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特開2024-165737モールドコイルの製造方法及びモールドコイル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165737
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】モールドコイルの製造方法及びモールドコイル
(51)【国際特許分類】
   H01F 41/04 20060101AFI20241121BHJP
   H01F 41/12 20060101ALI20241121BHJP
   H01F 38/08 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H01F41/04 A
H01F41/12 C
H01F38/08 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082205
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩太郎
(72)【発明者】
【氏名】坂本 和樹
【テーマコード(参考)】
5E044
5E062
【Fターム(参考)】
5E044AA02
5E062EE02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コイルの変形を抑制しつつ、コイルの巻軸方向の長さを調整することができるモールドコイルの製造方法及びモールドコイルを提供する。
【解決手段】コイルをモールド成型するモールドコイルの製造方法であって、コイル2の巻軸方向の長さを所望の長さよりも長くなるように巻回する巻回工程と、コイル2を金型に収容する収容工程と、収容工程を経た後、コイル2を押圧部材9で巻軸方向に押し込む押圧工程と、押圧工程を経た後、樹脂を金型内に射出する射出工程と、を含む。コイル2は、巻軸と直交する一方端面である押圧面26を有する。押圧工程では、押圧部材9は押圧面26を押圧し、射出工程では、押圧面26に向かって樹脂が射出される。押圧面26は押圧部材9及び樹脂の射出圧で押圧されている。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルをモールド成型するモールドコイルの製造方法であって、
導電性部材を巻回することで前記コイルを作製する巻回工程と、
前記コイルを金型に収容する収容工程と、
前記収容工程を経た後、前記コイルを押圧部材で巻軸方向に押し込む押圧工程と、
前記押圧工程を経た後、樹脂を金型内に射出する射出工程と、
を含み、
前記コイルは、巻軸と直交する一方端面である押圧面を有し、
前記押圧工程では、前記押圧部材は前記押圧面を押圧し、
前記射出工程では、前記押圧面に向かって前記樹脂が射出され、前記押圧面は前記樹脂で押圧されていること、
を特徴とするモールドコイルの製造方法。
【請求項2】
前記押圧工程では、前記押圧部材は、前記押圧面の下側を押圧し、
前記射出工程では、前記樹脂は、前記押圧面の上側に向かって射出されていること、
を特徴とする請求項1に記載のモールドコイルの製造方法。
【請求項3】
コイルと、
前記コイルを被覆するモールド樹脂部と、
を備え、
前記コイルは、巻軸と直交する一方端面である押圧面を有し、
前記モールド樹脂部は、前記押圧面を被覆する押圧面被覆部を有し、
前記押圧面被覆部の上側に、モールド成型の際に前記モールド樹脂部を構成する樹脂が射出された痕である注入痕が形成され、
前記押圧面被覆部の下側に、凹み部が形成されていること、
を特徴とするモールドコイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モールドコイルの製造方法及びモールドコイルに関する。
【背景技術】
【0002】
OA機器、太陽光発電システム、自動車など様々な用途にコイル部品が用いられている。コイル部品としては、例えば、リアクトルが挙げられる。リアクトルは、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して蓄積及び放出する電磁気部品である。
【0003】
コイル部品は、主として、コア、コイル及び樹脂部材を備える。コアは、磁性材から成り、例えば、圧粉磁心等を挙げられる。コアの外周にコイルを巻回している。そして、コアとコイルの間には、コアとコイルを絶縁するため、樹脂部材が設けられている。
【0004】
近年、樹脂部材でモールド成型したモールドコイルが各所において使用されている。モールドコイルは、コイルを金型の所定の位置に配置し、樹脂を金型内に注入し、固化させる。このようにして、コイルの内周面及び外周面を樹脂部材で被覆させたモールドコイルが作製される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平08-321424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コイルを成型する際、巻回ばらつきが生じる。そのため、コイルの巻軸方向の長さは、所望の長さよりも若干長く作製し、モールド成型の際にコイルを巻軸方向に押圧することにより所望の長さに調整する。
【0007】
コイルの長さの調整する手法は、モールド成型の際の樹脂の射出圧でコイルを押圧することが知られている。図16に示すように、樹脂を射出するゲートGを巻軸と直交するコイル200の端面に1箇所設け、当該端面に向けて樹脂を射出する手法である。コイル200は、樹脂の射出圧で巻軸方向に押圧される。しかし、ゲートGの位置が1箇所であると、コイル200を均一に押圧できない。また、射出圧は高圧なので、ゲートG位置付近のコイル200の端面が押しつぶされてしまう。そのため、コイル200が変形し、所望の形状に成型できない虞がある。
【0008】
そこで、ゲートGの数を増やし、均一に押圧する手法がある。例えば、図17に示すように、ゲートGの数をコイル200の上下に2つ設ける。この場合、ゲートGが1つに場合に比べると、均一に押圧することができる。しかし、ゲートGの数を増やすと、樹脂の合流地点となるウェルド部の数が増える。ウェルド部の強度は低いため、モールドコイルの耐久性に影響を与える。
【0009】
これらの問題を解決するため、射出圧ではなく、押圧部材でコイルの端面を押圧する手法がある。例えば、図18に示すように、巻軸と直交するコイル200の端面の四隅を押圧部材90で押圧する。この場合、コイル200の端面を均一に押圧することができる。しかし、押圧部材90でコイル200の端面を押圧する場合、ゲートGの位置は、コイルの上面になる。例えば、図18に示すように、押圧部材90で押圧する端面とは反対の端面側上面にゲートGが設けられる。この場合、ゲートGから射出された樹脂は、押圧部材90によって押圧されている端面に向かって流動する(図18の黒塗り矢印方向)。即ち、樹脂は、押圧部材90の押圧方向とは反対に流動する。そのため、押圧部材90による押圧を妨げ、コイル200を所望の長さに調整することが困難になる場合がある。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、コイルの変形を抑制しつつ、コイルの巻軸方向の長さを調整することができるモールドコイルの製造方法及びモールドコイルを提供することになる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のモールドコイルの製造方法は、コイルをモールド成型するモールドコイルの製造方法であって、導電性部材を巻回することで前記コイルを作製する巻回工程と、前記コイルを金型に収容する収容工程と、前記収容工程を経た後、前記コイルを押圧部材で巻軸方向に押し込む押圧工程と、前記押圧工程を経た後、樹脂を金型内に射出する射出工程と、を含み、前記コイルは、巻軸と直交する一方端面である押圧面を有し、前記押圧工程では、前記押圧部材は前記押圧面を押圧し、前記射出工程では、前記押圧面に向かって前記樹脂が射出され、前記押圧面は前記樹脂で押圧されていること、を特徴とする。
【0012】
また、本発明のモールドコイルは、コイルと、前記コイルを被覆するモールド樹脂部と、を備え、前記コイルは、巻軸と直交する一方端面である押圧面を有し、前記モールド樹脂部は、前記押圧面を被覆する押圧面被覆部を有し、前記押圧面被覆部の上側に、モールド成型の際に前記モールド樹脂部を構成する樹脂が射出された痕である注入痕が形成され、前記押圧面被覆部の下側に、凹み部が形成されていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コイルの変形を抑制しつつ、コイルの巻軸方向の長さを調整することができるモールドコイルの製造方法及びモールドコイルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】モールドコイルの全体構成を示す斜視図である。
図2】コイルにカバーを装着した状態を示す斜視図である。
図3】コイルの斜視図である。
図4】下カバーを上面から見た斜視図である。
図5】下カバーをコイルに装着した状態を示す斜視図である。
図6】下カバーを押圧面保護部方向からみた図である。
図7】上カバーを上面から見た斜視図である。
図8】上カバーを下面から見た斜視図である。
図9】固定面延出部の拡大図である。
図10】上カバーの側面図である。
図11】モールドコイルを底面から見た斜視図である。
図12】モールドコイルの斜視図である。
図13】モールドコイルにコアを装着した状態を示す斜視図である。
図14】リアクトルの全体構成を示す斜視図である。
図15】コイルのモールド成型の際の状態を示す模式図である。
図16】従来技術におけるコイルのモールド成型の際の状態を示す模式図である。
図17】従来技術におけるコイルのモールド成型の際の状態を示す模式図である。
図18】従来技術におけるコイルのモールド成型の際の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態)
実施形態に係るモールドコイルについて図面を参照しつつ説明する。図1は、モールドコイルの全体構成を示す斜視図である。図2は、コイルにカバーを装着した状態を示す斜視図である。各図面においては、理解容易のため、厚み、寸法、位置関係、比率又は形状等を強調して示している場合があり、本発明は、それら強調に限定されるものではない。
【0016】
モールドコイル1は、リアクトルといったコイル部品の主要な構成部材である。モールドコイル1は、図1及び図2に示すように、コイル2、下カバー3、上カバー4及び一次モールド樹脂部5を備える。コイル2、下カバー3及び上カバー4を一次モールド樹脂部を構成する樹脂でモールド成型することで、モールドコイル1は作製される。図3は、コイルの斜視図である。
【0017】
コイル2は、エナメルなどで絶縁被覆した1本の導電性部材により構成される。コイル2は、巻き位置を巻軸方向にずらしながら導電性部材を筒状に巻回して成る。導線性部材は、例えば、平角線であり、コイル2は、導電性部材の幅広面がコイル2の巻軸との直交する方向に拡がるエッジワイズコイルである。なお、コイル2はフラットワイズコイルであってもよい。また、導電性部材としては、丸線を用いてもよい。
【0018】
コイル2は、2つ設けられている。2つのコイル2は、巻軸が平行になるように横並びに配置されている。本実施形態では、2つのコイル2が連結線21によって繋がって形成された連結コイルである。
【0019】
コイル2は、上面平坦部22、2つの側面平坦部23及び下面平坦部24の4つの平坦部と、4つの湾曲部25を有する。湾曲部25が4つの各平坦部22、23、24の間にそれぞれ配置され、コイル2は角筒形状に形成されている。
【0020】
なお、上下方向とは、巻軸と直交し、かつ、コイル2の横並び方向と直交する方向を指す。そして、上面平坦部22は、金型の上型と対向するコイル2の平坦面であり、下面平坦部24は、金型の下型と対向するコイル2の平坦面である。側面平坦部23は、コイル2の横並び方向と直交するコイル2の平坦面である。なお、側面平坦部23のうち、コイル2の内側、つまり、コイル2が対向する側の側面を側面平坦部23aと称し、側面平坦部23aの反対側であり、コイル2の外側に位置する側面を側面平坦部23bと称する場合がある。
【0021】
コイル2は、巻軸と直交する端面である押圧面26及び固定面27を有する。押圧面26及び固定面27は、環形状となっている。押圧面26は、後述するように、モールド成型の際に押圧部材や樹脂の射出圧で押圧されるコイル2の端面である。固定面27は、押圧面26の反対側のコイル2の端面である。固定面27は、モールド成型の際において、移動しないように金型や治具等によって固定される。
【0022】
コイル2は、外部機器と電気的に接続する引出線28、29を有する。引出線28は、固定面27から巻軸に沿って引き出されている。引出線29は、固定面27からコイル2の側面平坦部23に直交する方向に沿って引き出されている。引出線28、29の先端部は、バスバー(不図示)と溶接等によって接続している。バスバーは外部機器の端子とも接続しており、コイル2には、バスバーを介して外部機器から電力が供給される。
【0023】
下カバー3及び上カバー4は、コイル2を被覆する。コイル2は巻回ばらつきがあるため、モールド成型時に金型でコイル2を押し付けてコイル2の上面平坦部22及び下面平坦部24を平坦にする。その際において、下カバー3及び上カバー4は、コイル2の上面平坦部22や下面平坦部24が金型と直接当接することを防止するための緩衝部材となる。
【0024】
下カバー3及び上カバー4は、樹脂から成る。樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、BMC(Bulk Molding Compound)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)、又はこれらの複合等を上げることができる。
【0025】
図4は、下カバー3の斜視図である。図5は、下カバー3をコイル2に装着した状態を下面から見た斜視図である。下カバー3は、図4及び5に示すように、押圧面保護部31、連結部32、湾曲面保護部33、側面保護部34及び板状部35を有する。
【0026】
押圧面保護部31は、コイル2の押圧面26を被覆する。即ち、押圧面保護部31は、薄板状の環形状となっており、コイル2の内径と略同一の開口311を有する。押圧面保護部31のコイル2と対向する反対側の面(後述する押圧部材で押圧される面)は平坦である。押圧面保護部31は、2つ設けられており、各押圧面保護部31は、各コイル2の押圧面26を被覆している。
【0027】
2つの押圧面保護部31のうち、一方はコイル2の連結線21と対向する。連結線21と対向する押圧面保護部31を押圧面保護部31aと称し、他方の押圧面保護部31を押圧面保護部31bと称する。押圧面保護部31aの巻軸方向の厚さは、押圧面保護部31bの厚みより薄い。換言すれば、押圧面保護部31bは、肉盛り部312を有し、肉盛り部312の分だけ、押圧面保護部31aよりも厚みがある。
【0028】
図6は、上カバー3を押圧面保護部31方向から見た図である。図6に示すように、押圧面保護部31aは、押圧面保護部31bよりも外側に拡がっている。即ち、押圧面保護部31aは、幅広面313を有する。幅広面313は、開口311の縁からモールドコイル1の外側に向かって拡がる。つまり、幅広面313は、コイル2の横並び方向に拡がっている。幅広面313は、コイル2の連結線21を覆う程度に拡がっていればよい。
【0029】
押圧面保護部31は、後述する湾曲面保護部33と連接する連接領域314を有する。連接領域314は、モールドコイル1の外側に拡がっている。押圧面保護部31aにおいて、連接領域314は、幅広面313よりも外側に拡がっている。
【0030】
連結部32は、押圧面保護部31の間に設けられ、2つの押圧面保護部31を繋いでいる。即ち、連結部32は、各押圧面保護部31と連接している。連結部32の中央部分には、開口321が設けられている。
【0031】
開口321の上下方向の長さは、開口311よりも短い。開口321の上側基端は、開口311の上側基端よりも低い位置にある。開口312の下側基端は、開口311の下側基端よりも高い位置にある。そのため、開口321の上側基端の上方及び下側基端の下方には平坦面322が拡がっている。平坦面322は、段差のない平坦な面となっている。
【0032】
湾曲面保護部33は、押圧面保護部31のコイル2の押圧面26と対向する面から巻軸に沿って延出している。湾曲面保護部33の巻軸方向の長さは、コイル2の巻軸方向の長さと略同一である。湾曲面保護部33は、下面平坦部24と側面平坦部23bを繋ぐ湾曲部25を被覆する。即ち、湾曲面保護部33の内周面は、湾曲面25に倣った形状になっている。湾曲面保護部33の下面331は、モールド成型の際に下型と接触する。湾曲面保護部33の下面331には、複数の切欠き332が形成されている。
【0033】
側面保護部34は、湾曲面保護部33の上方に配置される。側面保護部34は、湾曲面保護部33と連接している。側面保護部34の巻軸方向の長さは、コイル2の巻軸方向の長さと略同一である。側面保護部34は、コイル2の側面平坦部23bの少なくとも一部を被覆する。
【0034】
板状部35は、コイル2間の隙間に設けられている。板状部35は、コイル2と対向する連結部32の端面から巻軸に沿って延出している。板状部35の巻軸方向の長さは、コイル2の巻軸方向の長さと略同一である。板状部35は、下面平坦部24と側面平坦部23aを繋ぐ湾曲部25を被覆する。即ち、板状部35の内周面は、湾曲面25に倣った形状となっている。板状部35の下面351は、モールド成型の際に下型と接触する。板状部35の下面351には、複数の切欠き352が形成されている。
【0035】
なお、図5に示すように、コイル2に下カバー3を装着しても、コイル2の下面、即ち、下面平坦部24及び下面平坦部24と連接する両湾曲部25の少なくとも一部は下カバー3に被覆されず、露出している。また、下カバー3は、コイル2の固定面27を被覆していない。もっとも、コイル2の固定面27は、下カバー3及び上カバー4とは別体である樹脂カバー10(図1、11参照)によって被覆されている。
【0036】
図7は、上カバー4を上面から見た斜視図である。図8は、上カバー4を下面から見た斜視図である。上カバー4は、上面保護部41、湾曲面保護部42、連結部43、固定面延出部44及び押圧面延出部45を有する。
【0037】
上面保護部41は、コイル2の上面平坦部22を被覆する。上面保護部41は、板状の部材である。上面保護部41は、上面平坦部22と略同一の大きさである。上面保護部41は2つ設けられており、各コイル2の上面平坦部22を被覆している。上面保護部41は、モールド成型の際、上型と当接する。
【0038】
湾曲面保護部42は、上面平坦部22と側面平坦部23aを繋ぐ湾曲部25を被覆する。湾曲面保護部42は、湾曲部25の湾曲形状に倣った形状となっている。湾曲面保護部42は、上面保護部41と連接している。湾曲面保護部42の巻軸方向の長さは、上面保護部41の巻軸方向の長さよりも短い。湾曲面保護部42は、固定面延出部44側に寄って配置される。即ち、湾曲面保護部42の巻軸方向の一方端部421から固定面延出部44までの距離は、湾曲面保護部42の巻軸方向の他方端部422から押圧面延出部45までの距離よりも短い。湾曲面保護部42は、2つ設けられている。各湾曲面保護部42は、上面平坦部22と連接し、対向する各湾曲部25をそれぞれ被覆している。
【0039】
連結部43は、コイル2間に配置している。連結部43は、平板状の部材である。連結部43は、2つ設けられた湾曲面保護部42を繋いでいる。即ち、連結部33は、湾曲面保護部42それぞれと連接している。連結部43には、複数の孔431が設けられている。本実施形態では、4つの孔431が設けられている。
【0040】
固定面延出部44は、上面保護部41の巻軸方向の固定面27側端部と連接している。固定面延出部44は、コイル2の下面に向かって延出している。固定面延出部44の延出長さは、コイル2を構成する導電性部材を被覆する程度の長さである。固定面延出部44は、コイル2の固定面27の上側中央部分に配置される。固定面延出部44は、上カバー4をコイル2に装着した段階で固定面27と当接していてもよいが、装着した段階では隙間があり、モールド成型の際に当接していれば足りる。図9は、固定面延出部44の拡大図である。図9に示すように、コイル2の横並び方向の固定面延出部44の長さは、上面保護部44よりも短い。
【0041】
押圧面延出部45は、上面保護部41の巻軸方向の押圧面26側端部と連接している。押圧面延出部45は、コイル2の下面に向かって延出している。押圧面延出部45の延出長さは、コイル2を構成する導電性部材の長さと略同一又はコイル2を構成する導電性部材の長さよりも短い。押圧面延出部45は、コイル2の押圧面26の上側中央部分に配置される。押圧面延出部45は、下カバー3の押圧面保護部31の上から押圧面26を被覆している。本実施形態では、押圧面延出部45の延出長さは、下カバー3の押圧面保護部31よりも短く、押圧面延出部45が押圧面26を被覆した際、押圧面保護部31の一部(押圧面26の上側を被覆している押圧面保護部31の下端部分)が露出している。
【0042】
図10は、上カバー4の側面図である。図10に示すように、押圧面延出部45の巻軸方向の長さd1は、固定面延出部44の巻軸方向の長さd2より短い。コイル2の横並び方向の押圧面延出部45の長さは、上面保護部44のコイル2の横並び方向の長さと略同一である。
【0043】
一次モールド樹脂部5は、図1に示すように、コイル2、下カバー3及び上カバー4の周囲を被覆する。一次モールド樹脂部5は、コイル2、下カバー3及び上カバー4を一体化している。図11は、モールドコイル1を下面から見た斜視図である。図11に示すように、一次モールド樹脂部5は、コイル2の下面、即ち、下面平坦部24及び下面平坦部24と連接する湾曲部25の一部を被覆せず、露出している。コイル2の底面を露出させることで、コイル2の熱が籠らず、外部に放出できる。
【0044】
一次モールド樹脂部5は、樹脂から成る。一次モールド樹脂部5を構成する樹脂の種類としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、BMC(Bulk Molding Compound)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)等が挙げられる。特に、熱伝導性の高い樹脂を用いることが望ましい。熱伝導性の高い樹脂を用いることで、コイル2の熱を外部に伝達することができる。
【0045】
図12は、モールドコイル1の斜視図である。図12に示すように、一次モールド樹脂部5は、押圧面被覆部51を有する。押圧面被覆部51は、押圧面保護部31を介してコイル2の押圧面26を被覆している。押圧面被覆部51は、コイル2の内径の大きさの開口を有する環形状である。押圧面被覆部51は、注入痕M1及び凹み部511を有する。
【0046】
注入痕M1は、一次モールド樹脂部5によってコイル2をモールド成型するとき、樹脂が注入される位置を示すゲート痕である。注入痕M1は、押圧面延出部45の下方中央部であり、押圧面保護部31上に設けられる。つまり、注入痕M1は、押圧面延出部45が押圧面26を被覆した際、押圧面26の上側を被覆している押圧面保護部31の下端部分(押圧面保護部31の押圧面延出部45から露出している部分)に設けられている。換言すれば、注入痕M1は、押圧面延出部45の巻軸方向の投影領域外に設けられている。注入痕M1は、2つ設けられている。
【0047】
なお、本実施形態では、注入痕M1は円形なっているが、注入痕M1の形状はこれに限定されない。また、注入痕M1は、押圧面延出部45の周辺(図12の斜線で示す領域であるゲートGの範囲)に設けてもよい。即ち、注入痕M1は、押圧面延出部45の下方中央部ではなく、下方角部に設けてもよいし、押圧面延出部45のコイル2の横並び方向の端部に近接した位置に設けてもよい。
【0048】
凹み部511は、押圧面被覆部51が押圧面保護部31に向かって窪んだ凹みである。凹み部511は、押圧面被覆部51の表面から押圧面保護部31まで達している。即ち、凹み部511からは押圧面保護部31又は連結部32が露出している。凹み部511は、後述のように、コイル2を押圧部材9(図15参照)によって押し込むことにより形成される。
【0049】
凹み部511は、5つ設けられている。凹み部511は、コイル2の押圧面26下側に3箇所、コイル2の押圧面26中央部に2カ所設けられている。具体的には、凹み部511a、511bは、各コイル2の押圧面26下側の外側角部にそれぞれ設けられている。凹み部511cは、コイル2の間の下側、即ち、連結部32の下側に設けられている。凹み部511dは、凹み部511aの上方であり、コイル2の上下方向の中央部分に設けられている。凹み部511eは、凹み部511bの上方であり、コイル2の上下方向の中央部分に設けられている。
【0050】
凹み部511の形状は、押圧部材9の形状に倣ったものとなる。もっとも、凹み部511は、図12に示すように、円形であることが好ましい。凹み部511が円形である方が、モールド成型の際の樹脂の流動性が悪化することを抑制できる。
【0051】
凹み部511の外径は、コイル2を構成する導電性部材の線幅の半分以上の大きさであり、かつ線幅より小さい方が好ましい。凹み部511の外径は大き過ぎると、押圧部材9と金型の隙間が小さくなり樹脂が流動しにくい。一方、凹み部511の外径が小さ過ぎると、圧力が上がり、押圧面保護部31やコイル2の押圧面26が変形する虞がある。
【0052】
本実施形態のモールドコイル1は、リアクトル8の主要構成部材となる。図13は、モールドコイル1にコア6を装着した状態を示す斜視図である。図14は、リアクトル8の全体構成を示す斜視図である。リアクトル8は、モールドコイル1にコア6を装着して、二次モールド樹脂部7によってモールド成型することで作製される。
【0053】
コア6は、磁性体を含む。コア6は、圧粉磁心、フェライトコア、積層鋼板、又はメタルコンポジットコア等を用いることができる。メタルコンポジットコアとは、磁性粉末と樹脂とが混練され、樹脂が硬化されて成る磁性体である。
【0054】
コア6は、一対の脚部と、一対の脚部を連結するヨーク部とを有するU字型コア部材から成る。U字型コア部材は2つ設けられ、互いの脚部を接合することで、コア6は、環形状となる。なお、互いの脚部の間にスペーサを挿入してもよい。スペーサは、非磁性体、セラミック、非金属、樹脂、炭素繊維、若しくはこれら2種以上の合成材又はギャップ紙を用いることができる。このように、スペーサを介することで、所定幅の磁気的なギャップを与え、リアクトル8のインダクタンス低下を防止する。また、スペーサを用いず、エアギャップを設けてもよい。
【0055】
二次モールド樹脂部7は、モールドコイル1及びコア6の周囲を被覆する。二次モールド樹脂部7は、モールドコイル1とコア6を一体化する。二次モールド樹脂部7は、モールド成型によって形成される。
【0056】
二次モールド樹脂部7は、樹脂から成る。二次モールド樹脂部7の樹脂としては、一次モールド樹脂部5と同一種類のものを挙げることができる。二次モールド樹脂部7は、押圧面被覆部51を被覆している。即ち、押圧面被覆部51に形成された凹み部511内に二次モールド樹脂部7は入り込んでいる。なお、二次モールド樹脂部7には、ヨーク部の上面に注入痕M2が形成されている。この注入痕M2は、二次モールド樹脂部を形成するモールド成型の際の樹脂の注入位置を示すゲート痕である。
【0057】
(製造方法)
次に、本実施形態のモールドコイル1の製造方法について図面を参照しつつ説明する。図15は、コイル2のモールド成型の際の状態を示す模式図である。なお、図15では、樹脂カバー10は図示していない。本実施形態のモールドコイル1の製造方法は、コイル巻回工程、カバー装着工程、金型収容工程、押圧部材挿入工程及び射出工程を含む。
【0058】
コイル巻回工程は、導電性部材を巻回してコイルを作製する工程である。コイル巻回工程では、巻き位置を巻軸方向にずらしながら導電性部材を筒状に巻回していく。コイル巻回工程によって作製されたコイル2は、巻軸方向の長さが所望の長さよりも若干長く構成される。所望の長さよりも若干長く構成するとは、意図的に長くしている場合、意図せず巻回ばらつきによって結果的に長くなっている場合を含む。
【0059】
カバー装着工程は、コイル2に下カバー3及び上カバー4を装着する工程である。まず、下カバー3をコイル2に装着する。下カバー3をコイル2に装着することで、押圧面保護部31は押圧面26を被覆する。その後、上カバー4をコイル2に装着する。押圧面延出部45は、押圧面保護部31の上から押圧面26を被覆する。
【0060】
カバー装着工程を経た後、金型収容工程に移行する。金型収容工程は、下カバー3及び上カバー4を装着したコイル2を金型に収容する工程である。金型は上型と下型の2分割に分割されている。下カバー3及び上カバー4を装着したコイル2を下型に載置し、その後、上型で押し込むようにして上型と下型を嵌合させる。このとき、上カバー4が上型と当接し、下カバー3が下型と当接する。もっとも、下カバー3の湾曲面保護部33、側面保護部34及び板状部35の延出先端面は金型に当接していない。即ち、下カバー3は金型内で固定面27側に移動可能に収容されている。また、コイル2の固定面27は、樹脂カバー10を介して上型、下型、又は治具と当接し、固定面27の位置が移動しないように収容されている。
【0061】
カバー装着工程を経た後、押圧部材挿入工程に移行する。押圧部材挿入工程は、図15に示すように、金型内に押圧部材9を挿入する工程である。押圧部材9は5つあり、凹み部511が形成される位置に挿入される。金型内に挿入された押圧部材9は、押圧面保護部31に当接するまで挿入される。押圧部材9は、押圧面保護部31を介してコイル2の押圧面26を固定面27側に向けて押圧する。押圧面保護部31は、コイル2の押圧面26を保護する役割を担う。なお、押圧部材挿入工程では、押圧部材9を挿入するだけで、押圧部材9による押圧は、射出工程における樹脂が射出されると同時又は直後から行ってもよい。
【0062】
押圧部材挿入工程を経た後、射出工程に移行する。射出工程は、金型内に一次モールド樹脂部5を形成する樹脂を注入する工程である。樹脂が注入されるゲートGは、押圧面延出部45の周辺領域に設けられる。本実施形態では、押圧面延出部45の下方中央部(注入痕M1が形成される位置)である。また、ゲートGは、押圧面保護部31の巻軸方向の投影領域上に設けられている。樹脂は、巻軸方向に沿って射出される。即ち、樹脂は、押圧面保護部31に向かって射出される。
【0063】
コイル2の押圧面26の上側は、押圧面保護部31を介して樹脂の射出圧によって押圧される。押圧面26の中央及び下側は、押圧面保護部31を介して押圧部材9によって押圧される。コイル2の固定面27は、樹脂カバー10を介して金型や治具等によって固定されているので、樹脂の射出圧や押圧部材の押圧によって、固定面27側に圧縮される。一方、押圧面保護部31の湾曲面保護部33、側面保護部34及び板状部35の延出先端面は、金型等と当接していないので、コイル2の圧縮と連動して固定面27側に移動する。
【0064】
このようにして、この射出圧及び押圧部材9によってコイル2の巻軸の長さは所望の長さまで押圧される。この状態で一次モールド樹脂部5が硬化し、コイル2は所望の長さで固定される。射出工程を経ること、モールドコイル1は作製される。
【0065】
(作用効果)
以上のとおり、本実施形態のモールドコイル1の製造方法は、コイル2の巻軸方向の長さを所望の長さよりも長くなるように巻回する巻回工程と、コイル2を金型に収容する収容工程と、収容工程を経た後、コイル2を押圧部材9で巻軸方向に押し込む押圧工程と、押圧工程を経た後、樹脂を金型内に射出する射出工程と、を含む。コイル2は、巻軸と直交する一方端面である押圧面26を有する。押圧工程では、押圧部材9で押圧面26を押圧し、射出工程では、押圧面26に向かって樹脂が射出されている。
【0066】
このように、押圧面26は樹脂と押圧部材9で押圧されている。これにより、コイルの変形を抑制しつつ、コイルの巻軸方向の長さを調整することができる。即ち、押圧部材9と樹脂の射出圧によって、コイル2は巻軸方向に押圧され、所望の長さとなる。
【0067】
また、樹脂による射出圧は、押圧部材9による押圧力よりも強い。そのため、図16に示すように、押圧部材を用いずにコイル200を押圧すると、コイル200は変形してしまう。しかし、本実施形態のように、樹脂による射出圧だけでなく押圧部材9によってもコイル2の押圧面26を押圧することで、押圧部材9が射出圧によるコイル2の変形を抑制する。そのため、射出圧のみでコイル200を押圧する場合に比べて、コイル2の変形が抑制される。
【0068】
引出線28、29は、コイル2の固定面27側から引き出されている。そして、モールド成型の際に注入される樹脂は、押圧面26側から射出される。これにより、樹脂の射出圧によって引出線28、29の位置がずれることを抑制できる。そのため、バスバーと溶接等により接続する引出線28、29の位置を精度良く成型でき、溶接等の作業を容易に行うことができる。
【0069】
コイル2の横並び方向の固定面延出部44の長さは、上面保護部44よりも短く、コイル2の横並び方向の押圧面延出部45の長さは、上面保護部44のコイル2の横並び方向の長さと略同一である。また、押圧面延出部45の巻軸方向の長さd1は、固定面延出部44の巻軸方向の長さd2より短い。このように、押圧面延出部45と固定面延出部44の形状が異なるため、上カバー4をコイル2の装着する際、押圧面延出部45を固定面27に、固定面延出部44を押圧面26に装着することを防止できる。
【0070】
特に、本実施形態では、上カバー4は、固定面延出部44から湾曲面保護部42の一方端部421までの距離が、押圧面延出部45から湾曲面保護部42の他方端部422までの距離よりも短くなっている。そして、押圧面保護部31が樹脂の射出圧及び押圧部材9によって押圧された際、固定面27側に移動する。仮に、上カバー4をコイル2に対して反対に装着する、つまり、コイル2の固定面27を押圧面延出部45で被覆し、押圧面26を固定面延出部44で被覆すると、下カバー3の押圧面保護部31が湾曲面保護部42の一方端部421に近接した位置に配置される。そのため、モールド成型の際に下カバー3の押圧面保護部31は少しの移動で湾曲面保護部42の一方端部421に接触してしまい、コイル2の圧縮を阻害し、コイル2を所望の長さに調整できない虞がある。
【0071】
しかし、本実施形態では、上カバー4を反対に装着することを防止できる。そのため、下カバー3の押圧面保護部31は、固定面27側により長い距離移動することができる。換言すれば、下カバー3の押圧面保護部31は、湾曲面保護部42の他方端部422に接触することを防止できる。よって、樹脂の射出圧及び押圧部材9によって、コイル2を所望の長さに調整できる。
【0072】
(他の実施形態)
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0073】
上記実施形態では、凹み部511は、押圧面26の上下方向の中央部及び下側も設けられていたが、これに限定されない。例えば、押圧面26の中央部の凹み部511d、511eは、設けず、凹み部511a、511b、511cのみであってもよい。
【0074】
また、押圧面26の下側に設ける凹み部511の数は、3つである必要はない。例えば、凹み部511は、2つであってもよい。凹み部511が2つ場合、例えば、注入痕M1の反対側の下側(図12の凹み部511aと凹み部511bの間、凹み部511bと凹み部511cの間)にそれぞれ設けてもよい。
【0075】
さらに、凹み部511を押圧面26の上側に設けてもよい。例えば、押圧面26の上面に形成される凹み部511を2つ設ける。2つの凹み部は、押圧面26の上面角部(図12に示す凹み部511d、511eの上方であり、注入痕M1の並び方向と交差する位置)にそれぞれ設けてもよい。この場合、樹脂の射出位置により近いところを押圧部材9によって押圧することになるので、射出圧によるコイル2の変形をより抑制できる。
【符号の説明】
【0076】
1 モールドコイル
2 コイル
21 連結線
22 上面平坦部
23、23a、23b 側面平坦部
24 下面平坦部
25 湾曲部
26 押圧面
27 固定面
28 引出線
29 引出線
3 下カバー
31、31a、31b 押圧面保護部
311 開口
312 肉盛り部
32 連結部
321 開口
33 湾曲部保護部
331 下面
332 切欠き
34 側面保護部
35 板状部
351 下面
352 切欠き
4 上カバー
41 上面保護部
42 湾曲面保護部
421 一方端部
422 他方端部
43 連結部
431 孔
44 固定面延出部
45 押圧面延出部
5 一次モールド樹脂部
51 押圧面被覆部
511、511a、511b、511c、511d、511e 凹み部
6 コア
7 二次モールド樹脂部
8 リアクトル
9 押圧部材
10 樹脂カバー
200 コイル
90 押圧部材
M1 注入痕
M2 注入痕
G ゲート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18