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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024165752
(43)【公開日】2024-11-28
(54)【発明の名称】遊技装置の付帯装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20241121BHJP
【FI】
A63F7/02 349B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082233
(22)【出願日】2023-05-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社エース電研は、同社の本社ビルショールーム内にて、同社代表取締役の秋田光勇が発明した遊技装置について公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】000127628
【氏名又は名称】株式会社エース電研
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】秋田 光勇
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088EA48
(57)【要約】
【課題】遊技装置において、遊技機の載置面に設備機器の設置が制限されず、しかも遊技者にとって利便性が高い付帯装置を提供する。
【解決手段】遊技機2を水平な載置面上に取り付けた遊技装置1に設置可能な付帯装置20において、遊技機2ごとに対応して設置され、前記載置面の高さよりも低い位置から前記載置面を越える高さ位置まで一体的に連なる部位を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機を水平な載置面上に取り付けた遊技装置に設置可能な付帯装置において、
遊技機ごとに対応して設置され、前記載置面の高さよりも低い位置から前記載置面を越える高さ位置まで一体的に連なる部位を備えたことを特徴とする遊技装置の付帯装置。
【請求項2】
前記遊技装置とは別体として構成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技装置の付帯装置。
【請求項3】
前記一体的に連なる部位として、少なくとも筐体部を備えることを特徴とする請求項1記載の遊技装置の付帯装置。
【請求項4】
前記載置面より上方または下方に位置する仕切面を備え、該仕切面より前記載置面を越える側まで連なるスペースが形成されたことを特徴とする請求項1記載の遊技装置の付帯装置。
【請求項5】
前記遊技機をそれぞれ前記載置面上に取り付けた各ユニットの間に設置され、前記各ユニットの対向し合う側に取り付け可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技装置の付帯装置。
【請求項6】
前記遊技機を前記載置面上に取り付けたユニットの側方に隣接して設置され、該設置箇所に自立可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技装置の付帯装置。
【請求項7】
前記ユニットに取り付けた接合箇所を、前方から覆うカバー部材を備えたことを特徴とする請求項5に記載の遊技装置の付帯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機を水平な載置面上に取り付けた遊技装置に設置可能な付帯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ機等の遊技機を並設した遊技機島には、遊技機のほか遊技に関連した設備機器を含む種々の付帯装置が設置されていた。例えば、特許文献1では、遊技島2の一端に、島飾り10が設置されている。ここで島飾り10は、全体形状が縦長の略直方体の箱形であって、必要に応じて扉4が備えられ、扉4を開閉することにより、その内部の空間に物を収容できるものである。
【0003】
また、特許文献2では、パチンコ台2を設置する膳板5上でパチンコ台2ごとに、玉貸出機4AないしCRユニット4Bを備えたサンドパネル4や、化粧パネル20や書類収容具30を備えた台間ラック10が設置されている。ここで書類収容具30は、パチンコ遊技説明書のほか、パチンコ店におけるイベントの日程等を収容対象としている。
【0004】
さらに、特許文献3では、遊技機12や貸出機13を設置する載置板14a上で遊技機12ごとに、物置板16aと収容部16bとを備えた台間ユニット16が設置されている。ここで物置板16aと収容部16bの用途は、特に限定されないが、遊技者が荷物等を置いたり収納する等と遊技者の利用も意図するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3159377号公報
【特許文献2】特許第5564191号公報
【特許文献3】特開2018-175791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の島飾り10は、遊技島2に対して設置されるものであって、遊技機1ごとに対応して設置されるものではない。よって、島飾り10は、例えば遊技者がパーソナルスペースとして利用することはできない。また、付帯装置として、遊技機1ごとに対応した設備機器(例えば玉貸出機等)の設置スペースとして利用することもできなかった。
【0007】
また、特許文献2に記載の台間ラック10は、パチンコ台2と同様に膳板5上に設置するため、台間ラック10の高さ寸法は、パチンコ台2の高さまでに規制される。よって、付帯装置としては、ある程度決まった寸法のものしか作成できないので、他の設備機器の設置が制限される虞があった。
【0008】
仮に、台間ラック10の少なくとも一部の空間を、遊技者の利用に供する場合には、前述したように高さ寸法の制限を受けることになり、例えば、遊技者が所有する長尺物(傘、コート、ゴルフバッグ、釣り竿、スキー板等)を収容することはできない。よって、台間ラック10の遊技者向きの利用に関しては、遊技者に利便性がある付帯装置としての提案はしづらい状況にあった。
【0009】
さらに、特許文献3に記載の台間ユニット16も、遊技機12等と同様に載置板14a上に設置するため、台間ユニット16の高さ寸法は、遊技機12等の高さまでに規制される。よって、台間ユニット16は、特許文献2に記載の台間ラック10と同様に、他の設備機器の設置が制限される虞があり、しかも、遊技者に利便性がある付帯設備としての提案はしづらい状況にあった。
【0010】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、遊技機島のように遊技機を水平な載置面上に取り付けた遊技装置において、前記載置面の高さ位置に何ら規制されることなく、遊技装置の全体の高さ寸法を使用することを可能とすることにより、設備機器の設置が前記載置面に制限されず、しかも遊技者にとって利便性が高い付帯装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため、本発明の一態様は、
遊技機を水平な載置面上に取り付けた遊技装置に設置可能な付帯装置において、
遊技機ごとに対応して設置され、前記載置面の高さよりも低い位置から前記載置面を越える高さ位置まで一体的に連なる部位を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る一の遊技装置を前列から見た斜視図である。
図2】本実施形態に係る一の遊技装置を前列から見た正面図である。
図3】本実施形態に係る一の遊技装置を後列から見た斜視図である。
図4】本実施形態に係る一の遊技装置を後列から見た正面図である。
図5】本実施形態に係る一の遊技装置を示す平面図である。
図6】本実施形態に係る一の遊技装置を示す側面図である。
図7】本実施形態に係る一の遊技装置を前列下方から見た斜視図である。
図8】本実施形態に係る一の遊技装置を後列下方から見た斜視図である。
図9】本実施形態に係る別の遊技装置を前列から見た斜視図である。
図10】本実施形態に係る別の遊技装置を前列から見た正面図である。
図11】本実施形態に係る別の遊技装置を後列から見た斜視図である。
図12】本実施形態に係る別の遊技装置を後列から見た正面図である。
図13】本実施形態に係る別の遊技装置を示す平面図である。
図14】本実施形態に係る別の遊技装置を示す側面図である。
図15】第1実施形態に係る付帯装置を示す斜視図である。
図16】第1実施形態に係る付帯装置を示す別方向からの斜視図である。
図17】第1実施形態に係る付帯装置を示す正面図である。
図18】第1実施形態に係る付帯装置を示す背面図である。
図19】第1実施形態に係る付帯装置を示す右側面図である。
図20】第1実施形態に係る付帯装置を示す左側面図である。
図21】第1実施形態に係る付帯装置を示す拡大平面図である。
図22図17のA-A線の拡大断面図である。
図23図17のB-B線の拡大断面図である。
図24】第1実施形態に係る付帯装置を拡大して示す分解斜視図である。
図25】第2実施形態に係る付帯装置を示す斜視図である。
図26】第2実施形態に係る付帯装置を示す別方向からの斜視図である。
図27】第2実施形態に係る付帯装置を示す正面図である。
図28】第2実施形態に係る付帯装置を示す背面図である。
図29】第2実施形態に係る付帯装置を示す右側面図である。
図30】第2実施形態に係る付帯装置を示す左側面図である。
図31】第2実施形態に係る付帯装置を示す拡大平面図である。
図32図27のC-C線の拡大断面図である。
図33図27のD-D線の拡大断面図である。
図34】第2実施形態に係る付帯装置を拡大して示す分解斜視図である。
図35】第3実施形態に係る付帯装置を示す斜視図である。
図36】第3実施形態に係る付帯装置を示す別方向からの斜視図である。
図37】第3実施形態に係る付帯装置を示す正面図である。
図38】第3実施形態に係る付帯装置を示す背面図である。
図39】第3実施形態に係る付帯装置を示す右側面図である。
図40】第3実施形態に係る付帯装置を示す左側面図である。
図41】第3実施形態に係る付帯装置を示す拡大平面図である。
図42図37のE-E線の拡大断面図である。
図43図37のF-F線の拡大断面図である。
図44】第1実施形態に係る付帯装置の設置を示す斜視図である。
図45】第1実施形態に係る付帯装置の設置を示す別方向からの斜視図である。
図46】第1実施形態に係る付帯装置の設置を示す正面図である。
図47】第1実施形態に係る付帯装置の設置を示す背面図である。
図48】第1実施形態に係る付帯装置の設置を示す右側面図である。
図49】第1実施形態に係る付帯装置の設置を示す左側面図である。
図50】第1実施形態に係る付帯装置の設置を示す拡大平面図である。
図51図46のG-G線の拡大断面図である。
図52図46のH-H線の拡大断面図である。
図53】第2実施形態に係る付帯装置の設置を示す斜視図である。
図54】第2実施形態に係る付帯装置の設置を示す別方向からの斜視図である。
図55】第2実施形態に係る付帯装置の設置を示す正面図である。
図56】第2実施形態に係る付帯装置の設置を示す背面図である。
図57】第2実施形態に係る付帯装置の設置を示す右側面図である。
図58】第2実施形態に係る付帯装置の設置を示す左側面図である。
図59】第2実施形態に係る付帯装置の設置を示す平面図である。
図60図55のI-I線の拡大断面図である。
図61図55のJ-J線の拡大断面図である。
図62】第3実施形態に係る付帯装置の設置を示す斜視図である。
図63】第3実施形態に係る付帯装置の設置を示す別方向からの斜視図である。
図64】第3実施形態に係る付帯装置の設置を示す正面図である。
図65】第3実施形態に係る付帯装置の設置を示す背面図である。
図66】第3実施形態に係る付帯装置の設置を示す右側面図である。
図67】第3実施形態に係る付帯装置の設置を示す左側面図である。
図68】第3実施形態に係る付帯装置の設置を示す平面図である。
図69】本実施形態に係るユニットと付帯装置の連結箇所を示す説明図である。
図70】第4実施形態に係る付帯装置の設置を示す正面図である。
図71】第4実施形態に係る付帯装置の設置を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面に基づき本発明を代表する実施形態を説明する。
図1から図8は、一の遊技装置1Aに関する図面であり、この遊技装置1Aには、第1実施形態に係る付帯装置20と、第2実施形態に係る付帯装置20Aとが設置されている。図9から図14は、別の遊技装置1Bに関する図面であり、この遊技装置1Bには、第2実施形態に係る付帯装置20Aが設置されている。なお、各図における縮尺比率は必ずしも同一ではなく、また、断面図においてはハッチングを一部省略している。
【0014】
図15から図24図44から図52は、第1実施形態に係る付帯装置20に関する図面である。図25から図34図53から図61は、第2実施形態に係る付帯装置20Aに関する図面である。また、図35から図43図62から図68は、図1から図14に示す遊技装置1A,1Bでは設置を省略した第3実施形態に係る付帯装置20Bに関する図面である。図70および図71は、図1から図14に示す遊技装置1A,1Bでは設置を省略した第4実施形態に係る付帯装置20Cに関する図面である。なお、各実施形態に記載した「上下」、「前後」、「左右」等の方向を表す用語は、各構成要素の位置関係を説明するために便宜上定めたものであり、実際の装置の設置状態等を限定するものではない。
【0015】
各実施形態に係る付帯装置20,20A,20Bは、遊技機2を水平な載置面上に取り付けた遊技装置1A,1Bに設置可能なものである。各付帯装置20,20A,20Bは、詳しくは後述するが何れも遊技機2ごとに対応して設置され、前記載置面の高さよりも低い位置から前記載置面を越える高さ位置まで一体的に連なる部位を備えている。なお、各実施形態で示した構成要素、形状、数値等は、何れも本発明の一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。以下、各構成要素について順に説明する。
【0016】
<遊技装置1A,1B>
先ず、遊技装置1A,1Bの全体的な概要について説明する。遊技装置1A,1Bは、従来の遊技機島の一般的な範疇に限定されず、遊技機2を装備した新たな装置として広く認識可能なものである。遊技装置1A,1Bは、床面上に設置するユニット10を1ないし複数備えてなり、各ユニット10内に遊技機2等が収容されている。ここでユニット10は、複数種類の遊技機2が1台単位で水平な載置面上に取り付けられるように構成されている。
【0017】
図1から図8に示す一の遊技装置1Aは、背中合わせの前後の列ごとに3台ずつユニット10が左右に並べて設置されている。よって、遊技装置1Aは、合計6台のユニット10を備えている。遊技装置1Aの前後の列ごとに、隣り合うユニット10の間と、左端のユニット10の左側方に、それぞれ遊技機2ごとに対応した付帯装置20,20Aが設置されている。以下、図1および図2において、図面前方に表れる側を遊技装置1Aの前列とし、図3および図4において、図面前方に表れる側を遊技装置1Aの後列とし説明するが、この前後は逆であってもかまわない。
【0018】
詳しく言えば、遊技装置1Aの前後の列ごとに、左端と中央のユニット10の間には、第1実施形態の付帯装置20が設置され、左端のユニット10の左側方と、右端と中央のユニット10の間には、それぞれ第2実施形態の付帯装置20Aが設置されている。なお、遊技装置1Aは、各ユニット10(各遊技機2)を前後2列に設置する構成に限らず、各ユニット10(各遊技機2)を片側一列にだけ設置しても良い。また、列ごとに並べるユニット10(遊技機2)の数も、3台に限定されることはなく、適宜定め得る設計事項である。
【0019】
また、遊技装置1Aの一端側には、必要に応じて島飾り3が設置されている。ここで島飾り3は、全体形状が縦長の略直方体の筐体に形成されており、その内部に、遊技に関連した設備機器として、例えば制御装置や金庫等を収納することができる。また、ユニット10を組み合わせた遊技装置1A全体の天井には、パネル状の天井化粧板4が装着されている。さらに、遊技装置1Aの両端には、それぞれ妻板5が装着されている。
【0020】
図9から図14に示す別の遊技装置1Bも、基本的には一の遊技装置1Aと同様な構成であり、前後の列ごとに3台ずつ遊技機2を取り付けたユニット10が設置されている。ただし、遊技装置1Bでは、前後の列ごとに左端のユニット10の左側方と、各ユニット10の間には、全て同一の第2実施形態の付帯装置20Aが設置されている。
【0021】
なお、ユニット10(遊技機2)ごとに対応して設置する付帯装置20の種類は、特に限定されることはない。すなわち、遊技装置1A,1Bにおいて、付帯装置20、付帯装置20A、それに付帯装置20Bも含めて、それぞれ混在させたり、あるいは何れか1種類だけに揃えても良い。なお、一の遊技装置1Aと別の遊技装置1Bを総称するときは、単に遊技装置1と表記する。
【0022】
<遊技機2>
遊技装置1においてユニット10ごとに取り付ける遊技機2は、例えばパチンコ機2Aとスロットマシン2Bがある。図1および図2に示すように、遊技装置1Aの前列に並ぶ各ユニット10には、遊技機2のうちスロットマシン2Bが取り付けられている。一方、図3および図4に示すように、遊技装置1Aの後列に並ぶ各ユニット10には、遊技機2のうちパチンコ機2Aが取り付けられている。このような遊技機2の配置は、図9から図14に示す遊技装置1Bについても同様である。
【0023】
本実施形態では遊技機2として、パチンコ機2Aとスロットマシン2Bの2種類を例示するが、これだけに限定されることはない。また、各種遊技機2の台数や前述した具体的な配置は、適宜定め得る設計事項であり、図1から図14に示した例に限定されることはない。例えば、遊技装置1の前後の列ごとに左右に並ぶユニット10でも、同じ種類の遊技機2に揃える必要はなく、異なる種類の遊技機2を取り付けたユニット10を並設しても良い。なお、パチンコ機2Aとスロットマシン2Bを総称するときは、単に遊技機2と表記する。
【0024】
パチンコ機2Aは、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を使用して遊技を行うものであり、ガラス扉で囲われた遊技盤面上に遊技球を打ち出すためのハンドルや、遊技球を貯留する受け皿等を備えている。特に本実施形態のパチンコ機2Aは、遊技球を機体内で循環させて使用し、賞出した遊技球の遊技価値を電子データとして管理するタイプ(いわゆる封入式パチンコ機(例えばスマパチ(登録商標))を採用している。これにより遊技装置1の内部には、従来の遊技機島のように、遊技球を貯留するタンク、遊技球を回収ないし補給する樋部材、遊技球を研磨揚送する装置等を含む遊技球の循環設備の類いは不要となる。
【0025】
スロットマシン2Bは、通常は有体物としてのメダルを遊技媒体として使用して遊技を行うものであるが、本実施形態では有体物としてのメダルは使用せず、電子データとして計数される電子メダルを遊技媒体として使用するタイプ(いわゆるメダルレススロットマシン(例えばスマスロ(登録商標))である。かかるスロットマシン2Bも、通常のスロットマシン同様に、回転する各リール(画面表示も含む)や、各リールの回転を開始ないし停止させるボタン等の操作部のほか、電子メダルを表示可能な画面等を備えている。これにより遊技装置1の内部には、遊技球の循環設備と同様にメダルの循環設備の類いも不要となる。
【0026】
また、図2図4に示すように、各遊技機2の左側方に隣接して台間機30が設置されている。台間機30は、紙幣の挿入、あるいはキャッシュレス決済媒体(クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、スマートフォン(非接触型IC決済、二次元バーコード決済)等)を受け付けて、遊技媒体(遊技球または仮想メダル)を貸し出す遊技設備機器である。台間機30は、パチンコ機2Aに対応するものは、紙幣等の挿入に応じて遊技球を貸し出す仕様であり、スロットマシン2Bに対応するものは、紙幣等の挿入に応じて仮想メダルを貸し出す仕様である。
【0027】
台間機30は、前記何れの仕様であっても、その細幅な筐体の正面側に図示省略したが紙幣受入口等が設けられている。台間機30の正面操作部には、紙幣受入口のほか、各種表示ランプやボタンスイッチ類、それに紙幣受入口の代わりに、キャッシュレス決済媒体の受入口等を必要に応じて設けても良い。なお、台間パネル22の背面側には、図示省略したが紙幣受入口に受け入れられた紙幣の識別機能を含むいわゆるビルバリ(台間機30とは別体で主にスロットマシン2Bに用いる。)等も必要に応じて配設されている。
【0028】
台間機30は、詳しく言えば遊技機2の種類に応じて横幅等の構成に違いがある。例えば、図2に示すスロットマシン2B用の台間機30は、図4に示すパチンコ機2A用の台間機30よりも横幅が広く構成されている。そのため、台間機30の種類を変更した場合には、その横幅の差により遊技機2の側方に隙間が生じることがある。従って、このように隙間を塞ぐために、各遊技機2の右側方には、例えば間柱や装飾板等、横幅が異なる閉鎖部材40が配設されている。
【0029】
<ユニット10>
図44から図52に示すように、ユニット10は、その正面および背面が縦長の長方形に開口した枠状に形成されており、その基本的な構造として左右一対の側面板11,11を備えている。各側面板11の前端縁に沿って、後述するフレーム部材110が取り付けられている。各側面板11の上半側には、その後端縁側から切り欠いた切欠部12が設けられている。切欠部12は、各ユニット11を背中合わせに組み合わせたとき、互いに合わさって1つの開口を形成するものである。かかる開口は、遊技装置1全体として、その前後幅の中央部分を貫通する設備機器(例えば紙幣搬送装置等)の配置スペースとなる。
【0030】
ユニット10の内部は、複数種類ある遊技機2の異なる外形寸法のものでも収容可能となっている。すなわち、ユニット10は、パチンコ機2Aとスロットマシン2Bを、それぞれ別々のレイアウトに変更した上で収容可能に構成されている。ユニット10の下段内部は、必要に応じて仕切板(図示せず)によって区画され、ユニット10の下段と中段の境には、遊技機2を取り付ける膳板13が各側面板11の間に水平な状態で配設されている。この膳板13の上面が、本発明において遊技機2を取り付ける水平な「載置面」の一例である。
【0031】
膳板13の高さ位置は、遊技機2の種類に応じて変更することができる。すなわち、図46に示すように、スロットマシン2Bを取り付けるときは、パチンコ機2Aの場合よりも膳板13を低い位置に配設する。このとき、スロットマシン2Bの操作ボタンは、遊技者にとって操作し易い高さ位置となる。一方、図55に示すように、パチンコ機2Aを取り付けるときは、スロットマシン2Bの場合よりも膳板13を高い位置に配設する。このとき、パチンコ機2Aのハンドルは、遊技者にとって操作し易い高さ位置となる。なお、膳板13上には、必要に応じて高さ調整用の水平な座板を重ねて、この座板の上に遊技機2を取り付けても良い。この場合、正確には座板の上面が「載置面」に相当する。
【0032】
また、図55に示すように、膳板13の下方(に位置する各側面板11の間)の正面は、上から順に下部配置板14、腰板15、最下部配置板16a、16bによって覆われている。ここで下部配置板14は、パチンコ機2Aを取り付けるときの膳板13の高さに応じて、膳板13と腰板15の間に付加されるものであり、図46に示すように、スロットマシン2Bを取り付ける場合は不要となる。なお、ユニット10の下段内部は、遊技機2ごとに使用しない設備機器等(例えば下部配置板14)の収容スペースとして活用すると良い。
【0033】
図44に示すように、ユニット10の上段では、両側面板11,11の上端間に、前後に並ぶ上端前部材19aと上端後部材19bが架設されている。また、ユニット10の上段(に位置する各側面板11の間)の正面は、上から順に、幕板17a、17b、上部配置板18によって覆われている。ここで上部配置板18は、スロットマシン2Bを取り付けるときの高さに応じて、スロットマシン2Bの天井面と幕板17bの間に付加されるものであり、図53に示すように、パチンコ機2Aを取り付ける場合は不要となる。なお、幕板17a、17bには、各種遊技機2に関する遊技情報等を表示する表示装置、遊技店員を呼び出すための呼出ランプ等を配設すると良い。
【0034】
<第1実施形態の付帯装置20>
図15から図24に示すように、第1実施形態に係る付帯装置20は、各ユニット10の間に連結するように設置するタイプであり、遊技機2ごとに対応して1台ずつ設置される。本実施形態では、図1から図4に示すように、遊技機2の左側方に位置する付帯装置20が、当該遊技機2で遊技を行う遊技者が使用するものとなる。付帯装置20は、基本的には奥行の浅い箱形に構成されており、その正面側の一部を覆うように台間パネル22が取り付けられている。
【0035】
図44に示すように、付帯装置20は、前記載置面(膳板13の上面)の高さよりも低い位置から前記載置面を越える高さ位置まで一体的に連なる部位を備えている。ここで一体的に連なる部位として、少なくとも筐体部を備えている。筐体部とは、その上下、前後ないし左右が何かしら仕切られている部位であれば足り、その内部のスペースの正面が開口しているとは限らず、正面が塞がれている構造も含まれる。このような付帯装置20は、遊技装置1に装備されるものであるが、元々は遊技装置1とは別体として構成されている。
【0036】
図15から図20に示すように、詳しく言えば付帯装置20は、左右一対の側板21,21と、各側板21の間の中程に取り付けられた台間パネル22と、各側板21の間で台間パネル22の下側に取り付けられた下パネル材23と、各側板21の間で台間パネル22の上側に取り付けられた上パネル材24とを備えている。付帯装置20の両側幅は、各ユニット10の間の寸法に合致している。下パネル材23の下端縁は、各側板21の下端まで延びており、これらは図44に示すように、隣り合う各ユニット10の対向し合う側面板11の下端側に設けられたベース部材25の上に設置されている。
【0037】
図24に示すように、各側板21は、それぞれ奥行が細幅で上下に延びるように形成されている。側板21の前端縁に沿った外面側には、上下の全長に亘って延びる後述の凸条210が設けられている。側板21は、例えば木製の板材から形成すると良い。各側板21は、各ユニット10の間の寸法に丁度収まるように離隔しており、台間パネル22、下パネル材23、それに上パネル材24の両側幅は、それぞれ各側板21の外面間の寸法に合致している。
【0038】
下パネル材23は、縦長の長方形に形成されている。下パネル材23は、前記ベース部材25上に合わせて取り付けられ、その上端に台間パネル22の下端を合わせることで、下パネル材23の上下高さが、台間パネル22を取り付ける標準高さ位置を定めるものとなる。これにより、各側板21の間に台間パネル22を取り付ける際には、その位置出しの墨出しを行う必要はない。下パネル材23は、例えば金属製の薄板材から形成すると良い。なお、下パネル材23は、その四隅を各側板21の前端縁に正面からネジ止めして取り付けると良い。
【0039】
一方、上パネル材24は、縦長の長方形に形成されているが、各側板21の上端に載置する水平な天面壁241と、天面壁241の前端縁より直角に垂下する正面壁242とを備えている。このように上パネル材24は、L字形の断面形状であるため、付帯装置20の上面を塞ぐ覆いの一部を兼ねている。また、天面壁241を、そのまま各側板21の上端に載せるだけで位置決めとなり、墨出し等を行わなくても正しい高さ位置に取り付けることができる。
【0040】
また、正面壁242の下端縁は、台間パネル22の上端側に前方から重ね合わせる。これにより、台間パネル22と上パネル材24との継ぎ目の位置を、一定の高さ位置(上パネル材24の全高)に保つことが可能となり、美感上もきれいに仕上げることができる。上パネル材24も、例えば金属製の薄板材から形成すると良い。なお、上パネル材24も、その正面壁242の四隅を各側板21の前端縁に正面からネジ止めして取り付けると良い。
【0041】
台間パネル22は、両側幅が各側板21の外面間の寸法に合致する板材からなるが、台間パネル22の下半部には、後方への内部空間を囲む箱状の台間収納部221が設けられている。台間収納部221は、正面が開口しており、その内部空間は、遊技者が例えば携帯端末やペットボトル飲料等を出し入れするスペースとなっている。なお、台間収納部221の内側は、必要に応じて内部空間を上下に仕切るための棚板221aを設けても良い。
【0042】
台間パネル22の上半部の右側には、例えば遊技機2の説明書、遊技店におけるイベントの日程案内、その他のPOP広告等を収納可能な冊子入れ6が配設されている。また、台間パネル22の上半部の左側には、仕切ボード7が設置されている。仕切ボード7は、隣り合う遊技機2の遊技者同士の飛沫感染を防止するための板材である。仕切ボード7は、所要な強度と弾性のある透明樹脂製であることが好ましい。なお、仕切ボード7は、台間パネル22の正面より常時突出した固定式のものに限らず、台間パネル22に対して着脱自在あるいは出没可能に収納できるように構成しても良い。
【0043】
このような第1実施形態に係る付帯装置20では、前記載置面(膳板13の上面)の高さよりも低い位置から前記載置面を越える高さ位置まで一体的に連なる部位として、左右一対の側板21,21の他、下パネル材23を備えている。また、各側板21と下パネル材23によって区画された部位が前記筐体部をなしている。さらに、付帯装置20の内部において、台間パネル22の下端と下パネル材23の上端との境界は、前記載置面より上方に位置する仕切面をなし、この仕切面より前記載置面を越える側(下方)まで連なるスペースを備えている。その他、付帯装置20の設置等に関する構成の細部については後述する。
【0044】
<第2実施形態の付帯装置20A>
図25から図34に示すように、第2実施形態に係る付帯装置20Aは、基本的には第1実施形態に係る付帯装置20と同様な構成である。すなわち、付帯装置20Aも、遊技機2ごとに対応して1台ずつ設置され、遊技機2の左側方の付帯装置20Aが、当該遊技機2に対応するものとなる。また、付帯装置20Aも、各ユニット10の間に設置するタイプであるが、前記付帯装置20とは異なり下部に遊技者用の荷物置きを備え、設置箇所に自立可能に構成されている。以下、第1実施形態の付帯装置20と同種の部位については、同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0045】
図25から図30に示すように、詳しく言えば付帯装置20Aは、自立可能な箱状に構成され遊技者用の荷物置きとなる下部収納体26と、該下部収納体26の上側に立設される左右一対の側板21,21と、各側板21の間の下半側に取り付けられた台間パネル22と、各側板21の間で台間パネル22の上側に取り付けられた上パネル材24とを備えている。このように付帯装置20Aは、下部収納体26によって自立可能であり、前記下パネル材23は存在しない。なお、台間パネル22と上パネル材24は、第1実施形態の付帯装置20における構成と同一である。
【0046】
図25に示すように、下部収納体26は、奥行(前後方向)の長い略矩形の底部260と、底部260の両端に立設された左右一対の側面板261,262と、各側面板261,262の上側に取り付けられた上面板263と、背面側を塞ぐ背面板264によって、基本的には前方が開口した縦長の筐体として構成されている。下部収納体26は、正面視で右側の側面板261が左側の側面板262よりも奥行幅が短いため、右側の遊技者向きに開口している。下部収納体26の内部空間は、遊技者が例えばカバン等を出し入れするスペースとなっている。
【0047】
図34に示すように、各側板21は、それぞれ奥行が細幅で上下に延びる板材からなるが、下部収納体26の上面板263上に立設されるため、下部収納体26の高さ分だけ第1実施形態のものよりも短く設定されている。また、下部収納体26には高さ調整機構がないため、各側板21の設置高さの調整は、例えば下部収納体26の上面板263と各側板21の下端との間に隙間を設けることにより、床面レベルに応じた各側板21の高さ調整を可能にしている。これは付帯装置20Aを各ユニット10の間に設置した後は、床面の設置箇所におけるアジャスト調整は実際の設置工事では実施が困難だからである。
【0048】
このような第2実施形態に係る付帯装置20Aでは、下部収納体26の上面板263が前記載置面(膳板13の上面)とほぼ同じ高さであるが(図53参照)、上下に組み合わされた下部収納体26および左右一対の側板21,21としては、前記載置面の高さよりも低い位置から前記載置面を越える高さ位置まで一体的に連なる部位として捉えることができる。また、下部収納体26と、その上に連なる各側板21と台間パネル22によって区画された部位が前記筐体部をなすと解釈することもできる。また、下部収納体26の上面板263を仕切面として、この上面板263(仕切面)の高さ位置を、前記載置面より上方または下方に適宜ずらして配置しても良い。
【0049】
<第3実施形態の付帯装置20B>
図35から図43に示すように、第3実施形態に係る付帯装置20Bは、基本的には第1実施形態に係る付帯装置20と同様な構成である。すなわち、付帯装置20Bも、遊技機2ごとに対応して1台ずつ設置され、遊技機2の左側方の付帯装置20A、当該遊技機2に対応するものとなる。ただし、付帯装置20Bは、各ユニット10の間に必ずしも連結させる必要はなく、単独の構造体して床面の設置箇所に自立可能なBOXタイプである。以下、第1実施形態の付帯装置20と同種の部位については、同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0050】
図35から図38に示すように、詳しく言えば付帯装置20Bは、左右一対の側板21,21と、各側板21の間の中程に取り付けられた台間パネル22と、各側板21の間で台間パネル22の下側に取り付けられた下パネル材23と、各側板21の間で台間パネル22の上側に取り付けられた上パネル材24とを備えている。また、各側板21の上端間には天板27が取り付けられ、各側板21の背面側は背板28で覆われている。
【0051】
各側板21は、それぞれ奥行が前記付帯装置20のものよりも長い幅で上下に延びているが、正面視で右側の側板21は、その下端が床面上に到達する一方、正面視で左側の側板21は、その下端が前記ベース部材25の上に設置されている。また、下パネル材23の下端も、前記ベース部材25の上に設置されている。なお、台間パネル22、下パネル材23、それに上パネル材24は、第1実施形態の付帯装置20における構成と同一である。
【0052】
このように第3実施形態に係る付帯装置20Bは、全体形状が縦長の略直方体の箱形に構成されている。付帯装置20Bは、前記載置面(膳板13の上面)の高さよりも低い位置から前記載置面を越える高さ位置まで一体的に連なる部位として、左右一対の側板21,21と背板28を備え、各側板21と背板28によって区画された部位が前記筐体部をなしている。
【0053】
付帯装置20B全体である筐体部は、例えば下パネル材23を外して開口させたり、下パネル材23に開閉可能な扉を設けることで、その内部を前記台間収納部221とは別に遊技者用の荷物置きスペースとして活用しても良い。なお、台間パネル22の下端と下パネル材23の上端との境(仕切面)は、前記載置面(膳板13の上面)とほぼ同じ高さであるが(図62参照)、この境(仕切面)の高さ位置は、前記載置面より上方または下方に適宜ずらして配置することも可能である。
【0054】
<付帯装置20,20A,20Bの作用について>
<<第1実施形態の付帯装置20の設置>>
図44から図52に示すように、第1実施形態に係る付帯装置20は、各ユニット10の間に連結するように設置する。ここで各ユニット10の間は、その下端から上端に亘って付帯装置20を設置する専用空間となり、各ユニット10の間の寸法は、付帯装置20の両側幅と合致している。
【0055】
特に、付帯装置20の高さ寸法は、ユニット10における遊技機2の載置面(膳板13の上面)の高さに何ら規制されることはなく、ユニット10の全長高さまで使用することが可能である。従来の遊技機島では、前述の背景技術に記載したように、一般の付帯装置は遊技機と同様に載置面上に設置されている。そのため、従来の遊技機島では、島全体の高さを使った付帯装置は存在しなかった。
【0056】
各ユニット10の間の床面にはベース部材25を載置し、この上に付帯装置20を構成する各側板21、下パネル材23、台間パネル22、それに上パネル材24等を順に設置する。図69に示すように、各側面板11の前端縁にはフレーム部材110が取り付けられており、フレーム部材110は、その上下方向に亘って外側方に開口する凹溝111を備えている。各ユニット10の間で互いに対向するフレーム部材110の凹溝111に、付帯装置20の両側端が連結される。これにより、付帯装置20が床面に自立できなくても、各ユニット10の間に容易に設置することが可能となる。
【0057】
詳しく言えばフレーム部材110は、側面板11の前端縁の両側にある蟻溝に係合して、該前端縁に被さる略コ字形断面の固着部112を基幹として備えている。側面板11の前端縁には、その両側から対向して同じ深さに凹む一対の蟻溝を全長に亘ってスリット状に形成する。固着部112は、略コ字形断面であり、その両側端縁に、互いに内向きに折れ曲がって蟻溝に嵌入する一対のフランジを設ける。
【0058】
また、固着部112の開口溝がある後面と反対側の前面に沿って、該前面と共に略コ字形断面となる前記凹溝111をなすアングル部113を一体に設ける。ここで凹溝111は、フレーム部材110の全長に亘って外側方に開口する。このフレーム部材110の凹溝111の開口は、ユニット10の正面開口と直交している。このようなフレーム部材110は、側面板11に対してネジ等の固着手段を用いることなく、その一端よりスライドさせるだけで取り付けることが可能である。
【0059】
図69に示すように、付帯装置20は、各側板21の前端縁にある凸条210を、その両側に位置するフレーム部材110の凹溝111に嵌め込むことにより、各ユニット10の間に容易に連結して設置することができる。このように付帯装置20は、ユニット10自体の構造、すなわちフレーム部材110等との係合により、ネジ等の固着手段の用いることなく、着脱可能に設置することができる。しかも、付帯装置20は、各ユニット10の間に一体的に設置することが可能であり、一体感のあるデザインとして装飾性を高めることができる。
【0060】
下パネル材23は、その下端をベース部材25上に合わせて、例えば四隅を各側板21の前端縁に正面からネジ止めして取り付ける。ここで下パネル材23の上下高さが、台間パネル22を取り付ける標準高さ位置を定めるものとなる。これにより、各側板21の間に台間パネル22を取り付ける際は、その位置出しの墨出しを行う必要はない。また、付帯装置20の最下端にベース部材25を設けたことにより、台間パネル22の部位では、床面レベルに応じた高さ調整を行う必要はない。
【0061】
台間パネル22は、その下端を下パネル材23の上端に合わせて、例えば四隅を各側板21の前端縁に正面からネジ止めして取り付ける。ここで台間パネル22と下パネル材23の上下端を接続する際に、設置誤差から隙間が生じて美感を損ねる虞がある。そこで、パネル上下端を合わせる部分の構造として、一方のパネル材の背面側に、図示省略したが端縁より延出する板金等の板材を溶接等で貼り合わせて、端縁より延出する段差を設けると良い。
【0062】
これにより、設置誤差によりパネル上下端に隙間が生じた場合でも、板材があることで隙間が生じなくなり、想定通りの美観でパネル材同士を上下に連なる状態に設置することが可能となる。また、板材があることによって、上下端の部分における反りの発生を防止することができ、繋ぎ部分をフラットに維持することにも可能となる。なお、板金等の板材は、なるべく目立たないように例えば黒色塗装を施すと良い。
【0063】
図24に示すように、上パネル材24は、その天面壁241を、そのまま各側板21の上端に載せるように位置決めして、例えば正面壁242の四隅を各側板21の前端縁に正面からネジ止めして取り付ける。ここで天面壁241が、各側板21の上端に載ることにより、上パネル材24の墨出し等を行わなくても、上パネル材24を正しい高さ位置に取り付けることができる。
【0064】
上パネル材24における正面壁242の高さ寸法は、予め固定されたものであって調整できない。よって、正面壁242の下端が、台間パネル22の上端とちょうど合致しなければ、正面壁242の下端を、台間パネル22の上端側に前方から重ね合わせる。これにより、台間パネル22と上パネル材24との継ぎ目の位置を、一定の高さ位置(上パネル材24の全高)に保つことが可能となり、美感上もきれいに仕上げることができる。
【0065】
また、正面壁242の下端を、台間パネル22の上端側に前方から重ね合わせた場合、かかる重ね合わせ部分を、各側板21の前端縁に沿って取り付けると新たな問題が生じる。すなわち、前記重ね合わせ部分では、下方となる台間パネル22の上端側の板厚分だけ段差が生じるため、正面壁242の下端が歪んでしまう。よって、美観上で問題となるたけでなく、歪んだ正面壁242の下端が反った場合、怪我の原因となる虞があり安全面でも問題であった。
【0066】
そこで、図24の部分拡大に示すように、各側板21の前端縁において、パネルを取り付ける正面は、単に上下に直線状に延びる構造とはせず、前記重ね合わせ部分を考慮して、上パネル材24の正面壁242の取付面と、台間パネル22の取付面とで、後者の方が奥行側に一段凹むように段差を設けると良い。かかる段差によれば、台間パネル22上に上パネル材24を重ね合わせても、台間パネル22の板厚分が相殺されるため、上パネル材24を歪むことなく取り付けることが可能となる。
【0067】
<<第2実施形態の付帯装置20Aの設置>>
図53から図61に示すように、第2実施形態に係る付帯装置20Aは、各ユニット10の間に連結するように設置する。ここで付帯装置20Aは、下部収納体26によって床面上に自立可能であるが、各側板21は、前記付帯装置20と同様に各ユニット10の間に連結するように設置する。
【0068】
すなわち、各ユニット10の間の床面に、下部収納体26をそのまま自立させ設置した後、下部収納体26の上面板263上に各側板21を立設する。このとき、図69に示すように、各側板21の凸条210を、前記付帯装置20と同様に各ユニット10におけるフレーム部材110の凹溝111に嵌め込むことにより、容易に連結して設置することができる。
【0069】
このような付帯装置20Aでは、前述したように下部収納体26に高さ調整機構がないため、各側板21の設置高さの調整は、例えば次のように行う。すなわち、下部収納体26の上面板263と各側板21の下端との間に隙間を設けることにより、床面レベルに応じた各側板21の高さ調整を可能にしている。これは付帯装置20Aを各ユニット10の間に設置した後は、床面の設置箇所におけるアジャスト調整は実際の設置工事では実施が困難だからである。
【0070】
<<第3実施形態の付帯装置20Bの設置>>
図62から図68に示すように、第3実施形態に係る付帯装置20Bは、各ユニット10の間に必ずしも連結させる必要はなく、単独の構造体してユニット10の側方に、そのまま自立させて設置することが可能である。このような付帯装置20Bでは、前記付帯装置20,20Aとは異なり、前記ベース部材25の底面側にアジャスターを設けることにより、床面の設置箇所における高さ調整や水平出しなどアジャスト調整を容易に行うことが可能となる。なお、ベース部材25の底面側にキャスターを設けて、移動できるようにしても良い。
【0071】
<<第4実施形態の付帯装置20C>>
図70および図71に示すように、第4実施形態に係る付帯装置20Cは、第1実施形態に係る付帯装置20と同様に、各ユニット10の間に連結するように設置されるものであるが、正面側の構成が付帯装置20とは異なっている。すなわち、付帯装置20Cでは、左右の側板21(図示せず)の間の正面側の開口が、前述した台間パネル22、下パネル材23、上パネル材24の代わりに、上下に連なる一枚の台間パネル220によって塞がれている。
【0072】
台間パネル220は、台間機30の正面操作部を露出可能な開口部(図70中で台間機30を囲む縦長の矩形部分)を備えており、その背面側に台間機30を設置可能である。図71に示すように、背面側には上下に並ぶ桟222,223がそれぞれ配設されている。この上下の桟222,223に、台間機30の図示省略したホルダの上下端面をそれぞれ固定することにより、付帯装置20の内部に台間機30を設置することができる。なお、台間パネル220は、例えば金属製の薄板材から形成すると良い。また、台間パネル220は、その両側の複数箇所を各側板21(図示せず)の前端縁に正面からネジ止めして取り付けると良い。
【0073】
このような付帯装置20Cによれば、図2および図4に示したように台間機30を膳板13と幕板17a、17bの間に設置する必要がなくなる。従来の遊技機島では、遊技装置1Aと同様に台間機30(特許文献2ではサンドパネル4、特許文献3では貸出機13等)を膳板13と幕板17a、17bの間に設置していた。前述したように台間機30は、例えば遊技機2の種類に応じて横幅等に違いがあるため、台間機30の種類を変更した場合に横幅の差により隙間が生じることがある。そのため、横幅が異なる閉鎖部材40を幾つも用意して隙間を塞ぐ必要があった。
【0074】
これに対して、付帯装置20Cによれば、台間機30を付帯装置20の内部に設置することで、台間機30の種類による横幅の違いによって生じる隙間がなくなるため、この隙間を塞ぐための閉鎖部材40を用意しなくて済む。なお、台間機30の図示省略したホルダを固定する場合は、台間パネル220の開口部に固定するように構成しても良く、あるいは付帯装置20の内部に配設したブラケット等によって固定しても良い。
【0075】
このような第4実施形態に係る付帯装置20Cでは、前記載置面(膳板13の上面)の高さよりも低い位置から前記載置面を越える高さ位置まで一体的に連なる部位として、図示省略した左右一対の側板21,21の他、台間パネル220を備えている。また、各側板21と台間パネル220によって区画された部位が前記筐体部をなすことになる。
【0076】
<<その他の作用>>
本発明の根幹に関する作用効果については後述するが、各付帯装置20,20A、20Bに共通する作用効果として、それぞれの台間パネル22にある台間収納部221は、例えば携帯端末やペットボトル飲料等を収納するパーソナルスペースとして活用することができる。また、仕切ボード7によって隣りの遊技者の間の空間を仕切ることにより、遊技者同士の喫煙や音等を遮蔽することが可能となる。特に付帯装置20Aによれば、下部収納体26の内部空間に、例えばカバン等の比較的大きな荷物を収納することもできる。
【0077】
また、前述した遊技装置1A,1Bを構成するユニット10によれば、ユニット10ごとに遊技機2の種類を容易に組み換えることが可能となる。特に、パチンコ機2Aからスロットマシン2Bへ、逆にスロットマシン2Bからパチンコ機2Aへ、の何れの組み換え作業においても、同一のユニット10内だけで各部材の配置を変更したり、当該ユニット10内に保管されていた部材を使用することにより、必要な構成は全て1つのユニット10に含まれているもので足りることになる。
【0078】
このようなユニット10によれば、パチンコ機2Aないしスロットマシン2Bに組み換える際に、各遊技機2で不要となる設備機器は、図59から図61に示すように、ユニット10の上段や下段の内部で空いているスペースに収納しておくことができる。従来より遊技機2の種類を組み換え可能な遊技機島はあったが、遊技機2の種類に応じて不要となった設備機器を別途保管するための場所を用意しなければならなかった。なお、遊技機2として、前述した封入式パチンコ機やメダルレススロットマシンを採用すれば、前記ユニット10には、従来の遊技機島における遊技媒体の貯留タンクや配給樋部材等が不要となる。
【0079】
<本発明の構成と作用効果>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
【0080】
先ず、本発明は、遊技機2を水平な載置面上に取り付けた遊技装置1に設置可能な付帯装置20,20A,20B,20Cにおいて、
遊技機2ごとに対応して設置され、前記載置面の高さよりも低い位置から前記載置面を越える高さ位置まで一体的に連なる部位を備えたことを特徴とする。
【0081】
このような構成によれば、付帯装置20,20A,20B,20Cは、遊技機2の載置面の高さに規制されることはなく、遊技機2の全高を越えるような十分な高さ寸法を確保することが可能となる。よって、付帯装置20,20A,20B,20Cに設備機器を設置する場合は、そのレイアウトが前記載置面に制限されることはない。また、付帯装置20,20A,20B,20Cの内部空間を、遊技者の利用に供する場合は、例えば長尺物(傘、コート、ゴルフバッグ、釣り竿、スキー板等)も収容できるスペースの確保が可能となり、遊技者の利便性を高めることができる。
【0082】
前述したように、遊技機2を取り付ける水平な「載置面」とは、例えばユニット10における膳板13の上面等が該当する。また、載置面の高さよりも低い位置から載置面を越える高さ位置まで一体的に連なる「部位」とは、付帯装置20,20A,20B,20Cの構成要素のうち、載置面を上下方向に跨いで延びる部材であれば何でも良く、当該部材の内側の空間も該当する。
【0083】
従来の遊技機島では、一般の付帯装置は遊技機と同様に載置面上に設置されているため、島全体の高さを使った付帯装置は存在しなかった。その理由は、従来の遊技機島では、膳板より下方の島下段内部には、遊技媒体を補給ないし循環させる設備機器があるため、付帯装置を設置することはできなかったことによる。よって、従来の付帯装置は、限られた高さ寸法のものしか採用できなかったので、遊技者に利便性がある付帯装置の提案は困難な状況にあった。
【0084】
また、本発明は、前記付帯装置20,20A,20B,20Cが、前記遊技装置1とは別体として構成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、付帯装置20,20A,20B,20Cは、遊技装置1とは別体であり、遊技装置1を構成する必須の構成要素ではないので、自在に移動および設置(例えばレイアウト変更、減台増台対応等)が可能になる。
【0085】
また、本発明は、前記一体的に連なる部位として、少なくとも筐体部を備えることを特徴とする。
このような筐体部によって、その内部空間を、遊技者が利用するパーソナルスペース(例えば台間収納部221等)として利用することが可能となる。もちろん、筐体部の内部空間ないし壁面を設備機器(例えば冊子入れ6、仕切ボード7、台間機30等)の配置スペースとして利用することも可能となる。なお、筐体部は、その内部空間が前方に開口しているとは限らず、前面が塞がれている場合や、四方の一部が囲まれていないような構造も含まれる。
【0086】
また、本発明は、前記載置面より上方または下方に位置する仕切面を備え、該仕切面より前記載置面を越える側(の上方または下方)まで連なるスペースが形成されたことを特徴とする。
このような構成により、付帯装置20,20A,20Bの内部空間を、前記載置面に規制されることなく、仕切面によって区分けする等の自由なレイアウトが可能となる。よって、設備機器を設置する場合、あるいは遊技者の利用に供する場合も、よりいっそう利便性を高めることができる。
【0087】
また、本発明である付帯装置20,20A,20Cは、前記遊技機2をそれぞれ前記載置面上に取り付けた各ユニット10の間に設置され、前記各ユニット10の対向し合う側に取り付け可能であることを特徴とする。
このような構成により、付帯装置20,20Cが自立できない構成であっても、各ユニット10の間に確実に連結して設置することができる。また、付帯装置20Aが自立できる構成であっても、各ユニット10の間に確実に位置決めして設置することができる。
【0088】
また、本発明である付帯装置20Bは、前記遊技機2を前記載置面上に取り付けたユニット10の側方に隣接して設置され、該設置箇所に自立可能であることを特徴とする。
このような構成により、付帯装置20Bは、ユニット10に対して連結しなくても、ユニット10の側方など所定箇所に自由に設置することができる。
【0089】
さらに、本発明である付帯装置20,20Aは、前記ユニット10に取り付けた接合箇所を、前方から覆うカバー部材を備えたことを特徴とする。
ここで「接合箇所」とは、付帯装置20,20Aにおける側板21の凸条210が、ユニット10におけるフレーム部材110の凹溝111に嵌め込まれた箇所である。また、「カバー部材」とは、前記接合箇所を覆うように側板21の前端縁に取り付けられる台間パネル22,下パネル材23、上パネル材24が該当する。これにより、付帯装置20,20Aの正面側における美観を高めることができる。
【0090】
以上、本発明の実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、遊技装置1における遊技機2の種類、台数、それに具体的に割付け(レイアウト)は、前述した実施形態の態様に限られず、設置場所の状況に応じて適宜定めると良い。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明に係る遊技機島は、遊技機としてパチンコ機やパチスロ機を備える遊技機装置に装備するものとして、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1A…遊技装置
1B…遊技装置
2…遊技機
2A…パチンコ機
2B…スロットマシン
6…冊子入れ
7…仕切ボード
10…ユニット
13…膳板
20…付帯装置
20A…付帯装置
20B…付帯装置
20C…付帯装置
21…側板
22…台間パネル
23…下パネル材
24…上パネル材
30…台間機
40…閉鎖部材
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