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  • 特開-物品集合装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165741
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】物品集合装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/02 20060101AFI20241121BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20241121BHJP
   B65G 47/82 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
B65G43/02 B
B65G47/68 E
B65G47/82 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082213
(22)【出願日】2023-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康弘
(72)【発明者】
【氏名】梅村 拓杜
【テーマコード(参考)】
3F017
3F027
3F070
【Fターム(参考)】
3F017AA02
3F017AB07
3F017BC03
3F027AA01
3F027CA01
3F027DA34
3F027EA04
3F027FA12
3F070AA06
3F070BA10
3F070BD05
3F070BF01
3F070EE11
(57)【要約】
【課題】搬送路においてキャップ等の物品の詰まりが生じても容易に解消することができ、下流側の機器を停止させる頻度を大幅に低下させることができる物品集合装置を提供する。
【解決手段】主通路11と副通路12では、キャップCは所定方向を向いた状態で搬送される。キャップCは、エア吹き出し孔45から供給される搬送エアにより、主通路11と副通路12に沿って下流側へ搬送される。副通路12は、連通部18において主通路11に合流する。連通部18に設けられたガイド部材21は、副通路12を搬送されるキャップCを主通路11へ案内するガイド位置と、主通路11および副通路12を外部へ開放する開放位置との間で昇降可能である。主通路11と副通路12のうちの少なくとも一方で物品の詰まりが発生したとき、ガイド部材21はガイド位置から上昇して開放位置に定められ、キャップCが外部へ排出される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が所定方向を向いた状態で搬送されるように構成された主通路と副通路を有し、前記副通路の終端に設けられた連通部において前記副通路が前記主通路に合流するように構成された搬送路と、
前記主通路と前記副通路に搬送エアを供給することにより、物品を前記搬送路に沿って下流側へ搬送するエア供給手段と、
前記連通部に設けられ、前記副通路を搬送される物品を前記主通路へ案内するガイド位置と、前記主通路および前記副通路を外部へ開放する開放位置との間で移動可能に設けられたガイド部材と、
前記主通路と前記副通路のうちの少なくとも一方で物品の詰まりが発生したことを検出する検出手段とを備え、
前記検出手段により物品の詰まりが検出されたとき、前記ガイド部材は前記ガイド位置から移動して前記開放位置に定められ、物品を前記搬送路の外部へ排出することを特徴とする物品集合装置。
【請求項2】
前記ガイド部材が、前記副通路の終端の搬送路が前記主通路に向かって曲がるように案内する曲線ガイド部と、前記主通路の搬送方向に沿った直線ガイド部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の物品集合装置。
【請求項3】
前記主通路の前記連通部よりも下流側部分を開閉可能な閉鎖部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の物品集合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数列で搬送される物品を一列に集合させる物品集合装置に関し、より詳しくは、円形のキャップ等の軽量な物品に対してエアを噴射して搬送しつつ一列に集合させる物品集合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような物品集合装置として特許文献1に記載されたものが知られている。この物品集合装置では、キャップ成形機はキャップの供給能力を上げるため、2か所で同時にキャップを成形し、2つのエア噴射ノズルからエアを噴射して、キャップを搬送路に供給している。搬送路は2列の通路、すなわち主通路と副通路を有し、主通路と副通路に送り込まれたキャップを1列にして主通路上に集合させ、次工程へ搬送するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5853392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の物品集合装置では、搬送路に対するキャップの向きは考慮されておらず、例えば周縁部にタブを有する円形キャップの場合、搬送路においてタブの向きは様々である。これに対して、キャップの向きを揃えて搬送しようとすると、キャップが軸心周りに回転するのを阻止するために主通路と副通路の幅をできるだけ狭める必要がある。しかし搬送路の幅を狭めると、キャップの詰まりが生じやすくなり、この状態を解消する処理のために下流側の機器を停止させる頻度が高まるおそれがある。
本発明は搬送路においてキャップ等の物品の詰まりが生じても容易に解消することができ、下流側の機器を停止させる頻度を大幅に低下させることができる物品集合装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る物品集合装置は、物品が所定方向を向いた状態で搬送されるように構成された主通路と副通路を有し、副通路の終端に設けられた連通部において副通路が主通路に合流するように構成された搬送路と、主通路と副通路に搬送エアを供給することにより、物品を搬送路に沿って下流側へ搬送するエア供給手段と、連通部に設けられ、副通路を搬送される物品を主通路へ案内するガイド位置と、主通路および副通路を外部へ開放する開放位置との間で移動可能に設けられたガイド部材と、主通路と副通路のうちの少なくとも一方で物品の詰まりが発生したことを検出する検出手段とを備え、検出手段により物品の詰まりが検出されたとき、ガイド部材はガイド位置から移動して開放位置に定められ、物品を搬送路の外部へ排出することを特徴としている。
【0006】
好ましくは、ガイド部材は、副通路の終端の搬送路が主通路に向かって曲がるように案内する曲線ガイド部と、主通路の搬送方向に沿った直線ガイド部とを備える。また主通路において連通部よりも下流側部分を開閉可能な閉鎖部材が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、搬送路においてキャップ等の物品の詰まりが生じても容易に解消することができ、下流側の機器を停止させる頻度を大幅に低下させることができる物品集合装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る物品集合装置を示す平面図である。
図2図1の矢印A方向に沿って見た矢視図である。
図3図1のB-B線に沿う矢視図である。
図4図1のC-C線に沿う矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図示された実施形態に基づいて本発明を説明する。図1は本実施形態の物品集合装置を示し、この物品集合装置は主通路11と副通路12により2列で搬送されるキャップCを連通部18において1列に集合させ、主通路11を介して次工程のキャップシール機(図示せず)へ搬送するように構成されている。キャップCは扁平な円錐台形状の本体部と、その周縁部に形成されたタブTとを有する。キャップCは、キャップ成形機19により、アルミシートを、金型を上下方向(紙面に垂直な方向)に動作させることにより同時に2個成形され、保持台13上に一時的に載置される。
【0010】
保持台13上の2個のキャップCは、図1の左端に設けられた2個の推進用エア噴射ノズル14から噴射されるエアにより搬送路(主通路11と副通路12)に送られる。図2に示されるように、搬送路(図2では主通路11)は缶体30の上面に設けられた底部プレート10と、底部プレート10の上方に平行に配置された天面プレート20との間に形成される。搬送路の両側にはサイドガイド部15、16が設けられる。キャップ成形機19に近接した上流側部分において、サイドガイド部15、16の間は中間ガイド部17により主通路11と副通路12に区画され、キャップ成形機19から相対的に遠い下流側部分は主通路11のみが設けられる。
【0011】
主通路11と副通路12の幅は、キャップCが所定方向、例えばタブTが後方を向いた状態で搬送されるように定められる。中間ガイド部17の上流側端部はキャップ成形機19の保持台13上に突出している。主通路11側のサイドガイド部15の上流側端部は保持台13上において中間ガイド部17よりもエア噴射ノズル14側に突出し、副通路12側のサイドガイド部16の上流側端部は保持台13においてサイドガイド部15よりもさらにエア噴射ノズル14側へ延びている。すなわち主通路11と副通路12の入口部分はこれらの通路の幅よりも大きく、したがって保持台13上の2個のキャップCは主通路11または副通路12にスムーズに導かれる。
【0012】
副通路12の下流側端部(終端)は主通路11に合流する連通部18であり、連通部18には、副通路12のサイドガイド部16の下流側端部に隣接させて、昇降式ガイド部材21が設けられる。昇降式ガイド部材21は図1の紙面に垂直方向に昇降自在であり、その上面がサイドガイド部16の上面と略同じ高さになるガイド位置(図3の実線)と、その下面が天面プレート20の上面と略同じ高さになる開放位置(図3の破線)との間で昇降可能である。ガイド部材21は副通路12の終端の搬送路が主通路11に向かって曲がるように案内する曲線ガイド部22と、主通路11の搬送方向に沿った直線ガイド部23とを備え、ガイド位置では、副通路12を搬送されるキャップCを主通路11へ案内し、開放位置では、主通路11および副通路12を搬送路の外部へ開放する。
【0013】
図3、4を参照して昇降式ガイド部材21、およびその周辺の構成を説明する。缶体30の側面には上下方向に延びる支柱24が固定され、支柱24の上端から水平方向に延びる支持部材25には昇降用エアシリンダ26が設けられる。ガイド部材21は、昇降用エアシリンダ26から垂直下方に延びるピストン27の先端に取付けられ、エアシリンダ26により昇降駆動されて、ガイド位置(図3の実線)と開放位置(図3の破線)の間で昇降する。上述したように、ガイド部材21がガイド位置にあるとき、キャップCは曲線ガイド部22に沿って副通路12から主通路11へ案内され、ガイド部材21が開放位置にあるとき、キャップCはガイド部材21の下側の空間を通って外部へ排出される。
【0014】
ガイド部材21の上面には、スタッド28を介してノズルブラケット29がガイド部材21に平行に設けられる。ノズルブラケット29には集合用エア噴射ノズル39が取付けられる。ガイド部材21は全体的に板状部材であるが、曲線ガイド部22を含む部分は他の部分よりも薄く成形された切欠き部31であり、切欠き部31には、集合用エア噴射ノズル39の噴射ノズル部が配置される。集合用エア噴射ノズル39は曲線ガイド部22に沿って搬送されるキャップCに対して、主通路11側に送るためのエアを噴射する。
【0015】
再び図1を参照すると、ガイド部材21の切欠き部31とは反対側において、主通路11の一方の側壁を規定するサイドガイド部16の前面41は、主通路11から離れるほど搬送方向の下流側に位置するように、主通路11の幅方向に対して傾斜する平面である。一方連通部18には、主通路11の連通部18よりも下流部分を開閉可能な閉鎖部材32が設けられ、サイドガイド部16の前面41は閉鎖状態にある閉鎖部材32の前面35と同一平面を形成する。閉鎖部材32は主通路11のサイドガイド部15に枢支され、閉鎖部材駆動機構33に駆動されて水平面内で揺動自在である。すなわち閉鎖部材32は、サイドガイド部15から突出した位置(図1の破線)では主通路11を閉鎖し、サイドガイド部15側に退避した位置(図1の実線)では主通路11を開放し、閉鎖部材32の前面35はサイドガイド部15の内壁面に一致する。
【0016】
連通部18には、排出用エア噴射ノズル36が設けられる。排出用エア噴射ノズル36はサイドガイド部15に固定されたノズルブラケット37に取付けられ、閉鎖状態にある閉鎖部材32の前面35に略平行になるように配置される。排出用エア噴射ノズル36は、主通路11または副通路12において搬送されるキャップCの詰まりが発生したときに、連通部18にあるキャップCを搬送路の外部に排出するためのエアを連通部18に向かって噴射する。
【0017】
主通路11と副通路12にはそれぞれ、多数のエア吹き出し孔(エア供給手段)45が搬送方向に沿って1列に、所定間隔毎に形成され、副通路12の終端では、副通路12から主通路11に向けて直線的に配置される。エア吹き出し孔45は缶体30と底部プレート10において、主通路11と副通路12上のキャップCが搬送方向に沿って搬送されるように、底部プレート10の板厚方向に対して傾斜させて形成される。缶体30には常時高圧エアが図示しない圧力源から供給され、したがって主通路11と副通路12には斜め上方を向く搬送エアが供給され、キャップCは頭部が天面プレート20に摺接し、側部がサイドガイド部15、16に案内されて搬送される。
【0018】
また主通路11と副通路12には、キャップCの詰まりが発生したことを検出する検出手段である光電センサ42、43が設けられる。光電センサ42は主通路11において、連通部18よりも上流側であってキャップ成形機19よりも連通部18に近い部位に設けられ、光電センサ43は副通路12において、光電センサ42の側方に設けられる。なお光電センサは主通路11と副通路12の両方に設けることは必須ではなく、主通路11と副通路12のうちの少なくとも一方に設ければよい。
【0019】
キャップ成形機19、昇降用エアシリンダ26、閉鎖部材32、排出用エア噴射ノズル36、集合用エア噴射ノズル39等の各機器の動作は制御装置44により制御される。
【0020】
次に本実施形態の作用を説明する。
通常の搬送動作では、昇降式ガイド部材21はガイド位置にあり、閉鎖部材32は主通路11を開放している。したがってキャップ成形機19の保持台13上の2個のキャップCは、推進用エア噴射ノズル14から噴射されるエアにより主通路11と副通路12に送られ、主通路11と副通路12では、エア吹き出し孔45から噴射される搬送エアにより搬送される。副通路12を搬送されるキャップCは連通部18において、曲線ガイド部22により案内されるとともに、集合用エア噴射ノズル39から噴射されるエアによって主通路11側に送られ、1列に整列して搬送される。
【0021】
光電センサ42、43により主通路11または副通路12を搬送されるキャップCが詰まっていると判断されると、制御装置44の制御により、キャップ成形機19が停止し、閉鎖部材32が主通路11を閉鎖するとともに、昇降用エアシリンダ26が駆動されて昇降式ガイド部材21がガイド位置から上昇して開放位置に定められる。そして集合用エア噴射ノズル39がOFF状態に切替えられ、排出用エア噴射ノズル36がON状態に定められる。これにより連通部18では、図3に示すように、キャップCが昇降式ガイド部材21(破線)の下側を通って搬送路の外部へ排出される。この排出動作は光電センサ42、43によりキャップCの詰まりの解消が検出されたことにより終了し、排出動作の終了とともに、キャップ成形機19によるキャップCの供給が再開される。
【0022】
主通路11の連通部18よりも下流側にアキューム区間を設けておけば、連通部18におけるキャップCの排出動作の間、このアキューム区間に貯留したキャップCを次工程へ搬送することにより、下流側に設けられた機器の動作を継続することができる。また貯留したキャップCがなくなるまでに連通部18における排出動作を完了すれば、処理システムを停止させることが回避でき、生産効率を向上させることができる。
【0023】
以上のように本実施形態によれば、主通路11または副通路12においてキャップCの詰まりが生じても容易に解消することができ、下流側の機器を停止させる頻度を大幅に低下させることができる。
【0024】
なお上記実施形態では搬送面(主通路11と副通路12)が水平面に沿って配置されているが、本発明は搬送面が鉛直面に沿って配置された構成(すなわち図1が側面図となる構成)にも適用できる。この構成では、ガイド部材21は水平方向に、ガイド位置と開放位置との間で移動する。
【符号の説明】
【0025】
11 主通路
12 副通路
18 連通部
21 ガイド部材
42、43 光電センサ(検出手段)
45 エア吹き出し孔(エア供給手段)
C キャップ(物品)
図1
図2
図3
図4