は、上記した
図8に示す第1態様のコネクタ60に加え、第1態様のコネクタ60とは一部の形態を異にする、
図9に示す第2態様のコネクタ60Aも含まれる。
【0030】
第2態様のコネクタ60Aは、例えば、ハウジング61に設けられたロック構造部83の形成位置を、第1態様のコネクタ60のものと異ならせている。具体的には、第1態様のコネクタ60の場合、
図8に示すように、ロック構造部83は、ハウジング61の前端部に設けられている。これに対し、第2態様のコネクタ60Aの場合、
図9に示すように、ロック構造部83は、ハウジング61の前端部には設けられず、ハウジング61の左右一側方(図示では左側方)の端部に設けられている。例えば、保護治具10に対してロック構造部83を後述する凹部15の前端側(後述するロック構造受部18)に配置した場合、第1態様のコネクタ60のモジュール62からは電線90A,90Bが後方に延び(
図8を参照)、第2態様のコネクタ60Aのモジュール62からは電線90A,90Bが後方と交差する左右一側方に延びることになる(
図9を参照)。
【0031】
(モジュール62および電線等)
モジュール62は、
図10に示すように、端子84とサブハウジング85とを備えている。サブハウジング85は、ハウジング61の収容空間64に嵌合可能な形状および大きさで形成されている。サブハウジング85には、端子84が収容されている。サブハウジング85は、端子84を保持している。端子84は、例えば、雌型端子であって、図示しない相手端子を受容して接続可能とされている。
【0032】
端子84は、電線90A,90Bの端部に圧着して接続されている。電線90A,90Bは、各端子84に対応してモジュール62から複数本延びている。
【0033】
複数本の電線90A,90Bのうち、一部の電線は、高圧回路の配線に用いられるシールド電線90Aとして構成され、残りの電線は、低圧回路の配線に用いられる一般電線90Bとして構成されている。端子84は、一般電線90Bの端部で絶縁樹脂91の除去によって露出する芯線に導通接続されている。シールド電線90Aは、例えば、2本の被覆電線93の外周を絶縁性のシース94で一括して包囲した構造である(
図2を参照)。本実施形態1の場合、各被覆電線93は、撚り合わされることによってツイストペア線を構成している。各被覆電線93の端部は、シース94から露出し、撚りが解かれている。端子84は、被覆電線93の端部で絶縁樹脂91の除去によって露出する芯線に導通接続されている。
【0034】
モジュール62は、軸線方向(本実施形態1の場合は長手方向)を前後方向に向けつつ第1開口65から挿入孔63に挿入される。
図5および
図6に示すように、モジュール62は、挿入孔63から第2開口66を通して引き出され、ハウジング61の上方に露出した引出位置に配置される。モジュール62が引出位置にあるときに、電線90A,90Bは、保護治具10の後述するR部29側からモジュール62にかけて斜め上方に延びるように配置される。
図7に示すように、モジュール62は、引出位置で姿勢変更させられ、軸線方向を上下方向に向けつつ収容空間64に押し込まれる。
図10に示すように、モジュール62が収容空間64に収容される収容位置に至ると、モジュール62がハウジング61に係止されて収容空間64に保持される。
図7に示すように、モジュール62が引出位置から収容位置に移動する過程で、電線90A,90Bは、R部29側からモジュール62にかけて上方にU字形に曲がるように配置される。
【0035】
(保護治具)
図1に示すように、保護治具10は、台座部11と、本体部12と、台座部11と本体部12との間に設けられ、本体部12が台座部11に対して退避位置から対向位置へと変位可能となるように、本体部12を支持する支持部13と、を備えている。
【0036】
台座部11は、平坦なベース面14に突出して設けられている。台座部11は、上方に開放された凹部15を有している。凹部15は、ハウジング61の外形形状に対応する内面形状を有している。ハウジング61は、凹部15に上方から嵌め込まれて位置決め状態に固定される。台座部11は、凹部15の外周を区画する4つの壁のうち、後側に位置する後壁と、後壁に隣接する左右横壁のうちの一つの横壁と、に、それぞれ、第1開放部16および第2開放部17を有している。第1開放部16および第2開放部17は、後壁と横壁の各々の壁厚方向に貫通し、且つ上方に開放されている。台座部11は、上記4つの壁のうち、前側に位置する前壁に、凹部15の前端側を構成するロック構造受部18を有している。ロック構造受部18は、第1開放部16と対向して配置され、ハウジング61のロック構造部83を嵌合状態で受ける(
図8および
図9を参照)。
【0037】
図1および
図5に示すように、支持部13は、起立部21、軸部22、および止め部23を有している。起立部21は、例えば、柱状をなし、ベース面14から起立して設けられている。
図8に示すように、第1態様のコネクタ60が保護治具10に組み付けられる場合、ハウジング61が第1開放部16を貫通し、起立部21が台座部11から後方に離れて配置される。
図9に示すように、第2態様のコネクタ60Aが保護治具10に組み付けられる場合、ハウジング61が第2開放部17を貫通し、起立部21が台座部11から左右一側方に離れて配置される。このように、起立部21は、ベース面14上に取り付けられる位置を変更可能とされており、ひいては台座部11との間の相対的な位置も変更可能とされている。ベース面14には、第1態様および第2態様の各々のコネクタ60,60Aに対応して起立部21が配置されるように、台座部11よりも後方および左右一側方に、位置決め部24が設けられている。本実施形態1の場合、位置決め部24は、複数の位置決め孔で構成され、起立部21の底面には、位置決め孔に位置決め状態に挿入される、図示しない複数の位置決めピンが設けられている。
【0038】
なお、以下の軸部22、止め部23および本体部12の構造説明について、前後方向および左右方向については、特に断りがない限り、第1態様のコネクタ60が保護治具10に組み付けられ、起立部21が台座部11から後方に離れて配置される状態を基準とする。また、上下方向は、特に断りがない限り、本体部12が支持部13に対して対向位置(
図4-
図7を参照)にある状態を基準とする。
【0039】
図1および
図2に示すように、軸部22は、円棒状をなし、起立部21から左右他側方(図示では右側方)に突出して設けられている。止め部23は、角棒状をなし、軸部22よりも上方に配置されている。止め部23は、起立部21に対して左右方向に移動可能に組み付けられている。
図5および
図7に示すように、止め部23は、対向位置で本体部12を係止する。
本体部12は、左右方向に一定の厚みで構成され、厚み方向に貫通する軸受部25を有している(
図7を参照)。本体部12は、軸受部25を貫通する軸部22に回転可能に支持される。本体部12は、軸部22を中心として、退避位置と対向位置との間を回転可能とされている。
【0040】
本体部12は、台座部11よりも上方で且つ後方に配置される。
図7に示すように、本体部12は、軸受部25から離れた位置に、止め部23の先端部が嵌合可能に挿入される止め受部26を有している。止め部23が止め受部26に挿入されることで、本体部12が対向位置に保持される。
【0041】
本体部12は、軸受部25から離れた位置で且つ止め受部26から軸受部25を中心として90度離れた位置に、覆い部27を有している。
図3および
図4に示すように、覆い部27は、下方に突出する爪状(板状)をなし、壁部75のシール面76と対向する対向面28を有している。対向面28は、シール面76との間に隙間を開けて対向する板面である。覆い部27は、下端部に、下方に曲面状(円弧状)に丸まったR部29を有している。R部29は、対向面28の下端と段差なく連なり、シール面76の角部77よりも下方に配置される。R部29は、挿入孔63に通された電線90A,90Bに接触可能とされている。
【0042】
覆い部27は、対向面28とは反対側の板面に、R部29から上方へ向けて次第に対向面28から離れるように直線状に傾斜した傾斜面31を有している。R部29は、傾斜面31の下端と段差なく連なり、挿入孔63に通された電線90A,90Bから退避しつつ電線90A,90Bに近接して配置される。覆い部27は、対向面28と傾斜面31との間に、上方に向けて次第に厚肉となるように形成されている。
【0043】
本体部12は、覆い部27の対向面28と壁部75のシール面76との間の隙間を維持できるように、ハウジング61に接触可能に配置される隙間維持部32,33を有している。本実施形態1の場合、隙間維持部は、第1被維持部73に接触可能に配置される第1隙間維持部32と、第2被維持部74に接触可能に配置される第2隙間維持部33と、を有している。
【0044】
図4に示すように、第2隙間維持部33は、対向面28よりも後方で対向面28と間隔を置いて対向して配置される。第2隙間維持部33は、対向位置で第2被維持部74に嵌まり込む。第2隙間維持部33が第2被維持部74に嵌まり込んだ状態で、第2隙間維持部33の後面と第2被維持部74の内壁後面との間に形成され得る隙間は、覆い部27の対向面28と壁部75のシール面76との間の隙間よりも小さい。
【0045】
図3に示すように、第1隙間維持部32は、本体部12の左右他側方に突出する突出部34(詳細は
図2を参照)と、突出部34から下方に延びる延出部35と、延出部35の後面に凹設された係合凹部36と、を有している。延出部35は、ハウジング61の左右方向の端部側面に対向して配置される。係合凹部36は、内壁下面に、前方へ向けて上方に傾斜する摺接面37を有している。係合凹部36は、退避位置から対向位置に変位する過程で、第1被維持部73を受け入れ、第1被維持部73の前面下端に摺接面37をスライドして接触させる。
【0046】
図5に示すように、本体部12は、突出部34の下面に、対向位置でハウジング61の後部上面に接触可能に対向する第1規制面38を有している。また、
図4に示すように、本体部12は、覆い部27よりも後方に、対向位置でハウジング61の後部上面に接触可能に対向する第2規制面39を有している。第1規制面38と第2規制面39の少なくとも一方が対向位置でハウジング61の後面に接触可能に対向することにより、ハウジング61が台座部11の凹部15から上方に抜け出るのが規制される。
【0047】
(作用)
図1に示すように、ハウジング61が保護治具10に組み付けられる前、本体部12は支持部13に対して退避位置に配置される。覆い部27は、退避位置において、台座部11の上方から退避し、支持部13の上端部に近接して配置される。
【0048】
続いて、ハウジング61が台座部11の凹部15に上方から挿入される。第1態様のコネクタ60の場合、
図2および
図8に示すように、ハウジング61が第1開放部16を貫通し、第1開口65が後方に開口し、第2開口66が上方に開口して配置される。第2態様のコネクタ60Aの場合、
図9に示すように、ハウジング61が第2開放部17を貫通し、第1開口65が左右一側方に開口し、第2開口66が上方に開口して配置される。
【0049】
続いて、モジュール62が第1開口65から挿入孔63に挿入され、モジュール62から延びる各電線90A,90Bがガイド面78に沿って挿入孔63に通される。その状態で、本体部12が軸部22を中心として対向位置に向けて回転させられる。
図3に示すように、覆い部27が対向位置に向けて変位する過程で、第1隙間維持部32が円弧の軌跡で変位し、係合凹部36の摺接面37にハウジング61の第1被維持部73が接触する。第1隙間維持部32がハウジング61と接触することで、覆い部27が壁部75のシール面76と接触することを回避できる。
図4に示すように、本体部12が対向位置に至ると、覆い部27は、角部77を含む壁部75のシール面76に隙間を空けて対向して配置される。対向位置では、第2隙間維持部33が第2被維持部74に嵌まり込み、第1隙間維持部32とともに、覆い部27の対向面28と壁部75のシール面76との間に隙間が形成される状態を維持する。
【0050】
図5に示すように、モジュール62が第2開口66から引き出されてハウジング61の上方に露出する引出位置にあるときに、挿入孔63に通された各電線90A,90Bが第1開口65から第2開口66に向けて配置される。
図6に示すように、モジュール62が引出位置で上方に引き上げられると、各電線90A,90Bは、覆い部27のR部29と接触し、R部29からモジュール62にかけて上方に向けて傾斜して配置される。各電線90A,90Bは、曲面状のR部29と接触し、角部77と接触することを回避できる。このため、電線90Aのシース94や電線90Bの絶縁樹脂91に傷がつくことを抑制できる。
【0051】
図7に示すように、モジュール62が引出位置で収容位置へ向けて姿勢変換させられると、各電線90A,90Bが上方に大きく曲がる。この間も、各電線90A,90Bは、覆い部27のR部29と接触する状態を維持する。また、各電線90A,90Bは、覆い部27の傾斜面31に近づく方向に傾斜する。覆い部27の傾斜面31が各電線90A,90Bが退避する方向に傾斜しているため、各電線90A,90Bはモジュール62に追従して円滑に曲がることができる。
【0052】
続いて、モジュール62は、先端部を下方に向けつつ収容空間64に押し込まれる。
図10に示すように、モジュール62が収容空間64に正規に収容される収容位置に至ると、各電線90A,90Bが覆い部27から下方に離れて配置される。その後、モジュール62を組み付けたハウジング61が台座部11から取り出される。第1凹部69にはゴム栓97が嵌め込まれ、カバー98がハウジング61に取り付けられる、第2凹部71にはシール部材96とともに蓋部材95が嵌め込まれる。壁部75のシール面76がシール部材96に密着することで、第2凹部71の内部の防水を図ることができる。シール面76は、モジュール62の組み付け過程で覆い部27と接触しない状態に維持されるため、シール機能を安定して発揮することができる。
【0053】
以上のとおり、本実施形態1によれば、例えば、ハウジング61の挿入孔63に電線90A,90Bを通す作業を行うときに、保護治具10の覆い部27が角部77と対向する位置に配置されることで、電線90A,90Bが角部77と接触することを回避できる。その結果、電線90A,90Bに傷がつくことを抑制できる。
また、覆い部27がハウジング61の壁面との間に隙間を開けて対向しているので、ハウジング61の壁面に傷がつくことを抑制できる。特に、隙間維持部32,33によって、ハウジング61の壁面に傷がつくことをより確実に抑制できる。本実施形態1の場合、ハウジング61の壁面が壁部75のシール面76であるため、覆い部27がシール面76に隙間を開けて対向し、シール面76による防水性を維持することができる。さらに、本実施形態1の場合、隙間維持部は、ハウジング61の端部に接触可能な第1隙間維持部32と、第1隙間維持部32よりも覆い部27に近い位置に配置された第2隙間維持部33と、を有している。第1隙間維持部32は、ハウジング61の壁面の形状に応じて形状が規定され得る覆い部27から離れた位置に配置される。よって、覆い部27によって第1隙間維持部32の形状の自由度が制限されることを防止でき、第1隙間維持部32の形状の自由度を高めることができる。これに対し、第2隙間維持部33が第1隙間維持部32に比べて覆い部27に近い位置に配置されているため、覆い部27とハウジング61の壁面との間に隙間が形成される状態をより確実に維持できる。
【0054】
本実施形態1の場合、モジュール62が第1開口65から第2開口66を経て収容空間64に収容され、モジュール62から延びる電線90A,90Bが挿入孔63に通される。そして、ハウジング61が挿入孔63において第1開口65と第2開口66との間に介在する壁部75を有し、壁部75が第2開口66に連なるシール面76の端縁に角部77を有し、保護治具10が角部77と対向して配置される覆い部27を備えている。このような構成であると、ハウジング61の成形時、角部77にエッジが残る可能性がある。よって、電線90A,90Bが角部77と接触することを回避できるように、覆い部27が角部77と対向する位置に配置される上記構成を採用する利益が大きい。
【0055】
また、本実施形態1の場合、モジュール62が第2開口66から上方に引き出される引出位置から収容空間64に収容される収容位置へと移動可能とされ、第2開口66を臨む面に、R部29から上方へ向けて次第に厚肉となるように傾斜した傾斜面31を有している。よって、モジュール62が引出位置にあるときに、電線90A,90Bがモジュール62に追従して傾斜面31に近づく方向に円滑に変位することができる。また、覆い部27が上方に向けて厚肉となるため、覆い部27の剛性を高めることができる。
【0056】
さらに、本実施形態1の場合、保護治具10は、第2開口66を上方に開口させた状態でハウジング61を固定する台座部11と、覆い部27を含む本体部12と、台座部11と本体部12との間に設けられ、覆い部27がハウジング61の上方に退避した退避位置から収容空間64で角部77と対向する対向位置へと変位するように、本体部12を支持する支持部13と、を備えている。これにより、本体部12が退避位置にあるときに、ハウジング61を台座部11に固定し、モジュール62を第1開口65から第2開口66に向けて挿入孔63に通すことができる。本体部12を対向位置に変位させた後、モジュール62を第2開口66から上方に引き上げることができる。本体部12が対向位置にあるときに、覆い部27が角部77と対向して配置されることで、モジュール62から延びる電線90A,90Bが角部77と接触することを回避できる。その後、モジュール62を下方に押し込んで収容空間64に収容させることができる。
【0057】
さらに、台座部11および支持部13は、ベース面14に設けられ、ベース面14の面方向に互いの相対的な位置を変更可能とされている。このため、台座部11からの電線90A,90Bの延び方向を異にする、複数種のコネクタ60、例えば、上記第1態様および第2態様のコネクタ60,60Aに対し、台座部11および支持部13の相対的な位置を変更することによって、各コネクタ60,60Aを保護治具10に個別に組み付け、覆い部27を角部77と対向する位置に至らすことができる。つまり、本実施形態1によれば、複数種のコネクタ60に対して共通(1つ)の保護治具10で対応することができる。
【0058】
[本開示の他の実施形態]
今回開示された上記実施形態1はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えるべきである。
上記実施形態1の場合、覆い部を含む本体部が退避位置から対向位置へと支持部に対して回転して変位する構成であった。これに対し、他の実施形態によれば、覆い部を含む本体部が退避位置から対向位置へと上下方向に沿って直線状に変位する構成であっても良い。
上記実施形態1の場合、モジュールが第1開口から挿入孔に挿入された後、本体部が対向位置に変位する構成であった。これに対し、他の実施形態によれば、ハウジングが台座部に固定された後、モジュールが第1開口から挿入孔に挿入される前に、本体部が対向位置に変位する構成であっても良い。
上記実施形態1の場合、モジュールから延びる電線は、高圧回路用のシールド電線と低圧回路用の一般電線とによって構成されていた。これに対し、他の実施形態によれば、モジュールから延びる電線は、高圧回路用のシールド電線と低圧回路用の一般電線のいずれか一方のみによって構成されても良い。
上記実施形態1の場合、ハウジングは、挿入孔の第1開口と第2開口との間に壁部を介在させ、角部は、壁部の壁面の端縁に形成されていた。これに対し、他の実施形態によれば、角部は、例えば、ハウジングの後面におけるキャビティの開口縁に形成されていても良い。
上記実施形態1の場合、角部は、壁部のシール面の端縁に形成されていた。これに対し、角部は、壁部におけるシール部材が接しない壁面に形成されていても良い。
【符号の説明】
【0059】
10…保護治具
11…台座部
12…本体部
13…支持部
14…ベース面
15…凹部
16…第1開放部
17…第2開放部
18…ロック構造受部
21…起立部
22…軸部
23…止め部
24…位置決め部
25…軸受部
26…止め受部
27…覆い部
28…対向面
29…R部
31…傾斜面
32…第1隙間維持部(隙間維持部)
33…第2隙間維持部(隙間維持部)
34…突出部
35…延出部
36…係合凹部
37…摺接面
38…第1規制面
39…第2規制面
60…第1態様のコネクタ(コネクタ)
60A…第2態様のコネクタ(コネクタ)
61…ハウジング
62…モジュール
63…挿入孔
64…収容空間
65…第1開口
66…第2開口
69…第1凹部
71…第2凹部
72…係止部
73…第1被維持部
74…第2被維持部
75…壁部
76…シール面
77…角部
78…ガイド面
81…ロックアーム
82…包囲壁
83…ロック構造部
84…端子
85…サブハウジング
90A…シールド電線(電線)
90B…一般電線(電線)
91…絶縁樹脂
93…被覆電線
94…シース
95…蓋部材
96…シール部材
97…ゴム栓
98…カバー
100…コネクタ付き保護治具