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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165739
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】ドア注意喚起装置及びドア装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/28 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
E06B7/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082211
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】重村 正和
(72)【発明者】
【氏名】林 雄介
(72)【発明者】
【氏名】和田 徹彦
(72)【発明者】
【氏名】長峰 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒平
(72)【発明者】
【氏名】野末 嵩博
(72)【発明者】
【氏名】井部 弘美
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 弘幸
(57)【要約】
【課題】 ドアの一方側の人がドアを開放する可能性があることを、ドアの他方側にいる人に報せる。
【解決手段】 ドア注意喚起装置であって、ドア20の開放側と反開放側のうち、少なくとも一方の側の人を感知する感知部と、前記感知部による感知に応じて他方の側に報知部による報知をする注意喚起ユニットとを備え、前記注意喚起ユニットは、ドアノブの周囲の少なくとも一部を囲むようにして前記他方の側のドア面に装着可能である。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの開放側と反開放側のうち、少なくとも一方の側の人を感知する感知部と、前記感知部による感知に応じて他方の側に報知部による報知をする注意喚起ユニットとを備え、
前記注意喚起ユニットは、ドアノブの周囲の少なくとも一部を囲むようにして前記他方の側のドア面に装着可能であることを特徴とするドア注意喚起装置。
【請求項2】
前記注意喚起ユニットを第一の注意喚起ユニットとし、
前記一方の側でドア面に装着可能な第二の注意喚起ユニットを備え、
前記第一の注意喚起ユニットには、前記他方の側の人を感知する第一感知部と、前記報知部である第一報知部とが設けられ、
前記第二の注意喚起ユニットには、前記感知部である第二感知部と、前記一方の側に報知をする第二報知部とが設けられていることを特徴とする請求項1記載のドア注意喚起装置。
【請求項3】
前記第一感知部と前記第二感知部の両方の感知がある場合に、前記第一報知部及び/又は前記第二報知部が報知をするようにしたことを特徴とする請求項2記載のドア注意喚起装置。
【請求項4】
前記第一感知部は、前記第二感知部よりも検知距離が長い非接触式感知式センサであることを特徴とする請求項2記載のドア注意喚起装置。
【請求項5】
前記第一の注意喚起ユニットと第二の注意喚起ユニットが、前記ドアの戸先面をドア厚方向へ跨る連結部により連結されるようにしたことを特徴とする請求項2記載のドア注意喚起装置。
【請求項6】
前記報知が、音声の発信であることを特徴とする請求項1記載のドア注意喚起装置。
【請求項7】
前記注意喚起ユニットは、中空箱状の本体ケース内に、前記報知としての音声を発する発声部を有するとともに、本体ケースの外壁面に貫通状のサウンドホールを有することを特徴とする請求項6記載のドア注意喚起装置。
【請求項8】
前記報知が、振動の発信であることを特徴とする請求項1記載のドア注意喚起装置。
【請求項9】
前記報知が、光の発信であることを特徴とする請求項1記載のドア注意喚起装置。
【請求項10】
前記注意喚起ユニットが、ドアノブを囲む内側面から前記報知としての光を発するようにしたことを特徴とする請求項9記載のドア注意喚起装置。
【請求項11】
前記注意喚起ユニットを、ドア面に対し着脱可能にする着脱手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のドア注意喚起装置。
【請求項12】
前記着脱手段が、前記注意喚起ユニットに設けられたマグネットであることを特徴とする請求項11記載のドア注意喚起装置。
【請求項13】
ドア面に装着可能な台座を備え、
前記台座には、磁性材料からなる被吸着面が設けられていることを特徴とする請求項12記載のドア注意喚起装置。
【請求項14】
前記台座が、ドア面に設けられるサムターンと、ドア面との間に挟まれるようにしたことを特徴とする請求項13記載のドア注意喚起装置。
【請求項15】
前記注意喚起ユニットは、ドアノブ及び施錠操作部を囲むようにしてドア面に装着可能であることを特徴とする請求項1記載のドア注意喚起装置。
【請求項16】
前記注意喚起ユニットは、回転操作されるドアノブが近づく位置に、当該注意喚起ユニットにおける他の部分よりもドア面からの突出量が小さい薄肉部を有することを特徴とする請求項1記載のドア注意喚起装置。
【請求項17】
前記ドアが施錠状態である場合に、前記報知を行わないようにしたことを特徴とする請求項1記載のドア注意喚起装置。
【請求項18】
前記感知部による感知に応じて前記報知部による報知をするオン状態と、前記報知を行わないようにするオフ状態とを、ドア面に設けられるサムターンの回転操作により切り替えるようにしたことを特徴とする請求項1記載のドア注意喚起装置。
【請求項19】
前記報知部による報知の態様を選択可能にする報知調整部を具備することを特徴とする請求項1記載のドア注意喚起装置。
【請求項20】
請求項1~19何れか1項記載のドア注意喚起装置を具備した建具装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアの近くに人がいることを周囲に報せるドア注意喚起装置、及びこのドア注意喚起装置を具備したドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的なドア装置は、例えば特許文献1に記載されるように、開口部を開放するように回動するドアや、このドアの左右端部及び上端部をコ字状に囲む枠体等を具備し、ドアには、開閉操作のためのドアノブ等が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-176189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術によれば、ドアの一方側の人がドアを開放する可能性があることが、ドアの他方側にいる人に伝わらず、ドアと人の接触や、人同士の接触を招いてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明の一つは、以下の構成を具備するものである。
ドアの開放側と反開放側のうち、少なくとも一方の側の人を感知する感知部と、前記感知部による感知に応じて他方の側に報知部による報知をする注意喚起ユニットとを備え、前記注意喚起ユニットは、ドアノブの周囲の少なくとも一部を囲むようにして前記他方の側のドア面に装着可能であることを特徴とするドア注意喚起装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、ドアの一方の側に人がいることを、ドアの他方側いる人に報せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係るドア注意喚起装置を具備したドア装置の一例を、反開放側から視た図である。
図2】同ドア装置の使用状態を示す横断面図である。
図3】同ドア装置の要部を拡大して開放側から視た図である。
図4】同ドア装置の要部を拡大して反開放側から視た図である。
図5】同ドア装置の要部拡大平面図である。
図6】同ドア装置の要部分解斜視図である。
図7】同ドア装置の制御例を示すフローチャートである。
図8】本発明に係るドア注意喚起装置を具備したドア装置の他例を示す要部拡大平面図である。
図9】台座の一例を示す正面図である。
図10】連結部の一例を示す平面図である。
図11】本発明に係るドア注意喚起装置の他例を示す斜視図である。
図12】本発明に係るドア注意喚起装置の他例を示す斜視図である。
図13】バッテリー及び制御回路の他の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明に係る実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明において、「開放側」とは、全閉状態の扉体が開放動作する方向側を意味し、例えば図2によれば右側が開放側である。
また、「反開放側」とは、前記開放側に対する反対の方向側を意味し、例えば図2によれば左側が反開方側である。
【0009】
図1は、本発明に係るドア注意喚起装置を備えた建具装置の一例を示す。
この建具装置1は、中央に人が通過可能な開口部を有する枠体10と、枠体10内で回動して前記開口部を開放したり閉鎖したりするドア20とを備えたドア装置を構成している。
この建具装置1には、ドア20の開放側と反開放側のうち、少なくとも一方の側の人を感知して、その感知状態を他方の側に報知するドア注意喚起装置Aが設けられる。
【0010】
枠体10は、閉鎖状態のドア20の戸尻部に対向する戸尻側枠部材11と、ドア20の戸先部に対向する戸先側枠部材12と、ドア20の上端部に対向する上側枠部材13とを具備して、中央の開口部を囲む正面視逆凹字状に構成される。
この枠体10は、当該建具装置1の設置対象である建築物等の躯体壁面の開口に固定される。
【0011】
枠体10の下方側は、床面や地面としてもよいし、戸尻側枠部材11と戸先側枠部材12の下端部間にわたる沓摺(下枠部材)等としてもよい。
枠体10の枠内側には、全閉した際のドア20を受ける断面略段状の戸当たり部10aが設けられる。
図2に示す一例によれば、ドア20は、右方向へ開放動作して戸当たり部10aから離れ、同図の左方向へ閉鎖動作して戸当たり部10aに接触又は近接する。
【0012】
ドア20は、厚み方向に間隔を置いた二枚の外板21をその内側の芯材及び骨材等(図示せず)により支えて、所定の厚みを有する正面視矩形状に構成される。
このドア20は、その戸尻側が、ヒンジ23により戸尻側枠部材11に対し回転自在に支持される。
【0013】
このドア20の戸先側には、外板21,21にそれぞれ開放側ノブ36と反開放側ノブ37を貫通させるようにして、ドアノブユニット30が装着される。
さらに、ドア20の戸先側には、開放側ノブ36と反開放側ノブ37をそれぞれ囲むようにして、ドア注意喚起装置Aが設けられる。
【0014】
ドアノブユニット30は、図6に示すように、ドア厚方向に扁平な矩形箱状のノブユニット本体31と、このノブユニット本体31の上部側で開放側へ突出するシリンダー32(施錠操作部)と、シリンダー32に抜き差しされる鍵33と、同ノブユニット本体31の上部側で反開放側へ突出するサムターン34(施錠操作部)と、鍵33又はサムターン34の回転操作によりノブユニット本体31から戸先方向へ出没するデッドボルト35と、同ノブユニット本体31の下部側から開放側へ突出する開放側ノブ36と、同ノブユニット本体31の下部側から反開放側へ突出する反開放側ノブ37と、これら開放側ノブ36及び反開放側ノブ37の操作により戸先方向へ出没するラッチ38と、開放側ノブ36の付け根側の軸状部分を環状に覆う丸座43と、反開放側ノブ37の付け根側の軸状部分を環状に覆う丸座44とを具備し、分解組立可能に構成される。
このドアノブユニット30は、ドア20の戸先から出没するラッチ38やデッドボルト35を、戸先側枠部材12に設けられた受け部材(図示せず)に嵌脱する。
【0015】
開放側ノブ36と反開放側ノブ37は、いずれも、外部から回転操作されるドアノブであり、回転操作された際の回転力をノブユニット本体31内の機構に伝達する。
【0016】
開放側ノブ36は、ノブユニット本体31に対し回転可能に支持された軸状部36aと、この軸状部36aの突端側で遠心方向へ突出する把持部36bとを一体的に有し、図示例によれば略L字状に形成される。
【0017】
反開放側ノブ37は、ノブユニット本体31に対し回転可能に支持された軸状部37aと、この軸状部37aの突端側で遠心方向へ突出する把持部37bとを一体的に有し、図示例によれば略L字状に形成される。
この反開放側ノブ37は、連結軸37cによって、開放側ノブ36に対し一体回転可能に連結される。
【0018】
ドア注意喚起装置Aは、開放側ノブ36の軸状部36a、及びシリンダー32の周囲を無端環状に囲むようにして開放側のドア面に装着される第一の注意喚起ユニットA1と、反開放側ノブ37の軸状部37a、及びサムターン34の周囲を無端環状に囲むようにして反開放側のドア面に装着される第二の注意喚起ユニットA2とを具備する。
【0019】
第一の注意喚起ユニットA1は、開放側のドア面に着脱可能な本体ケース51と、本体ケース51をドア面に対し着脱可能にする着脱手段52と、本体ケース51に設けられて開放側の人を感知する第一感知部53と、開放側への報知をする第一報知部54と、制御回路55及びバッテリー56(図3参照)とを、一体的に具備する。
【0020】
本体ケース51は、ドアノブ及び施錠操作部であるシリンダー32を囲むようにしてドア20の開放側の表面に装着可能に形成される。
詳細に説明すれば、図示例の本体ケース51は、正面視矩形状の手前側壁部、上下左右の側壁部、及び奥側壁部によって、上下方向へ長尺な中空箱状に形成される。
【0021】
この本体ケース51の中央側には、開放側ノブ36の軸状部36aと、シリンダー32を貫通状に挿通して、これら軸状部36a及びシリンダー32を囲む囲繞部51aが設けられる。
囲繞部51aは、上下方向へ長尺な正面視長孔状であって、かつ軸状部36a及びシリンダー32を囲む筒状に形成される。
【0022】
また、本体ケース51の手前側壁部には、複数の貫通状の小孔からなるサウンドホール51bが設けられる。
本体ケース51は、サウンドホール51b以外の部分を略閉鎖した中空箱状に形成され、その内部に、後述する発声部54bを有する。
【0023】
着脱手段52は、磁性材であるドア20の外板21に磁気吸着可能なマグネット(例えば、円盤状のネオジウム磁石)であり、本体ケース51の裏面に固定されている。
【0024】
第一感知部53は、ドア20に開放側から接近する人を感知する人感センサであり、本体ケース51の手前側に露出している。
この第一感知部53には、例えば、赤外線センサ、エリアセンサや、3Dセンサ、焦電センサ等と呼称される周知の非接触感知式センサを用いることが可能である。
【0025】
第一報知部54は、光を発する発光部54aと、音を発する発声部54bとにより構成される。
【0026】
発光部54aは、例えば発光ダイオード(LED)であり、制御回路55から入力される電気信号により光を発する。
この発光部54aは、囲繞部51aの内側面から光を発して、囲繞部51a内を照らすように設けられる。
より具体的に説明すれば、囲繞部51aを構成する壁部には、発光部54aの光を通過する貫通状の開口が設けられ、この開口の内側に発光部54aが装着されている。この発光部54aから発せられる光は、前記開口を通過して、囲繞部51a内の施錠操作部(シリンダー32)やドアノブ(開放側ノブ36)等を照らす。
【0027】
発声部54bは、スピーカやブザー等の音声発生装置であり、制御回路55(電子回路基板等)に一体的に設けられ、制御回路55から入力される電気信号により音声を発する。この音声は、例えば、電子音や、音楽、人の声、足音等とすればよい。
発声部54bから発せられる音は、中空箱状の本体ケース51内で共鳴して増大し、サウンドホール51bを介して外部に放出される。
【0028】
制御回路55は、後述する第二の注意喚起ユニットA2の制御回路65と無線信号の送受信を行う無線ユニットと、この無線ユニットを介して受信した信号や第一感知部53の感知信号等に応じて第一報知部54を制御する電子回路等を具備する。
【0029】
バッテリー56は、一般的な乾電池や充電池等であり、第一報知部54等を作動するための電力を制御回路55に供給するように電気配線されている。
このバッテリー56は、本体ケース51に対し着脱交換可能に装着されている。
【0030】
本実施形態の一例によれば、制御回路55は、長尺状の基板上に構成された電子回路であり、図3に示しように、本体ケース51内に配設される。
そして、バッテリー56は、上下方向へわたる制御回路55に隣接するようにして、その右側もしくは左側(図3によれば、左側)に配設される。
なお、他例としては、制御回路55の表面にバッテリーホルダーを設け、このバッテリーホルダーにバッテリー56を設置するようにしてもよい。
これらの構成によれば、本体ケース51内の限られた空間を有効に利用して、制御回路55及びバッテリー56等をコンパクトに配設することができる。
【0031】
バッテリー56を着脱交換可能にする手段は、例えば、本体ケース51の背面側にバッテリー56を着脱可能にする開口部を設ければよい。
また、他例としては、本体ケース51の側面に、バッテリー56を着脱可能にする開口部を設けて、バッテリー56の着脱交換作業をより容易にしてもよい。
さらには、本体ケース51の背面と側面の両方に、バッテリー56を着脱可能にする開口部を設けて、バッテリー56の着脱交換作業をいっそう容易にしてもよい。
【0032】
第二の注意喚起ユニットA2は、反開放側のドア面に着脱可能な本体ケース61と、本体ケース61をドア面に対し着脱可能にする着脱手段62(マグネット等)と、本体ケース61に設けられて反開放側の人を感知する第二感知部63(人感センサ)と、反開放側への報知をする第二報知部64と、制御回路65及びバッテリー66(図4参照)と、ドア20が施錠状態にあるか否かを感知する施錠感知部67とを具備する。
【0033】
本体ケース61は、上記本体ケース51と略同様に、上下方向へ長尺な中空箱状に形成され、囲繞部61a、及びサウンドホール61b等を有する。
囲繞部61aは、本体ケース61の中央側で、反開放側ノブ37の軸状部37aと、サムターン34を貫通状に挿通して、これら軸状部37a及びサムターン34を囲む。この本体ケース61には、上記本体ケース51と同構成の部品を用いることが可能である。
【0034】
着脱手段62は、着脱手段52と略同様のマグネットであり、本体ケース61の裏面に固定されている。
【0035】
第二感知部63は、上記第一感知部53と略同様の非接触式の人感センサである。本実施の形態の好ましい一例では、第一感知部53の検知距離を、第二感知部63の検知距離よりも長くしている。
すなわち、ドア注意喚起装置Aは、開放側の人X1とドア20の距離が、反開放側の人X2とドア20の距離よりも大きい状態(図2参照)で、両側の人X1,X2に対し報知をする。
したがって、この報知に気が付いた人X1,X2は、ドア20との接触や、人同士の接触をする前に、このような接触を回避する行動をとることができる。
【0036】
第二報知部64は、本体ケース61と一体的な発光部64a及び発声部64bと、本体ケース61とは別体の振動発生部64cとにより構成される。
【0037】
発光部64a及び発声部64bは、上述した発光部54a及び発声部54bと略同様に構成され、制御回路65から入力される電気信号によりそれぞれ光と音を発する。
【0038】
振動発生部64cは、開放側ノブ37の軸状部37aに装着される振動伝達部材64c1と、この振動伝達部材64c1に振動を加える加振器64c2により構成される。
【0039】
振動伝達部材64c1は、軸状部37aに嵌め合わせられた環状の部材である。この振動伝達部材64c1は、その内周面を反開放側ノブ37に接するとともに、その外周側を、本体ケース61に対し近接又は摺接する。
【0040】
加振器64c2は、制御回路65から供給される電力により振動する装置であり、例えば、回転式又は往復動式の振動モータ等により構成される。
加振器64c2と制御回路65の間の電力配線は、例えば、図示しない電線及びブラシ等による。
【0041】
制御回路65は、上記第一の注意喚起ユニットA1の制御回路55と無線信号の送受信を行う無線ユニットと、この無線ユニットを介して受信した信号や第二感知部63の感知信号等に応じて第二報知部64を制御する電子回路等を具備する。
【0042】
バッテリー66は、上記バッテリー56と同様の構成であり、第二報知部64等を作動するための電力を制御回路65に供給するように電気配線されている。
このバッテリー66は、本体ケース61に対し着脱交換可能に装着されている。
【0043】
また、施錠感知部67は、ドア20が施錠状態であるか否かを感知し、その感知信号を制御回路65へ送るように構成される。
具体的に説明すれば、この施錠感知部67は、サムターン34の回転位置を感知するように設けられた近接センサであり、その感知信号を制御回路65に送信する。この施錠感知部67は、図4に示す一例によれば、サムターン34に近接するように囲繞部61aに固定されている。
制御回路65は、施錠感知部67から受信する感知信号により、サムターン34が施錠位置にあるか開錠位置にあるかを判断する。
【0044】
<ドア注意喚起装置Aの組付け方法>
次に、上記構成のドア注意喚起装置Aをドア20に組み付ける手順について説明する。
【0045】
第一の注意喚起ユニットA1は、ドア20から突出する開放側ノブ36及びシリンダー32に対し、その開放側から環状に嵌め合わせられる。
詳細に説明すれば、第一の注意喚起ユニットA1の左右部分を前後に傾斜させた状態で、先ず把持部36bを本体ケース51の囲繞部51aに挿入し、さらに軸状部36a及びシリンダー32を同囲繞部51aに挿入する。このようにして、第一の注意喚起ユニットA1を開放側ノブ36及びシリンダー32に対し環状に嵌め合わせる。
そして、本体ケース51裏面側の着脱手段52(マグネット)を、ドア20の開放側の外板21に対し磁気吸着させる。
【0046】
また、第二の注意喚起ユニットA2は、ドア20から突出する反開放側ノブ37及びサムターン34に対し、環状に嵌め合わせられる。
詳細に説明すれば、先ず、ノブユニット本体31から反開放側ノブ37が外され、この状態において、反開放側ノブ37の回転中心部及びサムターン34を囲繞部61aにより囲むようにして、本体ケース61がドア20の反開放側の外板21に対し磁気吸着される。
この後、振動発生部64cが囲繞部61a内に遊嵌され、この振動発生部64cの中心側に、反開放側ノブ37が挿通され嵌め合わせられる。反開放側ノブ37は、ノブユニット本体31内で開放側ノブ36に差し込まれ、小ねじなどで連結される。
【0047】
<制御例>
次に、上記構成のドア注意喚起装置Aによる制御例について詳細に説明する。
ドア注意喚起装置Aは、第一の注意喚起ユニットA1の制御回路55と、第二の注意喚起ユニットA2の制御回路65とを、無線通信により共に機能させ、例えば、以下の制御を行う(図7参照)。
【0048】
先ず、制御回路55,65は、施錠感知部67の感知信号より、ドア20が施錠されていないかを判断し(ステップS1)、施錠されていなければ(言い換えれば、開錠されていれば)次のステップS2へ処理を以降し、施錠されていれば開錠されるのを待つ。
【0049】
ステップS2では、第一感知部53による感知があるか否かを判断し、感知があれば、次のステップS3へ処理を進め、そうでなければ、ステップS1へ処理を戻す。
すなわち、このステップS2では、開放側ノブ36の近くに人が存在するか否かが判断され、人が存在する場合には、次のステップへ処理を進める。
【0050】
ステップS3では、第二感知部63による感知があるか否かを判断し、感知があれば、次のステップS3へ処理を進め、そうでなければ、ステップS1へ処理を戻す。
すなわち、このステップS3では、開放側ノブ37の近くに人が存在するか否かが判断され、人が存在する場合には、次のステップへ処理を進める。
【0051】
なお、上述したように、ステップS2での第一感知部53による感知距離は、ステップS3での第二感知部63による感知距離よりも大きい。
【0052】
ステップS4では、第一報知部54(詳細には、発光部54a及び発声部54b)による報知を行い次のステップS5へ処理を進める。
すなわち、このステップS4では、ドア20の開放側に、光と音が発せられる。
【0053】
ステップS5では、第二報知部64(詳細には、発光部64a、発声部64b及び振動発生部64c)による報知を行い次のステップS6へ処理を進める。
すなわち、このステップS5では、ドア20の反開放側に、光と音が発せられ、さらに、反開放側ノブ37が振動する。
【0054】
ステップS6では、第一感知部53と第二感知部63の二つの感知部について、いずれも感知信号がないか否かを判断し、いずれの感知信号もなければ次のステップS7へ処理を進め、そうでない場合、すなわち何れか一方又は双方の感知部の感知信号がある場合には、ステップS1へ処理を戻す。
【0055】
ステップS7では、所定時間(例えば、数秒程度)経過したしたか否かを判断し、所定時間経過した場合には次のステップS8へ処理を進め、そうでなければ、ステップS6へ処理を戻す。
すなわち、このステップS7は、第一感知部53及び第二感知部63による人の感知がない状態が所定時間継続したことを確認してから、次のステップへ処理を進める。
【0056】
ステップS8では、第一報知部54(詳細には、発光部54a及び発声部54b)及び第二報知部64(詳細には、発光部64a、発声部64b及び振動発生部64c)による報知を停止し、ステップS1へ処理を戻す。
【0057】
<作用効果>
よって、上記構成のドア注意喚起装置Aによれば、ドア20の一方側の人がドア20を開放動作する可能性があることを、他方側にいる人に報せることができ、ひいては、不意に開放されるドア20が他方側の人に接触したり、開口部を通過しようとする一方側の人と他方側の人が接触したりするようなこと防ぐことができる。
【0058】
特に、上記ドア注意喚起装置Aによれば、注目される機会の多い開放側ノブ36と反開放側ノブ37のそれぞれの周囲で、注意喚起のための光、音、振動等が発せられるため、ドア20近傍の人に対し効果的な報知を行うことができる。
しかも、手等で開閉操作される開放側ノブ36と反開放側ノブ37の近傍の第一感知部53と第二感知部63により人を感知するようにしているため、ドア20の開閉操作に関係しない人を感知して報知が行われてしまうようなことを低減することができる。
【0059】
また、ドア20が施錠状態である場合に不必要な報知が行われるのを、上記ステップS1により防ぐことができる。
すなわち、第一及び第二感知部53,63による感知に応じて第一及び第二報知部54,64による報知をするオン状態と、前記報知を行わないようにするオフ状態とを、ドア面に設けられるサムターン34の回転操作により切り替えることができ、サムターン34の回転操作によりドア20を施錠状態にした場合は、ドア注意喚起装置Aが前記報知を行わないオフ状態になる。
【0060】
また、上記構成のドア注意喚起装置Aによれば、第一の注意喚起ユニットA1及び第二の注意喚起ユニットA2をそれぞれ容易に着脱できるため、必要に応じて、第一の注意喚起ユニットA1及び第二の注意喚起ユニットA2を外し、バッテリー56,66の交換作業や、各部の調整作業等を容易に行うことができる。
【0061】
さらに、上記構成のドア注意喚起装置Aによれば、第一の注意喚起ユニットA1及び第二の注意喚起ユニットA2をそれぞれドアノブ等に対し環状に嵌め合わせているため、仮にドアが強めに閉鎖される等して大きな衝撃が加わり、着脱手段52(マグネット)による吸着が外れた場合でも、囲繞部51a(又は61a)がドアノブや、サムターン、シリンダー等に引っかかる。よって、第一の注意喚起ユニットA1又は第二の注意喚起ユニットA2がが落下して破損するようなことを防ぐことができる。
【0062】
<台座を設けた態様>
上記実施形態によれば、第一の注意喚起ユニットA1及び第二の注意喚起ユニットA2をそれぞれ着脱手段52,62によってドア20に対し直接吸着させたが、他例とは、第一の注意喚起ユニットA1とドア20の間、及び第二の注意喚起ユニットA2とドア20の間に、台座70を介在するようにしてもよい。
【0063】
台座70は、磁性材料から形成され、その表面を、着脱手段52(マグネット)よって磁気吸着可能な被吸着面にしている。
この台座70は、図9に示す一例によれば、第一の注意喚起ユニットA1及び第二の注意喚起ユニットA2の裏面に沿う正面視矩形の板状に形成される。
より詳細に説明すれば、台座70は、ドア20の外板21に重なり合う正面視矩形状の平板部71と、この平板部71の左右両縁から手前側に立ち上がった突片部72,72とを有する横断面凹状に形成され、この凹状の横断面を、上下方向にわたって連続している。
【0064】
平板部71には、開放側ノブ36又は反開放側ノブ37を挿通する貫通孔71aと、シリンダー32又はサムターン34を挿通する貫通孔71bとがそれぞれ設けられる。
【0065】
上記構成の台座70は、貫通孔71aの周囲部分が、サムターン34とドア20の外板21面の間に挟み込まれるようにして固定される。
詳細に説明すれば、サムターン34の基端側には、貫通孔71aに挿入可能な縮径部34aと、この縮径部34aの手前側で拡径した拡径部34bとが設けられる。サムターン34は、縮径部34aを貫通孔71aに挿入するとともに、拡径部34bと外板21面との間に台座70を挟み込むようにして。台座70を不動に固定する。
なお、他例としては、台座70を、接着や、嵌合、ネジ止め等の適宜な固定手段により、ドア20の外板21面に固定するようにしてもよい。
【0066】
第一の注意喚起ユニットA1又は第二の注意喚起ユニットA2は、左右の突片部72,72間に嵌め合わせられ、着脱手段52,62によって平板部71に磁気吸着される。
【0067】
よって、上記平板部71を用いれば、ドア20の外板21が非磁性材(例えば、木材や、合成樹脂、セラミック等)である場合でも、この外板21に対し、第一注意喚起ユニットA1及び第二の注意喚起ユニットA2を着脱手段52,62によって磁気吸着させることができる。
【0068】
<連結部を設けた態様>
上記ドア注意喚起装置Aには、必要に応じて、図10に示す連結部90を加えてもよい。
【0069】
連結部90は、第一の注意喚起ユニットA1と第二の注意喚起ユニットA2を、ドア20の戸先面をドア厚方向へ跨るようにして連結する。
詳細に説明すれば、この連結部90は、ドア厚方向へ長尺な帯状の金属片であり、その一端側と他端側がそれぞれ第一の注意喚起ユニットA1と第二の注意喚起ユニットA2に対し止着具91(例えば、ネジやボルト等)により止着され、これらの中央部がドア20の戸先面に対し止着具91により止着される。
【0070】
よって、図10に示す態様によれば、第一の注意喚起ユニットA1及び第二の注意喚起ユニットA2をより強固にドア20に固定することができ、特にドア注意喚起装置Aの盗難を防ぐのに有効である。
【0071】
なお、図10に示す態様においては、第一の注意喚起ユニットA1及び第二の注意喚起ユニットA2から着脱手段52,62であるマグネットを省き、第一の注意喚起ユニットA1及び第二の注意喚起ユニットA2を止着具91のみによってドア20に固定することも可能である。
【0072】
また、図10に示す態様においては、ドア20に対し先に装着された第一の注意喚起ユニットA1及び第二の注意喚起ユニットA2を、連結部90によって連結したが、他例としては、第一の注意喚起ユニットA1及び第二の注意喚起ユニットA2を予め連結部90によって連結し、この一体状の第一の注意喚起ユニットA1、第二の注意喚起ユニットA2及び連結部90を、ドア20の戸先側に嵌め合わせるようにすることも可能である。
【0073】
<本体ケースの他例1>
図11に示す注意喚起ユニットA3は、上記第一の注意喚起ユニットA1又は上記第二の注意喚起ユニットA2について、本体ケース51又は61を、本体ケース81に置換したものである。
【0074】
本体ケース81は、本体ケース51又は61の囲繞部51a又は61aを、正面視略C字状の囲繞部81aに置換し、この囲繞部81aよりも下側に薄肉部81bを設けたものである。
【0075】
囲繞部81aは、軸状部36a及びシリンダー32を囲む周壁の一部に切欠部81a1を有する。
【0076】
切欠部81a1は、開放側ノブ36及び反開放側ノブ37の軸状部36a,37aを通過可能な幅に形成され、反戸先側に位置する。
【0077】
薄肉部81bは、回転操作されるドアノブ(図示例によれば、把持部36b又は37b)が近づく位置に設けられ、その上側部分よりも薄肉に形成され、ドア20面からの突出量が小さい。
【0078】
よって、図11に示す態様によれば、ドアノブ及び施錠操作部(シリンダー32及び開放側ノブ36、又はサムターン34及び開放側ノブ37)を囲むようにして注意喚起ユニットA3を装着する際に、切欠部81a1に軸状部36a又は37aを挿通すればよく、その装着作業が容易である。
【0079】
しかも、ドア20を閉鎖した状態では、切欠部81a1が反戸先側に位置し、その逆側の部分が戸先側枠部材12に近接するため、本体ケース81がドアノブ(開放側ノブ36又は開放側ノブ37)から外されて盗難に至るようなことを防ぐことができる。
【0080】
また、開放側ノブ36又は反開放側ノブ37を回転操作した手が、本体ケース81に接触するのを薄肉部81bによって防ぐことができ、ドアノブ操作性が良好である。
【0081】
<本体ケースの他例2>
図12に示す注意喚起ユニットA4は、上記第一の注意喚起ユニットA1又は上記第二の注意喚起ユニットA2について、本体ケース51又は61を、本体ケース101に置換し、発光部54aを発光部101bに置換し、第一感知部53を第一感知部53’に置換したものである。
【0082】
本体ケース101は、本体ケース51又は61の囲繞部51a又は61aを、ドア面からの突出高さt(例えば、15mm程度)が、当該本体ケース101の他の部分よりも小さい薄肉部101a1を有する囲繞部101aに置換したものである。
薄肉部101a1は、図12に示すように、本体ケース101における上下の部分よりもドア厚方向の内側に凹んでいる。
【0083】
囲繞部101aの内側面(内周面)には、その略全周にわたって発光部101bが設けられる。
この発光部101bは、複数のLEDを環状に並べた構成、あるいは、囲繞部101aの全周にわたる環状のLEDとすればよい。
【0084】
また、第一感知部53’は、本体ケース101表面の上部側に設けたすり鉢状の窪みの底側に配設される。この構成によれば、万が一、注意喚起ユニットA4が落下した場合でも、第一感知部53’が直接床面等に当接して破損するようなことを防ぐことができる。
【0085】
図12中、着脱手段52、サウンドホール51b等は、第一の注意喚起ユニットA1のものと略同構成であり、同一の符号を用いている。
【0086】
よって、上記構成の注意喚起ユニットA4によれば、囲繞部101aがドア面から突出する高さtを、本体ケース101の他の部分よりも小さくしため、ドアノブや、ドアノブを操作する手等が、本体ケース101に干渉するのを防ぐことができる。
【0087】
なお、図示例によれば、囲繞部101aを全周にわたって本体ケース101の他の部分よりも突出高さtが小さくなるようにしたが、他例としては、囲繞部101aの周方向の一部分を本体ケース101の他の部分よりも突出高さtが小さくなるようにしてもよい。この場合、突出高さtが小さい部分は、ドアノブにおける把持部36b(又は37b)寄りにするのが効果的である。
【0088】
また、上記構成の注意喚起ユニットA4によれば、発光部101bを囲繞部101aに沿う周方向にわたって設けたため、ドアノブをその周囲から効果的に照らすことができる。このため、意匠性に優れている上、ドア20を開放しようとしている人に対する注意喚起効果も良好である。
また、上記構成によれば、発光部101bを囲繞部101aの全周に設けたが、この発光部101bの他例としては、ドアノブ及びシリンダー(又はサムターン)を囲むようにして、囲繞部101aの周方向の一部分に設けた態様とすることも可能である。
【0089】
<その他の変形例>
【0090】
上記実施形態によれば、台座70の全体を磁性材料により構成したが、この台座の他例としては、磁性材からなる部分的な被吸着面を有する態様とすることも可能である。
【0091】
上記実施形態によれば、着脱手段52,62をマグネットとしたが、この着脱手段52,62は、第一の注意喚起ユニットA1と第二の注意喚起ユニットA2をそれぞれ脱着可能にドア20に止着する手段であればよく、他例としては、両面テープや接着剤による止着、ネジ止め、嵌合等とすることも可能である。
【0092】
上記実施形態によれば、第二の注意喚起ユニットA2(振動発生部64cを含む)は、開放側ノブ37を外した状態でドア面に装着したが(図6参照)、他例としては、反開放側ノブ37を外すことなくドア面に装着されるようにすることも可能である。
【0093】
上記実施形態によれば、特に好ましい態様として、ドア20の厚さ方向の両側に上記構成の注意喚起ユニットを設けたが、図示例以外の他例としては、ドア20の厚さ方向の一方側に上記注意喚起ユニットとは別体の感知部を設け、他方側のみに上記注意喚起ユニットを設けて、前記一方側の感知部の感知に応じて前記他方側の注意喚起ユニットが報知をするようにしてもよい。
【0094】
上記実施形態によれば、特に好ましい態様として、反開放側ノブ37のみを上記報知部により振動させたが、他例としては、開放側ノブ36のみを報知部により振動させる態様や、反開放側ノブ37と開放側ノブ36の両方をそれぞれ報知部により振動させる態様等とすることも可能である。
【0095】
上記実施形態によれば、ドアノブを注目させるようにした好ましい一例として、上記囲繞部の内側面から上記発光部による光を発したが、図示例以外の他例としては、発光部を本体ケースの表面等、上記以外の箇所に配置することも可能である。
【0096】
上記実施形態によれば、特に好ましい態様として、ドアノブ及び施錠装置(シリンダー32,サムターン34)を囲むように上記注意喚起ユニットを構成したが、他例としては、ドアノブのみを囲むように上記注意喚起ユニットを構成することも可能である。
【0097】
上記実施形態によれば、ドア注意喚起装置Aが適用される建具装置1を開き戸装置(ドア装置)としたが、上記構成のドア注意喚起装置Aは、開き戸式の窓装置に適用することも可能である。
【0098】
さらに、ドア注意喚起装置Aは、折戸装置や、引き戸装置、バランスドアに設けることも可能である。このようにした場合、扉に対し開放側と反開放側の双方から人が近づくと、これを感知して注意喚起の報知がされるため、これらの人が扉の開放直後に衝突するのを防ぐことができる。
【0099】
また、上記実施形態によれば、サムターン34の回転操作を第二の注意喚起ユニットA2の施錠感知部67により感知するようにしたが、他例としては、サムターン34の軸部分にサムターン34の回転操作によりオンオフするスイッチを設け、このスイッチにより、上記報知部による報知を可能にするオン状態と、前記報知を行わないようにするオフ状態とを切り替えるようにしてもよい。
【0100】
また、上記実施形態には、図3に例示するように、第一報知部54及び第二報知部64による報知の態様を選択可能にする報知調整部59を設けてもよい。
報知調整部59は、操作の仕方(角度の異なる回転操作や、回数の異なる押し操作等)により前記報知の態様を選択できるようにした操作スイッチであり、操作信号を制御回路55に入力するように電気的に接続される。
制御回路55は、報知調整部59に対する選択的な操作により、第一報知部54及び第二報知部64による報知の態様を変化させる。
なお、選択可能な前記報知の態様としては、発声部54bが発生する音の種類(ブザー音や、楽器音)が異なる態様や、発声部54bが発生する音の音程が異なる態様、発声部54bが発生する音の大きさが異なる態様、発光部54aによる発光色が異なる態様、発光部54aによる光の強さが異なる態様、振動発生部64cによる振動の周期や振動数が異なる態様等が挙げられる。
【0101】
また、上記実施形態によれば、特に好ましい態様として、ドア20の内外(開放側と反開放側)の両方で人を感知した場合のみ、その両方にそれぞれ注意喚起を行うようにしたが(図7参照)、他例としては、ドア20の内外の一方のみで人を感知した場合に他方に注意喚起を行うようにすることも可能である。さらに、他例としては、前者と後者を切り替える手段を設けることも可能である。これらの構成を適宜に適用すれば、省電力化や、過度の不要の注意喚起を防ぐ等の効果を発揮することができる。
【0102】
また、上記実施形態によれば、図3及び図4に示すように制御回路55(又は65)及びバッテリー56(又は66)を配置したが、これら制御回路及びバッテリーの配置は、図13のようにすることも可能である。
すなわち、制御回路55(65)は、図13に示しように、本体ケース51内で傾斜状に配設される。そして、バッテリー56(66)は、傾斜した制御回路55(65)を間に置くようにして、その斜め上側と斜め下側(図13によれば、右上側と左下側)に配設される。
これらの構成によれば、本体ケース内の限られた空間を有効に利用して、制御回路及びバッテリー等をコンパクトに配設することができる。
【0103】
また、本発明は上述した具体的構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0104】
<総括>
以上のとおり、上記実施形態では以下の発明を開示している。
(1)
ドアの開放側と反開放側のうち、少なくとも一方の側の人を感知する感知部と、前記感知部による感知に応じて他方の側に報知部による報知をする注意喚起ユニットとを備え、前記注意喚起ユニットは、ドアノブの周囲の少なくとも一部を囲むようにして前記他方の側のドア面に装着可能であることを特徴とするドア注意喚起装置(図1図11参照)。
(2)
前記注意喚起ユニットを第一の注意喚起ユニットとし、前記一方の側でドア面に装着可能な第二の注意喚起ユニットを備え、前記第一の注意喚起ユニットには、前記他方の側の人を感知する第一感知部と、前記報知部である第一報知部とが設けられ、前記第二の注意喚起ユニットには、前記感知部である第二感知部と、前記一方の側に報知をする第二報知部とが設けられていることを特徴とする(1)に記載のドア注意喚起装置(図2参照)。
(3)
前記第一感知部と前記第二感知部の両方の感知がある場合に、前記第一報知部及び/又は前記第二報知部が報知をするようにしたことを特徴とする(2)に記載のドア注意喚起装置(図2及び図7参照)。
(4)
前記第一感知部は、前記第二感知部よりも検知距離が長い非接触式感知式センサであることを特徴とする(2)又は(3)のいずれかに記載のドア注意喚起装置(図2参照)。
(5)
前記第一の注意喚起ユニットと第二の注意喚起ユニットが、前記ドアの戸先面をドア厚方向へ跨る連結部により連結されるようにしたことを特徴とする(2)~(4)のいずれかに記載のドア注意喚起装置(図10参照)。
(6)
前記報知が、音声の発信であることを特徴とする(1)~(5)のいずれかに記載のドア注意喚起装置(図2及び図7参照)。
(7)
前記注意喚起ユニットは、中空箱状の本体ケース内に、前記報知としての音声を発する発声部を有するとともに、本体ケースの外壁面に貫通状のサウンドホールを有することを特徴とする(6)に記載のドア注意喚起装置(図3及び図4参照)。
(8)
前記報知が、振動の発信であることを特徴とする(1)~(7)のいずれかに記載のドア注意喚起装置(図2及び図7参照)。
(9)
前記報知が、光の発信であることを特徴とする(1)~(8)のいずれかに記載のドア注意喚起装置(図3図4及び図7参照)。
(10)
前記注意喚起ユニットが、ドアノブを囲む内側面から前記報知としての光を発するようにしたことを特徴とする(9)に記載のドア注意喚起装置(図3及び図4参照)。
(11)
前記注意喚起ユニットを、ドア面に対し着脱可能にする着脱手段を設けたことを特徴とする(1)~(10)のいずれかに記載のドア注意喚起装置(図3図4及び図6参照)。
(12)
前記着脱手段が、前記注意喚起ユニットに設けられたマグネットであることを特徴とする(11)に記載のドア注意喚起装置。
(13)
ドア面に装着可能な台座を備え、前記台座には、磁性材料からなる被吸着面が設けられていることを特徴とする(12)に記載のドア注意喚起装置(図9及び図10参照)。
(14)
前記台座が、ドア面に設けられるサムターンと、ドア面との間に挟まれるようにしたことを特徴とする(13)に記載のドア注意喚起装置(図6図8及び図9参照)。
(15)
前記注意喚起ユニットは、ドアノブ及び施錠操作部を囲むようにしてドア面に装着可能であることを特徴とする(1)~(14)のいずれかに記載のドア注意喚起装置(図1図6参照)。
(16)
前記注意喚起ユニットは、回転操作されるドアノブが近づく位置に、当該注意喚起ユニットにおける他の部分よりもドア面からの突出量が小さい薄肉部を有することを特徴とする(1)~(15)のいずれかに記載のドア注意喚起装置(図11参照)。
(17)
前記ドアが施錠状態である場合に、前記報知を行わないようにしたことを特徴とする(1)~(16)のいずれかに記載のドア注意喚起装置(図7参照)。
(18)
前記感知部による感知に応じて前記報知部による報知をするオン状態と、前記報知を行わないようにするオフ状態とを、ドア面に設けられるサムターンの回転操作により切り替えるようにしたことを特徴とする(1)~(17)のいずれかに記載のドア注意喚起装置(図7参照)。
(19)
前記報知部による報知の態様を選択可能にする報知調整部を具備することを特徴とする(1)~(18)のいずれかに記載のドア注意喚起装置(図3参照)。
(20)
(1)~(18)のいずれかに記載のドア注意喚起装置を具備した建具装置(図1参照)。
【符号の説明】
【0105】
1:建具装置
20:ドア
30:ドアノブユニット
32:シリンダー(施錠操作部)
34:サムターン(施錠操作部)
36:開放側ノブ(ドアノブ)
37:反開放側ノブ(ドアノブ)
51,61:本体ケース
52,62:着脱手段(マグネット)
53:第一感知部
54:第一報知部
54a:発光部
54b:発声部
63:第二感知部
64:第二報知部
64a:発光部
64b:発声部
64c:振動発生部
70:台座
A:ドア注意喚起装置
A1:第一の注意喚起ユニット
A2:第二の注意喚起ユニット
A3,A4:注意喚起ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13